特許第6247802号(P6247802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247802
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】警報システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20171204BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   G08B17/00 C
   G08B25/10 A
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-102440(P2012-102440)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-232036(P2013-232036A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年1月21日
【審判番号】不服2016-18769(P2016-18769/J1)
【審判請求日】2016年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】松熊 秀成
【合議体】
【審判長】 平田 信勝
【審判官】 中川 隆司
【審判官】 内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−58529(JP,A)
【文献】 特開平2−183893(JP,A)
【文献】 特開平11−96473(JP,A)
【文献】 実開昭54−135887(JP,U)
【文献】 特開平10−74292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00,G08B25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる所定局所にそれぞれ配置され、当該所定局所の観測点の温度を観測して温度観測結果が示す温度に基づき温度異状を検知した場合に、温度異状検知信号を送信する複数の温度測定手段と、
前記複数の温度測定手段から受信した温度異状検知信号に基づいて異状を判断して異状警報を出力する警報手段と、
を備えた警報システムに於いて、
前記警報手段は、前記複数の温度測定手段の内の、異なる所定局所に配置された少なくとも2台を関連付けた組み合せのパターンが予め複数登録され、当該登録された複数のパターンの内の、少なくとも何れか1パターンで関連付けられた全ての温度測定手段から受信した温度異状検知信号の全てから異状を判断した場合に、異状警報を出力することを特徴とする警報システム。
【請求項2】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記複数の温度測定手段は、所定の異状判断温度より低い所定の閾値温度を設定し、前記温度観測結果が示す温度が前記閾値温度以上となる温度異状を検知した場合に温度異状検知信号を前記警報手段へ送信し、
前記警報手段は、前記関連付けられた少なくとも2台の温度測定手段の各々から温度異状検知信号を受信した場合に異状と判断して異状警報を出力することを特徴とする警報システム。
【請求項3】
請求項2記載の警報システムに於いて、
前記警報手段は、前記パターンの1つとして、第1の温度測定手段と少なくとも第2の温度測定手段とを関連付けた第1のパターンが登録され、
前記第1の温度測定手段は、通常の使用状態で観測点の温度が前記閾値温度以上となる可能性がある熱源使用機器に配置され、
前記第2の温度測定手段は、前記第1のパターンで関連付けられていない他の温度測定手段よりも前記熱源使用機器の近くに配置されていることを特徴とする警報システム。
【請求項4】
請求項2記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、前記関連付けられた複数の温度測定手段の各々から温度異状検知信号を受信した場合に所定の蓄積時間を設定し、当該蓄積時間のあいだ前記各温度異状検知信号の受信が継続した場合に異状と判断して異状警報を出力することを特徴とする警報システム。
【請求項5】
請求項2記載の警報システムに於いて、前記関連付けられた複数の温度測定手段に設定する閾値温度を相互に異ならせたことを特徴とする警報システム。
【請求項6】
請求項1記載の警報システムに於いて、前記警報手段は、前記関連付けられた複数の温度測定手段から受信した温度異状検知信号に基づいて異状と判断した場合に異状警報を出力すると共に他の警報システムの警報手段へ異状連動信号を送信して異状警報を出力させ、一方、他の警報システムの警報手段から異状連動信号を受信した場合に、連動先を示す異状警報を出力することを特徴とする警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域内の、複数の所定局所の温度をスポット的に観測して、異状を判断して警報する警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等における火災などの異状を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用異状警報器を住警器と言う。
【0003】
例えばこのような住警器にあっては、電池電源で動作し、住警器内に火災を検知するセンサ部と火災を警報する警報部を一体に備え、センサ部の火災現象検出信号に基づき火災を検知すると警報部から所定パターンの火災警報音を出力するようにしており、所謂自動火災報知設備のように受信機等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報報知ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0004】
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報音が出力されると、他の住警器でも連動して異状警報音を出力させる連動型の住警器も実用化され、普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−094719号公報
【特許文献2】実用新案登録第3143139号公報
【特許文献3】特開2009−140236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
火災が発生する場所の多くは各種ストーブ、ガスコンロ等の熱源や火気を使用している場所、喫煙などで火気を使用する場所、くず入れ等であり、放火の場合にはゴミの集積場所や物置等である。このような場所で発生する火災を早期に発見するためには、これらの場所又はその近傍に住警器を設置すればよいが、現在の住警器やその他の火災警報器は、例えば所定の監視領域全体を見渡せる天井面や壁面上部に設置しており、この監視領域の中の更に局所に場所を絞りスポット的に異状を監視するようにはなっていない。
【0007】
これを解決するために住警器を局所毎に配置することは、住警器の設置台数が増加することになり合理的でない。
【0008】
局所についてスポット的に異状を監視する別の方法としては、例えば監視対象機器や監視対象場所或いはその近傍に温度センサを設置し、火災に伴う温度上昇を検出し、これに基づき火災を検知して火災検知信号を出力するようにすれば良い。しかし、火災を検知して警報するためには、温度センサを用いたセンサ部以外に音響警報や表示を行う警報部が必要であり、そうすると従来の住警器と同等のものを各種ストーブやくず入れといった場所に直接(近接)配置して火災を監視することになり、コストも高くなり、実用上望ましくない。
