(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することがある。
【0019】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の撮像装置について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1に示す撮像装置100は、光センサを有するセンサ基板101、およびX線などの放射線を可視光に変換するシンチレータ102を有する。センサ基板101とシンチレータ102は重畳し、X線源103から照射されたX線104は、被写体106を透過してシンチレータ102に照射され、可視光105に変換される。当該可視光をセンサ基板101が有する光センサにて検知し、画像データを取得する。
【0021】
シンチレータ102は、X線やガンマ線などの放射線が照射されると、そのエネルギーを吸収して可視光を発する物質、または当該物質を含む材料からなり、例えば、Gd
2O
2S:Tb、Gd
2O
2S:Pr、Gd
2O
2S:Eu、BaFCl:Euなどの材料や、それらを樹脂やセラミクスに分散させたものが知られている。
【0022】
センサ基板101は、マトリクス状に複数配置された画素回路を有する。当該画素回路の一例を
図2(A)に示す。画素回路200は、フォトダイオード220、第1のトランジスタ201、第2のトランジスタ202、第3のトランジスタ203を含んで構成され、光センサとして機能する。
【0023】
フォトダイオード220のアノードは第1の配線211(RS)、フォトダイオード220のカソードは第1のトランジスタ201のソースまたはドレインの一方、第1のトランジスタ201のソースまたはドレインの他方は配線205(FD)、第1のトランジスタ201のゲートは第2の配線212(TX)、第2のトランジスタ202のソースまたはドレインの一方は第4の配線214(GND)、第2のトランジスタ202のソースまたはドレインの他方は第3のトランジスタ203のソースまたはドレインの一方、第2のトランジスタ202のゲートは配線205(FD)、第3のトランジスタ203のソースまたはドレインの他方は第5の配線215(OUT)、第3のトランジスタ203のゲートは第3の配線213(SE)、に各々電気的に接続されている。
【0024】
フォトダイオード220は光センサ素子であり、画素回路に入射した光に応じた電流を生成する動作を行う。第1のトランジスタ201は、フォトダイオード220による配線205(FD)への電荷蓄積を制御する。第2のトランジスタ202は、配線205(FD)の電位に応じた信号を出力する動作を行う。第3のトランジスタ203は、読み出し時に画素回路の選択を制御する。
【0025】
なお、配線205(FD)は、電荷保持ノードであり、フォトダイオード220が受ける光の量に応じて変化する電荷を保持する、所謂電荷蓄積部である。実質的な電荷蓄積部は、配線205(FD)と電気的に接続される第1のトランジスタ201のソース領域またはドレイン領域近傍の空乏層容量、配線205(FD)の配線容量、配線205(FD)と電気的に接続される第2のトランジスタ202のゲート容量などである。
【0026】
第1の配線211(RS)は、配線205(FD)をリセットするための信号線である。なお、画素回路200における第1の配線211(RS)は、配線205(FD)への電荷蓄積を行うための信号線でもある。第2の配線212(TX)は、第1のトランジスタ201を制御するための信号線である。第3の配線213(SE)は、第3のトランジスタ203を制御するための信号線である。第4の配線214(GND)は、基準電位(例えばGND)を設定する信号線である。第5の配線215(OUT)は、画素回路200で得られた情報を読み出すための信号線である。
【0027】
また、画素回路は、
図2(B)に示す構成であってもよい。画素回路210は、
図2(A)に示す画素回路200と構成要素は同じであるが、フォトダイオード220のアノードが第1のトランジスタ201のソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、フォトダイオード220のカソードが第1の配線211(RS)と電気的に接続される点で異なる。
【0028】
なお、第5の配線215(OUT)には、
図6(A)、(B)、(C)に示すような積分回路が接続されていてもよい。当該回路によって、読み出し信号のS/N比を高めることができ、より微弱な光を検出することができる。すなわち、撮像装置の感度を高めることができる。
【0029】
図6(A)は、演算増幅回路(OPアンプともいう)を用いた積分回路である。演算増幅回路の反転入力端子は、抵抗素子Rを介して第5の配線215(OUT)に接続される。演算増幅回路の非反転入力端子は、接地電位に接続される。演算増幅回路の出力端子は、容量素子Cを介して演算増幅回路の反転入力端子に接続される。
【0030】
ここで、演算増幅回路は理想的と仮定する。すなわち、入力インピーダンスが無限大(入力端子に電流が流れ込まない)と仮定する。また、定常状態で非反転入力端子の電位と反転入力端子の電位とは等しいため、反転入力端子の電位を接地電位と考えることができる。
【0031】
第5の配線215の電位をVi、演算増幅回路の出力端子の電位をVo、抵抗素子Rを流れる電流i1、容量素子Cを流れる電流i2とすると、式(1)、式(2)、式(3)の関係が成り立つ。
【0033】
ここで、時刻t=0で容量素子Cの電荷を放電したとすると、時刻t=tにおける演算増幅回路の出力端子の電位Voは、式(4)で表される。
【0035】
すなわち、時間t(積分時間)を長く設定することで、読み出しの電位(Vi)を高めて出力信号Voとして出力することができる。また、熱ノイズなどを平均化することにも相当し、出力信号VoのS/N比を向上することが可能である。
【0036】
なお、実際の演算増幅回路では、入力端子に信号が入力されない時でもバイアス電流が流れるため、出力端子に出力電圧が生じ、容量素子Cに電荷が蓄積されてしまう。そのため、容量素子Cに並列に抵抗素子をつなぎ、放電する構成とすることが有効である。
【0037】
図6(B)は、
図6(A)とは異なる構成の演算増幅回路を用いた積分回路である。演算増幅回路の反転入力端子は、抵抗素子Rと容量素子C1を介して第5の配線215(OUT)に接続される。演算増幅回路の非反転入力端子は、接地電位に接続される。演算増幅回路の出力端子は、容量素子C2を介して演算増幅回路の反転入力端子に接続される。
【0038】
ここで、演算増幅回路は理想的と仮定する。すなわち、入力インピーダンスが無限大(入力端子に電流が流れ込まない)と仮定する。また、定常状態で非反転入力端子の電位と反転入力端子の電位とは等しいため、反転入力端子の電位を接地電位と考えることができる。
【0039】
第5の配線215の電位をVi、演算増幅回路の出力端子の電位をVo、抵抗素子Rおよび容量素子C1を流れる電流i1、容量素子C2を流れる電流i2とすると、式(5)、式(6)、式(7)の関係が成り立つ。
【0041】
ここで、時刻t=0で容量素子C2の電荷を放電したとすると、時刻t=tにおける演算増幅回路の出力端子の電位Voについて、高周波成分は式(8)のとき、式(9)となり、低周波成分は式(10)のとき、式(11)となる。
