特許第6247797号(P6247797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6247797
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】布テープおよび繊維製品
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/00 20060101AFI20171204BHJP
   D04B 21/20 20060101ALI20171204BHJP
   D04B 21/16 20060101ALI20171204BHJP
   D04B 21/10 20060101ALI20171204BHJP
   D04D 9/04 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   A41D13/00 102
   D04B21/20 Z
   D04B21/16
   D04B21/10
   D04D9/04
【請求項の数】18
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-529092(P2017-529092)
(86)(22)【出願日】2017年1月24日
(86)【国際出願番号】JP2017002305
【審査請求日】2017年5月31日
(31)【優先権主張番号】特願2016-31814(P2016-31814)
(32)【優先日】2016年2月23日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2016-35776(P2016-35776)
(32)【優先日】2016年2月26日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003001
【氏名又は名称】帝人株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169085
【弁理士】
【氏名又は名称】為山 太郎
(72)【発明者】
【氏名】岩下 憲二
(72)【発明者】
【氏名】中野 紀穂
【審査官】 清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−016343(JP,A)
【文献】 特開2002−302837(JP,A)
【文献】 実公昭48−002378(JP,Y1)
【文献】 登録実用新案第3174763(JP,U)
【文献】 特開2009−057652(JP,A)
【文献】 特開2005−273064(JP,A)
【文献】 特開2011−144487(JP,A)
【文献】 特開2002−249959(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/199969(WO,A1)
【文献】 特開2010−285721(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/102090(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/122836(WO,A1)
【文献】 特開2011−144482(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0008664(US,A1)
【文献】 特開2000−144526(JP,A)
【文献】 特開2005−213709(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3193039(JP,U)
【文献】 特開2001−037893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04B 1/00−1/28
21/00−21/20
A41D 13/00
27/00−27/28
D03D 1/00−27/18
D04D 1/00−11/00
D06Q 1/00−1/14
Japio−GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機繊維からなる布テープであって、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下であり、かつ前記有機繊維がメタ型全芳香族ポリアミド繊維および/またはパラ型全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする布テープを含む、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品であり、下記(1)および(2)のうち少なくともどちらかの要件を満足する繊維製品。
(1)布テープが屈曲部分を含み、かつ布テープが関節部分に配されている。
(2)布テープがメッシュ部を含み、かつ布テープが脇部分に配されている。
【請求項2】
布テープが、JIS L1091−1999 A−4法に規定される燃焼性測定において、残じん時間が3.0秒以下かつ炭化長が10cm以下である、請求項1に記載の繊維製品
【請求項3】
布テープの幅が1〜30cmの範囲内である、請求項1または請求項2に記載の繊維製品
【請求項4】
布テープが編物で構成される、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維製品
【請求項5】
布テープが全芳香族ポリアミド繊維を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維製品
【請求項6】
布テープがメタ型全芳香族ポリアミド繊維を布テープ重量対比30重量%以上含む、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維製品
【請求項7】
布テープがメタ型全芳香族ポリアミド繊維を布テープ重量対比50〜99重量%含む、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維製品
【請求項8】
布テープがパラ型全芳香族ポリアミド繊維を布テープ重量対比2〜20重量%含む、請求項1〜7のいずれかに記載の繊維製品
【請求項9】
布テープが染色加工を施されている、請求項1〜8のいずれかに記載の繊維製品
【請求項10】
前記屈曲部分の進行方向が、布テープの長手方向または幅方向と一致する、請求項1〜9のいずれかに記載の繊維製品
【請求項11】
前記屈曲部分の幅が0.3〜20cmの範囲内である、請求項1〜10のいずれかに記載の繊維製品
【請求項12】
前記屈曲部分が、10%以上の伸縮率を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の繊維製品