【0009】
また、住警器は煙や熱気流の対流を考慮して異状を検知し易い場所、例えば天井面や壁面上部に取り付けるようにしている一方でセンサ部と警報部、更には各種操作部が一体となっていることから、例えば高所に設置されている場合は操作部に手が届かず操作し難い等、センサ部の設置に適した場所が必ずしも警報部や操作部の設置に適した場所と一致しないという問題点もあった。
【0010】
この問題を解決するため、本願出願人にあっては、警報器とこれに割り当てた複数の温度測定チップを備え、所定局所に温度測定チップを設置し、温度測定チップは温度観測結果が示す温度が所定の閾値温度以上の場合に異状を検知して異状検知信号を警報器へ送信し、警報器は温度測定チップから異状検知信号を受信して警報報知する警報システムを提案している。
【0011】
このような警報システムによれば、温度測定チップを例えば各種ストーブ、ガスコンロ等の火気や熱源使用機器、その設置場所、喫煙などで火気を使用する場所、特に寝タバコをするベッドや寝室の所定場所、更にはくず入れ等、その他相対的に火源となる可能性の高い機器や場所或いはそれらの近傍等、所定局所に設置することで、スポット的に観測した温度観測結果が示す温度に基づき火災を検知して火災検知信号を警報器に送り、所定局所で発生した異状を迅速且つ確実に警報することで、利用者に適切に対処させることができる。
【0012】
しかしながら、各種ストーブ、ガスコンロ等の火気や熱源使用機器といった所定局所に温度測定チップを配置してスポット的に異状を監視しようとする場合、火気や熱源使用機器の状況によっては温度測定チップで観測している観測点の温度が一時的に閾値温度以上となり、警報器から非火災報を出す可能性がある。例えば、石油ストーブに温度測定チップを配置してスポット的に異状を監視している場合、石油ストーブの日常的な使用の中で火力を強くしたような場合、温度測定チップにより観測している観測点の温度が一時的に所定の閾値温度以上となって火災検知信号を送信し、警報器から非火災報を出してしまう可能性がある。
【0013】
このため温度測定チップを火気や熱源使用機器に近接配置してスポット的に異状を監視するような使い方が難しく、非火災報を出さないように少し離れた位置に配置することとなり、火気や熱源使用機器にといった所定局所の異状をスポット的に監視できない場合がある。
【0014】
本発明は、火気や熱源使用機器を含む所定局所の火災等の異状をスポット的に監視すると共に非火災報を抑制可能とする警報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(警報システム)
本発明は、
異なる所定局所にそれぞれ配置され、当該所定局所の観測点の温度を観測して温度観測結果が示す温度に基づき温度異状を検知した場合に、温度異状検知信号を送信する複数の温度測定手段と、
複数の温度測定手段から受信した温度異状検知信号に基づいて異状を判断して異状警報を出力する警報手段と、
を備えた警報システムに於いて、
警報手段は、複数の温度測定手段の内の、異なる所定局所に配置された少なくとも2台を関連付けた組み合せのパターンが予め複数登録され、当該登録された複数のパターンの内の、少なくとも何れか1パターンで関連付けられた全ての温度測定チップから受信した温度異状検知信号の全てから異状を判断した場合に、異状警報を出力することを特徴とする。

【0016】
(異状判断温度より低い閾値温度の設定)
複数の温度測定手段は、所定の異状判断温度より低い所定の閾値温度を設定し、温度観測結果が示す温度が閾値温度以上となる温度異状を検知した場合に温度異状検知信号を警報手段へ送信し、
警報手段は、関連付けられた少なくとも2台の温度測定手段の各々から温度異状検知信号を受信した場合に異状と判断して異状警報を出力する。
ここで、警報手段は、パターンの1つとして、第1の温度測定手段と少なくとも第2の温度測定手段とを関連付けた第1のパターンが登録され、
第1の温度測定手段は、通常の使用状態で観測点の温度が閾値温度以上となる可能性がある熱源使用機器に配置され、
第2の温度測定手段は、第1のパターンで関連付けられていない他の温度測定手段よりも熱源使用機器の近くに配置されている。
【0017】
(蓄積異状判断)
警報手段は、関連付けられた複数の温度測定手段の各々から温度異状検知信号を受信し、AND条件が成立した場合に蓄積を開始し、所定の蓄積時間にわたり各温度異状検知信号の受信が継続した場合に異状と判断して異状警報を出力する。
【0018】
(閾値温度の相違)
関連付けられた複数の温度測定手段にそれぞれ設定する閾値温度を相互に異ならせる。
【0019】
(連動システム)
警報手段は、関連付けられた複数の温度測定手段から受信した温度異状検知信号に基づいて異状と判断した場合に異状警報を出力すると共に他の警報システムの警報手段へ異状連動信号を送信して異状警報を出力させ、一方、他の警報システムの警報手段から異状連動信号を受信した場合に、連動先を示す異状警報を出力する。
【発明の効果】
【0020】
(基本的な効果)
本発明によれば、所定局所に配置し、観測点の温度を観測して温度観測結果が示す温度に基づき温度異状を検知した場合に、温度異状検知信号を送信する複数の温度測定手段と、複数の温度測定手段から受信した温度異状検知信号に基づいて異状を判断して異状警報、例えば火災警報を出力する警報手段とを備えた警報システムに於いて、予め関連づけられた複数の温度測定手段から受信した温度異状検知信号に基づいて(温度異状のAND条件成否に基づいて)異状を判断して異状警報を出力するようにしたため、監視領域内の温度測定手段を配置した所定局所について観測点の温度異状が検知された場合、予め関連づけられている別の温度測定手段による観測点の温度異状を監視し、相互に関連づけられた温度測定手段の各々で温度異状を検知した場合に異状と判断して警報することになり、非異状警報を抑制した確実性の高い異状報知ができる。
【0021】
(異状判断温度より低い閾値温度により温度異状を検知する効果)
また複数の温度測定手段は、所定の異状判断温度により低い所定の閾値温度を設定し、温度観測結果が示す温度が閾値温度以上となる温度異状を検知した場合に温度異状検知信号を警報手段へ送信し、警報手段は、予め関連づけられた少なくとも2台の温度測定手段の各々から温度異状検知信号を受信した場合(温度異状のAND条件が成立した場合)に異状と判断して異状警報を出力するため、警報手段は例えば相互に比較的近距離に配置していることで関連づけられた複数の温度測定手段の温度観測結果が示す温度は発火する所定の異状判断温度までは上昇していないが、それより低い所定の閾値温度に上昇して異状の兆候を示していることから、この段階で異状と判断して警報することで、発火する前の段階あるいは異状初期の段階で確実に異状警報を報知し、異状を早期に発見することができる。
【0022】
また予め関連づけられた複数の温度測定手段の温度観測結果が示す温度の異状を検知して異状を判断しているため、異状以外の要因により特定の温度測定手段で一時的に温度異状を検知しても、予め関連づけられた別の温度測定手段で温度異状を検知しない限り異状警報は出力せず、温度測定手段を配置した例えば暖房機器等の日常的な使い方などによる温度上昇による非異状警報を確実に防止できる。
【0023】
(蓄積異状判断による効果)
