特許第6247937号(P6247937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247937
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】車両用充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20171204BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   H02J7/00 301B
   H02J7/00 P
   B60L11/18 C
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-4657(P2014-4657)
(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2015-133850(P2015-133850A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(74)【代理人】
【識別番号】100192474
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 健次
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(72)【発明者】
【氏名】間宮 啓貴
(72)【発明者】
【氏名】高橋 公嗣
(72)【発明者】
【氏名】田澤 和俊
【審査官】 桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−240053(JP,A)
【文献】 特開2011−109879(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0169447(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 − 7/12
H02J 7/34 − 7/36
B60L 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体内に充電器を内蔵する装置本体と、
該装置本体から延出する充電用ケーブルと、
該充電用ケーブルの先端に設けられて車両のコネクタに着脱可能な充電用コネクタと、
前記筺体の下部から下方へ向かって延在されて前記充電用ケーブルを保持可能なフックと、
を備え、
前記フックは、金属板からなるフック固定金具を介して前記筺体に固定され、
前記装置本体は、アース端子を含む端子台を有し、
前記フック固定金具と前記アース端子とが、前記フック固定金具よりも剛性が低い導電性部材で接続されている
ことを特徴とする車両用充電装置。
【請求項2】
前記導電性部材は、電線からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用充電装置。
【請求項3】
前記導電性部材は、バネからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用充電装置。
【請求項4】
前記フック固定金具は、前記フックの延在方向に沿って配置され、少なくとも三箇所で前記筺体にネジ止め固定され、
前記フック固定金具が前記筺体にネジ止め固定される少なくとも三箇所は、該三箇所を結んで形成される形状が三角形となる位置にある
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車等の車両に搭載されたバッテリを充電する際に用いられる車両用充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動モータの駆動力で走行可能な電気自動車やプラグインハイブリッド自動車等の車両の普及に伴い、この車両に搭載されたバッテリへ充電する車両用充電装置の普及が求められている。
【0003】
この車両用充電装置としては、家側や駐車場の壁面等の設置面に固定される装置本体の下部に充電用ケーブルを保持するフックを備え、このフックに巻き付けて保持させた充電用ケーブルをフックから外し、充電用ケーブルの先端に設けられた充電用コネクタを車両のコネクタに接続して充電を行うものが知られている(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−70589号公報
【特許文献2】特開2011−50125号公報
【特許文献3】特開2012−213285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両用充電装置のなかには、安全性確保のためにフックを装置本体に設けられた端子台のアース端子に剛性の高いバスバーを介して導通接続したものがある。このような車両用充電装置の場合、車両のバッテリへの充電作業中に、フックに保持した充電用ケーブルが引っ張られたりしてフックに無理な力が作用したり振動が加わると、フックに接続されたバスバーが端子台に固定されているために、フックへの衝撃や振動がバスバーを伝搬して端子台に伝わってしまう。このため、端子台の固定ねじの緩みや端子台そのものを破損してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、充電用ケーブルの保持用のフックに無理な力が作用したり振動が加わっても、端子台の固定ねじの緩みや端子台そのものの損傷を抑制することができる車両用充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る車両用充電装置は、下記(1)〜(4)を特徴としている。