【請求項13】
前記屈曲部分が、下記式で規定される屈曲率が1.1以上である、請求項1〜12のいずれかに記載の繊維製品
屈曲率=[B+(A×2×(屈曲数))]/B
A:屈曲部の厚み(cm)
B:屈曲部の幅(cm)
【請求項14】
前記メッシュ部において、開口率が20%以上である、請求項1〜13のいずれかに記載の繊維製品
【請求項15】
前記メッシュ部が、幅1〜5cmで布テープの長手方向に連続する、請求項1〜14のいずれかに記載の繊維製品
【請求項16】
長手方向に連続するメッシュ部の両側に開口率10%以下の非メッシュ部を有する、請求項1〜15のいずれかに記載の繊維製品
【請求項17】
前記メッシュ部を少なくとも一部覆う生地を有する、請求項1〜16のいずれかに記載の繊維製品
【請求項18】
前記生地が開閉自在である、請求項1〜17のいずれかに記載の繊維製品
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維製品の構成部材として使用することができ、かつ難燃性を有する布テープ、および該布テープを用いてなる繊維製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、繊維製品の構成部材として使用することができる布テープが、例えば特許文献1などで提案されている。
【0003】
一方、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、難燃ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、軍服などの分野で、難燃性が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−249959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、繊維製品の構成部材として使用することができ、かつ難燃性を有する布テープ、および該布テープを用いてなる繊維製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、難燃性繊維を用いて布テープを得ることにより、難燃性を有する布テープが得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして、本発明によれば「有機繊維からなる布テープであって、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下であることを特徴とする布テープ。」が提供される。
【0008】
その際、JIS L1091−1999 A−4法に規定される燃焼性測定において、残じん時間が3.0秒以下かつ炭化長が10cm以下であることが好ましい。また、布テープの幅が1〜30cmの範囲内であることが好ましい。また、布テープが編物で構成されることが好ましい。また、布テープが全芳香族ポリアミド繊維を含むことが好ましい。また、布テープがメタ型全芳香族ポリアミド繊維を布テープ重量対比30重量%以上含むことが好ましい。また、布テープがメタ型全芳香族ポリアミド繊維を布テープ重量対比50〜99重量%含むことが好ましい。また、布テープがパラ型全芳香族ポリアミド繊維を布テープ重量対比2〜20重量%含むことが好ましい。また、布テープが染色加工を施されていることが好ましい。
【0009】
本発明の布テープにおいて、布テープが屈曲部分を含むことが好ましい。その際、前記屈曲部分の進行方向が、布テープの長手方向または幅方向と一致することが好ましい。また、前記屈曲部分の幅が0.3〜20cmの範囲内であることが好ましい。また、前記屈曲部分が、10%以上の伸縮率を有することが好ましい。また、前記屈曲部分が、下記式で規定される屈曲率が1.1以上であることが好ましい。
屈曲率=[B+(A×2×(屈曲数))]/B
A:屈曲部の厚み(cm)
B:屈曲部の幅(cm)
本発明の布テープにおいて、布テープがメッシュ部を有することが好ましい。その際、前記メッシュ部において、開口率が20%以上であることが好ましい。
【0010】
また、前記メッシュ部が、幅1〜5cmで布テープの長手方向に連続することが好ましい。また、長手方向に連続するメッシュ部の両側に開口率10%以下の非メッシュ部を有することが好ましい。また、前記メッシュ部を少なくとも一部覆う生地を有することが好ましい。また、かかる生地が開閉自在であることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、前記の布テープを含む、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、繊維製品の構成部材として使用することができ、かつ難燃性を有する布テープおよび繊維製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の布テープの斜視図の一例である。布テープは長手方向(L方向)に連続している。
図2】本発明の布テープを製造する際に用いることのできる編組織図の一例である。
図3】本発明の布テープの斜視図の一例である。布テープは長手方向に連続している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明において、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下(好ましくは0.001〜1.0秒)であることが肝要である。残炎時間が2.0秒を越えると、十分な難燃性が保たれず、火炎等を受けた際に着火するなどして危険である。
【0015】
特に、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定において、残じん時間が3.0秒以下かつ炭化長が10cm以下であることが好ましい。
【0016】
かかる難燃性を得るためには、布テープの本体生地の少なくとも一部生地として難燃性素材を使用することが好ましい。布テープに難燃加工を施してもよい。
【0017】
難燃性素材としては、メタ型全芳香族ポリアミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、難燃レーヨン繊維、モダクリル繊維、難燃アクリル繊維、難燃ビニロン繊維などが例示され、特に限定されるものではない。また、難燃加工を施す場合は、素材は特に限定されない。
【0018】
ここで、布テープが全芳香族ポリアミド繊維を少なくとも含むことがより好ましい。また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が布テープに、布テープ重量対比30重量%以上(より好ましくは50〜99重量%)含まれるとより好ましい。メタ型全芳香族ポリアミド繊維の重量比率が布テープ重量対比30重量%未満となると、十分な難燃性が得られず、また、火炎を受けた際に炭化して布テープがもろくなるおそれがある。
