【実施例】
【0075】
図10は、本発明に係る吊り足場用パネルの一例である。(a)は平面図、(b)はI部の詳細図、そして、(c)はI部の裏面図を示す。
【0076】
この吊り足場用パネルは、2つの長辺用部材35と2つの短辺用部材36からなる長方形を有している。そして、2つの長辺用部材35の間にはこれらをつなぐ角管形状の連結受け部12が短辺用部材36と平行に2本設けられ、いずれの連結受け部12も長辺用部材35の両側面に開口部を有している。そして、連結受け部12の一方の開口部内には長辺用部材35に対して直角に突出する形で預け金具25が設けられ、そして、連結受け部12の他方の開口部内には長辺用部材35に対して直角に突出する形で受け金具26が設けられている。ここで、預け金具25と受け金具26はそれぞれ固定ボルト40によって連結受け部12の上面及び下面に固定されている。また、長辺用部材35の上面には2つのパネルを連結するための連結用ボルト(図示せず)を差し込むための連結用孔50が穿たれている。なお、パネルの上面には床材8が張られていて、作業員がその上で作業をすることができる。
【0077】
図11は、本発明に係る吊り足場用パネルの受け金具の一例である。(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)はM−M矢視図、そして、(e)はN−N矢視図を示す。
【0078】
図12は、
図11に示す受け金具26を
図10に示す吊り足場用パネルの連結受け部に固定したときの図を示す。(a)は
図10(b)のJ部の詳細図、(b)は
図10(b)のJ部の裏面図、そして、(c)は
図12(a)のL−L矢視図を示す。
【0079】
この受け金具26は、底面のウェブとその両側のフランジからなり、その断面は上向きに開放された略コの字形を有する。そして、この受け金具26は連結受け部12から受け金具26が直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている。連結受け部12の下面およびこの受け金具26の底面のウェブには、受け金具26を固定するための固定用ボルト40を通すための固定用孔41が穿たれている。また、連結受け部12の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35の上面には、対峙する預け金具をこの連結受け部12内に収容した後、連結用ボルト(図示せず)を差し込むための連結用孔50が形成されている。なお、ここでは、受け金具の右側フランジの一部に切り欠き部45が形成されている。その理由については、後述する。
【0080】
図13は、本発明に係る吊り足場用パネルの受け金具の他の例である。(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)はM−M矢視図、そして、(e)はN−N矢視図を示す。
【0081】
図14は、
図13に示す受け金具を
図10に示す吊り足場用パネルの連結受け部に固定したときの図を示す。(a)は
図10(b)のJ部の詳細図、(b)は
図10(b)のJ部の裏面図、そして、(c)は
図14(a)のL−L矢視図を示す。
【0082】
この受け金具26は、底面のウェブとその両側のフランジからなり、その断面は上向きに開放された略コの字形を有する。そして、この受け金具26は連結受け部12から受け金具26が直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている。連結受け部12の下面には、受け金具26を固定するための固定用ボルト40を通すための固定用孔41が穿たれている。また、連結受け部12の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35の上面には、対峙する預け金具をこの連結受け部12内に収容した後、連結用ボルト(図示せず)を差し込むための連結用孔50が形成されている。ただし、この受け金具26の底面ウェブに穿たれる固定用ボルト40を通すための固定用孔41はウェブの中心位置から水平方向に偏心して形成されている。
【0083】
図15は、本発明に係る吊り足場用パネルの受け金具の他の例である。(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)はM−M矢視図、そして、(e)はN−N矢視図を示す。
【0084】
図16は、
図15に示す受け金具を
図10に示す吊り足場用パネルの連結受け部に固定したときの図を示す。(a)は
図10(b)のJ部の詳細図、(b)は
図10(b)のJ部の裏面図、そして、(c)は
図16(a)のL−L矢視図を示す。
【0085】
