特許第6247823号(P6247823)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6247823自己組織化構造、その製造方法、およびそれを含む物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247823
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】自己組織化構造、その製造方法、およびそれを含む物品
(51)【国際特許分類】
   C08F 220/02 20060101AFI20171204BHJP
   C08J 7/02 20060101ALI20171204BHJP
   C08F 220/22 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   C08F220/02
   C08J7/02 ACEY
   C08F220/22
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2013-22794(P2013-22794)
(22)【出願日】2013年2月8日
(65)【公開番号】特開2013-166934(P2013-166934A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2016年1月25日
(31)【優先権主張番号】13/397,470
(32)【優先日】2012年2月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591016862
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Rohm and Haas Electronic Materials LLC
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・トレフォナス・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】シー−ウェイ・チャン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・デネ・フスタッド
(72)【発明者】
【氏名】エリン・ベス・フォーゲル
【審査官】 松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−281509(JP,A)
【文献】 特開昭60−260038(JP,A)
【文献】 米国特許第07521090(US,B1)
【文献】 Zheng Feilong et al.,The Application of Nano-ATO in Fluorinated Polyacrylate Emulsion,Paint & Coating Industry,2010年10月,Vol40. No.10,pp.19-23
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 220/00 − 220/70
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基である)
によって表されるモノマー;または、式(2)
【化2】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、およびRはC1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、もしくはC7−10アラルキル基である)
によって表される構造を有するモノマーと、
式(3)
【化3】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、およびRはC2−10フルオロアルキル基である)
で表される構造を有しかつ少なくとも1つのフッ素原子置換基を有するモノマーと
を反応させることにより生じるランダムコポリマーを含み、
前記コポリマーが、ヒドロキシル基、カルボン酸基、エポキシ基、シラン基または前述の基の少なくとも1種を含む組み合わせを含む反応性末端基を有し、前記反応性末端基が、前記ランダムコポリマーの鎖骨格に沿っている、ポリマー組成物。
【請求項2】
前記コポリマーが式(4)
【化4】
(式中、xおよびyはモル分率であって、それらの合計が1に等しく、xは0.001〜0.999であり、yは0.001〜0.999であり;Rは水素もしくはC1−10アルキル基であり、かつ異なる繰り返し単位において同じかまたは異なっており、Rはカルボン酸基、C1−10アルキルエステル基、C3−10シクロアルキルエステル基、またはC7−10アラルキルエステル基であり、並びにRはC2−10フルオロアルキルエステル基であり、並びに、Rはヒドロキシル基、カルボン酸基、エポキシ基、シラン基または前述の基の少なくとも1種を含む組み合わせを含む末端基を表す)
の構造を有する、請求項1に記載のランダムコポリマー。
【請求項3】
前記コポリマーが式(7)
【化5】
(式中、x、yおよびzはモル分率であり、これらの合計は1に等しく、xは0.001〜0.999であり、yは0.001〜0.999であり、Rは水素もしくはC1−10アルキル基であって、かつ繰り返し単位のそれぞれにおいて同じかまたは異なっていており、Rはカルボン酸基、C1−10アルキルエステル基、C3−10シクロアルキルエステル基、またはC7−10アラルキルエステル基であり、RはC2−10フルオロアルキルエステル基であり、RはRとは同じではないC2−10フルオロアルキルエステル基、またはRとは同じではないC1−10アルキルエステル基、C3−10シクロアルキルエステル基、もしくはC7−10アラルキルエステル基であり、並びにRはヒドロキシル基、カルボン酸基、エポキシ基、シラン基または前述の基の少なくとも1種を含む組み合わせを含む末端基を表す)
の構造を有する、請求項1に記載のランダムコポリマー。
【請求項4】
10,000〜20,000g/molの数平均分子量および1.3以下の多分散度を有する、請求項1に記載のランダムコポリマー。
【請求項5】
2−10フルオロアルキルエステル基を有する(メタ)アクリラートモノマーを0.1〜40mol%含む、請求項1に記載のランダムコポリマー。
【請求項6】
コポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸トリフルオロエチル)を含む、請求項1に記載のランダムコポリマー。
【請求項7】
コポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸ドデカフルオロヘプチル)を含む、請求項1に記載のランダムコポリマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は自己組織化構造、その製造方法、およびそれを含む物品に関する。具体的には、本開示はブラシまたはマットの形態で存在するポリマー層上にブロックコポリマーを堆積させることにより得られる自己組織化ナノ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックコポリマーは、その系の自由エネルギーを低減させるために、自己組織化ナノ構造を形成する。ナノ構造は100ナノメートル未満の平均最大幅または厚さを有するものである。この自己組織化は自由エネルギーの低下の結果として周期的構造を生じさせる。この周期的構造はドメイン、ラメラまたはシリンダの形態である。これら構造のせいで、ブロックコポリマーの薄フィルムはナノメートルスケールで空間的化学的コントラストを提供し、それによりそれらは周期的ナノスケール構造を生じさせるための代替的低コストナノパターン形成材料として使用されてきた。これらブロックコポリマーフィルムはナノメートルスケールでコントラストを提供しうるが、しかし多くの場合、20ナノメートル未満の周期を示しうるコポリマーフィルムを生じさせることは非常に困難である。しかし、現在の電子素子は多くの場合、20ナノメートル未満の周期を有する構造を利用しており、よって、20ナノメートル未満の平均最大幅または厚さを有する構造を容易に示すことができ、同時に20ナノメートル未満の周期を示すコポリマーを製造することが望まれている。
【0003】
20ナノメートル未満の平均最大幅または厚さを有し、同時に20ナノメートル未満の周期を示すコポリマーを開発するための多くの試みがなされてきた。以下の論述はこれを達成するためになされてきた試みのいくつかを詳述する。
【0004】
図1Aおよび1Bは、基体上に配置されているラメラ形成性ブロックコポリマーの例を示す。ブロックコポリマーは、互いに反応によって結合されておりかつ互いに非混和性であるブロックAおよびブロックBを含む。ラメラはそのドメインを、それらが配置されている基体表面の表面に対して平行に(図1A)または垂直に(図1B)整列させうる。垂直配向ラメラはナノスケールラインパターンを提供するが、平行配向ラメラによって生じさせられる表面パターンはない。ラメラが基体の面に対して平行を形成する場合には、1つのラメラ相は基体の表面に(基体のx−y面に)第1の層を形成し、かつ別のラメラ相が第1の層上に重なる平行層を形成し、その結果、垂直(z)軸に沿ってそのフィルムを見た場合に、マイクロドメインのラテラルパターンはなくかつラテラル化学コントラスト形態はない。ラメラが表面に対して垂直を形成する場合には、この垂直配向ラメラはナノスケールラインパターンを提供する。よって、有用なパターンを形成するためには、ブロックコポリマー中の自己組織化マイクロドメインの配向の制御が望まれる。
【0005】
外部配向制御がない場合には、ブロックコポリマーの薄フィルムは、望まれない形態であるランダムに配向したナノ構造に自己組織化する傾向があり、これはこのフィーチャのランダム特性のせいでナノパターン形成にはほとんど役に立たない。ブロックコポリマーマイクロドメインの配向は、自己組織化プロセスを外部配向バイアス方法でガイドすることによって得られうる。このバイアス方法の例には、機械的流動場、電場、温度勾配の使用、またはブロックコポリマーがその層上に配置される表面修飾層を使用することが挙げられる。ガイドされる自己組織化のこれら具体的な形態のために概して使用されるコポリマーは、ポリスチレン−ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマー、またはポリスチレン−ポリ(2−ビニルピリジン)ブロックコポリマーである。
【0006】
図2はその層上にブロックコポリマーが配置されて制御されたドメインサイズおよび周期を有するフィルムを生じさせる表面修飾層を使用する一方法を詳述する。図2に示された方法はキム、S.O.;ソラック、H.H.;ストイコビッチ、M.P.;フェリエール、N.J.;デパブロ、J.J.;ニーリー、P.F.Nature2003、424、411〜414およびエドワーズ、E.W.;モンタギュー、M.F.;スラック、H.H.;ホーカー、C.J.;ニーリー、P.F.Adv.Mater.2004、16、1315−1319によってすでに詳述されてきた。図1と同様に、図2のブロックコポリマーはブロックAおよびブロックBを含む。図2における基体は表面に固定される表面修飾層でコーティングされる。この表面修飾層は架橋によって形成されるか、または反応によって基体の表面に結合される(共有結合、イオン結合、水素結合される)。何らかの追加の過剰な材料は結合前または結合の際に除去される。次いで、このブロックコポリマーは基体の表面修飾層上にコーティングされる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】キム、S.O.;ソラック、H.H.;ストイコビッチ、M.P.;フェリエール、N.J.;デパブロ、J.J.;ニーリー、P.F.Nature2003、424、411〜414
【非特許文献2】エドワーズ、E.W.;モンタギュー、M.F.;スラック、H.H.;ホーカー、C.J.;ニーリー、P.F.Adv.Mater.2004、16、1315−1319
