(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247761
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】産業用制御システムのモジュール種別を強化する方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/05 20060101AFI20171204BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
G05B19/05 L
G05B19/418 Q
【請求項の数】29
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-533278(P2016-533278)
(86)(22)【出願日】2013年8月6日
(65)【公表番号】特表2016-529616(P2016-529616A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】US2013053716
(87)【国際公開番号】WO2015020631
(87)【国際公開日】20150212
【審査請求日】2016年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】514091080
【氏名又は名称】ベドロック・オートメーション・プラットフォームズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】カルヴァン,ジェームズ・ジー
(72)【発明者】
【氏名】ルーヤッカーズ,アルバート
【審査官】
黒田 暁子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2001−518749(JP,A)
【文献】
特開昭63−015511(JP,A)
【文献】
特開平06−021823(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0329364(US,A1)
【文献】
特開2012−070365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/05
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラム可能離散入力モジュールであって、
入力信号に基づいてパルス幅変調信号を発生するように構成されるパルス幅変調モジュールと、
復調パルス幅信号を発生するように構成されるパルス幅復調モジュールと、
前記パルス幅変調モジュールおよび前記パルス幅復調モジュールを少なくとも実質的に絶縁するように構成されるアイソレータであって、前記復調パルス幅信号を発生する前記パルス幅復調モジュールのために、パルス幅変調信号に基づいて、絶縁された変調パルス幅信号を発生するように構成される、アイソレータと、
前記パルス幅復調モジュールに通信可能に結合される第1比較器であって、前記復調パルス幅信号を第1プログラム可能基準と比較するように構成され、該比較に基づいて、第1比較器出力信号を出力するように構成される、第1比較器と、
前記パルス幅復調モジュールに通信可能に結合される第2比較器であって、前記復調パルス幅信号を第2プログラム可能基準と比較するように構成され、該比較に基づいて、第2比較器出力信号を出力するように構成される、第2比較器と、
前記第1比較器および前記第2比較器に通信可能に結合されるデジタル・フィルタであって、前記第1比較器出力信号または前記第2比較器出力信号の少なくとも一方をデジタル的にフィルタして、離散入力信号を発生するように構成される、デジタル・フィルタと
を備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項2】
請求項1記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記デジタル・フィルタが、有形コンピュータ可読媒体を有するメモリと結合されるプロセッサを含むマイクロコントローラを備え、前記有形コンピュータ可読媒体が、前記プロセッサに、デジタル・フィルタ機能を提供させるために、前記プロセッサによって実行可能なプログラムを組み込む、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項3】
請求項1記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記デジタル・フィルタが、デジタル・フィルタ機能を提供するように構成されるフォールド・プログラマブル・ゲート・アレイを備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項4】
請求項1記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記デジタル・フィルタが、デジタル・フィルタ機能を提供するように構成される離散回路を備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項5】
請求項1記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記パルス幅変調モジュールが、有形コンピュータ可読媒体を有するメモリと結合されるプロセッサを備え、前記有形コンピュータ可読媒体が、前記プロセッサに、パルス幅変調機能を提供させるために、前記プロセッサによって実行可能なプログラムを組み込む、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項6】
請求項1記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記パルス幅変調モジュールが、パルス幅変調機能を提供するように構成されるフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイを備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項7】
請求項1記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記パルス幅変調モジュールが、パルス幅変調機能を提供するように構成される特定用途向け集積回路を備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項8】
請求項1記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記第1比較器または前記第2比較器の少なくとも一方がデジタル比較器を備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項9】
請求項1記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記第1比較器または前記第2比較器の少なくとも一方が、更に、有形コンピュータ可読媒体を有するメモリと結合されるプロセッサを備え、前記有形コンピュータ可読媒体が、前記プロセッサに、比較機能を提供させるために、前記プロセッサによって実行可能なプログラムを組み込む、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項10】
請求項1記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記第1プログラム可能基準または前記第2プログラム可能基準の少なくとも一方が、前記第1プログラム可能基準または前記第2プログラム可能基準の少なくとも一方に関連づけられるセット・ポイントを選択するために、ユーザによってプログラムされるように構成されるユーザ選択可能プログラム可能基準を含む、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項11】
請求項1記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記アイソレータが、前記パルス幅変調信号に基づいて、電磁放射線を、制限された波長のスペクトルで発出するように構成される光送信機と、前記電磁放射線を、制限された波長のスペクトルで検出するように構成され、該検出に応答して前記絶縁された変調パルス幅信号を発生するように構成される光センサとを備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項12】
請求項1記載のプログラム可能離散入力モジュールであって、更に、入力端および出力端を有する電圧変換器を備え、前記出力端が前記パルス幅変調モジュールに通信可能に結合され、前記電圧変換器が、前記入力端におけるアナログ電圧信号を前記出力端における直流電流信号に変換するように構成され、前記直流電流信号が前記入力信号を含む、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項13】
