特許第6247810号(P6247810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6247810円形吻合を行うための外科ステープリングデバイスおよびそのデバイスと共に使用するための外科ステープル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247810
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】円形吻合を行うための外科ステープリングデバイスおよびそのデバイスと共に使用するための外科ステープル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   A61B17/115
【請求項の数】8
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2011-195041(P2011-195041)
(22)【出願日】2011年9月7日
(65)【公開番号】特開2012-75872(P2012-75872A)
(43)【公開日】2012年4月19日
【審査請求日】2014年8月7日
【審判番号】不服2016-5044(P2016-5044/J1)
【審判請求日】2016年4月6日
(31)【優先権主張番号】61/388,788
(32)【優先日】2010年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/410,980
(32)【優先日】2010年11月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/207,653
(32)【優先日】2011年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ポール シリカ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド シー. ラセネット
【合議体】
【審判長】 高木 彰
【審判官】 熊倉 強
【審判官】 関谷 一夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−114072(JP,A)
【文献】 特開平06−30945(JP,A)
【文献】 特公昭34−5096(JP,B1)
【文献】 実開昭58−18510(JP,U)
【文献】 米国特許第7080769(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形ステープリングデバイスであって、該円形ステープリングデバイスは、
固定ハンドルと、接近メカニズムと、複数の外科ファスナを発射するための発射トリガーとを含むハンドル組立部と、
該ハンドル組立部の遠位端に支持されるエンドエフェクタと
を含み、
該エンドエフェクタが、
アンビル組立部と、
ステープルカートリッジ組立部と
を含み、
該アンビル組立部が、
該接近メカニズムへの選択的な接続のために構成される近位端と、遠位端とを有するアンビル中央ロッドであって、該中央ロッドが、中央の長手方向軸を規定する、アンビル中央ロッドと、
該アンビル中央ロッドの遠位端に留められるアンビルヘッドであって、該アンビルヘッドが、
組織接触表面を規定するアンビルプレートと、
該アンビルプレートの該組織接触表面に形成される複数のステープル形成ポケットと
を含み、該複数のステープル形成ポケットの各々が、湾曲しており、該複数のステープル形成ポケットが、複数の環状列に配置されており、該複数のステープル形成ポケットの少なくとも2つの隣接する環状列は、互いにネストされている、アンビルヘッドと
を含み、
該ステープルカートリッジ組立部が、該アンビル組立部のいくつかのステープル形成ポケットに対応する複数のステープル保持スロットを規定し、該ステープルカートリッジ組立部が、互いに対して間隔を空けられた関係で、該ステープルカートリッジ組立部内に支持される複数の外科ステープルを含み、
該アンビル組立部のステープル形成ポケットの各環状列において隣接するステープル形成ポケットの間の距離は、ステープル形成ポケットの全ての環状列に対して実質的に等しく、該アンビル組立部のステープル形成ポケットの相対的に内側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、該アンビル組立部のステープル形成ポケットの相対的に外側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さよりも相対的に短い、円形ステープリングデバイス。
【請求項2】
前記ステープルカートリッジ組立部の前記複数のステープル保持スロットの各々は、湾曲している、請求項1に記載の円形ステープリングデバイス。
【請求項3】
前記アンビル組立部の各ステープル形成ポケットは、前記中央ロッドの前記中央の長手方向軸から延在する湾曲の半径を有する、請求項2に記載の円形ステープリングデバイス。
【請求項4】
前記ステープルカートリッジ組立部の各ステープル保持スロットは、前記円形ステープリングデバイスの中央の長手方向軸から延在する湾曲の半径を有する、請求項3に記載の円形ステープリングデバイス。
【請求項5】
前記アンビル組立部は、円形であり、ステープル形成ポケットの複数の環状列を規定し、前記カートリッジ組立部は、円形であり、ステープル保持スロットの複数の環状列を規定する、請求項4に記載の円形ステープリングデバイス。
【請求項6】
前記アンビル組立部のステープル形成ポケットの各環状列は、同数のステープル形成ポケットを含む、請求項5に記載の円形ステープリングデバイス。
【請求項7】
前記ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの各環状列は、同数のステープル保持スロットを含む、請求項5に記載の円形ステープリングデバイス。
【請求項8】
前記ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの各環状列において隣接するステープル保持スロットの間の距離は、ステープル形成ポケットの全ての環状列に対して実質的に等しい、請求項7に記載の円形ステープリングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2010年11月8日に出願した米国仮特許出願シリアル番号第61/410,980号と、2010年10月1日に出願した米国仮特許出願シリアル番号第61/388,788号との各々の利益および優先権を主張する。上記仮出願の各々の全内容が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、概して、外科ステープルを体の組織に適用するための外科ステープリングデバイスに関する。より具体的には、本開示は、中空の組織臓器の内部組織および/または内壁に対する湾曲または円形の吻合および/または処置を行うための適切な外科ステープリングデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
吻合は、別々の中空の臓器部分の外科結合である。典型的には。吻合手順は、中空の組織の病的または欠陥のある部分が取り除かれ、そして残りの末端部分が結合される外科手術に従う。所望の吻合手順に依存して、末端部分は、円形の末端−末端または側面−側面の臓器再建方法によって結合され得る。
【0004】
円形吻合手順において、臓器部分の2つの末端は、各臓器部分の末端部分を通してステープルの円形アレイを駆動し、同時に管状通路を解放するようにステープルの駆動された円形アレイの任意の組織内部をくり貫くステープリング器具を用いて結合される。中空の臓器の円形吻合を行うための器具の例は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、および特許文献7で説明され、上記文献の各々が参照することによって全体として本明細書に組み込まれる。典型的には、これらの器具は、器具を作動するための、近位端でのハンドル部分と、遠位端に配置されるステープル保持部品とを有する細長いシャフトを含む。取り付けられたアンビルヘッドと共にアンビルロッドを含むアンビル組立部は、ステープル保持部品に隣接の器具の遠位端に取り付けられる。ステープルされるべき中空の臓器(複数可)の組織の反対側の末端部分は、アンビルヘッドとステープル保持部品との間にクランプされる。クランプされた組織は、ステープル保持部品からの1つ以上のステープルを駆動することによってステープルされ、その結果、ステープルの末端が、組織を通過し、かつアンビルヘッドによって変形される。ステープルは、1つのプッシャまたは複数のプッシャによってステープル保持部品から駆動される。環状ナイフは、同時に、臓器内に管状通路を解放するために、中空の臓器と共に組織をくり貫けるように進められる。
【0005】
中空の臓器の吻合の他に、円形吻合を行うための外科ステープリングデバイスは、直腸における内部の痔核を処置するために使われる。典型的には、痔核処置のための円形ステープリングデバイスの使用の間に、外科ステープリングデバイスのアンビルヘッドおよびステープル保持部品は、アンビルヘッドおよびステープル保持部品が解放または接近されていない位置で、肛門を通して、直腸内に挿入される。その後は、巾着縫合は、アンビルロッドに向かって内部の痔核組織を引っ張るために使われる。次に、アンビルヘッドおよびステープル保持部品は、アンビルヘッドとステープル保持部品との間の痔核組織をクランプするために接近させられる。ステープリングデバイスは、痔核組織を取り除き、そしてカットした組織をステープルするために発射される。痔核を処置するための外科ステープラは、Heinrichの特許文献8に開示され、上記文献の開示が、本明細書で参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0006】
