(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリオール(A)に対する前記多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合が、5重量%〜60重量%である、請求項1から5までのいずれかに記載のウレタン系粘着剤。
【発明を実施するための形態】
【0022】
≪A.ウレタン系粘着剤≫
本発明のウレタン系粘着剤はポリウレタン系樹脂を含む。
【0023】
本発明のウレタン系粘着剤中のポリウレタン系樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは98重量%〜100重量%である。本発明のウレタン系粘着剤中のポリウレタン系樹脂の含有割合を上記範囲内に調整することにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。
【0024】
ポリウレタン系樹脂は、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)と触媒(C)を含有する組成物を硬化させて得られるポリウレタン系樹脂である。
【0025】
ポリオール(A)は、OH基を2個以上有するポリオールであれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリオールを採用し得る。
【0026】
ポリオール(A)は、1種類のみであっても良いし、2種類以上であっても良い。本発明の効果をより発現させるためには、好ましくは、ポリオール(A)が2種類以上のポリオールである。ポリオール(A)が2種類以上のポリオールであることにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。
【0027】
ポリオール(A)の数平均分子量Mnは、好ましくは400〜20000である。ポリオール(A)の数平均分子量Mnが上記範囲内に収まることにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。
【0028】
ポリオール(A)は、好ましくは、OH基を3個有する数平均分子量Mnが8000〜20000のポリオール(A1)を含有する。ポリオール(A1)は、1種類のみであっても良いし、2種類以上であっても良い。
【0029】
ポリオール(A)中のポリオール(A1)の含有割合は、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは70重量%〜90重量%であり、特に好ましくは70重量%〜80重量%である。ポリオール(A)中のポリオール(A1)の含有割合を上記範囲内に調整することにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。ポリオール(A)中のポリオール(A1)の含有割合が上記範囲内から外れると、特に、粘着力の経時上昇性が高くなるおそれがあり、優れたリワーク性を発現できなくなるおそれがある。
【0030】
ポリオール(A1)の数平均分子量Mnは8000〜20000であり、好ましくは8000〜18000であり、より好ましくは8500〜17000であり、さらに好ましくは9000〜16000であり、特に好ましくは9500〜15500であり、最も好ましくは10000〜15000である。ポリオール(A1)の数平均分子量Mnを上記範囲内に調整することにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。
【0031】
ポリオール(A)は、OH基を3個以上有する数平均分子量Mnが5000以下のポリオール(A2)を含有していても良い。ポリオール(A2)は、1種類のみであっても良いし、2種類以上であっても良い。ポリオール(A2)の数平均分子量Mnは、好ましくは500〜5000であり、より好ましくは800〜4500であり、さらに好ましくは1000〜4000であり、特に好ましくは1000〜3500であり、最も好ましくは1000〜3000である。ポリオール(A2)の数平均分子量Mnを上記範囲内に調整することにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。ポリオール(A2)の数平均分子量Mnが上記範囲内から外れると、特に、粘着力の経時上昇性が高くなるおそれがあり、優れたリワーク性を発現できなくなるおそれがある。
【0032】
ポリオール(A2)は、好ましくは、OH基を3個有するポリオール(トリオール)、OH基を4個有するポリオール(テトラオール)、OH基を5個有するポリオール(ペンタオール)、OH基を6個有するポリオール(ヘキサオール)である。ポリオール(A2)として、OH基を4個有するポリオール(テトラオール)、OH基を5個有するポリオール(ペンタオール)、OH基を6個有するポリオール(ヘキサオール)の少なくとも1種の合計量は、ポリオール(A)中の含有割合として、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは7重量%以下であり、さらに好ましくは6重量%以下であり、特に好ましくは5重量%以下である。
【0033】
ポリオール(A)中のポリオール(A2)の含有割合は、好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは0重量%〜30重量%である。ポリオール(A)中のポリオール(A2)の含有割合を上記範囲内に調整することにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。
【0034】
ポリオール(A2)中におけるOH基を4個以上有する数平均分子量Mnが5000以下のポリオールの含有割合は、ポリオール(A)全体に対して、好ましくは10重量%未満であり、より好ましくは8重量%以下であり、さらに好ましくは7重量%以下であり、特に好ましくは6重量%以下であり、最も好ましくは5重量%以下である。ポリオール(A2)中におけるOH基を4個以上有する数平均分子量Mnが5000以下のポリオールの含有割合を上記範囲内に調整することにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。ポリオール(A2)中におけるOH基を4個以上有する数平均分子量Mnが5000以下のポリオールの含有割合が上記範囲を外れると、特に、本発明のウレタン系粘着剤が白化しやすくなって透明性が低下するおそれがある。
【0035】
ポリオール(A)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ひまし油系ポリオールなどが挙げられる。本発明においては、ポリオール(A)としては、好ましくはポリエーテルポリオールである。本発明において、ポリオール(A)がポリエーテルポリオールであれば、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。
【0036】
ポリエステルポリオールは、例えば、ポリオール成分と酸成分とのエステル化反応によって得ることができる。
【0037】
ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0038】