【0043】
すなわち、容量素子C1およびC2の容量比を適当に設定することで、読み出しの電位(Vi)を高めて出力信号Voとして出力することができる。また、入力信号の高周波のノイズ成分は時間積分により平均化することができ、出力信号VoのS/N比を向上することが可能である。
【0044】
なお、実際の演算増幅回路では、入力端子に信号が入力されない時でもバイアス電流が流れるため、出力端子に出力電圧が生じ、容量素子C2に電荷が蓄積されてしまう。そのため、容量素子C2に並列に抵抗素子をつなぎ、放電する構成とすることが有効である。
【0045】
図6(C)は、
図6(A)および
図6(B)とは異なる構成の演算増幅回路を用いた積分回路である。演算増幅回路の非反転入力端子は、抵抗素子Rを介して第5の配線215(OUT)に接続され、また容量素子Cを介して接地電位に接続される。演算増幅回路の出力端子は、演算増幅回路の反転入力端子に接続される。なお、抵抗素子Rと容量素子Cは、CR積分回路を構成する。また、演算増幅回路はユニティゲインバッファを構成する。
【0046】
第5の配線215の電位をVi、演算増幅回路の出力端子の電位をVoとすると、Voは式(12)であらわすことができる。なお、VoはViの値で飽和するが、CR積分回路により、入力信号Viに含まれるノイズ成分を平均化することができ、出力信号VoのS/N比を向上することが可能である。
【0048】
次に、
図2(A)、(B)に示す各素子の構成について説明する。
【0049】
フォトダイオード220には、シリコン半導体などでpn型やpin型の接合を形成したものを用いることができる。ここでは、i型の半導体層を非晶質シリコンで形成したpin型フォトダイオードを用いることが好ましい。非晶質シリコンは可視光の波長領域に光吸収特性を持つため、シンチレータ102が発する可視光を高感度で検知することができる。
【0050】
なお、i型の半導体とは、フェルミ準位がバンドギャップの中央に位置する所謂真性半導体の他、半導体に含まれるp型を付与する不純物、またはn型を付与する不純物がそれぞれ1×10
20atoms/cm
3以下の濃度であり、暗伝導度に対して光伝導度が高い半導体を指す。
【0051】
第1のトランジスタ201、第2のトランジスタ202、および第3のトランジスタ203は、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどのシリコン半導体を用いて形成することも可能であるが、酸化物半導体を用いて形成することが好ましい。酸化物半導体でチャネル形成領域を形成したトランジスタは、極めてオフ電流の低い特性を示す特徴を有している。
【0052】
特に、配線205(FD)と接続されている第1のトランジスタ201のリーク電流が大きいと、配線205(FD)に蓄積された電荷が保持できる時間が十分でなくなるため、少なくとも第1のトランジスタ201は、酸化物半導体を用いて形成すると良い。該トランジスタに酸化物半導体を用いたトランジスタを使用することで、フォトダイオードを介した不要な電荷の出力を防止することができる。
【0053】
また、第2のトランジスタ202、第3のトランジスタ203においても、リーク電流が大きいと、第4の配線214または第5の配線215に不必要な電荷の出力が起こるため、これらのトランジスタとして、酸化物半導体でチャネル形成領域を形成したトランジスタを用いてもよい。
【0054】
また、第2のトランジスタ202に極めてオフ電流の低い酸化物半導体を用いたトランジスタを用いることで、撮像のダイナミックレンジを拡大することができる。
図2(A)に示す画素回路構成では、フォトダイオードに入射される光の強度が大きいときに第2のトランジスタ202のゲート電位が小さくなる。また、
図2(B)に示す画素回路構成では、フォトダイオードに入射される光の強度が小さいときに第2のトランジスタ202のゲート電位が小さくなる。酸化物半導体を用いたトランジスタは極めてオフ電流が低いため、ゲート電位が極めて小さい場合においても当該ゲート電位に応じた電流を正確に出力することができる。したがって、検出することのできる照度のレンジ、すなわちダイナミックレンジを広げることができる。
【0055】
また、
図2(B)に示す画素回路構成においては、第2のトランジスタ202のゲート電位が比較的小さいとき、すなわち、シンチレータからフォトダイオードに照射される光の強度が小さい場合においても十分なダイナミックレンジを得られる。つまり、シンチレータが発する光の強度は小さくてもよいことになるため、被写体に照射するX線強度を小さくすることもできる。
【0056】
次に、
図2(A)の画素回路200の動作の例について
図3(A)に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0057】
図3(A)では簡易に説明するため、各配線の電位は、二値変化する信号として与える。ただし、各電位はアナログ信号であるため、実際には状況に応じて二値に限らず種々の値を取り得る。なお、図に示す信号301は第1の配線211(RS)の電位、信号302は第2の配線212(TX)の電位、信号303は第3の配線213(SE)の電位、信号304は配線205(FD)の電位、信号305は第5の配線215(OUT)の電位に相当する。
【0058】
時刻Aにおいて、第1の配線211の電位(信号301)を”High”、第2の配線212の電位(信号302)を”High”とすると、フォトダイオード220に順方向バイアスが印加され、配線205の電位(信号304)が”High”となる。すなわち、電荷蓄積部の電位は第1の配線211の電位に初期化され、リセット状態となる。以上がリセット動作の開始である。なお、第5の配線215の電位(信号305)は、”High”にプリチャージしておく。
【0059】
時刻Bにおいて、第1の配線211の電位(信号301)を”Low”、第2の配線212の電位(信号302)を”High”とするとリセット動作が終了し、蓄積動作が開始される。ここで、フォトダイオード220には逆方向バイアスが印加されるため、逆方向電流により、配線205の電位(信号304)が低下し始める。フォトダイオード220は、光が照射されると逆方向電流が増大するので、照射される光の量に応じて配線205の電位(信号304)の低下速度は変化する。すなわち、フォトダイオード220に照射する光の量に応じて、第2のトランジスタ202のソースとドレイン間のチャネル抵抗が変化する。
【0060】
なお、ここでフォトダイオード220に照射される光とは、シンチレータ102によってX線104から変換された可視光105を指す。
【0061】
時刻Cにおいて、第2の配線212の電位(信号302)を”Low”とすると蓄積動作が終了し、配線205の電位(信号304)は一定となる。ここで、当該電位は、蓄積動作中にフォトダイオード220が生成した電荷量により決まる。すなわち、フォトダイオード220に照射されていた光の量に応じて変化する。また、第1のトランジスタ201は、酸化膜半導体層でチャネル形成領域を形成したオフ電流が極めて低いトランジスタで構成されているため、後の選択動作(読み出し動作)を行うまで、配線205の電位を一定に保つことが可能である。
【0062】
