(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ロール周面に複数の凸部(19)を備える賦形ロール(3)を上記のアンビルロール(2)と対面させて配置して、このアンビルロール(2)のロール周面に備える複数の凹部(20)を上記の複数の凸部(19)に噛み合わせ、
上記の賦形ロール(3)のロール周面に上記の第1シート材(4)を供給し、
上記の凸部(19)とこれに噛み合う凹部(20)によって上記の第1シート材(4)に上記の収容室(14)を賦形する、請求項1に記載の粉粒体収容シートの製造方法。
上記のアンビルロール(2)の凹部(20)内を減圧することにより、上記の収容室(14)をこの凹部(20)内に吸着・保持し、この状態で、この第1シート材(4)を第2シート材(8)と互いに接合する位置へ搬送する、請求項2に記載の粉粒体収容シートの製造方法。
粉粒体(6)を収容室(14)へ収容する位置(17a)に対してアンビルロール(2)の回転方向下流側で、この収容位置(17a)に近接した位置に上記の第2シート材(8)を供給する、請求項4に記載の粉粒体収容シートの製造方法。
上記の排除手段が開閉手段(13)であり、この開閉手段(13)が、上記の供給路(12)を横断することによりこの供給路(12)を開閉する開閉部材(27、27a)を備え、この開閉部材(27、27a)を、上記の収容位置(17、17a)でのアンビルロール(2)周面の接線と略平行に移動させる、請求項7から9のいずれかに記載の粉粒体収容シートの製造装置。
第2シート材(8)を供給する第2供給手段(9)がガイドパネル(33)であって、このガイドパネル(33)をアンビルロール(2)に近接させるとともに、このガイドパネル(33)の先端を上記の収容位置(17,17a)へ近接させて配置する、請求項7から10のいずれかに記載の粉粒体収容シートの製造装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術では、一方のシート材に形成される窪みが、キャリア支持手段の周面の凹部を減圧することにより形成されるが、このシート材は不織布など液体や気体が通過し易い材質で形成されているため、上記の窪みの形状は、減圧度やシート材の供給速度等によって変動し易く、特に生産速度を高速化すると、所定形状の窪みを形成することが一層容易でない。また上記従来の製造装置では、粉粒体を移送装置の周面の凹部に収容したのち、この粉粒体を第1シート材の窪み内へ移動させるため、粉粒体を扱う装置が複雑となるうえ、粉粒体が各装置から零れ易いなど、その粉粒体の取扱いが容易でない問題がある。
【0006】
本発明の技術的課題は上記の問題点を解消し、2枚のシート材間に形成した収容室に粉粒体を収容する粉粒体収容シートを製造する際、粉粒体の取扱いが容易な粉粒体収容シートの製造方法と製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するために、例えば本発明の実施形態を示す
図1から
図9に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
即ち本発明1は、粉粒体収容シートの製造方法に関し、2枚のシート材(4、8)間に区画形成された収容室(14)へ粉粒体(6)が収容されている粉粒体収容シートの製造方法であって、上記の第1シート材(4)に上記の収容室(14)を形成したのち、この第1シート材(4)を、アンビルロール(2)のロール周面で搬送し、その搬送過程で、粉粒体供給部(11)から供給路(12)を介して供給される粉粒体(6)を上記の収容室(14)内へ収容し、その後、この収容室(14)を第2シート材(8)で蓋するとともに、収容室(14)の周縁部で両シート材(4、8)を互いに接合することを特徴とする。
【0008】
本発明2は、第1シート材(4)と第2シート材(8)との間に区画形成された収容室(14)へ粉粒体(6)が収容されている粉粒体収容シートの製造装置であって、上記の第1シート材(4)をロール周面で搬送するアンビルロール(2)と、上記の粉粒体(6)を連続的に供給する粉粒体供給部(11)と、この粉粒体供給部(11)から粉粒体(6)を下方へ案内する供給路(12)と、上記の両シート材(4、8)を互いに接合する接合手段(10)と、上記の第1シート材(4)を供給する第1供給手段(5)と、第2シート材(8)を供給する第2供給手段(9)とを備えており、上記のアンビルロール(2)の周面に沿って、回転方向上流側から順に収容位置(17,17a)と接合位置(18)とが設けてあり、上記の収容位置(17,17a)よりも上流側へ上記の第1供給手段(5)により第1シート材(4)を供給可能に構成してあり、上記の収容位置(17,17a)で、上記の供給路(12)の下端が上記の第1シート材(4)に形成された収容室(14)へ臨ませてあり、上記の接合位置(18)またはこの接合位置(18)と上記の収容位置(17,17a)との間へ上記の第2供給手段(9)により第2シート材(8)を供給可能に構成してあり、上記の接合位置(18)で上記の接合手段(10)がアンビルロール(2)に対面させてあることを特徴とする。
【0009】