円形ステープリングデバイスにおいて、典型的には、各環状列における隣接のステープル形成ポケットおよび対応のステープル保持ポケットの間のギャップまたは間隔は、放射方向内側の列と比較されると、放射方向外側の列に対してより大きい。ステープルは、まっすぐなバックスパンを有し、ステープル形成ポケットとステープル保持ポケットとは、まっすぐな長手方向軸を有する。ステープル形成ポケットおよび/またはステープル保持ポケットの内側の環状列は、各環状列に対するステープルの数を決定する。各環状列は、同じまたは同数のステープル形成ポケットおよび/またはステープル保持ポケットを有する。従って、各環状列における隣接のステープル形成ポケットおよび/またはステープル保持ポケットの間のギャップは、内側の環状列に比較されるように、外側の環状列において最も大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,053,390号明細書
【特許文献2】米国特許第5,588,579号明細書
【特許文献3】米国特許第5,119,983号明細書
【特許文献4】米国特許第5,005,749号明細書
【特許文献5】米国特許第4,646,745号明細書
【特許文献6】米国特許第4,576,167号明細書
【特許文献7】米国特許第4,473,077号明細書
【特許文献8】米国特許第6,959,851号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、円形外科ステープリングデバイスであって、各環状列における隣接のステープル形成ポケットおよび/またはステープル保持ポケットの間のギャップが、外側の環状列から内部組織または内側の環状列まで、円形外科ステープリングデバイスの各環状列において減らされるかまたは維持される円形外科ステープリングデバイスを提供することに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(要約)
本開示は、アンビル組立部、エンドエフェクタ、および/または中空の組織臓器の内壁に対する湾曲または円形の吻合および/または処置を行うための適切な外科ステープラに関する。
【0010】
本開示の側面に従って、外科ステープリング装置のためのアンビル組立部が提供される。アンビル組立部は、近位端および遠位端を有するアンビル中央ロッドであって、中央ロッドが中央の長手方向軸を規定する、アンビル中央ロッドと、アンビル中央ロッドの遠位端に留められるアンビルヘッドとを含む。アンビルヘッドは、組織接触表面を規定するアンビルプレートと、アンビルプレートの組織接触表面に形成される複数のステープル形成ポケットとを含み、複数のステープルポケットの各々が湾曲の長さを有する。
【0011】
アンビル組立部は、ステープル形成ポケットを有し得、各ステープル形成ポケットが、中央ロッドの中央の長手方向軸から延在する湾曲の半径を有する。
【0012】
アンビルヘッドは、円形であり得、アンビルプレートが、ステープル形成ポケットの複数の環状列を規定する。ステープル形成ポケットの各環状列は、同数のステープル形成ポケットを含み得る。
【0013】
ステープル形成ポケットの各環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、ステープル形成ポケットの全ての環状列に対して概ね同等であり得る。アンビル組立部は、ステープル形成ポケットを含み得、ステープル形成ポケットの内側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さが、ステープル形成ポケットの外側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に短い。
【0014】
アンビルプレートは、ステープル形成ポケットの少なくとも2つの環状列、またはステープル形成ポケットの少なくとも3つの環状列を規定し得る。ある実施形態において、アンビルプレートは、ステープル形成ポケットの内側の環状列と、ステープル形成ポケットの中間の環状列と、ステープル形成ポケットの外側の環状列とを規定する。
【0015】
ステープル形成ポケットの中間の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、ステープル形成ポケットの内側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に長くあり得る。ステープル形成ポケットの外側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、ステープル形成ポケットの中間の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に長くあり得る。
【0016】
ある実施形態において、ステープル形成ポケットの内側の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、ステープル形成ポケットの中間の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離と概ね同等である。ステープル形成ポケットの中間の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、ステープル形成ポケットの外側の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離と概ね同等である。
【0017】
ある実施形態において、ステープル形成ポケットの少なくとも2つの隣接の環状列のステープル形成ポケットは、互いにネストされる。このように、アンビルの表面の利用は、ステープル捕獲に対して最大限にされる。さらに、ステープル形成ポケットの少なくとも2つの隣接の環状列のネスティングは、組織上の均等な圧力分布のためにステープルの一様な半径方向および長手方向の間隔を維持することを助ける。
【0018】
本開示のもう1つの側面に従って、外科ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタが提供される。エンドエフェクタは、近位端および遠位端を有するアンビル中央ロッドであって、中央ロッドが中央の長手方向軸を規定する、アンビル中央ロッドと、アンビル中央ロッドの遠位端に留められるアンビルヘッドとを含むアンビル組立部を含む。アンビルヘッドは、組織接触表面を規定するアンビルプレートと、アンビルプレートの組織接触表面に形成される複数のステープル形成ポケットとを含み、複数のステープルポケットの各々が湾曲の長さを有する。エンドエフェクタは、アンビル組立部のいくつかのステープル形成ポケットに対応する複数のステープル保持スロットを規定するステープルカートリッジ組立部をさらに含み、ステープルカートリッジ組立部が、互いに間隔を空けられた関係で、ステープルカートリッジ組立部に支持される複数の外科ステープルを含む。
【0019】
ある実施形態において、ステープルカートリッジ組立部の複数のステープル保持スロットの各々は、湾曲の長さを有する。アンビル組立部の各ステープル形成ポケットは、中央ロッドの中央の長手方向軸から延在する湾曲の半径を有し得る。ステープルカートリッジ組立部の各ステープル保持スロットは、外科ステープラの中央の長手方向軸から延在する湾曲の半径を有し得る。
【0020】
アンビル組立部は、円形であり得、ステープル形成ポケットの複数の環状列を規定し得、カートリッジ組立部は、円形であり得、ステープル保持スロットの複数の環状列を規定し得る。
【0021】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの各環状列は、同数のステープル形成ポケットを含み得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの各環状列は、同数のステープル保持スロットを含み得る。
【0022】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの各環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、ステープル形成ポケットの全ての環状列に対して概ね同等であり得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの各環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離は、ステープル形成ポケットの全ての環状列に対して概ね同等である。
【0023】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの内側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、アンビル組立部のステープル形成ポケットの外側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に短くあり得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの内側の環状列の各ステープル保持スロットの長さは、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列の各ステープル保持スロットの長さより相対的に短くあり得る。
【0024】
アンビル組立部のアンビルプレートは、ステープル形成ポケットの少なくとも2つの環状列、またはステープル形成ポケットの少なくとも3つの環状列を規定し得る。ステープルカートリッジ組立部は、ステープル保持スロットの少なくとも2つの環状列、またはステープル保持スロットの少なくとも3つの環状列を規定し得る。
【0025】
アンビル組立部のアンビルプレートは、ステープル形成ポケットの内側の環状列と、ステープル形成ポケットの中間の環状列と、ステープル形成ポケットの外側の環状列とを規定し得る。ステープルカートリッジ組立部は、ステープル保持スロットの内側の環状列と、ステープル保持スロットの中間の環状列と、ステープル保持スロットの外側の環状列とを規定し得る。
【0026】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの中間の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、アンビル組立部のステープル形成ポケットの内側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に長くあり得る。アンビル組立部のステープル形成ポケットの外側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、アンビル組立部のステープル形成ポケットの中間の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に長くあり得る。