なお、第2の配線212の電位(信号302)を”Low”とする際に、第2の配線212と配線205との間における寄生容量により、配線205の電位に変化が生じることがある。当該電位の変化量が大きい場合は、蓄積動作中にフォトダイオード220が生成した電荷量を正確に取得できないことになる。当該電位の変化量を低減するには、第1のトランジスタ201のゲート−ソース(もしくはゲート−ドレイン)間容量を低減する、第2のトランジスタ202のゲート容量を増大する、配線205に保持容量を設ける、などの対策が有効である。なお、本実施の形態では、これらの対策により当該電位の変化を無視できるものとしている。
【0063】
時刻Dに、第3の配線213の電位(信号303)を”High”にすると、第3のトランジスタ203が導通して選択動作が開始され、第4の配線214と第5の配線215が、第2のトランジスタ202と第3のトランジスタ203とを介して導通する。そして、第5の配線215の電位(信号305)は、低下していく。なお、第5の配線215のプリチャージは、時刻D以前に終了しておけばよい。ここで、第5の配線215の電位(信号305)が低下する速さは、第2のトランジスタ202のソースとドレイン間の電流に依存する。すなわち、蓄積動作中にフォトダイオード220に照射されている光の量に応じて変化する。
【0064】
時刻Eにおいて、第3の配線213の電位(信号303)を”Low”にすると、第3のトランジスタ203が遮断されて選択動作は終了し、第5の配線215の電位(信号305)は、一定値となる。ここで、一定値となる値は、フォトダイオード220に照射されていた光の量に応じて変化する。したがって、第5の配線215の電位を取得することで、蓄積動作中にフォトダイオード220に照射されていた光の量を知ることができる。
【0065】
より具体的には、フォトダイオード220に照射されている光が強いと、配線205の電位は低くなり、第2のトランジスタ202のゲート電圧は低くなるので、第5の配線215の電位(信号305)はゆっくりと低下する。したがって、第5の配線215からは比較的高い電位を読み出すことができる。
【0066】
逆に、フォトダイオード220に照射されている光が弱いと、配線205の電位は高くなり、第2のトランジスタ202のゲート電圧は高くなるので、第5の配線215の電位(信号305)は速く低下する。したがって、第5の配線215からは比較的低い電位を読み出すことができる。
【0067】
次に、
図2(B)の画素回路210の動作の例について
図3(B)に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0068】
時刻Aにおいて、第1の配線211の電位(信号301)を”Low”、第2の配線212の電位(信号302)を”High”とすると、フォトダイオード220に順方向バイアスが印加され、配線205の電位(信号304)が”Low”となる。すなわち、電荷蓄積部の電位はリセット状態となる。以上がリセット動作の開始である。なお、第5の配線215電位(信号305)は、”High”にプリチャージしておく。
【0069】
時刻Bにおいて、第1の配線211の電位(信号301)を”High”、第2の配線212の電位(信号302)を”High”とするとリセット動作が終了し、蓄積動作が開始される。ここで、フォトダイオード220には逆方向バイアスが印加されるため、逆方向電流により、配線205の電位(信号304)が増加し始める。フォトダイオード220は、光が照射されると逆方向電流が増大するので、照射される光の量に応じて配線205の電位(信号304)の増加速度は変化する。すなわち、フォトダイオード220に照射する光の量に応じて、第2のトランジスタ202のソースとドレイン間のチャネル抵抗が変化する。
【0070】
時刻C以降の動作は、
図3(A)のタイミングチャートと同様であり、時刻Eにおいて、第5の配線215の電位を取得することで、蓄積動作中にフォトダイオード220に照射されていた光の量を知ることができる。
【0071】
また、本発明の一態様におけるセンサ基板101が有する画素回路は、
図4(A)、(B)に示す構成であってもよい。
【0072】
図4(A)に示す画素回路250は、
図2(A)に示す画素回路200の構成に第4のトランジスタ204が加えられた構成であり、当該トランジスタのゲートは第1の配線211(RS)と電気的に接続され、ソースまたはドレインの一方は配線205(FD)と電気的に接続され、ソースまたはドレインの他方は第7の配線217と電気的に接続され、フォトダイオード220のアノードが第6の配線216に電気的に接続される。ここで、第6の配線216はフォトダイオード220に常時逆バイアスを印加するための信号線(低電位線)である。また、第7の配線217は配線205を高電位にリセットするための信号線(高電位線)である。
【0073】
第4のトランジスタ204は、配線205(FD)をリセットするためのリセットトランジスタとして機能する。したがって、
図2(A)に示す画素回路200とは異なり、フォトダイオード220を介したリセット動作は行われず、該フォトダイオードは常時逆バイアスが印加されている。配線205(FD)のリセットは、第1の配線211(RS)の電位を”High”に制御することで行うことができ、画素回路250は、
図2(A)に示す画素回路200と同じく、
図3(A)に示すタイミングチャートで動作することができる。
【0074】
また、
図4(B)に示す画素回路260は、
図2(B)に示す画素回路210の構成に第4のトランジスタ204が加えられた構成であり、当該トランジスタのゲートは第1の配線211(RS)と電気的に接続され、ソースまたはドレインの一方は配線205(FD)と電気的に接続され、ソースまたはドレインの他方は第7の配線217と電気的に接続され、フォトダイオード220のカソードが第6の配線216に電気的に接続される。ここで、第6の配線216はフォトダイオード220に常時逆バイアスを印加するための信号線(高電位線)である。また、第7の配線217は配線205を低電位にリセットするための信号線(低電位線)である。
【0075】
第4のトランジスタ204は、配線205(FD)をリセットするためのリセットトランジスタとして機能する。したがって、
図2(B)に示す画素回路210とは異なり、フォトダイオード220を介したリセット動作は行われず、該フォトダイオードは常時逆バイアスが印加されている。配線205(FD)のリセットは、第1の配線211(RS)の電位を”High”に制御することで行うことができ、画素回路260は、
図3(C)に示すタイミングチャートで動作することができる。
【0076】
なお、第4のトランジスタ204は、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどのシリコン半導体を用いて形成することも可能であるが、リーク電流が大きいと、電荷蓄積部で電荷が保持できる時間が十分でなくなってしまう。したがって、第1のトランジスタ201と同じく、オフ電流が極めて小さい特性を有する酸化物半導体で形成したトランジスタを用いることが好ましい。
【0077】
また、本発明の一態様におけるセンサ基板101が有する画素回路は、
図5に示す構成であってもよい。
図5に示す画素回路280の構成は、
図4(A)または