また警報手段は、予め関連づけられた複数の温度測定手段の各々から温度異状検知信号を受信した場合(温度異状のAND条件が成立した場合)に所定の蓄積時間を設定し、当該蓄積時間のあいだ各温度異状検知信号の受信が継続した場合(温度異状のAND条件成立の状態が継続した場合)に異状と判断して異状警報を出力するため、近くに配置した予め関連づけられた複数の温度測定手段の各々から温度異状検知信号を受信していたとしても、これが所定の蓄積時間継続しない場合には異状と判断せず、異状以外の原因による一時的な温度異状による非異状警報を更に確実に防止できる。
【0024】
(閾値温度を異ならせることによる効果)
また予め関連づけられた複数の温度測定手段に設定する閾値温度を相互に異ならせることを可能にしたため、温度測定チップを配置する所定局所の温度の状況に合わせて温度異状を検知する適切な閾値温度を設定できる。例えば温度測定チップを各種ストーブ、ガスコンロ等の火気や熱源使用機器や場所またはその近傍の所定局所に配置する場合には、対象機器の日常的な使用による温度変化を温度異状として検知しないように閾値温度を例えば高めに設定し、一方、喫煙などで火気を使用する場所、寝タバコをするベッドや寝室の所定場所、更にはくず入れ等の火源となる可能性の高い機器や場所或いはそれらの近傍については、例えば室温の温度変化を温度異状として検知ない範囲で閾値温度を例えば低めに設定し、温度測定チップを配置する所定局所の温度の状況に合わせて閾値温度を設定することで、異状の早期発見と非異状警報の防止を両立した異状監視を可能とする。
【0025】
(温度測定手段で異状を検知する効果)
また、温度測定手段で温度観測結果から温度異状を検知して警報手段へ温度異状検知信号を送信しているため、警報手段側で温度観測結果が示す温度から温度異状を検知する処理が不要となり、警報手段側の処理負担を軽減できる。
【0026】
(警報システムの連動による効果)
また1台の警報器とこれに割り当てられた複数の温度測定チップにより1つの警報システムを構成し、この警報システムを複数設けて例えば各部屋に配置することを可能としたため、ある部屋の警報システムで異状を検知して警報した場合に、異状連動信号を他の部屋の警報システムへ送信して警報報知させることができ、複数の警報システムの間のマルチ通信ネットワークを柔軟且つ適切に構築し、戸建住宅、集合住宅、学校、病院、オフィスビルなどの監視領域に対応してマルチスポット的にきめ細かく異状を検知して、早期に警報することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による警報システムの設置例を示した説明図
図2】本発明による警報システムの概略構成を示した説明図
図3】温度測定チップの外観及び構造を示した説明図
図4】温度測定チップの機能構成の概略を示したブロック図
図5】警報器の機能構成の概略を示したブロック図
図6】台所に設置した警報システムの一例と温度測定チップの関連性を示した説明図
図7図6の警報システムによる通常監視状態の異状監視動作を示したタイムチャート
図8図6の警報システムによる異状が発生した場合の異状監視動作を示したタイムチャート
図9】温度測定チップの他の実施形態を示した説明図
図10】温度測定チップの他の実施形態を示した説明図
図11】温度測定チップの他の実施形態を示した説明図
図12】温度測定チップの他の実施形態を示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0028】
[警報システムの構成]
(システム構成の概略)
図1は本発明による警報システムの住宅に対する設置例であり、図2に警報器と温度測定チップを取り出して警報システムの概略構成を示している。本発明の警報システムは、1台の警報器と複数の温度測定チップで構成する。
【0029】
温度測定チップ10(10−11〜10−44)は、所定局所に配置し、観測点の温度を観測して温度観測結果に基づき温度異状を検知した場合に、温度異状検知信号を送信する温度測定手段であり、警報器100(100−1〜100−4)は、それぞれに割り当てられて管理している複数の温度測定手段から受信した温度異状検知信号に基づいて異状を判断して異状警報を出力する警報手段であり、予め関連づけられた複数の温度測定チップから受信した温度異状検知信号に基づいて(温度異状のAND条件成否に基づいて)異状を判断して異状警報を出力する。また、複数の温度測定手段は、これを管理する警報手段の通信範囲内の、所定局所に配置する。なお、以下の説明は、警報器100が異状警報として火災警報を出力する場合を例にとって説明する。
【0030】
(警報器と温度測定チップの配置)
図1及び図2において、住宅14の台所、居間、子供部屋、主寝室など各部屋に分けて、警報器100−1〜100−4のそれぞれに対応して、温度測定チップ10−11〜10−14,10−21〜10−24,10−31〜10−34,10−41〜10−44を割当配置し、警報システムA1〜A4を構成する。
【0031】
即ち、警報システムA1は警報器100−1と温度測定チップ10−11〜10−14で構成し、警報システムA2は警報器100−2と温度測定チップ10−21〜10−24で構成し、警報システムA3は警報器100−3と温度測定チップ10−31〜10−34で構成し、更に、警報システムA4は警報器100−4と温度測定チップ10−41〜10−44で構成する。
【0032】
台所の警報システムA1を例にとると、温度測定チップ10−11〜10−14はそれぞれの観測点の温度を観測し、温度観測結果が示す温度の異状を検知した場合に温度異状検知信号を警報器100−1へ送信する。警報器100−1は所定局所に配置した複数の温度測定チップとこれらの関連づけを予めメモリ等に登録し、相互に関連づけられている複数の温度測定チップから受信した温度異状検知信号に基づいて(温度異状のAND条件成否に基づいて)異状を判断して、異状と判断した火災警報を出力する。
【0033】
例えば警報器100−1は、相互に設置場所の近い温度測定チップ10−11,10−12を関連のある温度測定チップとして予め登録し、温度測定チップ10−11,10−12の各々からの温度異状検知信号を受信し、これらに基づき検知した温度異状のAND条件が成立した場合に蓄積を開始し、所定の蓄積時間ΔTにわたり当該AND条件の成立が継続している場合に、異状と判断して火災警報を出力する。
【0034】
また警報器100−1は、異なる所定局所にそれぞれ配置した複数の温度測定チップとして例えば温度測定チップ10−13,10−14を関連のあるものとして予め登録し、温度測定チップ10−11,10−12の場合と同様に、温度測定チップ10−13,10−14の各々から温度異状検知信号を受信し、これらに基づき検知した温度異状のAND条件が成立した場合に蓄積を開始し、所定の蓄積時間ΔTにわたり当該AND条件の成立が継続している場合に、異状と判断して火災警報を出力する。
【0035】
警報装置100−1と温度測定チップ10−11〜10−14の間は所定の第1通信プロトコルに従った通信経路11となり、温度測定チップ10−11〜10−14はこの通信経路11を介して警報器100−1へ、警報システムA1に固有な警報グループ符号を含めた信号を送信する。他の警報システムA2〜A4についても同様である。
【0036】