酸成分としては、例えば、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、ダイマー酸、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェエルジカルボン酸、これらの酸無水物などが挙げられる。
【0039】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、低分子ポリオール(プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、ジヒドロキシベンゼン(カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンなど)などを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
【0040】
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ε−カプロラクトン、σ−バレーロラクトンなどの環状エステルモノマーの開環重合により得られるカプロラクトン系ポリエステルジオールなどが挙げられる。
【0041】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記ポリオール成分とホスゲンとを重縮合反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分と、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロビル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチル、エチルブチル炭酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジフェニル、炭酸ジベンジル等の炭酸ジエステル類とをエステル交換縮合させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分を2種以上併用して得られる共重合ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとカルボキシル基含有化合物とをエステル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエーテル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとエステル化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとジカルボン酸化合物とを重縮合反応させて得られるポリエステル系ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとアルキレンオキサイドとを共重合させて得られる共重合ポリエーテル系ポリカーボネートポリオール;などが挙げられる。
【0042】
ひまし油系ポリオールとしては、例えば、ひまし油脂肪酸と上記ポリオール成分とを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ひまし油脂肪酸とポリプロピレングリコールとを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。
【0043】
多官能イソシアネート化合物(B)は、1種類のみであっても良いし、2種類以上であっても良い。
【0044】
多官能イソシアネート化合物(B)としては、ウレタン化反応に用い得る任意の適切な多官能イソシアネート化合物を採用し得る。このような多官能イソシアネート化合物(B)としては、例えば、多官能脂肪族系イソシアネート化合物、多官能脂環族系イソシアネート、多官能芳香族系イソシアネート化合物などが挙げられる。
【0045】
多官能脂肪族系イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0046】
多官能脂環族系イソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,3−シクロへキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0047】
多官能芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,2’一ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0048】
多官能イソシアネート化合物(B)としては、上記のような各種多官能イソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体なども挙げられる。また、これらを併用しても良い。
【0049】
多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合は、ポリオール(A)に対して、多官能イソシアネート化合物(B)が、好ましくは5重量%〜60重量%であり、より好ましくは8重量%〜60重量%であり、さらに好ましくは10重量%〜60重量%である。多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合を上記範囲内に調整することにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。
【0050】
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)における、NCO基とOH基の当量比は、NCO基/OH基として、好ましくは1.0〜5.0であり、より好ましくは1.2〜4.0であり、さらに好ましくは1.5〜3.5であり、特に好ましくは1.8〜3.0である。NCO基/OH基の当量比を上記範囲内に調整することにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。
【0051】
触媒(C)は、モル比で(Sn系触媒/Fe系触媒)≦0.3を満足する触媒系である。このような触媒(C)を採用することにより、被着体の白化を十分に抑制できるとともにリワーク性に優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。触媒(C)が、モル比で(Sn系触媒/Fe系触媒)≦0.3を満足する触媒系でない場合、特に、本発明のウレタン系粘着剤が白化しやすくなる。
【0052】
触媒(C)は、Fe系触媒のみである場合と、Sn系触媒とFe系触媒の両方を含む場合とがある。これらいずれの場合であっても、触媒(C)が、モル比で(Sn系触媒/Fe系触媒)≦0.3という特定の比率を満足する触媒系であることにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。本発明においては、好ましくは、触媒(C)は、Sn系触媒とFe系触媒の両方を含む。
【0053】