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このブロックコポリマーは(任意成分の溶媒の存在下で)熱でアニールされて、このアニールは非混和性ポリマーブロックAおよびBの相分離を可能にする。このアニールされたフィルムは、次いで、一方のポリマーブロックを優先的に分解するが他方は分解せずに、コポリマー中のブロックの一方の配置に対応するパターンを示す、溶媒/現像剤中での浸漬のような適する方法によって、または反応性イオンエッチングによってさらに現像されうる。この方法は均一な間隔の自己組織化フィルムを生じさせるが、20ナノメートル未満の周期で20ナノメートル未満のドメインサイズを有する自己組織化フィルムを連続的にかつ均一に生じさせるのに有用性を提供していない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で開示されるのは、式(1)
【化1】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基である)
によって表されるモノマー;または、式(2)
【化2】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、およびRはC1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、もしくはC7−10アラルキル基である)
によって表される構造を有するモノマーと、式(3)
【化3】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、およびRはC2−10フルオロアルキル基である)
で表される構造を有しかつ少なくとも1つのフッ素原子置換基を有するモノマーとを反応させることにより生じるランダムコポリマーを含むポリマー組成物である。
【0010】
また、本明細書で開示されるのは、基体の表面上に配置されたランダムコポリマーを有する基体の表面上に、シロキサン含有ブロックおよびシロキサン非含有ブロックを含むブロックコポリマーを配置し、前記ランダムコポリマーが15〜400ミリニュートン/メートルの全表面エネルギーを有し、かつフッ素原子を含む少なくとも1種の置換基を含んでおり;前記ブロックコポリマーをアニーリングして、シロキサン含有ブロックを含む領域を、シロキサン非含有ブロックを含む領域から相分離させ、並びに、前記シロキサン含有ブロックまたは前記シロキサン非含有ブロックのいずれかを選択的に除去するように前記ブロックコポリマーをエッチングすることを含む、パターンを形成する方法である。
【0011】
また、本明細書で開示されるのは、基体上に配置されたランダムコポリマーを有する基体と、前記ランダムコポリマー上に配置されたパターン層とを含むパターン形成された基体であって、
前記ランダムコポリマーが式(1)
【化4】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基である)
によって表されるモノマー;または、式(2)
【化5】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、およびRはC1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、もしくはC7−10アラルキル基である)
によって表される構造を有するモノマーと、式(3)
【化6】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、およびRはC2−10フルオロアルキル基である)
で表される構造を有しかつ少なくとも1つのフッ素原子置換基を有するモノマーとを反応させることにより生じ、ここで、前記ランダムコポリマーはヒドロキシル基、カルボン酸基、エポキシ基、シラン基もしくは前述の基の少なくとも1つを含む組み合わせを含むアタッチメント基または鎖末端基を含んでおり;
前記パターン層はシロキサン含有ブロックを含む領域とシロキサン非含有ブロックを含む領域とに相分離したシロキサン含有ブロックおよびシロキサン非含有ブロックを含むブロックコポリマーを含んでおり、ここで、前記層分離した領域は前記表面に対して平行に配向した長手方向軸を有するラメラであるか、または前記表面に対して垂直に配向した長手方向軸を有するシリンダ状であるか、または両方である;
パターン形成された基体である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1Aおよび1Bは基体上に配置されるラメラ形成ブロックコポリマーの例を描く。
図2図2は、ブロックコポリマーがその上に配置されて、制御されたドメインサイズおよび周期を有するフィルムを生じさせる表面修飾層を使用する一方法を詳述する。
図3図3は、基体に対して垂直配向であるドメインを有するブロックコポリマーを得るための開示された表面修飾層を使用する方法を描く。
図4図4A〜4Eは、ブロックコポリマーの第1のまたは第2のブロックを「固定(pin)する」かまたはこれと選択的に相互作用して、基体に対して垂直配向であるドメインを生じさせるように、第1の表面修飾層および第2の表面修飾層を使用する方法を描く。
図5図5Aは200℃で1時間アニーリングした後のフィルムの配向を示す写真である。図5Bは290℃で1時間アニーリングした後のフィルムの垂直配向を示す顕微鏡写真である。
図6図6はランダムコポリマー上に配置され、290℃で1時間アニーリングした後のブロックコポリマー形態を示す顕微鏡写真である。
図7図7はランダムコポリマー表面修飾層上の、290℃で1時間アニーリングした後の薄フィルム形態を示す顕微鏡写真であり、これは平行および垂直シリンダの混合を示す。
図8図8はPS−PDMSブロックコポリマーフィルムにおけるデウェッティング(de−weting)に沿った垂直シリンダを描く顕微鏡写真である。
図9図9は表面修飾層上の、340℃で1時間アニーリングした後のブロックコポリマーの薄フィルム形態を示す顕微鏡写真である。
図10図10は表面修飾層上の薄フィルム形態を示す顕微鏡写真であり、これは平行および垂直シリンダの混合を示す。
図11図11は表面修飾層上に配置されたブロックコポリマー薄フィルムの顕微鏡写真であり、垂直シリンダのみを示す。
図12図12はラメラの平行配向に一致し、垂直配向の指標である微細構造の兆候のない薄フィルムブロックコポリマー形態を示す顕微鏡写真である。
図13図13は290℃で1時間アニールされた42nm厚さのフィルムの顕微鏡写真である。
図14図14Aは340℃で1時間アニールされた42nm厚さのブロックコポリマーフィルムの顕微鏡写真である。図14Bは開裂された後のブロックコポリマーの形態を示す顕微鏡写真である。この形態は〜25nmの高さの酸化PDMSラインを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
本明細書において使用される場合、「相分離」とはブロックコポリマーのブロックが別個のマイクロ相分離したドメイン(「マイクロドメイン」または「ナノドメイン」とも称され、および単に「ドメイン」とも称される)を形成する傾向をいう。同じモノマーのブロックが凝集して周期的ドメインを形成し、ドメインの間隔および形態はブロックコポリマー中の異なるブロック間の相互作用および容積分率に応じて決定される。ブロックコポリマーのドメインは適用中に、例えば、スピンキャスティング工程中に、加熱工程中に生じることができ、またはアニーリング工程によって調整されうる。「ベーキング」とも称される「加熱」は、基体およびその上に塗布された層の温度が周囲温度より高く上げられる一般的なプロセスをいう。「アニーリング」は熱アニーリング、熱勾配アニーリング、溶媒蒸気アニーリング、または他のアニーリング方法を含むことができる。熱アニーリング(場合によっては「熱硬化」とも称される)はブロックコポリマー組織化の層におけるパターンを固定化しかつ欠陥を除去するために特異的なベーキングプロセスであることができ、一般的にはフィルム形成プロセスの最後または最後付近での、高温(例えば、150℃〜350℃)での、長期間(例えば、数分〜数日)にわたる加熱を伴う。行われる場合には、アニーリングは、マイクロ層分離したドメインの層(以下「フィルム」とも称される)中の欠陥を低減させまたは除去するために使用される。
【0014】
少なくとも相分離による第1のブロックおよび第2のブロックを有するブロックコポリマーを含む自己組織化層はアニーリングの際に基体に対して垂直に配向する。「ドメイン」は、本明細書において使用される場合、ブロックコポリマーの対応するブロックによって形成されるコンパクトな結晶、半結晶、または非晶質領域を意味し、これら領域はラメラまたはシリンダであることができ、かつ基体の表面の面に対しておよび/または基体上に配置された表面修飾層の面に対して、直交するかまたは垂直に形成される。ある実施形態においては、このドメインは1〜100ナノメートル(nm)、具体的には5〜75nm、さらにより具体的には5〜30nmの平均最大寸法を有しうる。
【0015】
本明細書および特許請求の範囲において使用される、用語「PS−b−PDMSブロックコポリマー」はポリ(スチレン)−ブロック−ポリ(ジメチルシロキサン)ジブロックコポリマーを簡略化したものである。
【0016】
本発明のブロックコポリマーに関連して、本明細書および特許請求の範囲において使用される、用語「M」は実施例において本明細書において使用される方法に従って決定されるブロックコポリマーの数平均分子量(g/モル単位)である。
【0017】
本発明のブロックコポリマーに関連して、本明細書および特許請求の範囲において使用される、用語「M」は実施例において本明細書において使用される方法に従って決定されるブロックコポリマーの重量平均分子量(g/モル単位)である。
【0018】
本発明のブロックコポリマーに関連して、本明細書および特許請求の範囲において使用される、用語「PD」は下記方程式:
【数1】
に従って決定されるブロックコポリマーの多分散度である。
【0019】
(a)単一種のPS−b−PDMSブロックコポリマーであるPS−b−PDMSブロックコポリマー成分に関連して、本明細書および特許請求の範囲において使用される、用語「平均分子量」はそのPS−b−PDMSブロックコポリマーについての数平均分子量を意味し、(b)2種以上の異なるPS−b−PDMSブロックコポリマーのブレンドであるPS−b−PDMSブロックコポリマー成分に関連して、本明細書および特許請求の範囲において使用される、用語「平均分子量」はそのブレンド中の2種以上の異なるPS−b−PDMSブロックコポリマーの数平均分子量Mの加重平均を意味する。
【0020】
PS−b−PDMSブロックコポリマーに関連して、本明細書および特許請求の範囲において使用される、用語「WfPS」はブロックコポリマー中のポリ(スチレン)ブロックの重量パーセントである。
【0021】
本発明のPS−b−PDMSブロックコポリマーに関連して、本明細書および特許請求の範囲において使用される、用語「WfPDMS」はブロックコポリマー中のポリ(ジメチルシロキサン)ブロックの重量パーセントである。
【0022】
本明細書において開示されるのは表面修飾層のための組成物であり、ブロックコポリマーのための組成物が、この表面修飾層上に配置される場合に、20ナノメートル以下の最大平均サイズおよび20ナノメートル以下のドメイン間周期を有するドメインを生じさせる。このドメインは概してラメラまたはシリンダ状である。ある実施形態においては、このドメインは表面に対して平行に配向した長手方向軸を有するラメラ(すなわち、このラメラの長手方向軸が基体の表面に対して引かれた垂線に対して直角をなす)、または表面に対して垂直に配向した長手方向軸を有するシリンダ(すなわち、このシリンダの長手方向軸が基体の表面に対して引かれた垂線に対して平行である)、または両方である。ラメラまたはシリンダ状ドメインのこの配向は、以降、基体の表面に対して垂直な配向であると称される。この長手方向軸はブロックコポリマーのドメインの1つの最大寸法に対して実質的に平行なものである。ある実施形態においては、少なくとも2つの化学的非類似のドメインの長手方向軸はこのブロックコポリマーのこれらドメインの両方の最大寸法に対して実質的に平行であり、かつ実質的に互いに平行でもある。
【0023】
また、本明細書において開示されるのは、ドメインサイズが100ナノメートル以下であり、かつドメイン間周期が100ナノメートル以下である、基体の表面に対して垂直な配向のドメインを有するブロックコポリマーフィルムを製造する方法である。この方法は、垂直配向のドメインを有するフィルムを生じさせるように、表面修飾層の表面エネルギーと、この表面修飾層の上に配置されるバルクコポリマーの表面エネルギーとを適合させることを含む。この方法は、有利なことに、溶媒アニーリングのような非平衡プロセスの使用を伴わない。