【0019】
また、布テープがパラ型全芳香族ポリアミド繊維を布テープ重量対比2〜20重量%含むことが好ましい。パラ型全芳香族ポリアミド繊維の重量比率が布テープ重量対比2重量%未満であると、火炎を受けた際の収縮が大きくなってしまうおそれがある。逆に、20重量%を越えると、布テープが硬くなり着用快適性が低下するおそれがある。
【0020】
ここで、布テープがメタ型全芳香族ポリアミド繊維および/またはパラ型全芳香族ポリアミド繊維のみで構成されることが好ましい。特に、布テープがメタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維とを混紡させた紡績糸のみからなることが好ましい。
【0021】
メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、その繰返し単位の85モル%以上がm−フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であってもさしつかえない。
【0022】
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
【0023】
上記メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N−メチル−2−ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
【0024】
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上(より好ましくは3.0〜7.0モル%)であることが好ましい。
【0025】
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられ、そのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
【0026】
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等の目的で、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させることも可能である。
【0027】
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位または平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
【0028】
また、第3成分として共重合させることも可能である。式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、5−クロルイソフタル酸クロライド、5−メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
【0029】
N−Ar2−NH ・・・式(2)
N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子または官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
【0030】
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても目的とする色に調整し易いという点で、5〜35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で、15〜25%であることがより好ましい。
【0031】
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点および染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点で、0.1重量%以下であることが好ましい。
【0032】
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができる。以下の方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
【0033】
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47−10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
【0034】
紡糸溶液としては、とくに限定されないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いてもよいし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いてもよい。
【0035】
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
【0036】
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩が、ポリマー溶液の全重量に対して1重量%以下(より好ましくは0.1重量%以下)であることが好ましい。
【0037】
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
【0038】
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000〜30000個、紡糸孔径が0.05〜0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
【0039】
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20〜90℃の範囲が好ましい。
【0040】
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まないアミド系溶媒(好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液)を、浴液の温度10〜50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満では、スキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となるおそれがある。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を越える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となるおそれがある。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1〜30秒の範囲が好ましい。