Sn系触媒としては、例えば、錫を含有する有機金属系化合物が挙げられ、具体的には、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルフィド、トリブチル錫メトキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキシド、トリブチル錫エトキシド、ジオクチル錫オキシド、ジオクチル錫ジラウレート、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫などが挙げられる。
【0054】
Sn系触媒は、1種類のみであっても良いし、2種類以上であっても良い。
【0055】
Fe系触媒としては、例えば、鉄を含有する有機金属系化合物が挙げられ、具体的には、例えば、鉄アセチルアセトネート、2−エチルヘキサン酸鉄などが挙げられる。
【0056】
Fe系触媒は、1種類のみであっても良いし、2種類以上であっても良い。
【0057】
触媒(C)の量は、ポリオール(A)に対して、好ましくは0.0005重量%〜0.5重量%であり、より好ましくは0.001重量%〜0.3重量%であり、さらに好ましくは0.01重量%〜0.1重量%であり、特に好ましくは0.02重量%〜0.08重量%であり、最も好ましくは0.02重量%〜0.06重量%である。触媒(C)の量を上記範囲内に調整することにより、被着体の白化を十分に抑制できるとともにリワーク性に優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。
【0058】
ポリウレタン系樹脂は、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)と触媒(C)を含有する組成物を硬化させて得られる。このような組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)と触媒(C)以外の任意の適切なその他の成分を含み得る。このようなその他の成分としては、例えば、ポリウレタン系樹脂以外の他の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、導電剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤などが挙げられる。
【0059】
ポリウレタン系樹脂は、好ましくは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤といった劣化防止剤を含む。ポリウレタン系樹脂が劣化防止剤を含むことにより、被着体に貼着した後に加温状態で保存しても被着体に糊残りが生じにくいなど、糊残り防止性に優れるようになり得る。劣化防止剤は、1種類のみであっても良いし、2種類以上であっても良い。劣化防止剤として、特に好ましくは、酸化防止剤である。
【0060】
劣化防止剤の含有割合は、ポリオール(A)に対して、好ましくは0.01重量%〜10重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜7重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%〜5重量%であり、特に好ましくは0.1重量%〜3重量%であり、最も好ましくは0.1重量%〜1重量%である。劣化防止剤の含有割合を上記範囲内に調整することによって、被着体に貼着した後に加温状態で保存しても被着体に糊残りがより生じにくいなど、糊残り防止性に一層優れるようになり得る。劣化防止剤の含有割合が少なすぎると、糊残り防止性が十分に発現できなくなるおそれがある。劣化防止剤の含有割合が多すぎると、コスト的に不利になる問題が生じたり、粘着特性が維持できないという問題が生じたり、被着体が汚染されたりするという問題が生じたりするおそれがある。
【0061】
酸化防止剤としては、例えば、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤などが挙げられる。
【0062】
ラジカル連鎖禁止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0063】
過酸化物分解剤としては、例えば、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0064】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
【0065】
モノフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリン−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。
【0066】
ビスフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
【0067】
高分子型フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)トリオン、トコフェノールなどが挙げられる。
【0068】
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
【0069】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイトなどが挙げられる。
【0070】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0071】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタンなどが挙げられる。
【0072】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’,−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、[2(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0073】
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。
【0074】
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
【0075】
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線安定剤などが挙げられる。
【0076】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート]、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートなどを挙げることができる。
【0077】
紫外線安定剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、[2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチレート、ニッケル−ジブチルジチオカーバメート、ベンゾエートタイプのクエンチャー、ニッケル−ジブチルジチオカーバメートなどが挙げられる。
【0078】