請求項12記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記電圧変換器がブリッジ整流器を備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項14】
プログラム可能離散入力モジュールであって、
デジタル入力信号に基づいて、パルス幅変調信号を発生するように構成されるパルス幅変調モジュールと、
復調パルス幅信号を発生するように構成されるパルス幅復調モジュールと、
前記パルス幅変調モジュールおよび前記パルス幅復調モジュールを少なくとも実質的に絶縁するように構成されるアイソレータであって、前記復調パルス幅信号を発生する前記パルス幅復調モジュールのために、パルス幅変調信号に基づいて、絶縁されたパルス幅変調信号を発生するように構成される、アイソレータと、
前記パルス幅復調モジュールに通信可能に結合される第1比較器であって、前記復調パルス幅信号を第1プログラム可能基準と比較するように構成され、該比較に基づいて、第1比較器出力信号を出力するように構成される、第1比較器と、
前記パルス幅復調モジュールに通信可能に結合される第2比較器であって、前記復調パルス幅信号を第2プログラム可能基準と比較するように構成され、該比較に基づいて、第2比較器出力信号を出力するように構成される、第2比較器と、
前記第1比較器および前記第2比較器に通信可能に結合されるデジタル・フィルタであって、前記第1比較器出力信号または前記第2比較器出力信号の少なくとも一方をデジタル的にフィルタして、離散入力信号を発生するように構成される、デジタル・フィルタと
を備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項15】
請求項14記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記デジタル・フィルタが、有形コンピュータ可読媒体を有するメモリと結合されるプロセッサを含むマイクロコントローラを備え、前記有形コンピュータ可読媒体が、前記プロセッサに、デジタル・フィルタ機能を提供させるために、前記プロセッサによって実行可能なプログラムを組み込む、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項16】
請求項14記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記デジタル・フィルタが、デジタル・フィルタ機能を提供するように構成されるフォールド・プログラマブル・ゲート・アレイを備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項17】
請求項14記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記デジタル・フィルタが、デジタル・フィルタ機能を提供するように構成される離散回路を備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項18】
請求項14記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記パルス幅変調モジュールが、有形コンピュータ可読媒体を有するメモリと結合されるプロセッサを備え、前記有形コンピュータ可読媒体が、前記プロセッサに、パルス幅変調機能を提供させるために、前記プロセッサによって実行可能なプログラムを組み込む、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項19】
請求項14記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記パルス幅変調モジュールが、パルス幅変調機能を提供するように構成されるフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイを備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項20】
請求項14記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記パルス幅変調モジュールが、パルス幅変調機能を提供するように構成される特定用途向け集積回路を備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項21】
請求項14記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記第1比較器または前記第2比較器の少なくとも一方がデジタル比較器を備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項22】
請求項14記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記第1比較器または前記第2比較器の少なくとも一方が、更に、有形コンピュータ可読媒体を有するメモリと結合されるプロセッサを備え、前記有形コンピュータ可読媒体が、前記プロセッサに、比較機能を提供させるために、前記プロセッサによって実行可能なプログラムを組み込む、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項23】
請求項14記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記第1プログラム可能基準または前記第2プログラム可能基準の少なくとも一方が、前記第1プログラム可能基準または前記第2プログラム可能基準の前記少なくとも一方に関連づけられるセット・ポイントを選択するために、ユーザによってプログラムされるように構成されるユーザ選択可能プログラム可能基準を含む、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項24】
請求項14記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記アイソレータが、前記パルス幅変調信号に基づいて、電磁放射線を、制限された波長のスペクトルで発出するように構成される光送信機と、前記電磁放射線を、制限された波長のスペクトルで検出するように構成され、該検出に応答して前記絶縁されたパルス幅変調信号を発生するように構成される光センサとを備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項25】
請求項14記載のプログラム可能離散入力モジュールであって、更に、入力端および出力端を有する電圧変換器を備え、前記出力端が前記パルス幅変調モジュールに通信可能に結合され、前記電圧変換器が、前記入力端におけるアナログ電圧信号を前記出力端における直流電流信号に変換するように構成される、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項26】
請求項25記載のプログラム可能離散入力モジュールにおいて、前記電圧変換器がブリッジ整流器を備える、プログラム可能離散入力モジュール。
【請求項27】
離散入力信号を発生する方法であって、
入力信号を受け取るステップと、
パルス幅変調モジュールにおいて、前記入力信号に基づいてパルス幅変調信号を発生するステップと、
パルス幅復調モジュールによる復調のために、アイソレータにおいて、前記パルス幅変調信号に基づいて、絶縁されたパルス幅変調信号を発生するステップであって、前記アイソレータが、前記パルス幅変調モジュールおよび前記パルス幅復調モジュールを絶縁するように構成される、ステップと、
前記絶縁されたパルス幅変調信号に基づいて、前記パルス幅復調モジュールにおいて、パルス幅復調信号を発生するステップと、
第1比較器において前記パルス幅復調信号および第1プログラム可能基準の比較に基づいて、第1比較信号を発生するステップと、
第2比較器において前記パルス幅復調信号および第2プログラム可能基準の比較に基づいて、第2比較信号を発生するステップであって、前記第1プログラム可能基準が前記第2プログラム可能基準とは異なる、ステップと、
離散入力信号を発生するために、デジタル・フィルタにおいて、前記第1比較信号または前記第2比較信号の少なくとも一方をフィルタするステップと
を含む、方法。
【請求項28】
請求項27記載の方法であって、更に、前記第1プログラム可能基準のための第1セット・ポイントを規定すること、または、前記第2プログラム可能基準のための第2セット・ポイントを規定することの少なくとも一方についてのユーザ選択を受け取るステップを含む、方法。
【請求項29】
請求項27記載の方法において、前記絶縁されたパルス幅変調信号を発生するステップは、前記パルス幅変調信号に基づいて、電磁放射線を、制限された波長のスペクトルで放出するステップ、および、光センサにおいて、前記電磁放射線を、制限された波長のスペクトルで検出するステップを含み、
