特許第6247638号(P6247638)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6247638使い捨ておむつの折り込み方法及び折り込み装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247638
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】使い捨ておむつの折り込み方法及び折り込み装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   A61F13/15 356
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-554127(P2014-554127)
(86)(22)【出願日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】JP2013007472
(87)【国際公開番号】WO2014103259
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2016年11月15日
(31)【優先権主張番号】特願2012-282640(P2012-282640)
(32)【優先日】2012年12月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】島田 崇博
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/126743(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15−13/84
A61L15/16−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用時に着用者の前腹部から股下部を介して後背部まで延びる本体部と、折り目を基準として2つ折りにされた前記本体部の前部と後部とを連結する一対の側部とを有する使い捨ておむつの折り込み方法であって、
予め設定された前記使い捨ておむつの搬送経路を挟んで互いに対向するとともに前記搬送経路の下流側に向かうに従い互いに離間するように配置された第1ベルト及び第2ベルトのうちの一方のベルトに対して前記本体部の前部を吸着させるとともに他方のベルトに対して前記本体部の後部を吸着させた状態で前記第1ベルト及び前記第2ベルトを移動させることにより前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送しつつ前記本体部の前部と後部とを互いに離間させる離間工程と、
互いに離間した前記本体部の前部と後部との間に前記各側部を折り込む折り込み工程とを含み、
前記離間工程では、前記第1ベルト及び前記第2ベルトのうちの少なくとも一方のベルトに対して前記本体部における前記折り目から長手方向の所定の位置までの非吸着範囲以外の範囲のみを吸着させた状態で、前記折り目が下流側に向くように前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送することにより、前記非吸着範囲を前記少なくとも一方のベルトから離しながら前記本体部の前部と後部とを離間させ
前記第1ベルト及び前記第2ベルトには、それぞれ複数の吸着領域が設けられているとともに、前記複数の吸着領域は、それぞれ1つの前記本体部の前部又は後部の大きさの範囲内にそれぞれ制限され、
前記離間工程では、前記第1ベルトの吸着領域と前記第2ベルトの吸着領域との周期が合うように前記両ベルトを移動させ、
前記第1ベルト及び前記第2ベルトは、それぞれ平ベルトにより形成されているとともに、前記各吸着領域の位置を示す複数のマークをそれぞれ有し、
前記離間工程では、負圧に設定された第1吸引室を有する第1吸引部と前記第1ベルトとを前記各吸着領域が順次前記第1吸引室に臨むように摺接させるとともに、負圧に設定された第2吸引室を有する第2吸引部と前記第2ベルトとを前記各吸着領域が順次前記第2吸引室に臨むように摺接させることにより、前記各吸着領域に吸着力を与えるとともに、前記マークの位置に基づいて前記第1ベルトの吸着領域と前記第2ベルトとの吸着領域との周期を合わせる、使い捨ておむつの折り込み方法。
【請求項2】
前記第2ベルトよりも前記搬送経路の下流側に延びる前記第1ベルトの延出部分と前記搬送経路を挟んで互いに対向するとともに前記搬送経路の下流側に向かうに従い前記第1ベルトに対して近接するように配置された第3ベルトが前記第2ベルトから引き受けた前記本体部の前部又は後部を吸着した状態で、前記第1ベルト及び前記第3ベルトを移動させることにより、前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送しつつ前記本体部の前部と後部とを互いに近接させる近接工程をさらに含み、
前記折り込み工程は、前記離間工程において前記本体部の前部と後部とが離間した後又は前記近接工程の期間中に行われる、請求項1に記載の使い捨ておむつの折り込み方法。
【請求項3】
前記折り込み工程では、前記搬送経路を挟んだ前記第1ベルトの両側位置に設けられているとともに羽根を有する一対のインペラを、前記羽根が前記搬送経路上で上流側から下流側に移動して前記本体部の前部と後部との間に挿入するように回転させ、
前記各インペラの回転速度は、前記第1ベルトの移動による前記使い捨ておむつの搬送速度よりも高い、請求項2に記載の使い捨ておむつの折り込み方法。
【請求項4】
着用時に着用者の前腹部から股下部を介して後背部まで延びる本体部と、折り目を基準として2つ折りにされた前記本体部の前部と後部とを連結する一対の側部とを有する使い捨ておむつの折り込み装置であって、
第1ベルトと、前記第1ベルトに対して前記本体部の前部及び後部のうちの一方を吸着させた状態で前記第1ベルトを移動可能な第1移動機構とを有する第1搬送部と、
予め設定された搬送経路を挟んで前記第1ベルトと互いに対向するとともに前記搬送経路の下流側に向かうに従い前記第1ベルトから離間するように配置された第2ベルトと、前記第1ベルトと協働して前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送しつつ前記本体部の前部と後部とを互いに離間させるように前記第2ベルトに対して前記本体部の前部及び後部のうちの他方を吸着させた状態で前記第2ベルトを移動可能な第2移動機構とを有する第2搬送部と、
前記第1搬送部及び前記第2搬送部により互いに離間した前記本体部の前部と後部との間に前記各側部を折り込む折り込み部とを備え、
前記第1ベルト及び前記第2ベルトのうちの少なくとも一方のベルトは、前記本体部における前記折り目から長手方向の所定の位置までの非吸着範囲以外の範囲のみを吸着するための複数の限定吸着領域を有し、
前記第1搬送部及び前記第2搬送部は、前記限定吸着領域に対して前記本体部における前記非吸着範囲以外の範囲のみを吸着させた状態で、前記折り目が下流側に向くように前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送することにより、前記非吸着範囲を前記少なくとも一方のベルトから離しながら前記本体部の前部と後部とを離間させ
前記第1ベルト及び前記第2ベルトのうち前記限定吸着領域を有するベルト以外のベルトは、複数の制限吸着領域を有するとともに、前記複数の制限吸着領域及び前記複数の限定吸着領域は、それぞれ1つの前記本体部の前部又は後部の大きさの範囲内にそれぞれ制限され、