(1) 筺体内に充電器を内蔵する装置本体と、
該装置本体から延出する充電用ケーブルと、
該充電用ケーブルの先端に設けられて車両のコネクタに着脱可能な充電用コネクタと、
前記筺体の下部から下方へ向かって延在されて前記充電用ケーブルを保持可能なフックと、
を備え、
前記フックは、金属板からなるフック固定金具を介して前記筺体に固定され、
前記装置本体は、アース端子を含む端子台を有し、
前記フック固定金具と前記アース端子とが、前記フック固定金具よりも剛性が低い導電性部材で接続されている
ことを特徴とする車両用充電装置。
(2) 前記導電性部材は、電線からなる
ことを特徴とする上記(1)に記載の車両用充電装置。
(3) 前記導電性部材は、バネからなる
ことを特徴とする上記(1)に記載の車両用充電装置。
(4) 前記フック固定金具は、前記フックの延在方向に沿って配置され、少なくとも三箇所で前記筺体にネジ止め固定され、
前記フック固定金具が前記筺体にネジ止め固定される少なくとも三箇所は、該三箇所を結んで形成される形状が三角形となる位置にある
ことを特徴とする上記(1)から(3)のいずれか1項に記載の車両用充電装置。
【0008】
上記(1)の構成の車両用充電装置では、フック固定金具を介してフックがアース端子に導通されて接地されるので、フックへの漏電が防止されて安全性が確保される。また、フック固定金具とアース端子とは、フック固定金具よりも剛性が低い導電性部材で接続されているので、フックに外力や振動が作用しても、剛性の低い導電性部材により、外力及び振動を吸収することで、装置本体の端子台のアース端子の緩みや端子台の損傷を防止することができる。
上記(2)の構成の車両用充電装置では、電線からなる導電性部材によってフック固定金具とアース端子とを良好に導通させることができる。また、フックに外力や振動が作用してフック固定金具が変形したり、フック固定金具が筺体から外れたとしても、電線が円滑に変形または破断するので、装置本体の端子台の損傷を防止することができる。
上記(3)の構成の車両用充電装置では、バネからなる導電性部材によってフック固定金具とアース端子とを良好に導通させることができる。また、フックに外力や振動が作用しても、バネからなる導電性部材により、外力及び振動を吸収することで、装置本体の端子台のアース端子の緩みや端子台の損傷を防止することができる。
上記(4)の構成の車両用充電装置では、フック固定金具によって装置本体の筺体に対してフックを十分な強度で安定した状態に固定することができる。また、充電作業中に充電用ケーブルが引っ張られるなどによりフックに大きな外力や振動が作用しても、その外力や振動がフック固定金具に伝わり、フックの延在方向及び延在方向と直交する方向へずらされたベースとの少なくとも三箇所での固定箇所に分散される。このときベース下方の2つの孔は、水平に位置しないように設けることで、フックに外力が加わった際、てこの原理によりねじに加わる外力が緩和される。したがって、ベースの2箇所を水平に固定した場合と比較して、外力によるベースのねじの緩みを防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、充電用ケーブルの保持用のフックに無理な力が作用したり、振動が加わっても、端子台のアース端子の緩みや端子台の損傷を抑制することができる車両用充電装置を提供できる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態に係る車両用充電装置の斜視図である。
図2図2は、装置本体の分解斜視図である。
図3図3は、ベースの斜視図である。
図4図4(a)から図4(c)は、ベースの構造を説明する図であって、図4(a)は正面図、図4(b)は側断面図、図4(c)は側面図である。
図5図5は、ベースの下部における正面図である。
図6図6は、ベースの下部における斜視図である。
図7図7は、カバーを取り外した状態の装置本体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用充電装置の斜視図である。図2は、装置本体の分解斜視図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る車両用充電装置10は、装置本体11と、充電用ケーブル12と、充電用コネクタ13とを有している。この車両用充電装置10は、電動モータの駆動力で走行可能な電気自動車やプラグインハイブリッド自動車等の車両に搭載されたバッテリへ充電する充電装置である。
【0014】
装置本体11は、例えば、一般住宅などの家側や駐車場における壁面等の設置面に固定される。装置本体11は、充電器32を内蔵しており、前面には、充電状態等を表示するモニタ部15を有している。充電用ケーブル12は、装置本体11の下部から延出しており、充電用コネクタ13は、充電用ケーブル12の先端に設けられている。
【0015】
装置本体11は、コネクタ保持部16を有しており、このコネクタ保持部16に充電用コネクタ13が保持される。車両のバッテリへの充電時には、充電用コネクタ13を装置本体11のコネクタ保持部16から取り外して車両のコネクタへ接続する。車両のバッテリへの充電終了後は、充電用コネクタ13を車両のコネクタから外して装置本体11のコネクタ保持部16に保持させる。
【0016】
装置本体11は、筺体31と、この筺体31の内部に収容された制御装置等を含む充電器32とを有している。この充電器32の下部に、充電用ケーブル12の基端が接続されている。
【0017】
この車両用充電装置10では、充電用コネクタ13を車両のコネクタに接続した状態で、装置本体11の充電器32から充電用ケーブル12を介して車両側へ給電される。これにより、車両のバッテリが充電される。