この受け金具26は、上向きに開放された断面半円形を有する。したがって、底面のウェブとその両側のフランジはともに一様な曲面をなしている。そして、この受け金具26は連結受け部12から受け金具26が直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている。連結受け部12の下面には、受け金具26を固定するための固定用ボルト40を通すための固定用孔41が穿たれている。また、連結受け部12の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35の上面には、対峙する預け金具をこの連結受け部12内に収容した後、連結用ボルト(図示せず)を差し込むための連結用孔50が形成されている。
【0086】
図17は、本発明に係る吊り足場用パネルの預け金具の一例である。(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)はP−P矢視図、そして、(e)はQ−Q矢視図を示す。
【0087】
図18は、
図17に示す預け金具を
図10に示す吊り足場用パネルの連結受け部に固定したときの図を示す。(a)は
図10(b)のK部の詳細図、(b)は
図10(b)のK部の裏面図、そして、(c)は
図18(a)のO−O矢視図を示す。
【0088】
この預け金具25は、上面のウェブとその両側のフランジからなり、その断面は下向きに開放された略コの字形を有する。そして、この預け金具25は連結受け部12から直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている。連結受け部12の上面には、預け金具25を固定するための固定用ボルト40を通すための固定用孔41が穿たれているが、その形状を長円形とするのは、吊り足場用パネルの設置を平面上でカーブさせることができるようにするためである。また、預け金具25を対峙する連結受け部内に収容した後、連結受け部の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35に穿たれた連結用孔(図示せず)に差し込まれる連結用ボルト(図示せず)をねじ込むことができる連結用ナット52が預け金具25の上面の下に接して取り付けられている。そして、預け金具25の右側の一部に切り欠き部45が形成されている。その理由については、後述する。
【0089】
図19は、本発明に係る吊り足場用パネルの預け金具の他の例である。(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)はP−P矢視図、そして、(e)はQ−Q矢視図を示す。
【0090】
図20は、
図19に示す預け金具を
図10に示す吊り足場用パネルの連結受け部に固定したときの図を示す。(a)は
図10(b)のK部の詳細図、(b)は
図10(b)のK部の裏面図、そして、(c)は
図20(a)のO−O矢視図を示す。
【0091】
この預け金具25は、上面のウェブとその両側のフランジからなり、その断面は下向きに開放された略コの字形を有する。そして、この預け金具25は連結受け部12から直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている。連結受け部12の上面には、預け金具25を固定するための固定用ボルト40を通すための固定用孔41が穿たれているが、その形状を長円形とするのは、吊り足場用パネルの設置を平面上でカーブさせることができるようにするためである。そして、預け金具25を固定するための固定用ナット42が連結受け部12の上面の下に接して取り付けられている。また、預け金具25を対峙する連結受け部内に収容した後、連結受け部の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35に穿たれた連結用孔(図示せず)に差し込まれる連結用ボルト(図示せず)をねじ込むことができる連結用ナット52が預け金具25の上面の下に接して取り付けられている。ここでは、この預け金具25の上面ウェブに穿たれる固定用ボルト40を通すための固定用孔41はウェブの中心位置から偏心して形成されている。
【0092】
図21は、本発明に係る吊り足場用パネルの預け金具25の他の例である。(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)はP−P矢視図、そして、(e)はQ−Q矢視図を示す。
【0093】
図22は、
図21に示す預け金具を
図10に示す吊り足場用パネルの連結受け部に固定したときの図を示す。(a)は
図10(b)のK部の詳細図、(b)は
図10(b)のK部の裏面図、そして、(c)は
図22(a)のO−O矢視図を示す。
【0094】
