特許第6247710号(P6247710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トレーディング テクノロジーズ インターナショナル インコーポレイテッドの特許一覧

特許6247710電子取引システム用のユーザ・インターフェース
<>
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000002
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000003
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000004
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000005
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000006
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000007
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000008
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000009
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000010
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000011
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000012
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000013
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000014
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000015
  • 特許6247710-電子取引システム用のユーザ・インターフェース 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247710
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】電子取引システム用のユーザ・インターフェース
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20171204BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20171204BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20171204BHJP
【FI】
   G06Q40/04
   G06F3/0481 170
   G06F3/0484
【請求項の数】23
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-35787(P2016-35787)
(22)【出願日】2016年2月26日
(62)【分割の表示】特願2014-110384(P2014-110384)の分割
【原出願日】2000年4月7日
(65)【公開番号】特開2016-139419(P2016-139419A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2016年3月25日
(31)【優先権主張番号】09/289,550
(32)【優先日】1999年4月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502317459
【氏名又は名称】トレーディング テクノロジーズ インターナショナル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・フリーセン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・シー・ハート
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特表平04−507159(JP,A)
【文献】 特開平10−247210(JP,A)
【文献】 特表平03−505498(JP,A)
【文献】 特表平06−504152(JP,A)
【文献】 米国特許第05136501(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の取引を管理する方法であって、
コンピュータのディスプレイ装置により、物品の複数の価格レベルを表示するステップ、ここで、複数の価格レベルのそれぞれは、物品の価格と関連付けられる、
ディスプレイ装置により、複数の価格レベルに沿って複数の未決注文アイコンを表示するステップ、ここで、複数の未決注文アイコンのそれぞれは、電子取引所での少なくとも1つの未実行の注文と関連付けられる、
コンピュータにより、少なくとも1つの注文トークンを表示するステップ、ここで少なくとも1つの注文トークンは、注文量を表す、
コンピュータのユーザ入力装置により、少なくとも1つの注文トークンを選択し、少なくとも1つの注文トークンを第1価格レベルと関連付ける一方、ディスプレイ装置のカーソルを操作し、複数の価格レベルのうち第1価格レベルの選択を受信するステップ、ここで、少なくとも1つの注文トークンを関連付けることは、少なくとも1つの注文トークンを選択可能な第1価格レベルに移動すること、少なくとも1つの注文トークンを選択可能な第1価格レベルにドラッグすること、選択可能な第1価格レベルから選択することのいずれか一つ、又はそれらの組み合わせを含む、
コンピュータにより、物品を注文するための第1注文の提出を開始するステップ、ここで、第1注文は、選択可能な第1価格レベルに関連付けられた第1価格での注文量の物品の注文を表す、
を含む、方法。
【請求項2】
更に、ディスプレイ装置により、価格軸に沿って複数の価格レベルを表示するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の価格レベルは、物品の市場情報から得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数の価格レベルのそれぞれは、物品を取引するため選択可能な価格レベルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
更に、ディスプレイ装置により、選択可能な第1価格レベルにユーザ注文アイコンを表示するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ユーザ注文アイコンは、選択の受信に応答して、選択可能な第1価格レベルに表示される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
複数の未決注文アイコンのそれぞれは、少なくとも1つの注文のために関連付けられた価格に基づいて、複数の価格レベルに関連して表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複数の未決注文アイコンのそれぞれは、少なくとも1つの注文のために関連付けられた価格に基づいて、価格軸に略垂直に整列される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数の未決注文アイコンは、グラフィカルアイコン、数値化されたアイコン、カラーコード化されたアイコン、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数の未決注文アイコンは、取引可能な量を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