【0024】
さらに、本開示は、基体;前記基体上に配置されたランダムコポリマーを含む(垂直配向誘導)表面修飾層;並びに前記表面修飾層上に配置された自己組織化パターン形成されたジブロックコポリマーフィルムを含み、前記ランダムコポリマーがジブロックコポリマーフィルム内に安定な垂直配向を誘導する構造に関する。
【0025】
さらに、本開示は、基体上に制御された表面エネルギーを有する表面修飾層を配置し;前記表面修飾層上にジブロックコポリマーのフィルムを形成し、前記表面修飾層が前記ジブロックコポリマーフィルム内で安定な垂直配向を誘導し;並びに前記ジブロックコポリマーフィルム内で組み合わせられた自己組織化パターンを作成するようにさらに処理することを含む構造を提供する方法に関する。
【0026】
さらに、本開示は、第1のドメインのと類似するまたは同じ幅を有するブラシまたはマットポリマー(または等価物)のガイドラインのパターンで飾られた基体を提供し;パターン形成された基体のパターン形成されていない領域を制御された表面エネルギーを有する(垂直配向誘導)表面修飾層で満たし;ガイドストライプの化学的パターン形成された基体および垂直配向誘導表面修飾層上にジブロックコポリマーのフィルムを形成し、前記パターン形成された基体はジブロックコポリマーフィルム内で安定な垂直配向を誘導し、そして自己組織化に向かわせて、高度に整列したブロックコポリマー形態を形成させ;並びに、半導体フィーチャの作成のためのエッチマスクとして有用な程度の長い範囲の組み合わせられた自己組織化パターンを作成するようにさらに処理する;ことを含む構造を提供する方法に関する。このブラシ層は、基体の表面に共有結合しているランダムコポリマーの分子を含み、このランダムコポリマーの鎖骨格は基体の表面に対して実質的に垂直である。マット層は基体の表面に共有結合しているランダムコポリマーの分子を含み、このランダムコポリマーの鎖骨格は基体の表面に対して実質的に平行である。
【0027】
表面修飾層はランダムコポリマーを含み、このランダムコポリマーは10〜20ナノニュートン/メートル(mN/m)の表面エネルギー差を有する2以上のホモポリマー繰り返し単位を含む。それぞれの繰り返し単位はランダムコポリマー中の他の繰り返し単位と化学的および/または構造的に異なっている。ランダムコポリマーは、35〜50mN/mの表面エネルギーを有する第1のホモポリマー繰り返し単位および15〜30mN/mの表面エネルギーを有する第2の繰り返し単位を含む。このランダムコポリマーの全表面エネルギーは15〜40mN/mである。表面エネルギーは水(18オーム脱イオン水)、ヨウ化メチレン(CH)およびジエチレングリコールの接触角(これらは、液滴法によって接触角ゴニオメータで測定される)からOwens−Wendt法を用いて計算される。ある実施形態においては、代表的な第1の繰り返し単位ははアクリラートモノマーから得られ、一方、第2の繰り返し単位は少なくとも1つのフッ素置換基を含むモノマーから得られる。ある実施形態においては、表面修飾層はランダムコポリマーを含み、このランダムコポリマーは少なくとも3種類の繰り返し単位を含み、それぞれの繰り返し単位はランダムコポリマー中の他の繰り返し単位と化学的および/または構造的に異なっている。
【0028】
ある実施形態においては、表面修飾層は基体上に配置されている架橋されうるランダムコポリマーを含む。このランダムコポリマーは少なくとも2種類の繰り返し単位を含み、そのうちの少なくとも1種は、基体上に堆積された後でランダムコポリマーを架橋するのに使用されうる反応性置換基を鎖骨格に沿って含む。この方法で架橋された表面修飾層は、ひいては、基体の表面上でマット状フィルムの形態であると説明される。
【0029】
別の実施形態においては、表面修飾層はランダムコポリマーを含み、このランダムコポリマーは反応性末端基を含み、この反応性末端基は、基体上にブラシを形成するように基体の表面上に配置される官能基と反応することができる。このように基体上に配置された表面修飾層は、ひいては、基体の表面上でブラシの形態であると説明される。
【0030】
さらに別の実施形態においては、表面修飾層はランダムコポリマーを含み、このランダムコポリマーは、鎖骨格に沿って少なくとも1種の反応性置換基を含み、さらに基体上にブラシを形成するように基体の表面上に配置される官能基と反応することができる反応性末端基を含む。両方の反応性官能基を含むコポリマーは、よって、反応の反応速度論に応じてマットまたはブラシを形成することができる。例えば、末端基が最初に基体と反応させられて、次いで置換基を反応させる場合には、表面修飾フィルムはマット状よりもブラシ上である特性を有すると予想される。しかし、架橋反応が最初にトリガーされ、次いで表面基を反応させる場合には、ひいてはその表面フィルムはよりマット状であり、より少なくブラシ上であるという特徴を有するであろう。表面修飾フィルムにおよびその結果としてブロックコポリマーに望まれる表面特性の種類を調節するために、かくして、反応条件、反応物質、反応物質を分散させるための溶媒使用、基体の化学的特性、並びにランダムコポリマーの構造的および化学的特性が全て調整されうる。
【0031】
ある実施形態においては、第1の繰り返し単位(すなわち、アクリラートモノマー)は式(1)
【化7】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基である)
で表されるモノマーから生じる構造を有する。この第1の繰り返しモノマーの例はアクリラートおよびアルキルアクリラート、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピルなど、または前述のアクリラートの少なくとも1種を含む組み合わせである。
【0032】
ある実施形態においては、第1の繰り返し単位(すなわち、アクリラートモノマー)は式(2)
【化8】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、およびRはC1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、もしくはC7−10アラルキル基である)表される構造を有するモノマーから生じる構造を有する。この(メタ)アクリラートの例はメタクリラート、エタクリラート、アクリル酸プロピル、メタクリル酸メチル、エタクリル酸メチル、プロピルアクリル酸メチル、エチルアクリル酸エチル、アリールアクリル酸メチルなど、または前述のアクリラートの少なくとも1種を含む組み合わせである。用語「(メタ)アクリラート」は他に特定されない限りはアクリラートまたはメタクリラートが意図されるという意味となる。
【0033】
上述のように、第2の繰り返し単位は式(3)
【化9】
(式中、Rは水素もしくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、およびRはC2−10フルオロアルキル基である)
で表される構造を有しかつ少なくとも1つのフッ素原子置換基を有するモノマーから生じる。式(3)の構造を有する化合物の例は、メタクリル酸トリフルオロエチル、およびメタクリル酸ドデカフルオロヘプチルである。
【0034】
表面修飾層に使用されるランダムコポリマーは、構造(4)に示される式に描写されるように、上記構造(1)、(2)および(3)の少なくとも2種類を含む:
【化10】
式中、xおよびyはモル分率であって、それらの合計が1に等しく、xは0.001〜0.999、具体的には0.05〜0.95であり、yは0.001〜0.999、具体的には0.05〜0.95であり;Rは水素もしくはC1−10アルキル基であり、かつ異なる繰り返し単位において同じであっても、または異なっていてもよく、Rはカルボン酸基、C1−10アルキルエステル基、C3−10シクロアルキルエステル基、またはC7−10アラルキルエステル基であり、並びにRはC2−10フルオロアルキルエステル基である。Rは末端基またはアタッチメント基を表し、かつこのコポリマーを基体に共有結合させるために使用される。ある実施形態においては、Rは常に反応性末端基であるわけではなく、基体と反応しない末端基であってもよい。
【0035】
表面修飾層に使用されるランダムコポリマーの末端基は場合によっては、基体に対する共有結合を形成することができるまたはポリマーフィルム中に架橋を誘導することができる反応性官能基を含む基であってよい。ランダムコポリマーは鎖末端基ではなく、ランダムコポリマーの骨格上の基であるアタッチメント基を有していてもよい。末端基Rはヒドロキシ、チオール、または第一級もしくは第二級アミン置換された直鎖もしくは分岐C1−30アルキル、C3−30シクロアルキル、C6−30アリール、C7−30アルカリール、C7−30アラルキル、C1−30ヘテロアルキル、C3−30ヘテロシクロアルキル、C6−30ヘテロアリール、C7−30ヘテロアルカリール、C7−30ヘテロアラルキルまたはこれらの基の少なくとも1種を含む組み合わせであり得る。本明細書において使用される場合、接頭語「ヘテロ」とは、他に特定されない限りは、あらゆる非炭素、非水素原子をいい、例えば、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ホウ素、酸素、窒素、ケイ素またはリンが挙げられる。
【0036】
ある実施形態においては、末端基には、3−アミノプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、または4−ヒドロキシフェニルが挙げられる。代替的に、またはこれら官能基に加えて、酸感受性コポリマーを基体の表面に結合させるのを容易にするために、他の反応性官能基が含まれていてよい。
【0037】
別の実施形態においては、末端基には、モノ−、ジ−およびトリアルコキシシラン基、例えば、3−プロピルトリメトキシシラン(トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリラートと他のモノマーとの共重合によって得られる)、またはグリシジル基(グリシジル(メタ)アクリラートとの共重合によって得られる)が挙げられる。さらに、架橋可能な基、例えば、ベンゾシクロブテン、アジド、アクリロイル、グリシジル、または他の架橋性基が使用されてもよい。エポキシ含有アタッチメント基を提供する有用なモノマーには、グリシジルメタクリラート、2,3−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリラート、(2,3−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリラート、5,6−エポキシノルボルネン(メタ)アクリラート、エポキシジシクロペンタジエニル(メタ)アクリラート、および前述の少なくとも1種を含む組み合わせからなる群から選択されるモノマーが挙げられる。
【0038】
典型的な末端基はヒドロキシル基、カルボン酸基、エポキシ基、シラン基、または前述の基の少なくとも1種を含む組み合わせである。
【0039】
代表的な実施形態においては、表面修飾層のランダムコポリマーは2種類の異なる繰り返し単位を含むことができ、かつ式(5)の構造を有する:
【化11】
式中、モル分率xは0.01〜0.99、具体的には0.10〜0.97、より具体的には0.25〜0.95であり、一方、モル分率yは0.99〜0.01、具体的には0.90〜0.03、より具体的には0.75〜0.05であり、並びにモル分率xおよびyの合計は1である。
【0040】
別の代表的な実施形態においては、表面修飾層のランダムコポリマーは2種類の異なる繰り返し単位を含むことができ、かつ式(6)の構造を有する:
【化12】
式中、モル分率xは0.01〜0.99、具体的には0.10〜0.97、より具体的には0.25〜0.95であり、一方、モル分率yは0.99〜0.01、具体的には0.90〜0.03、より具体的には0.75〜0.05であり、並びにモル分率xおよびyの合計は1である。
【0041】
ある実施形態においては、ランダムコポリマーは少なくとも3種類の異なる繰り返し単位を含み、かつ式(7)の構造を有する:
【化13】
