(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247669
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】ビーコン内蔵照明用LEDランプ、それを用いたビーコンシステム、および、ビーコン制御方法
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20171204BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20171204BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20171204BHJP
G01S 1/68 20060101ALI20171204BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20171204BHJP
【FI】
H05B37/02 C
F21S2/00 231
F21V29/503
G01S1/68
F21Y115:10
【請求項の数】14
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-159549(P2015-159549)
(22)【出願日】2015年8月12日
(65)【公開番号】特開2017-37812(P2017-37812A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2016年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】508136205
【氏名又は名称】浜井電球工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
(74)【代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
(72)【発明者】
【氏名】佐 藤 裕 太
(72)【発明者】
【氏名】横 山 隆
(72)【発明者】
【氏名】川 合 潤
(72)【発明者】
【氏名】小 原 剛
(72)【発明者】
【氏名】冨 澤 健 二
【審査官】
山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−109030(JP,A)
【文献】
特開2013−239354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02 − 39/10
F21K 9/00
F21S 2/00
G01S 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管蛍光灯形の外郭形状に設定し、周回りの一側壁に硬質素材製筐体ヒートシンク部、それとは反対がわの周回りの他側周壁に照明カバー部を設け、両端に従来形のソケット部に組み込み可能な口金部を設け、各口金部の中何れか一方のみに外部電力供給回路を設けた片側給電タイプとした直管形ランプ本体を設け、該直管形ランプ本体内の適所に、該一方の口金部外部電力供給回路を通じて外部電力の供給を受け、発光するLEDユニット、および、同一方の口金部外部電力供給回路を通じて外部電力の供給を受けて双方向無線通信可能に動作するビーコンモジュールを設け、前記外部電力供給回路を設けた一方の口金部、および、その近傍適所外壁の少なくとも何れか一方に、電力接続用の口金部であることを表示する注意表示部を設けてなるものとしたことを特徴とするビーコン内蔵照明用LEDランプ。
【請求項2】
直管蛍光灯形の外郭形状に設定し、周回りの一側壁に硬質素材製筐体ヒートシンク部、それとは反対がわの周回りの他側周壁に照明カバー部を設け、両端に従来形のソケット部に組み込み可能な口金部を設け、各口金部に夫々外部電力供給回路を設けた両側給電タイプとし直管形ランプ本体を設け、該直管形ランプ本体内の適所に、各口金部外部電力供給回路の少なくとも何れか一方を通じて外部電力の供給を受け、発光するLEDユニット、および、同各口金部外部電力供給回路の少なくとも何れか他方を通じて外部電力の供給を受けて双方向無線通信可能に動作するビーコンモジュールを設けてなるものとしたことを特徴とするビーコン内蔵照明用LEDランプ。
【請求項3】
ビーコンモジュールが、少なくともその一部を、ランプ本体の口金部に近接する位置か、または、口金部内の何れか一方に配し、LEDユニットの照明光拡散方向の範囲外に配するよう傾斜するよう、照明カバー部に対して適宜角度傾斜した姿勢としてなるものとした請求項1および2の何れか一方記載のビーコン内蔵照明用LEDランプ。
【請求項4】
ビーコンモジュールの外周囲に対応する口金部の一部または全部、および、ランプ本体の何れか適所に、該ビーコンモジュールを固定する固定部品の少なくとも一方が、同ビーコンモジュールの双方向無線通信を妨げない、合成樹脂製のものとしてなる請求項1ないし3何れか一項記載のビーコン内蔵照明用LEDランプ。
【請求項5】
ビーコンモジュールが、位置情報、ビーコンID情報を発信すると共に、信号電波の強度、アドバタイジングデータおよび信号送信間隔の情報を書き換え操作する双方向無線通信を可能なものとしてなる請求項1ないし4何れか一項記載のビーコン内蔵照明用LEDランプ。
【請求項6】
ビーコンモジュールが、外部電力の供給によって位置情報、ビーコンID情報を発信すると共に、双方向無線通信によるブロードキャスト(broadcast)およびマルチキャスト(multicast)の少なくとも何れか一方が可能なものとした上、該双方向無線通信を利用して、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合にのみ、ユニキャスト(unicast)にて各種データを書き換え可能とするよう制御可能とする自動制御部を有するものとした、請求項1ないし5何れか一項記載のビーコン内蔵照明用LEDランプ。
【請求項7】
ビーコンモジュールが、外部電力の供給によって位置情報、ビーコンID情報を発信すると共に、双方向無線通信によるブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方が可能な基本モードで起動するものとした上、双方向無線通信を利用して、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合にのみ、ユニキャスト(unicast)にて各種データを書き換え可能とするデータ書換モードに切り換え、アクセスIDの認証を経たアクセスが終了すると、自動的にブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方が可能な基本モードに復帰するよう制御する自動制御部を有するものとした、請求項1ないし6何れか一項記載のビーコン内蔵照明用LEDランプ。
【請求項8】
ビーコンモジュールが、BLE(Bluetooth Low Energy:Bluetoothは登録商標。)により、位置情報、ビーコンID情報を発信すると共に、双方向無線通信によるブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方が可能な基本モードで起動するものとした上、双方向無線通信を利用して、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合にのみ、ユニキャスト(unicast)にて各種データを書き換え可能とするデータ書換モードに切り換え、アクセスIDの認証を経たアクセスが終了すると、自動的にブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方が可能な基本モードに復帰するよう制御する自動制御部を有するものとした、請求項1ないし7何れか一項記載のビーコン内蔵照明用LEDランプ。
【請求項9】
ビーコンモジュールが、双方向無線通信を利用してデータ書換モードを起動中に点滅、点灯および消灯の何れか1つの表示動作をする、目視確認用のインジケーター部を、ランプ本体内外の何れか適所に外部露出状に設けてなるものとした請求項1ないし8何れか一項記載のビーコン内蔵照明用LEDランプ。
【請求項10】
請求項1ないし9何れか一項記載のビーコン内蔵照明用LEDランプを、従来形のソケット部を有する設置済みの照明灯器具に対し、交換接続可能に組み込み、外部電力を受け動作状態とし、該LEDランプ搭載のビーコンモジュールが、ビーコンエリアを設定するものとした上、遠隔適所に無線通信可能な情報提供用コンピューターを設置し、当該ビーコンモジュールと双方向無線通信可能、且つ、該情報提供用コンピューターと無線接続可能な携帯型端末の組合せからなるものとしたビーコン内蔵照明用ビーコンシステム。
【請求項11】