図4(B)の構成における光センサ素子をフォトダイオードから可変抵抗素子230に置き換えた構成である。当該可変抵抗素子には、一対の電極と、その一対の電極間に設けられたi型の導電型を有する非晶質シリコン層を有する構成を用いることができる。当該i型非晶質シリコン層は、光が照射されることにより抵抗が変化するため、フォトダイオードを用いた場合と同様に配線205の電位を変化させることができ、蓄積動作中に可変抵抗素子230に照射されていた光の量を知ることができる。
【0078】
図5に示す画素回路280は、第6の配線216を低電位、第7の配線217を高電位とすれば、
図3(A)のタイミングチャートに従って動作させることができる。また、第6の配線216を高電位、第7の配線217を低電位とすることで、
図3(C)のタイミングチャートに従って動作させることができる。
【0079】
上記のように、撮像装置における個々の画素回路の動作は、リセット動作、蓄積動作、および選択動作の繰り返しである。撮像装置において短時間での撮像を実現するためには、全画素回路のリセット動作、蓄積動作、選択動作を速やかに実行することが必要である。
【0080】
そこで、本発明の一態様における撮像方法としては、
図7(A)のタイミングチャートに示すようなグローバルシャッタ方式での駆動方法を用いる。なお、
図7(A)は、
図2(A)の画素回路200を有するセンサ基板101を例として、第1行目から最終行の画素回路200のうち、第1行目から第3行目までの動作を説明するものである。
【0081】
図7(A)において、信号501、信号502、信号503は、第1行目、第2行目、第3行目の各画素回路に接続された第1の配線211(RS)に入力される信号のタイミングチャートである。また、信号504、信号505、信号506は、第1行目、第2行目、第3行目の各画素回路に接続された第2の配線212(TX)に入力される信号のタイミングチャートである。また、信号507、信号508、信号509は、第1行目、第2行目、第3行目の各画素回路に接続された第3の配線213(SE)に入力される信号のタイミングチャートである。
【0082】
また、期間510は、1回の撮像に要する期間である。また、期間511は、各行の画素回路がリセット動作を共通して行っている期間であり、期間520は、各行の画素回路が蓄積動作を共通して行われている期間である。なお、選択動作は各行の画素回路で順次行われる。一例として、期間531は、第1行目の画素回路が選択動作を行っている期間である。このように、グローバルシャッタ方式では、全画素回路で略同時にリセット動作が行われた後、全画素回路で略同時に蓄積動作が行われ、1行毎に順次読み出し動作が行われる。
【0083】
つまり、グローバルシャッタ方式では、全ての画素回路において蓄積動作が略同時に行われているため、各行の画素回路における撮像の同時性が確保される。したがって、X線照射と蓄積動作とを同期させることで、被写体へX線を照射する時間を短くすることができる。すなわち、期間520のみにX線照射を行えばよい。
【0084】
一方、
図7(B)は、ローリングシャッタ方式を用いた場合のタイミングチャートである。なお、期間610は1回の撮像に要する期間である。期間611、期間612、期間612はそれぞれ、第1行目、第2行目、第3行目のリセット期間であり、期間621、期間622、期間623はそれぞれ、第1行目、第2行目、第3行目の蓄積動作期間である。また、期間631は、1行目の画素回路が選択動作を行っている期間ある。このように、ローリングシャッタ方式では、蓄積動作が全ての画素回路では同時に行われず、行毎に順次行われるため、各行の画素回路における撮像の同時性が確保されない。したがって、X線照射と蓄積動作とを同期させたとしても、合計のX線照射期間620がグローバルシャッタ方式よりも長くなってしまう。
【0085】
グローバルシャッタ方式を実現するためには、蓄積動作が終了した後も、読み出しまでの間に各画素回路における配線205(FD)の電位を長時間保つ必要がある。配線205(FD)の電位の長時間の保持は、前述したように第1のトランジスタ201に極めてオフ電流の低い、チャネル形成領域を酸化物半導体で形成したトランジスタを用いることで実現できる。一方、第1のトランジスタ201にチャネル形成領域をシリコン半導体などで形成したトランジスタを適用した場合は、オフ電流が高いために配線205(FD)の電位を長時間保持できず、グローバルシャッタ方式を用いることが困難となり、ローリングシャッタ方式を用いざるを得なくなる。
【0086】
以上のように、画素回路にチャネル形成領域を酸化物半導体で形成したトランジスタを用いることでグローバルシャッタ方式を容易に実現することができ、被写体に照射するX線量が少ない撮像装置を提供することができる。
【0087】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0088】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示したセンサ基板101の構成について、より詳細に説明する。m行n列のマトリクス状に配置された画素回路を有するセンサ基板101の構成の例について
図8乃至
図11を用いて説明する。
【0089】
図8は、
図2(A)に示した画素回路200をm(mは2以上の自然数)行n(nは2以上の自然数)列のマトリクス状に複数配置した例である。各画素回路200は、複数の第1の配線211(RS)(211(RS)_1〜211(RS)_mと表記する)のいずれか1つ、複数の第2の配線212(TX)(212(TX)_1〜212(TX)_mと表記する)のいずれか1つ、複数の第3の配線213(SE)(213(SE)_1〜213(SE)_mと表記する)のいずれか1つ、複数の第4の配線214(GND)(214(GND)_1〜214(GND)_nと表記する)のいずれか1つ、および複数の第5の配線215(OUT)(215(OUT)_1〜215(OUT)_nと表記する)のいずれか1つと電気的に接続されている。
【0090】
図8では、各行(図の横方向)の画素回路200において、第1の配線211(RS)、第2の配線212(TX)、および第3の配線213(SE)を共有している。また、各列(図の縦方向)の画素回路200において、第4の配線214(GND)、および第5の配線215(OUT)を共有している。しかしながら、本発明の一態様はこれに限定されない。各行に複数本の第1の配線211(RS)、複数本の第2の配線212(TX)、および複数本の第3の配線213(SE)を設けて、互いに異なる画素回路200と電気的に接続してもよい。また、各列に複数本の第4の配線214(GND)、および複数本の第5の配線215(OUT)を設けて、互いに異なる画素回路200と電気的に接続してもよい。
【0091】
また、
図8では、第4の配線214(GND)を各列の画素回路200において共有する構成を示したが、各行の画素回路200において共有しても良い。
【0092】
上記のとおり配線を共有し、配線数を減らすことによって、m行n列のマトリクス状に配置された画素回路200を駆動する駆動回路を簡略化することができる。
【0093】