また図1の例にあっては、警報システムA1〜A4に設けた警報器100−1〜100−4との間で相互通信を可能として連動グループを形成している。警報装置100−1〜100−4の間は所定の第2通信プロトコルに従った通信経路12となり、所定の連動グループ符号を含めた信号を送受信することで、複数の警報システムで構成される連動グループ内での通信を可能とする。例えば警報装置100−1が自己の警報システム(警報システムA1)に属する温度測定チップ10−11〜10−14の内の少なくとも2台からの温度異状検知信号の受信に基づいて異状を判断して、連動元を示す火災警報を出力した場合、他の警報システムA2〜A4の警報器100−2〜100−4へ異状連動信号を送信して、これを受信した警報器100−2〜100−4に、連動先を示す火災警報を出力させる。
【0037】
このように本発明は、1台の警報器100で複数の温度測定チップ10を管理する警報システムを少なくとも1つ含む、複数の警報システムを連動させる。
【0038】
ここで、1台の警報器100で複数の温度測定チップ10を管理するとは、警報システムに設けた1の警報器100に複数の温度測定チップ10を割り当て、この割り当てた複数の温度測定チップ10の内の予め関連づけられた少なくとも2台の温度測定チップ10の各々が送信した温度異状検知信号を警報器100で有効受信し、これらに基づき検知した温度異状のAND条件が成立した場合に蓄積を開始し、所定の蓄積時間ΔTにわたり当該AND条件の成立が継続している場合に異状と判断して火災警報を出力することをいう。
【0039】
また蓄積とは、温度異状のAND条件の成立を、所定の蓄積時間にわたり蓄えることをいう。即ち、温度異状のAND条件が成立した場合には所定の蓄積時間の計時を開始し、蓄積時間の計時中に温度異状のAND条件が成立しなくなった場合には蓄積を解除し、蓄積が解除されずに所定の蓄積時間が経過した場合には蓄積を完了して当該蓄積時間にわたり当該AND条件の成立が継続したと判断する。
【0040】
更に複数の警報システムを連動させるとは、1の警報システムの警報器100が、当該警報器の管理する複数の温度測定チップの内の予め関連付けられた少なくとも2台の温度測定チップ10の各々が送信した温度異状検知信号を有効受信し、これらに基づき検知した温度異状のAND条件が成立した場合に蓄積を開始し、所定の蓄積時間ΔTにわたり当該AND条件の成立が継続している場合に異状と判断して連動元を示す火災警報を出力した場合に異状連動信号を生成し、当該異状連動信号を他の警報システムの警報器へ送信して連動先を示す火災警報を出力させ、一方、他の警報システムの警報器の何れかが送信した異状連動信号を受信した場合に、連動先を示す火災警報を出力することをいう。
【0041】
なお、以下の説明は警報器100−1〜100−4が連動グループを形成した場合の連動システムを例にとるが、連動グループはこのうち一部の警報システムで形成しても良いし、連動グループを形成せず警報システムA1〜A4をそれぞれ独立したシステムとして使用するようにしても良い。また、以下、警報器100−1〜100−4及び温度測定チップ10−11〜10−44をそれぞれ区別しない場合は警報器100及び温度測定チップ10という。
【0042】
ここで温度測定チップ10−11〜10−44が観測する観測点の温度は、温度検出素子(後述)の検出信号に基づいて観測した温度を示す指標である温度情報であり、これを「温度」或いは「観測温度」という。
【0043】
温度測定チップ10は住宅14における例えば火気使用機器の内部や外表面、発熱源となる機器内部や外表面、くず入れの中や外表面、それらの近傍、といった所定局所に配置することができる。住宅14における所定局所としては、例えば台所のガスコンロの周辺、台所、居間及び子供部屋に設置しているストーブやくず入れ、寝タバコをする主寝室のベッド、居間に設置しているテレビなどがある。
【0044】
本実施形態の各警報システムにあっては、温度測定チップ10を複数配置し、これを1台の警報器100に割当てて管理している。このため警報器100に割当てた複数の温度測定チップ10は、これらを管理する警報器100の通信範囲に入る所定局所に配置する。警報装置100の通信範囲とは、警報装置100に割当てて管理している温度測定チップ10から送信した信号が、警報装置100で有効受信できる通信距離に入る範囲をいう。
【0045】
図1ないし図2に示すシステムは、このような警報器100とこれに割当てて管理している温度測定チップ10を組み合わせた警報システムを4つ設けている。
【0046】
[温度測定チップの構成]
(温度測定チップの外観・構造)
図3図1に設けた温度測定チップの外観を示した説明図であり、図3(A)に平面を、図3(B)に内部構造の断面を、図3(C)に底面を示している。
【0047】
図3において、温度測定チップ10は例えば合成樹脂で成型した一端(図3(B)の図示下方)に開口した円盤状のカバー18と、カバー18の開口側に装着したベース20で筐体を構成し、筐体の内部に回路基板22を収納している。カバー18の表面には温度測定チップ10のIDを特定する番号を示したシール45を必要に応じて貼る。
【0048】
回路基板22とベース20の間には釦電池24を収納し、釦電池24の正極には正極端子金具32を接触し、釦電池24の回路基板22側に位置する端面の負極には、負極端子金具30を接触している。
【0049】
釦電池24はベース20の開口穴に対する電池蓋26の装着で固定している。電池蓋26は外周内側の相対した2箇所にL字形の嵌合突起を形成し、ベース20の開口に形成した嵌合切欠にL字形の嵌合突起を嵌め入れて回すことでロックできる。電池蓋26には釦電池24を着脱する際の回動操作のため硬貨等を嵌合する嵌合溝28を形成している。
【0050】
回路基板22の図示上側面には制御チップ38と無線通信チップ40を実装し、更にカバー18に形成したスリット(開口)42の内側には、外気が通流する位置に温度検出素子36を実装している。温度検出素子36としては観測点(感熱部)の温度に応じて例えば抵抗値が変化するサーミスタなどの適宜の温度検出素子を使用する。
【0051】
また回路基板22にはLED46を実装し、これに相対してカバー18側に透明樹脂などを用いた表示窓44を配置している。
【0052】
ベース20の表面外周には取付シート34を設ける。取付シート34はマグネットシート又は粘着シートなどであり、監視対象とする機器や場所の取付面に簡単に取り付け配置することができる。なお、取付手段および方法は任意であり、取付シート34以外に、フックやクリップ、紐などの適宜の手段を必要に応じて設けることができる。
【0053】
(温度測定チップの機能構成)
図4は温度測定チップの機能構成の概略を示したブロック図である。温度測定チップ10は、温度検出素子36、温度監視制御部48、アンテナ52を接続した通信部50を備え、図3に示した釦電池24による電源供給を受けて動作する。温度監視制御部48は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしては図3の制御チップ38を備え、CPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路又はワイヤードロジック回路等を使用する。
【0054】
通信部50は図3の無線通信チップ40を備え、警報器100−1との間で所定の第1通信プロトコルに従って信号を送受信する。第1通信プロトコルとしては、例えばRFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」の略)に割当てられた900MHzの周波数、即ち950〜957MHzを使用したセンサネットワーク用の近距離通信プロトコル等を使用する。この信号は、送信元を示す識別子である送信元符号、警報グループ符号(警報システム識別符号)、制御コマンドや温度異状、復旧等の検知結果(事象符号)を含んだ形式とする。送信元符号としては、例えばシリアル番号を利用する。