請求項1ないし9何れか一項記載のビーコン内蔵照明用LEDランプの複数個を、従来形のソケット部を有する設置済みの複数個の照明灯器具に対し、夫々交換接続可能に組み込み、外部電力を受け動作状態とし、各ビーコン内蔵照明用LEDランプ搭載のビーコンモジュールが、夫々のビーコンエリアを設定するものとした上、遠隔適所に無線通信可能な情報提供用コンピューターを設置し、当該ビーコンモジュールと双方向無線通信可能、且つ、該情報提供用コンピューターと無線接続可能な携帯型端末の組合せからなるものとしたビーコンシステム。
【請求項12】
携帯型端末が、iOSおよびAndroidの少なくとも何れか一方、望ましくは双方のオペレーティングシステム、およびそのアプリケーションソフトウェアによる制御を受けて動作するものとしてなる、請求項10または11何れか一方記載のビーコンシステム。
【請求項13】
ビーコンモジュールが、外部電力の供給によって双方向無線通信可能な基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)で起動し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信し、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合に、各種データを書き換え可能とするデータ書換モード(ユニキャスト)に切り換え、データ書換ソフトを起動し、各種データの書き換え可能とし、アクセスIDの認証を経たアクセスが終了すると、自動的に基本モードブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)に復帰し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信するよう制御するものとした、請求項1ないし9何れか一項記載のビーコン内蔵照明用LEDランプ、および、請求項10ないし12何れか一項記載のビーコンシステムのビーコン制御方法。
【請求項14】
ビーコンモジュールが、外部電力の供給によってBLE(Bluetooth Low Energy:Bluetoothは登録商標。)による双方向無線通信可能な基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)で起動し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信し、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合に、各種データを書き換え可能とするデータ書換モード(ユニキャスト)に切り換え、データ書換ソフトを起動し、各種データの書き換え可能とし、アクセスIDの認証を経たアクセスが終了すると、自動的に基本モードブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)に復帰し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信するよう制御するものとした、請求項1ないし9何れか一項記載のビーコン内蔵照明用LEDランプ、および、請求項10ないし12何れか一項記載のビーコンシステムのビーコン制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ソケット装着用口金を有し、既存の蛍光灯や白熱電球などの何れかに交換可能としたLED照明技術に関連するものであり、特に、通信用モジュールを組み込んでなる照明用LEDランプ、当該通信用モジュールを利用したビーコンシステム、同ビーコンシステムを用いる無線通信技術、および、携帯型端末、インターネットやコンピューター、それらを制御する各種ソフトウェア、記録媒体などを製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
従来形の白熱電球や蛍光灯は、LEDランプと比較して消費電力が大きく、CO2の年間排出量が多く、ガラス製で、落下や他物との接触などによって容易に損傷や破損する虞があり、耐久寿命が短いという欠点があるが、近年では、こうした課題を克服するため、各種白熱電球や蛍光灯に置き換え可能なLEDランプの開発が進み、既に広く実用化されており、点灯中の発熱量の低減や、消費電力の削減効果などを達成している。
【0003】
また、建築物に設置するタイプの従来型ビーコンモジュールは、機器価格が高価な上、電源工事の必要があり、電源工事を不要とするため電池式としたものは、電池寿命の管理および定期的交換作業が必須となり、また、こうした管理工数を削減しようと太陽電池式としたものは、太陽光やその他の光源が必須となり、屋内への設置が難しくなり、装置価格の高騰化を招くなどの課題が残るものであり、さらに、従来型ビーコンモジュールを用いたビーコンシステムは、一般的なスマートフォン(登録商標)などの携帯型端末に、ビーコン信号用の受信機能が搭載されていないため専用の端末を必要とし、多様且つ広範な利用の妨げとなっていた。
【0004】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、照明設備に近接して設置された無線基地局と、移動端末との間で、一方向通信もしくは時分割で双方向通信を行うことによって、移動端末、RFIDタグ、もしくはこれらの両方の2次元もしくは3次元の位置を高精度で測位できる無線測位システムおよび無線測位装置を安価に実現可能としてなるものや、同特許文献1(2)に見られるような、情報通信システムに関する技術において、固定ユニットと可搬ユニットとの間で、LEDの可視光による双方向通信を行うことにより、巡回および点検の記録や指示に関する業務の効率化およびセキュリティー改善を図るようにしたものなどが散見される。
【0005】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような無線測位システムおよび無線測位装置などは、照明設備に近接した位置に、無線基地局、および、同無線基地局の電力供給用伝送ケーブルの設置工事、さらに、照明用配電盤設備を通じたアクセスポイントから通信回線への回線工事などが不可欠となり、電機工事および通信回線工事など設置に多大な工費および工期を要するものとなり、しかもメンテナンスや配置替え、撤去にも専門業者による工事を要するものとなり、短期間毎に展示を変える見本市や、短期間のイベントなどに利用するのには経済的に不利であるという欠点があり、特許文献1(2)の情報通信システムおよび方法などは、固定ユニットと可搬ユニットとの間で、LEDの可視光による双方向通信を行い、該固定ユニットが、通信ネットワーク経由でセンタ装置と通信することにより、可搬ユニットの位置を記憶可能とするものとしているが、可視光による双方向通信は、現在広く普及している携帯型端末を利用するのが非常に困難なため、専用の可搬ユニットを使用しなければならず、しかも通信中に固定ユニットの通信用LEDランプの可視光線が、可搬ユニットの受光センサ部に照射されなければならず、可搬ユニットを収納ケース類や衣服のポケットなどに収納した場合でも支障無く通信可能な無線LAN(Local Area Network)や、Bluetooth(登録商標。以下、同様)などによる電波利用の無線通信のような利便性を有するものとはならないという欠点があった。
【特許文献1】(1)特開2012−251959号公報 (2)特開2009−182382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種ビーコンモジュールを伴って設置するLEDランプ、およびそれを利用した双方向通信技術などは、何れもLEDランプとは別体のビーコンモジュールを個別に設置し、ビーコンモジュールへの電力供給源を、電源用ケーブルや乾電池、太陽電池などに頼るものとしなければならず、設置工事やメンテナンスに多大な経費を要する上、短期間の中に、設置および撤去を行わなければならない場合には、経済的に不利であるという欠点を有するものであり、可視光を利用した双方向通信は、現在、広く利用されているスマートフォンなどの携帯型端末を利用するのが難しく、永年、様々な顧客に対し、柔軟に対応して、より品質に秀れた照明装置の開発、提供に携わる中、それらから得られた様々な知見、および様々な新技術、市場およびユーザーから得られた情報などに基づき、従来型の白熱電球や蛍光灯などの照明機器類に対して、白熱電球や蛍光灯と置き換えてLEDランプを交換設置可能とする上、ビーコンモジュールを、従前よりも簡便に設置可能なものとし、さらに、ビーコンモジュールに長期的に安定して電力供給可能とする新技術について更なる改善の可能性を痛感するに至ったものである。
【0007】
(発明の目的)