前記第1ベルト及び前記第2ベルトは、前記限定吸着領域と前記制限吸着領域との周期を合わせた状態で移動し、
前記第1ベルト及び前記第2ベルトは、それぞれ平ベルトにより形成されているとともに、前記各限定吸着領域又は前記各制限吸着領域の位置を示す複数のマークをそれぞれ有し、
前記第1移動機構は、負圧に設定された第1吸引室を有するとともに前記各限定吸着領域又は前記各制限吸着領域が順次前記第1吸引室に臨むように前記第1ベルトと摺接する第1吸引部と、前記第1ベルトのマークを検出する第1検出器とを有し、
前記第2移動機構は、負圧に設定された第2吸引室を有するとともに前記各限定吸着領域又は前記各制限吸着領域が順次前記第2吸引室に臨むように前記第2ベルトと摺接する第2吸引部と、前記第2ベルトのマークを検出する第2検出器とを有し、
前記マークの検出結果に基づいて前記限定吸着領域と前記制限吸着領域との周期を合わせるように前記第1移動機構及び前記第2移動機構の駆動を制御する制御器をさらに備えている、使い捨ておむつの折り込み装置。
【請求項5】
前記第2ベルトに吸着された前記本体部の前部又は後部を引き受け可能で、かつ、前記第2ベルトよりも前記搬送経路の下流側に延びる前記第1ベルトの延出部分と前記搬送経路を挟んで互いに対向するとともに前記搬送経路の下流側に向かうに従い前記第1ベルトに対して近接するように配置された第3ベルトと、前記第1ベルトと協働して前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送しつつ前記本体部の前部と後部とを互いに近接させるように前記第3ベルトに対して前記本体部の前部又は後部を吸着させた状態で前記第3ベルトを移動可能な第3移動機構とを有する第3搬送部をさらに備え、
前記折り込み部は、前記第1ベルトと前記第2ベルトとの間の下流側、又は、前記第1ベルトと前記第3ベルトとの間で前記本体部の前部と後部との間に各側部を折り込み可能である、請求項4に記載の使い捨ておむつの折り込み装置。
【請求項6】
前記折り込み部は、前記搬送経路を挟んだ前記第1ベルトの両側に設けられているとともに羽根を有する一対のインペラと、前記羽根が前記搬送経路上で上流側から下流側に移動して前記本体部の前部と後部との間に挿入するように前記各インペラをそれぞれ回転可能な一対の折り込み駆動部とを有し、
前記各インペラの回転速度は、前記第1ベルトの移動による前記使い捨ておむつの搬送速度よりも高く設定されている、請求項5に記載の使い捨ておむつの折り込み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつを折り込むための方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、着用時に、前腹部から股下部を介して後背部まで延びる本体部と、2つ折りにされた本体部の前部と後部とを連結することにより着用者の腰部側面を覆う一対の側部とを有する使い捨ておむつが知られている。
【0003】
この使い捨ておむつにおいて、各側部が本体部から両側に突出した状態においては、使い捨ておむつがその幅方向に大きくなる。そこで、各側部をそれぞれ本体部の前部と後部との間に折り込むことにより使い捨ておむつの出荷時の形態をコンパクトにすることが行なわれている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1に記載の折り畳み装置は、使い捨ておむつを表裏両側から挟んだ状態で当該使い捨ておむつを搬送する2つの搬送ベルトと、各側部を本体部の前部と後部との間に折り込むための折り込み手段とを備えている。
【0005】
各搬送ベルトは、各使い捨ておむつの搬送方向の下流側に向けて互いに離間するように配置されているとともに、使い捨ておむつのウエスト開口を搬送方向の下流側に向けた状態で使い捨ておむつを搬送する。また、一方の搬送ベルトは、本体部の前部が貼り付けられた状態で使い捨ておむつを搬送する。他方の搬送ベルトは、本体部の後部が貼り付けられた状態で使い捨ておむつを搬送する。
【0006】
したがって、使い捨ておむつが各搬送ベルトによって搬送されることに応じて、本体部の前部及び後部は、ウエスト開口を広げるように互いに離間する。この状態で、使い捨ておむつの各側部に折り込み手段が接触するとともに、使い捨ておむつの搬送に応じて各側部と折り込み手段とが相対変位することにより、各側部が本体部の前部と後部との間に折り込まれる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の折り畳み装置は、ウエスト開口を搬送方向の下流側に向けた状態で使い捨ておむつを搬送する。そのため、折り畳まれた使い捨ておむつを包装する(例えば、包装袋に使い捨ておむつを挿入する)際に、折り畳み装置の搬送方向のままでは、ウエスト開口の縁部が包装袋の開口部に引っ掛かってしまい効率よく包装することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−131364号公報
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、包装し易い向きで使い捨ておむつを搬送しながら各側部を本体部の前部と後部との間に折り込むことができる使い捨ておむつの折り込み方法及び折り込み装置を提供することにある。
【0010】
上記課題を解決するために、本願発明者等は、本体部の折り目を下流側に向けた状態で使い捨ておむつを搬送しつつ各側部を本体部の前部と後部との間に折り込む方法を採用した。しかし、本体部の折り目を下流側に向けた場合、本体部の前部と後部とが先端側の折り目によって互いに拘束されているため、本体部の前部の全体及び後部の全体を2つの搬送ベルトに保持させてこれら搬送ベルトを互いに離間させるだけでは、前部と後部とを離間させることはできない。そこで、本願発明者等は、本体部の前部及び/又は後部に対する各搬送ベルトの吸着位置を調整することにより、本体部の折り目を下流側に向けた状態で本体部の前部と後部とを離間させることができる次の発明に想到した。
【0011】
具体的に、本発明は、着用時に着用者の前腹部から股下部を介して後背部まで延びる本体部と、折り目を基準として2つ折りにされた前記本体部の前部と後部とを連結する一対の側部とを有する使い捨ておむつの折り込み方法であって、予め設定された前記使い捨ておむつの搬送経路を挟んで互いに対向するとともに前記搬送経路の下流側に向かうに従い互いに離間するように配置された第1ベルト及び第2ベルトのうちの一方のベルトに対して前記本体部の前部を吸着させるとともに他方のベルトに対して前記本体部の後部を吸着させた状態で前記第1ベルト及び前記第2ベルトを移動させることにより前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送しつつ前記本体部の前部と後部とを互いに離間させる離間工程と、互いに離間した前記本体部の前部と後部との間に前記各側部を折り込む折り込み工程とを含み、前記離間工程では、前記第1ベルト及び前記第2ベルトのうちの少なくとも一方のベルトに対して前記本体部における前記折り目から長手方向の所定の位置までの非吸着範囲以外の範囲のみを吸着させた状態で、前記折り目が下流側に向くように前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送