【0055】
温度検出素子36は前述したように例えばサーミスタを使用し、この場合、温度による抵抗値の変化に対応した電圧検出信号を温度監視制御部48へ出力する。
【0056】
温度監視制御部48は例えばCPUによるプログラムの実行により実現される機能である。
【0057】
温度監視制御部48は、温度検出素子36からの検出信号に基づき所定周期毎に観測点の温度を観測し、温度観測結果が示す温度が閾値温度Tth以上の場合に温度異状を検知し、通信部50に指示し、警報器100へ温度異状検知信号を出力させる制御を行う。温度異状検知は、複数回に亘り観測した温度から温度変化率を求め、この温度変化率(上昇率)が予め定めた変化率の閾値以上となった場合に検知するようにしても良い。その他、温度に基づき各種演算等により温度異状を検知するようにして良い。
【0058】
ここで温度監視制御部48は温度異状を検知する温度閾値Tthとして、異状判断温度となる所定温度、例えば75℃より低い所定の閾値温度Tthを設定している。この閾値温度Tthは、温度測定チップ10を配置する所定局所の温度の状況に合わせて利用者が警報システムを設置する場合に必要に応じて設定する。
【0059】
例えば温度測定チップ10を各種ストーブ、ガスコンロ等の火気や熱源使用機器や場所またはその近傍の所定局所に配置する場合には、対象機器の日常的な使用による温度変化を温度異状として検知しないように閾値温度Tthを例えばTth=65℃というように高めに設定する。
【0060】
また温度測定チップ10を喫煙などで火気を使用する場所、寝タバコをするベッドや寝室の所定場所、更にはくず入れ等の火源となる可能性の高い機器や場所或いはそれらの近傍といった所定局所、即ち火気や熱源使用機器や場所またはその近傍でない所定局所に配置する場合は、例えば室温の通常温度変化を温度異状として検知しない程度に閾値温度Tthを例えば低めのTth=50℃に設定する。
【0061】
具体的には、温度監視制御部48は閾値温度Tth=50℃を初期設定しており、警報システムを設置する場合に、利用者が温度測定チップ10を設置する所定局所に合せて、必要に応じ、初期設定している閾値温度を、閾値温度に設定変更する。
【0062】
また温度監視制御部48は、通信部50に指示した温度異状検知信号の送信中に、温度検出素子36からの検出信号に基づき所定周期毎に観測した温度観測結果が示す温度が閾値温度Tthを下回った場合、温度異状の復旧(温度異状の検知状態が解消したこと)を検知し、通信部50に指示し、警報器100へ温度異状復旧検知信号を出力させる制御を行う。
【0063】
[警報器の構成]
図5は警報器100−1の機能構成の概略を示したブロック図である。また図5では警報システムA1の警報器100−1について示しているが、他の警報システムA2〜A4の警報器100−2〜100−4の構成も同様となる。
【0064】
(警報器の機能構成)
図5において、警報器100−1は、警報制御部102、アンテナ106を接続した第1通信部104、アンテナ110を接続した第2通信部108、報知部112、操作部114を備え、図示しない電源、例えば電池電源により動作する。また、警報器100−1は、自己が管理する複数の温度測定チップ10をそれぞれ特定するIDと、これらの関連を登録記憶するメモリを備えており(図示省略)、この記憶内容は必要に応じ警報制御部102が読み出せるようになっている。
【0065】
警報制御部102は、CPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路またはワイヤードロジック回路等を使用する。
【0066】
第1通信部104は、警報制御部102の指示を受け、温度測定チップ10−11〜10−14との間で、第1通信プロトコルに従って信号を送受信する。この信号は、温度測定チップ10の通信部50の場合と同様に、送信元を示す送信元符号、警報グループ符号、温度異状検知などの事象を示す事象符号を含んだ形式とする。前述の温度異状検知信号はこの信号に該当する。警報グループ符号は警報システム(この場合A1)に固有な符号であり、このような警報グループ符号を使用することで、隣接する他の警報システムA2〜A4との間で温度異状検知信号等の通信電文が混信することを避けることができる。
【0067】
第2通信部108は他の警報システムの警報器100−2〜100−4との間で所定の第2通信プロトコルに従って連動信号を送受信する。連動信号は、各警報器100に固有の識別子として割り当てられ、信号を送信する際に送信元を示す符号としても使用される送信元符号、自己が属する連動グループを示す連動グループ符号(連動グループ識別符号)、異状などの事象を示す事象符号を含んだ形式とする。警報器100−1は警報器100−2〜100−4との間で第2無線通信プロトコルに従って連動信号を送受信する連動グループを形成し、連動グループ符号はこのグループ固有の符号とする。このような連動グループ符号を使用することで、隣接する他のグループとの間で連動信号が混信することを避けることができる。
【0068】
第2通信プロトコルによる送受信は、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。
【0069】
報知部112は、スピーカ、LED及びそれぞれの駆動回路を備え、必要に応じ警報制御部102の指示によりスピーカから警報音を出力すると共にLEDにより警報表示を行う。操作部114は警報音及び又は警報表示を停止するための操作を受け付ける警報停止スイッチなどの各種スイッチを備える。操作部114はまた、警報器100−1が管理する複数の温度測定チップ10をそれぞれ特定するIDと、これらの関連をメモリへ登録記憶するための登録操作を行う登録操作部を有している。警報器100−1には、この登録操作に伴い必要となる情報を表示する表示部を設けても良い。
【0070】
警報制御部102は、CPUのプログラム実行などにより実現する機能であり、次の制御を行う。
【0071】
(火災警報制御)
警報制御部102は、所定局所に配置した複数の温度測定チップとこれらの関連を必要に応じてメモリに記憶することで予め登録し、相互に関連づけられている複数の温度測定チップで検知した温度異状のAND条件が成立し、且つこれが所定の蓄積時間ΔTのあいだ継続した場合に異状と判断(断定)して火災警報を出力する。
【0072】
図6(A)は警報システムA1を配置した台所の一例であり、表示が見やすく操作しやすい壁面位置に警報器100−1を配置し、石油ストーブ16に温度測定チップ10−11を直接貼り付けて配置(近接配置)し、これと別に石油ストーブ16の近くに温度測定チップ10−12を配置し、石油ストーブ16から比較的離れた位置に温度測定チップ10−13,10−14を配置している。(実際には、ストーブを移動等することにより、温度測定チップ10−12〜10―14の設置位置に対し、石油ストーブ16の設置位置が相対的に変化するといったケースが想定される。図6(A)はその一場合を示していると言える。
【0073】
図6(A)のように温度測定チップ10−11〜10−14を所定局所に配置した場合、警報制御部102は、例えば図6(B)のリスト(テーブル)に示すように、温度測定チップ10−11〜10−14の各々について、相互に関連のある各所定局所に配置した複数の温度測定チップ10を関連のあるものとして図5に不図示のメモリ等に予め登録している。