前記光センサが、前記検出に応答して前記絶縁されたパルス幅変調信号を発生するように構成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 産業用制御システム(ICS)は、様々な産業的環境およびクリティカルなインフラストラクチャで用いられる幾らかの種別の産業用プロセス制御システムを含む。産業用制御システム(ICS)の例は、これに限定されないが、管理制御およびデータ収集(SCADA)システム、分散制御システム(DCS)、および、例えば、プログラム可能論理コントローラ(PLC)を用いた他の制御装置等を含む。産業用環境またはインフラストラクチャ環境において遠隔局から収集される情報を用いて、オートメーション化され、および/またはオペレータ駆動方式の管理命令は、遠隔局の制御デバイスに送信することができる。これら制御デバイスは様々なローカル動作を制御することができる。例えば、弁や遮断器の開閉、ソレノイドの動作、センサ・システムからのデータ収集、およびローカル環境の警報状態の監視である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
[0002] プログラム可能離散入力モジュールについて説明する。1つ以上の実施形態において、プログラム可能離散入力モジュールは、入力信号に基づいてパルス幅変調信号を生成するように構成されるパルス幅変調モジュール、および復調パルス幅信号を生成するように構成されるパルス幅復調モジュールを含む。アイソレータは、パルス幅変調モジュールおよびパルス幅復調モジュールを絶縁するように構成される。アイソレータは、復調パルス幅信号を生成するパルス幅復調モジュールに供給されるパルス幅変調信号に基づいて、絶縁された変調パルス幅信号を発生するように構成される。第1比較器および第2比較器は、復調パルス幅信号を各プログラム可能基準と比較する。デジタル・フィルタは、離散入力信号を発生するために、第1比較器または第2比較器による比較信号出力をフィルタする。
【0003】
[0003] 本摘要は、以下の詳細な説明で更に説明される単純化した形態での概念の選択を導入するために提供される。本摘要は、特許請求される主題のキーとなる特徴または必須の特徴を特定することを意図せず、また、特許請求される主題の範囲を決定するのを支援するように用いられるのを意図するのでもない。
【0004】
[0004] 詳細な説明について添付の図面を参照して説明する。詳細な説明や図中の異なる例における同一の符号の使用により、類似または同一の項目を示すことがある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本開示の例示の実装態様により、産業用制御システムを図示するブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の例示の実装態様により、プログラム可能離散出力モジュールを図示するブロック図である。
【
図3】
図Aおよび3Bは、本開示の特定の実装態様により、
図2に示されるプログラム可能離散出力モジュールを図示する回路図である。
【
図4】
図4は、本開示の例示の実装態様により、プログラム可能離散入力モジュールを図示するブロック図である。
【
図5】
図5は、本開示の特定の実装態様により、
図4に示されるプログラム可能離散入力モジュールを図示する回路図である。
【
図6】
図6は、本開示の例示の実装態様により、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイや特定用途向け集積回路デバイス等として実装できるコンピューティング・デバイスを図示するブロックである。
【
図7】
図7は、本開示の例示の実装態様により、過電流イベントが発生したかどうかについての例示の方法を図示するフロー図である。
【
図8】
図8は、本開示の例示の実装態様により、離散入力信号を発生する例示の方法を図示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
概要
[0013] 産業用制御システム/プロセス制御システムは通例、入力/出力モジュールを含む。入力/出力モジュールは、機器(instrument)とインタフェースするように、または、電源バックプレーンを介してプロセスまたはフィールドの出力機器に命令を送信するように構成される。例えば、入力/出力モジュールは、産業プロセスに関連づけられた特性を測定するためのプロセス・センサとインタフェースするように使用することができる。他の例では、入力/出力モジュールは、モータの動作を制御するためのモータとインタフェースするように使用することができる。その結果、様々な入力/出力モジュールは、システムの様々な入力/出力用機器とインタフェースすることが必要となる。例えば、入力/出力モジュールとインタフェースする様々な機器は、異なる電圧レベルまたは電圧タイプで動作する。つまり、特定の機器は、専用の入力/出力モジュールを必要とする。例えば、24ボルト(24V)で動作する第1機器(例えば、センサ)のために、専用の入力/出力モジュールを必要とし、240ボルト(240V)で動作する第2機器(例えば、モータ)のために、他の専用の入力/出力モジュールを必要とする。
【0007】
[0014] そこで、プログラム可能離散出力モジュールについて開示する。1つ以上の実装態様において、プログラム可能離散出力モジュールは、電流値を示す電流検知信号を発生する電流検知回路を含む。例えば、電流検知回路は、インピーダンス素子と並列に接続される差動増幅器を備えることができる。差分増幅器は、インピーダンス素子全体の電圧降下を表す出力信号(例えば、電流検知信号)を発生するように構成され、電流検知回路による電流の流れを示す。プログラム可能離散出力モジュールはまた、電流検知信号を過電流基準と比較するように構成される比較器を含み、過電流イベントが発生したかを示す比較信号を発生する。マイクロコントローラは、比較器に電気的に接続され、1つ以上のプログラム可能パラメータに基づいてスイッチング素子を制御する(例えば、挙動として制御する)ように構成される。プログラム可能パラメータは、プログラム可能離散出力モジュールとインタフェースするように構成される負荷および/またはモジュール内の現在の状態に基づいて、スイッチング素子の動作を命令することができる。実施形態において、プログラム可能離散出力モジュールは、ガルヴァニック絶縁(galvanic isolation)をプログラム可能離散出力モジュールに供給するための1つ以上のアイソレータを含む。
【0008】
[0015] プログラム可能離散出力モジュール内の1つ以上のコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、それらの組み合わせ等で実装することができる。幾らかの実装態様の中には、プログラム可能離散出力モジュールは、産業用制御システム・コンポーネントとインタフェースするように構成されるものもある。産業用制御システム・コンポーネントは、必ずしもこれに限定されないが、24ボルト(24V)、48ボルト(48V)、120ボルト(120V)、または240ボルト(240V)のスイッチ電圧で動作するモジュールを含む。これらのコンポーネントはまた、交流(AC)電圧または直流(DC)電圧を利用して動作することもできる。つまり、モジュールは、通例、複数の離散モジュールに関連付けられる機能(例えば、凡そ8個の出力モジュールの機能を1個の出力モジュールで置き換える)を提供し、また、実質的に時間をおくことなくAC/DC応答を供給することができる。
【0009】
[0016] プログラム可能離散入力モジュールについても説明する。1つ以上の実装態様において、入力信号に基づいてパルス幅変調信号を発生するように構成されるパルス幅変調モジュール、および復調パルス幅信号を発生するパルス幅復調モジュールを備える。アイソレータは、パルス幅変調モジュールおよびパルス幅復調モジュールを絶縁し、また、復調パルス幅信号を発生するパルス幅復調モジュールのために、パルス幅変調信号に基づいて、絶縁された変調パルス幅信号を発生するように構成される。プログラム可能離散入力モジュールはまた、復調パルス幅信号をそれぞれのプログラム可能基準と比較する第1比較器および第2比較器を含む。デジタル・フィルタは、離散入力信号を発生するために、l第1比較器または第2比較器による比較信号出力をフィルタするように構成される。
【0010】
[0017] プログラム可能離散入力モジュールは、ユーザがプログラム可能基準またはセット・ポイントを、プログラム可能ヒステリシスと同様に選択することを可能にする既存のコンポーネントを利用することができ、他のプログラム可能離散出力モジュールと比べて動作コストを削減することができる。プログラム可能離散出力モジュール内1つ以上のコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、それらの組み合わせ等で実装することができる。プログラム可能離散入力モジュールは、産業用制御システム・コンポーネントとインタフェースするように構成される。産業用制御システム・コンポーネントは、必ずしもこれに限定されないが、24ボルト(24V)、48ボルト(48V)、120ボルト(120V)、または240ボルト(240V)のスイッチ電圧で動作するコンポーネントを含む。これらのコンポーネントはまた、交流(AC)電圧または直流(DC)電圧を利用して動作することもできる。つまり、プログラム可能離散入力モジュールは、通例、複数の離散入力モジュールに関連付けられる機能(例えば、凡そ16枚のカードの機能を1枚のカードで置き換える)を提供し、また、実質的に時間をおくことなくAC/DC応答を供給することができる。