粉粒体は、粉粒体供給部から供給路を介して上記の収容室へ供給され収容されるので、粉粒体は装置の外部へ零れることが防止され、容易に取り扱われる。
【0010】
上記の第1シート材への収容室の形成は、特定の方法に限定されない。しかし、ロール周面に複数の凸部を備える賦形ロールを上記のアンビルロールと対面させて配置して、このアンビルロールのロール周面に備える複数の凹部を上記の凸部に噛み合わせ、上記の賦形ロールのロール周面に上記の第1シート材を供給し、上記の凸部とこれに噛み合う凹部によって上記の第1シート材に上記の収容室を賦形すると、高速で製造する場合であっても、所定形状の収容室を確実に形成することができて好ましい。
【0011】
なお、上記の収容室を賦形する際に賦形ロールの凸部と噛み合う凹部は、この賦形ロールと対面させて設けた第2賦形ロールのロール表面に設けてもよい。しかし上記のアンビルロールは、この凸部と噛み合う凹部を備えているので、このアンビルロールの凹部と上記の凸部との噛み合いにより、上記の収容室を賦形してもよく、この場合は第2賦形ロールなどを必要としないので、装置を簡略にできて好ましい。
【0012】
上記の両シート材同士の接合は、特定の接合手段に限定されず、加熱ロールによる溶着や、いずれかのシートに塗布した接着剤を圧着ロールで圧着する接合など、任意の接合手段を採用することができる。しかし、超音波溶着装置を用いて、超音波溶着により両シート材を互いに接合すると、接合の際に粉粒体や両シート材の他の部位を過剰に加熱することがなく、また所定の接着強度に容易に設定できて好ましい。
【0013】
上記の賦形位置で所定形状の収容室が賦形された第1シート材は、上記のアンビルロールの周面に沿って搬送される。このとき、上記の収容室がアンビルロールの凹部に対しズレ動かないように、アンビルロールの凹部内を減圧して、収容室をこの凹部内に吸着・保持した状態で、第1シート材を上記の接合位置へ搬送すると好ましい。この凹部内を減圧する手段は、特定の構成に限定されないが、通常、アンビルロール内の吸気路を経て上記の凹部内に連通する減圧装置が設けられる。
【0014】
上記の供給路は、上記の粉粒体供給部から粉粒体を連続的に供給できるものであればよく、特定の形状や構造の物に限定されない。しかし上記の粉粒体収容シートは、連続的に製造されたのち、使い捨て着用物品等に使用される単位で個別に切断して分離されるので、この切断箇所に上記の粉粒体を収容した収容室が存在すると、切断の際に粉粒体が零れ落ちる問題があり、また、粉粒体が堅いため切断用刃が早期に摩耗したり損傷したりする問題がある。このため、上記の供給路が排除手段を備えており、この供給路を流通する粉粒体の一部を排除手段で供給路の外部へ排除することにより、上記の粉粒体供給部から上記の収容室内へ粉粒体を間欠的に供給できるように構成してあると、上記の切断箇所に対応する部位では収容室内への粉粒体の供給を停止でき、切断の際に粉粒体の零れを防止できるうえ、切断用刃を傷みにくくすることができて、好ましい。
【0015】
上記の収容位置は、粉粒体を収容室へ供給できる位置であればいずれの部位に設けてもよい。上記の供給路から供給される粉粒体は、アンビルロール上の粉粒体の収容位置に関係なく、アンビルロールに到達した後、重力の作用でアンビルロールの周面に沿って下方に向って移動する。この場合、収容位置がアンビルロールの頂部より回転方向上流側に設けてあると、アンビルロール上の粉粒体の移動方向(回転方向上流側)とアンビルロールの回転方向とが逆であるため、粉粒体がスムーズに収容室に収容されにくく、粉粒体が回転方向上流側に零れやすくなる。
【0016】
そこで、粉粒体の収容位置をアンビルロールの頂部より回転方向下流側に設ければ、アンビルロール上の粉粒体の移動方向(回転方向下流側)とアンビルロールの回転方向とが同じであるため、粉粒体がスムーズに収容室に収容されるので好ましい。
【0017】
上記の排除手段は供給路を流通する粉粒体の一部を供給路の外部へ排除できる構造を備えている限り、様々な構成をとることができる。例えば、排除手段として高圧空気噴射装置を配置して、この高圧空気噴射装置からの高圧空気流により粉粒体の一部を供給路の外部へ排除することが考えられる。しかし、排除手段として上記の供給路が開閉手段を備えており、この開閉手段で供給路を開閉することにより粉粒体の一部を供給路の外部へ排除できる構成にしてあると、供給方向の所定範囲内にある粉粒体を確実に供給路の外部へ排除できるので好ましい。
【0018】
上記の開閉手段は供給路を開閉できる構造を備えていればよく、例えばこの供給路に配置した通路切換部材で回収路へ切り換え可能にすることでこの供給路を開閉するなど、様々な構成をとることができる。しかし、上記の開閉手段が、上記の供給路を横断することによりこの供給路を開閉する開閉部材を備えると、この開閉部材で供給路を確実に且つ素早く開閉でき、これにより、供給方向の所定範囲内にある粉粒体を確実に供給路の外部へ排除できるので、供給部分と供給停止部分との境界が明確な、いわゆるキレの良い間欠供給が高速で可能となり、一層好ましい。この開閉部材としては、特定の形状に限定されないが、例えば、板状のように厚みが薄いほど、供給路を横断する際に粉粒体の流れを乱さないので好ましく、平面視が略I字形や略L字形など、確実に供給路を閉鎖する構造を備えていれば採用することができる。粉粒体収容シートの製造装置の仕様を満足するものであれば、収納スペースがコンパクトな形状の開閉部材が好ましい。