ポリウレタン系樹脂は、好ましくは、脂肪酸エステルを含む。ポリウレタン系樹脂が脂肪酸エステルを含むことにより、濡れ速度が向上し得る。脂肪酸エステルは、1種類のみであっても良いし、2種類以上であっても良い。
【0079】
脂肪酸エステルの含有割合は、ポリオール(A)に対して、好ましくは5重量%〜50重量%であり、より好ましくは7重量%〜40重量%であり、さらに好ましくは8重量%〜35重量%であり、特に好ましくは9重量%〜30重量%であり、最も好ましくは10重量%〜35重量%である。脂肪酸エステルの含有割合を上記範囲内に調整することによって、濡れ速度が一層向上し得る。脂肪酸エステルの含有割合が少なすぎると、濡れ速度が十分に向上できないおそれがある。脂肪酸エステルの含有割合が多すぎると、コスト的に不利になる問題が生じたり、粘着特性が維持できないという問題が生じたり、被着体が汚染されたりするという問題が生じたりするおそれがある。
【0080】
脂肪酸エステルの数平均分子量Mnは、好ましくは200〜400であり、より好ましくは210〜395であり、さらに好ましくは230〜380であり、特に好ましくは240〜360であり、最も好ましくは270〜340である。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnを上記範囲内に調整することによって、濡れ速度がより一層向上し得る。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが小さすぎると、添加部数が多くても濡れ速度が向上しないおそれがある。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが大きすぎると、乾燥時の粘着剤の硬化性が悪化し、濡れ特性に留まらずその他粘着特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0081】
脂肪酸エステルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な脂肪酸エステルを採用し得る。このような脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、べへニン酸モノグリセライド、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、メタクリル酸ラウリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル、オレイン酸オクチルなどが挙げられる。
【0082】
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)と触媒(C)を含有する組成物を硬化させてポリウレタン系樹脂を得る方法としては、塊状重合や溶液重合などを用いたウレタン化反応方法など、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法を採用し得る。
【0083】
本発明のウレタン系粘着剤は、上記のようなポリウレタン系樹脂以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を含み得る。このようなその他の成分としては、例えば、ポリウレタン系樹脂以外の他の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤などが挙げられる。
【0084】
本発明のウレタン系粘着剤は、ガラス板に対する粘着力が、ガラス板への貼着直後の初期粘着力として、好ましくは0.5N/25mm以下であり、より好ましくは0.005N/25mm〜0.5N/25mmであり、さらに好ましくは0.005N/25mm〜0.4N/25mmであり、特に好ましくは0.005N/25mm〜0.3N/25mmであり、最も好ましくは0.01N/25mm〜0.2N/25mmである。上記初期粘着力が上記範囲内にあることにより、本発明のウレタン系粘着剤は、適度な初期粘着性を有し、一層優れたリワーク性を発現することが可能となる。なお、上記初期粘着力の測定については、後述する。
【0085】
本発明のウレタン系粘着剤は、ガラス板に対する粘着力が、ガラス板へ貼着して50℃×7日後において、好ましくは0.5N/25mm以下であり、より好ましくは0.005N/25mm〜0.5N/25mmであり、さらに好ましくは0.005N/25mm〜0.4N/25mmであり、特に好ましくは0.005N/25mm〜0.3N/25mmであり、最も好ましくは0.01N/25mm〜0.2N/25mmである。上記粘着力が上記範囲内にあることにより、本発明のウレタン系粘着剤は、一層優れたリワーク性を発現することが可能となる。なお、上記粘着力の測定については、後述する。
【0086】
本発明のウレタン系粘着剤は、ガラス板に対する粘着力が、ガラス板へ貼着して60℃×90%RH×7日後において、好ましくは0.5N/25mm以下であり、より好ましくは0.005N/25mm〜0.5N/25mmであり、さらに好ましくは0.005N/25mm〜0.4N/25mmであり、特に好ましくは0.005N/25mm〜0.3N/25mmであり、最も好ましくは0.01N/25mm〜0.2N/25mmである。上記粘着力が上記範囲内にあることにより、本発明のウレタン系粘着剤は、一層優れたリワーク性を発現することが可能となる。なお、上記粘着力の測定については、後述する。
【0087】
本発明のウレタン系粘着剤は、ガラス板に対する粘着力が、ガラス板へ貼着して85℃×7日後において、好ましくは0.5N/25mm以下であり、より好ましくは0.005N/25mm〜0.5N/25mmであり、さらに好ましくは0.005N/25mm〜0.4N/25mmであり、特に好ましくは0.005N/25mm〜0.3N/25mmであり、最も好ましくは0.01N/25mm〜0.2N/25mmである。上記粘着力が上記範囲内にあることにより、本発明のウレタン系粘着剤は、一層優れたリワーク性を発現することが可能となる。なお、上記粘着力の測定については、後述する。
【0088】
本発明のウレタン系粘着剤は、ガラス板に対する粘着力が、ガラス板への貼着直後、ガラス板へ貼着して50℃×7日後、60℃×90%RH×7日後、85℃×7日後のいずれにおいても、好ましくは0.5N/25mm以下であり、より好ましくは0.005N/25mm〜0.5N/25mmであり、さらに好ましくは0.005N/25mm〜0.4N/25mmであり、特に好ましくは0.005N/25mm〜0.3N/25mmであり、最も好ましくは0.01N/25mm〜0.2N/25mmである。上記粘着力が上記範囲内にあることにより、本発明のウレタン系粘着剤は、一層優れたリワーク性を発現することが可能となる。
【0089】
本発明のウレタン系粘着剤は、透明性が高いことが好ましい。本発明のウレタン系粘着剤の透明性が高いことにより、光学部材や電子部材の表面に貼着した状態で正確に検査などを行うことが可能となる。本発明のウレタン系粘着剤は、ヘイズが、好ましくは5%以下であり、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは2%以下であり、最も好ましくは1%以下である。
【0090】