複数の未決注文アイコンは、少なくとも1つのビッドアイコンを含み、係るビッドアイコンは、電子取引所で未実行の少なくとも1つのビッドに関連付けられ、関連付けられた少なくとも1つのビッドのビッド価格に基づいて、複数の価格レベルに関連して表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
複数の未決注文アイコンは、少なくとも1つのアスクアイコンを含み、係るアスクアイコンは、電子取引所で未実行の少なくとも1つのアスクに関連付けられ、関連付けられた少なくとも1つのアスクのアスク価格に基づいて、複数の価格レベルに関連して表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
更に、物品の新しい所定量を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
更に、別の注文の提出を開始するステップを含む、ここで、別の注文は、第2価格レベルの選択に関連する価格で、物品の新しい所定量の取引を実行するためのものである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
物品の価格は、価格、利率、予想変動率、価格差、利益、及びそれらの組み合わせのいずれかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
所定量は、選択の前に決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
所定量は、ユーザの選択に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ユーザ入力装置は、コンピュータマウスを含み、
更に、少なくとも1つの注文トークンに関連付けることは、コンピュータマウスのボタンを操作すること、コンピュータマウスのボタンをアクティブにすること、コンピュータマウスのボタンを放すこと、コンピュータのボタンの動作を開始することのいずれか一つ、又はそれらの組み合わせを含む、請求項に記載の方法。
【請求項19】
更に、少なくとも1つの注文トークンのサイズを調整するステップを含む、ここで、少なくとも1つの注文トークンのサイズは、所定量を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
第1注文の提出を開始するステップは、第1注文の提出を確認するための注文確認を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
注文確認は、所定量と第1価格とを含む注文確認ウィンドウを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
更に、注文確認ウィンドウを介してのユーザコマンドの検出に応答して、注文を提出するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ユーザコマンドは、注文確認ウィンドウに関連する指定領域の選択、ユーザ入力装置の操作、ユーザ入力装置のボタンの操作、ユーザ入力装置のボタンのアクティブ化、ユーザ入力装置のボタンの開放、ユーザ入力装置のボタンのアクティブ化の開始のいずれか、又はそれらの組み合わせを含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は一般に、グラフィカル・ユーザ・インターフェースの分野に関係し、特に、電子取引システム用のグラフィカル・ユーザ・インターフェースの分野に関係する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術
取引の立合所は、市場経済の活力の源泉である。多量の品物及び会社の株式が、日々、取引所での取引の立合所を通して何百万という投資家によって売買される。特定の取引生産物あるいは銘柄が、より評価される場合、買い手によるより積極的な買い注文の結果、銘柄の価格が引き上げられる。銘柄がよく評価されない場合、より積極的に銘柄を売る売り注文の結果、銘柄の価格が引き下げられる。成功するトレーダは、銘柄の価格の上昇又は下落を予測し、市場のその他の人々が銘柄の価格の潜在的な上昇又は下落に気づく前に、自分の取引を実行する。したがって、興味のある銘柄に対する、市場予測及び将来需要の明確化が、トレーダの成功にとって重要である。
【0003】
各銘柄の取引は、その銘柄用の取引立合所において生じる。取引立合所は、顧客が立合所内のブローカにその銘柄に対する彼らの注文、つまり買い注文(bid)又は売り注文(offer)のどちらかを提出する、取引所内の指定されたエリアである。取引所はすべての取引を記録し、その銘柄に対する最高値を持つ未処理の買い注文及び最低値を持つ未処理の売り注文を、注文で指定された数量と共に、個々のトレーダに伝えるか又は掲示する。取引所は、すべての未処理の売り注文及び買い注文についての情報を公表するわけではない、なぜなら、ある程度この情報はトレーダ以上にマーケット・メーカーに利益を与えるものであるからであり、そしてマーケット・メーカが彼等自身の取引の方向をすばやく変化させ、顧客の注文の前を行き、マーケット・メーカの損失を防ぐために顧客の指し値注文を用いることができるようになるからである。しかしながら、個々のトレーダにとって、銘柄に対する最新の注文情報だけを持っていることは、その銘柄に対する注文の傾向を見定めるトレーダの仕事を困難にする、なぜなら、トレーダは売り注文及び買い注文のボリューム、あるいはこれらのボリュームが変化している速さについての情報をほとんど持っていなからである。
【0004】
また現時点での取引所の投資収益、その銘柄に対する過去の取引データ、立合所にいるトレーダの数、及び立合所の活発さについてのトレーダのセンスを含めて、他の情報が、トレーダによって市場を予測するために用いられる。しかしながら、トレーダが、多種多様であるが多くは無関係なソースから、この情報をすばやく組み立てること、また情報に基づく取引決定を下すためにこの情報の全部を有効に処理することは、多くの場合、困難である。市場及び特定銘柄の需要を予測するために、トレーダは、この情報及び他の外部情報から、その銘柄に対する買い注文又は売り注文の傾向を判断しようと試みなければならない。
【0005】
このように、銘柄に対して市場需要がどう変化しているかをトレーダがすばやく解釈できるような直覚的なフォーマットで、トレーダに個々の銘柄に対する市場需要の傾向についての情報が提供されるようなシステムが、必要とされている。また、トレーダがその情報をすばやく解釈して、それに従って行動できるようにするやり方で、トレーダが特定銘柄の取引をしている間に、トレーダに銘柄又は市場に関するコンテキスト情報を提供するシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の要旨
本発明は、リモート・トレーダが銘柄に対する注文の傾向を見ることができ、容易にグラフィカル・フォーマットを見て判断できるような取引情報を提供することが出来る電子取引システム用のユーザ・インターフェースである。本発明のユーザ・インターフェースは、個々のトレーダがリモート・クライアント端末上で買い注文及び売り注文を含む注文を出し、この情報がトランザクション・サーバに渡される、システム内で作動する。トランザクション・サーバは、リモート端末から注文情報を受け取り、売り注文に対応する買い注文に応じて、銘柄に対する売り注文に銘柄に対する買い注文をマッチさせて、未処理の買い注文及び売り注文情報をクライアント端末に伝達して戻す。最高値の買い注文及び最低値の売り注文だけが、個々のトレーダに知られていた従来のシステム及び方法とは対照的に、このように本発明に従って、各クライアント端末は、銘柄に対する未処理の買い注文及び売り注文のすべてを表示する。このことによって、トレーダが銘柄に対する注文の傾向を見ることができ、さらに良いことに、トレーダが銘柄に対する需要を予測することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例えば、1つの実施形態では、グラフが価格軸で構成される。すべての未処理の買い注文及び売り注文に対する買い注文アイコン及び売り注文アイコンが、グラフ上の買い注文及び売り注文の価格に相当する位置に表示される。銘柄が「競り上げ」られている時、つまり銘柄の需要が成長している時、新しい買い注文のすべてが、リモート・トレーダに表示される。それが起こると、トレーダは、直ちに銘柄に対する需要の増大を見て取り、そうして、銘柄の価格が上昇すると推測し、銘柄の価格がまだ低い状態である間に、その銘柄を買う注文を直ちに入力することができる。対照的に、従来のシステムでは、トレーダは、最高値の買い注文の存在を単に知っているだけで、銘柄の需要が増大していることを知らないだろう。しかしながら、「ブックを開くこと」により、未処理注文のすべてが、すべてのリモート・トレーダに表示され、各トレーダは、成長しつつある需要を直ちに見て取り、それによって市場での彼又は彼女の立場を最大限にすることができる。