【0019】
上記の開閉部材は、上記の供給路を横断することによりこの供給路を開閉できればよいが、この開閉部材が、上記の収容位置でのアンビルロール周面の接線と略平行に移動するように構成してあると、この開閉部材を上記の収容位置へ近づけることができ、開閉位置より下流での粉粒体の流れの乱れを抑制できて好ましい。
【0020】
上記第2シート材は、粉粒体を収容する位置に対してアンビルロールの回転方向下流側で、極力収容位置の近くに供給すれば、粉粒体を収容した収容室が速やかに第2シートで覆われるので、粉粒体が装置の周囲へ飛散することがないので好ましい。具体的には、上記の第2シート材の供給位置は、例えば収容位置までの距離から第2シート材の厚みを除いた寸法が、5mm程度以下が好ましく、その寸法が2mm以下であるとより好ましい。
【0021】
上記第2シート材を接合位置または接合位置と収容位置との間へガイドするためのガイド部材としては、特定の構造のものに限定されず、小径のガイドロールやガイドバーを採用することができるが、金属板やセラミックス板等からなるガイドパネルを設ければ、このガイドパネルの先端を極力収容位置へ近づけることができるうえ、回転部分がないため故障のおそれがなく、簡単な設備により確実に第2シートをガイドすることができるので好ましい。しかも、このガイドパネルは、供給位置へ案内される第2シート材とアンビルロールとの間に配置されるので、アンビルロール表面の減圧が上記の第2シート材に影響することを防止できる利点もある。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、粉粒体は粉粒体供給部から供給路を介して供給されて上記の収容室へ収容されるので、供給過程で粉粒体が装置の外部へ零れることを良好に防止でき、製造過程において粉粒体を容易に取扱うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて本発明を具体的に説明する。言うまでもないが、本発明は下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、様々な変形や修正が可能である。
[第1実施形態]
図1に示すように、この粉粒体収容シートの製造装置(1)は、アンビルロール(2)と、このアンビルロール(2)に対面する賦形ロール(3)と、この賦形ロール(3)のロール周面に第1シート材(4)を供給する第1供給手段(5)と、高吸収性樹脂(SAP)である粉粒体(6)を供給する粉粒体供給装置(7)と、アンビルロール(2)の周面へ第2シート材(8)を供給する第2供給手段(9)と、アンビルロール(2)に対面して上記の両シート材(4、8)を互いに接合する接合手段(10)とを備えている。
【0025】
また上記の粉粒体供給装置(7)は、粉粒体(6)を貯留する粉粒体供給部(11)と、この粉粒体供給部(11)から粉粒体(6)をアンビルロール(2)の上部へ案内する供給路(12)と、この供給路(12)の上下方向中間部に設けてある排除手段としての開閉手段(13)とを備えている。なおこの実施形態では、この開閉手段(13)を供給路(12)の上下方向中間部に設けたが、これに限定されず、例えば、その他の実施形態において、この開閉手段(13)は供給路(12)に設けてあればよく、供給路(12)の上端部や下端部に設けたものであってもよい。
【0026】
そして、この製造装置(1)により、
図2に示すような、第1シート材(4)と第2シート材(8)との間に区画形成された収容室(14)へ粉粒体(6)が収容されている、粉粒体収容シート(15)が製造される。なおこの実施形態では、粉粒体がSAPである場合について説明しているが、これに限定されず、例えば、その他の実施形態において、粉粒体は、SAP以外のものであってもよく、また粉粒体は粒体やより細かな紛体のほか、繊維状のものであってもよい。
【0027】
図3に示すように、上記の賦形ロール(3)のロール周面に賦形位置(16)が設けてあり、上記のアンビルロール(2)の周面に沿って、回転方向上流側から順に収容位置(17)と接合位置(18)とが設けてある。
【0028】
上記の賦形ロール(3)のロール周面には、上記の賦形位置(16)の上流側へ上記の第1供給手段(5)により第1シート材(4)が供給される。この賦形ロール(3)は、上記の賦形位置(16)で上記のアンビルロール(2)と対面しており、上記の第1シート材(4)はこの両ロール間を通過する。この賦形ロール(3)はロール周面に複数の凸部(19)を備えており、一方、上記のアンビルロール(2)は、この賦形ロール(3)の凸部(19)と噛み合う凹部(20)を周面に備えている。なお、上記の賦形ロール(3)には、ニップロール(21)が対面させてある。
【0029】
上記の粉粒体供給装置(7)の供給路(12)の下端開口は、上記の収容位置(17)で、この収容位置(17)を通過する第1シート材(4)の上面に形成された収容室(14)に臨むように、アンビルロール(2)に対面させてある。この場合、供給路(12)の下端は、アンビルロール(2)の表面に近接させることが好ましい。供給路(12)の下端とアンビルロール(2)の表面との距離は、粉粒体(6)の供給量に依存するが、少なくとも粉粒体の供給厚さ、例えば、