この預け金具25は、上面が曲面のウェブとその両側のフランジからなり、その断面は下向きに開放された略U字形を有する。そして、この預け金具25は連結受け部12から直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている。連結受け部12の上面には、預け金具25を固定するための固定用ボルト40を通すための固定用孔41が穿たれているが、その形状を長円形とするのは、吊り足場用パネルの設置を平面上でカーブさせることができるようにするためである。また、預け金具25を対峙する連結受け部内に収容した後、連結受け部の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35に穿たれた連結用孔(図示せず)に差し込まれる連結用ボルト(図示せず)をねじ込むことができる連結用ナット52が預け金具25の上面の下に接して取り付けられている。
【0095】
図23は、本発明に係る吊り足場用パネルの預け金具の他の例である。(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)はP−P矢視図、そして、(e)はQ−Q矢視図を示す。
【0096】
図24は、
図23に示す預け金具を
図10に示す吊り足場用パネルの連結受け部に固定したときの図を示す。(a)は
図10(b)のK部の詳細図、(b)は
図10(b)のK部の裏面図、そして、(c)は
図24(a)のO−O矢視図を示す。
【0097】
この預け金具25は、断面円形を有する。したがって、上面の曲面のウェブとその両側の曲面のフランジだけでなく、底面も曲面をなしている。そして、この預け金具25は連結受け部12から直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている。連結受け部12の上面には、預け金具25を固定するための固定用ボルト40を通すための固定用孔41が穿たれているが、その形状を長円形とするのは、吊り足場用パネルの設置を平面上でカーブさせることができるようにするためである。また、預け金具25を対峙する連結受け部12内に収容した後、連結受け部12の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35に穿たれた連結用孔(図示せず)に差し込まれる連結用ボルト(図示せず)をねじ込むことができる連結用ナット52が預け金具25の上面の下に接して取り付けられている。
【0098】
図25は、本発明に係る吊り足場用パネルの受け金具の他の例である。(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)はM−M矢視図、そして、(e)はN−N矢視図を示す。
【0099】
図26は、
図25に示す受け金具26を
図10に示す吊り足場用パネルの連結受け部に固定したときの図を示す。(a)は
図10(b)のJ部の詳細図、(b)は
図10(b)のJ部の裏面図、そして、(c)は
図12(a)のL−L矢視図を示す。
【0100】
この受け金具26は山形鋼からなり、その断面は上向きに開放されたV形状を有する。ここでは、底面ウェブとその両側面からなる、上向きに開放された断面コの字形状の鋼材27で断面V形状の山形鋼を下から支えており、閉塞断面形状を形成している。したがって、剛性が高く、受け金具が地面等にぶつかることがあっても曲がりにくい。なお、断面V形状の山形鋼と断面コの字形状の鋼材27は隅肉溶接によって接合されている。そして、この受け金具26は連結受け部12から受け金具26が直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている。連結受け部12の下面およびこの受け金具26を支える断面コの字形状の鋼材27の底面のウェブには、この底面のウェブを固定するための固定用ボルト40を通すための固定用孔41が穿たれている。また、連結受け部12の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35の上面には、対峙する預け金具をこの連結受け部12内に収容した後、連結用ボルト(図示せず)を差し込むための連結用孔50が形成されている。なお、ここでは、断面コの字形状の鋼材27を用いることで、閉塞断面形状を有する受け金具としているが、格別に高い剛性を必要としない場合には山形鋼のみで受け金具を形成してもよい。
【0101】
図27は、本発明に係る吊り足場用パネルの預け金具の他の例であり、
図25で示した受け金具と組み合わせて用いることができる。(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)はP−P矢視図、そして、(e)はQ−Q矢視図を示す。
【0102】
図28は、
図27に示す預け金具を
図10に示す吊り足場用パネルの連結受け部に固定したときの図を示す。(a)は
図10(b)のK部の詳細図、(b)は
図10(b)のK部の裏面図、そして、(c)は
図18(a)のO−O矢視図を示す。
【0103】