することにより、前記非吸着範囲を前記少なくとも一方のベルトから離しながら前記本体部の前部と後部とを離間させる、使い捨ておむつの折り込み方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、着用時に着用者の前腹部から股下部を介して後背部まで延びる本体部と、折り目を基準として2つ折りにされた前記本体部の前部と後部とを連結する一対の側部とを有する使い捨ておむつの折り込み装置であって、第1ベルトと、前記第1ベルトに対して前記本体部の前部及び後部のうちの一方を吸着させた状態で前記第1ベルトを移動可能な第1移動機構とを有する第1搬送部と、予め設定された搬送経路を挟んで前記第1ベルトと互いに対向するとともに前記搬送経路の下流側に向かうに従い前記第1ベルトから離間するように配置された第2ベルトと、前記第1ベルトと協働して前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送しつつ前記本体部の前部と後部とを互いに離間させるように前記第2ベルトに対して前記本体部の前部及び後部のうちの他方を吸着させた状態で前記第2ベルトを移動可能な第2移動機構とを有する第2搬送部と、前記第1搬送部及び前記第2搬送部により互いに離間した前記本体部の前部と後部との間に前記各側部を折り込む折り込み部とを備え、前記第1ベルト及び前記第2ベルトのうちの少なくとも一方のベルトは、前記本体部における前記折り目から長手方向の所定の位置までの非吸着範囲以外の範囲のみを吸着するための複数の限定吸着領域を有し、前記第1搬送部及び前記第2搬送部は、前記限定吸着領域に対して前記本体部における前記非吸着範囲以外の範囲のみを吸着させた状態で、前記折り目が下流側に向くように前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送することにより、前記非吸着範囲を前記少なくとも一方のベルトから離しながら前記本体部の前部と後部とを離間させる、使い捨ておむつの折り込み装置を提供する。
【0013】
本発明によれば、包装し易い向きで使い捨ておむつを搬送しながら各側部を本体部の前部と後部との間に折り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る使い捨ておむつを示す正面図である。
図2図1の使い捨ておむつのサイドシール部を展開して示す平面図である。
図3図1のIII−III線断面図である。
図4】各側部をおむつ本体の前部と後部との間に折り込んだ状態を示す図3相当図である。
図5】本発明の実施形態に係る折り込み装置の全体構成を概略的に示す側面図である。
図6図5の第1搬送部の一部を示す底面図である。
図7図6のVII−VII線断面図である。
図8図5の第2搬送部の第2ベルトの一部を拡大して示す平面図である。
図9図5の折り込み装置の動作を示す平面図であり、インペラの羽根が使い捨ておむつに追いついた状態を示す。
図10図5の折り込み装置の動作を示す平面図であり、インペラの羽根が使い捨ておむつを追い越す手前の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0016】
図1及び図2を参照して、使い捨ておむつ1は、いわゆるパンツ型のおむつである。具体的に、使い捨ておむつ1は、着用時に、着用者の股下部を介して前腹部から後背部まで延びるおむつ本体(本体部)2と、おむつ本体2の長手方向(図2の上下方向)の両端からおむつ本体2の幅方向(図2の左右方向)にそれぞれ突出する4枚のサイドパネル片(側部片)3、4とを備え、おむつ本体2が折り目(股下部)2Aを基準として二つ折りにされた状態で各サイドパネル片3同士がサイドシール部5において互いに接合されるとともに、各サイドパネル片4同士がサイドシール部6において互いに接合されることにより、パンツ型に形成されている。このように、各サイドパネル片3同士がサイドシール部5により接合されたものと、各サイドパネル片4同士がサイドシール部6により接合されたものとによって、着用者の腰部側面を覆う一対の側部が構成される。
【0017】
以下、図1図3を参照して、使い捨ておむつ1の具体的構成について説明する。
【0018】
おむつ本体2は、着用者の排泄物(例えば、尿)を吸収可能であり、適所に伸縮性を有する。具体的に、おむつ本体2は、着用者の排泄物を吸収可能な吸収体7と、着用者の股下部に相当する位置に設けられたレッグ用弾性部材8と、着用者の前腹部及び後背部に相当する位置に設けられた一対のウエスト用弾性部材9と、これら吸収体7、レッグ用弾性部材8及び各ウエスト用弾性部材9を挟み込む内側シート10及び外側シート11とを備えている。
【0019】
内側シート10は、着用時に着用者の体表側に向くとともに、液体透過性を有する略長方形のシートである。内側シート10は、例えば、液体透過性を有する不織布シート及び/又はメッシュシートにより構成することができる。
【0020】
外側シート11は、着用時に着用者の外側を向くとともに液体不透過性を有するシートである。外側シート11は、ポリエチレンフィルム又は撥水性及び通気性を有する不織布を用いて構成することができる。また、外側シート11は、内側シート10と同等の大きさを有する略長方形のシートである。
【0021】
吸収体7は、内側シート10を透過した液体を吸収する。具体的に、吸収体7は、粉砕されたパルプ又はこれに高吸水性ポリマーを混合したものを積層して成型される。また、吸収体7は、各シート10、11よりも短い長手寸法と、各シート10、11よりも狭い幅寸法とを有する略長方形又は砂時計型の形状を有する。この吸収体7は、各シート10、11の長手方向の両端部及び各シート10、11の幅方向(左右方向)の両端部にそれぞれ非設置部分を残すように両シート10、11間に配置されている。そして、吸収体7は、図3に示すように、内側シート10と外側シート11との間に挟まれた状態で当該両シート10、11に接合されている。
【0022】
各レッグ用弾性部材8は、おむつ本体2と着用者の体表との隙間からの排泄物の漏れを抑制するために、着用時におむつ本体2を着用者の股下部に引き上げて当該おむつ本体2を股下部に密着させる。各レッグ用弾性部材8の少なくとも一部は、吸収体7の幅方向の両外側の位置であって各サイドパネル片3の間及び各サイドパネル片4の間の位置にそれぞれ設けられている。また、各レッグ用弾性部材8は、おむつ本体2の長手方向に伸長状態でおむつ本体2に添設されている。図示は省略するが、各レッグ用弾性部材8は、内側シート10と外側シート11との間に挟まれた状態で両シート10、11に接合されている。各レッグ用弾性部材8は、ポリウレタン、天然ゴム、又は熱可塑性樹脂からなるシート又は糸を用いて構成することができる。
【0023】
各ウエスト用弾性部材9は、使い捨ておむつ1がずり下がるのを抑制するために、着用時におむつ本体2を着用者の前腹部又は後背部に締め付ける。各ウエスト用弾性部材9は、吸収体7の幅方向に伸長状態でおむつ本体2に添設されている。図示は省略するが、各ウエスト用弾性部材9は、内側シート10と外側シート11との間に挟まれた状態で当該両シート10、11に接合されている。各ウエスト用弾性部材9は、ポリウレタン、天然ゴム、又は熱可塑性樹脂からなるシート又は糸を用いることにより構成することができる。
【0024】