【0008】
本発明のユーザ・インターフェースは、この情報を直覚的なフォーマットで示し、トレーダが情報に基づく決断をすばやく行うことができるようにする。プライオリティ(priority)・ビューの実施形態では、買い注文及び売り注文アイコンが価格軸に対応して表示される。このため、スクリーンの下部に買い注文アイコンが表示され、スクリーンの上部に売り注文アイコンが表示される結果になる。トレーダは、その銘柄に対する未処理の買い注文及び売り注文の数及びボリューム、並びにそれらの価格の差を直ちに識別することができる。買い注文及び売り注文は、さらに市場の現在の情勢をすばやく確認できるようにトレーダの能力を向上させる、異なる色、形、あるいはその他の視覚的な特徴でもって表示されることが望ましい。スクリーンは、最新の買い注文及び売り注文を表示するために頻繁に更新される。1つの実施形態では、価格軸に向けて角度を付けられた辺を持つアイコンが形成される。未処理の売り注文及び買い注文がすべて表示されると、アイコンの配列がひとりでに三角形の辺を形成し、価格軸に価格の差異を指し示す。また別の実施形態では、トレーダ自身の買い注文及び売り注文が、第1の色又は他の視覚的な特徴で表示され、他のトレーダの買い注文及び売り注文が、第2の色又は視覚的な特徴で表示される。このことによって、トレーダは市場の中での彼又は彼女の相対的な位置をすばやく判断することができる。最終的に、好適な実施形態では、アイコンのサイズが買い注文又は売り注文の数量を表わし、各買い注文及び売り注文が表わす相対的な数量を判断するための容易で視覚的な手段が可能になる。
【0009】
価格/数量のビューの実施形態では、価格軸及び数量軸が買い注文及び売り注文アイコンの位置を決定するために用いられる。この実施形態内のアイコンは、マーカ又はトークンであり、トレーダに異なる外観及び感じを与える。代替的なビューを提供することによって、トレーダは、トレーダが最も快適な取引を行えるビューを選択することができる。
【0010】
さらなる実施形態において、分析が表わす現在値に相当する位置に、価格を計る分析が、価格軸に関して表示される。その分析は、表示されている他のオブジェクトを表わすために用いられる他の特徴とは異なる色又は他の視覚的な特徴を持たせて、アクション・ラインと呼ばれるマーカとして表示されることが望ましい。アクション・ラインは、各々の個々のトレーダによって選択されるが、価格と収益の比率、変動率、売上のボリューム、又はトレーダがデザインする任意の計測基準を反映することができるか、あるいは事前に決められた計測基準のリストから選択されることができる。アクション・ラインは、それが計測するデータ内の変化に反応し、基本的にリアルタイムで更新される。アクション・ラインによって、トレーダは、その銘柄に対するトレーダ独自の評価と比較した、その銘柄の現時点の評価を直ちに判断することができる。売り注文又は買い注文がアクション・ラインに接近すると、トレーダはトレーダ独自の評価に従って取引を成立させる準備をする。
【0011】
本発明の別の側面では、トレーダが前述のユーザ・インターフェースのうちの1つを見ている間、市場データ及び他のコンテキスト・データが表示される。市場の状態、及びそれがどう銘柄の価格に影響を与えるかを判断しているトレーダに、追加の情報を提供するために、履歴チャートがユーザ・インターフェースの背景に表示される。例えば、履歴チャートは、様々な市場指数、その銘柄又は他の銘柄の過去の価格、及び他のいかなる過去の価格、数量、又はボリュームの傾向をも表わすことができる。履歴チャートは、ある期間に渡ってその銘柄の平均値を表わすことができるが、任意の他の銘柄又はグループの銘柄に対する価格又は複数の価格を表わすこともできる。履歴チャートは、価格を垂直軸にして、時間を水平軸にして表示される。履歴チャートは、トレーダが取り引きしている間、トレーダに最新の情報を提供するために更新される。したがって、本発明に従って、トレーダは、他の銘柄に関する重大な情報、又はこの銘柄の過去の投資収益、及び他の指標を受け取っている間、銘柄に関して即時の決定を下すことができる。このことは、この情報が同時に提供されずに、仮に提供されてもすばやく処理することが困難である、従来式の取引方法に勝る大きな利点である。
【0012】
代替的な実施形態は、各トレーダのトレーダ・アイコンを表示し、トレーダの活動レベルを反映してトレーダ・アイコンの位置を決める、取引立合所のビューを提供する。またフロア・ブローカ及び他の傍聴人も表示されて識別され、その結果、トレーダは、その取引立合所用のトランザクション・サーバに現時点で接続されているすべてのユーザの、それぞれの位置及び活動を一目で理解できるようになる。トレーダ・アイコンを選択すると、トレーダに関する情報が提供され、ウィンドウが開かれ、そうしてトレーダは、ネットワーク接続を介して電子メール、テキスト・チャット、又は音声による通信を含む1つ以上の方法を用いて、互いに通信することが可能になる。取引立合所のビューは、リモート・トレーダが、トレーダが誰に対して取引しているか、彼等がどれくらい活動的であるかを直ちに確認できるようにし、またトレーダがより良く市場を予測できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の電子取引システムについての好適な実施形態のブロック図である。
図2】本発明のトランザクション・マネージャについての好適な実施形態のブロック図である。
図3A】本発明に従った、プライオリティ・ビューの実施形態を図示するスクリーン・ショットである。
図3B】本発明に従った、プライオリティ・ビューの実施形態を図示するスクリーン・ショットである。
図3C】本発明に従った、プライオリティ・ビューの実施形態を図示するスクリーン・ショットである。
図3D】買い注文のポップアップ・ウィンドウを示す。
図3E】売り注文のポップアップ・ウィンドウを示す。
図4】本発明に従った、価格/数量のビューの実施形態を図示するスクリーン・ショットである。
図5】本発明に従った、買い注文及び売り注文アイコンを表示する方法についての好適な実施形態を図示するフローチャートである。
図6】本発明に従った、買い注文のアイコンを生成する方法についての好適な実施形態を図示するフローチャートである。
図7】本発明に従った、売り注文のアイコンを生成する方法についての好適な実施形態を図示するフローチャートである。
図8】注文アイコンを生成するための、代替的な実施形態を図示するフローチャートである。
図9】本発明に従った、立合所パネルのビューを図示するスクリーン・ショットである。
図10】本発明に従った、トレーダのアイコンを生成し、配置するための好適な実施形態を図示するフローチャートである。
図11】本発明に従った、通信ウィンドウを図示するスクリーン・ショットである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好適な実施形態の詳細な説明