【0074】
例えば石油ストーブ16の外表面に貼り付け配置した温度測定チップ10−11には、その近くに配置した温度測定チップ10−12を関連づけて登録し、温度測定チップ10−12には、その近くに配置した隣接する温度測定チップ10−11,10−13,10−14を関連づけて登録し、温度測定チップ10−13には温度測定チップ10−12を関連づけて登録し、温度測定チップ10−14には温度測定チップ10−12を関連づけて登録している。これは一例であり、温度チップ10−11に温度チップ10−12〜10−14を関連づけ、温度チップ10−12〜10−14にそれぞれ温度チップ10−11を関連づける等、想定される異状発生状況にあわせて様々な登録パターンを選択し得る。
【0075】
なお、温度測定チップ10−11〜10−14のIDは、送信元符号などの識別子を使用する。
【0076】
また、警報制御部102は、第1通信部104を介して警報システムA1に属し、相互に関連づけられている少なくとも2台の温度測定チップ10、例えば温度測定チップ10−11,10−12から送信された第1通信プロトコルに従った温度異状検知信号の有効受信を検知して、これに基づき温度測定チップ10−11,10−12により検知した温度異状のAND条件が成立し、且つこれが所定の蓄積時間ΔTのあいだ継続した場合に、異状と判断し、火災警報を出力する。
【0077】
この異状判断のため、警報制御部102は、例えば温度測定チップ10−11〜10−14毎に割り当てた温度異状検知フラグをメモリに記憶しており、温度測定チップ10から温度異状検知信号を有効受信した場合に、対応する温度異状検知フラグをセットし、その後、同じ温度測定チップ10から温度異状復旧検知信号を有効受信した場合に、対応する温度異状検知フラグをリセットする。また警報制御部102は、例えば温度測定チップ10−11から温度異状検知信号を有効受信して温度測定チップ10−11に対応した温度異状検知フラグをセットした場合、温度測定チップ10−11と関連づけられた温度測定チップ10−12に対応した温度異状検知フラグを参照し、温度測定チップ10−11,10−12の両方の温度異状検知フラグがセット状態にある場合に、温度測定チップ10−11,10−12により検知した温度異状のAND条件が成立したことを判別して蓄積を開始し、所定の蓄積時間ΔTが経過したときに、再度両方の温度異状検知フラグをチェックし、温度異状のAND条件が成立していることを判別した場合に(所定の蓄積時間ΔTにわたり当該AND条件の成立が継続していることを判別した場合に)、異状と判断して報知部112を制御して火災警報を出力する。
【0078】
この場合の火災警報として例えば「ピーピー 火災を検知しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力させると共にLEDを例えば点灯させる制御を行う。
【0079】
また、警報制御部102は、予め関連付けられた少なくとも2台の温度測定チップ10により検知した温度異状のAND条件の成立により蓄積を開始し、所定の蓄積時間ΔTにわたる当該AND条件の成立が継続したことに基づき火災警報を出力させる場合、これにあわせて第2通信プロトコルに従った異状連動信号を生成し、当該異状連動信号を第2通信部108から他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ送信させる制御を行い、当該異状連動信号を有効受信した他の警報システムの警報器100−2〜100−4で連動先を示す火災警報を出力させる。この場合の連動先を示す火災警報は例えば「ピーピー 別の場所で火災を検知しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力させると共にLEDを例えば点滅させる制御を行う。
【0080】
また警報制御部102は、第2通信部108を介して他の警報システムの警報器100−2〜100−4の何れかが送信した異状連動信号の有効受信を検知した場合、報知部112からの連動先を示す火災警報(警報音及び/又は警報表示)を出力させる制御を行う。
【0081】
なお、「信号の有効受信を検知」とは、受信した信号に含まれる警報グループ符号又は連動グループ符号が、受信装置である自己のメモリに予め登録した警報グループ符号又は連動グループ符号に一致して自己に宛てた信号(自己の管理下にある温度測定チップ10からの信号である、又は自己が属する連動グループ内の信号である)と認識し、更に、信号内容としても異常(誤り)が無いことを認識したことを意味する。以下、このような有効受信を含め、単に受信ということがある。
【0082】
(異状復旧制御)
警報制御部102は、第1通信部104を介して火災警報の元となった予め関連づけられた少なくとも2台の温度測定チップ10(1のAND条件成否に関係しているすべての温度測定チップ10)、ここでは上記警報器100−1が火災警報を出力する元となった温度異状検知信号を送信した例えば温度測定チップ10−11,10−12の第1通信プロトコルに従った異状復旧検知信号の有効受信を検知して各温度異状検知フラグをリセットし(温度異状復旧のAND条件が成立し)、且つ各温度異状検知フラグのリセット状態が例えば異状判断の場合と同じ所定の蓄積時間ΔTのあいだ継続した場合(蓄積時間ΔTのあいだに温度異状検知信号を受信して温度異状検知フラグをセットしなかった場合)、報知部112からの、当該温度異状検知信号に起因する連動先を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止させると共に、第2通信プロトコルに従った異状復旧連動信号を生成し、第2通信部108に指示し、当該異状復旧連動信号を他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ送信させる制御を行い、これを受信した他の警報システムの警報器100−2〜100−4に、同じ温度異状検知信号に起因する連動先を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止させる。
【0083】
また警報制御部102は、第2通信部108を介して他の警報システムの警報器100−2〜100−4の何れかが送信した異状復旧連動信号の有効受信を検知した場合に、報知部112からの連動先を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止させる制御を行う。
【0084】
なお、異状復旧制御は、温度異状検知信号を送信した予め関連づけられた例えば温度測定チップ10−11,10−12の少なくとも何れか一方から第1通信プロトコルに従った異状復旧検知信号の有効受信を検知して各温度異状検知フラグをリセットし、且つ各温度異状検知フラグのリセット状態が例えば火災判断の場合と同じ所定の蓄積時間ΔTのあいだ継続した場合に、行うようにしても良い。
【0085】
(警報停止制御)
警報制御部102は、連動元として火災警報の出力中に操作部114の警報停止スイッチで受け付けた警報停止操作を検知した場合、報知部112からの連動元を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止すると共に、第2通信プロトコルに従った警報停止連動信号を生成し、第2通信部108に指示し、当該警報停止連動信号を他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ送信させる制御を行い、これを受信した他の警報システムの警報器100−2〜100−4に、連動先を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を停止させる。