サイドパネル片3は、それぞれおむつ本体2の長手方向(前後方向)の両端部からそれぞれ左右片側(図1及び図2の右側)に延び、左右方向に伸縮性を有する。各サイドパネル片3の間には、間隙部3aが形成されており、この間隙部3aは、各サイドパネル片3の右縁部同士がサイドシール部5によって接合されることにより、レッグホールとして用いられる。図3に示すように、各サイドパネル片3は、吸収体7の右側位置で内側シート10と外側シート11との間に挟まれた状態で当該両シート10、11にそれぞれ接合されている。
【0025】
また、各サイドパネル片3は、熱可塑性の材料により構成されたシートである。具体的に、各サイドパネル片3は、ポリスチレンのブロック共重合体、ポリイソプレンのブロック共重合体、ポリブタジエンのブロック共重合体、エチレンの共重合体、天然ゴム、及びウレタンのうちの単一の材料又は少なくとも2つを混合した材料からなる伸縮性フィルム、伸縮性不織布、伸縮性フィルムと不織布との積層体、又は糸ゴムと不織布との積層体を用いて構成することができる。
【0026】
各サイドパネル片4は、それぞれおむつ本体2の長手方向の両端部からそれぞれ左右方向の片側(図1及び図2の左側)に延び、左右方向に伸縮性を有する。各サイドパネル片4の間には、間隙部4aが形成されており、この間隙部4aは、各サイドパネル片4の左縁部同士がサイドシール部6によって接合されることにより、レッグホールとして用いられる。図3に示すように、各サイドパネル片4は、吸収体7の左側位置で内側シート10と外側シート11との間に挟まれた状態で当該両シート10、11にそれぞれ接合されている。
【0027】
また、各サイドパネル片4は、熱可塑性の材料により構成されたシートである。具体的に、各サイドパネル片4は、ポリスチレンのブロック共重合体、ポリイソプレンのブロック共重合体、ポリブタジエンのブロック共重合体、エチレンの共重合体、天然ゴム、及びウレタンのうちの単一の材料又は少なくとも2つを混合した材料からなる伸縮性フィルム、伸縮性不織布、伸縮性フィルムと不織布との積層体、又は糸ゴムと不織布との積層体を用いて構成することができる。
【0028】
図3に示すように、各サイドパネル片3、4がおむつ本体2の両側に突出した状態において、前記使い捨ておむつ1は、その幅方向(左右方向)に大きくなる。そこで、図4に示すように、折り目2A(図1参照)を基準として2つ折りにされたおむつ本体2の前部と後部との間に、各サイドパネル片3、4をそれぞれ折り込むことにより、使い捨ておむつ1の出荷時の形態をコンパクトにすることができる。
【0029】
以下、使い捨ておむつ1を図3に示す状態から図4に示す状態に折り込むための折り込み装置14について図5を参照して説明する。
【0030】
折り込み装置14は、予め設定された搬送経路R1に沿って使い捨ておむつ1を搬送するための第1搬送部15、第2搬送部16、及び第3搬送部17と、前記各サイドパネル片3、4をおむつ本体2の前部と後部との間に折り込むための折り込み部18と、各搬送部15〜17及び折り込み部18の駆動を制御する制御器19とを備えている。
【0031】
第1搬送部15は、おむつ本体2の前部又は後部を吸着するための第1ベルト20と、第1ベルト20を所定の経路に沿って循環させるための複数のローラ(第1移動機構)21〜23と、各ローラ21〜23のうちの駆動ローラ23を回転駆動する第1搬送モータ(第1移動機構)24と、第1ベルト20に吸着力を与えるための第1吸引部25と、第1ベルト20の後述するマーク20dを検知するための第1センサ(第1検出器)26とを備えている。
【0032】
第1ベルト20は、各ローラ21、22に掛け渡されることにより搬送経路R1と平行に配置されるとともに、前記駆動ローラ23の回転に応じて所定の経路に沿って循環する。
【0033】
また、第1ベルト20は、図6及び図7に示すように、ベルト本体20aと、ベルト本体20aの長手方向に沿ってベルト本体20aの裏面に形成されたガイド突起20b(図7参照)と、おむつ本体2を吸着するためにベルト本体20aに設けられた複数の制限吸着領域20c(図6では1つのみを示す)と、各制限吸着領域20cのベルト本体20a上の位置を示すマーク20dとを備えている。
【0034】
ガイド突起20bは、前記各ローラ21〜23に対して搬送経路R1と直交する方向に移動するのを規制するために、各ローラ21〜23に形成された係合溝21a(図6でローラ21についてのみ示す)に係合する。また、ベルト本体20aの裏面のうちガイド突起20b以外の部分は、フラットに形成されている(図7参照)。このように第1ベルト20は、ギヤを用いることなく駆動ローラ23から動力を受ける平ベルトにより形成されている。
【0035】
制限吸着領域20cは、図6に示すように、1つのおむつ本体2の前部又は後部の大きさの範囲内にそれぞれ制限されている。具体的に、本実施形態に係る制限吸着領域20cは、図6及び図7に示すように、それぞれベルト本体20aを表裏に貫通する複数の貫通穴20eが形成された領域として定義されている。なお、図6は、各サイドパネル3、4がその弾性により収縮した状態にある使い捨ておむつ1を示している(図6では、図1及び図2よりも各サイドパネル3、4が小さく図示されている)。
【0036】
各マーク20dは、ベルト本体20aにおける各制限吸着領域20cの近傍に設けられている。また、マーク20dは、ベルト本体20aを表裏に貫通する孔により構成されている。このマーク20dの位置は、後述する第1センサ26により検知される。
【0037】
図5図7を参照して、第1吸引部25は、第1ベルト20の裏面側(図5の上側)で搬送経路R1に沿って設けられ、第1ベルト20のうち搬送経路R1に臨む部分に対して吸着力を与える。具体的に、第1吸引部25は、負圧に設定された第1吸引室V1〜V6を有するとともに前記各制限吸着領域20cが順次第1吸引室V1〜V6に臨むように前記第1ベルト20と摺接する。
【0038】
第1吸引部25は、第1ベルト20に向けて開口するとともに搬送経路R1に沿って延びる略矩形の箱状部材41と、この箱状部材41内の空間を搬送経路R1に沿って並ぶ6つ第1吸引室V1〜V6に仕切る5枚の仕切り板42と、箱状部材41の開口端に設けられているとともに搬送経路R1に沿って延びる一対のアングル43と、各アングル43の間に設けられた複数の支持ローラ44と、各アングル43に固定された一対のガイド片45と、各第1吸引室V1〜V6内の空気をそれぞれ排出するための6本のダクト46(図6では3本のみを示す)とを備えている。各吸引室V1〜V6内の圧力(負圧)は、各ダクト46からの空気の排出量によって個別に調整可能である。
【0039】
各支持ローラ44は、前記箱状部材41に対して回転可能な状態で前記箱状部材41の開口を横切るように配置され、第1ベルト20をその裏側から支持する。本実施形態では、第1吸引室V1〜V6のそれぞれに対し、3本の支持ローラ44が設けられている。
【0040】
具体的に、各支持ローラ44は、各アングル43の間に設けられたローラ本体44aと、ローラ本体44aをアングル43に対して回動可能に軸支する回転軸44bとを備えている。ローラ本体44aの外周には、その全周にわたりガイド溝44c及び6列の通気溝44dが設けられている。係合溝44cは、第1ベルト20のガイド突起20bと係合することによりローラ本体44aに対する第1ベルト20の搬送経路R1と直交する方向の移動を規制する。また、通気溝44dは、第1ベルト20の各貫通穴20eが通過する位置に設けられ、ローラ本体44aの外周面に第1ベルト20が密着した状態においても貫通穴20eに対して第1吸引室V1〜V6内の負圧を確実に供給するためのものである。