式中、x、yおよびzはモル分率であり、これらの合計は1に等しい。ある実施形態においては、xは0.001〜0.999、具体的には0.05〜0.95であり、yは0.001〜0.999、具体的には0.05〜0.95であり、およびzは0.001〜0.9である。式(7)においては、Rは水素もしくはC1−10アルキル基であって、かつ繰り返し単位のそれぞれにおいて同じかまたは異なっていてよく、Rはカルボン酸基、C1−10アルキルエステル基、C3−10シクロアルキルエステル基、またはC7−10アラルキルエステル基であり、並びにRはC2−10フルオロアルキルエステル基であり、並びにRはRとは同じではないC2−10フルオロアルキルエステル基、またはRとは同じではないC1−10アルキルエステル基、C3−10シクロアルキルエステル基、またはC7−10アラルキルエステル基である。Rは末端基(アタッチメント基とも称される)を表し、かつこのコポリマーを基体に共有結合させるために使用される。Rは常に反応性末端基であるわけではない。Rについての様々な例が上に提示されている。
【0042】
別の実施形態においては、表面修飾層のランダムコポリマーは3種の異なる繰り返し単位を含むことができ、かつ式(8)の構造を有する:
【化14】
式中、x、yおよびzはモル分率であり、これらの合計は1に等しい。ある実施形態においては、xは0.001〜0.999、具体的には0.05〜0.95であり、yは0.001〜0.999、具体的には0.05〜0.95であり、およびzは0.001〜0.9である。式(8)においては、Rは水素もしくはC1−10アルキル基であって、かつ繰り返し単位のそれぞれにおいて同じかまたは異なっていてよく、RおよびRは互いに異なっており、かつカルボン酸基、C1−10アルキルエステル基、C3−10シクロアルキルエステル基、もしくはC7−10アラルキルエステル基であり、またはRはC2−10フルオロアルキルエステル基、またはC2−10フルオロアルキルエステル基の1種類であり、並びにR10はヒドロキシル基を含むC1−30アタッチメント基である。
【0043】
別の実施形態においては、表面修飾層のランダムコポリマーは3種の異なる繰り返し単位を含むことができ、かつ式(9)の構造を有する:
【化15】
式中、x、yおよびzはモル分率であり、これらの合計は1に等しい。ある実施形態においては、xは0.001〜0.999、具体的には0.05〜0.95であり、yは0.001〜0.999、具体的には0.05〜0.95であり、およびzは0.001〜0.9である。式(8)においては、Rは水素もしくはC1−10アルキル基であって、かつ繰り返し単位のそれぞれにおいて同じかまたは異なっていてよく、R、RおよびR11は互いに異なっており、かつカルボン酸基、C1−10アルキルエステル基、C3−10シクロアルキルエステル基、もしくはC7−10アラルキルエステル基であり、またはC2−10フルオロアルキルエステル基の1種類である。
【0044】
別の代表的な実施形態においては、表面修飾層のランダムコポリマーは3種の異なる繰り返し単位を含むことができ、かつ式(10)の構造を有する:
【化16】
式中、モル分率xは0.01〜0.99、具体的には0.05〜0.95であり、モル分率yは0.99〜0.01、具体的には0.95〜0.05であり、およびモル分率zは0.001〜0.1、具体的には0.01〜0.04であり、モル分率x、yおよびzの合計は1である。
【0045】
別の代表的な実施形態においては、表面修飾層のランダムコポリマーは3種の異なる繰り返し単位を含むことができ、かつ式(11)の構造を有する:
【化17】
式中、モル分率xは0.01〜0.99、具体的には0.05〜0.95であり、モル分率yは0.99〜0.01、具体的には0.95〜0.05であり、およびモル分率zは0.001〜0.1、具体的には0.01〜0.04であり、モル分率x、yおよびzの合計は1である。代表的なランダムコポリマーは、コポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸トリフルオロエチル)およびコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸ドデカフルオロヘプチル)であり、ここで「ラン」はランダムコポリマーを示す。
【0046】
ある実施形態においては、ランダムコポリマーは10,000〜80,000g/モルの数平均分子量および1.3以下の多分散度である。
【0047】
ランダムコポリマーはコポリマーのブレンドを含んでいても良い。ある実施形態においては、構造(4)に示される式を有する第1のランダムコポリマーが構造(4)に示される式を有する第2のランダムコポリマーとブレンドされていてよく、この場合第1のランダムコポリマーは第2のランダムコポリマーと同じではない。3種類以上のランダムコポリマーが互いにブレンドされて(それぞれが他の二種類とは異なる構造を有する限りにおいて)、表面修飾フィルムを形成することができる。別の実施形態においては、構造(7)に示される式を有する第1のランダムコポリマーが構造(7)に示される式を有する第2のランダムコポリマーとブレンドされていてよく、この場合第1のランダムコポリマーは第2のランダムコポリマーと同じではない。さらに別の実施形態においては、構造(4)に示される式を有する第1のランダムコポリマーが構造(7)に示される式を有する第2のランダムコポリマーとブレンドされていてよい。第1のランダムコポリマーは、コポリマーのブレンドの全重量を基準にして、概して10〜90重量%の量で存在し、一方、第2のランダムコポリマーは10〜90重量%の量で存在する。ランダムコポリマーのブレンドは、以降、用語「ランダムコポリマー」に包含されるものとする。
【0048】
ランダムコポリマーは、それを溶媒中に溶解させるかまたは分散させることを含む方法によって、概して基体の表面上に配置されて、表面修飾層を形成する。この溶媒は極性溶媒、非極性溶媒またはこれらの組み合わせであることができる。典型的な溶媒には、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセタート、乳酸エチル、アニソール、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、ジアセトンアルコール、トルエン、トリフルオロトルエン、または前述のものの少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられうる。ランダムコポリマーは基体の表面上でコーティングを形成するのに有効な濃度に溶解される。このコーティングはスピンキャスティング、ディップコーティング、スプレーコーティングをはじめとする方法によって、またはドクターブレードでの適用によって形成される。
【0049】
基体の表面上に堆積させる前のランダムコポリマーの濃度は、ランダムコポリマーおよび溶媒の重量を基準にして40重量%以下である。ある実施形態においては、基体の表面上に堆積させる前のランダムコポリマーの濃度は、ランダムコポリマーおよび溶媒の重量を基準にして1〜35重量%、具体的には5〜30重量%、より具体的には10〜25重量%である。
【0050】
表面修飾層を配置するために使用される基体には、本発明のコポリマー組成物でコーティングされうる表面を有するあらゆる基体が挙げられる。好ましい基体は層状基体が挙げられる。好ましい基体にはケイ素含有基体(例えば、ガラス、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、ケイ素含有半導体基体、例えば、シリコンウェハ、シリコンウェハフラグメント、シリコンオンインシュレータ(silicon on insulator)基体、シリコンオンサファイア基体、ベース半導体基盤(base semiconductor foundation)上のシリコンのエピタキシャル層、シリコン−ゲルマニウム基体)、プラスチック、金属(例えば、銅、ルテニウム、金、白金、アルミニウム、チタンおよび合金)、窒化チタン、並びにシリコン非含有半導体基体(例えば、シリコン非含有ウェハフラグメント、シリコン非含有ウェハ、ゲルマニウム、ガリウムヒ素およびリン化インジウム)が挙げられる。典型的な基体はケイ素含有基体である。
【0051】
上述のように、基体の表面に対して垂直なブロックを生じさせる表面修飾層上にブロックコポリマーが配置される。その表面エネルギーが表面修飾層の表面エネルギーとできるだけわずかしか異ならないブロックコポリマーを選択することにより、ドメインサイズ、ドメイン形状およびドメイン間隔(inter−domain spacing)が注意深く制御されうる。ブロックコポリマーフィルムが、ブロックコポリマーが配置される基体の表面に対して垂直な配向を有するラメラまたはシリンダ状ドメインを形成するのを可能にする、それぞれのブロックについての数平均分子量を有するブロックコポリマーを選択することが望まれる。
【0052】
ブロックコポリマーは2種以上の異なるモノマーから合成されており、かつ化学的に異なるが互いに共有結合している2以上のポリマー鎖セグメントを示すポリマーである。ジブロックコポリマーは、2種類の異なるモノマー(例えば、AおよびB)から生じ、かつB残基のポリマーブロックに共有結合したA残基のポリマーブロックを含む構造(例えば、AAAAA−BBBBB)を有する、特別な種類のブロックコポリマーである。
【0053】
これらブロックは概して、別の非類似のブロックが結合されうるあらゆる適切なドメイン形成性ブロックであることができる。ブロックは様々な重合性モノマーから得られることができ、このブロックには、これに限定されないが、ポリオレフィン、例えば、ポリジエン、ポリエーテル、例えば、ポリ(アルキレンオキシド)、例えば、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)、またはこれらのランダムもしくはブロックコポリマー;ポリ((メタ)アクリラート)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオルガノシロキサン、またはポリオルガノゲルマンが挙げられうる。
【0054】
ある実施形態においては、ブロックコポリマーのブロックはモノマーとして、C2−30オレフィンモノマー、C1−30アルコールから得られる(メタ)アクリラートモノマー、無機含有モノマー、例えば、鉄、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アルミニウム、チタンをベースにしたもの、または前述のモノマーの少なくとも1種を含む組み合わせを含む。具体的な実施形態においては、ブロックにおける使用に典型的なモノマーには、C2−30オレフィンモノマーとして、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1,3−ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ジヒドロピラン、ノルボルネン、マレイン酸無水物、スチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−メチルスチレン、またはa−メチルスチレンが挙げられることができ、並びに(メタ)アクリラートモノマーとして、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルまたは(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルが挙げられうる。これらモノマーの2種以上の組み合わせが使用されてもよい。
【0055】
ホモポリマーである代表的なブロックには、スチレンを用いて製造されるブロック(すなわち、ポリスチレンブロック)、または(メタ)アクリラートホモポリマーブロック、例えば、ポリ(メタクリル酸メチル)が挙げられることができ、典型的なランダムブロックには、例えば、ランダムに共重合されたスチレンとメタクリル酸メチルとのブロック(例えば、ポリ(スチレン−コ−メタクリル酸メチル))が挙げられ;並びに、代表的な交互コポリマーブロックには、スチレンおよびマレイン酸無水物のブロック(例えば、ポリ(スチレン−alt−マレイン酸無水物))(これは、マレイン酸無水物がほとんどの条件下でホモ重合をすることができないせいで、スチレン−マレイン酸無水物二連子繰り返し構造を形成することが知られている)が挙げられうる。このブロックは典型的であるが、限定するもののと見なされるべきではないことが理解されるであろう。
【0056】