≪B.表面保護フィルム≫
本発明の表面保護フィルムは、光学部材や電子部材の表面保護に好ましく用いられる表面保護フィルムである。本発明の表面保護フィルムは、基材層と粘着剤層とを有し、該粘着剤層が、本発明のウレタン系粘着剤を含む。
【0091】
図1は、本発明の好ましい実施形態による表面保護フィルムの概略断面図である。表面保護フィルム10は、基材層1と粘着剤層2を備える。本発明の表面保護フィルムは、必要に応じて、任意の適切な他の層をさらに有していてもよい(図示せず)。
【0092】
基材層1の粘着剤層2を付設しない面に対しては、巻戻しが容易な巻回体の形成などを目的として、例えば、基材層に、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミン、長鎖アルキル系添加剤等を添加して離型処理を行ったり、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの任意の適切な剥離剤からなるコート層を設けたりすることができる。
【0093】
本発明の表面保護フィルムは、離型性を有する剥離ライナーが貼り合わせられていても構わない。
【0094】
本発明の表面保護フィルムの厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定し得る。本発明の効果を十分に発現するための観点から、好ましくは10μm〜300μmであり、より好ましくは15μm〜250μmであり、さらに好ましくは20μm〜200μmであり、特に好ましくは25μm〜150μmである。
【0095】
本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層のガラス板に対する粘着力が、ガラス板への貼着直後の初期粘着力として、好ましくは0.5N/25mm以下であり、より好ましくは0.005N/25mm〜0.5N/25mmであり、さらに好ましくは0.005N/25mm〜0.4N/25mmであり、特に好ましくは0.005N/25mm〜0.3N/25mmであり、最も好ましくは0.01N/25mm〜0.2N/25mmである。上記初期粘着力が上記範囲内にあることにより、本発明の表面保護フィルムは、適度な初期粘着性を有し、一層優れたリワーク性を発現することが可能となる。なお、上記初期粘着力の測定については、後述する。
【0096】
本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層のガラス板に対する粘着力が、ガラス板へ貼着して50℃×7日後において、好ましくは0.5N/25mm以下であり、より好ましくは0.005N/25mm〜0.5N/25mmであり、さらに好ましくは0.005N/25mm〜0.4N/25mmであり、特に好ましくは0.005N/25mm〜0.3N/25mmであり、最も好ましくは0.01N/25mm〜0.2N/25mmである。上記粘着力が上記範囲内にあることにより、本発明の表面保護フィルムは、一層優れたリワーク性を発現することが可能となる。なお、上記粘着力の測定については、後述する。
【0097】
本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層のガラス板に対する粘着力が、ガラス板へ貼着して60℃×90%RH×7日後において、好ましくは0.5N/25mm以下であり、より好ましくは0.005N/25mm〜0.5N/25mmであり、さらに好ましくは0.005N/25mm〜0.4N/25mmであり、特に好ましくは0.005N/25mm〜0.3N/25mmであり、最も好ましくは0.01N/25mm〜0.2N/25mmである。上記粘着力が上記範囲内にあることにより、本発明の表面保護フィルムは、一層優れたリワーク性を発現することが可能となる。なお、上記粘着力の測定については、後述する。
【0098】
本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層のガラス板に対する粘着力が、ガラス板へ貼着して85℃×7日後において、好ましくは0.5N/25mm以下であり、より好ましくは0.005N/25mm〜0.5N/25mmであり、さらに好ましくは0.005N/25mm〜0.4N/25mmであり、特に好ましくは0.005N/25mm〜0.3N/25mmであり、最も好ましくは0.01N/25mm〜0.2N/25mmである。上記粘着力が上記範囲内にあることにより、本発明の表面保護フィルムは、一層優れたリワーク性を発現することが可能となる。なお、上記粘着力の測定については、後述する。
【0099】
本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層のガラス板に対する粘着力が、ガラス板への貼着直後、ガラス板へ貼着して50℃×7日後、60℃×90%RH×7日後、85℃×7日後のいずれにおいても、好ましくは0.5N/25mm以下であり、より好ましくは0.005N/25mm〜0.5N/25mmであり、さらに好ましくは0.005N/25mm〜0.4N/25mmであり、特に好ましくは0.005N/25mm〜0.3N/25mmであり、最も好ましくは0.01N/25mm〜0.2N/25mmである。上記粘着力が上記範囲内にあることにより、本発明の表面保護フィルムは、一層優れたリワーク性を発現することが可能となる。
【0100】
本発明の表面保護フィルムは、透明性が高いことが好ましい。本発明の表面保護フィルムの透明性が高いことにより、光学部材や電子部材の表面に貼着した状態で正確に検査などを行うことが可能となる。本発明の表面保護フィルムは、ヘイズが、好ましくは5%以下であり、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは2%以下であり、最も好ましくは1%以下である。
【0101】
<B−1.粘着剤層>
粘着剤層は、本発明のウレタン系粘着剤を含む。粘着剤層中の本発明のウレタン系粘着剤の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは98重量%〜100重量%である。粘着剤層中の本発明のウレタン系粘着剤の含有割合を上記範囲内に調整することにより、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。
【0102】
粘着剤層の厚みとしては、用途に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm〜100μmであり、より好ましくは3μm〜50μmであり、さらに好ましくは5μm〜30μmである。
【0103】
粘着剤層は、任意の適切な製造方法によって製造し得る。このような製造方法としては、例えば、粘着剤層の形成材料である組成物を基材層上に塗布し、基材層上において粘着剤層を形成する方法が挙げられる。このような塗布の方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコートなどが挙げられる。
【0104】
<B−2.基材層>