図9では、複数の画素回路200がm行n列のマトリクス状に配置されている。各画素回路200は、複数の第1の配線211(RS)(211(RS)_1〜211(RS)_nと表記する)のいずれか1つ、複数の第2の配線212(TX)(212(TX)_1〜212(TX)_nと表記する)のいずれか1つ、複数の第3の配線213(SE)(213(SE)_1〜213(SE)_mと表記する)のいずれか1つ、複数の第4の配線(GND)(214(GND)_1〜214(GND)_nと表記する)のいずれか1つ、および複数の第5の配線215(OUT)(215(OUT)_1〜215(OUT)_nと表記する)のいずれか1つと電気的に接続されている。
【0094】
図9では、各行の画素回路200において、第3の配線213(SE)を共有している。また、各列の画素回路200において、第1の配線211(RS)、第2の配線212(TX)、第4の配線214(GND)、および第5の配線215(OUT)を共有している。しかしながら、本発明の一態様はこれに限定されない。各行に複数本の第3の配線213(SE)を設けて、互いに異なる画素回路200と電気的に接続してもよい。また、各列に複数本の第1の配線211(RS)、複数本の第2の配線212(TX)、複数本の第4の配線214(GND)、および複数本の第5の配線215(OUT)を設けて、互いに異なる画素回路200と電気的に接続してもよい。
【0095】
また、
図9では、第4の配線214(GND)を各列の画素回路200において共有する構成を示したが、各行の画素回路200において共有しても良い。
【0096】
上記のとおり配線を共有し、配線数を減らすことによって、m行n列のマトリクス状に配置された画素回路200を駆動する駆動回路を簡略化することができる。
【0097】
なお、
図8および
図9に示した構成において、画素回路200は、
図2(B)に示した画素回路210と入れ替えることができる。
【0098】
図10は、
図4(A)に示した画素回路250をm行n列のマトリクス状に複数配置した例である。各画素回路250は、複数の第1の配線211(RS)(211(RS)_1〜211(RS)_nと表記する)のいずれか1つ、複数の第2の配線212(TX)(212(TX)_1〜212(TX)_mと表記する)のいずれか1つ、複数の第3の配線213(SE)(213(SE)_1〜213(SE)_mと表記する)のいずれか1つ、複数の第4の配線214(GND)(214(GND)_1〜214(GND)_nと表記する)のいずれか1つ、複数の第5の配線215(OUT)(215(OUT)_1〜215(OUT)_nと表記する)のいずれか1つ、複数の第6の配線216(216_1〜216_mと表記する)のいずれか1つ、および複数の第7の配線217(217_1〜217_mと表記する)のいずれか1つ、と電気的に接続されている。
【0099】
図10では、各行の画素回路250において、第2の配線212(TX)、第3の配線213(SE)、および第6の配線216を共有している。また、各列(図の縦方向)の画素回路250において、第1の配線211(RS)、第4の配線214(GND)、および第5の配線215(OUT)を共有している。しかしながら、本発明の一態様はこれに限定されない。各行に複数本の第2の配線212(TX)、複数本の第3の配線213(SE)、および第6の配線216を設けて、互いに異なる画素回路250と電気的に接続してもよい。また、各列に複数本の複数本の第1の配線211(RS)、第4の配線214(GND)、および複数本の第5の配線215(OUT)を設けて、互いに異なる画素回路250と電気的に接続してもよい。
【0100】
また、
図10では、第1の配線211(RS)を各列の画素回路250において共有する構成を示したが、各行の画素回路250において共有しても良い。
【0101】
また、
図10では、第4の配線214(GND)を各列の画素回路250において共有する構成を示したが、各行の画素回路250において共有しても良い。
【0102】
また、
図10では、第7の配線217を各行の画素回路250において共有する構成を示したが、各列の画素回路250において共有しても良い。
【0103】
上記のとおり配線を共有し、配線数を減らすことによって、m行n列のマトリクス状に配置された画素回路250を駆動する駆動回路を簡略化することができる。
【0104】
図11では、複数の画素回路250がm行n列のマトリクス状に配置されている。各画素回路250は、複数の第1の配線211(RS)(211(RS)_1〜211(RS)_mと表記する)のいずれか1つ、複数の第2の配線212(TX)(212(TX)_1〜212(TX)_nと表記する)のいずれか1つ、複数の第3の配線213(SE)(213(SE)_1〜213(SE)_mと表記する)のいずれか1つ、複数の第4の配線214(GND)(214(GND)_1〜214(GND)_nと表記する)のいずれか1つ、および複数の第5の配線215(OUT)(215(OUT)_1〜215(OUT)_nと表記する)のいずれか1つ、複数の第6の配線216(216_1〜216_nと表記する)のいずれか1つ、および複数の第7の配線217(217_1〜217_mと表記する)のいずれか1つ、と電気的に接続されている。
【0105】
図11では、各行の画素回路250において、第1の配線211(RS)、第3の配線213(SE)、および第7の配線217を共有している。また、各列の画素回路250において、第2の配線212(TX)、第4の配線214(GND)、第5の配線215(OUT)、および第6の配線216を共有している。しかしながら、本発明の一態様はこれに限定されない。各行に複数本の第1の配線211(RS)、複数本の第3の配線213(SE)、および複数本の第7の配線217を設けて、互いに異なる画素回路250と電気的に接続してもよい。また、各列に複数本の第2の配線212(TX)、複数本の第4の配線214(GND)、複数本の第5の配線215(OUT)、および複数本の第6の配線216を設けて、互いに異なる画素回路250と電気的に接続してもよい。
【0106】
また、
図11では、第1の配線211(RS)を各行の画素回路250において共有する構成を示したが、各列の画素回路250において共有しても良い。
【0107】
また、
図11では、第4の配線214(GND)を各列の画素回路250において共有する構成を示したが、各行の画素回路250において共有しても良い。
【0108】
また、
図11では、第7の配線217を各行の画素回路250において共有する構成を示したが、各列の画素回路250において共有しても良い。
【0109】
上記のとおり配線を共有し、配線数を減らすことによって、m行n列のマトリクス状に配置された画素回路250を駆動する駆動回路を簡略化することができる。
【0110】
なお、
図10および
図11に示した構成において、画素回路250は、
図4(B)に示した画素回路260、または
図5に示した画素回路280と入れ替えることができる。
【0111】
次に、
図2(A)に示した画素回路200のレイアウト例について、
図12を用いて説明する。
【0112】
図12(A)は、画素回路200の上面図を示し、
図12(B)は、
図12(A)の破線A1―A2における断面図を示す。
【0113】