本方法における使用が意図される典型的なブロックコポリマーには、ジブロックまたはトリブロックコポリマー、例えば、ポリ(スチレン−b−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−ブタジエン)、ポリ(スチレン−b−イソプレン)、ポリ(スチレン−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(スチレン−b−アルケニル芳香族)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−(エチレン−プロピレン))、ポリ(エチレンオキシド−b−カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−(メタ)アクリル酸t−ブチル)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−メタクリル酸t−ブチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−テトラヒドロフラン)、ポリ(スチレン−b−イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−ジメチルシロキサン)、ポリ(スチレン−b−メタクリル酸トリメチルシリルメチル)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−ジメチルシロキサン)、ポリ(メタクリル酸メチル−メタクリル酸トリメチルシリルメチル)など、または前述のブロックコポリマーの少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられる。
【0057】
ある実施形態においては、ブロックコポリマーはポリシロキサンブロックおよび非ポリシロキサンブロックを含む。典型的なブロックコポリマーはポリスチレン−ポリジメチルシロキサンであり、以降、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)と称され、PS−b−PDMSと特定される。
【0058】
本明細書において開示されるポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー組成物は、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー成分を含み、このポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー成分は単一種のPS−b−PDMSブロックコポリマー、または少なくとも2種類の異なるPS−b−PDMSブロックコポリマーのブレンドから選択され、このポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー成分の平均分子量は25〜1,000kg/mol、具体的には30〜1,000、より具体的には30〜100、最も具体的には30〜60kg/molである。
【0059】
ある実施形態においては、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー成分が単一種のPS−b−PDMSブロックコポリマーであり、このPS−b−PDMSブロックコポリマーの平均分子量(上述のように定義される)は25〜1,000kg/mol(具体的には30〜1,000kg/mol、より具体的には30〜100、最も具体的には30〜60kg/mol)である。別の実施形態においては、このポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)成分が少なくとも2種類の異なるPS−b−PDMSブロックコポリマーのブレンドであり、このPS−b−PDMSブロックコポリマーのブレンドの平均分子量(上述のように定義される)は25〜1,000kg/mol、具体的には30〜1,000kg/mol、より具体的には30〜100、最も具体的には30〜60kg/molである。代表的な実施形態においては、このポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー成分が少なくとも2種類の異なるPS−b−PDMSブロックコポリマーのブレンドであり、この少なくとも2種類の異なるPS−b−PDMSブロックコポリマーが、1〜1,000kg/molの数平均分子量M、1〜3、具体的には1〜2、最も具体的には1〜1.2の多分散度PD、並びに望まれる形態がポリスチレンマトリックス中のポリジメチルシロキサンシリンダを含む場合には0.18〜0.8、具体的には0.18〜0.35;望まれる形態がポリスチレンマトリックス中のポリジメチルシロキサンラメラを含む場合には0.22〜0.32、具体的には0.35〜0.65;および望まれる形態がポリジメチルシロキサンマトリックス中のポリスチレンシリンダである場合には0.4〜0.6、具体的には0.65〜0.8、より具体的には0.68〜0.75のポリ(ジメチルシロキサン)重量分率WfPDMSを有するPS−b−PDMSブロックコポリマーから選択される
【0060】
ブロックコポリマーは望ましくは、さらに処理するのに適している全体分子量および多分散度を有する。ある実施形態においては、ブロックコポリマーは10,000〜20,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有する。同様に、ブロックコポリマーは5,000〜200,000の数平均分子量(Mn)を有する。ブロックコポリマーは1.01〜6の多分散度(Mw/Mn)も有しうる。ある実施形態においては、ブロックコポリマーの多分散度は1.01〜1.5であり、具体的には1.01〜1.2であり、さらにより具体的には1.01〜1.1である。分子量は、MwおよびMn両方とも、ユニバーサルキャリブレーション方法を用いてゲル浸透クロマトグラフィによって決定されることができ、ポリスチレン標準に対して較正されうる。
【0061】
本発明の方法に使用されるポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー組成物は場合によっては溶媒をさらに含む。ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー組成物に使用するのに適する溶媒には、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー成分を、動的光散乱によって測定して、50ナノメートル(nm)未満の平均流体力学直径を有する粒子または凝集体に分散させることができる液体が挙げられる。具体的には、使用される溶媒はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エトキシエチルプロピオナート、アニソール、乳酸エチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン(GBL)、n−メチルピロリドン(NMP)およびトルエンから選択される。より具体的には、使用される溶媒はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)およびトルエンから選択される。最も具体的には、使用される溶媒はトルエンである。
【0062】
本発明の方法に使用されるポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー組成物は場合によっては添加剤をさらに含む。ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー組成物に使用するのに好ましい添加剤には界面活性剤および酸化防止剤が挙げられる。追加のポリマー(例えば、ホモポリマーおよびランダムコポリマー);界面活性剤;酸化防止剤;光酸発生剤;熱酸発生剤;クエンチャー;硬化剤;接着促進剤;溶解速度調節剤;光硬化剤;光増感剤;酸増幅剤(acid amplifier);可塑剤;および架橋剤。ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマー組成物に使用するのに好ましい添加剤には界面活性剤および酸化防止剤が挙げられる。
【0063】
ある実施形態においては、基体の表面上にブロックコポリマーフィルムを配置する一方法において、基体は場合によっては、汚染物質を除去するために、基体を適切な溶媒で洗浄することによって清浄化される。次いで、基体の表面は表面修飾層で前処理され、その後表面修飾層にブロックコポリマー組成物が適用される。表面修飾層の適用後であって、ブロックコポリマー組成物の適用前に、この表面修飾層は未反応種および汚染物質を除去するために洗浄されうる。
【0064】
上述のように、表面修飾層はスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティングなどによって堆積される。表面修飾層はブラシを形成するように基体の表面と反応させられることができ、あるいは表面修飾層は熱エネルギーおよび/または電磁放射線を用いて硬化させられうる。表面修飾層を硬化させるために紫外線が使用されうる。表面修飾フィルムの硬化特性を変えるために活性化剤および開始剤が使用されうる。
【0065】
表面修飾層は基体の表面と、ブロックコポリマー組成物との間に介在させられる結合層のように機能して、ブロックコポリマー組成物と基体との間の接着を増強させる。
【0066】
ブロックコポリマーは、ある実施形態においては、図3に記載される様に、溶液から垂直配向誘導表面修飾層上にスピンキャストされて、この表面修飾層の表面上に自己組織化層を形成する。ある実施形態においては、表面修飾層およびその上に配置されたブロックコポリマー層を伴う基体が350℃以下の温度で4時間以下にわたって加熱されて、溶媒を除去し、かつアニーリングプロセスにおけるドメインを形成する。このドメインは基体に対して垂直な配向を有して形成される。次いで、第1または第2のドメインを除去することによってレリーフパターンが形成されて、下地部分の表面修飾層または基体を露出させる。ある実施形態においては、この除去はウェットエッチ方法、現像、またはプラズマ、例えば、酸素もしくはCFプラズマを使用するドライエッチ方法によって達成される。
【0067】
別の実施形態においてはブロックコポリマーは、図4に示されるように、第1または第2のブロックを固定し(pin)またはこれと選択的に相互作用するように設計された第2の材料、並びに垂直配向誘導表面修飾層のフィーチャを含むパターン形成された表面上に溶液からスピンキャストされる。この第2の材料はブロックコポリマーのより高いエネルギーブロック、例えば、ポリスチレン−ポリジメチルシロキサンコポリマーのポリスチレンブロックと相互作用するものであろう。これは、例えば、ポリスチレンブラシおよび/もしくはマット、またはポリスチレンと類似の特性を有する別の材料であることができた。
【0068】
図4Aに描かれるこの実施形態においては、第1の表面修飾層が基体の表面上に配置され、そして基体と反応させられてブラシ層を形成する。図4Bに描かれるように、化学的もしくはプラズマエッチングによって、または別の方法によってブラシ層の一部分が除去される。図4Cに描かれるように、次いで、ブラシ層を含んでいない領域の基体の表面上に、第2の表面修飾層が配置される。次いで、この第2の表面修飾層が基体の表面と反応させられるか、または架橋される。次いで、図4Dに認められるように、ブロックコポリマーが表面修飾層の表面上に配置されて、コポリマーフィルムのブロックが基体の表面に対して垂直な配向であるコポリマーフィルムを形成する。
【0069】
ブロックコポリマーは、溶媒を除去しかつアニーリングプロセスにおけるドメインを形成するために、350℃以下の温度に4時間以下にわたって加熱される。これらドメインは基体に対して垂直に生じ、かつ第1のブロックは基体上で「固定用(pinning)」フィーチャに第1のドメインを合わせるように造られたパターンに整列して、かつ第2のブロックは基体上で第1のドメインに隣接して整列した第2のドメインを形成する。パターン形成された基体はまばらなパターンを形成しており、よって表面修飾層領域は第1および第2のドメインの間隔よりも大きな間隔で離されているので、追加の第1および第2のドメインが表面修飾層上に生じて、このまばらなパターンの間を埋める。この追加の第1のドメインは、整列させるための固定用領域なしで、その代わりに、あらかじめ形成された垂直配向誘導表面修飾層に対して垂直に整列し、そして追加の第2のドメインが追加の第1のドメインに対して整列する。
【0070】