【0011】
例示の産業用制御システム/プロセス制御システム
[0018]
図1は、1つ以上の産業用制御システム・コンポーネント(例えば、センサやモータ等)を制御または動作するための産業用制御システム/プロセス制御システム100を示す。実施形態において、産業制御システム/プロセス制御システム100は、プロセッサ104およびメモリ106を含むコンピューティング・デバイス102を含む。プロセッサ104は、コンピューティング・デバイス102に処理機能を提供し、また、如何なる数のプロセッサ、マイクロコントローラ、または他の演算処理システムをも含む。また、コンピューティング・デバイス102によってアクセスまたは生成されるデータや他の情報を格納するレジデンシャル・メモリまたは外部メモリを含むことができる。プロセッサ104は、本明細書において説明する技術を実装する1つ以上のソフトウェア・プログラム(例えば、モジュール)を実行することができる。
【0012】
[0019] メモリ106は、コンピュータ可読媒体の例であり、コンピューティング・デバイス102の動作に関連付けられる様々なデータ、本明細書で説明するソフトウェア機能、またはプロセッサ104およびコンピューティング・デバイス102の他の構成要素に対し本明細書で説明するステップを実行するように命令する他のデータを格納するストレージ機能を提供する。単一のメモリ106をコンピューティング・デバイス102内に示しているものの、多種多様な種別および組み合わせのメモリを採用することができる。メモリ106は、プロセッサ104、スタンド・アロンのメモリ、または両方の組み合わせとして統合してもよい。メモリは、例えば、着脱可能および着脱不可能なメモリ要素、例えば、RAM、ROM、フラッシュ・メモリ(例えば、SDカード、ミニSDカード)、磁気メモリ、光メモリ、USBメモリ・デバイス等を含むことができる。
【0013】
[0020] コンピューティング・デバイス102は、該コンピューティング・デバイス102内に含まれる通信モジュール112を介して、1つ以上の入力/出力(I/O)モジュール108(即ち、フィールド・デバイス、プログラム可能離散入力/出力デバイス(例えば、プログラム可能離散出力モジュール200またはプログラム可能離散入力モジュール400))と通信ネットワーク110を通じて通信可能に結合される。本開示の特定の実装態様において、通信ネットワーク110はバックプレーン113を備え、電源を供給するのに、および/または、モジュール200,400のそれぞれの回路との通信を提供するのに用いる。他の実装態様において、通信ネットワークは、様々な異なる種別のネットワークおよび接続を少なくとも部分的に含むことができ、これに限定されないが、交換機機構、インターネット、イントラネット、衛星ネットワーク、セルラ・ネットワーク、モバイル・データ・ネットワーク、有線および/または無線接続等を含む。
【0014】
[0021] 無線ネットワークは、如何なる複数の通信規格、プロトコルおよび技術を含むことができ、これに限定されないが、モバイル通信用グローバル・システム(GSM(登録商標))、強化データGSM環境(EDGE)、高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、ブルートゥース(登録商標)、無線フィデリティ(Wi−Fi)(例えば、IEEE802.11a,IEEE802.11b,IEEE802.11gおよび/またはIEEE802.11n)、ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル(VoIP)、Wi−MAX、電子メール用プロトコル(例えば、インターネット・メッセージ・アクセス・プロトコル(IMAP)および/またはポスト・オフィス・プロトコル(POP))、インスタント・メッセージング(例えば、拡張可能メッセージングおよびプレゼンス・プロトコル(XMPP))、インスタント・メッセージングおよびプレゼンス・レバレッジング用セッション開始プロトコル拡張(SIMPLE)、および/またはインスタント・メッセージングおよびプレゼンス・サービス(IMPS)、および/またはショート・メッセージ・サービス(SMS)や、如何なる適切な通信プロトコルをも含む。
【0015】
[0022] I/Oモジュール108は、1つ以上の産業用制御システム・コンポーネント109(例えばセンサおよび/またはモータ)とインタフェースするように構成される。I/Oモジュール108は、入力モジュール、出力モジュール、並びに/または入力および出力モジュールを含むことができる。例えば、入力モジュールは、プロセスまたはフィールドにおいて入力機器から情報を受信するように使用することができ、また、出力モジュールはフィールドにおいて出力機器に命令を送信するように使用することができる。例えば、I/Oモジュール108は、産業用制御システム・コンポーネント109に接続されることができる。産業用制御システム・コンポーネント109は、ガス工場や精油所等のためのパイピング圧力を測定するためのプロセス・センサを含む。実装態様において、I/Oモジュール108は、データを収集し、複数の適用分野(application)においてシステムを制御するように使用することができる。適用分野は、製造、生産、発電、製作、および精製のような産業プロセスや、水処置および給水、廃水収集および処理、石油およびガス・パイプライン、送電および給電、風力発電所、大規模通信システムのようなインフラストラクチャ・プロセスや、(例えば、ヒーティング、ベンチレーション、およびエア・コンディショニング(HVAC)装置およびエネルギ消費を監視・制御する)建物、空港、船、および宇宙ステーションのための施設プロセスや、石油およびガス、精油、化学薬品、医薬、食品および飲料、水および廃水、パルプおよび紙、外部電力、鉱業、金属のような大規模キャンパス工業処理プラントや、並びに/またはクリティカルなインフラストラクチャを含むが、必ずしもこれらに限定されない。I/Oモジュール108はまた、モータを備える産業用制御システム・コンポーネント109に接続されることもでき、動作特性(例えば、モータ速度、モータ回転力等)を制御するように構成することができる。他の実装態様において、産業用制御システム・コンポーネント109は弁を備えることができ、I/Oモジュール108は、1つ以上の弁の動作特性(例えば、弁の開閉)を制御するように構成される。
【0016】
[0023] 通信モジュール112は、様々な通信コンポーネントおよび機能を表すことができ、これに限定されないが、1つ以上のアンテナ、ブラウザ、送信機および/またはレシーバ(例えば、無線周波数回路)、無線ラジオ、データ・ポート、ソフトウェア・インタフェースおよびドライバ、ネットワーク・インタフェース、データ処理コンポーネント等を含む。
【0017】
[0024]
図1に示すように、コンピューティング・デバイス102は、ユーザ(例えば、制御用システム/プロセス制御システム100の運用業者等)に視覚上の出力を表示するように構成されるディスプレイ114に通信可能に結合される。視覚上の出力は、グラフィックス、テキスト、アイコン、ビデオ、およびそれらの如何なる組み合わせ(集合的に「グラフィックス」と称する。)をも含むことができる。幾らかの実施形態の中には、視覚上の出力の一部または全部がユーザ・インタフェース・オブジェクト等に対応するものもある。コンピューティング・デバイス102は更に、ユーザとシステム100の間に通信機能を供給するためにユーザ・インタフェース・デバイス116(例えば、キーパッド、キーボード、ボタン、無線入力デバイス、指回し式ホイール入力デバイス、トラックスティック入力デバイス、タッチスクリーン等)に通信可能に結合することができる。ユーザ・インタフェース・デバイス116はまた、1つ以上の音声I/Oデバイス(例えば、マイクロホンやスピーカ等)を含むことができる。例えば、ユーザはユーザ・インタフェース・デバイス116を利用して、本明細書においてより大きく詳細に説明するように、1つ以上のプログラム可能離散入力またはプログラム可能離散出力モジュールに入力パラメータを供給することができる。
【0018】
[0025] コンピューティング・デバイス102は、産業用制御システム(ICS)モジュール118を含む。該ICSモジュールは、メモリ106に格納可能であり、また、プロセッサ104(例えば、プロセッサ108によって実行可能なプログラムを組み込む非一時的コンピュータ可読媒体)によって実行可能である。本明細書においてより詳細に説明するように、産業用制御システム・モジュール118は、コンピュータ102とI/Oモジュール108の間の通信の交換を促進する機能を、I/Oモジュール108(例えば、プログラム可能離散出力モジュール200、プログラム可能離散入力モジュール400)への動作パラメータを制御および/または提供するのと同様に表す。