この預け金具25は山形鋼からなり、その断面は上向きに開放されたV形状を有する。ここでは、断面V形状の山形鋼の上に平板28を隅肉溶接して蓋をすることによって、閉塞断面形状を形成している。したがって、剛性が高く、預け金具が地面等にぶつかることがあっても曲がりにくい。そして、この預け金具25は連結受け部12から直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている。連結受け部12の上面には、預け金具25を固定するための固定用ボルト40を通すための固定用孔41が穿たれているが、その形状を長円形とするのは、吊り足場用パネルの設置を平面上でカーブさせることができるようにするためである。また、預け金具25を対峙する連結受け部内に収容した後、連結受け部の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35に穿たれた連結用孔(図示せず)に差し込まれる連結用ボルト(図示せず)をねじ込むことができる連結用ナット52が預け金具25の上面の下に接して取り付けられている。なお、ここでは、平板28を用いることで、閉塞断面形状を有する預け金具としているが、格別に高い剛性を必要としない場合には山形鋼のみで預け金具を形成してもよい。
【0104】
図29は、本発明に係る吊り足場用パネルの連結態様の一例であり、
図12の受け金具の上に
図18の預け金具を載置した後、両パネルを連結するものである。(a)は連結直前の預け金具と受け金具の平面図、(b)はその正面図、(c)は預け金具を受け金具の上に仮置きしたときの正面図、そして、(d)は預け金具をスライドさせてパネル同士を仮連結したときの正面図である。
【0105】
図30は、預け金具の仮置後の微調整の一例であり、
図29(c)における預け金具と受け金具のR−R矢視図である。(a)は仮置き直後を示し、そして、(b)は微調整後を示す。
【0106】
対峙するパネルの連結受け部12から直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている預け金具25を、設置済みのパネルの連結受け部12内に直角に突出する形で固定されている受け金具26と位置合わせをした後、その預け金具25を受け金具26の上に仮置きする。そして、預け金具25の載置位置を断面方向に微調整して、預け金具25の中心線を受け金具26の中心線に位置合わせした後、対峙する預け金具25を設置済みの連結受け部12内に収容する。その後、設置済みの連結受け部12の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35の上面の連結用孔50から連結用ボルト(図示せず)を差し込んで、預け金具25の上面の下に接して取り付けられている連結用ナット52にねじ込むことで、パネル同士を仮連結することができる。ここでは、仮連結の状態であるので、両パネルの高さには違いが少々あり、その結果、2つのパネルの長辺用部材35の上面の間には段差がある程度生じている。なお、預け金具25および受け金具26の同じ側(右側)のフランジの一部に切り欠き部45を設けられているので、預け金具25を受け金具26の上に仮置きしたのち、預け金具25の載置位置を断面方向に微調整することができるから、預け金具25を設置済みの連結受け部12内に容易に収容することができる。
【0107】
図31は、本発明に係る吊り足場用パネルの連結態様の他の例であり、
図14の受け金具の上に
図20の預け金具を載置した後、両パネルを連結するものである。(a)は連結直前の預け金具と受け金具の平面図、(b)はその正面図、(c)は預け金具を受け金具の上に仮置きしたときの正面図、そして、(d)は預け金具をスライドさせてパネル同士を仮連結したときの正面図である。
【0108】
図32は、預け金具の仮置後の微調整の他の例であり、
図31(c)における預け金具と受け金具のR−R矢視図である。(a)は仮置き直後を示し、そして、(b)は微調整後を示している。
【0109】
対峙するパネルの連結受け部12から直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている預け金具25を、設置済みのパネルの連結受け部12内に直角に突出する形で固定されている受け金具26と位置合わせをした後、対峙する預け金具25を受け金具26の上に仮置きする。そして、預け金具25の載置位置を断面方向に微調整して、預け金具25が受け金具26上から外れないようにしてから、預け金具25を設置済みの連結受け部12内に収容する。その後、設置済みの連結受け部12の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35の上面の連結用孔50から連結用ボルト(図示せず)を差し込んで、預け金具25の上面の下に接して取り付けられている連結用ナット52にねじ込むことで、パネル同士を仮連結することができる。ここでは、仮連結の状態であるので、両パネルの高さには違いが少々あり、その結果、2つのパネルの長辺用部材35の上面の間には段差がある程度生じている。