【0041】
各ガイド片45は、各支持ローラ44により支持された第1ベルト20が搬送経路R1と直交する方向に移動するのを規制する。
【0042】
図5を参照して、第1センサ26は、ローラ22の下流側の位置で第1ベルト20のマーク20dが通過したか否かを検出する。そして、第1センサ26は、その検出信号D1を後述する制御器19に出力する。
【0043】
以下、上述の第1搬送部15と協働して、使い捨ておむつ1を搬送経路R1に沿って搬送しつつおむつ本体2の前部と後部とを離間させるための第2搬送部16について説明する。
【0044】
第2搬送部16は、おむつ本体2の前部又は後部を吸着するための第2ベルト27と、第2ベルト27を所定の経路に沿って循環させるための複数のローラ(第2移動機構)28〜30と、各ローラ28〜30のうちの駆動ローラ30を回転駆動する第2搬送モータ(第2移動機構)31と、第2ベルト27に吸着力を与えるための第2吸引部32と、第2ベルト27の後述するマーク27dを検知するための第2センサ(第2検出器)33とを備えている。
【0045】
第2ベルト27は、各ローラ28、29に掛け渡されることにより搬送経路R1を挟んで第1ベルト20と互いに対向するとともに搬送経路R1の下流側に向かうに従い第1ベルト20から離間するように配置される。また、第2ベルト27は、駆動ローラ30の回転に応じて所定の経路に沿って循環する。
【0046】
さらに、第2ベルト27は、図8に示すように、ベルト本体27aと、おむつ本体2を吸着するためにベルト本体27aに設けられた複数の限定吸着領域27c(図8では1つのみを示す)と、各限定吸着領域27cのベルト本体27a上の位置を示すマーク27dとを備えている。
【0047】
なお、図示は省略するが、ベルト本体27aの裏面には、第1ベルト20のガイド突起20bと同様のガイド突起が設けられ、このガイド突起と係合する係合溝が各ローラ28〜30に設けられている。また、ベルト本体27aの裏面のうちガイド突起以外の部分は、フラットに形成されている。つまり、第2ベルト27も、第1ベルト20と同様に平ベルトにより形成されている。
【0048】
限定吸着領域27cは、上述の制限吸着領域20cと同様に、1つのおむつ本体2の前部又は後部の大きさの範囲内にそれぞれ制限されている。さらに、限定吸着領域27cは、制限吸着領域20cよりも狭い範囲に限定されている。具体的に、限定吸着領域27cは、おむつ本体2における折り目2Aから長手方向の所定の位置までの非吸着範囲E1以外の範囲のみを吸着するように設定されている。
【0049】
図5を参照して、第2吸引部32は、第2ベルト27の裏面側(図5の下側)で搬送経路R1に沿って設けられ、第2ベルト27のうち搬送経路R1に臨む部分に対して吸着力を与える。具体的に、第2吸引部32は、負圧に設定された第2吸引室V7〜V10を有するとともに各限定吸着領域27cが順次第2吸引室V7〜V10に臨むように第2ベルト27と摺接する。なお、その他の点について、第2吸引部32は、第1吸引部25と同様の構成を有するため、その説明を省略する。
【0050】
第2センサ33は、ローラ29の下流側の位置で第2ベルト27のマーク27dが通過したか否かを検出する。そして、第2センサ33は、その検出信号D2を後述する制御器19に出力する。
【0051】
以下、前記第2ベルト27に吸着されたおむつ本体2の前部又は後部を引き受け可能となるように第2搬送部16の下流側に設けられているとともに、第1搬送部15と協働して使い捨ておむつ1を搬送経路R1に沿って搬送しつつおむつ本体2の前部と後部とを近接させる第3搬送部17について説明する。
【0052】
第3搬送部17は、おむつ本体2の前部又は後部を吸着するための第3ベルト34と、第3ベルト34を循環させるための2つのローラ(第3移動機構)35、36と、各ローラ35、36のうちの駆動ローラ36を回転駆動する第3搬送モータ(第3移動機構)37と、第3ベルトに吸着力を与えるための第3吸引部(第3移動機構)38とを備えている。
【0053】
第3ベルト34は、各ローラ35、36に掛け渡されることにより、前記第2ベルト27よりも搬送経路R1の下流側に延びる第1ベルト20の延出部分と搬送経路R1を挟んで対向するとともに、搬送経路R1の下流側に向かうに従い第1ベルト20に対して近接するように配置される。また、第3ベルト34は、駆動ローラ36の回転に応じて各ローラ35、36間を循環する。
【0054】
また、第3ベルト34には、おむつ本体2の前部又は後部を吸着するための吸着領域(図示せず)が連続的に設けられている。
【0055】
第3吸引部38は、第3ベルト34の裏面側(図5の下側)で搬送経路R1に沿って設けられ、第3ベルト34のうち搬送経路R1に臨む部分に対して吸着力を与える。具体的に、第3吸引部38は、負圧に設定された第3吸引室V11を有するとともに第3ベルト34に設けられた図外の吸着領域が臨むように第3ベルト34と摺接する。なお、その他の点について、第3吸引部38は、第1吸引部25と同様の構成を有するため、その説明を省略する。
【0056】
以下、おむつ本体2の前部と後部との間に各サイドパネル片3、4を折り込む折り込み部18について、図5図9及び図10を参照して説明する。
【0057】
折り込み部18は、第1ベルト20と第3ベルト34との間でおむつ本体2の前部と後部との間に各サイドパネル片3、4を折り込み可能である。
【0058】
具体的に、折り込み部18は、搬送経路R1を挟んだ第1ベルト20の両側に設けられた一対のインペラ39と、各インペラ39を回転軸J1回り回転させる一対の折り込みモータ40(図5では1つのみを示す)とを備えている。
【0059】
インペラ39は、インペラ本体39aと、インペラ本体39aから外側に突出する3枚の羽根39bとを有する。各羽根39bは、回転軸J1回りに等間隔(本実施形態では120°間隔)に配置されているとともに、それぞれ同じ長さ寸法を有する。また、各羽根39bは、その幅寸法が先端側に向けて大きくなる扇型の平面形状を有する。各回転軸J1間の距離は、回転軸J1から羽根39bの外周縁までの半径の2倍よりも大きく設定されている。これにより、各インペラ39の回転位置にかかわらず、各インペラ39の羽根39b同士の接触は、回避される。
【0060】
折り込みモータ40は、図9及び図10に示すように、各インペラ39の羽根39bが搬送経路R1上で上流側から下流側に移動しておむつ本体2の前部と後部との間に挿入するように各インペラ39をそれぞれ回転させる。なお、各折り込みモータ40の駆動は、各インペラ39の羽根39bが同期するように後述する制御器19により制御される。
【0061】
以下、図5図10を参照して、制御器19について説明する。
【0062】
制御器19は、第1ベルト20の制限吸着領域20c(図6参照)と第2ベルト27の限定吸着領域27c(図8参照)との周期を合わせるように第1搬送部15及び第2搬送部16の駆動を制御する。具体的に、制御器19は、第1センサ26及び第2センサ33からの検出信号D1及びD2に基づいて、制限吸着領域20cと限定吸着領域27cとの周期を合わせるように第1搬送モータ24及び第2搬送モータ31の速度をフィードバック制御する(制御信号S1及びS2を出力する)。
【0063】