そこで、この発明は、既存の白熱電球や蛍光灯と簡単に交換、利用可能であり、従来品よりもランプ寿命を大幅に延命化し、電力消費量およびCO2排出を大幅削減する上、ビーコン機能を備え、ビーコンモジュールへの電力供給の課題を克服することができ、しかも設置、メンテナンスおよび撤去の工数を大幅削減できる新たなLEDランプおよびビーコンシステム技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のビーコン内蔵照明用LEDランプ、それを用いた新規な構造のビーコンシステム、および、それらの為の新規な構成のビーコン制御方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のビーコン内蔵照明用LEDランプは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、直管蛍光灯形の外郭形状に設定し、周回りの一側壁に硬質素材製筐体ヒートシンク部、それとは反対がわの周回りの他側周壁に照明カバー部を設け、両端に従来形のソケット部に組み込み可能な口金部を設け、各口金部の中何れか一方のみに外部電力供給回路を設けた片側給電タイプとした直管形ランプ本体を設け、該直管形ランプ本体内の適所に、該一方の口金部外部電力供給回路を通じて外部電力の供給を受け、発光するLEDユニット、および、同一方の口金部外部電力供給回路を通じて外部電力の供給を受けて双方向無線通信可能に動作するビーコンモジュールを設け
、前記外部電力供給回路を設けた一方の口金部、および、その近傍適所外壁の少なくとも何れか一方に、電力接続用の口金部であることを表示する注意表示部を設けてなるものとした構成かなるビーコン内蔵照明用LEDランプということができる。
【0009】
これを換言すると、直管蛍光灯形の外郭形状に設定し、周回りの一側壁に硬質素材製筐体ヒートシンク部、それとは反対がわの周回りの他側周壁に照明カバー部を設け、両端に従来形のソケット部に組み込み可能な口金部を設け、各口金部に夫々外部電力供給回路を設けた両側給電タイプとし直管形ランプ本体を設け、該直管形ランプ本体内の適所に、各口金部外部電力供給回路の少なくとも何れか一方を通じて外部電力の供給を受け、発光するLEDユニット、および、同各口金部外部電力供給回路の少なくとも何れか他方を通じて外部電力の供給を受けて双方向無線通信可能に動作するビーコンモジュールを設けてなるものとした構成かなるビーコン内蔵照明用LEDランプとなる。
【0010】
(関連する発明1)
上記したビーコン内蔵照明用LEDランプに関連し、この発明は、それを利用したビーコンシステムも包含している。
即ち、この発明の基本をなす前記ビーコン内蔵照明用LEDランプを、従来形のソケット部を有する設置済みの照明灯器具に対し、交換接続可能に組み込み、外部電力を受け動作状態とし、該ビーコン内蔵照明用LEDランプ搭載のビーコンモジュールが、ビーコンエリアを設定するものとした上、遠隔適所に無線通信可能な情報提供用コンピューターを設置し、当該ビーコンモジュールと無線通信可能、且つ、該情報提供用コンピューターと無線接続可能な携帯型端末の組合せからなるものとしたビーコンシステムである。
【0011】
このビーコンシステムを、より具体的なものとして示すと、この発明の基本をなす前記ビーコン内蔵照明用LEDランプの複数個を、従来形のソケット部を有する設置済みの複数個の照明灯器具に対し、夫々交換接続可能に組み込み、外部電力を受け動作状態とし、各ビーコン内蔵照明用LEDランプ搭載のビーコンモジュールが、夫々のビーコンエリアを設定するものとした上、遠隔適所に無線通信可能な情報提供用コンピューターを設置し、当該ビーコンモジュールと無線通信可能、且つ、該情報提供用コンピューターと無線接続可能な携帯型端末の組合せからなるものとしたビーコンシステムとなる。
【0012】
(関連する発明2)
上記したビーコン内蔵照明用LEDランプおよびビーコンシステムに関連し、この発明には、それらのためのビーコン制御方法も包含される。
即ち、ビーコンモジュールが、外部電力の供給によって双方向無線通信可能な基本モード(ブロードキャスト:broadcastおよびマルチキャスト:multicastの少なくとも何れか一方)で起動し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信し、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合に、各種データを書き換え可能とするデータ書換モード(ユニキャスト:unicast)に切り換え、データ書換ソフトを起動し、各種データの書き換え可能とし、アクセスIDの認証を経たアクセスが終了すると、自動的に基本モードブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)に復帰し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信するよう制御するものとした、この発明の基本をなすビーコン内蔵照明用LEDランプ、およびこの発明のビーコンシステムのビーコン制御方法である。
【0013】
このビーコン制御方法を、より具体的なものとして示すと、ビーコンモジュールが、外部電力の供給によってBLE(Bluetooth Low Energy)による双方向無線通信可能な基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)で起動し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信し、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合に、各種データを書き換え可能とするデータ書換モード(ユニキャスト)に切り換え、データ書換ソフトを起動し、各種データの書き換え可能とし、アクセスIDの認証を経たアクセスが終了すると、自動的に基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)に復帰し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信するよう制御するものとした、この発明の基本をなすビーコン内蔵照明用LEDランプ、およびこの発明のビーコンシステムのビーコン制御方法となる。
【発明の効果】
【0014】
以上のとおり、この発明のビーコン内蔵照明用LEDランプによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、既存の白熱電球や蛍光灯と簡単に交換、利用可能となり、従来品よりもランプ寿命を大幅に延命化し、電力消費量およびCO2排出を大幅削減する上、ビーコン機能を一体的に組み込むことにより、ビーコンモジュールへの電力供給の課題を克服することができ、電池残量管理や電池交換作業を一切不要とし、しかも設置、メンテナンスおよび撤去の工数を大幅削減でき、誰でも蛍光灯や電球の交換と同じ要領で既存の照明設備に交換設置することができ、しかも携帯型端末を用いた双方向無線通信によって簡単・迅速に各種制御設定およびデータ管理することができる新たなビーコン内蔵照明用LEDランプおよびビーコンシステム技術を提供可能とするものになるという秀れた特徴が得られるものである。
【0015】
直管蛍光灯形の外郭形状に設定し、周回りの一側壁に硬質素材製筐体ヒートシンク部、それとは反対がわの周回りの他側周壁に照明カバー部を設け、両端に従来形のソケット部に組み込み可能な口金部を設けた直管形ランプ本体としたものは、筐体ヒートシンク部が、両端口金部間の強度部品と成り、照明カバー部にガラスなどの重量の嵩む硬質素材を使用せずに、合成樹脂などの軽量な軟質素材を使用した場合であっても、ランプ本体の撓みが少なく、格段に軽量なビーコン内蔵照明用LEDランプとして提供することができるものになるという効果が得られる。
【0016】
片側給電タイプの直管形ランプ本体を有するものは、外部電力供給回路を一方の口金部のみに設けたものとするから、構造を簡素化し、部品点数および製造工数を削減し、生産効率を大幅に改善し、一段と商品の信頼性を高め、低コスト化することができるものとなり、外部電力供給回路を設けた一方の口金部、および、その近傍適所外壁の少なくとも何れか一方に、電力接続用の口金部であることを表示する注意表示部を設けることにより、交換装着時に、利用者がこれを目視確認し、従来型の蛍光灯器具の給電がわとなるソケット部に、誤りなく組み込むよう誘導することが可能となり、より簡単・確実な装着および利用を実現化するものとなる。
【0017】
両側給電タイプの直管形ランプ本体を有するものは、より長尺なランプ本体に適した構造であり、両端口金部双方の外部電力供給回路より、効率的に電力を供給することができるから、給電効率を改善し、両端口金部の発熱量を低減し、LEDユニットおよびビーコンモジュールをより安全且つ効率的に動作させることができるものになるという秀れた効果を奏する。
【0018】