【0027】
ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列の各ステープル保持スロットの長さは、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの内側の環状列の各ステープル保持スロットの長さより相対的に長くあり得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの外側の環状列の各ステープル保持スロットの長さは、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列の各ステープル保持スロットの長さより相対的に長くあり得る。
【0028】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの内側の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、アンビル組立部のステープル形成ポケットの中間の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離と概ね同等であり得る。アンビル組立部のステープル形成ポケットの中間の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、アンビル組立部のステープル形成ポケットの外側の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離と概ね同等であり得る。
【0029】
ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの内側の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離は、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離と概ね同等であり得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離は、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの外側の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離と概ね同等であり得る。
【0030】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの少なくとも2つの隣接の環状列のステープル形成ポケットは、互いにネストされ得る。ステープルカートリッジは、湾曲のバックスパンを有する外科ステープルを含み得る。
【0031】
ステープルカートリッジのステープル保持スロットの各環状列の各ステープル保持スロットは、ステープル保持スロットの長さに対応する適切な長さを有するバックスパンを有する外科ステープルを装填され得る。ステープルカートリッジのステープル保持スロットの各環状列の各ステープル保持スロットは、ステープル保持スロットの長さに対応する適切な長さを有するバックスパンを有する外科ステープルを装填され得る。
【0032】
ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列の各ステープル保持スロットに装填される外科ステープルのバックスパンの長さは、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの内側の環状列の各ステープル保持スロットに装填される外科ステープルのバックスパンの長さより相対的に長くあり得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの外側の環状列の各ステープル保持スロットに装填される外科ステープルのバックスパンの長さは、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列の各ステープル保持スロットに装填される外科ステープルのバックスパンの長さより相対的に長くあり得る。
【0033】
各外科ステープルは、バックスパンと、バックスパンの各対向した末端から垂れ下がるレッグとを含み得、レッグは、平面を規定し、バックスパンは、弓状であり、外科ステープルのレッグによって規定される平面から外への方向で突き出る。
【0034】
なお本開示のもう1つの側面に従って、外科ステープラは提供され、固定ハンドルと、接近メカニズムと、複数の外科ファスナを発射するための発射トリガーとを含むハンドル組立部と、ハンドルの遠位端に支持されるエンドエフェクタとを含む。エンドエフェクタは、接近メカニズムへの選択的な接続のために構成される近位端および遠位端を有するアンビル中央ロッドであって、中央ロッドが中央の長手方向軸を規定する、アンビル中央ロッドと、アンビル中央ロッドの遠位端に留められるアンビルヘッドとを含むアンビル組立部を含む。アンビルヘッドは、組織接触表面を規定するアンビルプレートと、アンビルプレートの組織接触表面に形成される複数のステープル形成ポケットとを含み、複数のステープルポケットの各々が湾曲の長さを有する。エンドエフェクタは、アンビル組立部のいくつかのステープル形成ポケットに対応する複数のステープル保持スロットを規定するステープルカートリッジ組立部をさらに含み、ステープルカートリッジ組立部が、互いに間隔を空けられた関係で、ステープルカートリッジ組立部に支持される複数の外科ステープルを含む。
【0035】
ステープルカートリッジ組立部の複数のステープル保持スロットの各々は、湾曲の長さを有し得る。
【0036】
アンビル組立部の各ステープル形成ポケットは、中央ロッドの中央の長手方向軸から延在する湾曲の半径を有し得る。ステープルカートリッジ組立部の各ステープル保持スロットは、外科ステープラの中央の長手方向軸から延在する湾曲の半径を有し得る。
【0037】
アンビル組立部は、円形であり得、ステープル形成ポケットの複数の環状列を規定し得、カートリッジ組立部は、円形であり得、ステープル保持スロットの複数の環状列を規定し得る。
【0038】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの各環状列は、同数のステープル形成ポケットを含み得る。
【0039】
ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの各環状列は、同数のステープル保持スロットを含み得る。
【0040】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの各環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、ステープル形成ポケットの全ての環状列に対して概ね同等であり得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの各環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離は、ステープル形成ポケットの全ての環状列に対して概ね同等であり得る。
【0041】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの内側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、アンビル組立部のステープル形成ポケットの外側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に短くあり得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの内側の環状列の各ステープル保持スロットの長さは、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの外側の環状列の各ステープル保持スロットの長さより相対的に短くあり得る。
【0042】
アンビル組立部のアンビルプレートは、ステープル形成ポケットの少なくとも2つの環状列、またはステープル形成ポケットの少なくとも3つの環状列を規定し得る。ステープルカートリッジ組立部は、ステープル保持スロットの少なくとも2つの環状列、またはステープル保持スロットの少なくとも3つの環状列を規定し得る。
【0043】
アンビル組立部のアンビルプレートは、ステープル形成ポケットの内側の環状列と、ステープル形成ポケットの中間の環状列と、ステープル形成ポケットの外側の環状列とを規定し得る。ステープルカートリッジ組立部は、ステープル保持スロットの内側の環状列と、ステープル保持スロットの中間の環状列と、ステープル保持スロットの外側の環状列とを規定し得る。
【0044】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの中間の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、アンビル組立部のステープル形成ポケットの内側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に長くあり得る。アンビル組立部のステープル形成ポケットの外側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、アンビル組立部のステープル形成ポケットの中間の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に長くあり得る。
【0045】
ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列の各ステープル保持スロットの長さは、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの内側の環状列の各ステープル保持スロットの長さより相対的に長くあり得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの外側の環状列の各ステープル保持スロットの長さは、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列の各ステープル保持スロットの長さより相対的に長くあり得る。
【0046】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの内側の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、アンビル組立部のステープル形成ポケットの中間の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離と概ね同等であり得る。アンビル組立部のステープル形成ポケットの中間の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、アンビル組立部のステープル形成ポケットの外側の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離と概ね同等であり得る。
【0047】
ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの内側の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離は、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離と概ね同等であり得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離は、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの外側の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離と概ね同等であり得る。
【0048】
アンビル組立部のステープル形成ポケットの少なくとも2つの隣接の環状列のステープル形成ポケットは、互いにネストされ得る。
【0049】
ステープルカートリッジのステープル保持スロットの各環状列の各ステープル保持スロットは、ステープル保持スロットの長さに対応する適切な長さを有するバックスパンを有する外科ステープルを装填され得る。
【0050】
ステープルカートリッジのステープル保持スロットの各環状列の各ステープル保持スロットは、ステープル保持スロットの長さに対応する適切な長さを有するバックスパンを有する外科ステープルを装填され得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列の各ステープル保持スロットに装填される外科ステープルのバックスパンの長さは、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの内側の環状列の各ステープル保持スロットに装填される外科ステープルのバックスパンの長さより相対的に長くあり得る。ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの外側の環状列の各ステープル保持スロットに装填される外科ステープルのバックスパンの長さは、ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの中間の環状列の各ステープル保持スロットに装填される外科ステープルのバックスパンの長さより相対的に長くあり得る。
【0051】
各外科ステープルは、湾曲しているバックスパンを有し得る。各外科ステープルは、バックスパンと、バックスパンの各対向した末端から垂れ下がるレッグとを含み得、レッグは、平面を規定し、バックスパンは、弓状であり、外科ステープルのレッグによって規定される平面から外への方向で突き出る。
【0052】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1) 外科ステープラであって、該外科ステープラは、
固定ハンドルと、接近メカニズムと、複数の外科ファスナを発射するための発射トリガーとを含むハンドル組立部と、
該ハンドル組立部の遠位端に支持されるエンドエフェクタと
を含み、
該エンドエフェクタが、
アンビル組立部と、
ステープルカートリッジ組立部と
を含み、
該アンビル組立部が、
該接近メカニズムへの選択的な接続のために構成される近位端と、遠位端とを有するアンビル中央ロッドであって、該中央ロッドが、中央の長手方向軸を規定する、アンビル中央ロッドと、
該アンビル中央ロッドの遠位端に留められるアンビルヘッドであって、該アンビルヘッドが、
組織接触表面を規定するアンビルプレートと、
該アンビルプレートの該組織接触表面に形成される複数のステープル形成ポケットと
を含み、該複数のステープルポケットの各々が湾曲の長さを有する、アンビルヘッドと
を含み、
該ステープルカートリッジ組立部が、該アンビル組立部のいくつかのステープル形成ポケットに対応する複数のステープル保持スロットを規定し、該ステープルカートリッジ組立部が、互いに対して間隔を空けられた関係で、該ステープルカートリッジ組立部内に支持される複数の外科ステープルを含む、外科ステープラ。
(項目2) 上記ステープルカートリッジ組立部の上記複数のステープル保持スロットの各々は、湾曲の長さを有する、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目3) 上記アンビル組立部の各ステープル形成ポケットは、上記中央ロッドの上記中央の長手方向軸から延在する湾曲の半径を有する、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目4) 上記ステープルカートリッジ組立部の各ステープル保持スロットは、上記外科ステープラの中央の長手方向軸から延在する湾曲の半径を有する、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目5) 上記アンビル組立部は、円形であり、ステープル形成ポケットの複数の環状列を規定し、上記カートリッジ組立部は、円形であり、ステープル保持スロットの複数の環状列を規定する、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目6) 上記アンビル組立部のステープル形成ポケットの各環状列は、同数のステープル形成ポケットを含む、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目7) 上記ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの各環状列は、同数のステープル保持スロットを含む、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目8) 上記アンビル組立部のステープル形成ポケットの各環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、ステープル形成ポケットの全ての環状列に対して概ね同等である、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目9) 上記ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの各環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離は、ステープル形成ポケットの全ての環状列に対して概ね同等である、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目10) 上記アンビル組立部のステープル形成ポケットの相対的に内側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、該アンビル組立部のステープル形成ポケットの相対的に外側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に短い、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目11) 上記ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの相対的に内側の環状列の各ステープル保持スロットの長さは、該ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの相対的に外側の環状列の各ステープル保持スロットの長さより相対的に短い、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目12) 上記アンビル組立部の上記アンビルプレートは、ステープル形成ポケットの少なくとも2つの環状列を規定する、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目13) 上記ステープルカートリッジ組立部は、ステープル保持スロットの少なくとも2つの環状列を規定する、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目14) 上記アンビル組立部の上記アンビルプレートは、ステープル形成ポケットの内側の環状列と、ステープル形成ポケットの中間の環状列と、ステープル形成ポケットの外側の環状列とを規定する、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目15) 上記ステープルカートリッジ組立部は、ステープル保持スロットの内側の環状列と、ステープル保持スロットの中間の環状列と、ステープル保持スロットの外側の環状列とを規定する、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目16) 