ここで、制限吸着領域20cの周期と限定吸着領域27cの周期とを合わせるとは、制限吸着領域20cの上流側(図6の右側)の端部の位置と限定吸着領域27cの上流側(図8の右側)の端部の位置とを揃えるように、制限吸着領域20cと限定吸着領域27cとの位置を合わせることである。これにより、使い捨ておむつ1の折り目2Aを搬送経路R1の下流側に向けた状態で、第1ベルト20に対しておむつ本体2の前部又は後部のほぼ全域を吸着させることができるとともに、第2ベルト27に対しておむつ本体2の前部又は後部の非吸着範囲E1以外の範囲を吸着させることができる。
【0064】
また、制御器19は、第3ベルト34の速度を第1ベルト20及び第2ベルト27の速度に対応させるように、第3搬送モータ37の速度を制御する(制御信号S3を出力する)。これにより、第2ベルト27により吸着されているおむつ本体2の前部又は後部を第3ベルト34に対してスムーズに引き渡すことができるとともに、引き渡された使い捨ておむつ1を第1ベルト20と第3ベルト34との間で搬送することができる。
【0065】
さらに、制御器19は、各インペラ39の回転速度が第1ベルト20の移動による使い捨ておむつ1の搬送速度よりも高くなるように、折り込みモータ40の速度を制御する。具体的に、上述の制御により設定された第1搬送モータ24及び第3搬送モータ37の速度よりも高い速度でインペラ39を回転させるための制御信号S4を折り込みモータ40に出力する。本実施形態では、インペラ39の回転速度が使い捨ておむつ1の搬送速度に対する107%の速度となるように、折り込みモータ40の速度を制御する。
【0066】
これにより、図8及び図9に示すように、インペラ39の羽根39bが第1ベルト20及び第3ベルト34により搬送されている使い捨ておむつ1を追い越すように回転させることができる。そのため、使い捨ておむつ1のウエスト開口を介して羽根39bをおむつ本体2の前部と後部との間に導入することができるとともに、この羽根39bによっておむつ本体2を折り目2Aの内側から押し出すようにして各サイドパネル3、4をおむつ本体2の前部と後部との間に折り込むことができる。
【0067】
以下、前記折り込み装置14を用いた使い捨ておむつ1の折り畳み方法を、図5図10を参照して説明する。
【0068】
使い捨ておむつ1は、折り目2Aを下流側に向けた姿勢で上流側の工程から折り込み装置14に供給される。この使い捨ておむつ1は、その姿勢を保ったまま、第1ベルト20と第2ベルト27との間に導入される。
【0069】
<離間工程>
折り込み装置14では、第1ベルト20及び第2ベルト27のうちの一方のベルトによっておむつ本体2の前部を吸着するとともに他方のベルトによりおむつ本体2の後部を吸着する。
【0070】
この状態で、両ベルト20、27の移動によって使い捨ておむつ1を搬送経路R1に沿って搬送しつつ、おむつ本体2の前部と後部とを互いに離間させる。具体的に、図8に示すように、第2ベルト27は、おむつ本体2の折り目2Aから長手方向の所定の位置までの非吸着範囲E1以外の範囲のみを吸着する。そのため、両ベルト20、27により搬送される過程において、おむつ本体2の非吸着範囲E1を第2ベルト27から離しながら、おむつ本体2の前部と後部とを離間させることができる。
【0071】
なお、この離間工程では、上述のように、第1ベルト20のマーク20d及び第2ベルト27のマーク27dの位置に基づいて、制限吸着領域20cと限定吸着領域27cとの周期を合わせるように第1搬送部15及び第2搬送部16の駆動を制御する。これにより、おむつ本体2と制限吸着領域20c及び限定吸着領域27cとの位置決めを正確に行なうことができる。
【0072】
<近接工程>
近接工程では、離間工程において第1ベルト20及び第2ベルト27により搬送された使い捨ておむつ1を、その姿勢を維持したまま第1ベルト20及び第3ベルト34によって搬送する。つまり、第1ベルト20によるおむつ本体2の吸着を維持したまま、第2ベルト27から第3ベルト34へおむつ本体2が引き渡される。
【0073】
この状態で、第1ベルト20及び第3ベルト34の移動によって使い捨ておむつ1を搬送経路R1に沿って搬送しつつ、おむつ本体2の前部と後部とを互いに近接させる。
【0074】
<折り込み工程>
本実施形態に係る折り込み工程は、近接工程の期間中に行なわれる。
【0075】
折り込み工程では、各インペラ39の羽根39bが搬送経路R1上で上流側から下流側に移動しておむつ本体2の前部と後部との間に挿入するように各インペラ39を回転させる。ここで、各インペラ39の回転速度は、第1ベルト20の移動による使い捨ておむつ1の搬送速度よりも高く設定されている。このように各インペラ39を回転させることにより、各サイドパネル3、4をおむつ本体2の前部と後部との間に折り込むことができる。
【0076】
以上説明したように、第1ベルト20及び第2ベルト27に対するおむつ本体2の吸着範囲を非吸着範囲E1以外の範囲に限定することにより、非吸着範囲E1の長手寸法の分だけおむつ本体2の前部と後部との離間を許容することができる。
【0077】
したがって、包装時に有利となるように折り目2Aを先行して使い捨ておむつ1を搬送しながら、おむつ本体2の前部と後部とを離間させて各サイドパネル片3、4をおむつ本体2の前部と後部との間に確実に折り込むことが可能となる。
【0078】
また、前記実施形態によれば、次の効果を奏する。
【0079】
前記実施形態によれば、第1ベルト20及び第3ベルト34によって使い捨ておむつ1を搬送することにより、各サイドパネル片3、4がおむつ本体2の前部と後部との間に折り込まれた状態でおむつ本体2の前部と後部とを近接させることができる。そのため、使い捨ておむつ1の厚み寸法をより小さく折り畳んだ状態で使い捨ておむつ1を次の工程(例えば包装工程)に搬送することができる。
【0080】
上述のように、使い捨ておむつ1をその折り目2Aが先行するように搬送する場合、インペラ39の回転速度を使い捨ておむつ1の搬送速度よりも低くすると、使い捨ておむつ1が羽根39bを追い越す際に羽根39bと使い捨ておむつ1の折り目2Aの形成された部分とが接触して各サイドパネル片3、4を確実に折り込むことが困難になる。そこで、図9及び図10に示すように、羽根39bが使い捨ておむつ1を追い越すようにインペラ39の回転速度を設定することにより、ウエスト開口を介して羽根39bをおむつ本体2の前部と後部との間に導入することができるとともに、この羽根39bによっておむつ本体2を折り目2Aの内側から押し出すようにして各サイドパネル片3、4をおむつ本体2の前部と後部との間に折り込むことができる。
【0081】
前記実施形態では、第1ベルト20及び第2ベルト27の吸着領域(制限吸着領域20c及び限定吸着領域27c)がそれぞれ1つのおむつ本体2の前部又は後部の大きさの範囲内にそれぞれ制限されている。このように吸着力を発揮する領域を制限することにより各吸着領域における吸着力を増加させることができる。
【0082】
そして、第1ベルト20の制限吸着領域20cと第2ベルト27の限定吸着領域27cとの周期を合わせた状態で各ベルト20、27が移動する。そのため、複数のおむつ本体2を順次吸着可能となるように第1ベルト20の制限吸着領域20cと第2ベルト27の限定吸着領域27cとを対向させた状態で第1ベルト20及び第2ベルト27を移動させることができる。
【0083】
前記実施形態のように、各ベルト20、27と吸引部25、32とを摺接させることにより各吸着領域20c、27cに吸着力を与える構成を採用する場合、上述のように吸着領域20c、28cの制限に伴う吸着力の増加により各ベルト20、27と吸引部25、32との摺動抵抗が大きくなる。そのため、各ベルト20、27として歯付きのベルトを採用し、これらのベルトを各モータ24、31に対してギヤを用いて連結すると、各モータ24、31やギヤに対する負荷が大きくなるとともに、歯付きのベルトとこれを支持するローラとが干渉することにより振動及び騒音が発生するという問題がある。