ビーコンモジュールが、位置情報、ビーコンID情報を発信すると共に、双方向無線通信可能なビーコン内蔵照明用LEDランプとすることにより、アドバタイジングデータをブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方により通信可能とする外、設置者が、ユニキャストにより、ビーコンモジュールに記憶しているビーコンID情報の初期設定や変更、制御プログラムの書き換えなど、様々な操作を無線通信によって実現可能とすることができ、より具体的には、設置者が、携帯型端末などを用いた双方向無線通信(ユニキャスト)によって信号電波の強度、アドバタイジングデータ、信号送信間隔などのビーコンID情報を書き換え操作できるものとすることが可能となり、しかも、外部電力の供給によって位置情報、ビーコンID情報を発信すると共に、双方向無線通信によるブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方が可能なものとした上、該双方向無線通信を利用して、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合にのみ、ユニキャスト(unicast)にて各種データを書き換え可能とするよう制御可能とする自動制御部を有するものとし、さらにまた、双方向無線通信を利用して、予め個別に設定したアクセスID(Identification)の認証を経たアクセスを受けた場合に、各種データを書き換え可能とするデータ書換モード(ユニキャスト)に切り換え、アクセスID(Identification)の認証を経たアクセスが終了すると、自動的に基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)に復帰するよう制御する自動制御部を有するものとすれば、より安全性に秀れたデータ管理を実現化することができる。
【0019】
さらに、ビーコンモジュールが、BLE(Bluetooth Low Energy)により、位置情報、ビーコンID情報を発信すると共に、双方向無線通信可能な基本モードで起動するものとした上、双方向無線通信を利用して、予め個別に設定したアクセスID(Identification)の認証を経たアクセスを受けた場合に、各種データを書き換え可能とするデータ書換モード(ユニキャスト)に切り換え、アクセスID(Identification)の認証を経たアクセスが終了すると、自動的に基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)に復帰するよう制御する自動制御部を有するものとすることにより、通信に要する電力消費量を大幅に削減し、維持経費を一段と低減し、一般的な携帯型端末に搭載されたBLE(Bluetooth Low Energy)により、ビーコンID情報を変更可能としたから、専用の通信機器を準備せずとも、既存の携帯型端末を(専用アプリケーションソフトをインストールするなどして)用いて各種データ設定および変更、維持・管理可能となり、セキュリティー性能に秀れ、設置主にとって格段に低コストにて導入・設置・利用することができるものとなる。
【0020】
そして、ビーコンモジュールが、双方向無線通信を利用してデータ書換モードを起動中に点滅、点灯および消灯の何れか1つの動作をする、目視確認用のインジケーター部を外部露出状に設けてなるビーコン内蔵照明用LEDランプとすることにより、複数設置してあるビーコン内蔵照明用LEDランプの中、何れのビーコン内蔵照明用LEDランプの情報を書き換え中かを目視確認しながらメンテナンス操作することができる上、管理者以外の部外者が不正にアクセスし、記憶情報を書き換えている状態も目視で知ることができる、警報装置としての役割を果たすものとなる。
【0021】
また、ビーコンモジュールが、少なくともその一部を、ランプ本体の口金部に近接する位置か、または口金部内かの何れか一方に配し、LEDユニットの照明光拡散方向の範囲外に配するよう傾斜させるために、照明カバー部に対して適宜角度傾斜した姿勢とするようにしたものは、ランプ本体内からLEDユニットが照明カバー部を透過して照射する照明光を、該ビーコンモジュールが遮蔽し、効率的な照明の妨げとなってしまうのを、より確実に防止するものとなる。
【0022】
さらに、ビーコンモジュールの外周囲に対応する口金部の一部または全部、および、ランプ本体の何れか適所に、該ビーコンモジュールを固定する固定部品の少なくとも一方が、同ビーコンモジュールの双方向無線通信を妨げない合成樹脂製にしたものは、ビーコンモジュールの双方向無線通信をより安定化し、格段に信頼性に秀れたものとすることができる。
【0023】
この発明のビーコンシステムによれば、従来型の照明灯器具に、この発明のビーコン内蔵照明用LEDランプを組み込み、遠隔適所に無線通信可能な情報提供用コンピューターを設置するだけで、ビーコンエリア内に進入した携帯型端末にビーコン内蔵照明用LEDランプの位置情報を受信し、該情報提供用コンピューターに記憶した、該位置情報に紐付けされた各種情報を入手し、利用することができるものとなり、さらに、様々な顧客サービス、データ管理、分析およびデータ利用などを、格段に経済的且つ迅速に実現化できるという秀れた効果を奏するものとなる。
【0024】
加えて、この発明のビーコン内蔵照明用LEDランプの複数個を、夫々のビーコンエリアを設定するよう設置してなるビーコンシステムとした場合には、店舗に近づいた顧客(携帯型端末)への店舗案内や広告情報、電子ポイントや電子クーポン券の自動的送信などを可能とし、受信ビーコン信号の電波強度に基づき、各顧客(携帯型端末)の位置情報を検出したり、プッシュ通知情報に応じて店内ナビゲーションを各顧客(携帯型端末)宛に送信したり、また、顧客(携帯型端末)の入店から退出までのログ計測や、各展示品毎の近傍滞在時間のログ計測など、より精細なデータ収集、および店内の顧客の動向を視覚的に捉え易くするヒートマップや各種グラフなどのデータ処理など、設置主およびその顧客などの要望に応じた幅広い柔軟な利用を実現可能とし、より簡単且つ経済的に導入できるものとすることができる。
【0025】
さらに、携帯型端末が、iOSおよびAndroidの少なくとも何れか一方、望ましくは双方のオペレーティングシステム、およびそのアプリケーションソフトウェアによる制御を受けて動作するものとしたビーコンシステムとすることにより、現在普及している殆どの携帯型端末を本システムに簡単にアクセスできるものとすることができ、より汎用性に秀れ、利用価値の高い情報サービスを実現化できるものとなる。
【0026】
この発明のビーコン制御方法によると、アクセスIDの認証を経ているアクセスを受けた場合だけ、基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)からデータ書換モード(ユニキャスト)に切り換えるよう制御するようにしたから、外部からの不正なアクセスを確実に阻止し、格段に高い安全性をより経済的に確保することができるものとなり、さらに、BLE(Bluetooth Low Energy)による双方向無線通信を採用することにより、一段と低消費電力化を進め、一層経済性に秀れたビーコン内蔵照明用LEDランプ、およびビーコンシステムを実現化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることとする。
ランプ本体は、従来形のソケット部を有する照明灯器具に対し、従来型の白熱電球や蛍光灯などと置き換え交換・接続可能となり、適所にLEDユニットおよびビーコンモジュールを配設可能とする機能を担い、口金部、筐体ヒートシンク部および照明カバー部を有し、従来形の白熱電球形または各種蛍光灯形の何れか1つの外郭形状に設定してなるものとしなければならず、例えば、各種従来形白熱電球に置き換え可能な口金を有するものとし、各種の一般照明用電球形、シャンデリア電球形、ボール電球形、反射形電球形、レフ形ランプ形、ミラー付きハロゲン電球形などの各種電球形状のもの、表現を変えて示すと、一般白熱電球形、クラシック・アンテーク・レトロ電球形、クリプトン電球形、ミニクリプトン電球形、ミニ電球形、水雷球形、ナツメ球形、常夜灯形、ミシン球形、小丸電球形、パイロットランプ形、レルランプ形、ミニレフランプ形、ビーム電球形、装飾電球形、カラー電球形、特殊発熱電球形、ペット用・植物用電球形、キセノン電球形、クセノン電球形や、それら各種電球形状を変形したもの、それら各種電球形状を組み合わせたものなどとすることが可能である。
【0028】
そしてまた、各種従来形蛍光灯に置き換え可能な口金を有するものとし、各種の直管形蛍光ランプ形、丸形蛍光ランプ形、コンパクト蛍光ランプ形、スリム丸形蛍光ランプ形、ベース照明形、表現を変えると、直管形や環状、U字状、スパイラル状、それらの変形や組み合わせによる形状、それらの外郭形状内に収まる様々な形状など多様な形状・寸法のものとすることができ、さらに具体的には、例えば、後述する実施例にも示してあるように、直管蛍光灯形の外郭形状に設定した直管形ランプ本体の周回りの一側壁に筐体ヒートシンク部、それとは反対がわの周回りの他側周壁に照明カバー部を設け、両端に従来形のソケット部に組み込み可能な口金部を設けたものや、ランプ本体を白熱電球形の外郭形状に設定し、照明カバー部、ヒートシンク部および口金部を設けたものなどとすることができる。