上記アンビル組立部のステープル形成ポケットの上記中間の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、該アンビル組立部のステープル形成ポケットの上記内側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に長い、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目17) 上記アンビル組立部のステープル形成ポケットの上記外側の環状列の各ステープル形成ポケットの長さは、該アンビル組立部のステープル形成ポケットの上記中間の環状列の各ステープル形成ポケットの長さより相対的に長い、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目18) 上記ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記中間の環状列の各ステープル保持スロットの長さは、該ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記内側の環状列の各ステープル保持スロットの長さより相対的に長い、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目19) 上記ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記外側の環状列の各ステープル保持スロットの長さは、該ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記中間の環状列の各ステープル保持スロットの長さより相対的に長い、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目20) 上記アンビル組立部のステープル形成ポケットの上記内側の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、該アンビル組立部のステープル形成ポケットの上記中間の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離と概ね同等である、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目21) 上記アンビル組立部のステープル形成ポケットの上記中間の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離は、該アンビル組立部のステープル形成ポケットの上記外側の環状列における隣接のステープル形成ポケットの間の距離と概ね同等である、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目22) 上記ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記内側の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離は、該ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記中間の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離と概ね同等である、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目23) 上記ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記中間の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離は、該ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記外側の環状列における隣接のステープル保持スロットの間の距離と概ね同等である、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目24) 上記アンビル組立部のステープル形成ポケットの少なくとも2つの隣接の環状列の上記ステープル形成ポケットは、互いにネストされる、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目25) 上記ステープルカートリッジのステープル保持スロットの各環状列の各ステープル保持スロットは、該ステープル保持スロットの上記長さに対応する適切な長さを有するバックスパンを有する外科ステープルを装填される、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目26) 上記ステープルカートリッジのステープル保持スロットの各環状列の各ステープル保持スロットは、該ステープル保持スロットの上記長さに対応する適切な長さを有するバックスパンを有する外科ステープルを装填される、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目27) 上記ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記中間の環状列の各ステープル保持スロットに装填される上記外科ステープルの上記バックスパンの長さは、該ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記内側の環状列の各ステープル保持スロットに装填される上記外科ステープルの上記バックスパンの長さより相対的に長い、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目28) 上記ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記外側の環状列の各ステープル保持スロットに装填される上記外科ステープルの上記バックスパンの長さは、該ステープルカートリッジ組立部のステープル保持スロットの上記中間の環状列の各ステープル保持スロットに装填される上記外科ステープルの上記バックスパンの長さより相対的に長い、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
(項目29) 各外科ステープルは、バックスパンと、該バックスパンの各対向した末端から垂れ下がるレッグとを含み、該レッグは、平面を規定し、該バックスパンは、弓状であり、該外科ステープルの該レッグによって規定される該平面から外への方向で突き出る、上記項目のいずれかに記載の外科ステープラ。
【0053】
(摘要)
本開示は、アンビル組立部、エンドエフェクタ、および/または中空の組織臓器の内壁に対する湾曲または円形の吻合および/または処置を行うための適切な外科ステープラに関し、アンビル組立部が、近位端および遠位端を有するアンビル中央ロッドであって、中央ロッドが中央の長手方向軸を規定する、アンビル中央ロッドと、アンビル中央ロッドの遠位端に留められるアンビルヘッドとを含む。アンビルヘッドは、組織接触表面を規定するアンビルプレートと、アンビルプレートの組織接触表面に形成される複数のステープル形成ポケットとを含み、複数のステープルポケットの各々が弓状の長手方向軸を規定する。
【0054】
本明細書で開示された円形外科ステープリングデバイスのさまざまな実施形態は、図面を参照することと共に本明細書に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は、本開示の実施形態に従う円形外科ステープリングデバイスの透視図である。
図2図2は、従来技術のシェル組立部およびアンビル組立部の背面透視図である。
図3図3は、図2の従来技術のアンビル組立部およびシェル組立部の正面透視図である。
図4図4は、従来技術の外科ステープルの透視図である。
図5図5は、図2および図3のアンビル組立部のアンビルプレートの組織接触表面の平面図である。
図6図6は、図5の詳細の示されたエリアの拡大図である。
図7図7は、円形ステープリングデバイスのアンビル組立部に用いられる、本開示の実施形態に従うアンビルプレートの平面図である。
図8図8は、図7の詳細の示されたエリアの拡大図である。
図9図9は、本開示のもう1つの実施形態に従うアンビル組立部およびシェル組立部の概略的、長手方向の断面図である。
図10図10は、円形ステープリングデバイスに用いられる、本開示の実施形態に従うカートリッジ組立部の組織接触表面の平面図である。
図11図11は、図10の詳細の示されたエリアの拡大図である。
図12図12は、円形ステープリングデバイスに用いられる、本開示のもう1つの実施形態に従うカートリッジ組立部の組織接触表面の平面図である。
図13図13は、図12の詳細の示されたエリアの拡大図である。
図14図14は、円形ステープリングデバイスに用いられる、本開示の実施形態に従う外科ステープルの透視図である。
図15図15は、図14の外科ステープルの立面図である。
図16図16は、図14および図15の外科ステープルの上面、平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(実施形態の詳細な説明)
ステープリングデバイスのための、本開示されたアンビル組立部およびカートリッジ組立部のさまざまな代表的な実施形態は、ここで図面を参照することと共に詳細に説明され、類似な参照文字が類似または同一の構成要素を識別する。図面において、そして以下の説明において、技術分野において従来的かつ一般的であるように、用語「近位」は、正しい使用の間に、オペレータに最も近いアンビル組立部、カートリッジ組立部または円形ステープリングデバイス、またはそれらの部品の末端を指すが、用語「遠位」は、オペレータから最も離れている末端を指す。加えて、用語「外科ファスナ」は、隣接の組織部分を共に結合する意図的な目的に対して適切である生体適合材料で形成される任意の概ね剛性の構造を含むように理解されるべきであり、外科ステープル、クリップ、二部分ファスナ等を含み、しかしそれらに限定されない。
【0057】