【0041】
引続き、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45〜60質量%の水溶液であり、浴液の温度を10〜50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3〜4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10〜30℃のNMPの濃度が20〜40質量%の水溶液、続いて50〜70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
【0042】
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。
【0043】
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mmの短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。
【0044】
メタ型全芳香族ポリアミド繊維の市販品としては、コーネックス(商品名)、コーネックスネオ(商品名)、ノーメックス(商品名)などが例示される。
【0045】
また、パラ型全芳香族ポリアミド繊維としては、テクノーラ(商品名)、ケブラー(商品名)およびトワロン(商品名)に代表されるものであり、主鎖中に芳香族環を有するポリアミドからなる繊維であり、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(PPTA)でもよいし共重合タイプのコポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド(PPODPA)であってもよい。
【0046】
本発明の布テープにおいて、第1の態様は屈曲部分を有する。本発明でいう「屈曲部分」とは、図1に示すように布テープの横断面において表面のリブ部と裏面のリブ部とが交互に形成されている(すなわち、波状を呈する)という意味である。布テープがかかる屈曲部分を有することにより伸縮性を有する。
【0047】
本発明の布テープにおいて、布テープの幅W1が1〜30cm(より好ましくは2〜10cm)の範囲内であることが好ましい。該幅W1が1cmよりも小さいと、十分な伸縮性が得られないおそれがある。逆に該幅W1が30cmよりも大きいと布テープの取扱い性が低下するおそれがある。
【0048】
また、かかる屈曲部分の進行方向(波の進行方向)が、布テープの長手方向または幅方向と一致することが好ましい。なお、図1では、屈曲部分の進行方向が布テープの幅方向(W方向)と一致している。
【0049】
また、屈曲部分の幅W2としては0.3〜20cm(より好ましくは1〜8cm)の範囲内であることが好ましい。該幅W2が0.3cmよりも小さいと、十分な伸縮性が得られないおそれがある。逆に該幅W2が20cmよりも大きいと布テープの取扱い性が低下するおそれがある。
【0050】
屈曲部分の厚さとしては、1〜10mmの範囲内であることが好ましい。
【0051】
また、優れた伸縮性を得る上で、屈曲部分において、下記式で規定される屈曲率が1.1以上(より好ましくは1.3〜10)であることが好ましい。
【0052】
(屈曲率)=[B+(A×2×(屈曲数))]/B
A:屈曲部の厚み(cm)
B:屈曲部の幅(cm)
また、前記屈曲部分が10%以上(より好ましくは25%以上、特に好ましくは50〜300%)の伸縮率を有することが好ましい。該伸縮率が10%よりも小さいと着用快適性が低下するおそれがある。
【0053】
かかる布テープの布帛組織は限定されないが、織物および/または編物からなることが好ましい。特に編物で構成されたものであることが好ましい。なかでもデンビ編物が好ましい。
【0054】
かかる布テープの製造方法としては、例えば、特開2010−285721号公報の0029段落などに記載の方法によって製造することができる。すなわち、例えば、ダブルラッシェル編み機の表側の針で所定幅のデンビ編み部(表側主編成部)を緯方向に所定間隔で編成する一方、裏側の針でも同様に、所定幅のデンビ編み部(裏側主編成部)を緯方向に所定間隔で編成し、さらに、並列する裏側主編成部の位相が前記表側主編成部のそれに対して緯方向にシフトし、各裏側主編成部が、表側主編成部間の中間位置に位置するように編成するとよい、その際、近接する表側主編成部の側縁と裏側主編成部の側縁とをダブル鎖編みまたはダブルデンビ編みによって経方向に繋ぎ編みし(繋ぎ編み部)、編地の両側部に、繋ぎ編み部と同じ編組織で、それぞれ耳部を編成することが好ましい。
【0055】
かかるテープにおいて染色されていることがより好ましい。染色可能とすることにより、無色の生地を用意しておき、用途や要望により染色して出荷することが可能となる。また、染色することにより、繊維製品としたときに他の部分の布帛と色を合わせることが可能となる。
【0056】
さらには、難燃剤、吸水剤、撥水剤、蓄熱剤、紫外線遮蔽剤、制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、防蚊剤、蓄光剤、再帰反射剤等を付与する他の各種加工を付加適用してもよい。
【0057】
かかる布テープは、前記の構成を有するので、難燃性だけでなく伸縮性をも有する。
【0058】
第1の態様の繊維製品は、前記の布テープを一部に用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、難燃ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。
【0059】
前記布テープを肩、ひじ、ひざなどの関節部分などに部分的に配するとよい。その際、布テープ以外の箇所を構成する繊維は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維および/またはパラ型全芳香族ポリアミド繊維であることが好ましい。
【0060】
かかる繊維製品は、前記の布テープを用いているので、難燃性だけでなく伸縮性をも有するという優れた特徴を有する。
【0061】
本発明の布テープにおいて第2の態様はメッシュ部を有する。かかるメッシュ部において、下記式で定義する開口率が20%以上(より好ましくは30%〜60%)であることが好ましい。ここで、開口率が20%未満であると十分な通気性が得られず、快適性が阻害されるおそれがある。
開口率=(C/D)×100(%)