図2に示す収容室(14)の深さ(th)以上とすることが好ましい。一方、供給路(12)の下端とアンビルロール(2)の表面との距離が上記の深さ(th)より必要以上に大きくなると、供給路(12)から供給される粉粒体(6)が、後述するようなアンビルロール(2)の表面の凹部(20)内の減圧に伴って発生する気流などにより周囲に飛散しやすくなるという不都合がある。かかる不都合を防止するためには、供給路(12)の下端とアンビルロール(2)の表面との距離は、10mm以下とすることが好ましく、5mm以下とすることがより好ましい。
【0030】
上記の接合手段(10)は超音波溶着装置で構成されており、そのホーンの先端が上記の接合位置(18)でアンビルロール(2)に対面させてある。
上記の第2供給手段(9)は、上記の収容位置(17)と接合位置(18)との間へ第2シート材(8)を供給するように配置してある。
【0031】
上記のアンビルロール(2)内には吸気路(22)が形成してあり、この吸気路(22)を介して上記の凹部(20)内が減圧装置(23)に連通してある。この減圧装置(23)により、少なくとも上記の賦形位置(16)から接合位置(18)までの凹部(20)内が減圧される。
【0032】
上記の供給路(12)のうち、上記の開閉手段(13)よりも下方部は、片側面が外部空間に開放してあり、この供給路(12)内を通過する粉粒体(6)に対し、上記の凹部(20)内の減圧が悪影響を与えないようにしてある。また、上記の供給路(12)の下方部の開放面側と上記のアンビルロール(2)との間には、防風板(24)が配置してある。この防風板(24)により、上記の減圧などにより生じる気流が粉粒体(6)の供給に悪影響を与えないようにしてある。
また上記の収容位置(17)から第2シート材(8)の供給位置までの間には、アンビルロール(2)の周面に沿ってパンチングメタルなどの減圧維持部材(25)が対面させてあり、この間を通過する上記の凹部(20)内の減圧状態が、良好に維持されるようにしてある。
【0033】
上記の粉粒体供給装置(7)は、上記の粉粒体供給部(11)の出口(26)に付設された調量装置(32)により、この出口(26)から所定量の粉粒体(6)を下方へ送り出すように構成されており、この出口(26)から下方に向けて、上記の供給路(12)が配置してある。粉粒体(6)は、調量装置(32)から供給路(12)に沿って下方へ送り出されるので、供給路(12)内を円滑に流通する。この供給路(12)の上下方向中間部に配置された上記の開閉手段(13)は、
図4と
図5に示すように板状で平面視がI字形の開閉部材(27)を備えている。この開閉部材(27)が上記の供給路(12)を横断することで、この供給路(12)を開閉し、供給路(12)を流通する粉粒体の一部を供給路(12)の外部へ排除できるように構成してある。
【0034】
図5に示すように、上記の供給路(12)の横断面形状は、上記の第1シート材(4)の幅方向に長く形成してある。また上記の開閉部材(27)は、この供給路(12)を閉止できるように上記の第1シート材(4)の幅方向に、供給路(12)の幅よりも長く形成してあり、上記の第1シート材(4)の幅方向と直交する方向に、上記の供給路(12)を横断するように駆動される。具体的には、この開閉部材(27)は2か所がそれぞれリンク腕(28)を介して回転駆動され、これにより4連リンクとなって、並行姿勢を維持した状態で一定方向に回転される。
【0035】
なお、上記の横断面形状を第1シート材(4)の幅方向に長く形成した供給路(12)は、供給路(12)全体がその幅方向に長ければよく、その幅方向に短い複数の個別通路に分割されたものであってもよい。この場合、各個別通路に区分けされた粉粒体(6)はそのまま下端開口から上記の収容室(14)内へ供給されるので、第1シート材(4)の幅方向に亘って均一に粉粒体(6)を供給することができる。特に、各個別通路の上端の入口にガイド板などの流入量変更手段を設け、調量装置(32)から送り出された粉粒体(6)が各個別通路の入口で均等に分配されるように構成すると、第1シート材(4)の幅方向に亘って一層均一に粉粒体(6)を供給することができて好ましい。
また、上記の開閉部材(27)は、
図4に示すように、上記の供給路(12)の斜め上方から反対側の斜め下方へ、その供給路(12)を横断するように駆動される。
【0036】
図4に示すように、上記の開閉手段(13)は、上記の供給路(12)のうちの開閉される部位を取り囲む筐体(29)を備えており、この筐体(29)内で上記の開閉部材(27)が回転駆動される。この筐体(29)内には、下部に、例えば螺旋搬送装置のような機械的排出手段(30)が備えてあり、この筐体(29)の下部に排出路(31)が形成してある。筐体(29)の内部空間の容積は広い方が好ましい。というのは、アンビルロール(2)の表面の凹部(20)内の減圧に伴って筐体(29)内で発生する気流による粉粒体の流れへの影響を抑えることができるからである。たとえ、そのような気流が発生したとしても、筐体(29)の内部空間の容積が広ければ、気流の流れは速くならず、粉粒体の流れへの影響を抑制することができるからである。