図1は、一般的に参照文字10によって指される円形ステープリングデバイスを例示する。簡単に言えば、外科ステープリングデバイス10は、ハンドル組立部12と、ハンドル組立部12から延在する細長い中央本体部分14と、中央本体部分14の遠位端上また遠位端に支持される遠位ヘッド部分16とを含む。中央本体部分14の長さおよび/または構成は、外科ファスナ適用装置が使用され得る特定の外科手順の要求に適するように変更され得または変えられ得る。例えば、中央本体部分14は、例えば、痔核の処置のための手順に意図的に用いられるときに概ねまっすぐであり得、または代替的に、中央本体部分は、湾曲であり得る。中央本体部分は、柔軟であり得る。中央本体部分14および/またはヘッド部分16の横断寸法はまた、特定の外科手順に適するように変えられ得る。
【0058】
ハンドル組立部12は、固定ハンドル20と、発射トリガー22と、回転可能な接近ノブ24とを含む。ヘッド部分16は、シェル組立部130と、アンビル組立部140とを含む。シェル組立部130は、その一例が図1で理解され得、患者の組織の部分に隣接して取り付けるように使われる複数の外科ファスナ150を収容するように、構成され、寸法合わせされ、そして適合される。ステープルまたは他のファスナは、カートリッジまたはローディングユニット内に包含され得る。ヘッド部分16のシェル組立部130およびアンビル組立部140は、追加の部品を含み、かつ追加の機能を行い、それらの各々が、譲受人が共通のGreshamらへの「Surgical Stapling Device for Performing Circular Anastomoses」という名称の米国特許第7,234,624号において議論され、上記文献の全内容が、本明細書で参照することによって組み込まれる。
【0059】
図2図3図5および図6で理解されるように、従来技術に従うアンビル組立部は、一般的に40として表される。アンビル組立部40は、アンビル中央ロッド組立部42と、アンビルヘッド組立部44とを含む。図2および図3で最も理解されるように、アンビル中央ロッド組立部42は、図2図5および図6で理解されるように、中央ロッド42aを含み、アンビルヘッド組立部44は、アンビルヘッド44aと、ステープルを受け、かつ形成するためのそれぞれのステープル形成ポケット48の3つの同心の環状列46a、46b、46cを規定するアンビルプレート44bとを含む。
【0060】
図5および図6で理解されるように、各ステープル形成ポケット48は、直線またはまっすぐな長手方向軸「Y」を規定する。また図5および図6で理解されるように、ステープル形成ポケット48の第1または内側の環状列46aは、半径「R1」に沿って配置され、ステープル形成ポケット48の第2または中間の環状列46bは、半径「R1」より大きい半径「R2」に沿って配置され、そしてステープル形成ポケット48の第3または外側の環状列46cは、半径「R2」より大きい半径「R3」に沿って配置される。各半径「R1」、「R2」および「R3」は、各ステープル形成ポケット48の中心点に対して測定される。
【0061】
図5および図6で理解されるように、各ステープル形成ポケット48が、直線またはまっすぐな長手方向軸「Y」を規定するので、アンビルヘッド組立部44の吻合リップ44cから各ステープル形成ポケット48までの半径方向距離は、一様または一定ではない。特に、吻合リップ44cから各ステープル形成ポケット48の中心点までの半径方向距離「AL」は、吻合リップ44cから各ステープル形成ポケット48のどちらかの長手方向の末端までの半径方向距離「AL」より短い。
【0062】
さらに、図6で理解されるように、各ステープル形成ポケット48が、直線またはまっすぐな長手方向軸「Y」を規定するので、ステープル形成ポケット48の隣接する環状列46a、46b、46cの間の半径方向距離「AL」はまた、一様または一定ではない。特に、例えば、ステープル形成ポケット48の相対的に放射方向内側の環状列(例えば、46a、46b)の各ステープル形成ポケット48のどちらかの長手方向の末端から、ステープル形成ポケット48の相対的に放射方向外側の環状列(例えば、46b、46c)の各ステープル形成ポケット48の中心点までの半径方向距離「AL」は、ステープル形成ポケット48の相対的に放射方向外側の環状列(例えば、46b、46c)の各ステープル形成ポケット48の中間点から、ステープル形成ポケット48の相対的に放射方向内側の環状列(例えば、46a、46b)の各ステープル形成ポケット48のどちらかの長手方向の末端までの半径方向距離より短い。
【0063】
図5および図6で理解されるように、各環状列46a、46bおよび46cが同数のステープル形成ポケット48を含み、そして各ステープル形成ポケット48が同等の長さ「L」を有するので、各環状列46a、46b、46cにおける隣接のステープル形成ポケット48の間の距離は、環状列46a、46b、46cの半径が増大すると増大する。特に、ステープル形成ポケット48の第1または内側の環状列46aは、それの隣接のステープル形成ポケット48の間の第1距離「Ga」を規定する。ステープル形成ポケット48の第2または中間の環状列46bは、第1または内側の環状列46aの隣接のステープル形成ポケット48の間の第1距離「Ga」より長い、それの隣接のステープル形成ポケット48の間の第2距離「Gb」を規定する。ステープル形成ポケット48の第3または外側の環状列46cは、第2または内側の環状列46bの隣接のステープル形成ポケット48の間の第2距離「Gb」より長い、それの隣接のステープル形成ポケット48の間の第3距離「Gc」を規定する。
【0064】
さらに、各ステープル形成ポケット48が、まっすぐまたは直線の形状を有し、そして全ステープル形成ポケット48が、一様または同等の長さ「L」を有するので、隣接の環状列46a、46b、46cの半径(R1、R2、R3)は、1つの環状列46a、46b、46cのステープル形成ポケット48が隣接の環状列46a、46b、46cのステープル形成ポケット48と干渉しないように選択されなければならない。
【0065】
図3で最も理解されるように、従来技術に従うステープルカートリッジ組立部は、一般的に30として表される。カートリッジ組立部30は、3つの同心の環状列36a、36b、36cで配列される複数のステープル保持スロット38を含む。各ステープル保持スロット38は、そこで外科ステープルを保持するように構成される。正しくアンビル組立部40と協働するために、カートリッジ組立部30は、アンビル組立部40が円形ステープリングデバイス10に接続されるときに、互いに並列して軸方向に整列しているアンビル組立部40のステープル形成ポケット48と同等のまたは対応する数のステープル保持スロット38を含む。
【0066】
図4で理解されるように、従来技術に従う外科ステープルは、一般的に50として表される。各外科ステープル50は、バックスパン52と、バックスパン52の対向した末端から垂れ下がる1対のレッグ54、56とを含む。図4で理解されるように、外科ステープル50のバックスパン52は、概ねまっすぐかつ直線であり、バックスパン52は、レッグ54および56によって規定される平面内にある。外科ステープル50の詳細な議論のために、所有者および譲受人が共通の、それぞれに「Directionally Biased Staple and Anvil Assembly for Forming the Staple」という名称の米国特許第7,611,038号および米国特許第7,398,907号に参照がなされ、上記文献の各々の全内容が参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0067】
円形ステープリングデバイス10の動作および構造の詳細の議論および例示のために、譲受人が共通のGreshamらへの「Surgical Stapling Device for Performing Circular Anastomoses」という名称の米国特許第7,234,624号に参照がなされ、上記文献の全内容が、本明細書で参照することによって組み込まれる。概して、アンビル中央ロッドは、スクリューに取り付けられるアンビル保持器に取り付けられる。ノブの回転は、アンビルとカートリッジ組立部とを接近させるように、スクリューおよびアンビル保持器を引っ込む。ピボット可能なハンドルは、プッシャリンクを前進させ、プッシャおよびナイフを前進させ、アンビルおよびカットした組織に対してステープルを形成するように操作され得る。
【0068】
本明細書の以下に議論されるように、本開示のカートリッジ組立部130およびアンビル組立部140と共に使われ得、またはそれらを組み込み得る、動力を備えたまたは電気−機械式の円形ステープリングデバイスの動作および構造の詳細な議論および例示のために、2004年2月23日に出願した「Surgical Cutting and Stapling Device」という名称の米国特許出願第2005/0187576号に参照がなされ、上記文献の全内容が、本明細書で参照することによって組み込まれる。
【0069】
ここで図1および図5〜16に向けると、本開示に従って、カートリッジ組立部130と、アンビル組立部140と、外科ステープル150とを有するエンドエフェクタを組み込み、そして/またはそのエンドエフェクタと共に使用するための円形ステープリングデバイスが示され、かつ説明される。ハンドル組立部および細長い中央本体部分は、概ね前述のようである。代替的に、エンドエフェクタは、モーターと共に、またはモーターまたは他のエネルギーソースと共に使用するために構成されるハンドル組立部および本体部分、シャフトおよび/またはアダプターと共に利用されるように構成され得る。
【0070】
図7および図8で理解されるように、本開示の実施形態に従うアンビル組立部は、一般的に140として表される。アンビル組立部140は、アンビルヘッド144aと、ステープルを受け、かつ形成するためのそれぞれのステープル形成ポケット148a、148b、148cの複数の同心の環状列146a、146b、146cを規定するアンビルプレート144bとを含む。
【0071】
図7および図8で理解されるように、各ステープル形成ポケット148は、環状または弓状の長手方向軸「Y1」を規定する。ステープル形成ポケットは、湾曲、楕円の形状を有する。ステープル形成ポケットの各々の湾曲の長さは、アンビルプレートの弓状面の形状に従う。ステープル形成ポケットは、湾曲のバックスパンを有するステープルを受けるために、三日月、両凹の形状を有する。また図7および図8で理解されるように、ステープル形成ポケット148の第1または内側の環状列146aは、半径「R4」に沿って配置され、ステープル形成ポケット148の第2または中間の環状列146bは、半径「R4」より大きい半径「R5」に沿って配置され、そしてステープル形成ポケット148の第3または外側の環状列146cは、半径「R5」より大きい半径「R6」に沿って配置される。各半径「R4」、「R5」および「R6」は、各ステープル形成ポケット148の中心点に対して測定される。