画素回路200は、第1の配線211(RS)として機能する導電膜1211と、第2の配線212(TX)として機能する導電膜1212と、第3の配線213(SE)として機能する導電膜1213と、第4の配線214(GND)として機能する導電膜1214と、第5の配線215(OUT)として機能する導電膜1215を有している。
【0114】
画素回路200が有するフォトダイオード220は、順に積層されたp型の半導体膜315、i型の半導体膜316、およびn型の半導体膜317を有している。導電膜1211は、フォトダイオード220のアノードとして機能するp型の半導体膜315に電気的に接続されている。
【0115】
画素回路200が有する導電膜1218は、第1のトランジスタ201のゲート電極として機能しており、さらに、導電膜1212に電気的に接続されている。画素回路200が有する導電膜1219は、第1のトランジスタ201のソース電極またはドレイン電極の一方として機能する。画素回路200が有する導電膜1220は、第1のトランジスタ201のソース電極またはドレイン電極の他方として機能する。画素回路200が有する導電膜1221は、n型の半導体膜317と、導電膜1219とに電気的に接続されている。画素回路200が有する導電膜1222は、第2のトランジスタ202のゲート電極として機能しており、さらに、導電膜1220に電気的に接続されている。
【0116】
画素回路200が有する導電膜1223は、第2のトランジスタ202のソース電極またはドレイン電極の一方として機能する。画素回路200が有する導電膜1224は、第2のトランジスタ202のソース電極またはドレイン電極の他方、および第3のトランジスタ203のソース電極またはドレイン電極の一方として機能する。また、導電膜1214は、第3のトランジスタ203のソース電極またはドレイン電極の他方として機能する。導電膜1213は、第3のトランジスタ203のゲート電極としても機能する。画素回路200が有する導電膜1225は、導電膜1223および導電膜1214に電気的に接続されている。
【0117】
なお、
図12では、画素回路200が有する導電膜1226は、第1の配線211(RS)として機能する導電膜1211に電気的に接続されている。また、画素回路200が有する導電膜1227は、第2の配線212(TX)として機能する導電膜1212に電気的に接続されている。
【0118】
導電膜1213、導電膜1218、導電膜1222、導電膜1225、導電膜1226、導電膜1227は、絶縁表面上に形成された一つの導電膜を所望の形状に加工することで形成することができる。導電膜1213、導電膜1218、導電膜1222、導電膜1225、導電膜1226、導電膜1227上にはゲート絶縁膜1228が形成されている。さらに、導電膜1211、導電膜1212、導電膜1214、導電膜1215、導電膜1219、導電膜1220、導電膜1223、導電膜1224は、ゲート絶縁膜1228上に形成された一つの導電膜を所望の形状に加工することで形成することができる。
【0119】
また、導電膜1211、導電膜1212、導電膜1214、導電膜1215、導電膜1219、導電膜1220、導電膜1223、導電膜1224の上には、絶縁膜1281および絶縁膜1282が形成されている。絶縁膜1281および絶縁膜1282の上に、導電膜1221が形成される。
【0120】
第1のトランジスタ201の半導体層1250には、酸化物半導体を用いることが好ましい。フォトダイオード220に光が照射されることにより生成された電荷を電荷蓄積部で長時間保持するためには、電荷蓄積部と電気的に接続される第1のトランジスタ201をオフ電流が極めて低いトランジスタで構成する必要がある。そのため、半導体層1250として酸化物半導体材料を用いることで画素回路200の性能を高めることができる。なお、電荷蓄積部とは、画素回路200における配線205を差し、
図12では導電膜1220に相当する。
【0121】
また、画素回路200は、
図13(A)、(B)に示すように、トランジスタなどの素子とフォトダイオード220が重畳する構成としてもよい。このような構成とすることで、画素密度を高めることができ、撮像装置の解像度を高めることができる。また、フォトダイオード220の面積を増大させることができるため、撮像装置の感度を高めることもできる。なお、
図13(A)は、画素回路200の上面図を示し、
図13(B)は、
図13(A)の破線B1―B2における断面図である。
【0122】
図13(A)、(B)に示す画素回路200において、第1のトランジスタ201のソース電極またはドレイン電極の一方として機能する導電膜1219とフォトダイオード220のカソードとして機能するn型の半導体膜317は、導電膜1229を介して電気的に接続されている。また、フォトダイオード220のアノードとして機能するp型の半導体膜315は、導電膜1221を介して第1の配線211と接する導電膜1226と電気的に接続されている。また、フォトダイオード220を保護する絶縁膜1283が形成されている。これらの点、およびトランジスタなどの素子とフォトダイオード220が重畳する構成以外は、
図12(A)、(B)に示す画素回路200と同様の構成とすることができる。
【0123】
なお、p型の半導体膜315と導電膜1226との電気的な接続は、導電膜1221で直接接続する例を示したが、絶縁膜1281、絶縁膜1282、および絶縁膜1283に形成した開口部を通じて導電膜1226と電気的に接する他の導電膜を設け、該導電膜と導電膜1221が電気的に接する構成としてもよい。
【0124】
また、
図13に示すようなトランジスタなどの素子と光センサ素子が重畳する構成は、
図2(B)に示す画素回路210、
図4(A)、(B)に示す画素回路250、260、および
図5に示す画素回路280においても適用することができる。
【0125】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0126】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1および2で説明した画素回路に用いることのできる、オフ電流の著しく小さいトランジスタおよび該トランジスタを構成する材料について説明する。
【0127】
トランジスタの構造は、
図12(A)、(B)および
図13(A)、(B)に半導体層1250を有する第1のトランジスタ201の上面図および断面図を示している。当該トランジスタは、チャネルエッチ型のボトムゲート構造を一例として示したが、チャネル保護型のボトムゲート構造、ノンセルフアライン型のトップゲート構造、またはセルフアライン型のトップゲート構造であってもよい。
【0128】
オフ電流の著しく小さいトランジスタを形成するには、半導体層1250に酸化物半導体などのシリコン半導体よりもバンドギャップの広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体材料を用いることが好ましい。
【0129】
上記半導体材料の一例としては、酸化物半導体の他に、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などの化合物半導体などがあるが、酸化物半導体は、炭化珪素や窒化ガリウムと異なり、スパッタ法や湿式法により作製可能であり、量産性に優れるといった利点がある。また、酸化物半導体は室温でも成膜が可能なため、ガラス基板上への成膜、或いはシリコンを用いた集積回路上への成膜が可能である。また、基板の大型化にも対応が可能である。よって、上述したワイドギャップ半導体の中でも、特に酸化物半導体は量産性が高いというメリットを有する。また、トランジスタの性能(例えば電界効果移動度)を向上させるために結晶性の酸化物半導体を得ようとする場合でも、250℃から800℃の熱処理によって容易に結晶性の酸化物半導体を得ることができる。