【0110】
図33は、本発明に係る吊り足場用パネルの連結態様の他の例であり、
図16の受け金具の上に
図24の預け金具を載置した後、両パネルを連結するものである。(a)は連結直前の預け金具と受け金具の平面図、(b)はその正面図、(c)は預け金具を受け金具の上に仮置きしたときの正面図、そして、(d)は預け金具をスライドさせてパネル同士を仮連結したときの正面図である。
【0111】
図34は、預け金具の仮置時とセット後の状況を示しており、
図33(c)における預け金具と受け金具のR−R矢視図である。(a)は仮置き時を示し、そして、(b)はセット後の状況を示している。
【0112】
対峙するパネルの連結受け部12から直角に突出する形で連結受け部12内に固定されている預け金具25を、設置済みのパネルの連結受け部12内に直角に突出する形で固定されている受け金具26と位置合わせをした後、その預け金具25を受け金具26の上に仮置きする。この預け金具25は断面円形を有し、そして、この受け金具26は上向きに開放された断面半円形を有しているので、受け金具26の上に仮置きされた預け金具25は自ずと受け金具26の上に収まる。その後、預け金具25を設置済みの連結受け部12内に収容する。そして、設置済みの連結受け部12の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材35の上面の連結用孔50から連結用ボルト(図示せず)を差し込んで、預け金具25の上面の下に接して取り付けられている連結用ナット52にねじ込むことで、パネル同士を仮連結することができる。ここでは、仮連結の状態であるので、両パネルの高さには違いが少々あり、その結果、2つのパネルの長辺用部材35の上面の間には段差がある程度生じている。
【0113】
図29〜
図34にみるとおり、受け金具26に預け金具25を載置した後、預け金具25をスライドさせることで両パネルを連結することができる。ただし、仮連結の状態であるので、両パネルの高さには違いが少々あり、その結果、2つのパネルの長辺用部材35の上面の間には段差がある程度生じている。この段差は、対峙する受け金具25を設置済みの連結受け部12内に収容する際に形成される、受け金具25の上面と連結受け部12の上面との間の隙間(ガタ)に起因する。このままでもパネル同士の連結自体は完了しており、強度的には問題はない。ただし、パネル連結部付近でパネル長辺用部材の間に若干の段差があるから、その分は歩きづらいことになる。
【0114】
この段差をなくすためには、対峙する預け金具を設置済みの連結受け部の上面に連結用ボルトにより連結するときに、連結用ボルトをさらに締め付ければよい。すなわち、連結用ボルトをもっと締め付けると連結用ボルトの先端が受け金具の底面に接地し、さらに締め付けると預け金具の上面が連結受け部に接地するので段差は解消する。
【0115】
図35は、仮連結後のパネル長辺用部材の間の段差をなくす手順を示す一例である。(a)は預け金具25を連結受け部12内に収容した状態を、(b)は連結用ボルト51でパネル同士を仮連結した状態を、(c)は連結用ボルト51をもっと締め付けてボルトの先端が受け金具26の底面に接地したときの状態を、そして、(d)は連結用ボルト51をさらに締め付けて預け金具25の上面が連結受け部12の上面に接地したときの状態を示す。
【0116】
対峙する預け金具25を設置済みの連結受け部12内に収容したのち、設置済みの連結受け部12の位置する吊り足場用パネルの長辺用部材の上面の連結用孔50から連結用ボルト51を差し込んで、預け金具25の上面の下に接して取り付けられている連結用ナット52にねじ込むことで、パネル同士を仮連結することができる。これは仮連結の状態であるので、パネル長辺用部材の間には段差が生じているが、パネル間の連結自体は完了している。
【0117】
ところが、連結用ボルト51をもっと締め付けていくと、連結用ボルト51の先端は設置済みの連結受け部12内に設けられた受け金具26の底面に達して接地するため、預け金具25の上面と連結受け部12の上面の間の隙間は減少し始める。よって、長辺用部材の間の段差も減少し始める。
【0118】
そして、連結用ボルト51をさらに締め付けていくと、設置済みの連結受け部12の上面は連結用ナット52を介して預け金具25の上面に近接してゆき、最終的に預け金具25の上面が連結受け部12の上面に接地するから、長辺用部材の間の段差は解消される。ここで、両パネルの連結は完了する。
【0119】
なお、ここでは、ボルトの頭側のみにねじ山を設けた連結用ボルト51を用いているが、これはねじり込む回数(手間)を減らすためである。手間を厭わなければ、全ねじ山のものを用いてもよい。
【0120】