図1は、本発明に従った電子取引システムを図示する。クライアント端末104はトランザクション・マネージャ100につながれる。クライアント端末104は、パーソナルコンピュータ、ネットワークの一部としての端末、又は他の計算デバイスである。トレーダは、トランザクション・マネージャ100によって管理されるクライアント端末104を、取引立合所との対話に用いる。トランザクション・マネージャ100は、クライアント端末104によって生成されたトランザクション要求を管理し、端末104とトランザクション・マネージャ100への、端末104とトランザクション・マネージャ100からの、及び端末104とトランザクション・マネージャ100との間での情報のルートし、そして1つのデータベース108から又は複数のデータベース108に情報を格納し、そして取り出す。
【0015】
図2は、トランザクション・マネージャ100のより具体的な実施形態を示す。クライアント104は、ログイン・マネージャ204につながれ、各クライアントにトランザクション・マネージャ100へのアクセスを提供し、かつ各クライアント104が1つ以上の取引立合所220を選定できるようにする。トランザクション・マネージャ100は、1つ以上のトランザクション・プロセッサ200をホストする。各トランザクション・プロセッサ200は、基本的に特定の取引立合所をサポートすることで、特定された銘柄の取引を担当する。各トランザクション・プロセッサ220用の要約情報エージェント224は、各立合所220の活動についての現在の状態を、ログイン・マネージャ204に接続されたトレーダに提供する。トレーダは、その要約情報に基づいて、接続されるべき立合所220を選択することができる。いったんログイン・プロセスが完了すると、クライアント104は、特定された取引立合所220用の登録サーバ212につながれる。各立合所220に対する登録は、ログイン時にログイン・マネージャ204から受け取ったアクセス・キーを提供するよう、クライアント104に要求する。
【0016】
立合所220に対する登録の後、トレーダは、取引立合所220の中で取引されている銘柄に対する注文を追加、修正、削除することができる。「買い注文」と呼ばれるタイプの注文は、指定の価格か又はそれ以下で、指定の数量の銘柄を買う注文である。「売り注文」と呼ばれる別のタイプの注文は、指定の価格かそれ以上で指定の数量の銘柄を売る注文である。他のタイプの注文が、取引立合所220の中で取引される銘柄のタイプによっては、可能である。
【0017】
各立合所220は、トランザクション・サーバ200を含む。トランザクション・サーバ200は、注文を受け取り、買い注文及び売り注文をマッチさせ(買い注文及び売り注文がマッチする時、それは取引あるいは実行と呼ばれる)、データベース208と、取引立合所220に接続されたクライアント端末104との両方に情報をルートする。クライアント端末104は、買い注文及び売り注文に対するアイコン(買い注文及び売り注文アイコンと呼ばれる)、過去のチャート、及びトレーダ・アイコンを生成し、そしてトランザクション・サーバ200から受け取られた情報に応じて、買い注文及び売り注文アイコン、及びトレーダ・アイコンの配置を決定する。トランザクション・サーバ220がつながれているデータベース208は、各トレーダに対応する情報、ある期間(取引開始日のような)に渡って提出されたすべての注文についての情報、ある期間(過去180日のような)のすべての取引についての情報、及び取引されている銘柄に対応する情報を格納する。各トレーダは、名前、電子メール・アカウント、住所、電話番号、個人の価格計測する計量的又は分析的な活動水準の履歴、及び個々のトレーダにとってユニークな情報で、バーチャルな取引環境を築くために本発明によって用いられる他の様々な情報を含む、トレーダのアカウントに関連する情報を格納させることが出来る。
【0018】
すべての注文に対応する情報は、注文が新規の注文なのか、既存の注文に対する変更なのか、以前に出された注文の削除なのかどうか、注文のタイプ(例えば、買い注文又は売り注文)、価格、数量、注文が出された日時、及びその注文固有の他の情報を含む。すべての取引に対応する情報は、価格、数量、買い手、及び売り手を含む。取引される銘柄に対応する情報は、その銘柄に対するすべてのオープン注文の価格のリストだけでなく、その銘柄に対する最高の未処理の買い注文の価格、及び最低の未処理の売り注文の価格を含む。銘柄情報は、注文テーブルのようなデータ構造のデータベース208上に格納される。サーバ200は、クライアント端末104から受け取る情報に応じて注文テーブル内の情報を更新する。その後、更新された情報が、クライアント端末104に伝送され戻される。過去のチャートを作成するのに用いられる情報などの他の情報もまた、データベース208上に格納されることができる。また1つ以上の立合所220に対してグローバルであり得る情報、例えばトレーダの個人情報は、その情報が各取引立合所220によってアクセスされることができるようにシステム・データベース108上に格納される。
【0019】
同じ取引立合所220に登録されたトレーダのために、彼等の注文(つまり、価格と数量を明示した買い注文及び売り注文)の全てが、その立合所220用のトランザクション・サーバ200に伝送される。サーバ200は、未処理注文又はオープン注文にマッチする注文を分析する。異なるタイプの注文間、例えば買い注文と売り注文の間にマッチするものがある場合、取引が成立し、クライアント端末104はマッチしたアイコンを削除するよう通知される。すべての未処理注文が、各クライアント端末に伝送され、いつでも、すべてのトレーダからの取引立合所上の銘柄に対する未処理注文のすべてを、トレーダが見ることを可能にする。クライアントの画面は、どの注文が未処理であるか、及び立合所220での市場の状況、に関する最新情報を提供するために、連続的に又は特定の間隔で更新される。図2に示されるように、複数の取引立合所220が、電子取引システム内に用意され、1人のトレーダが、要求されるだけの数の立合所220に同時に接続されることができる。本発明に従って維持されることのできる取引立合所220の数は、システムに提供されるサーバの数に応じて、拡張可能である。取引の銘柄は、可能な商品なら何でも、例えば鉱物、先物、会社の株式を含む。当業者に知られているように、他のネットワーク構成が、その電子取引システムを実現するために使用されることができる。
【0020】
クライアント端末104は、トレーダと取引立合所220との間に対話型の相互連絡を提供し、本発明の様々なユーザ・インターフェースを表示する。図3aは、本発明に従って、トレーダが直覚的に注文300、304を行うことができるように設計されるプライオリティ・ビュー312、価格を計る計測基準を表わすビュー・メーカ336、及びコンテキスト傾向データ316を示す。プライオリティ・ビューの実施形態では、注文300、304が、価格軸332に関して、それらの価格に相当する位置に表示される。価格は、それによって銘柄が評価される、値段、利率、又は任意の他の計測基準を表わす。例えば、売り注文304(1)は、28.45ドルの価格を持ち、アイコン304(1)の底辺308の最低点は、価格軸332上の価格28.45と一直線をなす。この実施形態では、買い注文アイコンの上辺309と、売り注文のアイコンの底辺308とが角度を成している。右端の買い注文は最高値を持つ買い注文であり、右端の売り注文は最低値を持つ売り注文である。こうして、アイコン300、304の辺308、309が、最新の最低の売り注文と最新の最高の買い注文との間の価格の分離を指し示す三角形を形成する。各注文の数量は、その長さあるいは高さといったアイコンのサイズによって表される。より大きなサイズを持つアイコンは、より大きな数量を持つ注文を表わす。スクリーンに表示された注文の指定数量及び他の情報については、その注文を選択することによって、選択された注文の正確な価格及び数量を表示するためのポップアップ・ウィンドウが起動することで、知ることができる。代替的な実施形態では、もしトレーダがその注文を選択するによって、その注文が提出されるならば、トレーダが買い注文又は売り注文アイコンを選択することで、指定の注文情報が、注文タスク・バー328に表示される。代わりに、スペースが許されるなら、数量及び価格がアイコン自体の中に表示されてもよい。