【0018】
車両用充電装置10の装置本体11は、第1保持部21と、第2保持部22とを有している。これらの第1保持部21及び第2保持部22は、いずれも充電用ケーブル12が保持可能とされている。
【0019】
第1保持部21は、フック23からなるもので、装置本体11の下部に設けられている。このフック23は、例えば、ステンレス等の金属製の一本の棒材を中央で屈曲させることでU字状に形成し、さらに、先端を折り返すように屈曲させて側面視J字状に形成したもので、この折り返し部分が係止部24とされている。フック23は、装置本体11を構成する筺体31の下端部に固定されている。このフック23は、筺体31との固定箇所から下方へ延在され、係止部24が装置本体11の前方側に向けて配置されている。そして、フック23の係止部24に、充電用ケーブル12を係止させることで充電用ケーブル12が保持される。
【0020】
図3は、ベースの斜視図である。図4(a)から図4(c)は、ベースの構造を説明する図であって、図4(a)は正面図、図4(b)は側断面図、図4(c)は側面図である。図5は、ベースの下部における正面図である。図6は、ベースの下部における斜視図である。
【0021】
図3及び図4(a)〜図4(c)に示すように、ベース33は、設置面71に固定される底板部41と、底板部41の周縁に立設された周壁42とを有している。また、このベース33には、その上部に、前述の第2保持部22となる溝部26が形成されている。
【0022】
底板部41には、複数の固定部43が設けられており、これらの固定部43へ挿し込んだネジ44を設置面71へねじ込むことで、ベース33が設置面71に固定される。なお、ベース33のネジ44による設置面71への固定は、設置面71への固定強度が十分に得られれば、必ずしも全ての固定部43で行う必要はない。
【0023】
図5及び図6に示すように、ベース33は、その下部に、例えば、ステンレス等の金属製の金属板からなるフック固定金具45がネジ46によって固定されている。このフック固定金具45は、金具本体45aと、この金具本体45aから上方へ延在する延在部45bとを有している。フック固定金具45は、フック23の延在方向である上下方向に沿って配置されている。
【0024】
フック固定金具45の金具本体45aには、その下端部に、金具本体45aに対して屈曲されて立設された二つのフック固定部47が設けられており、これらのフック固定部47に、フック23の端部がナット48によって締結固定されている。また、フック固定金具45の延在部45bには、金具本体45aと反対側の端部に、側方へ突出するアース線接続片45cが形成されている。
【0025】
フック固定金具45には、ネジ挿通孔45dが三箇所に形成されている(図3参照)。二箇所のネジ挿通孔45dは、金具本体45aに形成されており、一箇所のネジ挿通孔45dは、延在部45bに形成されている。また、ベース33の底板部41には、フック固定金具45のネジ挿通孔45dに対応する三箇所にネジ孔41aが形成されている(図4(a)参照)。
【0026】
フック固定金具45は、ネジ挿通孔45dに挿し込んだネジ46を、ベース33の底板部41のネジ孔41aへねじ込むことで、底板部41に固定される。これにより、このフック固定金具45は、金具本体45aの二箇所と延在部45bの一箇所でネジ46によってベース33に固定される。これらのネジ46による固定箇所は、任意の2つの固定箇所がフック23の延在方向及び延在方向と直交する方向に対して交差するように設けられている。具体的には、ベース33の底板部41において、任意の2つの固定箇所が上下方向及び左右方向に交差するように、正面視で三角形の頂点位置になるよう配置されている。これにより、充電用ケーブル12が引っ張られてフック23に大きな外力が作用しても、その外力がフック固定金具45に伝わり、ベース33との三箇所での固定箇所に分散される。このように、フック23は、フック固定金具45を介してベース33に十分な強度で固定される。
【0027】
また、ベース33の下部には、通線口49が形成されている。この通線口49には、設置面から延びる給電線61が導入される。給電線61は、コルゲートチューブ62に通されており、コルゲートチューブ62の端部が通線口49に挿し込まれて固定されている。充電器32は、複数の端子65を有する端子台66を備えている。給電線61及びアース線67は、端子台66の端子65に締結固定されている。端子65のうちの一つはアース端子65aであり、このアース端子65aには、給電線61のうちのグランド線61aが接続されている。
【0028】
また、このアース端子65aには、アース線(導電性部材)67の一端が、グランド線61aとともに共締めされて導通接続されている。アース線67は、導体を絶縁被覆した一般的な電線であり、フック固定金具45よりも十分に剛性が低いものである。このアース線67は、その他端が、フック固定金具45のアース線接続片45cに導通接続されている。これにより、フック固定金具45は、アース線67によってアース端子65aに導通され、よって、フック23は、フック固定金具45を介してアース端子65aに導通されて接地される。これにより、フック23への漏電が防止されて安全性が確保される。
【0029】
図7は、カバーを取り外した状態の装置本体の斜視図である。
図7に示すように、ベース33には、その前面側から充電器32が嵌め込まれて装着される。また、ベース33における下部には、ネジ51によって防水カバー52がネジ止め固定され、この防水カバー52によって、端子台66、給電線61、アース線67、フック固定金具45のアース線接続片45cなどの配線箇所が覆われて防水される。そして、このベース33に対して、その前方側からカバー34を装着することで、ベース33とカバー34とからなる筺体31の内部に充電器32が収容された状態となる。