【0130】
また、電子供与体(ドナー)となる水分または水素などの不純物が低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより高純度化された酸化物半導体(purified OS)の導電型は、i型またはi型に限りなく近い。そのため、上記酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低いという特性を有する。また、酸化物半導体のバンドギャップは、2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。水分または水素などの不純物濃度が十分に低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより高純度化された酸化物半導体膜を用いることにより、トランジスタのオフ電流を下げることができる。
【0131】
具体的に、高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタのオフ電流が低いことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×10
6μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10
−13A以下という特性を得ることができる。この場合、オフ電流をトランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流は、100zA/μm以下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流入または容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電流の測定を行った。当該測定では、上記トランジスタに高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジスタのオフ電流を測定した。その結果、トランジスタのソース電極とドレイン電極間の電圧が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに低いオフ電流が得られることが分かった。したがって、高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、オフ電流が、結晶性を有するシリコンを用いたトランジスタに比べて著しく低い。
【0132】
なお、酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にInとZnを含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。
【0133】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を含んでいてもよい。
【0134】
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、In−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。また、上記酸化物半導体は、珪素を含んでいてもよい。
【0135】
なお、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素を含んでいてもよい。In−Ga−Zn系酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、移動度も高いため、半導体装置に用いる半導体材料としては好適である。
【0136】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)あるいはIn:Ga:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)の原子比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
【0137】
しかし、これらに限られず、必要とする電気的特性(移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とする半導体特性を得るために、キャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
【0138】
なお、例えば、酸化物半導体膜は、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、およびZn(亜鉛)を含むターゲットを用いたスパッタ法により形成することができる。In−Ga−Zn系酸化物半導体膜をスパッタ法で成膜する場合、好ましくは、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1、4:2:3、3:1:2、1:1:2、2:1:3、または3:1:4で示されるIn−Ga−Zn系酸化物のターゲットを用いる。前述の原子数比を有するIn−Ga−Zn系酸化物のターゲットを用いて酸化物半導体膜を成膜することで、結晶が形成されやすくなる。また、In、Ga、およびZnを含むターゲットの充填率は90%以上、好ましくは95%以上である。充填率の高いターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜は緻密な膜となる。
【0139】
なお、酸化物半導体としてIn−Zn系酸化物の材料を用いる場合、用いるターゲットの組成は、原子数比で、In:Zn=50:1〜1:2(モル数比に換算するとIn
2O
3:ZnO=25:1〜1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1〜1:1(モル数比に換算するとIn
2O
3:ZnO=10:1〜1:2)、さらに好ましくはIn:Zn=1.5:1〜15:1(モル数比に換算するとIn
2O
3:ZnO=3:4〜15:2)とする。例えば、In−Zn系酸化物である酸化物半導体膜の形成に用いるターゲットは、原子数比がIn:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。Znの比率を上記範囲に収めることで、移動度の向上を実現することができる。
【0140】
また、酸化物半導体膜としてIn−Sn−Zn系酸化物半導体膜をスパッタ法で成膜する場合、好ましくは、原子数比がIn:Sn:Zn=1:1:1、2:1:3、1:2:2、または20:45:35で示されるIn−Sn−Zn−Oターゲットを用いる。
【0141】
以下では、酸化物半導体膜の構造について説明する。
【0142】
なお、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
【0143】