【0019】
例示のプログラム可能離散出力モジュール
[0026]
図2、
図3Aおよび
図3Bは、本開示の例示の実装態様による、例示のプログラム可能離散出力モジュール200を示す。プログラム可能離散出力モジュール200は、産業用制御システム/プロセス制御システム100用の別個の通信チャネルを表す。プログラム可能離散出力モジュール200は、1つ以上の産業用システム制御コンポーネントとインタフェースするように構成することができる。当該コンポーネントは、これに限定されないが、温度センサ、液体タンク・センサ、圧力センサ等を含む。本開示の実装態様において、プログラム可能離散出力モジュール200は、産業用制御システム・コンポーネント(例えば、ポンプ、モータ・コントローラ、弁等)を動作するように構成される。プログラム可能離散出力モジュール200は、様々な電圧レベルまたは励起で動作する。例えば、第1ICSコンポーネント109は、第1電圧レベルで動作するように構成することができる。また、第2ICSコンポーネント109は、第2電圧レベルで動作するように構成することができる。これらの例では、同一のモジュール200は、1つ以上のプログラム可能パラメータの受け取り応じて、何れかのコンポーネント109とインタフェースするように構成することができる。交流(AC)電圧励起は、24ボルト、48ボルト、120ボルト、または240ボルトとすることができる。他の例では、電圧励起は、直流(DC)電圧刺激または交流(AC)電圧刺激としてもよい。
【0020】
[0027]
図2に示すように、プログラム可能離散出力モジュール200は、端204A,204Bに電気的に接続される少なくとも1つのスイッチング素子202を含む。端204A,204Bは、通信ネットワーク110(例えばバックプレーン113)とインタフェースするように構成される。通信ネットワーク110はプログラム可能離散出力モジュール200を受け入れるように構成される。スイッチング素子202は、電気路206(例えば、ワイヤやトレース等のような導体)内で電流の流れを少なくとも実質的に防止する開構成、および電気路206内で電流の流れを可能にする閉構成を有する。1つ以上の実装態様において、スイッチング素子202は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ、電気機械リレー等のような1つ以上のトランジスタを備えることができる。例えば、特定の実装態様において、
図3Aに示すように、スイッチング素子202は、パワー・トランジスタ210を備え、ドレイン端子212、ソース端子214、およびゲート端子216を含む。この実装態様において、モジュール200は、直流(DC)励起構成を有する通信ネットワーク110とインタフェースするように構成される。他の特定の実装態様において、
図3Bに示すように、スイッチ素子202は、第1パワー・トランジスタ210および第2パワー・トランジスタ218を備える。第2パワー・トランジスタ218は、ドレイン端子220、ソース端子222、およびゲート端子224を含む。この実装態様において、モジュール200は、交流(AC)励起構成を有するICSコンポーネント109とインタフェースするように構成される。
【0021】
[0028] スイッチング素子202は、電気路206に沿って電流検知回路208と直列に配置される。電流検知回路208は、プログラム可能離散出力モジュール200に電流検知機能を提供するように構成される。例えば、電流検知回路208は、プログラム可能離散出力モジュール200に過電流検出機能を提供するように構成される。特定の実装態様において、
図3Aおよび3Bに示すように、電流検知回路208は、電気路206内のインピーダンス素子226、およびインピーダンス素子226と電気的に並列に接続される差動増幅器228を備える。図示するように、差動増幅器228は、第1入力電圧端230、第2入力電圧端232、および出力端234を含む。差動増幅器228は、インピーダンス素子226全体の電圧降下を増幅し、増幅された電圧降下を表す信号を出力するように構成される。1つ以上の実装態様において、インピーダンス素子226は、1つ以上のレジスタ、既知の抵抗を有する電気トレース、または1つ以上の電界効果トランジスタ・デバイスを備えることができる。1つ以上の実装態様において、差動増幅器228は、モジュール200に差動増幅器機能を供給するように構成される演算増幅器を備える。
【0022】
[0029] プログラム可能離散出力モジュール200はまた、モジュール200に比較機能を供給するように構成される比較器236も含む。比較器236は、第1入力端238、第2入力端240、および出力端242を含む。第1入力端238は、差動アンプ228の出力端234に電気的に接続される。第2入力端240は基準信号(例えば、基準電圧)に電気的に接続される。比較器236は、増幅された電圧降下信号を基準信号と比較する。増幅された電圧降下信号が基準信号より大きいときに、比較器は、出力端242において第1信号(例えば、論理ハイ値(logic high)(例えば、論理「1」)信号を)出力するように構成される。反対に、増幅された電圧降下信号が基準信号未満であるときに、比較器236は第2信号(例えば、論理ロー値(logic low)(例えば、論理「0」)信号)を出力するように構成される。つまり、第1信号は、インピーダンス素子226全体で測定される電流が所定の閾値(例えば、過電流イベント)を超過するという状態を表すことができ、第2信号は、インピーダンス素子226全体で測定される電流が所定の閾値を超過しない状態を表すことができる。1つ以上の実装態様において、比較器236は、(例えば、デジタル比較器のような)ハードウェアに、または(例えば、プロセッサに比較機能を提供させるために、プロセッサによって実行可能な命令を有するプログラムを組み込んだコンピュータ可読媒体を含むメモリを有するプロセッサのような)ソフトウェアで実装することができる。
【0023】
[0030]
図2に示したように、プログラム可能離散出力モジュール200は、第1アイソレータ244および第2アイソレータ246を含む。アイソレータ244,246は、プログラム可能離散出力モジュール200にガルヴァニック絶縁を提供するように構成される。特定の実装態様において、
図3Aおよび
図3Bに示すように、アイソレータ244,246は、それぞれの光送信機248,250、および対応する光センサ(例えば、光受信機)252,254を備えることができる。このような実装態様において、光送信機248,250は、電磁放射線を、制限された波長のスペクトルで発出するように構成される。例えば、光送信機248,250は、非可視光スペクトル(例えば、赤外スペクトルや無線周波数スペクトル等)で生じる電磁放射線を発出し、または、可視光スペクトルで生じる電磁放射線を発出することができる。第1アイソレータ244の光学センサ252は、光送信機248によって発出される電磁放射線を検出して、比較器信号を表す信号(例えば、絶縁された比較器信号)に電磁放射を変換するように構成される。
【0024】
[0031] 実施形態において、光送信機248,250は、これに限定されないが、1つ以上の発光ダイオードや1つ以上のレーザ・ダイオード等を備えることができる。比較器236の出力信号は、第1アイソレータ244の光送信機248を駆動するように構成される。例えば、比較器236の出力信号を表す、制限された波長のスペクトルで、電磁放射線を発出するように構成することができる。実施形態において、光センサ252,254は、光検出器(例えばフォトダイオードやフォトトランジスタ等)を備え、検出される電磁放射線を、対応する電気信号に変換する。
【0025】
[0032] プログラム可能離散出力モジュール200はまた、アイソレータ244,246に電気的に接続されるマイクロコントローラ256も含む。マイクロコントローラ256は、モジュール200に専用の処理機能を提供することができる。
図3Aおよび
図3Bに示すように、第1アイソレータ244の光センサ252は、マイクロコントローラ256に電気的に接続され、また、マイクロコントローラ256は、第2アイソレータ246の光送信機250に電気的に接続される。1つ以上の実装態様において、マイクロコントローラ256は、マイクロコントローラ256に処理機能を提供するように構成される少なくとも1つのプロセッサ、およびプロセッサによって実行可能な1つ以上のモジュール(例えば、コンピュータ・プログラム)を格納するように構成されるメモリを含む。
【0026】