【0072】
各ステープル形成ポケット148が、環状または弓状の長手方向軸「Y1」を規定するので、アンビルヘッド組立部140の第1または内側の環状列146aと第2または中間の環状列146bとのそれぞれの「R4」と「R5」との間の相対的な半径方向距離は、アンビルヘッド組立部40の第1または内側の環状列46aと第2または中間の環状列46bとのそれぞれの「R1」と「R2」との間の相対的な半径方向距離より短くあり得る。
【0073】
さらに、アンビルヘッド組立部140の第2または中間の環状列146bと第3または外側の環状列146cとのそれぞれの「R5」と「R6」との間の相対的な半径方向距離は、アンビルヘッド組立部40の第2または中間の環状列46bと第3または外側の環状列46cとのそれぞれの「R2」と「R3」との間の相対的な半径方向距離より短くあり得る。このように、ステープル形成ポケット148a、148bおよび148cの環状列146a、146bおよび146cは、互いに対してより接近して充填される。
【0074】
続けて図7および図8を参照すると、各ステープル形成ポケット148は、それぞれの環状列146a、146b、146cに対する環状または弓状の長手方向軸「Ya、YbおよびYc」を規定し、各環状列146a、146bおよび146cは、同数のステープル形成ポケット148を含む。それぞれの環状列146a、146b、146cにおけるそれぞれのステープル形成ポケット148a、148b、148cに対する長さ「La」、「Lb」および「Lc」は、放射方向外向き方向に増大し得る。特に、第2または中間の環状列146bにおけるステープル形成ポケット148bの長さ「Lb」は、第1または内側の環状列146aにおけるステープル形成ポケット148aの長さ「La」より長くあり得、第3または外側の環状列146cにおけるステープル形成ポケット148cの長さ「Lc」は、第2または中間の環状列146bにおけるステープル形成ポケット148bの長さ「Lb」より長くあり得る。
【0075】
このように、図7および図8で理解されるように、それぞれのステープル形成ポケット148a、148bおよび148cの長さ「La」、「Lb」および「Lc」における差のために、各それぞれの環状列146a、146b、146cにおける隣接のステープル形成ポケット148a、148b、148cの間の距離は、概ね同等であり得る。特に、ステープル形成ポケット148aの第1または内側の環状列146aは、それの隣接のステープル形成ポケット148aの間の第1距離「Ga」を規定する。ステープル形成ポケット148bの第2または中間の環状列146bは、第1または内側の環状列146aの隣接のステープル形成ポケット148aの間の第1距離「Ga」と概ね同等である、それの隣接のステープル形成ポケット148bの間の第2距離「Gb」を規定する。ステープル形成ポケット148cの第3または外側の環状列146cは、第1または内側の環状列146aの隣接のステープル形成ポケット148aの間の第1距離「Ga」と、第2または内側の環状列146bの隣接のステープル形成ポケット148bの間の第2距離「Gb」と概ね同等である第3距離「Gc」を規定する。
【0076】
さらに、各ステープル形成ポケット148a、148b、148cは、細長い球根状または円形の壁によって規定される1対の末端部分を相互接続する1対の平行な弓状の側壁によって規定される中央部分を有する周囲のプロフィールまたはフットプリントを含み得る。ステープル形成ポケット148a、148b、148cの末端部分の詳細な議論のために、所有者および譲受人が共通の、それぞれに「Directionally Biased Staple and Anvil Assembly for Forming the Staple」という名称の米国特許第7,611,038号および米国特許第7,398,907号に参照がなされ、上記文献の各々の全内容が参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0077】
このように、図7および図8で理解されるように、それぞれの環状列146a、146bおよび146cのステープル形成ポケット148a、148bおよび148cは、互いにネストされ得る。ステープル形成ポケットは、スタンピング、コイニング、または他の方法を利用して形成され得る。フォトリソグラフィー法および/またはマイクロ電解法が使われ得る。電解による溶解は、ステープル形成ポケットが湾曲の長さを有するようにステープル形成ポケットをアンビルプレートに形成するように使われ得る。
【0078】
図7および図8で理解されるように、それぞれの環状列146a、146bおよび146cの各ステープル形成ポケット148a、148b、148cが、弓状の、それぞれの長手方向軸「Ya、Yb、Yc」を規定するので、アンビルヘッド組立部144の吻合リップ144cからそれぞれの環状列146a、146bおよび146cの各ステープル形成ポケット148a、148b、148cまでの半径方向距離は、概ね一様または一定である。特に、吻合リップ144cからそれぞれの環状列146a、146bおよび146cの各ステープル形成ポケット148a、148b、148cの中心点までの半径方向距離「AL」は、吻合リップ144cからそれぞれの環状列146a、146bおよび146cの各ステープル形成ポケット148a、148b、148cのどちらかの長手方向の末端までの半径方向距離「AL」と概ね同等である。
【0079】
さらに、図7で理解されるように、それぞれの環状列146a、146bおよび146cの各ステープル形成ポケット148a、148b、148cが、弓状の、それぞれの長手方向軸「Ya、Yb、Yc」を規定するので、ステープル形成ポケット148a、148bおよび148cの隣接の環状列146a、146b、146cの間の半径方向距離「AL」はまた、概ね一様または一定である。特に、例えば、ステープル形成ポケット148の相対的に放射方向内側の環状列(例えば、146a、146b)の各ステープル形成ポケット148a、148bのどちらかの長手方向の末端から、ステープル形成ポケット148の相対的に放射方向外側の環状列(例えば、146b、146c)の各ステープル形成ポケット148b、148cの中心点までの半径方向距離「AL」は、ステープル形成ポケット148の相対的に放射方向外側の環状列(例えば、146b、146c)の各ステープル形成ポケット148b、148cの中間点から、ステープル形成ポケット148の相対的に放射方向内側の環状列(例えば、146a、146b)の各ステープル形成ポケット148a、148bのどちらかの長手方向の末端までの半径方向距離より短い。
【0080】
図10および図11で最も理解されるように、本開示の実施形態に従うステープルカートリッジ組立部は、一般的に130として表される。ステープルカートリッジ組立部130は、3つの同心の環状列136a、136b、136cで配列される複数のステープル保持スロット138を含む。各ステープル保持スロット138は、そこで外科ステープルを保持するように構成される。適切にアンビル組立部140と協働するために、カートリッジ組立部130は、アンビル組立部140が円形ステープリングデバイス10に接続されるときに、互いに並列して軸方向に整列しているアンビル組立部140のステープル形成ポケット148と同等のまたは対応する数のステープル保持スロット138を含む。
【0081】
図10および図11で理解されるように、各ステープル保持スロット138は、それぞれの環状列136a、136b、136cに対して、環状または弓状の長手方向軸「Ya、YbおよびYc」を規定する。ステープル保持スロットは、湾曲、楕円の形状を有する。ステープル保持スロットの各々の湾曲の長さは、カートリッジ組立部の弓状面の形状に従う。ステープル保持スロットは、湾曲したバックスパンを有するステープルを受けるために、三日月、両凹の形状を有する。それぞれの環状列136a、136b、136cに対するステープル保持スロット138の弓状の長手方向軸「Ya、YbおよびYc」は、それぞれの環状列146a、146b、146cに対するステープル形成ポケット148の弓状の長手方向軸「Ya、YbおよびYc」に概ね類似しているか、または概ね類似している湾曲の半径を有する。また図10および図11で理解されるように、ステープル保持スロット138の第1または内側の環状列136aは、半径「R4」を有し、ステープル保持スロット138の第2または中間の環状列136bは、半径「R4」より大きい半径「R5」を有し、そしてステープル保持スロット138の第3または外側の環状列136cは、半径「R5」より大きい半径「R6」を有する。各半径「R4」、「R5」および「R6」は、各ステープル保持スロット138の中心点に対して測定される。さらに、各環状列136a、136b、136cに対する各ステープル保持スロット138a、138b、138cに対する半径は、その全長に沿って概ね一定または一様である。
【0082】
続けて図10および図11を参照すると、各ステープル保持スロット138a、138b、138cは、それぞれの環状または弓状の長手方向軸「Ya、YbおよびYc」を規定し、環状列136a、136bおよび136cは、同数のステープル保持スロット138を含む。それぞれの環状列136a、136b、136cにおけるそれぞれのステープル保持スロット138a、138b、138cに対する長さ「La」、「Lb」および「Lc」は、放射方向外向き方向に増大し得る。特に、第2または中間の環状列136bにおけるステープル保持スロット138bの長さ「Lb」は、第1または内側の環状列136aにおけるステープル保持スロット138aの長さ「La」より長くあり得、第3または外側の環状列136cにおけるステープル保持スロット138cの長さ「Lc」は、第2または中間の環状列136bにおけるステープル保持スロット138bの長さ「Lb」より長くあり得る。言い換えると、各それぞれの環状列136a、136b、136cにおける各それぞれのステープル保持スロット138a、138b、138cは、各それぞれの環状列146a、146b、146cにおける各ステープル形成ポケット148a、148bおよび148cの長さ「La」、「Lb」および「Lc」に概ね対応しまたは関連する長さを有する。