次いで、図4Eに認められるように、ブロックコポリマーのドメインの1つがエッチング除去される。次いで、第1または第2のドメインを除去することによってレリーフパターンが形成され、下地部分のブラシ層を露出させる。ある実施形態においては、除去はウェットエッチ方法、現像、またはプラズマ、例えば、酸素プラズマを使用するドライエッチ方法によって達成される。次いで、この少なくとも1つのドメインが除去されたブロックコポリマーが、エレクトロニクス、半導体などの分野に使用されうる他の表面を装飾または製造するためのテンプレートとして使用される。
【0071】
この垂直配向制御表面修飾層は自己組織化を誘導するために形成されるパターンにされることもでき、この自己組織化を誘導するために形成されるパターンは密なピッチ、すなわち、ライン幅:スペース幅の比率が1以上:1(例えば、1.1:1、1.2:1、1.5:1、2:1など)、1未満:1(例えば、1:1.5)の準密(semi−dense)なピッチ、または1以下:2(例えば、1:3、1:4など)のピッチを有するまばらなパターンの規則的なパターンを形成するフィーチャを有することができる。
【0072】
連続ラインを使用して得られるであろうような連続パターンを使用するのではなく、ダッシュ(dash)またはドットのパターンのような低解像技術を用いて、表面修飾層の表面上にまばらなパターンが形成されることができる。これらパターン上にドメインを形成する際に、ドメインはラインに対して整列するだけでなく、ダッシュおよび/またはドットに対しても整列し、そして断続的なパターン形成された領域上に形成されるドメインに対して、サイズおよび形状の規則性を伴って整列するドメインの能力のせいで、整列したドメインは連続パターン上に形成されたのと同等のパターンを形成しうる。
【0073】
別の実施形態においては表面修飾層はチェンらによって米国特許第7,521,094号に説明される方法および関連する方法に組み込まれることができ、ブロックコポリマー自己組織化を誘導するための化学的パターンを形成することができる。表面修飾層は、トレンチ基体によってガイドされるラメラブロックコポリマーの安定な垂直配向を促進させるために、グラフォエピタキシー基体におけるトレンチの底に適用されてもよい。
【0074】
形成の際のドメインはアニーリング中の「自己修復」メカニズムにおいて整列のなんらかの欠陥を修正することができるので、有利なことに、高いラインエッジラフネスおよびライン幅ラフネスを有するラインまたはダッシュの使用は、このパターン形成方法によって許容される。さらに、電子ビームリソグラフィを伴う用途については、破線および/または点線を描画することは実線を描画するよりも少ない描画時間しかかからない(および/またはより低いエネルギー線量しか必要としない)。よって、ある実施形態においては、パターンはダッシュおよび/またはドットを含む非連続的でありうる。ダッシュおよび/またはドットの間隔およびアライメントは、非連続パターン上に形成されるドメインが組織化して、欠陥の発生率が最小限にされるドメインの連続パターンを形成するものである。
【0075】
ある実施形態においては、少なくとも1つのマイクロ相分離したドメインが選択的に除去されて形状的(topographic)パターンを生じさせ、次いで反応性イオンエッチプロセスによってその形状的パターンから別の基体へのパターン転写を行う。この別の基体は半導体基体であり得る。上記方法および構造は、密なライン/スペースパターンを必要とするメモリ素子、例えば、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)など、またはハードドライブにおけるようなデータ貯蔵のための密なフィーチャをはじめとする半導体素子の製造に使用されうる。
【0076】
本明細書に開示される方法および組成物は多くの利点を示す。ある実施形態においては、安定な垂直PS−b−PDMS形態のための垂直配向誘導表面修飾層組成物はPSおよびPDMSのランダムコポリマーをベースにしていないが、PS相の除去の際の酸素プラズマへの曝露の際にこの垂直配向誘導表面修飾層がエッチ耐性「シリカ様」材料に変換されるであろうから、このPSおよびPDMSのランダムコポリマーはパターンの転写を困難にするであろう。その代わりに、配向制御表面修飾層は、有機(メタ)アクリラートのような高いOプラズマエッチング速度を有するブロックをベースにした組成物を含んでいる。
【0077】
表面修飾層は、シリンダ形成性PS−PDMS材料を用いて典型的に観察されるような平行シリンダよりもむしろ、垂直配向PSまたはPDMSポストのアレイを作り出すようにシリンダ形成性PS−PDMS材料を安定化するのに有利に使用されることもできる。
【0078】
開示される方法は、多くの場合に使用される溶液コーティング技術を使用し、基体エッチによって異なる形状を得るのに有用な、および様々な組成または形状の基体における様々なフィーチャの製造に有用な様々なポスト−パターン形成プロセスに望まれるフィーチャパターンのより大きな制御を提供する、配向制御表面修飾層の逐次堆積による、自己組織化製造のナノスケール構造フィーチャの形成、およびこのナノパターン形成されたフィーチャの誘導制御を可能にする。
【0079】
本発明は以下の非限定的実施例によってさらに説明される。
【実施例】
【0080】
溶媒および化学物質は標準的な商業的なソースから得られ、かつ他に示されない限りは入手したままで使用された。メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸トリフルオロエチル、およびメタクリル酸ドデカフルオロヘプチルは塩基性アルミナを通してろ過され、そして表面修飾層に使用されるランダムコポリマーを形成するために使用された。
【0081】
分子量および多分散度値は、アジレント1100シリーズ屈折率およびMiniDAWN光散乱検出器(ワイアットテクノロジーカンパニー)を備えたアジレント1100シリーズLCシステムでのゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定された。サンプルはHPLC等級のTHFに約1mg/mLの濃度で溶かされて、0.20μmシリンジフィルタを通してろ過され、その後、2本のPLGel 300×7.5mm混合Cカラム(5mm、ポリマーラボラトリーズインコーポレーテッド)へのインジェクションを行った。1mL/分の流量および35℃の温度が維持された。これらカラムは狭い分子量のPS標準(EasiCal PS−2、ポリマーラボラトリーズインコーポレーテッド)で較正された。
【0082】
プロトンNMR分光分析はバリアンINOVA400MHz NMRスペクトロメータにおいて行われた。全てのNMRスペクトルについて重水素化テトラヒドロフランが使用された。定量的積分のためにプロトンの完全な緩和を確実にするために、10秒の遅延時間が使用された。化学シフトはテトラメチルシランに対して報告される。
【0083】
接触角は水(18オーム脱イオン水)、ヨウ化メチレン(CH)およびジエチレングリコールを使用した液滴法によって接触角ゴニオメータで測定された。極性成分および分散成分の双方を含む表面エネルギーがOwens−Wendt法を用いてこれら溶媒のそれぞれの接触角から計算された。結果はミリニュートン/メートル(mN/m)の単位で報告される。
【0084】
以下の実施例は、表面修飾層を製造する方法、および基体の表面に対して垂直なブロックを有するブロックコポリマーの形成を実証するために行われた。実施例のために3種類の異なるランダムコポリマーが製造され、これらは以下に説明される。実施例において使用するためにヒドロキシル末端ポリスチレンブラシも製造され、このブラシの製造は以下に説明される。実施例のために、ポリスチレン−ポリジメチルシロキサンブロックコポリマーも合成されるか(PS−PDMS−AまたはPS−PDMS−C)、または購入され(PS−PDMS−BまたはPS−PDMS−D)、これらの合成は以下に説明される。購入されたポリスチレン−ポリシロキサンブロックコポリマーの詳細も以下に提示される。
【0085】
ヒドロキシル末端ポリスチレンブラシが製造された。最初に、2リットルのガラス反応器内に、窒素雰囲気下で、シクロヘキサン(1,500g)が入れられた。次いで、カニューレを介して、この反応器にスチレン(50.34g)が入れられた。次いで、この反応器の内容物は40℃に加熱された。次いで、この反応器に、シクロヘキサン中で0.32Mの濃度に希釈されたsec−ブチルリチウム(19.18g)がカニューレを介して、素早く添加され、反応器内容物が黄色に変わった。この反応器の内容物は30分間攪拌された。次いで、この反応器の内容物は30℃に冷却された。次いで、エチレンオキシド(0.73g)がこの反応器に移された。この反応器の内容物は15分間攪拌された。次いで、メタノール中の1.4M HCl溶液20mLがこの反応器に入れられた。ついで、この反応器中のポリマーが、イソプロパノール中で、500mLのポリマー溶液対1,250mLのイソプロパノールの比率で、沈殿させられることによって、分離された。次いで、得られた沈殿はろ過され、真空オーブン内で60℃で一晩乾燥させられて、生成物であるヒドロキシル末端化ポリスチレン42gを生じさせた。この生成物であるヒドロキシル末端化ポリスチレンは数平均分子量M7.4kg/mol、および多分散度PD 1.07を示した。このポリスチレンブラシは比較例番号1および2に使用された。
【0086】
ポリスチレン−ポリジメチルシロキサンブロックは以下の指定および特徴を有しており、以下に詳述されるようにいくつかの様々な実施例において使用された:PS−PDMS−B、M=25.5kg/mol、多分散度PD 1.08、および33重量%PDMS;PS−PDMS−D、M=43kg/mol、多分散度PD 1.08、および49重量%PDMSがポリマーソースから購入され、入手したままで使用された。
【0087】
PS−PDMS−A(Mn=40kg/mol、22重量%PDMS)は以下のように製造された:最初に500mLの丸底反応器に、アルゴン雰囲気下で、シクロヘキサン(56g)およびスチレン(16.46g)が入れられた。次いで、この反応器の内容物は40℃に暖められた。次いで、シクロヘキサン中のsec−ブチルリチウムの0.06M溶液の7.49gショットがこの反応器に、カニューレを介して素早く添加され、反応器の内容物が黄橙色に変化した。この反応器内容物は30分間攪拌された。次いで、形成されたポリスチレンブロックのゲル浸透クロマトグラフィ分析のために、この反応器内容物の少量がこの反応器から取り出されて、無水メタノールを収容している小さな丸底フラスコに入れられた。次いで、新たに昇華させられたヘキサメチルシクロトリシロキサンのシクロヘキサン中の21重量%溶液22.39gがこの反応器に移された。この反応器内容物は20時間にわたって反応させられた。次いで、乾燥テトラヒドロフラン(93mL)がこの反応器に添加され、そしてこの反応は7時間にわたって進められた。次いで、クロロトリメチルシラン(1mL)がこの反応器に添加されてこの反応をクエンチした。生成物は1Lのメタノール中で沈殿させられ、ろ過することによって分離された。追加のメタノールで洗浄した後で、このポリマーは150mLの塩化メチレンに再溶解させられ、脱イオン水で2回洗浄され、次いで1Lのメタノール中で再沈殿させられた。次いで、このポリマーはろ過され、真空オーブン内で60℃で一晩乾燥させられて、19.7gを得た。このPS−PDMSブロックコポリマー(PS−PDMS−A)生成物は、数平均分子量M40kg/mol、多分散度PD 1.1、および22.2重量%のPDMS含有量(H NMRで決定)を示した。
【0088】
PS−PDMS−Cが、PS−PDMS−Aについて記載された方法に実質的に従って製造されて、数平均分子量M24.2kg/mol、多分散度PD 1.1、および45重量%のPDMS含有量(H NMRで決定)を有する物質を生じさせた。
【0089】