[0033] マイクロコントローラ256は、絶縁された比較器信号に基づいてスイッチング素子202を動作させる。実装態様において、マイクロコントローラ256は、1つ以上のプログラム可能パラメータに基づいてスイッチング素子202のスイッチングの挙動を制御するように構成される。実施形態において、マイクロコントローラ256は、負荷に対応するプログラム可能パラメータ即ち負荷種別を含むことができ、離散出力モジュール200とインタフェースするように構成される。例えば、マイクロコントローラ256は過電流イベントが発生したことを示す信号を受け取ると、マイクロコントローラ256は、マイクロコントローラ信号を出力して、スイッチング素子202に、開構成に移行させるように構成される。この例では、マイクロコントローラ256は、光送信機250を駆動するマイクロコントローラ信号を発生および出力する。光送信機250は、マイクロコントローラ信号を表す、制限された波長のスペクトルでの電磁放射線を発出する。光センサ254は、マイクロコントローラ信号を表す、制限された波長のスペクトルでの電磁放射線を検出し、検出された電磁放射線に基づいて、信号、即ち絶縁マイクロコントローラ信号を発生する。
【0027】
[0034] 絶縁マイクロコントローラ信号は、スイッチング素子202に、閉構成から開構成に移行させる。例えば、
図3Aおよび
図3Bに示すように、光センサ254は、パワー・トランジスタ210(および/または第2パワー・トランジスタ218)のゲート端子216(および/またはゲート端子224)に電気的に接続される。過電流イベントが発生すると、絶縁マイクロコントローラ信号は、電気路206内での電流の流れを少なくとも実質的に防止するために、動作状態(例えば、アクティブ・モードまたは三極管モード)から非動作状態(例えば、カットオフ・モード)に、パワー・トランジスタ210(および/またはパワー・トランジスタ218)に移行させるように構成される。過電流イベントが発生しないときは、スイッチング素子202は閉構成に維持することができる。
【0028】
[0035] マイクロコントローラ256は、端204A,204Bとインタフェースされるスイッチング素子202のスイッチングの挙動を、負荷種別に基づいて制御するように構成される。例えば、ユーザは、1つ以上のプログラム可能パラメータを供給または選択することができる。1つ以上のプログラム可能パラメータは、負荷種別に基づいて過電流イベントの間にどのように反応するか(例えば、ソフト選択可能な過電流挙動)について、マイクロコントローラ256に命令する。つまり、システム100のユーザは、スイッチング素子202の挙動をモジュール200の負荷に合わせて調整することができる。実装態様において、マイクロコントローラ256は、スイッチング素子202に、過電流イベントの指標(indication)を受け取ったことに応答して、プログラムされた回数量にわたり、プログラムされた離散時間間隔で閉構成に移行させることができる。他の実装態様において、負荷タイプに応じて、マイクロコントローラ256は、スイッチング素子202が過電流イベントに起因して閉構成に移行するのを防止するように構成される。
【0029】
[0036] 産業用制御システム100は、複数のプログラム可能離散出力モジュール200を採用することができ、それぞれが通信ネットワーク110(例えば、バックプレーン113)を介してコンピューティング・デバイス102と通信するように構成される。バックプレーン113は、モジュール200とコンピューティング・デバイス102の間で電力伝送および/または通信信号伝送を提供する。1つ以上の実装態様において、それぞれのチャネル、即ちそれぞれのモジュール200は、異なるプログラム可能パラメータを用いてプログラムして、当該それぞれのモジュール200におけるスイッチの挙動を制御することができる。他の実装態様において、各チャネルは、それぞれのモジュール200におけるスイッチの挙動を制御するために同一のプログラム可能パラメータを用いてプログラムすることができる。つまり、モジュール200、即ちチャネルは、当該モジュール200とインタフェースするために、負荷種別に基づいてそれぞれ個別にプログラム可能である。
【0030】
例示のプログラム可能離散入力モジュール
[0037]
図4および
図5は、本開示の例示の実装態様による、例示のプログラム可能離散入力モジュール400を示す。プログラム可能離散入力モジュール400は、1つ以上の産業用システム制御コンポーネントとインタフェースするように構成される産業用制御システム100用の離散通信チャネルを表す。1つ以上の産業用システム制御コンポーネントは、これに限定されないが、温度センサ、液体タンク・センサ、圧力センサ等を含む。プログラム可能離散入力モジュール400は、産業用制御システム100の入力パラメータを表す入力端402A,402Bにおいて入力信号を受け取るように構成される。例えば、入力信号は、産業用制御システム100に付随する温度センサにより供給される温度パラメータを表すことができる。他の例では、入力信号は、産業用制御システム100に付随する液体センサにより供給されるタンク内の液面を表すことができる。更に他の例では、入力信号は、産業用制御システム100に付随する圧力センサにより供給される圧力パラメータを表すことができる。モジュール400は、該モジュール400に供給される1つ以上のプログラム可能パラメータに基づいて、異なる電圧入力(例えば、電圧励起)で動作するICSコンポーネントとインタフェースするように構成される。例えば、交流(AC)電圧励起は、24ボルト(24V)、48ボルト(48V)、120ボルト(120V)、または240ボルト(240V)とすることができる。電圧励起は、直流(DC)電圧入力または交流(AC)電圧入力としてもよい。
【0031】
[0038] 図示のように、プログラム可能離散入力モジュール400は、入力端406および出力端408を有するパルス幅変調モジュール404を含む。パルス幅変調モジュール404は、入力端406で入力信号に基づいてパルス幅変調信号を発生するように構成される。幾らかの実施形態の中には、パルス幅変調モジュール404は、電圧変換器410に通信可能に接続されるものもある。このような実施形態において、電圧変換器410は、入力端402A,402Bに電気的に接続される。変換器410は、入力端402A,402Bにおいてアナログ電流(AC)入力信号(例えば、AC電圧信号)を受け取り、アナログ電流(AC)入力信号を、対応する直流(DC)出力信号に変換するように構成される。
【0032】
[0039] 特定の実装態様において、変換器410はブリッジ整流器412を含む。ブリッジ整流器412は、少なくとも4つのダイオード414A,414B,414C,414Dを含み、ブリッジ構成(即ち、ダイオード・ブリッジ)となるように配置される。しかしながら、他の種別の電圧変換器デバイスをブリッジ整流器412の代わりに利用してもよいものと考察される。
図5に示すように、ブリッジ整流器412は、変換された出力信号を分圧器418に供給する出力端416A,416Bを含む。分圧器418は、入力信号(即ち、変換信号)の一部である出力信号を発生するように構成される。図示するように、分圧器418は、少なくとも2つのインピーダンス素子420A,420Bを含み、入力信号をインピーダンス素子値の関数として減衰させるように構成される。インピーダンス素子の値は、システム100の要件に従って選択することができる。特定の実装態様において、インピーダンス素子420,422はレジスタである。分圧器418は、パルス幅変調モジュール404に電気的に接続される。先に説明したように、パルス幅変調モジュール404は、入力端406において供給される信号(即ち、分圧器418によって供給される信号)の関数として、出力端408においてパルス幅変調信号を発生するように構成される。幾らかの実施形態の中には、産業用制御システム100のユーザ(例えば、オペレータ)は、モジュール400への電圧入力の種別(例えば、AC電圧入力信号またはDC電圧入力信号)に基づいて、入力電圧検出動作モードを選択することができるものもある。例えば、ICSモジュール118は、プロセッサ104に、電圧種別のグラフ図の表示をモジュール400に入力させるように構成される。ユーザは、モジュール400が監視することになる電圧入力をモジュール118に選択させるために、ユーザ・インタフェース・デバイス116を利用することができる。選択に基づいて、モジュール118は、プロセッサ104に、電圧入力がACであるときに変換器410の動作をイネーブルさせる、または電圧入力信号がDCであるときに変換器410の動作をディセーブルさせるように構成される。変換器410がディセーブルされるときは、入力端402A,402Bは、DC電圧入力信号がパルス幅変調モジュール404に直接供給されるように、パルス幅変調モジュール404に直接接続される。プロセッサ104は、スイッチ423A,423B,423C,423Dの動作を制御するように構成することができ、その結果、スイッチ423A,423Bが開構成であり且つ電圧入力がACであるときに、入力端402A,402B(スイッチ423C,423Dは閉構成である)およびモジュール404の間に直接接続を防止することができ、また、スイッチ423A,423Bが閉構成であり且つ電圧入力がDCであるときに、入力端402A,402Bおよびモジュール404(スイッチ423C,423Dは開構成である)を直接接続することができる。
【0033】