【0083】
このように、図10および図11で理解されるように、それぞれのステープル保持スロット138a、138bおよび138cの長さ「La」、「Lb」および「Lc」における差のために、各それぞれの環状列136a、136b、136cにおける隣接のステープル保持スロット138a、138bおよび138cの間の距離は、概ね同等であり得る。特に、ステープル保持スロット138aの第1または内側の環状列136aは、隣接のステープル保持スロット138aの間の第1距離「Ga」を規定し、ステープル保持スロット138bの第2または中間の環状列136bは、第1距離「Ga」と概ね同等である第2距離「Gb」を規定し、そしてステープル保持スロット138cの第3または外側の環状列136cは、隣接のステープル保持スロット138aの間の第1距離「Ga」と、隣接のステープル形成ポケット138bの間の第2距離「Gb」と概ね同等である第3距離「Gc」を規定する。
【0084】
図10および図11で理解されるように、それぞれの環状列136a、136bおよび136cの各ステープル保持スロット138a、138b、138cが、弓状の、それぞれの長手方向軸「Ya、Yb、Yc」を規定するので、カートリッジ組立部140の吻合リップ130cからそれぞれの環状列136a、136bおよび136cの各ステープル保持スロット138a、138b、138cまでの半径方向距離は、概ね一様または一定である。特に、吻合リップ130cからそれぞれの環状列136a、136bおよび136cの各ステープル形成ポケット138a、138b、138cの中心点までの半径方向距離「AL」は、吻合リップ130cからそれぞれの環状列136a、136bおよび136cの各ステープル保持スロット138a、138b、138cのどちらかの長手方向の末端までの半径方向距離「AL」と概ね同等である。
【0085】
さらに、図11で理解されるように、それぞれの環状列136a、136bおよび136cの各ステープル保持スロット138a、138b、138cが、弓状の、それぞれの長手方向軸「Ya、Yb、Yc」を規定するので、ステープル保持スロット138a、138b、138cの隣接の環状列136a、136b、136cの間の半径方向距離「AL」はまた、概ね一様または一定である。特に、例えば、ステープル保持スロット138の相対的に放射方向内側の環状列(例えば、136a、136b)の各ステープル保持スロット138a、138bのどちらかの長手方向の末端から、ステープル保持スロット138の相対的に放射方向外側の環状列(例えば、136b、136c)の各ステープル保持スロット138b、138cの中心点までの半径方向距離「AL」は、ステープル保持スロット138の相対的に放射方向外側の環状列(例えば、136b、136c)の各ステープル保持スロット138b、138cの中間点から、ステープル保持スロット138の相対的に放射方向内側の環状列(例えば、136a、136b)の各ステープル保持スロット138a、138bのどちらかの長手方向の末端までの半径方向距離より短い。
【0086】
しばらくの間、図9に向けると、ステープルカートリッジ組立部130は、「Surgical Stapling Instruments Including a Cartridge having Multiple Staple Sizes」という名称の米国特許7,398,908において示され、かつ説明される任意の組織接触表面に概ね類似する階段状の組織接触表面140aを有し得、上記文献の全内容が参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0087】
ここで、図12および図13に向けると、本開示のもう1つの実施形態に従うアンビル組立部140のためのステープル形成ポケット248が、概略的に示され、そして説明される。図12および図13で理解されるように、各ステープル形成ポケット248は、湾曲または弓状の長手方向軸に近似するために、曲がったまたは非直線の長手方向軸を規定する。特に、図13で理解されるように、各ステープル形成ポケット248は、少なくとも、第1の直線の長手方向軸「Y1」を規定する第1区画248aと、第2の直線の長手方向軸「Y2」を規定する第2区画248bとを規定し、第1区画248aと第2区画248bとは、互いに対して角度「α」で角度を付けられる。
【0088】
図12および図13は、アンビル組立部140のためのステープル形成ポケットに対して説明されてきたが、ステープルカートリッジ組立部のためのステープル保持スロットに概ね同等に当てはまり、それも本開示の範囲内にあることが考えられる。
【0089】
図14〜16で理解されるように、本開示の実施形態に従う外科ステープルは、一般的に150として表される。各外科ステープル150は、バックスパン152と、バックスパン152の対向した末端から垂れ下がる1対のレッグ154、156とを含む。図14および図16で理解されるように、外科ステープル150のバックスパン152は、湾曲しており、そして弓状の長手方向軸「Y3」を規定し、バックスパン152が、レッグ154および156によって規定される平面から外に延在している。外科ステープル150のバックスパン152の弓状の長手方向軸「Y3」は、それぞれのステープル形成ポケット148a、148b、148cの弓状の長手方向軸「Ya、YbおよびYc」および/またはステープル保持スロット138a、138b、138cの弓状の長手方向軸「Ya、Yb、Yc」と概ね類似しているか、または概ね類似している湾曲の半径を有する。
【0090】
さらに、本開示に従って、ステープル150がステープル保持スロット138a、138b、138cのどの環状列136a、136b、136cに装填されるかに依存して、外科ステープル150は、それぞれのステープル保持スロット138a、138b、138cの長さ「La」、「Lb」および「Lc」に対応する長さ「La」、「Lb」または「Lc」を有するバックスパン152を有する。特に、ステープル保持スロット138aの第1または内側の環状列136aに装填される外科ステープル150は、長さ「La」を有するバックスパン152を有し、ステープル保持スロット138bの第2または中間の環状列136bに装填される外科ステープル150は、長さ「Lb」を有するバックスパン152を有し、そしてステープル保持スロット138cの第3または外側の環状列136cに装填される外科ステープル150は、長さ「Lc」を有するバックスパン152を有する。ステープル保持スロット138a、138b、138cのそれぞれの環状列136a、136b、136cに装填される外科ステープル150を形成するために使われる材料の全長が、概ね一定のままであるように、外科ステープル150のバックスパン152の長さ「La」、「Lb」および「Lc」が増大すると、外科ステープル150のレッグ154および156の対応する長さが減少することが考えられる。
【0091】
さらに、認識され得るように、本開示に従って、ステープル保持スロット138aの第1または内側の環状列136aに装填される外科ステープル150は、湾曲の半径「R4」を有するバックスパン152を有し、ステープル保持スロット138bの第2または中間の環状列136bに装填される外科ステープル150は、湾曲の半径「R5」を有するバックスパン152を有し、そしてステープル保持スロット138cの第3または外側の環状列136cに装填される外科ステープル150は、湾曲の半径「R6」を有するバックスパン152を有する。ステープルを駆動するためのプッシャ部材(または複数の部材)は、ステープルのバックスパンの形状に対応するように湾曲している個々のプッシャプレートを有する。
【0092】
上に議論されたステープル形成ポケットおよびステープル保持スロットは、内側の列の外側に配置される隣接のポケット(またはスロット)の列と同じ距離で間隔を空けられている内側のポケット(またはスロット)の列を有する。外側に配置された列におけるポケット(スロット)の間隔は、図2から図4に関連して上に議論されるデバイスと比較すると減少しているので、潜在的なリークパスは、かなり小さくなっている。
【0093】
上に議論された外科ステープル、エンドエフェクタ、および/またはアンビル組立部に対して、2つの環状列の外科ステープル、2つの環状列のステープル保持スロットおよび2つの環状列のステープル形成ポケットが使われ得る。環状列は、円形、卵形、半円形、または弓形の形状であり得る。さらに、各ステープル保持スロットおよびステープル形成ポケットの長手方向軸は、弓形に接近するために、角度を付けられ得、または曲げられ得る。湾曲の長さを有する、ステープル保持スロットの列とステープル形成ポケットの列は、外科ステープラと、直線のジョーまたは他の形状のジョーを有するエンドエフェクタにおいて使われ得る。
【0094】
上の説明は多くの細部を包含するが、これらの細部は、本開示の範囲上の限定としてではなく、むしろ単にそれらのさまざまな実施形態の例示として構成されるべきである。そのゆえ、上の説明は、限定としてではなく、むしろ単にさまざまな実施形態の代表的な例として構成されるべきである。当業者は、本開示の範囲および精神内の他の修正を予想する。
【符号の説明】
【0095】
10 外科ステープリングデバイス
12 ハンドル組立部
14 中央本体部分
16 遠位ヘッド部分
20 固定ハンドル
22 発射トリガー
24 回転可能な接近ノブ
130 シェル組立部
140 アンビル組立部
図1
図2
図3
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図5
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図11
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図16