【0084】
そこで、前記実施形態では、第1ベルト20及び第2ベルト27がそれぞれモータ24、31からギヤを用いず動力が伝達される平ベルトにより形成されている。これにより、モータ24、31、ローラ21〜23、28〜30、及び支持ローラ44と各ベルト20、27との間に相対的な移動が許容されるため、モータ24、31の負荷及び振動並びに騒音を軽減することができる。
【0085】
そして、前記実施形態では、各ベルト20、27に設けられたマーク20d、27dの位置に基づいて第1ベルト20の制限吸着領域20cと第2ベルト27の限定吸着領域27cとの周期を合わせている。これにより、上述のようにモータ24、31と各ベルト20、27との間の相対的な移動が許容されても、第1ベルト20の制限吸着領域20cと第2ベルト27の限定吸着領域27cとの周期を合わせて、使い捨ておむつ1を1つずつ確実に搬送することができる。
【0086】
なお、前記実施形態では、第1ベルト20にのみ制限吸着領域20cを設けているが、第2ベルト27にも制限吸着領域を設けてもよい。
【0087】
また、第1ベルト20と第3ベルト34との間でおむつ本体2の前部と後部との間に各サイドパネル片3、4を折り込み可能な折り込み部18について説明したが、第1ベルト20と第2ベルト27との間の下流側、つまり、おむつ本体2の前部と後部とが離間した後の位置でおむつ本体2の前部と後部との間に各サイドパネル片3、4を折り込み可能な折り込み部18とすることもできる。
【0088】
さらに、前記実施形態では、第1ベルト20及び第2ベルト27が平ベルトにより形成されている例について説明したが、各ベルト20、27は、モータ24、31からギヤを介して動力が伝達される歯付きベルトにより形成されていてもよい。この場合、第1ベルト20の制限吸着領域20cと第2ベルト27の限定吸着領域27cとの周期を機械的に合わせることができるため、上述した制御器19によるフィードバック制御を省略することができる。
【0089】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0090】
上記課題を解決するために、本願発明者等は、本体部の折り目を下流側に向けた状態で使い捨ておむつを搬送しつつ各側部を本体部の前部と後部との間に折り込む方法を採用した。しかし、本体部の折り目を下流側に向けた場合、本体部の前部と後部とが先端側の折り目によって互いに拘束されているため、本体部の前部の全体及び後部の全体を2つの搬送ベルトに保持させてこれら搬送ベルトを互いに離間させるだけでは、前部と後部とを離間させることはできない。そこで、本願発明者等は、本体部の前部及び/又は後部に対する各搬送ベルトの吸着位置を調整することにより、本体部の折り目を下流側に向けた状態で本体部の前部と後部とを離間させることができる次の発明に想到した。
【0091】
具体的に、本発明は、着用時に着用者の前腹部から股下部を介して後背部まで延びる本体部と、折り目を基準として2つ折りにされた前記本体部の前部と後部とを連結する一対の側部とを有する使い捨ておむつの折り込み方法であって、予め設定された前記使い捨ておむつの搬送経路を挟んで互いに対向するとともに前記搬送経路の下流側に向かうに従い互いに離間するように配置された第1ベルト及び第2ベルトのうちの一方のベルトに対して前記本体部の前部を吸着させるとともに他方のベルトに対して前記本体部の後部を吸着させた状態で前記第1ベルト及び前記第2ベルトを移動させることにより前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送しつつ前記本体部の前部と後部とを互いに離間させる離間工程と、互いに離間した前記本体部の前部と後部との間に前記各側部を折り込む折り込み工程とを含み、前記離間工程では、前記第1ベルト及び前記第2ベルトのうちの少なくとも一方のベルトに対して前記本体部における前記折り目から長手方向の所定の位置までの非吸着範囲以外の範囲のみを吸着させた状態で、前記折り目が下流側に向くように前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送することにより、前記非吸着範囲を前記少なくとも一方のベルトから離しながら前記本体部の前部と後部とを離間させる、使い捨ておむつの折り込み方法を提供する。
【0092】
また、本発明は、着用時に着用者の前腹部から股下部を介して後背部まで延びる本体部と、折り目を基準として2つ折りにされた前記本体部の前部と後部とを連結する一対の側部とを有する使い捨ておむつの折り込み装置であって、第1ベルトと、前記第1ベルトに対して前記本体部の前部及び後部のうちの一方を吸着させた状態で前記第1ベルトを移動可能な第1移動機構とを有する第1搬送部と、予め設定された搬送経路を挟んで前記第1ベルトと互いに対向するとともに前記搬送経路の下流側に向かうに従い前記第1ベルトから離間するように配置された第2ベルトと、前記第1ベルトと協働して前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送しつつ前記本体部の前部と後部とを互いに離間させるように前記第2ベルトに対して前記本体部の前部及び後部のうちの他方を吸着させた状態で前記第2ベルトを移動可能な第2移動機構とを有する第2搬送部と、前記第1搬送部及び前記第2搬送部により互いに離間した前記本体部の前部と後部との間に前記各側部を折り込む折り込み部とを備え、前記第1ベルト及び前記第2ベルトのうちの少なくとも一方のベルトは、前記本体部における前記折り目から長手方向の所定の位置までの非吸着範囲以外の範囲のみを吸着するための複数の限定吸着領域を有し、前記第1搬送部及び前記第2搬送部は、前記限定吸着領域に対して前記本体部における前記非吸着範囲以外の範囲のみを吸着させた状態で、前記折り目が下流側に向くように前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送することにより、前記非吸着範囲を前記少なくとも一方のベルトから離しながら前記本体部の前部と後部とを離間させる、使い捨ておむつの折り込み装置を提供する。
【0093】
これらの発明によれば、第1ベルト及び第2ベルトに対する本体部の吸着範囲を非吸着範囲以外の範囲に限定することにより、非吸着範囲の長手寸法の分だけ本体部の前部と後部との離間を許容することができる。
【0094】
したがって、各発明によれば、包装時に有利となるように折り目を先行して使い捨ておむつを搬送しながら、本体部の前部と後部とを離間させて各側部を本体部の前部と後部との間に確実に折り込むことが可能となる。
【0095】
前記折り込み方法において、前記第2ベルトよりも前記搬送経路の下流側に延びる前記第1ベルトの延出部分と前記搬送経路を挟んで互いに対向するとともに前記搬送経路の下流側に向かうに従い前記第1ベルトに対して近接するように配置された第3ベルトが前記第2ベルトから引き受けた前記本体部の前部又は後部を吸着した状態で、前記第1ベルト及び前記第3ベルトを移動させることにより、前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送しつつ前記本体部の前部と後部とを互いに近接させる近接工程をさらに含み、前記折り込み工程は、前記離間工程において前記本体部の前部と後部とが離間した後又は前記近接工程の期間中に行われることが好ましい。