【0029】
ランプ本体の口金部は、従来形照明灯器具のソケット部に、着脱自在に装着可能とし、白熱電球型のように1個の場合には外部電力をランプ本体内に供給可能とし、蛍光灯型のように2個以上の場合には、2個の中少なくとも何れか1個がランプ本体内に外部電力を供給可能とする機能を担うものであって、白熱電球形または各種蛍光灯形の何れか1つの口金外郭形状に設定したものとしなければならず、ランプ本体に設けた口金部の中、少なくとも何れか一個に外部電力供給回路を設けたものとすべきであり、直管蛍光灯形の外郭形状に設定した直管形ランプ本体の両口金部の中、何れか一方のみに外部電力供給回路を設け、片側給電タイプとするようにしたもの、および、外部電力供給回路を設けた一方の口金部、および、その近傍適所外壁の少なくとも何れか一方に、電力接続用の口金部であることを表示する注意表示部を設けるようにしたものとすることができる外、直管蛍光灯形の外郭形状に設定した直管形ランプ本体の両口金部に夫々外部電力供給回路を設け、両側給電タイプとしたものとすることができ、後述する実施例にも取り入れているとおり、近接位置や内がわにビーコンモジュールを配する場合には、一部適所または全体を双方向無線通信の妨げとならない合成樹脂製のものとするのが望ましいといえる。
【0030】
筐体ヒートシンク部は、LEDユニットおよびビーコンモジュールなどビーコン内蔵照明用LEDランプのランプ本体内に発生する熱を効率的に外部に放熱可能とする機能を担い、効率的に放熱可能な材質および形状のものとしなければならず、ランプ本体の形状を維持できるよう補強する硬質素材製のものとするのが望ましく、例えば、その一部または全部をアルミニウム合金製、銅合金製、ステンレス鋼製、セラミック製、またはそれらの組み合わせからなるものなどとすることができ、後述する実施例にも示してあるように、外がわに露出する周壁面に放熱用のフィンを設けたものとするのが望ましい。
【0031】
照明カバー部は、ランプ本体内のLEDユニットが発する光をランプ本体外に高効率に透過および照射可能とする機能を担うもので、白熱電球形または各種蛍光灯形の何れか1つの発光部外郭形状と略同等の外郭形状か、または、従来形のソケット部を有する照明灯器具に対し、交換接続可能な発光部外郭形状かの何れか一方のものとしなければならず、透明、半透明、半反射、磨りガラス状、ステンドガラス状、有色、無色、それらの組合せなどの何れかからなるものとすべきであり、より具体的には、ガラス製、ポリカーボネート製、アクリル製などとすることが可能であり、後述する実施例に示すように、白熱電球形または各種蛍光灯形の何れか1つの外郭形状に設定したランプ本体の口金部および背部がわの筐体ヒートシンク部の余となる範囲の外郭形状をなすものとすることができる。
【0032】
LEDユニットは、外部電力の供給を受けて発光し、照明カバー部を通じて外部を照明可能とする機能を担い、何れかのタイプのLED発光素子を少なくとも1個有するものとしなければならず、LED発光素子は、砲弾型、表面実装型(SMD:Surface Mount Device)、チップオンボード(Chip On Board)など、今後開発されるものを含め、様々なタイプのものを1または複数適宜配設したものとすることが可能であり、調光制御部、調光制御部の遠隔操作用無線通信部などを有するものとすることができる。
【0033】
ビーコンモジュールは、所定の位置情報信号を無線出力し、周囲にビーコンエリアを設定可能とする機能を担うもので、ビーコン内蔵照明用LEDランプのランプ本体内適所に設け、同ランプ本体口金部を通じて外部電力の供給を受けて双方向無線通信可能に動作し、デジタル信号による双方向無線通信可能なものとすべきであり、位置情報、ビーコンID情報を発信すると共に、双方向無線通信可能なものとしなければならず、さらに、後述する実施例にも取り入れているように、ビーコンモジュールは、少なくともその一部を、ランプ本体の口金部に近接する位置か、または、口金部内の何れか一方に配し、LEDユニットの照明光拡散方向の範囲外に配するよう傾斜するよう、照明カバー部に対して適宜角度傾斜した姿勢としてなるものや、同ビーコンモジュールの外周囲に対応する口金部の一部または全部、および、ランプ本体の何れか適所に、同ビーコンモジュールを固定する固定部品の少なくとも一方が、同ビーコンモジュールの双方向無線通信を妨げない、合成樹脂製のものとしてなるものなどとするのが望ましい。
【0034】
さらに、ビーコンモジュールは、個別のビーコンID情報を設定可能、且つ、双方向無線通信(ユニキャスト)を利用した遠隔操作により、信号電波の強度、アドバタイジングデータ、信号送信間隔などのビーコンID情報を書き換え操作可能なものとするのが良く、より具体的には、外部電力の供給によって位置情報、ビーコンID情報を発信すると共に、双方向無線通信によるブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方が可能なものとした上、該双方向無線通信を利用して、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合にのみ、ユニキャストにて各種データを書き換え可能とするよう制御可能とする自動制御部を有するものとすることができる。
【0035】
また、ビーコンモジュールは、後述する実施例でも採用しているように、近距離通信規格BLE(Bluetooth Low Energy)により、位置情報、ビーコンID情報を発信すると共に、双方向無線通信可能な基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)で起動するものとした上、該双方向無線通信を利用して、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合に、各種データを書き換え可能とするデータ書換モード(ユニキャスト)に切り換え、アクセスIDの認証を経たアクセスが終了すると、自動的に基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)に復帰するよう制御する自動制御部を有するものとすることができ、さらにまた、双方向無線通信を利用してデータ書換モード(ユニキャスト)を起動中に点滅、点灯および消灯の何れか1つの表示動作をする、目視確認用のインジケーター部を、ランプ本体内外の何れか適所に外部露出状(LEDランプの内外配置を問わず、外部から目視確認できるよう)に設けてなるものとすることができる。
【0036】
ビーコンモジュールの自動制御部は、ビーコンモジュールの各部を統合的に制御可能とし、各種モードによる双方向通信を可能とする機能を担うものであって、ICチップ、マイクロコンピュータ、各種制御回路、各種リレー回路など様々なハードウェアからなるものとすることができ、適宜ソフトウェアを搭載するものとすることができ、通信用アンテナ、受信器、増幅器、インジケーター、スピーカー、有線通信用接続部など様々な部品を組み込んだものとすることが可能である。
【0037】
外部電力は、外部より照明灯器具に電力を供給し、ビーコン内蔵照明用LEDランプを発光可能とすると共に、ビーコンモジュールを動作可能とする機能を担い、該照明灯器具の設置箇所や建築物の電力供給源からの電力ということが可能であり、より具体的には、例えば、商用電源、各種の自家発電電源、外部発電機、外部バッテリーなどから供給される電力ということができる。
【0038】
ランプ本体口金部の外部電力供給回路は、ビーコン内蔵照明用LEDランプ装着の対象となる照明灯器具の従来形ソケット部に、口金部を機械的に組み合わせるだけで、外部電力をビーコン内蔵照明用LEDランプ内に供給可能とする機能を担っていて、従来型の口金部と基本的に同じ形状ものとすることが可能であり、より電機抵抗の低いものとするのが望ましい。
【0039】
注意表示部は、両口金部の中、何れか一方のみに外部電力供給回路を設けた片側給電タイプの、直管形ランプ本体を、両ソケット部の中、一方のみに外部電力を供給してなる照明灯器具に組み込む場合、外部電力供給回路を持たないがわの口金部を、外部電力に接続していないがわのソケット部に誤って接続し、電力供給されない状態に組み込まれてしまうのを防止する機能を担い、外部電力供給回路を設けたがわの口金部、および、その近傍適所外壁の少なくとも何れか一方に、電力接続用の口金部であることを表示するものとしなければならず、より具体的には、例えば、印刷表示、シール貼着、刻印、塗装表示、メッキ表示、立体部品の装着など様々なものとすることが可能であり、換言すれば記号表示、色表示、2次元・3次元の形状表示、ホログラム表示、略図表示、電気回路図表示、文章による表示、それらの組み合わせなど、様々な表現によるものとすることができる。