ただし、Cは生地を投影した際の繊維部分に囲まれた空隙部分の総面積であり、Dは該空隙部分の面積と繊維部分の面積とを合計した値である。
【0062】
ここで、前記メッシュ部が、幅1〜5cmで布テープの長手方向に連続することが好ましい。該幅が1cmよりも小さいと通気性が低下するおそれがある。逆に、該幅が5cmよりも大きいと火炎が該メッシュ部を通過するおそれがある。
【0063】
また、長手方向に連続するメッシュ部の両側に非メッシュ部(低通気部)を有すると、布テープの構造が安定し好ましい。その際、非メッシュ部の開口率が10%以下であることが好ましい。非メッシュ部の開口率が10%より大きいと繊維製品とするときにミシン糸で取り付けた際、糸がずれるなど不安定となるおそれがある。
【0064】
布テープを2重構造として、前記メッシュ部を覆う生地(フラップ部)を有すると火炎が前記メッシュ部を通過しにくく好ましい。その際、前記メッシュ部を覆う生地としては前記開口率が20%未満のもの(非メッシュ)が好ましい。該生地は織物、編物など特に限定されないが、好ましくは経編であって、布テープのメッシュ部と非メッシュ部が一体成型されることがより好ましい。
【0065】
ここで、優れた難燃性を得るためには、布テープの本体生地(メッシュ部を有する生地)およびメッシュ部を覆う生地として、前記のような難燃性素材を使用するか、また、難燃後加工を施してもよい。
【0066】
かかる布テープは織物および/または編物からなることが好ましい。織物または編物それぞれ単独で構成されたものでもよく、織物と編物がミシン糸で縫製されることにより連結されたものでもよい。織物の場合は平織、綾織、朱子織などが好ましいが、特に限定されるものではない。編物の場合は丸編(緯編)、経編など特に限定されるものではないが、経編であるほうが布テープの構造が安定しより好ましい。なお、布テープの幅としては、1〜30cm(より好ましくは2〜10cm)であることが好ましい。
【0067】
かかる布テープの製造方法としては、例えば、特開2002−249959号公報に記載されている通り、ダブルラッシェル編み機で製造することができる。
【0068】
かかる布テープにおいて染色されていることがより好ましい。染色可能とすることにより無色の生地を用意しておき、用途や要望により染色して出荷することが可能となる。また、染色することにより、繊維製品としたときに他の部分の布帛と色を合わせることが可能となる。
【0069】
さらには、難燃剤、吸水剤、撥水剤、蓄熱剤、紫外線遮蔽剤、制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、防蚊剤、蓄光剤、再帰反射剤等を付与する他の各種加工を付加適用してもよい。
【0070】
本発明の繊維製品は、前記の布テープを一部に用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、難燃ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。
【0071】
その際、開口部を覆う生地を有する場合、該生地を外気側にするほうが好ましい。また、布テープは繊維製品の全面に使用せずに、脇部分など汗をかきやすい部分や、体温が下がりにくい部分などの一部のみに使用するほうがよい。その際、布テープ以外の箇所を構成する繊維は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維および/またはパラ型全芳香族ポリアミド繊維であることが好ましい。
【0072】
第2の態様の繊維製品は、前記の布帛を用いているので、高通気性を有し、かつ難燃性であるという優れた特徴を有する。
【実施例】
【0073】
次に本発明の実施例および比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)燃焼性
布テープの両端に、布テープを編成したのと同じ紡績糸により作製した織物を、メタ型全芳香族ポリアミド繊維100%からなるミシン糸で縫製し、規定の幅とし、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定を行った。
(2)伸縮率
布テープをテープの長さ方向と直交する方向に、複数の布テープをメタ型全芳香族ポリアミド繊維100%からなるミシン糸で縫製、連結し、規定の大きさとし、JIS L1096 8.16 B法で規定される方法で伸縮率を測定した。
(3)屈曲率
屈曲率=[B+(A×2×(屈曲数))]/B
A:屈曲部の厚み(cm)
B:屈曲部の幅(cm)
(4)開口率
下記式により算出した。
開口率=(C/D)×100(%)
ただし、Cは生地を投影した際の繊維部分に囲まれた空隙部分の総面積であり、Dは該空隙部分の面積と繊維部分の面積とを合計した値である。
【0074】
[実施例1]
メタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名)PA)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/PA=95/5の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸のみを使用し、ダブルラッシェル機により経編地を図2に示す編組織で編成した。その後、常法の精錬を行い、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を染色した後に、屈曲部の幅が1.3倍になるよう伸長しながらピンで固定して熱セットし屈曲率1.45の布テープを得た。幅4cm、屈曲部分の厚さ3mmであった。また、図1のように、屈曲部分の進行方向が布テープの幅方向と一致していた。
【0075】
得られた布テープは、伸縮率が121%であり、残炎時間が0.1秒、残じん時間が1.2秒、炭化長6.0cmであり、難燃性を有するものであった。
【0076】
次いで、該布テープを繊維製品の肩部分に用い、他の部分は常法の方法で作製したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名))MA、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名))PAの各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/PA=95/5の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用した織物を用いた繊維製品(防護服)とした。試験者が該繊維製品を着用したところ、着用したところ、良好なストレッチ性を有し非常に快適なものであった。
【0077】
[比較例1]
実施例1において、紡績糸をポリエステル繊維のみからなる紡績糸40番手/双糸に替えること以外は実施例1と同様に行った。