最後に、連結受け部の上面には、預け金具を固定するための固定用ボルトを通すための固定用孔が穿たれているが、その形状を長円形とすることで吊り足場用パネルの設置を平面上でカーブさせることができるようになることについて、詳述する。
【0121】
吊り足場用パネルの設置場所は、平面的に直線だけとは限らず、道路等がカーブしていると、吊り足場用パネルの設置を平面上でカーブさせることを必要とする場合が生じる。
【0122】
図36は複数個の吊り足場用パネル6を平面上でカーブして設置するときの状況を示す図である。(a)がその概略図、(b)が2枚の吊り足場用パネルに着目したときの平面図、(c)が(b)のS−S矢視図、そして、(d)が(b)のT−T矢視図である。
【0123】
図36(b)において、下側のパネル6の連結受け部内から突出して設けられた預け金具の上面は、上側のパネル6の連結受け部の上面に固定用ボルト51によって固定される。このとき、連結受け部の上面の固定用孔41を長円形に形成しておくと、2つのパネルの間に三角形の隙間60を形成することができる。すなわち、S−S矢視図における固定用ボルト51の固定位置は通常の上位置のままにしておく一方、T−T矢視図における固定用ボルト51の固定位置を下位置に変更すると、2つのパネル6の間に三角形の隙間60が形成される。この三角形の隙間60の積み重ねにより、吊り足場用パネルのカーブ対応が可能となる。
【0124】
図37は、本発明に係る吊り足場用パネルに用いる端部隙間塞ぎ材の一例(平面図)である。
【0125】
このパネルは、長辺用部材35と、丸パイプからなる短辺用部材36とからなる長方形の枠組の上に床材8を張ったものである。このパネルの上には短辺用部材36の内側に隙間9を残して床材8が張られていて、作業員がその上で作業をすることができる。この隙間9は、パネルの連結時にパネルの端部の短辺用部材間をクランプ(図示せず)で緊結する作業をするために設置されている。また、パネルを橋梁部から吊り下げるためにチェーン(図示せず)をパネルの端部の短辺用部材36に通す場合に必要な隙間でもある。
【0126】
そして、この隙間全体をカバーする端部隙間塞ぎ材23が、パネル床面と面一に設けられている。また、この端部隙間塞ぎ材23はパネルの床材8の端部の蝶番23bを介して、上方向に回動自在に設けられている。このため、作業員はパネルを連結する際には、端部隙間塞ぎ材23の端部にひざをついて連結すべきパネルの短辺用部材を引き寄せることができるので、前屈みの無理な体勢を取ることはなくなり、その分安全に連結作業をすることができる。パネルを解体するときも同様である。また、パネルの短辺用部材同士を緊結するためのクランプ(図示せず)も端部隙間塞ぎ材23の下方に収容されているので、パネル連結後のパネルの床面と端部隙間塞ぎ材23のレベル差はなく、端部隙間塞ぎ材の所で段差は生じない。したがって、作業員は設置後の足場上で安全かつ容易に作業・移動することができる。
【0127】
図38は、本発明に係る吊り足場用パネルに用いる端部隙間塞ぎ材の他の例(平面図)である。
【0128】
このパネルは、長辺用部材35と、丸パイプからなる短辺用部材36とからなる長方形の枠組の上に床材8を張ったものである。このパネルの上には短辺用部材36の内側に隙間9を残して床材8が張られていて、作業員がその上で作業をすることができる。この隙間9は、パネルの連結時にパネルの端部の短辺用部材間をクランプ(図示せず)で緊結する作業をするために設置されている。また、パネルを橋梁部から吊り下げるためにチェーン(図示せず)をパネルの端部の短辺用部材36に通す場合に必要な隙間でもある。
【0129】
そして、この隙間全体をカバーする端部隙間塞ぎ材23が、パネル床面と面一に設けられている。また、この端部隙間塞ぎ材23はパネルの床材8の端部の蝶番23bを介して、上方向に回動自在に設けられている。このため、作業員はパネルを連結する際には、端部隙間塞ぎ材23の端部にひざをついて連結すべきパネルの短辺用部材を引き寄せることができるので、前屈みの無理な体勢を取ることはなくなり、その分安全に連結作業をすることができる。パネルを解体するときも同様である。また、パネルの短辺用部材同士を緊結するためのクランプ(図示せず)も端部隙間塞ぎ材23の下方に収容されているので、パネル連結後のパネルの床面と端部隙間塞ぎ材23のレベル差はなく、端部隙間塞ぎ材の所で段差は生じない。したがって、作業員は設置後の足場上で安全かつ容易に作業・移動することができる。
【0130】
さらに、この端部隙間塞ぎ材23には、開口部23cが3個所設けられている。これらは、橋梁部から吊り下げられたチェーン(図示せず)をパネルの端部の短辺用部材36に通す場合に用いるものであって、端部隙間塞ぎ材のチェーン吊り位置に対応する場所に設けられる。この開口部23cがあるので、パネル連結後も橋梁部から吊り下げられたチェーンでパネルを吊ることができる。