【0096】
また、前記折り込み装置において、前記第2ベルトに吸着された前記本体部の前部又は後部を引き受け可能で、かつ、前記第2ベルトよりも前記搬送経路の下流側に延びる前記第1ベルトの延出部分と前記搬送経路を挟んで互いに対向するとともに前記搬送経路の下流側に向かうに従い前記第1ベルトに対して近接するように配置された第3ベルトと、前記第1ベルトと協働して前記使い捨ておむつを前記搬送経路に沿って搬送しつつ前記本体部の前部と後部とを互いに近接させるように前記第3ベルトに対して前記本体部の前部又は後部を吸着させた状態で前記第3ベルトを移動可能な第3移動機構とを有する第3搬送部をさらに備え、前記折り込み部は、前記第1ベルトと前記第2ベルトとの間の下流側、又は、前記第1ベルトと前記第3ベルトとの間で前記本体部の前部と後部との間に各側部を折り込み可能であることが好ましい。
【0097】
これらの態様によれば、第1ベルト及び第3ベルトによって使い捨ておむつを搬送することにより、各側部が本体部の前部と後部との間に折り込まれた状態で本体部の前部と後部とを近接させることができる。そのため、使い捨ておむつの厚み寸法をより小さく折り畳んだ状態で使い捨ておむつを次の工程(例えば包装工程)に搬送することができる。
【0098】
前記折り込み方法において、前記折り込み工程では、前記搬送経路を挟んだ前記第1ベルトの両側位置に設けられているとともに羽根を有する一対のインペラを、前記羽根が前記搬送経路上で上流側から下流側に移動して前記本体部の前部と後部との間に挿入するように回転させ、前記各インペラの回転速度は、前記第1ベルトの移動による前記使い捨ておむつの搬送速度よりも高いことが好ましい。
【0099】
また、前記折り込み装置において、前記折り込み部は、前記搬送経路を挟んだ前記第1ベルトの両側に設けられているとともに羽根を有する一対のインペラと、前記羽根が前記搬送経路上で上流側から下流側に移動して前記本体部の前部と後部との間に挿入するように前記各インペラをそれぞれ回転可能な一対の折り込み駆動部とを有し、前記各インペラの回転速度は、前記第1ベルトの移動による前記使い捨ておむつの搬送速度よりも高く設定されていることが好ましい。
【0100】
上述のように、使い捨ておむつをその折り目が先行するように搬送する場合、インペラの回転速度を使い捨ておむつの搬送速度よりも低くすると、使い捨ておむつが羽根を追い越す際に羽根と使い捨ておむつの折り目の形成された部分とが接触して各側部を確実に折り込むことが困難になる。そこで、前記各態様のように、羽根が使い捨ておむつを追い越すようにインペラの回転速度を設定することにより、ウエスト開口を介して羽根を本体部の前部と後部との間に導入することができるとともに、この羽根によって本体部を折り目の内側から押し出すようにして各側部を本体部の前部と後部との間に折り込むことができる。
【0101】
前記折り込み方法において、前記第1ベルト及び前記第2ベルトには、それぞれ複数の吸着領域が設けられているとともに、前記複数の吸着領域は、それぞれ1つの前記本体部の前部又は後部の大きさの範囲内にそれぞれ制限され、前記離間工程では、前記第1ベルトの吸着領域と前記第2ベルトの吸着領域との周期が合うように前記両ベルトを移動させることが好ましい。
【0102】
前記折り込み装置において、前記第1ベルト及び前記第2ベルトのうち前記限定吸着領域を有するベルト以外のベルトは、複数の制限吸着領域を有するとともに、前記複数の制限吸着領域及び前記複数の限定吸着領域は、それぞれ1つの前記本体部の前部又は後部の大きさの範囲内にそれぞれ制限され、前記第1ベルト及び前記第2ベルトは、前記限定吸着領域と前記制限吸着領域との周期を合わせた状態で移動することが好ましい。
【0103】
これらの態様では、第1ベルト及び第2ベルトの吸着領域がそれぞれ1つの本体部の前部又は後部の大きさの範囲内にそれぞれ制限されている。このように吸着力を発揮する領域を制限することにより各吸着領域における吸着力を増加させることができる。
【0104】
そして、第1ベルトの吸着領域と第2ベルトの吸着領域との周期を合わせた状態で各ベルトが移動する。そのため、複数の本体部を順次吸着可能となるように第1ベルトの吸着領域と第2ベルトの吸着領域とを対向させた状態で第1ベルト及び第2ベルトを移動させることができる。
【0105】
前記折り込み方法において、前記第1ベルト及び前記第2ベルトは、それぞれ平ベルトにより形成されているとともに、前記各吸着領域の位置を示す複数のマークをそれぞれ有し、前記離間工程では、負圧に設定された第1吸引室を有する第1吸引部と前記第1ベルトとを前記各吸着領域が順次前記第1吸引室に臨むように摺接させるとともに、負圧に設定された第2吸引室を有する第2吸引部と前記第2ベルトとを前記各吸着領域が順次前記第2吸引室に臨むように摺接させることにより、前記各吸着領域に吸着力を与えるとともに、前記マークの位置に基づいて前記第1ベルトの吸着領域と前記第2ベルトとの吸着領域との周期を合わせることが好ましい。
【0106】
また、前記折り込み装置において、前記第1ベルト及び前記第2ベルトは、それぞれ平ベルトにより形成されているとともに、前記各限定吸着領域又は前記各制限吸着領域の位置を示す複数のマークをそれぞれ有し、前記第1移動機構は、負圧に設定された第1吸引室を有するとともに前記各限定吸着領域又は前記各制限吸着領域が順次前記第1吸引室に臨むように前記第1ベルトと摺接する第1吸引部と、前記第1ベルトのマークを検出する第1検出器とを有し、前記第2移動機構は、負圧に設定された第2吸引室を有するとともに前記各限定吸着領域又は前記各制限吸着領域が順次前記第2吸引室に臨むように前記第2ベルトと摺接する第2吸引部と、前記第2ベルトのマークを検出する第2検出器とを有し、前記マークの検出結果に基づいて前記限定吸着領域と前記制限吸着領域との周期を合わせるように前記第1移動機構及び前記第2移動機構の駆動を制御する制御器をさらに備えていることが好ましい。
【0107】
前記各態様のように、各ベルトと吸引部とを摺接させることにより吸着領域に吸着力を与える構成を採用する場合、上述のように吸着領域の制限に伴う吸着力の増加により各ベルトと吸引部との摺動抵抗が大きくなる。そのため、各ベルトとして歯付きのベルトを採用し、これらのベルトを駆動源(モータ等)に対してギヤを用いて連結すると、駆動源やギヤに対する負荷が大きくなるとともに、歯付きのベルトとこれを支持するローラとが干渉することにより振動及び騒音が発生するという問題がある。
【0108】
そこで、前記各態様では、第1ベルト及び第2ベルトがそれぞれ駆動源からギヤを用いず動力が伝達される平ベルトにより形成されている。これにより、駆動源及びローラと各ベルトとの間に相対的な移動が許容されるため、駆動源の負荷及び振動並びに騒音を軽減することができる。
【0109】
そして、前記各態様では、各ベルトに設けられたマークの位置に基づいて第1ベルトの吸着領域と第2ベルトの吸着領域との周期を合わせている。これにより、上述のように駆動部と各ベルトとの間の相対的な移動が許容されても、第1ベルトの吸着領域と第2ベルトの吸着領域との周期を合わせて、使い捨ておむつを1つずつ確実に搬送することができる。
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