第1のランダムコポリマーがメタクリル酸メチルおよびメタクリル酸トリフルオロエチルを使用して製造された。反応性アルコール末端基を有するランダムコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸トリフルオロエチル)が最初に製造された:磁気攪拌棒を備えたシュレンクフラスコに4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジル(0.537グラム(g))、Cu(I)Br(0.144g)、メタクリル酸メチル(9.50g)、メタクリル酸トリフルオロエチル(0.50g)およびトルエン(10g)を入れた。この溶液がアルゴンで15分間スパージされ、次いで油浴中で90℃に予備加熱された。この溶液が平衡に達した後で、開始剤(2−ヒドロキシエチル2−ブロモ−2−メチルプロパノアート)(0.211g)がシリンジで添加され、この反応物が90℃で攪拌された。重合がクエンチされた後で、この混合物はテトラヒドロフラン(THF)で希釈され、イオン交換ビーズと共に攪拌されて触媒を除去した。この溶液が透明になった後で、それはろ過され、50重量%まで濃縮され、過剰なシクロヘキサン中で沈殿させられた。このポリマーは集められ真空オーブンで60℃で一晩乾燥させられた。H NMRはこのポリマーが95重量%のメタクリル酸メチルおよび5重量%のメタクリル酸トリフルオロエチルの組成を有することを示した。ゲル浸透クロマトグラフィはPS標準に対して数平均分子量(Mn)=11.8kg/mol、およびMw/Mn=1.22を示した。
【0090】
反応性アルコール末端基を有するコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸トリフルオロエチル)を含む第2のランダムコポリマーが製造された:磁気攪拌棒を備えたシュレンクフラスコに4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジル(0.537g)、Cu(I)Br(0.144g)、メタクリル酸メチル(7.00g)、メタクリル酸トリフルオロエチル(3.00g)およびトルエン(10g)を入れた。この溶液がアルゴンで15分間スパージされ、次いで油浴中で90℃に予備加熱された。この溶液が平衡に達した後で、開始剤(2−ヒドロキシエチル2−ブロモ−2−メチルプロパノアート)(0.211g)がシリンジで添加され、この反応物が90℃で攪拌された。重合がクエンチされた後で、この混合物はTHFで希釈され、イオン交換ビーズと共に攪拌されて触媒を除去した。この溶液が透明になった後で、それはろ過され、50重量%まで濃縮され、過剰なシクロヘキサン中で沈殿させられた。このポリマーは集められ真空オーブンで60℃で一晩乾燥させられた。H NMRはこのポリマーが69重量%のメタクリル酸メチルおよび31重量%のメタクリル酸トリフルオロエチルの組成を有することを示した。ゲル浸透クロマトグラフィはポリスチレン(PS)標準に対してMn=13.9kg/mol、およびMw/Mn=1.20を示した。
【0091】
反応性アルコール末端基を有するランダムコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸ドデカフルオロヘプチル)を含む第3のランダムコポリマーが製造された:磁気攪拌棒を備えたシュレンクフラスコに4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジル(0.537g)、Cu(I)Br(0.144g)、メタクリル酸メチル(1.02g)、メタクリル酸ドデカフルオロヘプチル(9.05g)およびトルエン(10g)を入れた。この溶液がアルゴンで15分間スパージされ、次いで油浴中で90℃に予備加熱された。この溶液が平衡に達した後で、開始剤(2−ヒドロキシエチル2−ブロモ−2−メチルプロパノアート)(0.210g)がシリンジで添加され、この反応物が90℃で攪拌された。重合がクエンチされた後で、この混合物はTHFで希釈され、イオン交換ビーズと共に攪拌されて触媒を除去した。この溶液が透明になった後で、それはろ過され、50重量%まで濃縮され、過剰なシクロヘキサン中で沈殿させられた。このポリマーは集められ真空オーブンで60℃で一晩乾燥させられた。H NMRはこのポリマーが7重量%のメタクリル酸メチルおよび93重量%のメタクリル酸ドデカフルオロヘプチルの組成を有することを示した。ゲル浸透クロマトグラフィはPS標準に対してMn=14.9kg/mol、およびMw/Mn=1.27を示した。
【0092】
上述の三種類のランダムコポリマーは、次いで、基体上にキャストされ、そしてそれぞれのランダムコポリマーについて、接触角決定法を用いて表面エネルギーが決定された。この接触角は水(18オーム脱イオン水)、ヨウ化メチレン(CH)およびジエチレングリコールを使用した液滴法によって接触角ゴニオメータで測定された。極性成分および分散成分の双方を含む表面エネルギーがOwens−Wendt法を用いてこれら溶媒のそれぞれの接触角から計算された。結果はミリジュール/平方メートル(mJ/m)ミリニュートン/メートル(mN/m)の単位で報告される。
【0093】
以下の表1はそれぞれのランダムコポリマーの表面エネルギー、並びに表面エネルギーの極性および分散成分からの寄与度を示す。
【0094】
【表1】
【0095】
表1に認められるように、ランダムコポリマーはコポリマーの組成を変えることにより、または異なる官能基を選択することにより調節されることができる一定の範囲の表面エネルギーを有する。表1からは、表面修飾層の全表面エネルギーが15〜50mN/mの全表面エネルギーを有することも認められうる。表1に示される3種のコポリマーは、次いで、以下に詳述される実施例1〜3において表面修飾層として使用された。
【0096】
比較例1:この例は、基体上に配置されたポリスチレンブラシを有するシリコン基体上のポリジメチルシロキサン(PDMS)シリンダ形成性PS−b−PDMSの配向を表す。シリコン基体上にコーティングされたポリスチレンブラシは、ヒドロキシル末端官能化ポリスチレンブラシ(7.4kg/mol)のトルエン中溶液をスピンコーティングすることにより準備された。この基体は250℃で20分間ベークされ、次いで、過剰なトルエンで洗浄することによって、過剰なグラフトされていないポリスチレンブラシが除去された。次いで、PS−PDMS(PS−PDMS−A、Mn=40kg/mol、22重量%PDMS)の薄フィルムが、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)溶液から所望の厚さで(t図5Aについて46.7ナノメートル、および図5Bについて48.9ナノメートル)このコーティングされた基体上にキャストされ、150℃で1分間ベークされて残留PGMEAを除去し、次いでこのサンプルは窒素下で様々な温度および時間でアニールされた。熱処理後、このフィルムは短いCF反応性イオンエッチ(50W、8秒)、次いで酸素の第2のエッチ(90W、25秒)にかけられて、ポリスチレンを除去しかつPDMSを酸化した。次いで、このサンプルはドメイン配向を決定するために走査型電子顕微鏡観察によって撮像された。比較的低い温度で、例えば、200℃で1時間にわたってアニールされた場合には、PDMSシリンダの配向は基体の表面に対して垂直である。言い換えれば、このシリンダの長手方向軸は表面に対して引かれた垂線に対して平行である。図5Aは200℃で1時間のアニーリングの後のフィルムの配向を示す顕微鏡写真である。しかし、290℃で1時間のアニーリングでは、図5Bにおける顕微鏡写真に認められうる特徴的な「指紋」パターンの存在によって実証されるように、配向が平行に切り替わる(すなわち、シリンダの長手方向軸が表面に対して引かれた垂線に対して直交する)。
【0097】
比較例2:この例は、PSブラシ処理された基体上のPDMSシリンダ形成性PS−b−PDMSブレンドの配向を実証するために行われた。ポリスチレンブラシでコーティングされたシリコン基体は、ヒドロキシル末端官能化ポリスチレンブラシ(7.4kg/mol)のトルエン中溶液をスピンコーティングすることにより準備された。この基体は250℃で20分間ベークされ、次いで、過剰なトルエンで洗浄することによって、過剰なグラフトされていないブラシが除去された。次いで、2種類の異なるPS−PDMS(PS−PDMS−A、Mn=40kg/mol、22重量%PDMS、およびPS−PDMS−B、Mn=25.5kg/mol、33重量%PDMS)の1:1wt/wtブレンドの薄フィルムが、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)溶液から所望の厚さで、このコーティングされた基体上にキャストされ、150℃で1分間ベークされて残留PGMEAを除去し、次いでこのサンプルは窒素下で様々な温度および時間でアニールされた。熱処理後、このフィルムは短いCF反応性イオンエッチ(50W、8秒)、次いで酸素の第2のエッチ(90W、25秒)にかけられて、ポリスチレンを除去しかつPDMSを酸化した。次いで、このサンプルはドメイン配向を決定するために走査型電子顕微鏡観察によって撮像された。この場合も、比較的低い温度でアニールされた場合には、PDMSシリンダの配向は垂直であるが、フィルムの340℃で1時間のアニールで平行「指紋」形態に切り替わる。それぞれの配向の顕微鏡写真はここでは示されない。
【0098】
実施例1:この例は、ランダムコポリマーコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸トリフルオロエチル)(サンプル1)上のPDMSシリンダ形成性PS−b−PDMSの配向の制御を実証するために行われた。シリコン基体上に、このランダムコポリマーがトルエン中1.5重量%で、3000rpmでのスピンコートによってコーティングされた。このランダムコポリマーはブラシが横たわる特徴を有する表面修飾層を形成する。この基体は250℃で20分間ベークされ、次いで、過剰なトルエンで洗浄することによって、過剰なグラフトされていないコポリマーが除去された。次いで、PS−PDMS−A(Mn=40kg/mol、22重量%PDMS)ブロックコポリマーが、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)溶液から40nmの厚さでこのコーティングされた基体上にキャストされ、150℃で1分間ベークされて残留PGMEAを除去し、次いでこのサンプルは窒素下で様々な温度および時間でアニールされた。熱処理後、このフィルムは短いCF反応性イオンエッチ(50W、8秒)、次いで酸素の第2のエッチ(90W、25秒)にかけられて、ポリスチレンを除去しかつPDMSを酸化した。次いで、このサンプルはドメイン配向を決定するために走査型電子顕微鏡観察によって撮像された。図6は、290℃で1時間にわたってアニールした後の、このランダムコポリマー上に配置されたブロックコポリマー形態を示し、これは、優先的なウェッティングと一致する指紋形態を示す。この指紋形態はシリンダ状ドメインの長手方向軸が基体の表面に対して引かれた垂線に対して直交するシリンダ状ドメインの代表である。
【0099】
実施例2:この例は、ランダムコポリマーコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸トリフルオロエチル)(サンプル2)上のPDMSシリンダ形成性PS−b−PDMSの配向の制御を実証するために行われた。シリコン基体上に、このランダムコポリマーがトルエン中1.5重量%溶液で、3000rpmでのスピンコートによってコーティングされた。この表面修飾層はブラシ状表面を基体の表面上に形成した。この基体は250℃で20分間ベークされ、次いで、過剰なトルエンで洗浄することによって、過剰なグラフトされていないコポリマーが除去された。次いで、PS−PDMS−A(Mn=40kg/mol、22重量%PDMS)ブロックコポリマーが、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)溶液から38nmの厚さを有するフィルムを形成するようにこのコーティングされた基体上にキャストされ、150℃で1分間ベークされて残留PGMEAを除去し、次いでこのサンプルは窒素下で様々な温度および時間でアニールされた。熱処理後、このフィルムは短いCF反応性イオンエッチ(50W、8秒)、次いで酸素の第2のエッチ(90W、25秒)にかけられて、ポリスチレンを除去しかつPDMSを酸化した。次いで、このサンプルはドメイン配向を決定するために走査型電子顕微鏡観察によって撮像された。7は、290℃で1時間にわたってアニールした後の、このランダムコポリマー表面修飾層上の薄フィルム形態を示し、これは、平行および垂直シリンダの混合を示す。
【0100】