【0021】
等しい価格を備えたいくつかの注文がある場合、注文が出された時間に応じて、注文は積み重ねられ、又は互いに隣接して配置される。例えば、買い注文300(5)、300(6)、300(7)は等しい価格29.50ドル持つ。したがって、3つの買い注文アイコン300はすべて垂直に積み重ねられる。積み重ねるための好適な方法は、ひとりでに生じて買い注文及び売り注文を分ける水平な空間に、最も近い所に最も古い注文を配置する。表示される買い注文のすべてが、表示される売り注文よりも常に低い価格であるので、買い注文と売り注文との間の水平方向の分離がひとりでに生じる。買い注文が、売り注文以上の価格で配置されるなら、直ちに取引が成立し、アイコンが削除される。例えば、図3aの中の注文300(7)、300(6)及び300(5)を包含している積み重ねの中で、最初の、したがって時間的に最も古い買い注文は、300(7)であり、積み重ねの一番上、つまり表示される買い注文と売り注文との間の水平方向の分離に最も近いところに配置される。他の2つの積み重ねられた買い注文300(6)、300(5)は、それらが提出された時間に応じて、最も古い買い注文300(7)より下に置かれ、最も古いものから最も新しいものの順にソートされる。売り注文304(2)、304(3)及び304(4)を包含している積み重ねでは、最も古い売り注文304(2)が、水平方向の分離に最も近い、積み重ねの最下位に置かれ、また最も新しい売り注文304(4)は、積み重ねの最上位に置かれる。買い注文及び売り注文を順序付ける上記の方法は、好適な方法であるが、しかしながら、他の順序スキームが本発明の範囲内で用いられることが可能である。
【0022】
本発明に従ってクライアント端末104を用いるトレーダは、取引されようとしているその銘柄に対する未処理注文300、304のすべてを示される。これは本発明と従来のシステムとの間の1つの重要な違いである、なぜなら本発明に従ってシステムを用いるトレーダは、取引されようとしている銘柄の売買に加えて、買い注文及び売り注文における傾向を見ることができるからである。例えば、図3aでは、トレーダは未処理注文300、304をすばやく分析でき、また売り注文(9)とほとんど同数の買い注文300(8)があることを判断できる。そうして、トレーダは、市場が安定していて、近い将来その銘柄の価格は劇的に引き上げられたり、下がったりしないと推論できる。従って、トレーダは、どんなアクションも起こさないと決定してもよい。しかしながら図3bに示されるように、増大された数の買い注文アイコン300の表示によって示されるように、買い注文の数が増大することを通して需要が高まる場合、あるいはより大きなサイズを持つ買い注文アイコン300の表示によって示されるように、買い注文が大量に作られつつある場合、そして売り注文アイコン304の数が減少している表示によって示されるように、供給が後退する場合、トレーダは、その銘柄の価格が上昇すると予測することができる。結果的に、トレーダは、現在の低い価格の売り注文304に対して買い注文を出す。こうして、ある銘柄に対して為される未処理の売り注文アイコン304及び買い注文アイコン300のすべてを眺めることによって、トレーダは市場を予測し、その情報を利用して彼又は彼女の取引計画をすばやく調整することができる。対照的に、従来のシステムでは、トレーダは最新の最高の買い注文及び最新の最高の売り注文を単に知っていただけである。図3aの例では、トレーダが、買い注文300(9)及び売り注文304(1)の存在を単に知っているだけだろう。マーケット・メーカだけが、他の買い注文及び売り注文の存在について知っているだろう。したがって、個々のトレーダは、買い注文の傾向が分からず、市場を予測することに非常な困難を経験する。
【0023】
またトレーダは、売り注文アイコン304及び買い注文アイコン300間の落差を見て、いくらの価格でいくらの数量の取引がなされるであろうかを判断することができる。図3aの例では、トレーダは、27.35ドルより僅かに低い価格に、いくつかの買い注文300(5)、300(6)、300(7)があることを判断することができる。したがって、トレーダが売るべき多くの銘柄を持っているなら、トレーダはその価格で売り注文を出すことができ、彼又は彼女の銘柄のすべてを確実に売ることが可能である。しかしながら、この価格が低すぎる場合、トレーダは、銘柄の価格が上昇するまで、彼の銘柄の全部を保持するよう選択することができ、そうすることで、スクリーン内のより高い価格位置に、追加の買い注文アイコンを表示させることになるだろう。対照的に、トレーダが従来型のシステムを用いていたならば、トレーダは、いつ売り注文に出すのが適切であるかを事前に知ることなしに、彼の銘柄を漸増的に売り注文に出さなければならないだろう。
【0024】
価格軸332は、ある銘柄が取引されている価格を表わす。この価格は、銘柄のロウ・プライスのように、銘柄に対する異なった質の尺度を示すことができ、債券については、その価格は債券に対する原価、または債券に付けられる利率であり、また価格はその銘柄に示される変動率に対する1つの尺度として用いられる、例えばオプションの相対的な経費の一般的な大きさである。各トレーダは自分自身の価格の尺度を用いることができる。例えば、1人のトレーダは価格軸に債券コストを用い、別のトレーダは、債券に付けられる利率を用いることができる。価格に関するトレーダの選択に関係なく、異なる注文が、トレーダの選択した価格に置き換えられてトレーダのスクリーン上に表示される。さらに、価格の目盛は完全にカスタマイズ可能である。例えば、金の鞘取引者は、金属の即金払い価格より小さい金属の先物価格間の差を計測する目盛を作ることができる。それから、鞘取引者は、金に付けられる利率を生み出す、先物/現金の価格差に、保険及び保管を含めて、運搬のコストを適用することができる。したがって、鞘取引者にとって、価格軸は利率になる。別の例において、大豆油の取引に関心のあるトレーダは、大豆を売買するが、大豆の粉砕、大豆の保管、輸送などの現時点でのコストを表わす価格軸を用いることによって、実際に大豆油の取引を行うことができる。したがって、同じ取引立合所220内の異なるトレーダは、同じ買い注文及び売り注文でも、自分の特定した価格軸で編成されたものを見るであろう。したがって本発明は、銘柄に対するトレーダ自身の関心をダイレクトに表わす銘柄の価格を持たせたビューの構築に、非常に大きな柔軟性を提供する。
【0025】
プライオリティ・ビュー312には、トレーダに他のいくつかの利点を提供する。売り注文304及び買い注文300は、トレーダがこの銘柄の市場の現時点での情勢をすばやく確認することができるように、異なる色、形、テクスチャ又はサイズ、あるいはその他の際立った視覚的な特徴を持たせて表示される。さらに、トレーダによってなされる注文は、他のトレーダの注文を表示するために用いられる視覚的な特徴とは異なった視覚的な特徴を持たせて表示される。こうすることで、トレーダは自分の注文と他のトレーダの注文とを容易に識別することができる。例えば図3aで、トレーダは、売り注文304(3)及び304(7)がトレーダ自身の売り注文304であると直ちに判断することができるので、どの市場分析よりも有利なはずである。図3aでは、トレーダが、トレーダ自身がそこに最多の買い注文300を持つトレーダであると、すばやく判断することができ、そのことから、トレーダが立合所220から彼の買い注文300を取り除けば、その銘柄の価格が下がるかもしれないことがトレーダに分かる。
【0026】