【0078】
得られた布テープは、屈曲率1.58、伸縮率が132%であるものの、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定する燃焼性は全焼であり、難燃性がないものであった。また、該布テープを繊維製品の肩部分に用い、他の部分は常法の方法で作製したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名))MA、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名))PAの各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/PA=95/5の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用した織物を用いた繊維製品(防護服)とした。
【0079】
試験者が該繊維製品を着用したところ、良好なストレッチ性を有していた。
【0080】
[実施例2]
屈曲部の幅を2.6倍に伸長して熱セットすることにより屈曲率を1.03とした以外は実施例1と同様に行った。
【0081】
得られた布テープは、伸縮率23%とストレッチ性が十分でないが、燃焼性は残炎時間が0.2秒、残じん時間が1.1秒、炭化長5.3cmであり難燃性を有するものであった。
【0082】
次いで、該布テープを繊維製品(防護服)の肩部分に用い、他の部分は常法の方法で作製したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名))MA、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名))PAの各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/PA=95/5の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用した織物を用いた繊維製品(防護服)とした。
【0083】
試験者が該繊維製品を着用したところ、実施例1で得られたものに比べて、肩の部分のストレッチ性が低いものであった。
【0084】
[実施例3]
メタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名)PA)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/PA=95/5の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、ダブルラッシェル機により経編地を編成し図3に示す布テープを編成した。その際、メッシュ部(開口率35%)、非メッシュ部(開口率7%)、およびフラップ部(開口率7%)を一体成型した。
【0085】
その後、常法の精錬を行い、染色加工を施すことによりメタ型全芳香族ポリアミド繊維を染色した後、熱セットした。
【0086】
得られた布テープは、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性において残炎が0.7秒、残じんが0.9秒、炭化長4.8cmであり、難燃性を有するものであった。また、該布テープを繊維製品の脇部分に用い、他の部分は常法の方法で作製したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名)PA)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/PA=95/5の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用した織物を用いた繊維製品(防護服)とした。
【0087】
試験者が該繊維製品を着用したところ、脇部分の通気性が良好であり、非常に快適なものであった。
【0088】
[比較例2]
ポリエステル繊維のみからなる紡績糸40番手/双糸を使用した以外は実施例3と同様に行った。
【0089】
得られた布テープは、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性は全焼であり難燃性がないものであった。また、該布テープを繊維製品の脇部分に用い、他の部分は常法の方法で作製したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名)PA)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/PA=95/5の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用した織物を用いた繊維製品(防護服)とした。
【0090】
試験者が該繊維製品を着用したところ、脇部分の通気性が良好であった。
【0091】
[実施例4]
実施例3において、メッシュ部(開口率10%)、被メッシュ部(開口率5%)、フラップ生地(開口率5%)と、それぞれ開口率を変更した。それ以外は実施例3と同様に行った。
【0092】
得られた布テープは、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性は、残炎時間が0.9秒、残じん時間が1.1秒、炭化長5.3cmであり難燃性を有するものであった。また、該布テープを繊維製品の脇部分に用い、他の部分は常法の方法で作製したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名)PA)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/PA=95/5の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用した織物を用いた繊維製品(防護服)とした。
【0093】
試験者が該繊維製品を着用したところ、脇部分の通気性が、実施例3で得られたものより低いものであった。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明によれば、難燃性を有する布テープおよび繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
【符号の説明】
【0095】
1:メッシュ部
2:フラップ部
3:非メッシュ部
【要約】
課題は、難燃性を有する布テープおよび繊維製品を提供することであり、解決手段は、有機繊維からなる布テープであって、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定において残炎時間を2.0秒以下とすることである。
図1
図2
図3