基材層の厚みとしては、用途に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。基材層の厚みは、好ましくは5μm〜300μmであり、より好ましくは10μm〜250μmであり、さらに好ましくは15μm〜200μmであり、特に好ましくは20μm〜150μmである。
【0105】
基材層は、単層でも良いし、2層以上の積層体であっても良い。基材層は、延伸されたものであっても良い。
【0106】
基材層の材料としては、用途に応じて、任意の適切な材料を採用し得る。例えば、プラスチック、紙、金属フィルム、不織布などが挙げられる。好ましくは、プラスチックである。基材層は、1種の材料から構成されていても良いし、2種以上の材料から構成されていても良い。例えば、2種以上のプラスチックから構成されていても良い。
【0107】
上記プラスチックとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、オレフィンモノマーの単独重合体、オレフィンモノマーの共重合体などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、例えば、ホモポリプロピレン;エチレン成分を共重合成分とするブロック系、ランダム系、グラフト系等のプロピレン系共重合体;リアクターTPO;低密度、高密度、リニア低密度、超低密度等のエチレン系重合体;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合体;などが挙げられる。
【0108】
基材層は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。基材層に含有され得る添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、充填剤、顔料などが挙げられる。基材層に含有され得る添加剤の種類、数、量は、目的に応じて適切に設定され得る。特に、基材層の材料がプラスチックの場合は、劣化防止等を目的として、上記の添加剤のいくつかを含有することが好ましい。耐候性向上等の観点から、添加剤として特に好ましくは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤が挙げられる。
【0109】
酸化防止剤としては、任意の適切な酸化防止剤を採用し得る。このような酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系加工熱安定剤、ラクトン系加工熱安定剤、イオウ系耐熱安定剤、フェノール・リン系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤の含有割合は、基材層のベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは1重量%以下であり、より好ましくは0.5重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜0.2重量%である。
【0110】
紫外線吸収剤としては、任意の適切な紫外線吸収剤を採用し得る。このような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは2重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜0.5重量%である。
【0111】
光安定剤としては、任意の適切な光安定剤を採用し得る。このような光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾエート系光安定剤などが挙げられる。光安定剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは2重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜0.5重量%である。
【0112】
充填剤としては、任意の適切な充填剤を採用し得る。このような充填剤としては、例えば、無機系充填剤などが挙げられる。無機系充填剤としては、具体的には、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。充填剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜10重量%である。
【0113】
さらに、添加剤としては、帯電防止性付与を目的として、界面活性剤、無機塩、多価アルコール、金属化合物、カーボン等の無機系、低分子量系および高分子量系帯電防止剤も好ましく挙げられる。特に、汚染、粘着性維持の観点から、高分子量系帯電防止剤やカーボンが好ましい。
【0114】
<B−3.表面保護フィルムの製造方法>
本発明の表面保護フィルムは、任意の適切な方法により製造することができる。このような製造方法としては、例えば、
(1)粘着剤層の形成材料(例えば、本発明のウレタン系粘着剤の原料である、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)と触媒(C)を含有する組成物)の溶液や熱溶融液を基材層上に塗布する方法、
(2)それに準じ、セパレーター状に塗布、形成した粘着剤層を基材層上に移着する方法、
(3)粘着剤層の形成材料を基材層上に押出して形成塗布する方法、
(4)基材層と粘着剤層を二層または多層にて押出しする方法、
(5)基材層上に粘着剤層を単層ラミネートする方法またはラミネート層とともに粘着剤層を二層ラミネートする方法、
(6)粘着剤層とフィルムやラミネート層等の基材層形成材料とを二層または多層ラミネートする方法、
などの、任意の適切な製造方法に準じて行うことができる。
【0115】
≪C.用途≫
本発明のウレタン系粘着剤は、任意の適切な用途に用い得る。好ましくは、本発明のウレタン系粘着剤は、被着体の白化をより十分に抑制できるとともにリワーク性により優れているので、表面保護フィルムの粘着剤層として用いることにより、該表面保護フィルムは光学部材や電子部材の表面保護に好適に用いることができる。
【0116】
本発明の表面保護フィルムが貼着された光学部材や電子部材は、手作業で何度も貼り合わせ・剥離を行うことが可能である。
【実施例】
【0117】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。なお、「部」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量部」を意味し、「%」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量%」を意味する。
【0118】
<ガラス板に対する初期粘着力の測定>
表面保護フィルムを、幅25mm、長さ150mmに切断し、評価用サンプルとした。
温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、評価用サンプルの粘着剤層面をガラス板(松浪硝子工業株式会社製、商品名:マイクロスライドガラスS)に、2.0kgローラー1往復により貼り付けた。温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で30分間養生した後、万能引張試験機(ミネベア株式会社製、製品名:TCM−1kNB)を用い、剥離角度180°、引っ張り速度300mm/minで剥離し、粘着力を測定した。