注文は、本発明のユーザ・インターフェースを用いて、様々な方法でトレーダによって出されることができる。図3aに示されるような1つの実施形態で、トレーダは、注文タスク・バー328を用いることによって、ダイレクトに注文を出すことができる。買い注文又は売り注文のいずれかの価格及び数量、ならびに期限を指定するオプションが提供される。情報が入力された後、トレーダがプレイス・オーダ(Place Order)を選択すると、注文が立合所220用のトランザクション・サーバ200に提出され、売り注文又は買い注文アイコン304、300が、所望のサイズで所望のロケーションに生成され表示される。その注文情報は、トランザクション・サーバ200に通信され、そしてそこから他のクライアント端末に通信され、その結果、新しい買い注文/売り注文が、この同じ立合所内の他のすべてのトレーダのディスプレイに現われる。好適な実施形態では、トレーダが、ポインティング・デバイスを用いて、売り注文トークン324又は買い注文トークン320のいずれかを単に選択することによって注文を出す。選択した後、トレーダは、トークンのサイズが注文の所望数量と一致するまで、売り注文又は買い注文トークン324、320のサイズを調整する。適切なサイズの注文トークンを作成するプロセスを容易にするために、現在のサイズのトークンの数量を数字で示すための、ポップアップ・ウィンドウ又は他のスクリーン・インディケータが表示されることが望ましい。次に、そのトークンが注文の所望値に対応するスクリーン上の位置にドラッグされる。トークンがドラッグされると、再びスクリーン・インディケータがその現在位置でのトークンの現在価格を表示し、トークンが正確に所望値に配置されるようにする。
【0027】
図3aの実施形態では、買い注文トークン320がディスプレ内のある位置に移動されると、価格マーカ344が買い注文トークンに付く。注文が置かれると、価格マーカ344が新しい注文の価格を指し示す。これにより、トレーダは、容易に正確にトークン320、324を所望値に移動させることができる。所望値に達した後、トレーダはポインティング・デバイス・ボタンを解除し、図3dに示されるように、買い注文のポップアップウィンドウ350が、買い注文の注文情報と共に表示される。買い注文のポップアップウィンドウ350によって、トレーダは、注文情報(価格、数量、期限)の修正、注文のキャンセル、又は現在表示されている情報を持った注文を提出できる。その注文が銘柄の売り注文である場合、図3eに示されるように、売り注文のポップアップウィンドウ354が表示される。その注文は、トランザクション・サーバに提出された後、トランザクション・サーバ200に接続されたこの取引立合所内のすべてのトレーダのスクリーン上に表示される。
【0028】
本発明のユーザ・インターフェースの追加の機能は、コンテキスト・データの提供である。コンテキスト・データは、その銘柄の過去の取引データ、他の銘柄の過去又は現在の取引データ、銘柄平均の過去又は現在の取引データからなる。例えばトレーダは、ダウ=ジョーンズ株価平均TMがスクリーン上に表示されリアルタイムで更新されることを望み得る。未処理の売り注文及び買い注文に加えて、コンテキスト・データを見ることによって、トレーダはより良く市場を予測することができる。例えば、ダウ=ジョーンズTM株価平均がコンテキスト・データとして用いられ、急激に下落しつつあるならば、トレーダはたとえ立合所220の銘柄の価格が安定していても、彼の銘柄を売り始めることを決断することができる。これによってトレーダは、市場がどの方向に向けられているかを予測することができる。トレーダにとって有用などんなタイプのデータでも、コンテキスト・データとして表示されることができる。コンテキスト・データ316は、垂直軸に価格、水平軸に時間を持つ履歴チャート316として表示されることが望ましい。履歴チャート316は、例えば時間、分間などの、いかなる期間に対しても、表示されることができる。履歴チャート316は、銘柄のデータが更新されると、周期的に更新される。図3aに示されるように、履歴チャート316が現在の銘柄を含む場合、その期間での銘柄の高値及び低値を示すバー・ラインがそのデータ内に表示される。出来高グラフ340は、グラフの下部の端に表示される。出来高グラフは、立合所220での取引の出来高を図示し、銘柄に対する市場の状態に関する追加情報をトレーダに与える。
【0029】
本発明のユーザ・インターフェースのさらに別の機能は、マーカ336の表示である。マーカ336は、トレーダによって指定された価格を計る計測基準を示す。その計測基準は、その銘柄の価格がアクション値より上がるか、あるいはアクション値より下がる場合に、トレーダが行動すべきである価格を識別する、その銘柄に対する現時点でのアクション値を決定する。例えば、図3bでは、価格を計る計測基準が、68.57ドルのアクション値を生成している。マーカ336は、現時点の買い注文300及び売り注文304に関するアクション値の位置をトレーダに示すために、この価格で表示される。図3bの例では、マーカがアクション・ライン336として表示される。見て分かるように、未処理の買い注文はアクション・ライン336より下であり、現時点の売り注文はアクション・ライン336より上である。これは、どのようなアクションも講じられるべきでないことをトレーダに示す。
【0030】
価格を計る計測基準は、銘柄の真価を突き止めるのに重要であるとトレーダが信じる因数に基づいたアルゴリズムあるいは定式でありうる。この計測基準は、価格と収益の比率、変動率、注文のボリューム、パーセント利得、あるいは任意の単純又は複雑なデザイン、を反映するよう設定されることができる。トレーダは顧客計測基準を入力することができるか、あるいは計測基準のあらかじめ指定されたリストから計測基準を選択することができる。計測基準は、第三者から購入され、クライアント端末104に組み込まれることができる。このことによって、新しい計測基準がいつでも追加されることが可能である。計測基準によって表示されるアクション値は、クライアント端末104又はサーバ200のいずれかによって動的に決定され、そして計測基準のコンポーネントに関わる新しいデータが受け取られた時はいつも、更新される。したがって、トレーダは、トレーダのアクション・ライン336を更新する最新情報を与えられ、可能な注文に関して、現時点での、情報に基づく判断を行うことが可能である。例えば、図3cでは、計測基準が図3bの時点から更新されている。アクション・ライン336が、80.21ドルという新しいアクション値に対応するように移動したのである。見て分かるように、更新されたアクション・ライン336を表示することによって、未処理の売り注文が今は彼のアクション・ライン336より下にあるので、図3bの時点から図3cの時点まで売り注文自体が同じ価格のままであったという事実にもかかわらず、これらの売り注文が購入されるべきであるということを、トレーダは直ちに判断することができる。
【0031】
上に説明されるように、トレーダは同時にいくつかの取引立合所220に接続されることができる。トレーダが複数の接続を持っていれば、トレーダは異なる立合所220を同時に見ることができる、あるいは、トレーダが単一の銘柄に専念したければ、トレーダは1つの立合所220だけを表示させることができる。さらに、トレーダは、トレーダの好みに合うように、ビューに対する様々なオプションを無効にして、トレーダの特定の端末104の視界を最大限にすることができる。
【0032】
図4は、本発明に従ったユーザ・インターフェースの代替的なビューを示す。価格/数量のビュー420は、第1の軸408を価格に、第2の軸412を数量に用いて、その銘柄に対する市場を図示する。したがって、各売り注文アイコン400及び各買い注文アイコン404の位置は、売り注文又は買い注文に対する価格、及び売り注文又は買い注文がなされる数量を表わす。随意で、コンテキスト・データと同様に、アクション・ライン336もまた表示される。代替的なビューは、市場の状態についての直覚的な異なった見方を提供する。代替的なビューの提供によって、図3cに示されるように、本発明の電子取引システムは、異なるトレーダの異なる好みが満たされることを可能にする。このビューでの注文は、売り注文トークン416又は買い注文トークン412を選択し、所望の数量及び価格に対応する位置にトークンを移動させることにより提出される。トレーダが直ちに購入したい場合は、トレーダは、任意の売り注文トークンのちょうど上を覆う位置に買い注文トークン412を単にドラッグすることがき、そうすると、売り注文トークンのそれに等しい価格及び数量を備えた買い注文を表示するウィンドウが、ポップアップする。トレーダが直ちに売りたい場合は、トレーダは、任意の買い注文トークンのちょうど上を覆う位置に売り注文トークン416を単にドラッグすることができ、そうすると、買い注文トークンのそれに等しい価格及び数量を備えた売り注文を表示するウィンドウが、ポップアップする。その後、トレーダは取引を実行することができる。