【0030】
上記の車両用充電装置10は、装置本体11に、フック23からなる第1保持部21と溝部26からなる第2保持部22とを有している。したがって、この車両用充電装置10では、充電用ケーブル12の基端側を、フック23からなる第1保持部21に巻回して係止し、充電用ケーブル12の先端側を、溝部26からなる第2保持部22へ保持させておくことができる。第2保持部22には、車両のコネクタが車両用充電装置10に近い位置に配置された状態で、車両のコネクタに充電用コネクタ13が十分に届く長さ(例えば、2m程度)の充電用ケーブル12を保持させておく。
【0031】
上記の車両用充電装置10では、コネクタ保持部16から充電用コネクタ13を外すとともに充電用ケーブル12を第2保持部22から外し、充電用コネクタ13を車両のコネクタに接続して車両のバッテリへの充電を行う。また、車両のコネクタが車両用充電装置10から遠く離れた位置に配置される場合は、充電用ケーブル12を、第2保持部22から外し、さらに、第1保持部21から外す。このようにすると、充電用コネクタ13を車両用充電装置10から遠く離れた位置に配置された車両のコネクタへ届かせて接続することができる。
【0032】
以上、説明したように、本実施形態に係る車両用充電装置によれば、フック固定金具45を介してフック23がアース端子65aに導通されて接地されるので、フック23への漏電が防止されて安全性が確保される。また、フック固定金具45とアース端子65aとは、フック固定金具45よりも剛性が低い電線からなるアース線67で接続されているので、フック23に外力や振動が作用しても、剛性の低い導電性部材により、外力及び振動を吸収することで、装置本体11の端子台66のアース端子65aの緩み(すなわち、アース端子65aを端子台66の端子65に締結固定するねじの緩み)や端子台66の損傷を防止することができる。
【0033】
なお、上記実施形態では、フック固定金具45のアース線接続片45cと端子台66のアース端子65aとを導通接続する導電性部材として電線を用いたが、この導電性部材として導電性を有するバネを用いても良い。バネからなる導電性部材を用いた場合も、フック固定金具45とアース端子65aとを良好に導通させることができ、また、フック23に外力や振動が作用しても、バネからなる導電性部材により、外力及び振動を吸収することで、装置本体11の端子台66のアース端子65aの緩み(すなわち、アース端子65aを端子台66の端子65に締結固定するねじの緩み)や端子台66の損傷を防止することができる。
【0034】
また、上記実施形態では、フック固定金具45を三箇所でベース33に固定したが、フック固定金具45の固定箇所は、四箇所以上でも良い。この場合において、任意の三箇所が正面視で三角形の頂点位置になるよう配置されていればよい。
【0035】
また、上記実施形態では、フック固定金具45によって装置本体11の筺体31に対してフック23を十分な強度で安定した状態に固定することができる。また、充電作業中に充電用ケーブル12が引っ張られるなどによりフック23に大きな外力や振動が作用しても、その外力や振動がフック固定金具45に伝わり、ベース33との三箇所の固定箇所に分散される。このときベース下方の2つの孔は、水平に位置しないように設けることで、フックに外力が加わった際、てこの原理によりねじに加わる外力が緩和される。したがって、ベース33の2箇所を水平に固定した場合と比較して、筺体31や端子台66などの部品の外力によるねじの緩みや損傷を防止することができる。
【0036】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0037】
ここで、上述した本発明に係る車両用充電装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下(1)〜(4)に簡潔に纏めて列記する。
(1) 筺体(31)内に充電器(32)を内蔵する装置本体(11)と、
該装置本体から延出する充電用ケーブル(12)と、
該充電用ケーブルの先端に設けられて車両のコネクタに着脱可能な充電用コネクタ(13)と、
前記筺体の下部から下方へ向かって延在されて前記充電用ケーブルを保持可能なフック(23)と、
を備え、
前記フックは、金属板からなるフック固定金具(45)を介して前記筺体に固定され、
前記装置本体は、アース端子(65a)を含む端子台(66)を有し、
前記フック固定金具と前記アース端子とが、前記フック固定金具よりも剛性が低い導電性部材で接続されている
ことを特徴とする車両用充電装置。
(2) 前記導電性部材は、電線からなる
ことを特徴とする上記(1)に記載の車両用充電装置。
(3) 前記導電性部材は、バネからなる
ことを特徴とする上記(1)に記載の車両用充電装置。
(4) 前記フック固定金具は、前記フックの延在方向に沿って配置され、少なくとも三箇所で前記筺体にネジ止め固定され、
前記フック固定金具が前記筺体にネジ止め固定される少なくとも三箇所は、該三箇所を結んで形成される形状が三角形となる位置にある
ことを特徴とする上記(1)から(3)のいずれか1項に記載の車両用充電装置。
【符号の説明】
【0038】
10 車両用充電装置
11 装置本体
12 充電用ケーブル
13 充電用コネクタ
23 フック
31 筺体
32 充電器
45 フック固定金具
65a アース端子
66 端子台
67 アース線(導電性部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7