【0037】
次に、上記の製造装置を用いた粉粒体収容シートの製造方法について説明する。
上記の第1供給手段(5)により上記の賦形ロール(3)のロール周面に供給された第1シート材(4)は、上記の賦形位置(16)でこの賦形ロール(3)とアンビルロール(2)との間を通過し、これにより、第1シート材(4)に収容室(14)が賦形される。この収容室(14)は、上記の凸部(19)と凹部(20)との噛み合いにより賦形されるので、高速で生産される場合であっても、所定形状の収容室(14)が確実に形成される。なお、第1シート材(4)は、厚さや材質等によって賦形のしやすさが異なるが、一般に加熱されていると賦形しやすいので、上記の賦形ロール(3)やその近傍に加熱手段が設けてあると好ましい。この加熱手段としては、例えば賦形ロール(3)内に設けた加熱装置や、第1シート材(4)に加熱空気を吹き付ける熱風送風機などが挙げられる。上記の第1シート材(4)は、上記の凹部(20)内の減圧により、収容室(14)がこの凹部(20)内に吸着・保持された状態で、アンビルロール(2)の周面で回転方向下流側へ搬送されていく。
【0038】
この搬送過程で、上記の収容室(14)が前記の収容位置(17)に達すると、上記の粉粒体供給部(11)から供給路(12)を介して供給された粉粒体(6)が、この収容室(14)内へ供給されて収容される。このとき、上記の供給路(12)は横断面形状が第1シート材(4)の幅方向に長く形成してあるので、この第1シート材(4)の幅方向に並んだ複数の収容室(14)には、それぞれ粉粒体(6)が同時に供給されて収容される。この場合、上記したように、供給路(12)の下端とアンビルロール(2)の表面との距離を、粉粒体の供給厚さ、即ち
図2に示す収容室(14)の深さ(th)以上10mm以下とすることで、供給路(12)から供給される粉粒体(6)が、アンビルロール(2)の表面の凹部(20)内の減圧に伴って発生する気流などにより周囲へ飛散することを防止できる。
【0039】
このように、供給路(12)の下端とアンビルロール(2)の表面を近接させることで、収容室(14)までの距離が短くなるので、供給路(12)を落下する粉粒体を効率よく所定の収容室に収容することができる。すなわち、供給路(12)の下端とアンビルロール(2)の表面との近接効果として、開閉部材(27)の駆動により間欠的に供給される粉粒体(6)は、供給路(12)が開放されているときは周囲へ飛散せずに効率よく所定の収容室(14)へ収容され、供給路(12)が閉鎖されているときは、対応する収容室(14)への流入が阻止される。この結果、開閉部材(27)により供給路(12)が閉鎖されているときと、開閉部材(27)が供給路(12)を横断しきって供給路(12)が開放されているときとの区別が明確になり、いわゆるキレの良い粉粒体の間欠供給が可能となる。
【0040】
次に上記の第1シート材(4)がさらに搬送されて、収容室(14)が第2シート材(8)の供給位置に達すると、この収容室(14)が第2シート材(8)で蓋される。そして、両シート材(4、8)が重ねられた状態でさらに搬送され、上記の収容室(14)が接合位置(18)に達すると、上記の接合手段(10)の超音波溶着により、両シート材(4、8)がその収容室(14)の周縁部で互いに接合される。
【0041】
上記の収容室(14)へ粉粒体(6)を供給する際、上記の供給路(12)を開閉手段(13)の開閉部材(27)で開閉すると、供給路(12)を流通する粉粒体の一部が供給路(12)の外部へ排除されるので、上記の粉粒体供給部(11)から上記の収容室(14)内へ粉粒体(6)が間欠的に供給される。
【0042】
即ち、上記の開閉部材(27)が回転駆動されて上記の供給路(12)の上下方向中間部を横断するとき、この供給路(12)が閉止されるので、その間、供給路(12)内で開閉部材(27)に受け止められた粉粒体(6)は供給路(12)の外部へ排除され、粉粒体(6)の供給が停止される。そして、開閉部材(27)が供給路(12)を横断しきって供給路(12)から脱すると、上記の閉止が解除されるので、粉粒体(6)の収容室(14)への供給が再開される。これにより粉粒体(6)が下方の収容室(14)内へ間欠的に供給される。
【0043】
上記の開閉部材(27)は、第1シート材(4)の幅方向に供給路(12)の幅よりも長く形成してあり、しかもその第1シート材(4)の幅方向と直交する方向に、上記の供給路(12)を横断するので、その供給路(12)は全幅に亘って同時に開閉される。従って、上記の第1シート材(4)の幅方向に並ぶ各収容室(14)へは、粉粒体(6)が同時に供給され、同時に供給停止される。
【0044】
このため、この製造装置で製造された粉粒体収容シート(15)は、一定間隔で、幅方向の全ての収容室(14)に粉粒体(6)が収容されていない部位が形成される。従って、連続的に生産される粉粒体収容シート(15)を、使い捨て着用物品等に使用される単位で個別に切断する際、この粉粒体(6)が収容されていない部位で切断することで、切断の際に粉粒体(6)が零れ落ちることが防止され、また切断用刃の早期の摩耗や損傷が防止される。