【0033】
図5は本発明に従ったユーザ・インターフェースの好適な実施形態を図示するフローチャートである。トランザクション・サーバ200から受け取られるデータを通して、クライアント端末104は、買い注文の数量及び価格に対応する少なくとも1つの未処理の買い注文アイコンを表示する500。またクライアント端末104は、売り注文の数量及び価格に対応する少なくとも1つの未処理の売り注文アイコンを表示する504。したがって、少なくとも1つの未処理の買い注文及び売り注文アイコンを表示することによって、「ブック」が開かれ、クライアント端末を見ているトレーダは、ある銘柄に対する供給と需要における傾向を容易に見つけることができ、すばやく市場を予測することができる。
【0034】
図6は、本発明のプライオリティ・ビュー312に従った注文アイコンを生成するための方法の実施形態を示す。まず、クライアント端末104は注文タイプを受け取る600。注文は、買い注文又は売り注文のいずれかでありうる。トレーダは、注文を出すために、売り注文又は買い注文のトークンを選択することにより、あるいはタスク・バー上の注文タイプを手動で指し示すことにより、タイプを特定する。次に、クライアント端末104は、注文のために指定された数量を受け取る604。その数量は、上に記述されたように、注文タスク・バーの中にダイレクトに数字を入力するか、あるいは注文トークンのサイズを調整するどちらかによって、トレーダによって指定される。注文情報がタスクバーに入力される実施形態では、注文がサーバ200によって処理された後、指定された数量にその垂直サイズが一致する注文アイコンが生成される608。その後、クライアント端末104は注文に対する価格を受け取る612。再度、トレーダはタスクバーに情報を入力することにより価格を指定するか、あるいは価格に対応する位置に注文トークンをドラッグすることができる。最終的に、クライアント端末104は、価格、数量及び期限情報を表示する注文確認ウィンドウを表示する614。トレーダは、このウィンドウで注文を修正することができ、その後、ウィンドウを閉じるか又はキャンセル・ボタンを押すことによって注文をキャンセルするか、あるいはOKボタンを押すことによって注文を提出しなければならない。価格及び数量並びに注文タイプを受け取るクライアント端末104は、その情報をサーバ200に伝送する616。その後、サーバ200は注文情報を処理し、注文テーブルを更新する。
【0035】
サーバ200がクライアント端末104へ更新された注文情報を伝送すると、クライアント端末104は、プライオリティ・ビューの中で、その注文が買い注文の場合、より低い価格を持つ既存の注文に隣接してスロットが空いているかを判断し、その注文が売り注文の場合、より高い価格を持つ既存の注文に隣接してスロットが空いているかどうかを判断する618。プライオリティ・ビュー312では、水平軸は、各スロットが注文アイコン300、304に等しい幅を持ち、標準セットオフ・ユニットによって分離されるスロットに分割される。入ってくる注文は注文の価格によってソートされる。売り注文については、最低の価格を備えた売り注文が、価格の軸332に最も接近して配置され、また、買い注文については、最高の価格を備えた買い注文が価格の軸332に最も接近して配置される。新しい注文が受け取られる場合、クライアント端末104は未処理注文を再ソートし、適切な位置に注文アイコン300、304を置く。新しい注文が同タイプの既存の注文に等しい場合、その注文は既存の注文上に積み重ねられる。図6は、新しい買い注文を置く例を用いて、ソート・メカニズムのより詳細な方法論を示す。しかしながら、その方法論は、新しい売り注文を置く際にも、同様に適用可能である。
【0036】
新しい買い注文は、新しい買い注文の価格より大きな価格を持つ既存の買い注文のセットのうちの最小の価格を持つ既存の買い注文に隣接するスロットに指定される。クライアント端末104は、この決められたスロットがその中に既存の買い注文を持っているかどうかを判定する618。持っていないなら、アイコンは決められたスロットに置かれる636。スロットが既存の買い注文を保持している場合、クライアント端末104は、既存の買い注文が、要求された買い注文未満の価格を持っているかどうかを判定する620。要求された買い注文未満の価格を持つ既存の買い注文はすべてが、価格の軸332から見て、遠くに配置されている隣接スロットへ移動される640。図3aの例では、隣接するスロットは、左に配置されたスロットになる。要求された買い注文未満の価格を持つ他のすべての買い注文が、相応してシフトされる640。クライアント端末が、既存の買い注文は要求された買い注文に等しい価格を持っていると判断する624場合、要求された買い注文は、上に記述された買い注文と売り注文との間の水平方向の分離から遠ざかって、既存の買い注文(複数可)の下に積み重ねられる632。クライアント端末104が、既存の買い注文は要求された買い注文より大きいと判断する場合628、新しいスロットが、要求された買い注文用に決定され628、プロセスが繰り返される。
【0037】
図7に示されるように、新しい買い注文情報を受け取ると、トランザクション・サーバ200は、要求された買い注文以下の価格を持つ注文テーブル内に既存の売り注文があるかどうかを判定する700。ない場合、新しい買い注文はテーブルに追加され、新しい買い注文に関する情報が、表示のためにクライアント端末104に送られる702。要求された買い注文以下の既存の売り注文がある場合、つまり、新しい買い注文が最も高い価格を持つ未処理の買い注文である場合、サーバ200は、既存の売り注文が買い注文によって示される数量未満の数量しか持っていないかどうかを判定する704。売り注文が買い注文未満の数量しか持っていない場合、サーバは、注文テーブルからその売り注文を削除し706、そして削除された売り注文の数量分だけ数量を減少させられた新しい買い注文を注文テーブルに追加する。
【0038】
サーバ200は、新しい買い注文を提出していたトレーダと、削除された売り注文を提出していたトレーダとの間の取引を、売り注文の価格に等しい価格で、及び売り注文の数量に等しい数量で記録する720。未処理のクライアント端末104のすべてが、その取引に関する情報を送られる。その後、クライアント端末104は、既存の売り注文アイコンを削除し、既存の売り注文アイコンと要求された買い注文アイコンとの間の数量の差に相当するサイズを持つ買い注文アイコンを追加する。トランザクション・サーバ200は、その買い注文に残っている数量で別の取引を作ることができるかどうかを判断するために、要求された買い注文以下の価格を持つ既存の売り注文が、注文テーブル内にあるかどうかを再び判定する700。
【0039】
またサーバ200は、売り注文が、要求された買い注文の数量より大きな数量を持っているかどうかを判定する708。そうである場合、売り注文の数量は、買い注文の数量分だけ減少させられ716、更新された売り注文情報が、表示のためにクライアント端末104に送られる717。新しい買い注文を提出していたトレーダと、売り注文を提出していたトレーダとの間の取引が、売り注文の価格に等しい価格で、及び売り注文の数量に等しい数量で記録される720。未処理のクライアント端末104のすべてが、その取引に関する情報を送られ、それに従ってユーザ・インターフェース表示を更新する。
【0040】
買い注文及び売り注文の数量が等しい場合、売り注文はテーブルから削除され712、取引は完了する。新しい買い注文を提出していたトレーダと、売り注文を提出していたトレーダとの間の取引が、売り注文の価格に等しい価格で、及び買い注文の数量に等しい数量で記録される720。未処理クライアント端末104のすべてが、取引に関する情報を送られ、それに従ってユーザ・インターフェース表示を更新する。