【0040】
インジケーター部は、照明用となるLEDユニットとは別に、通信中か否かを点灯、点滅、消灯などの様々な動作によって目視確認可能な視覚的変化を発生する機能を担っており、例えば、消費電力の少ない小型の確認用ランプや、小型の液晶ディスプレーなどとすることができ、後述する実施例にも採用するように、特定の遠隔操作により、ビーコンモジュールの双方向無線通信を利用し、ビーコンID情報の書き換えなどの重要動作を実行した場合、データ書換モードに(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方からユニキャストに)切り換えた場合などに、その実行中にわたって常時点灯、常時消灯の何れかにおける点滅、常時消灯における点灯、および、常時点灯または常時点滅における消灯の中、何れか1つの動作をするものとするのが望ましい。
【0041】
ビーコンシステムは、1個または複数個のビーコンモジュール内蔵のビーコン内蔵照明用LEDランプを設置し、効率的な照明を可能とすると共に、設置した各ビーコン内蔵照明用LEDランプの位置情報を利用可能とする機能を担い、この発明のビーコン内蔵照明用LEDランプを照明灯器具に組み込み、遠隔適所に無線通信可能に設置した情報提供用コンピューター、および、当該ビーコン内蔵照明用LEDランプビーコンモジュールと無線通信可能、且つ、該情報提供用コンピューターと無線接続可能な携帯型端末の組み合わせからなるものとしなければならず、後述する実施例にも示すように、iOSおよびAndroidの少なくとも何れか一方、望ましくは双方のオペレーティングシステム、およびそのアプリケーションソフトウェアによる制御を受けて動作する携帯型端末を用い、各ビーコン内蔵照明用LEDランプに個別に設定してあるビーコン信号を受信(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方またはマルチキャスト)し、そのビーコンID情報に基づき、情報提供用コンピューターに無線接続し、予め紐付けされた情報やデータを情報提供用コンピューターから受信するよう制御するものとすることができる外、特定のビーコン内蔵照明用LEDランプビーコンモジュールのビーコンエリアに進入した携帯型端末(来場者など)に、自動的に様々な情報や電子ポイント、電子クーポン券などを送信(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方またはマルチキャスト)したり、複数の携帯型端末(来場者など)の夫々の時刻情報を伴う位置情報を様々な形で活用したりするよう制御するものなどとすることが可能である。
【0042】
情報提供用コンピューターは、1個または複数個の携帯型端末との間で双方向無線通信し、情報の送受信やプログラムの実行を行う機能を担っており、各ビーコン内蔵照明用LEDランプビーコンモジュールのビーコンID情報に紐付けされた情報や制御プログラムを記憶し、携帯型端末からの無線通信によるビーコンID情報を受信し、そのビーコンID情報に該当する情報を送信し、または、所定のプログラムを実行可能とする機能を担うもので、携帯型端末との間で無線通信可能なものとしなければならず、当該ビーコンシステムの管理者が、携帯型端末から認証確認入力を行い、各ビーコンモジュールのビーコンID情報、および各ビーコンモジュールのビーコンID情報に紐付けされた情報やプログラムなどを書き換えたり、ビーコンID情報自体を書き換えたりすることができるものとすることが可能であり、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth、BLE(Bluetooth Low Energy)による無線通信が可能なものとするのが望ましく、必要に応じてインターネットなどのコンピュータネットワークに接続したものとすることができる。
【0043】
携帯型端末は、利用者が持ち運び可能であり、ビーコン内蔵照明用LEDランプビーコンモジュールのビーコンエリア内に移動すると、位置情報を受信可能とし、さらに、情報提供用コンピューターと無線通信し、位置情報を送信したり、位置情報に基づく紐付け情報を受信したりする機能を担っていて、スマートフォンやタブレットPC(personal computer)、ノートPC、ラップトップPC、PDA(personal Digital Assistant, personal Data Assistance)などとすることが出来る外、同等の機能を発揮可能な携帯型の端末であれば利用可能であり、iOS、Android、その他のOS(Operating System)、および、各種アプリケーションソフトウェア(Application software)などを利用可能なものとするのが望ましい。
【0044】
ビーコン制御方法は、外部からの不正アクセスを確実に防止し、設置者および管理者のみが、ビーコンモジュールのデータを書き換え可能とする機能を担い、外部電力の供給によって双方向無線通信可能な基本モード(ブロードキャスト、マルチキャストなど)で起動し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報やビーコンID情報などを発信し、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合に、各種データを書き換え可能とするデータ書換モード(ユニキャスト)に切り換え、データ書換ソフトを起動し、各種データの書き換え可能とし、アクセスIDの認証を経たアクセスが終了すると、自動的に基本モード(ブロードキャスト、マルチキャストなど)に復帰し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報やビーコンID情報などを発信するよう制御するものとするのとしなければならず、後述する実施例にも示すように、BLE(Bluetooth Low Energy)による双方向無線通信を用いるものとすることができ、さらに、ビーコンモジュールに目視確認用のインジケーター部を設け、データ書換モード(ユニキャスト)を起動中に、該インジケーター部を点滅、点灯および消灯の何れか1つの表示動作をするよう制御するものとすることができる。
【0045】
また、ビーコン制御方法は、外部電力の供給によって双方向無線通信可能な基本モード(ブロードキャスト、マルチキャストなど)で起動し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報やビーコンID情報などを発信し、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合に、1度のみ各種データを書き換え可能とするデータ書換モード(ユニキャスト)に切り換え、データ書換ソフトを起動し、各種データの書き換えを可能とし、該1度目のアクセスIDの認証を経たアクセスが終了すると、それ以降はアクセスIDの認証を経たアクセスを一切拒否し、2度とデータの書き換えを出来なくしてから、自動的に基本モード(ブロードキャスト、マルチキャストなど)に復帰し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信するよう制御するものとすることができる外、ハードおよびソフトを含め、これと同等の制御が可能なものとすることができ、例えば、基本ソフトの中に、(モードの切換を要さずに、)データ書換ソフトが、1度のみ起動可能とするよう組み込まれてなるものとすることが可能であり、さらにまた、BLE(Bluetooth Low Energy)による双方向無線通信可能なものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図面は、この発明のビーコン内蔵照明用LEDランプ、および、それを用いたビーコンシステムの技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【
図1】片側給電タイプのビーコン内蔵照明用LEDランプを示す正面図である。
【
図2】両側給電タイプのビーコン内蔵照明用LEDランプを示す正面図である。
【
図5】ビーコン内蔵照明用LEDランプ端部がわを示す正面図である。
【
図7】ビーコンモジュールを傾斜内蔵した口金部を断面化して示す側面図である。
【
図8】ビーコンモジュールを傾斜内蔵した口金部を断面化して示す斜視図である。
【
図9】白熱電球型のビーコン内蔵照明用LEDランプ示す正面図である。
【
図10】ビーコンモジュールの制御を示すフローチャートである。
【
図11】ビーコンシステムを展示会場に利用した例を示す平面図である。
【
図12】ビーコンシステムが収集したデータを利用した例を示すヒートマップである。
【実施例1】
【0047】
図1、
図3ないし