【0045】
上記の開閉部材(27)は、供給路(12)の一方側と他方側との間を往復させてもよく、あるいは斜め下方から反対側の斜め上方へ移動させてもよいが、好ましくは、
図4に示すように、上記の開閉部材(27)は、上記の供給路(12)の斜め上方から反対側の斜め下方へ、その供給路(12)を横断するように駆動される。この結果、この横断の際に供給路(12)から零れ落ちる粉粒体(6)は、供給路(12)の外側へ確実に排除される。この供給路(12)は、上記の開閉部材(27)が開閉する部位を筐体(29)で取り囲んであるので、上記の開閉操作により供給路(12)から零れた粉粒体(6)は、その筐体(29)内に受止められ、外部へ零れることがない。そしてこの筐体(29)内に受止められた粉粒体(6)は、筐体(29)内の下部に集められ、上記の機械的排出手段(30)により、上記の排出路(31)から筐体(29)の外部へ排出される。
【0046】
[第2実施形態]
この第2実施形態において使用する図面と
図1〜
図5の各図とに共通する構成部材には同じ参照番号を付して重複説明は省略する。
図6は、本発明の第2実施形態を示す粉粒体収容シートの製造装置の概略構成図である。
この第2実施形態においても、粉粒体シートの製造装置(1a)は、アンビルロール(2)と、賦形ロール(3)と、第1シート材(4)を供給する第1供給手段(5)と、高吸収性樹脂(SAP)である粉粒体(6)を供給する粉粒体供給装置(7)と、第2シート材(8)を供給する第2供給手段(9)と、両シート材(4,8)を互いに接合する接合手段(10)とを備えている点は第1実施形態と共通している。
【0047】
《収容位置》
アンビルロール(2)の周囲に沿って、回転方向上流側から順に収容位置(17a)と接合位置(18)とが設けてある点は、第1実施形態と同じであるが、第2実施形態においては、収容位置(17a)がアンビルロール(2)の頂部より回転方向下流側に設けてある点が第1実施形態とは異なる。
図1および
図3に示すように、第1実施形態においては、収容位置(17)がアンビルロール(2)の頂部より回転方向上流側に設けてある。そのため、以下に説明するように、供給路(12)から供給される粉粒体(6)が所定の収容室(14)に収容されずに、回転方向上流側へ零れるおそれがある。
【0048】
供給路(12)から供給される粉粒体(6)は、アンビルロール(2)上の収容位置(17または17a)に関係なく、アンビルロール(2)に到達した後、重力の作用でアンビルロール(2)の周面に沿って下方に向って移動する。
この場合、
図1および
図3に示すように、収容位置(17)がアンビルロール(2)の頂部より回転方向上流側に設けてあると、アンビルロール(2)上の粉粒体(6)の移動方向とアンビルロール(2)の回転方向とが逆であるため、粉粒体(6)がスムーズに所定の収容室(14)に収容されにくく、粉粒体(6)が回転方向上流側の収容室(14)に零れやすくなる。
【0049】
この第2実施形態では、
図6および
図7に示すように、収容位置(17a)をアンビルロール(2)の頂部より回転方向下流側に設けてあり、アンビルロール(2)上の粉粒体(6)の移動方向とアンビルロール(2)の回転方向とが同じであるため、粉粒体(6)がスムーズに所定の収容室(14)に収容される。
【0050】
図6および
図7に示す収容位置(17a)は、
図7に示すように、アンビルロール(2)の中心と頂部を結ぶ垂線に対して、回転方向下流側に30〜60度、好ましくは40〜50度の角度範囲(α°)にある。
【0051】
《筐体内粉粒体排出手段》
機械的排出手段で粉粒体を筐体の外部へ排出する場合、その排出機械により粉粒体を損傷することがある。そこでこの第2実施形態では、重力の作用で落下させるとともに、必要に応じてこれに吸引路など空気流での吸引を併用することによる排出手段で、粉粒体を筐体の外部へ排出するように構成してある。これにより、粉粒体の損傷を低減でき、品質の良好な粉粒体をリサイクルできるので好ましい。
【0052】
吸引による筐体内の気流の発生については、上述したように、筐体の内部空間の容積を可能な限り広くして筐体内での気流の流れを抑えたり、筐体に空気取入口を開口したりしてある。これにより、筐体内での気流の流れは速くならず、粉粒体の流れへの影響を抑えることができる。例えば、
図6に示すように、筐体(29)に空気取入口(40)を開口するとともに、筐体(29)の下部に排出ダクト(36)を付設して、この排出ダクト(36)を図示しない真空源と通じさせるようにし、排出ダクト(36)で吸引した粉粒体(6)を粉粒体供給部(11)に戻すようにして粉粒体(6)をリサイクルすることができる。
【0053】
《開閉部材の形状》
第1実施形態の開閉部材(27)は、
図5に示すように板状で平面視が略I字形であるが、第2実施形態の開閉部材(27a)は、
図8に示すように平面視が略L字状である。
図8に示すように、略L字状の開閉部材(27a)は、2箇所がそれぞれリンク腕(28a)を介して回転駆動され、4連リンクとなって並行姿勢を維持した状態で一定方向に回転される。略L字状の開閉部材(27a)は、
図8(a)→
図8(b)→
図8(c)→
図8(d)→
図8(e)→