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
【0144】
酸化物半導体膜は、単結晶酸化物半導体膜と非単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、多結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜などをいう。
【0145】
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶成分を有さない酸化物半導体膜である。微小領域においても結晶部を有さず、膜全体が完全な非晶質構造の酸化物半導体膜が典型である。
【0146】
微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満の大きさの微結晶(ナノ結晶ともいう。)を含む。従って、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも原子配列の規則性が高い。そのため、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。
【0147】
CAAC−OS膜は、複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つであり、ほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。CAAC−OS膜は、微結晶酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。以下、CAAC−OS膜について詳細な説明を行う。
【0148】
CAAC−OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって観察すると、結晶部同士の明確な境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
【0149】
CAAC−OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
【0150】
一方、CAAC−OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
【0151】
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有していることがわかる。
【0152】
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnO
4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO
4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
【0153】
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO
4の結晶の(110)面に帰属される。InGaZnO
4の単結晶酸化物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
【0154】
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
【0155】
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC−OS膜の形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
【0156】
また、CAAC−OS膜中の結晶化度が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くなることがある。また、CAAC−OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域の結晶化度が変化し、部分的に結晶化度の異なる領域が形成されることもある。
【0157】
なお、InGaZnO
4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
【0158】
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
【0159】
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
【0160】
CAAC−OS膜は、例えば、多結晶である酸化物半導体スパッタ用ターゲットを用い、スパッタ法によって成膜する。当該スパッタ用ターゲットにイオンが衝突すると、スパッタ用ターゲットに含まれる結晶領域がa−b面から劈開し、a−b面に平行な面を有する平板状またはペレット状のスパッタ粒子として剥離することがある。この場合、当該平板状のスパッタ粒子が、結晶状態を維持したまま基板に到達することで、CAAC−OS膜を成膜することができる。
【0161】
また、CAAC−OS膜を成膜するために、以下の条件を適用することが好ましい。
【0162】
成膜時の不純物混入を低減することで、不純物によって結晶状態が崩れることを抑制できる。例えば、成膜室内に存在する不純物(水素、水、二酸化炭素および窒素など)を低減すればよい。また、成膜ガス中の不純物を低減すればよい。具体的には、露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下である成膜ガスを用いる。
【0163】
また、成膜時の基板加熱温度を高めることで、基板到達後にスパッタ粒子のマイグレーションが起こる。具体的には、基板加熱温度を100℃以上740℃以下、好ましくは200℃以上500℃以下として成膜する。成膜時の基板加熱温度を高めることで、平板状のスパッタ粒子が基板に到達した場合、基板上でマイグレーションが起こり、スパッタ粒子の平らな面が基板に付着する。
【0164】
また、成膜ガス中の酸素割合を高め、電力を最適化することで成膜時のプラズマダメージを軽減すると好ましい。成膜ガス中の酸素割合は、30体積%以上、好ましくは100体積%とする。
【0165】
スパッタ用ターゲットの一例として、In−Ga−Zn−O化合物ターゲットについて以下に示す。
【0166】
InO
X粉末、GaO
Y粉末およびZnO
Z粉末を所定のモル数で混合し、加圧処理後、1000℃以上1500℃以下の温度で加熱処理をすることで多結晶であるIn−Ga−Zn−O化合物ターゲットとする。なお、X、YおよびZは任意の正数である。ここで、所定のモル数比は、例えば、InO
X粉末、GaO
Y粉末およびZnO
Z粉末が、2:2:1、8:4:3、3:1:1、1:1:1、4:2:3または3:1:2である。なお、粉末の種類、およびその混合するモル数比は、作製するスパッタ用ターゲットによって適宜変更すればよい。
【0167】
本実施の形態で説明した酸化物半導体でチャネル形成領域を形成したトランジスタを用いることで、グローバルシャッタ方式で動作する画素回路を容易に実現することができ、被写体に照射するX線量が少ない撮像装置を提供することができる。
【0168】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。