[0040] 実施形態において、パルス幅変調モジュール404はまた、入力端402A,402Bと直接接続することもできる。このような実施形態において、パルス幅変調モジュール404は、AC入力信号を受け取り、AC信号がパルス幅モジュール404に向けた直流電流信号を発生するのをデジタル的にフィルタするように構成される。
【0034】
[0041]
図4に示すように、プログラム可能離散入力モジュール400は、プログラム可能離散入力モジュール400にガルヴァニック絶縁を提供するように構成されるアイソレータ424を含む。アイソレータ424は、プログラム可能離散入力モジュール400の第1部分426を、プログラム可能離散入力モジュール400の第2部分428から絶縁する。図示するように、パルス幅変調モジュール404は、アイソレータ424に電気的に接続され、パルス幅変調信号がアイソレータ424に供給される。アイソレータ424は、第1部分426と第2部分428の間で、電気エネルギ(例えば、情報を表す電気エネルギやデータを表す電気エネルギ)の交換を可能にするように構成される。実装態様において、アイソレータ424は、光送信機430および光学センサ432(例えば、光センサ)を備える。例えば、
図5に示すように、パルス幅変調信号は、電磁放射を、パルス幅変調信号を表す制限された波長のスペクトルで発出するように構成される光送信機430を駆動する。例えば、光送信機430は、非可視光スペクトル(例えば、赤外スペクトルや無線周波数スペクトルなど)で生じる電磁放射線を発出する、または、可視光スペクトルで生じる電磁放射を発出するように構成される。光送信機430は、これに限定されないが、1つ以上の発光ダイオードや1つ以上のレーザ・ダイオード等を備えることができる。
【0035】
[0042] 光センサ432は、光送信機430によって発出される電磁放射を検出し、パルス幅変調信号を表す、絶縁された変調パルス幅信号(例えば電気信号)に電磁放射線を変換するように構成される。1つ以上の実装態様において、光センサ432は、検出された電磁放射線を、絶縁変調パルス幅電気信号に変換する光検出器(例えばフォトダイオードやフォトトランジスタ等)を備える。
【0036】
[0043]
図4に示すように、プログラム可能離散入力モジュール400は、入力端436および出力端438を有するパルス幅復調モジュール434を含む。
図4に示すように、入力端436は、アイソレータ424に電気的に結合される。特定の実装態様において、
図5に示すように、入力端436は、光センサ432に電気的に接続される。パルス幅復調モジュール434は、入力端436での絶縁変調パルス幅信号に基づいて、パルス幅復調信号を発生するように構成される。
【0037】
[0044] プログラム可能離散入力モジュール400はまた、少なくとも第1比較器440および第2比較器442も含む。本明細書においてより詳細に説明するように、比較器440,442はソフトウェアにより設定可能である。例えば、比較器440,442は、プログラム可能閾値(例えば、基準ポイント)およびプログラム可能ヒステリシスを含む。比較器440,442は、様々な方法で実装することができる。例えば、比較器440,442は、ハードウェア(例えば、デジタル比較器)で実装することができる。他の例では、比較器440,442は、プロセッサに比較機能を供給させるソフトウェア(例えば、プログラム実行可能命令)で実装することができる。
【0038】
[0045] 第1比較器440および第2比較器442は、システム100に比較機能を供給する。
図4に示すように、第1比較器440は、パルス幅復調モジュール434の第1出力端438に電気的に接続される。同様に、第2比較器442は、パルス幅復調モジュール434の第2出力端440に電気的に接続される。第1比較器440および第2比較器442はまた、バックプレーン113を介してプロセッサ104と動作可能に接続される。例えば、第1比較器440は、入力端446を介してバックプレーン113に接続され、第2比較器442は入力端448を介して通信ネットワーク110に接続される。本開示の実装態様において、システム100は、第1比較器440および第2比較器442に、プログラム可能基準、即ちセット・ポイントを設けるように構成される。ユーザまたはオペレータは、第1比較器440のための第1プログラム可能基準を選択することができる。同様に、ユーザは、第2比較器442のための第22プログラム可能基準を選択することができる。例えば、ICSモジュール118(例えば、コンピュータ可読プログラム)は、ディスプレイ114においてユーザが選択することができるプログラム可能基準(システム100およびプログラム可能離散入力モジュールの設計により予め規定されたプログラム可能基準)のセットをプロセッサ104に表示させるように構成される。
【0039】
[0046] ユーザは、ユーザ・インタフェース・デバイス116を利用することができ、プログラム可能基準(例えば、第1プログラム可能セット・ポイント即ち閾値、および第2プログラム可能セット・ポイント、即ち閾値)を、プログラム可能基準のセットから選択することができる。ユーザ選択に応答して、モジュール118は、対応する比較器440,442におけるプログラム可能基準をプロセッサに設定させるように構成される。実装態様において、第1プログラム可能基準の設定は、第2プログラム可能基準の設定とは異なるものとすることができる。例えば、第1プログラム可能基準は、高いセット・ポイントを表してよく、また、第2プログラム可能基準は、低いセット・ポイントを表してもよい。プログラム可能基準値は、入力端402A,402Bでの電圧励起値(即ち、24ボルト(24V)、48ボルト(48V)、120ボルト(120V)または240ボルト(240V))の種別に基づく(即ち、対応する)ことができる。
【0040】
[0047] 比較器440,442は、対応の端438,440における復調パルス幅信号をプログラム可能基準のそれぞれ(即ち、セット・ポイントのそれぞれ)と比較するように構成される。例えば、第1比較器440は、復調パルス幅信号を第1プログラム可能基準と比較するように構成される。復調パルス幅信号が第1プログラム可能基準よりも大きいときに、第1比較器440は第1信号(例えば論理ハイ信号)を出力するように構成される。第1信号は、入力端402A,402Bにおける入力信号が、当該端402A,402Bにおける前の入力信号よりも大きいことを示す。当該前の入力信号は、前の離散時間間隔の間にシステム100に関連づけられた産業環境のパラメータ(例えば、温度、液面、圧力等)を表す。復調パルス幅信号が第1プログラム可能基準未満であるときに、第1比較器は第2信号(例えば論理ロー信号)を出力するように構成される。第2信号は、入力端402A,402Bにおける入力信号が、当該端402A,402Bにおける前の入力信号と少なくとも概ね同一であることを示す。
【0041】
[0048] 第2比較器442は、復調パルス幅信号を第2プログラム可能基準と比較するように構成される。復調パルス幅信号が第2プログラム可能基準よりも大きいときに、第2比較器442は第3信号(例えば論理ハイ信号)を出力するように構成される。第3信号は、入力端402A,402Bにおける入力信号が、当該端402A,402Bにおける前の入力信号と少なくとも概ね同一であることを示す。復調パルス幅信号が第2プログラム可能基準未満であるときに、第2比較器442は第4信号(例えば論理ロー信号)を出力するように構成される。第4信号は、入力端402A,402Bにおける入力信号が、当該端402A,402Bにおける前の入力信号未満であることを示す。
【0042】
[0049]
図4および
図5に示すように、プログラム可能離散入力モジュール400は、入力端450,452および出力端454を有するデジタル・フィルタ448を含む。デジタル・フィルタ448は、デジタル・フィルタ機能をモジュール400に提供するように構成される。デジタル・フィルタ448は、比較器440,442それぞれの出力端444,446に電気的に接続される。デジタル・フィルタ448は、比較器440,442が受け取る信号をデジタル的にフィルタし、離散入力信号を発生する。離散入力信号は、システム100に供給され、端402A,402Bにおける入力信号が当該端402A,402Bにおける前のサンプル入力信号よりも大きいか、少なくとも概ね同一であるか、またはそれ未満であるかについて示す。例えば、離散入力信号は、産業用制御システム100に関連づけられる環境がある時間期間にわたり変化したかについて示す。1つ以上の実装態様では、出力端454は、通信ネットワーク110を介してプロセッサ104に通信可能に接続される。プロセッサは産業用制御システムの要件に従って離散入力信号を利用する。
【0043】