図8(f)の動作を繰り返すことによって、第1シート材(4)の幅方向と直交する方向に、粉粒体(6)の供給路(12)を斜め上方から反対側の斜め下方へ横断するように駆動され、これにより供給路(12)の開閉が行われる。なお、この開閉部材(27a)は、高速で駆動できるように、強度を確保しながら軽量化を図るため、内部に多数の空洞(41)を備えるハニカム構造にしてある。また、この実施形態では1枚の開閉部材(27a)を回転させているが、これに限定されず、例えば、その他の実施形態において、供給路(12)をより高速に開閉できるように、複数枚の開閉部材(27a)を用い、これらを交互に回転させるように構成してもよい。
【0054】
《複数の開閉部材の使用》
開閉部材が粉粒体(6)の供給路を横断することで供給路(12)を開閉すれば、粉粒体(6)の間欠供給は可能であるが、製造装置を停・休止する場合などにおいて、粉粒体(6)の供給を停止しようとしても、回転駆動する開閉部材によって供給路(12)をただちに閉じることは、高速で回転する開閉部材を閉鎖位置で速やかに停止させなければならず、困難である。そこで、
図6や
図7に示すように、第1開閉部材(27a)とは別に第2開閉部材(38)を設け、通常の製造装置の運転時には、粉粒体(6)を間欠供給するため、第1開閉部材(27a)により供給路(12)を繰り返して開閉し、製造装置を停・休止する場合には、第2開閉部材(38)により供給路をただちに継続して閉じるようにしてある。これにより、製造装置の使用形態に適応した粉粒体(6)の供給操作と停止操作を実現することができる。
【0055】
第1開閉部材(27a)は、上述したように、4連リンク機構により並行姿勢を維持した状態で一定方向に回転するが、第2開閉部材(38)は紙面と平行で供給路(12)を横断する方向に往復移動可能なように、図示しないエアシリンダーのロッドに連結されている。第2開閉部材(38)は、製造装置の運転中は供給路(12)の粉粒体(6)の流通を阻害しない位置に退避しているが、製造装置を停・休止する場合などにおいて、粉粒体(6)の供給を停止したい場合は、上記エアシリンダーのロッドを伸長させて
図7の仮想線に示す位置へ進出し、これにより供給路(12)をただちに継続して閉鎖でき、粉粒体の供給を停止することができる。
【0056】
《開閉部材の速度制御》
開閉部材が粉粒体(6)の供給路(12)を横断することで供給路(12)を開閉すれば、粉粒体(6)が間欠供給される。このとき、一定の速度で開閉部材を駆動させて供給路(12)の開閉を行うのではなく、供給路(12)が閉鎖されている間の、即ち供給路(12)を横断している間の開閉部材の回転速度を、供給路(12)が開放されているときの回転速度より低下または上昇させれば、その回転速度の変更割合に応じて、粉粒体(6)が供給されている部分に対する粉粒体(6)が供給されていない部分の長さを、必要に応じて任意に設定することができて好ましい。
【0057】
例えば、
図6において、開閉部材(27a)を回転駆動させる電動モータ(37)として、インバータ制御機構を備えたモータや、より好ましくはプログラム制御可能なサーボモータを用いれば、この電動モータ(37)を精緻に制御して開閉部材(27a)の一回転中の回転速度を部分的に変えることにより、粉粒体(6)が供給されている部分の長さと、粉粒体(6)が供給されていない部分の長さを、必要に応じて任意に設定することができる。
【0058】
《粉粒体収容室部分の比率》
粉粒体(6)の供給路(12)が幅方向に短い複数の個別通路に分割されている場合、そのうちの一部の個別通路を流通する粉粒体(6)を、適宜の第2の排除手段(機械的手段や空気流などによるブロー手段、吸引手段など)により供給路(12)から排除することもできる。その結果、粉粒体収容シートの製造装置で製造される粉粒体収容シートにおける粉粒体収容室部分の比率を必要に応じて適宜変更することができる。例えば、
図7に示すように、供給路(12)の幅方向の両端部に第2の排除手段としてのブローダクト(39)を付設して、このブローダクト(39)を図示しない圧力空気源と通じて、ブローダクト(39)で間欠的に、幅方向両端寄りの個別通路を流通する粉粒体(6)の一部を吹き飛ばして供給路(12)の外部へ排除することにより、
図9に示すように、粉粒体収容シート(15)における粉粒体(6)が収容されている収容室(14)の存在する部分を、長さ方向において部分的に狭くすることができる。そこで、ブローダクト(39)による吹き飛ばしの程度を変更すれば、粉粒体(6)を収容した収容室(14)部分の比率を人間の体型に合わせることが可能になる。
【0059】
《第2シート材の供給位置》
第2シート材(8)は、
図6および
図7に示すように、収容位置(17a)に対してアンビルロール(2)の回転方向下流側で、極力収容位置(17a)の近くに供給する。従って、第2実施形態では、収容位置(17a)と第2シート材(8)の供給位置との間には、パンチングメタルのような減圧維持部材が存在しない。粉粒体(6)を収容した収容室が速やかに第2シート(8)で覆われるので、粉粒体(6)が装置の周囲へ飛散することがない。
【0060】
《第2シート材のガイド部材》
図6および