【0086】
また警報制御部102は、第2通信部108を介して他の警報システムの警報器100−2〜100−4の何れかが送信した警報停止連動信号の有効受信を検知した場合に、報知部112からの連動先を示す火災警報出力を停止させる制御を行う。
【0087】
[警報システムの動作]
次に図6に示した警報システムA1を例にとって本発明の警報システムによる異状監視動作を説明する。なお、信号の送受信における第1通信プロトコル及び第2通信プロトコルの区別は省略する。
【0088】
(通常監視状態の動作)
図7図6(A)の台所に設置した警報システムA1の石油ストーブ16に配置した温度測定チップ10−11とこれと関連づけられた温度測定チップ10−12による通常監視状態での異状監視動作を示し、何らかの要因によって温度異状を検知した場合を例にとっている。
【0089】
即ち図7(A)は、石油ストーブ16に配置した温度測定チップ10−11の観測温度、温度異状検知、復旧検知、及び警報器100−1における温度異状検知フラグの時間変化を示し、図7(B)は温度測定チップ10−11と関連づけられた温度測定チップ10−12の観測温度、温度異状検知、復旧検知、及び警報器100−1における温度異状検知フラグの時間変化を示し、更に、図7(C)に警報器100−1の異状判断状況を示している。
【0090】
図6(A)の台所に配置した石油ストーブ16は、例えば利用者がストーブの運転維持温度を高い温度に変更してしまった場合を例にとっており、これに伴い石油ストーブ16の外表面に配置した温度測定チップ10−11の観測温度は、図7(A)のように、例えば時刻t1で閾値温度Tth以上に上昇した後に時刻t3で閾値温度Tthを下回り、再び上昇して時刻t5で閾値温度Tth以上に上昇した後に時刻t7で閾値温度Tthを下回る変化を繰り返している。
【0091】
この場合、温度測定チップ10−11は時刻t1で温度異状を検知して温度異状検知信号を警報器100−1へ送信し、時刻t3で温度異状復旧を検知して温度異状復旧検知信号を警報器100−1へ送信し、時刻t5で再び温度異状を検知して温度異状検知信号を警報器100−1へ送信し、時刻t7で温度異状復旧を検知して温度異状復旧検知信号を警報器100−1へ送信する。警報器100−1は温度測定チップ10−11が送信した各信号を有効受信し、これらに対応し時刻t1で温度異状検知フラグをセットし、時刻t3で温度異状検知フラグをリセットし、時刻t5で温度異状検知フラグをセットし、時刻t7で温度異状検知フラグをリセットする。
【0092】
一方、温度測定チップ10−11と関連づけられた温度測定チップ10−12の観測温度は、図7(B)のように、温度測定チップ10−11に対し時間遅れを持って変化し、時刻t2で閾値温度Tth以上に上昇した後、時刻t4で閾値温度Tthを下回り、再び上昇して時刻t6で閾値温度Tth以上に上昇した後に時刻t8で閾値温度Tthを下回る変化を繰り返している。
【0093】
このため温度測定チップ10−12は時刻t2で温度異状を検知して温度異状検知信号を警報器100−1へ送信し、時刻t4で温度異状復旧を検知して温度異状復旧検知信号を警報器100−1へ送信し、時刻t6で再び温度異状を検知して温度異状検知信号を警報器100−1へ送信し、時刻t8で温度異状復旧を検知して温度異状復旧検知信号を警報器100−1へ送信する。警報器100−1は温度測定チップ10−12が送信した信号を有効受信し、これらに対応して時刻t2で温度異状検知フラグをセットし、時刻t4で温度異状検知フラグをリセットし、時刻t6で温度異状検知フラグをセットし、時刻t8で温度異状検知フラグをリセットする。
【0094】
警報器100−1は、温度測定チップ10−11,10−12に対応する温度異状検知フラグのAND条件成立の有無を判別しており、時刻t2で温度測定チップ10−11,10−12に対応した温度異状検知フラグが共にセット状態であるAND条件成立を判別した場合、蓄積を開始する。しかし、蓄積時間ΔTを経過する前の時刻t3で温度測定チップ10−11の復旧検知による温度異状検知フラグのリセットで、温度測定チップ10−11,10−12に対応した温度異状検知フラグが共にセット状態となるAND条件が成立しなくなり、蓄積時間ΔTにわたりAND条件の成立が継続しないことから異状と判断しない。
【0095】
時刻t6で温度測定チップ10−11,10−12に対応した温度異状検知フラグが共にセット状態となってAND条件が成立した場合にも蓄積を開始し、時刻t7で温度測定チップ10−11の復旧検知による温度異状検知フラグのリセットで温度測定チップ10−11,10−12に対応した温度異状検知フラグが共にセット状態となるAND条件が成立しなくなり、蓄積時間ΔTにわたりAND条件の成立が継続しないことから異状と判断しない。
【0096】
このように本発明の警報システムにあっては、関連づけられた温度測定チップ10−11,10−12の観測温度が火災等の異状以外の何らか要因により閾値温度Tth以上となるように変動して一時的に温度異状を検知した場合に、これを異状と判断して非異状警報(非火災報)を出すことを確実に防止できる。
【0097】
(異状が発生した場合の動作)
図8図6(A)の台所で、石油ストーブ16を火元とする火災が発生した場合の動作を示す。
【0098】
火元となった石油ストーブ16に配置した温度測定チップ10−11の観測温度は、図8(A)のように、時刻t1で閾値温度Tth以上に上昇した後、時刻t3で閾値温度Tthを下回り、再び上昇して時刻t5で閾値温度Tth以上となっている。
【0099】
この場合、温度測定チップ10−11は時刻t1で温度異状を検知して温度異状検知信号を警報器100−1へ送信し、また、時刻t3で温度異状復旧を検知して温度異状復旧検知信号を警報器100−1へ送信し、更に、時刻t5で再び温度異状を検知して温度異状検知信号を警報器100−1へ送信する。警報器100−1は温度測定チップ10−11が送信した各信号を有効受信し、これらに対応して時刻t1で温度異状検知フラグをセットし、時刻t3で温度異状検知フラグをリセットし、時刻t5で温度異状検知フラグをセットする。
【0100】
一方、温度測定チップ10−11に関連づけられた温度測定チップ10−12の観測温度は、図8(B)のように、温度測定チップ10−11に対し時間遅れを持って変化し、時刻t2で閾値温度Tth以上に上昇した後、時刻t4で閾値温度Tthを下回り、再び上昇して時刻t6で閾値温度Tth以上となっている。
【0101】
このため温度測定チップ10−12は時刻t2で温度異状を検知して温度異状検知信号を警報器100−1へ送信し、時刻t4で温度異状復旧を検知して温度異状復旧検知信号を警報器100−1へ送信し、時刻t6で再び温度異状を検知して温度異状検知信号を警報器100−1へ送信する。警報器100−1は温度測定チップ10−12が送信した各信号を有効受信し、これらに対応して時刻t2で温度異状検知フラグをセットし、時刻t4で温度異状検知フラグをリセットし、時刻t6で温度異状検知フラグをセットする。
【0102】
警報器100−1は、時刻t2で温度測定チップ10−11,10−12に対応した2つの温度異状検知フラグが共にセット状態となりAND条件の成立を判別した場合に蓄積を開始する。しかし、蓄積時間ΔTを経過する前の時刻t3で温度測定チップ10−11の復旧検知による温度異状検知フラグのリセットでAND条件が成立しなくなり、蓄積時間ΔTにわたりAND条件の成立が継続しないことから異状と判断しない。