[0050] 1つ以上の実装態様では、システム100は、複数のプログラム可能離散入力モジュール400を採用することができ、それぞれが通信ネットワーク110を介してコンピューティング・デバイス102と通信するように構成される。例えば、通信ネットワーク110は、プログラム可能離散入力モジュール400とインタフェースするように構成されるバックプレーン(例えば、電力バックプレーン)を備えることができる。プログラム可能入力デバイス400のそれぞれは、システム100内のチャネルを表す。バックプレーンは、デバイス400とコンピューティング・デバイス102の間で電力伝送および/または通信信号送信を提供する。デバイス400は、システム100に付随する様々なモジュール109から収集されるデータを表す入力信号を受け取ることができる。例えば、第1モジュール400(例えば第1チャネル)はタンク内の温度を表す入力信号を受け取ることができる。同様に、第2モジュール400(例えば第2チャネル)は、タンク内の液面を表す入力信号を受け取ることができる。この例では、第1モジュール400は第1励起レベル(例えば、48ボルト(48V))で生じる入力信号を受け取ることができる一方で、第2モジュール400は第2励起レベル(例えば、240ボルト(240V))で生じる入力信号を受け取ることができる。デバイス400(例えば、複数のチャネル)は、ソフトウェア選択可能パラメータ(即ち、プログラム可能閾値やプログラム可能ヒステリシス)をユーザから受け取るように構成される。つまり、ユーザは、ソフトウェア選択可能パラメータを、システム100の環境監視要件に従って各デバイスや各チャネルに供給することができる。
【0044】
[0051]
図6は、本開示の例示の実装態様による、コンピューティング・デバイス600を示す。図示するように、コンピューティング・デバイス600は、プロセッサ602およびメモリ604、並びに通信モジュール606を含む。これらは、プロセッサ104、メモリ106、および通信モジュール112として先に説明したのと同一の機能を少なくとも提供する。例えば、本明細書において説明するように、メモリ604は、1つ以上のプロセスをプロセッサ602に実行させるために、プロセッサ602によって実行可能なプログラムを組み込むコンピュータ可読媒体を含む。本開示の実装態様において、コンピューティング・デバイス600は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路デバイス、またはこれらの組み合わせ等を表す。
【0045】
[0052] 先に説明した1つ以上のデバイスは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、それらの組み合わせ等で実装することができる。例えば、パルス幅変調モジュール404は、パルス幅変調機能を提供するように構成される単一の離散集積回路デバイス(即ち、マイクロコントローラ)内に組み込まれるコンピューティング・デバイス600として実装することができる。他の例では、パルス幅復調モジュール434、比較器440,442、および/またはデジタル・フィルタ448は、ソフトウェアまたはハードウェアで実装することができる。例えば、パルス幅復調モジュール434、比較器440,442、および/またはデジタル・フィルタ448は、1つ以上のコンピューティング・デバイス600内に実装(即ち、特定用途向け集積回路デバイス、マイクロコントローラ、または複数の集積回路デバイスとして実装)することができる。他の例において、パルス幅復調モジュール434、比較器440,442、および/またはデジタル・フィルタ448の機能は、ソフトウェアによって提供することができる。例えば、パルス幅復調モジュール434、比較器440,442、および/またはデジタル・フィルタ448の機能は、プログラム実行可能命令として実装することができ、メモリ604のような有形媒体に格納することができる。プログラム実行可能命令は、対応するコンポーネント(パルス幅復調モジュール434、比較器440,442、またはデジタル・フィルタ448)のそれぞれの機能をプロセッサ602に提供させる。
【0046】
例示の方法
[0053]
図7は、過電流イベントが発生したかを決定する例示の方法を示す。図示する方法700では、電流値を表す信号(例えば、電圧降下)は、電流検知回路で発生する(ブロック702)。1つ以上の実装態様において、電流検知回路208は、電気路206に沿って電流を検知するように構成される。先に説明したように、差分増幅器228は、インピーダンス素子226全体の電圧降下を増幅させて、増幅された電圧降下を表す信号を出力するように構成される。
図6に示すように、増幅電圧降下を表す信号は、過電流基準と比較される(ブロック704)。
図3Aおよび
図3Bに示すように、比較器236は、増幅電圧降下の信号を過電流基準(即ち、電圧基準)と比較するように構成される。増幅電圧降下信号が過電流基準より大きいときに、比較器236は過電流イベントが発生したことを示す信号を出力するように構成される。増幅電圧低下信号が過電流基準未満であるときに、比較器236は過電流イベントが発生していないことを示す信号を出力するように構成される。
【0047】
[0054] スイッチング素子のスイッチチング挙動はマイクロコントローラによって制御される(ブロック706)。先に説明したように、マイクロコントローラ256は、スイッチング素子202の動作(即ち、スイッチング挙動)を制御するように構成される。マイクロコントローラ256が、過電流イベントが発生したことを示す信号を受け取るときに、マイクロコントローラ256はスイッチング素子202の動作を制御するように構成される。例えば、マイクロコントローラ256は、スイッチング素子202に、閉構成から開構成に移行させて、電気路206を通じて電流が流れるのを防止するように構成される。幾らかの実装態様の中には、マイクロコントローラ256は、1つ以上の負荷パラメータに基づいて機能させるようにマイクロコントローラ256に命令するプログラム可能パラメータを含むものもある。
図7に示すように、過電流イベントを示す信号を受け取ったことに応答して、マイクロコントローラは、プログラムされた回数量にわたり、プログラムされた離散時間間隔において、スイッチング素子に、開構成から閉構成に移行させるように構成される。例えば、モジュール200とインタフェースする負荷種別に応じて、マイクロコントローラ256は、過電流イベントの指標を受け取ったことに応答して、プログラムされた回数量にわたり、プログラムされた離散時間間隔において、スイッチング素子202に、閉構成に移行させるように構成される。他の例では、負荷種別に応じて、マイクロコントローラ256は、過電流イベントに起因してスイッチング素子202が閉構成に移行し戻すのを防止するように構成される。
【0048】
[0055]
図8は、先に説明したプログラム可能離散入力モジュール200を利用する離散入力信号を発生する方法800を示す。
図8に示すように、入力信号を受け取る(ブロック802)。モジュール200は、1つ以上のI/Oモジュール108(例えば産業用制御システム環境内のセンサ109)とインタフェースするように構成される。パルス幅変調信号が、入力信号に基づいて、パルス幅変調モジュールにおいて発生される(ブロック804)。先に説明したように、パルス幅変調モジュール204は、入力信号に基づいてパルス幅変調信号を発生するように構成される。
【0049】
[0056] パルス幅変調信号に基づいて絶縁されたパルス幅変調信号は、アイソレータによって発生される(ブロック806)。アイソレータ424は、パルス幅復調モジュールによる復調のために絶縁される信号を生成するように構成される。例えば、光送信機430は、パルス幅変調信号に基づいて、電磁放射線を、制限された波長のスペクトルで発出するように構成される。光センサは、電磁放射線を検出し、検出された電磁放射線に基づいて絶縁された信号を生成するように構成される。
【0050】
[0057] 絶縁されたパルス幅変調信号に基づいて復調されたパルス幅信号を発生する(ブロック808)。先に説明したように、絶縁された信号は、パルス幅復調モジュール434によって復調される。
図7に示すように、第1比較信号は、パルス幅復調信号の第1プログラム可能基準との比較に基づいて発生される(ブロック810)。また、第2比較信号は、パルス幅復調信号の第2プログラム可能基準との比較に基づいて発生される(ブロック812)。第1比較信号および第2比較信号は、対応の第1プログラム可能基準および第2プログラム可能基準にそれぞれ基づいて、第1比較器および第2比較器によって発生される。第1プログラム可能基準および第2プログラム可能基準は、ユーザがセット・ポイントを選択することができるように、ユーザ選択可能とすることができる。セット・ポイントは、モジュール200に関連づけられる電圧励起に基づくことができる。第1比較信号または第2比較信号の少なくとも一方は、離散入力信号を発生するために、デジタル・フィルタにおいてフィルタされる(ブロック814)。先に説明したように、デジタル・フィルタは、システム100の離散入力信号を発生するために、第1比較信号または第2比較信号をフィルタする。
【0051】
結論
[0058] 以上、構造的特徴および/またはプロセス動作に特定的な文言で主題について説明したが、添付した特許請求の範囲において定められた主題は、以上で説明した具体的な特徴やアクトには必ずしも限定されないことは理解されてしかるべきである。逆に、以上で説明した具体的な特徴やアクトは、特許請求の範囲を実施する形態例として開示したまでである。