【0119】
<ガラス板に対する50℃×7日後の粘着力の測定>
ガラス板に対する初期粘着力と同様の方法で評価用サンプルを作製し、温度50℃、湿度50%RHにおいて7日間保存した後の粘着力を、初期粘着力と同様の方法で測定した。
【0120】
<ガラス板に対する60℃×90%RH×7日後の粘着力の測定>
ガラス板に対する初期粘着力と同様の方法で評価用サンプルを作製し、温度60℃、湿度90%RHにおいて7日間保存した後の粘着力を、初期粘着力と同様の方法で測定した。
【0121】
<ガラス板に対する85℃×7日後の粘着力の測定>
ガラス板に対する初期粘着力と同様の方法で評価用サンプルを作製し、温度85℃、湿度50%RHにおいて7日間保存した後の粘着力を、初期粘着力と同様の方法で測定した。
【0122】
<被着体の白化確認>
表面保護フィルムを、幅25mm、長さ150mmに切断し、評価用サンプルとした。
温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、評価用サンプルの粘着剤層面をガラス板(松浪硝子工業株式会社製、商品名:マイクロスライドガラスS)に、2.0kgローラー1往復により貼り付けた。温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で24時間養生した後、貼り付けた表面保護フィルムを剥離し、暗室にて透過もしくは反射による目視によって、表面保護フィルムが貼り付けられていたガラス板の表面の白化の有無を確認した。
【0123】
〔実施例1〕
ポリオール(A)として、OH基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子株式会社製、Mn=10000):85重量部、OH基を3個有するポリオールであるサンニックスGP−3000(三洋化成株式会社製、Mn=3000):13重量部、OH基を3個有するポリオールであるサンニックスGP−1000(三洋化成株式会社製、Mn=1000):2重量部を用い、多官能イソシアネート化合物(B)として3官能脂環族系イソシアネート化合物であるコロネートHX(日本ポリウレタン工業株式会社製、Mn=504):18重量部、触媒(C)としてナーセム第2鉄(鉄アセチルアセトネート、日本化学産業株式会社製):0.04重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF製):0.50重量部、希釈溶剤として酢酸エチル:210重量部を配合し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系粘着剤組成物を得た。得られたウレタン系粘着剤組成物を、ポリエステル樹脂からなる基材「ルミラーS10」(厚み38μm、東レ社製)にファウンテンロールで乾燥後の厚みが12μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間2分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上にウレタン系粘着剤(1)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(1)を得た。
評価結果を表1に示した。
【0124】
〔実施例2〕
ウレタン系粘着剤組成物の成分として、脂肪酸エステル(パルミチン酸イソプロピル、花王株式会社製、商品名:エキセパールIPP、Mn=299):30重量部を加えた以外は、実施例1と同様に行い、基材上にウレタン系粘着剤(2)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(2)を得た。
評価結果を表1に示した。
【0125】
〔実施例3〕
ウレタン系粘着剤組成物の成分として、触媒(C)として、ナーセム第2鉄(鉄アセチルアセトネート、日本化学産業株式会社製):0.04重量部とエンビライザーOL−1(ジオクチル錫ジラウレート系触媒、東京ファインケミカル株式会社製):0.005重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行い、基材上にウレタン系粘着剤(3)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0.06であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(3)を得た。
評価結果を表1に示した。
【0126】
〔実施例4〕
ウレタン系粘着剤組成物の成分として、触媒(C)として、ナーセム第2鉄(鉄アセチルアセトネート、日本化学産業株式会社製):0.04重量部とエンビライザーOL−1(ジオクチル錫ジラウレート系触媒、東京ファインケミカル株式会社製):0.005重量部を用いた以外は、実施例2と同様に行い、基材上にウレタン系粘着剤(4)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0.06であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(4)を得た。
評価結果を表1に示した。
【0127】
〔実施例5〕
ウレタン系粘着剤組成物の成分として、触媒(C)として、ナーセム第2鉄(鉄アセチルアセトネート、日本化学産業株式会社製):0.04重量部とエンビライザーOL−1(ジオクチル錫ジラウレート系触媒、東京ファインケミカル株式会社製):0.01重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行い、基材上にウレタン系粘着剤(5)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0.12であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(5)を得た。
評価結果を表2に示した。
【0128】
〔実施例6〕
ウレタン系粘着剤組成物の成分として、触媒(C)として、ナーセム第2鉄(鉄アセチルアセトネート、日本化学産業株式会社製):0.04重量部とエンビライザーOL−1(ジオクチル錫ジラウレート系触媒、東京ファインケミカル株式会社製):0.01重量部を用いた以外は、実施例2と同様に行い、基材上にウレタン系粘着剤(6)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0.12であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(6)を得た。
評価結果を表2に示した。
【0129】
〔実施例7〕
ウレタン系粘着剤組成物の成分として、触媒(C)として、ナーセム第2鉄(鉄アセチルアセトネート、日本化学産業株式会社製):0.04重量部とエンビライザーOL−1(ジオクチル錫ジラウレート系触媒、東京ファインケミカル株式会社製):0.02重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行い、基材上にウレタン系粘着剤(7)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0.24であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(7)を得た。