【0103】
一方、時刻t6で温度測定チップ10−11,10−12に対応した温度異状検知フラグが共にセット状態となりAND条件の成立を判別した場合に蓄積を開始し、蓄積時間ΔTが経過した時刻t7で温度異状検知フラグが共にセット状態であり、蓄積時間ΔTにわたりAND条件の成立が継続しているため、異状と判断し、連動元を示す火災警報(警報音及び/又は警報表示)を出力すると共に異状連動信号を生成し、第2通信部108に指示し、当該異状連動信号を他の警報システムの警報器100−2〜100−4へ送信し、これを受信した警報システムの警報器100−2〜100−4に、連動先を示す火災警報出力(警報音及び/又は警報表示)を行わせる。
【0104】
このように本発明にあっては、温度測定チップ10に、異状判断温度より低い閾値温度Tthを設定して温度異状を検知しているため、予め関連づけられた例えば温度測定チップ10−11,10−12により検知した温度異状のAND条件が成立して蓄積を開始し、所定の蓄積時間ΔTにわたり当該AND条件の成立が継続している場合に異状と判断するようにしても、異状判断温度に基づく異状判断のタイミングに対し、大きな時間遅れを生ずることなく早期に異状と判断して報知することができる。
【0105】
なお、図7及び図8は、警報器100−1による予め関連づけられた2台の温度測定チップ10−11,10−12の温度異状検知に基づく異状判断を示しているが、予め関連づけられた3台の温度測定チップ10の温度異状検知に基づき異状を判断しても良い。この場合、警報器100−1は、3台の温度測定チップ10により検知した温度異状によりセットした3つの温度異状検知フラグの状態から各温度異状検知のAND条件の成立の有無を検知しており、3つの温度異状検知フラグが共にセット状態となるAND条件が成立した場合に蓄積を開始し、所定の蓄積時間ΔTにわたり当該AND条件の成立が継続している場合に異状と判断する。
【0106】
[温度測定チップの他の実施形態]
図9は本発明における温度測定チップの他の実施形態を示した説明図である。本実施形態にあっては、温度測定チップ10のカバー18の上部に突出してかご状の保護枠64を形成し、筐体内の回路基板22にリード端子を接続固定した温度検出素子36(例えばサーミスタ)を保護枠64で囲んだ空間の内部に配置し、温度検出素子36を外気に晒し、外部からの衝撃等から保護しつつ、設置空間の温度を効率的に測定できるようにしている。
【0107】
なお、温度測定チップ10を配置した空間の温度を効率良く測定するには、例えばカバー18の外部に集熱板を配置し、そこに温度検出素子36を設けるようにしても良い。
【0108】
図10は本発明における温度測定チップの他の実施形態を断面構造で示した説明図である。本実施形態にあっては、ベース20側に温度検出素子36を設けている。ベース20に、熱伝導率の高い金属を使用した伝熱部材66を外部に接触面を露出して配置し、伝熱部材66の内側に形成した凹部に、回路基板22にリード端子を接続固定した温度検出素子36を収納し、温度検出素子36が伝熱部材66に熱的に接触した状態で接着剤68などを用い固定している。
【0109】
また伝熱部材66を配置したベース20の外側面に磁石シートや粘着シートなどを用いた取付シート34を設けている。それ以外の構造は図3の実施形態と基本的に同じになる。
【0110】
このような図10の実施形態によれば、監視対象とする機器や場所に温度測定チップ10を配置する際に、ベース20に設けた伝熱部材66が監視対象に直接接触してその熱を効率良く温度検出素子36に伝えることでき、温度検出感度を高めることができる。
【0111】
図11は本発明における温度測定チップの他の実施形態を示した説明図である。本実施形態にあっては、カバー18の側面から信号線70を引き出し、信号線70の先端に温度検出素子36を設け、温度検出素子36には取付パッド72を設けている。取付パッド72としては、取付シート34同様に粘着シートなどが使用できる。ベース20の外側面には取付シート34を設けている。それ以外の構造は図3の実施形態と基本的に同じになる。
【0112】
このような図11の実施形態によれば、温度測定チップ10から離れた場所に取付パッド72を用いて温度検出素子36を取付けて温度を取得することができ、監視対象とする機器や場所の状況に見合った適切な配置を可能とする。
【0113】
図12は本発明における温度測定チップの他の実施形態を示した説明図である。本実施形態にあっては、カバー18の側面から信号線70を引き出した点は図10の実施形態と同じであるが、信号線70の末端に、先鋭端を有するプローブ74を設け、プローブ74の先端部に温度検出素子36を設けている。それ以外の構造は図3の実施形態と基本的に同じになる。
【0114】
このような図12の実施形態によれば、温度測定チップ10から離れた場所にプローブ74を差し込むことで温度検出素子36を位置させ、例えば監視対象の内部の温度を取得することができ、監視対象とする機器や場所の状況に見合った適切な配置を可能とする。
【0115】
[本発明の変形例]
(異状判断)
上記の実施形態にあっては、予め関連づけられた複数の温度測定チップにより検知した温度異状のAND条件が成立して蓄積を開始し、所定の蓄積時間にわたり当該AND条件の成立が継続している場合に異状と判断しているが、温度異状のAND条件が成立した場合に火災の予兆と判断して火災予報警報を出力し、その後に所定の蓄積時間にわたり当該AND条件の成立が継続している場合に異状と判断して異状警報を出力するようにしても良い。
【0116】
(通信プロトコル)
上記の各実施形態にあっては、警報器と温度測定チップの間は第1通信プロトコルに従った通信、警報器の間は第2通信プロトコルに従った通信としているが、それぞれ同じ通信プロトコルとし、例えば別チャンネルとすれば良い。このようにすれば警報器に第1通信部と第2通信部を設ける必要がなく、1つの通信部として構成を簡単できる。
【0117】
(警報器と温度測定チップの対応)
上記の各実施形態にあっては、全ての警報器に温度測定チップを割当てて複数の警報システムを構成しているが、温度測定チップの割り当てのない警報器のみの警報システムを設け、他の警報システムの警報器からの異状予報連動信号及び/又は異状連動信号を受信して連動警報のみを行うようにしても良い。また温度測定チップだけでなく、煙測定チップも適用し得る。
【0118】
(通信形態)
また、上記の実施形態に於いては各通信は無線とする場合を示したが、任意の一部又は全部を有線通信としても良い。
【0119】
(住宅以外の用途)
上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の異状監視にも適用できる。
【0120】
(その他)
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0121】
10−11〜10−44:温度測定チップ
36:温度検出素子
48:温度監視制御部
50:通信部
100−1〜100−4:警報器
102:警報制御部
104:第1通信部
108:第2通信部
112:報知部
114:操作部
図1
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図10
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図12