図5に示す事例は、直管形ランプ本体3の両端に設けた従来形口金部30,30の少なくとも何れか一方が外部電力供給回路6を有し、該ランプ本体3内適所に、該口金部30外部電力供給回路6を通じて外部電力の供給を受け、発光するLEDユニット4、および、同外部電力の供給を受けて双方向無線通信可能に動作するビーコンモジュール5を設けてなるものとした、この発明のビーコン内蔵照明用LEDランプにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0048】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明のビーコン内蔵照明用LEDランプ2は、40形タイプ(管長1198mm/G13口金)直管蛍光灯形の外郭形状に設定した直管形ランプ本体3の周回りの設置の際天井(上方:照明方向とは反対がわ)向きとなる一側壁に、アルミニウム合金製であって外周壁に放熱用の複数の溝を刻設した筐体ヒートシンク部31、それとは反対がわの設置の際床(下方:照明方向)向きとなる周回りの他側周壁に、乳白色磨りガラス状の仕上げとしたポリカーボネート製照明カバー部32を設け、両端に従来形(G13形ソケット)のソケット部90,90に組み込み可能な、PBT(polybutylene terephthalate)製の口金部30,30を設け、各口金部30,30の中何れか一方のみに外部電力供給回路6を設けた片側給電タイプとし、当該直管形ランプ本体3内の適所に、該一方の口金部30外部電力供給回路6を通じて商用電源92より外部電力(AC100/200V)の供給を受け、発光するLEDユニット4、および、同一方の口金部30外部電力供給回路6を通じて外部電力の供給を受けて動作するビーコンモジュール5を設け、さらに、
図1に示すように、外部電力供給回路6を設けた一方の口金部30の近傍適所外壁に、電力接続用の口金部30であることを表示する注意表示部7を、照明の障害とならない透明または半透明な貼着シールの貼り付けによる表示、直接的印刷表示、または刻印表示などの何れかによって設けたものとしてある。
【0049】
各口金部30,30および照明カバー部32は、燃性グレードUL94V−O(SNE標準仕様はV−2)とし、
図3および
図4に示すように、ランプ本体3内の筐体ヒートシンク部31がわにLEDユニット4を搭載したLED基板40を装着し、該LED基板40の照明カバー部32がわに面する適所に、コネクタ50を介してビーコンモジュール5を搭載したものとしてある。
【0050】
図1に示すように、ビーコンモジュール5は、BLE(Bluetooth Low Energy)により、位置情報、ビーコンID情報を発信すると共に、双方向無線通信(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)を可能なものとした上、個別の信号電波の強度、アドバタイジングデータ、信号送信間隔などの情報を設定可能、且つ、双方向無線通信(ユニキャスト)を利用した特定の遠隔操作により、それら信号電波の強度、アドバタイジングデータ、信号送信間隔などの情報を変更可能とするよう制御する自動制御部を(ビーコンモジュール5基板上)適所に設け、双方向無線通信を利用した特定の遠隔操作(ユニキャスト)により、それら信号電波の強度、アドバタイジングデータ、信号送信間隔などの情報の書き換えなどの重要動作を実行中に点滅する、目視確認用の小型・砲弾形LED製のインジケーター部8を外部露出状とするよう適所に設けてなるものとしてあり、該インジケーター部8は、口金部30肉厚部分を貫通した除き窓に対応させて設けたものとすることができる外、ビーコンモジュール5の基板部分に実装し、照明カバー部32内がわから透過してインジケーター部8の発光を視認可能としたものなどとすることができる。
【0051】
同
図1に示すように、40形タイプのビーコン内蔵照明用LEDランプ2は、蛍光灯器具(照明灯器具)9の一対のソケット部90,90の中、何れか一方のソケット部90からのみ商用電源92からの電力供給(AC100/200V)を受けるものとなり、外部電力供給回路6を持たない他方の口金部30は、機械的に該ビーコン内蔵照明用LEDランプ2の端部を他方のソケット部90に機械的に着脱自在に連結する形状とし、外部電力供給回路6を持たない他方の口金部30に、ソケット部90から外部電力の供給を受けた場合にも、電気絶縁するものとしてある。
【0052】
図2に示すビーコン内蔵照明用LEDランプ2は、110形タイプ(管長2367mm/R17d形口金)直管蛍光灯形の外郭形状に設定した直管形ランプ本体3とし、
図1のビーコン内蔵照明用LEDランプ2と同様に、アルミニウム合金製の筐体ヒートシンク部31、および、ポリカーボネート製照明カバー部32を設け、両端に従来形(R17d形ソケット)のソケット部90に組み込み可能な口金部30,30を設け、各口金部30,30に夫々外部電力供給回路6,6を設けた両側給電タイプとし、当該直管形ランプ本体3内の適所に、各口金部30,30外部電力供給回路6,6の少なくとも何れか一方を通じて外部電力の供給を受け、発光するLEDユニット4、および、同各口金部30、30外部電力供給回路6,6の少なくとも何れか一方を通じて外部電力の供給を受けて動作するビーコンモジュール5を設けてなるものである。
【0053】
同
図2に示してあるように、両側給電タイプのビーコン内蔵照明用LEDランプ2は、蛍光灯器具9の一対のソケット部90,90双方より、両口金部30,30の各外部電力供給回路6,6を通じて商用電源92から電力供給(AC100/200V)を受けるものとなり、LEDユニット4が、一端がわの外部電力供給回路6から、ビーコンモジュール5が、これとは反対がわ端の外部電力供給回路6から、夫々商用電源92からの電力供給を受けるものとすることができる外、LEDユニット4が、左右端双方の外部電力供給回路6から、商用電源92の電力供給を受けるものとし、ビーコンモジュール5が、左右端の何れか近接する端がわの外部電力供給回路6から、商用電源92の電力供給を受けるものすることが可能であり、また、左右分割型のLEDユニット4,4を設け、左がわのLEDユニット4が、左端の外部電力供給回路6から、また、右がわのLEDユニット4が、右端の外部電力供給回路6から、夫々商用電源92の電力供給を受けるものとし、ビーコンモジュール5が、左右端の何れか近接する端がわの外部電力供給回路6から、商用電源92の電力供給を受けるものするなど、様々な電力供給回路のものとすることが可能である。
【0054】
図7および
図8に示すとおり、ビーコンモジュール5は、基板パターンによって設けたアンテナ、それを介して送受信可能な送受信回路、およびそれらの自動制御回路などを有し、その一端がわがランプ本体3の口金部30の内がわに、その他端がわが照明カバー部32に対峙するよう配し、同照明カバー部32に対して5°ないし60°望ましくは15°の適宜角度α傾斜した姿勢(
図7中にランプ本体3の中心線33を示す)に固定してなるものとするのが良く、固定のための固定部品52、52(や、
図3および
図4中に示すコネクタ50など)を、電磁波に悪影響を及ぼさない合成樹脂製のものとし、さらに、ランプ本体3の口金部30のビーコンモジュール5の外がわ外周囲に対応する部分を、同様の合成樹脂製のものとするのが良い。
【0055】
図9に示しているように、この発明のビーコン内蔵照明用LEDランプ2は、白熱電球型のLEDランプ2とすることが可能であり、ビーコンモジュール5を、ランプ本体3の口金部30がわ寄り内部の照明光の妨げとならない適所に、インジケーター部8を照明カバー部32がわに向けた姿勢とするよう内蔵したものとすることができる。
【0056】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明のビーコン内蔵照明用LEDランプ2は、
図5および
図6に示すように、安定器91を取り外した従来型蛍光灯器具9ソケット部90,90間に、既存の蛍光灯と置き換え交換するように装着することが可能であり、ランプ本体3筐体ヒートシンク部31が、LEDユニット4の放熱性を確保すると共に、強度部品となって充分な取り付け強度を確保可能なものとなり、同
図6中に示しているように、該蛍光灯器具9に組み込んだビーコン内蔵照明用LEDランプ2、無線LAN(Local Area Network)およびBLE(Bluetooth Low Energy)によって無線双方向通信可能な状態に、遠隔適所に設置し、ビーコン内蔵照明用LEDランプ2ビーコンモジュール5のビーコンID情報に紐付けした情報やプログラムソフトを記憶した情報提供用コンピューター10、および、スマートフォンやタブレットPC、PDAなどの、iOSおよびAndroidの少なくとも何れか一のOSを有し、無線LAN(Local Area Network)およびBLE(Bluetooth Low Energy)の少なくとも何れか1つによって無線双方向通信可能な携帯型端末11との組み合わせにより、ビーコンシステム1を形作るものとなる。
【0057】
図6および