図7に示すように、第2シート材(8)をガイドするための第2供給手段(9)としてのガイドパネル(33)を設ける。このガイドパネル(33)の先端は、極力収容位置(17a)の近くに、具体的には収容位置(17a)までの距離から第2シート材(8)の厚みを除いた寸法が5mm以内となる位置に、より好ましくはその寸法が2mm以下となる位置に配置する。
図1および
図3に示す第1実施形態では、ガイドロール方式の第2供給手段(9)により第2シート材(8)をアンビルロール(2)の周面に供給していたので、比較的大きな設置スペースを要する。これに対し、ガイドパネル(33)によるガイド方式を採用すれば、設置スペースを低減できる上に、ガイドパネル(33)の先端を極力収容位置へ近づけることができ、しかもロールなどの回転部材が使用されないので、回転部分の故障等を考慮しなくてもよく、簡単な構造の設備となる。また、このガイドパネル(33)は、供給位置へ案内される第2シート材(8)とアンビルロール(2)との間に配置されているので、上記の第2シート材(8)は、アンビルロール(2)表面での減圧による影響を受けず、円滑に供給される。なお、上記のガイドパネル(33)は、例えばステンレス鋼やセラミックスなど、表面が滑らかで耐摩耗性に優れた材質で形成してあると好ましい。
【0061】
《ガイドパネルの位置》
図6および
図7に示すように、ガイドパネル(33)を開閉手段(13a)の下面に沿うように配置してある。開閉手段(13a)とガイドパネル(33)との間の空間を狭くすることにより、アンビルロール(2)の表面の凹部(20)内の減圧に伴って発生する気流を少なくし、その気流による粉粒体(6)の乱れた動きが抑制されるので、供給路(12)から収容室(14)に至る粉粒体(6)の流れがスムーズになる。
【0062】
《賦形ロールの位置》
賦形ロール(3)は極力収容位置(17a)に近接させる。賦形ロール(3)と収容位置(17a)との距離を短くすることにより、アンビルロール(2)内で減圧される空間の容積を少なくでき、前記の収容室(14)を前記の凹部(20)内へ確実に吸着・保持した状態で第1シート材(4)をアンビルロール(2)の周面で回転方向下流側へ搬送できるうえ、エネルギーコストを低減して安価に実施することができる。
【0063】
《減圧維持部材》
賦形ロール(3)から収容位置(17a)に至るまでの間は、アンビルロール(2)の周面に沿って第1シート材(4)の外側にパンチングメタルなどの減圧維持部材(25)を配置することにより、アンビルロール(2)の表面の凹部(20)内の減圧により、第1シート材(4)をアンビルロール(2)の表面にしっかりと吸着・保持することができる。
【0064】
《アンビルロール(2)の表面の凹部(20)内の減圧》
図6と
図7に示すアンビルロール(2)内には
図3に示す吸気路(22)と同様の吸気路が形成してある。また、アンビルロール(2)の側面に形成された吸引ダクト(34)と(35)は図示しない真空源と通じており、アンビルロール(2)の表面の凹部(20)内はアンビルロール(2)内に形成された吸気路とダクト(34)と(35)を経て真空源と通じている。この真空源により、少なくとも賦形位置(16)から接合位置(18)までの凹部(20)内が減圧される。
【0065】
上記の実施形態で説明した粉粒体収容シートの製造方法と製造装置は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、各部の形状や構造、寸法、材質、製造手順等をこの実施形態のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
【0066】
例えば、上記の実施形態では、賦形ロールの周面のうち、アンビルロールとの対面位置に賦形位置を設け、賦形ロールの凸部とアンビルロールの凹部との噛み合いで第1シート材に収容室を形成したが、これに限定されず、例えば、その他の実施形態において、賦形ロールの周面に第2の賦形ロールを対面させ、この第2賦形ロールのロール周面に凹部を設け、この凹部と上記の賦形ロールの凸部との噛み合いで、第1シート材に収容室を形成してもよい。この場合、形成された収容室は、アンビルロールのロール周面に移されたのち、そのロール周面に沿って搬送される。
【0067】
また、上記の実施形態では、接合手段に超音波溶着装置を用いたが、これに限定されず、例えば、その他の実施形態において、加熱ロールや、ホットメルト等の接着剤を塗布したシート材を圧着するロールなど、他の接合手段を用いたものであってもよい。
また、上記の実施形態では、上記の供給路を鉛直方向に配置し、この供給路の上下方向中間部に排除手段である開閉手段を設けたが、これに限定されず、例えば、その他の実施形態において、上記の供給路は鉛直方向に対し傾斜させて設けたものであってもよく、また上記の開閉手段は供給路の上端や下端に設けたものであってもよい。
【0068】
また、上記の実施形態では、第1シート材と第2シート材を収容室の周縁部で接合した。この場合、この周縁部に粉粒体が存在しないように、ブロー装置などの排除手段を設けたものであってもよい。この両シート材の接合は、周縁部の全域を接合するものであってもよく、或いは周縁部を部分的に接合するものであっても良いことは、言うまでもない。