【0041】
図8に示されるように、価格/数量のビューで、クライアント端末104は、価格を受け取り800、数量を受け取り804、そして新しい注文に対する注文タイプを受け取る806。確認ウィンドウが表示され807、注文を確認すると、注文情報がサーバ200に伝送される。ここでもやはり、トレーダが情報をダイレクトに入力するか、あるいは注文トークンを適切な位置にドラッグすることに反応してこれが起こり、そしてその注文を確認する。サーバ200は注文情報を受け取り、注文テーブルを更新し、クライアント端末104に更新された情報を送る。クライアント端末104は、数量の軸及び価格の軸に関して、注文の価格及び数量に対応する位置に新しい注文アイコンを表示する。新しい注文が売り注文で、その売り注文の価格以上の価格を持つ既存の買い注文がある場合、取引が達成され、新しい売り注文トークンあるいは修正される買い注文トークンが、元の売り注文及び買い注文アイコンが示していた数量に応じて表示される。
【0042】
図9は、本発明に従った、ピット・パネル・ビュー900と呼ばれる取引立合所ビュー900を示す。ピット・パネル・ビュー900は、立合所220の他のメンバーに、視覚的なインターフェースを提供する。立合所220に現時点で登録されているユーザのすべてが、立合所パネル900に表示される。これは立合所220の活動に関わるトレーダにとって、重要な情報である。立合所220が混雑している場合、トレーダは取引の変動を期待することができる。立合所220が空いている場合、トレーダは、銘柄に対して薄い商いと比較的安定した価格を期待することができる。
【0043】
立合所パネル900は、トレーダ・アイコン912、オブザーバ・アイコン904、及びフロア・ブローカ・アイコン908を表示する。オブザーバは、立合所220に登録されるが、積極的には取引しないユーザであり、フロア・ブローカは、立合所の銘柄及びトレーダについての専門的知識を持っていて、普通でない取引を実行する際にトレーダを支援する個人であり、複数のトレーダと取引を取り決めたり、あるいは他のトレーダにトレーダについての履歴及び情報を提供する。オブザーバは自分自身のためには取引しないので、彼等のアイコン904は、立合所アイコン916の外部に置かれる。取引しないフロア・ブローカもまた、彼等のアイコン908を立合所アイコン916の外部に置く。
【0044】
トレーダ・アイコン912は、立合所アイコン916に表示される。立合所アイコン916は、連続した同心性の多角形として表示されることが望ましく、そこのそれぞれの多角形は、1つ又は複数の活動レベルを表わす。より活動的なトレーダは、立合所アイコン916の中央に接近して置かれる。最も活動的なトレーダ、図9の例ではトレーダ912(1)は、立合所アイコン916の中央に置かれる。好適な実施形態では、各多角形は活動レベルの範囲を表わす。例えば、最も内側の多角形には、2番目から9番目に高い活動レベルを持つトレーダが含まれる。次の多角形には、10番目から26番目に高い活動レベルを持つトレーダが含まれ、以下同様である。トレーダを活動の程度でグループ化すること、そうして多角形によって表される範囲からシフトしているトレーダの活動レベルに応じてのみ、トレーダのアイコンを多角形から移動させることによって、立合所アイコン916のディスプレ内のアイコンの変化及びその結果として生じるフリッカが最小限にされる。しかしながら、トレーダは、立合所アイコン916内のトレーダ・アイコン912の相対的な位置に注意することによって、立合所220の活動的なトレーダが誰であるか、及びそのトレーダがどれくらい活動的であるかを、容易に確認することができる。
【0045】
各トレーダ・アイコン912は、トレーダが未処理にしている注文の数量を示すための注文インディケータ913を持つ。買い注文及び売り注文に対応する分離したインディケータ913が各々あることが望ましく、その各々がトレーダが現時点で発行している未処理の買い注文及び売り注文のボリュームを示す。他の注文インディケータ913、例えば、注文の全数量の合計、又は特定期間内に入力された注文のボリュームを指し示すインディケータが随意に表示される。またトレーダのアイコン912を選択すると、プライオリティ・ビュー、価格/数量のビュー、及び注文を表示するシステムに提供される他のビュー、の上のトレーダの注文が強調表示され、そしてそれはすべて同時に表示されることができる。トレーダ・アイコン912をダブルクリックすると、図11で示されような通信ウィンドウが生成され、それによってトレーダは、選択された別のトレーダへ電子メール・メッセージ1108を送ったり、テキスト・チャット・セッションの一部としてインスタント・メッセージ1104を送ったり、ネットワーク接続1112を介して音声で通信したり、あるいは後の電話又は他の任意の通信をセット・アップすることができる。したがって、立合所パネル900は、有益な情報を視覚的に表わすことによって立合所220内に連帯感を提供し、またトレーダが市場を予測する際に用いることができる追加情報をトレーダに提供する。
【0046】
図10は、本発明に従った、トレーダ・アイコンを生成し配置するための好適な実施形態を図示するフローチャートである。まず、取引立合所アイコン916が表示される1000。次に、クライアント104が、事前に決められた時間が経過したかどうかを判定する1004。立合所パネル・データは周期的に更新され、クライアント104は、新しいデータを備えた表示が再生成されるまで、それに要する時間を待つ。サーバ200が、事前に決められた期間が終了したと判断すると1004、第1のトレーダ・アイコンが選択される1008。クライアント104は、サーバ200によって提供されるデータから、トレーダがサーバ200にまだ接続されているかどうかを判定する1010。トレーダが接続されていないなら、そのトレーダ用のトレーダ・アイコン912が削除され1011、そしてクライアント104は、さらなるトレーダがあるかどうかを判定する1020。そのトレーダがまだ接続されているなら、そのトレーダに対して活動レベルが決定される1012。活動レベルは、未処理注文のボリューム、未処理注文の価格、最近の活動、あるいはトレーダがどれほど活動的であったかを判断する他の指標、の組合せとして決定される。活動レベルが決定されたならば、クライアント104は、活動レベルに対応する位置にそのトレーダ用のアイコン912を表示する1016。注文インディケータ913が表示される実施形態では、注文インディケータ913は、最新の注文データを含むように更新される。好適な実施形態の中で、上に説明されるように、立合所アイコン916は同心性の多角形又は輪で構成され、トレーダは活動レベルによって順序付けられ、各多角形は活動レベルの順序の範囲を表わす。トレーダの活動レベルが決定された後、トレーダは彼等の活動レベルに応じて再び順序付けられ、各トレーダ用のトレーダ・アイコン912が、トレーダの順序に対して指定される多角形に配置される。クライアント104は、さらなるトレーダがいるかどうかを判定する1020。いない場合、クライアント104は、傍聴人がいるかどうかを判定し1024、もし傍聴人がいる場合、最初の傍聴人アイコン904、908を選択し1028、そしてサーバ200によって提供されるデータを用いて、その傍聴人が接続されているかどうかを判定する1032。その傍聴人が接続されていなければ、その傍聴人アイコンは削除される1040。その傍聴人が接続されていれば、クライアント104はさらなる傍聴人がいるかどうかを判定する1036。いない場合、立合所パネル900のビューが、現時点のユーザ及び彼等の現時点の活動レベルを反映するように更新されたということなので、クライアント104は、事前に決められた時間が終了したかどうかを判定するステップ1004に戻る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11