図11に示すように、ビーコンシステム1は、例えば、店舗Sの天井に設置してある既存の蛍光灯器具9,9,…の全部か、または、適宜間隔置きとなる幾つか適所のものに、既存の蛍光灯ランプと交換するよう、ビーコン内蔵照明用LEDランプ2,2,……を設置すると、各ビーコン内蔵照明用LEDランプ2,2,……のビーコンモジュール5,5,……が、各々互いに異なるビーコンID信号を1〜2回/秒程度の一定時間毎に、各々のビーコンエリア51内に出力するものとすることが可能であり、予め専用のアプリケーションソフトウェアをインストールした携帯型端末11を所持した顧客Cが、当該ビーコンエリア51内に進入すると、顧客C自身が携帯型端末11を操作しなくとも、ビーコンモジュール5から受信したビーコンID情報を、無線双方向通信によって情報提供用コンピューター10に自動送信し、これを受信した情報提供用コンピューター10が、該当するビーコンID情報に紐付けされた、例えば、店舗の案内情報や広告、電子ポイント、電子クーポン券などを自動的に送信し、顧客の携帯型端末11に記録されるよう制御するものとすることが可能である。
【0058】
図6および
図12に示すように、受信したビーコン信号の電波強度からユーザーの位置情報を検出し、プッシュ通知情報と併せ、店内ナビゲーションや顧客滞在時間のログ計測を自動的に行うよう制御し、同
図12に破線円、一点鎖線円および二点鎖線円によって示すような、店舗内の各所における顧客Cの滞留時間の違いを示すヒートマップを作成することなどが可能となる。
【0059】
以上のビーコン内蔵照明用LEDランプ2は、従来型蛍光灯の設計寿命12,000時間に比較し、40,000時間と、3倍以上の設計寿命に延命化することが可能となり、これによってライフサイクルコストを大幅に改善することができる上、消費電力を、従来型蛍光灯の36Wに比較して19Wとし、電力料金およびCO2排出量を格段に削減することができ、しかもLEDユニット4の商品寿命を終えるまで、ビーコンモジュール5の電池交換などを一切必要とせず、メンテナンス性を高めたものとすることができる。
【0060】
さらに、
図1および
図2に示すよとおり、ビーコン内蔵照明用LEDランプ2にインジケーター部8を設けたから、設置主が、携帯型端末11BLE(Bluetooth Low Energy)を用いて何れか1個のビーコン内蔵照明用LEDランプ2ビーコンモジュール5に、特定の認証確認を経てアクセスし、設置条件に応じたビーコンID情報に変更操作し、その操作中に、通常消灯しているインジケーター部8が点滅しているのを確認し、変更操作対象のビーコン内蔵照明用LEDランプ2を視認し、確実に確認できるものとなり、設定操作の誤りを確実に防止することができる上、アクセス権を持たない部外者が、不正アクセスした場合に、インジケーター部8の点滅によって、不正なビーコンID情報変更操作を受けていることを、設置主にリアルタイムで知らせるものとなり、より安全性の高いシステムとすることができ、そして、
図9に示すように、白熱電球型としたビーコン内蔵照明用LEDランプ2は、より様々な範囲に設置することができるものとなって消費電力を、より一層削減することができるものにすることができる。
【0061】
図10に示すとおり、ビーコン制御方法により、ビーコンモジュール(自動制御部)が、外部電力の供給(A)によってBLE(Bluetooth Low Energy)による双方向無線通信可能な基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)で起動(B)し、基本ソフトを起動(C)し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信(D)し、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合(E)に、各種データを書き換え可能とするデータ書換モード(ユニキャスト)に切り換え(F)、データ書換ソフトを起動(G)し、各種データの書き換え可能とし、インジケーター部8を点滅(H)し、アクセスIDの認証を経たアクセスが終了(J)すると、データ書換ソフトを終了(K)し、インジケーター部8を消灯(L)し、自動的に基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)に復帰(B)し、基本ソフトを起動(C)し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信(D)するよう制御するものとしたことから、他者による不正なアクセスやデータの不正書き換えなどを確実に阻止し、秀れたセキュリティーを実現化すると共に、設置から各種データの書き換え・設定まで、専門的知識を要さずに平易に行うことができるから、設置コストを大幅に削減することができる上、消費電力を大幅に抑えて、維持、経費を格段に低減可能なものとすることができる。
【0062】
ビーコンモジュールが、外部電力の供給によってBLE(Bluetooth Low Energy)による双方向無線通信可能な基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)で起動し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信し、予め個別に設定したアクセスIDの認証を経たアクセスを受けた場合に、1度のみ各種データを書き換え可能とするデータ書換モード(ユニキャスト)に切り換え、データ書換ソフトを起動し、各種データの書き換えを可能とし、該1度目のアクセスIDの認証を経たアクセスが終了すると、それ以降はアクセスIDの認証を経たアクセスを一切拒否し、2度とデータの書き換えを出来なくしてから、自動的に基本モード(ブロードキャストおよびマルチキャストの少なくとも何れか一方)に復帰し、基本ソフトを起動し、双方向無線通信を利用し、位置情報、ビーコンID情報を発信するよう制御するものとした、ビーコンシステムのビーコン制御方法を実施すれば、1度だけ各種データを書き換え可能とし、それ以降は2度とデータの書き換えを不可能とするよう規制するよう制御するものとしたものは、設置主や使用者が、設置・利用を開始する際に、各種データの設定を1度完了してしまうと、それ以降は、2度とデータの書き換えが不可能となるから、LEDランプとしての製品寿命を終えるまで、他者による不正アクセスを全く不可能とし、より一段と安全性に秀れたビーコン内蔵照明用LEDランプ、およびビーコンシステムとすることができ、さらに、BLE(Bluetooth Low Energy)による双方向無線通信を採用することにより、格段に経済性を高めたものとすることができる。
【0063】
(結 び)
叙述の如く、この発明のビーコン内蔵照明用LEDランプ、および、それを用いたビーコンシステムは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも当該ビーコン内蔵照明用LEDランプは、製造も容易で、既存および新設を問わず、従来型の照明灯器具に組み込み、LEDユニットが耐久寿命を迎えるまでビーコンモジュールのバッテリー管理を不要とすることができるから、従前からの無線測位システム技術に比較して設置およびメンテナンスに要するコストを大幅削減することができ、遥かに経済的なものとすることができる上、設置場所の改装、配置替え、移転などの利用条件の変化にも簡単且つ柔軟に対応可能なものとすることとができるから、顧客へのサービスを向上したいが、出来るだけ費用を抑えたいと希望する実店舗を持つ小売業界、および、各種展示場やイベント会場、美術館や図書館などの様々な施設を管理するイベント業界や公共団体などはもとより、携帯型端末の普及によってインターネットからの情報収集に親しみ、外出先でのタイムリーな情報提供やサービス提供を希望する一般の人々においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【符号の説明】
【0064】
1 ビーコンシステム
2 ビーコン内蔵照明用LEDランプ
3 ランプ本体
30 同 口金部
31 同 筐体ヒートシンク部
32 同 照明カバー部
33 同 ランプ本体の中心線
4 LEDユニット
40 同 LED基板
5 ビーコンモジュール
50 同 コネクタ
51 同 ビーコンエリア
52 同 固定部品
α 同 傾斜角度
6 外部電力供給回路
7 注意表示部
8 インジケーター部
9 蛍光灯器具(照明灯器具)
90 同 ソケット部
91 同 安定器
92 同 商用電源
S 店舗
C 顧客
(A) 外部電力の供給開始
(B) 基本モードで起動
(C) 基本ソフトの起動
(D) 位置情報の発信
(E) アクセスID認証を経たアクセスか否かの判断
(F) データ書換モードに切り換え
(G) データ書換ソフトの起動
(H) インジケーター部8の点滅
(J) アクセスID認証済みアクセス終了か否かの判断
(K) データ書換ソフトの終了
(L) インジケーター部8の消灯