評価結果を表2に示した。
【0130】
〔実施例8〕
ウレタン系粘着剤組成物の成分として、触媒(C)として、ナーセム第2鉄(鉄アセチルアセトネート、日本化学産業株式会社製):0.04重量部とエンビライザーOL−1(ジオクチル錫ジラウレート系触媒、東京ファインケミカル株式会社製):0.02重量部を用いた以外は、実施例2と同様に行い、基材上にウレタン系粘着剤(8)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0.24であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(8)を得た。
評価結果を表2に示した。
【0131】
〔比較例1〕
ウレタン系粘着剤組成物の成分として、触媒(C)として、ナーセム第2鉄(鉄アセチルアセトネート、日本化学産業株式会社製):0.04重量部とエンビライザーOL−1(ジオクチル錫ジラウレート系触媒、東京ファインケミカル株式会社製):0.04重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行い、基材上にウレタン系粘着剤(C1)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0.47であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C1)を得た。
評価結果を表3に示した。
【0132】
〔比較例2〕
ウレタン系粘着剤組成物の成分として、触媒(C)として、ナーセム第2鉄(鉄アセチルアセトネート、日本化学産業株式会社製):0.04重量部とエンビライザーOL−1(ジオクチル錫ジラウレート系触媒、東京ファインケミカル株式会社製):0.04重量部を用いた以外は、実施例2と同様に行い、基材上にウレタン系粘着剤(C2)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0.47であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C2)を得た。
評価結果を表3に示した。
【0133】
〔比較例3〕
ウレタン系粘着剤組成物の成分として、触媒(C)として、ナーセム第2鉄(鉄アセチルアセトネート、日本化学産業株式会社製):0.04重量部とエンビライザーOL−1(ジオクチル錫ジラウレート系触媒、東京ファインケミカル株式会社製):0.08重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行い、基材上にウレタン系粘着剤(C3)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0.95であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C3)を得た。
評価結果を表3に示した。
【0134】
〔比較例4〕
ウレタン系粘着剤組成物の成分として、触媒(C)として、ナーセム第2鉄(鉄アセチルアセトネート、日本化学産業株式会社製):0.04重量部とエンビライザーOL−1(ジオクチル錫ジラウレート系触媒、東京ファインケミカル株式会社製):0.08重量部を用いた以外は、実施例2と同様に行い、基材上にウレタン系粘着剤(C4)からなる粘着剤層を作製した。
触媒(C)における(Sn系触媒/Fe系触媒)のモル比は0.95であった。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなる基材のシリコーン処理面を貼合せて、表面保護フィルム(C4)を得た。
評価結果を表3に示した。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
【表3】
【0138】
〔実施例9〕
実施例1で得られた表面保護フィルム(1)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
【0139】
〔実施例10〕
実施例2で得られた表面保護フィルム(2)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
【0140】
〔実施例11〕
実施例3で得られた表面保護フィルム(3)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
【0141】
〔実施例12〕
実施例4で得られた表面保護フィルム(4)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
【0142】
〔実施例13〕
実施例5で得られた表面保護フィルム(5)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
【0143】
〔実施例14〕
実施例6で得られた表面保護フィルム(6)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
【0144】
〔実施例15〕
実施例7で得られた表面保護フィルム(7)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
【0145】
〔実施例16〕
実施例8で得られた表面保護フィルム(8)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
【0146】
〔実施例17〕
実施例1で得られた表面保護フィルム(1)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
【0147】
〔実施例18〕
実施例2で得られた表面保護フィルム(2)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
【0148】
〔実施例19〕
実施例3で得られた表面保護フィルム(3)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
【0149】
〔実施例20〕
実施例4で得られた表面保護フィルム(4)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
【0150】
〔実施例21〕
実施例5で得られた表面保護フィルム(5)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
【0151】
〔実施例22〕
実施例6で得られた表面保護フィルム(6)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
【0152】
〔実施例23〕
実施例7で得られた表面保護フィルム(7)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
【0153】
〔実施例24〕
実施例8で得られた表面保護フィルム(8)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。