実施例3:この例は、ランダムコポリマーコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸ドデカフルオロヘプチル)(サンプル3)上のPDMSシリンダ形成性PS−b−PDMSの配向の制御を実証するために行われた。シリコン基体上に、この表面修飾層がトリフルオロトルエン中1.5重量%溶液で、3000rpmでのスピンコートによってコーティングされた。このランダムコポリマーはブラシが横たわる表面修飾層を基体の表面上に形成した。この基体は250℃で20分間ベークされ、次いで、過剰なトリフルオロトルエンで洗浄することによって、過剰なグラフトされていないコポリマーが除去された。次いで、PS−PDMS−D(Mn=43kg/mol、49%PDMS)のフィルムが、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)溶液から40nmの厚さでこのコーティングされた基体上にキャストされ、150℃で1分間ベークされて残留PGMEAを除去し、次いでこのサンプルは窒素下で様々な温度および時間でアニールされた。熱処理後、このフィルムは短いCF反応性イオンエッチ(50W、8秒)、次いで酸素の第2のエッチ(90W、25秒)にかけられて、ポリスチレンを除去しかつPDMSを酸化した。次いで、このサンプルはドメイン配向を決定するために走査型電子顕微鏡観察を用いて撮像された。図8に示される形態は平行シリンダ形態の兆候がなく、完全に垂直シリンダを示す。これはランダムコポリマーがPS−PDMSジブロックフィルムにおける垂直配向を安定化していることを示す。
【0101】
実施例4:この例は、ランダムコポリマーコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸トリフルオロエチル)(サンプル1)上のPDMSシリンダ形成性PS−b−PDMSブレンドの配向の制御を実証するために行われた。このランダムコポリマーのトルエン中1.5重量%溶液を3000rpmでスピンコーティングすることによって、シリコン基体上に表面修飾層がコーティングされた。この表面修飾層は基体の表面上にブラシ状構造を形成していた。この基体は250℃で20分間ベークされ、次いで、過剰なトルエンで洗浄することによって、過剰なグラフトされていないブラシが除去された。次いで、2種類の異なるPS−PDMS(PS−PDMS−A、Mn=40kg/mol、22重量%PDMS、およびPS−PDMS−B、Mn=25.5kg/mol、33重量%PDMS)の1:1wt/wtブレンドの薄フィルムが、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)溶液から43nmの厚さで、このコーティングされた基体上にキャストされ、150℃で1分間ベークされて残留PGMEAを除去し、次いでこのサンプルは窒素下で様々な温度および時間でアニールされた。熱処理後、このフィルムは短いCF反応性イオンエッチ(50W、8秒)、次いで酸素の第2のエッチ(90W、25秒)にかけられて、ポリスチレンを除去しかつPDMSを酸化した。次いで、このサンプルはドメイン配向を決定するために走査型電子顕微鏡観察によって撮像された。図9は表面修飾層上に配置され340℃で1時間アニールした後のこの薄フィルムブロックコポリマー形態を示す顕微鏡写真である。この形態は、指紋の形態に似ており、これは優先的ウェッティング(preferential wetting)と一致する。
【0102】
実施例5:この例は、ランダムコポリマーコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸トリフルオロエチル)(サンプル2)上のPDMSシリンダ形成性PS−b−PDMSブレンドの配向の制御を実証するために行われた。このランダムコポリマーのトルエン中1.5重量%溶液を3000rpmでスピンコーティングすることによって、シリコン基体上に表面修飾層がコーティングされた。この表面修飾層は基体の表面上にブラシ状構造を形成していた。この基体は250℃で20分間ベークされ、次いで、過剰なトルエンで洗浄することによって、過剰なグラフトされていないブラシが除去された。次いで、2種類の異なるPS−PDMS(PS−PDMS−A、Mn=40kg/mol、22重量%PDMS、およびPS−PDMS−B、Mn=25.5kg/mol、33重量%PDMS)の1:1wt/wtブレンドの薄フィルムが、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)溶液から43nmの厚さで、このコーティングされた基体上にキャストされ、150℃で1分間ベークされて残留PGMEAを除去し、次いでこのサンプルは窒素下で様々な温度および時間でアニールされた。熱処理後、このフィルムは短いCF反応性イオンエッチ(50W、8秒)、次いで酸素の第2のエッチ(90W、25秒)にかけられて、ポリスチレンを除去しかつPDMSを酸化した。次いで、このサンプルはドメイン配向を決定するために走査型電子顕微鏡観察によって撮像された。図10は表面修飾層上の薄フィルム形態を示す顕微鏡写真であり、これは、水平および垂直シリンダの混合を示す。
【0103】
実施例6:この例は、ランダムコポリマーコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸ドデカフルオロヘプチル)(サンプル3)上のPDMSシリンダ形成性PS−b−PDMSブレンドの配向の制御を実証するために行われた。このランダムコポリマーのトルエン中1.5重量%溶液を3000rpmでスピンコーティングすることによって、シリコン基体上に表面修飾層がコーティングされた。この表面修飾層は基体の表面上にブラシ状構造を形成していた。この基体は250℃で20分間ベークされ、次いで、過剰なトルエンで洗浄することによって、過剰なグラフトされていないブラシが除去された。次いで、2種類の異なるPS−PDMS(PS−PDMS−A、Mn=40kg/mol、22重量%PDMS、およびPS−PDMS−B、Mn=25.5kg/mol、33重量%PDMS)の1:1wt/wtブレンドの薄フィルムが、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)溶液から41nmの厚さで、このコーティングされた基体上にキャストされ、150℃で1分間ベークされて残留PGMEAを除去し、次いでこのサンプルは窒素下で様々な温度および時間でアニールされた。熱処理後、このフィルムは短いCF反応性イオンエッチ(50W、8秒)、次いで酸素の第2のエッチ(90W、25秒)にかけられて、ポリスチレンを除去しかつPDMSを酸化した。次いで、このサンプルはドメイン配向を決定するために走査型電子顕微鏡観察によって撮像された。表面修飾層上の図11に示されるブロックコポリマー形態は平行シリンダ形態の兆候はなく完全に垂直シリンダを示す。これは、表面修飾層(サンプル3)がブレンドされたPS−PDMSジブロックのこのフィルムにおける垂直配向を安定化することを示す。
【0104】
比較例3:この例は、ランダムコポリマーコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸トリフルオロエチル)(サンプル1)上のラメラPS−b−PDMSの配向を検討するために行われた。表面修飾層はシリコン基体上に、このランダムコポリマーのトルエン中1.5重量%溶液を3000rpmでスピンコートすることによってコーティングされた。この基体は250℃で20分間ベークされ、次いで、過剰なトルエンで洗浄することによって、過剰なグラフトされていないコポリマーが除去された。次いで、ラメラ形態のPS−PDMS(PS−PDMS−C、Mn=24.2kg/mol、45重量%PDMS)の56nm薄フィルムが、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)溶液からこのコーティングされた基体上にキャストされ、150℃で1分間ベークされて残留PGMEAを除去し、次いで窒素下で340℃で1時間にわたってアニールされた。熱処理後、このフィルムは短いCF反応性イオンエッチ(50W、8秒)、次いで酸素の第2のエッチ(90W、25秒)にかけられて、ポリスチレンを除去しかつポリジメチルシロキサンを酸化した。次いで、このサンプルはドメイン配向を決定するために走査型電子顕微鏡観察によって撮像された。図12は、エッチング後の、この薄フィルム形態を示し、これは、垂直配向の微細構造を示唆する兆候なしに、ラメラの平行配向と一致する形態を示す。
【0105】
実施例7:この例は、ランダムコポリマーコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸トリフルオロエチル)(サンプル2)上のラメラPS−b−PDMSの配向を実証するために行われた。表面修飾層はシリコン基体上に、このランダムコポリマーのトルエン中1.5重量%溶液を3000rpmでスピンコートすることによってコーティングされた。この基体は250℃で20分間ベークされ、次いで、過剰なトルエンで洗浄することによって、過剰なグラフトされていないコポリマーが除去された。次いで、ラメラ形態のPS−PDMS(PS−PDMS−C、Mn=24.2kg/mol、45重量%PDMS)の薄フィルムが、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)溶液からこのコーティングされた基体上にキャストされ、150℃で1分間ベークされて残留PGMEAを除去し、次いで窒素下で様々な温度および時間でアニールされた。熱処理後、このフィルムは短いCF反応性イオンエッチ(50W、8秒)、次いで酸素の第2のエッチ(90W、25秒)にかけられて、ポリスチレンを除去しかつPDMSを酸化した。次いで、このサンプルはドメイン配向を決定するために走査型電子顕微鏡観察によって撮像された。図13は、エッチング後の、フィルム厚さおよびアニーリング温度に応じた、この薄フィルム形態を示す顕微鏡写真であり、これは、PS−b−PDMSジブロックの垂直配向が、ランダムコポリマー、フィルム厚さ、およびアニーリング条件の適切な選択によって安定化されうることを示す。図13は、290℃で1時間にわたってアニールされた43nmフィルムの顕微鏡写真である。この像は安定な垂直ラメラ形態に一致する指紋形態を示す。
【0106】
実施例8:この例は、ランダムコポリマーコポリ(メタクリル酸メチル−ran−メタクリル酸トリフルオロエチル)(サンプル2)上のラメラPS−b−PDMSの配向を実証するために行われた。表面修飾層はシリコン基体上に、このランダムコポリマーのトルエン中1.5重量%溶液を3000rpmでスピンコートすることによってコーティングされた。この基体は250℃で20分間ベークされ、次いで、過剰なトルエンで洗浄することによって、過剰なグラフトされていないコポリマーが除去された。次いで、ラメラ形態のPS−PDMS(PS−PDMS−C、Mn=24.2kg/mol、45重量%PDMS)の薄フィルムが、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)溶液からこのコーティングされた基体上に41.8nmの厚さでキャストされ、150℃で1分間ベークされて残留PGMEAを除去し、次いで窒素下で340℃で1時間にわたってアニールされた。
【0107】
熱処理後、このフィルムは短いCF反応性イオンエッチ(50W、8秒)、次いで酸素の第2のエッチ(90W、25秒)にかけられて、ポリスチレンを除去しかつPDMSを酸化した。次いで、このサンプルはドメイン配向を決定するために走査型電子顕微鏡観察によって撮像された。図14Aは、エッチング後の、この薄フィルム形態を示す顕微鏡写真であり、これは、安定な垂直ラメラ形態と一致する指紋形態を示す。この形態の断面を見るために、この基体は切断されて、この形態の断面は〜25nmの高さを有する酸化されたPDMSラインを示した(図14B)。これは、ランダムコポリマー(サンプル2)がこのPS−PDMSジブロックフィルムにおける垂直シリンダ状形態を安定化していることを示す。これら酸化されたPDMSラインはラインパターンを作成するためのパターン転写のためのエッチマスクとして有用である。
【0108】
これら実施例は、20ナノメートル未満、具体的には7〜8ナノメートルのドメイン間隔を有するブロックコポリマーフィルムを作成するために、これらランダムコポリマーが使用されうることを実証する。ランダムコポリマーおよびジブロックコポリマーの組成を制御することにより、ドメインサイズ、配向およびドメイン間隔が調整されることができ、半導体、ランダムアクセスメモリなどの製造におけるテンプレートとして使用されうる有用なフィルムを得ることができる。
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