(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電析装置により前記金属成分の少なくとも一部が電析されて除去された前記再生廃液を前記再生薬液として前記送液手段へ送出する再利用再生薬液送液手段を有することを特徴とする請求項2に記載のイオン交換樹脂再生装置。
前記再生廃液処理部が、前記再生廃液中の少なくとも一部の金属成分を不溶化させる金属不溶化手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のイオン交換樹脂再生装置。
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のイオン交換樹脂再生装置を有し、可搬式で外部から搬入される、イオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂塔を再生するシステムであることを特徴とするイオン交換樹脂再生システム。
【背景技術】
【0002】
イオン交換樹脂は、めっき処理品等の金属表面処理品洗浄水の浄化、公害防止、資源の回収、あるいは、高純度水の製造等、多くの産業で用いられている。
【0003】
イオン交換樹脂は一般に、イオン交換樹脂塔に収納されて使用される。イオン交換樹脂は、イオン交換処理ラインで使用されると、そのイオン交換能が低下し、再生が必要となる。イオン交換樹脂の再生は、固定式のイオン交換樹脂塔が用いられている場合には、イオン交換樹脂は再生処理用容器に移され、その容器内で再生処理した後に再度イオン交換樹脂塔へ戻される(特許文献1)か、あるいは、イオン交換樹脂塔内で再生される。
【0004】
上記の再生方法では、酸性、及び/または、アルカリ性の排水が生じ、これを処理するために排水処理施設が必要とされるので、排水処理施設が併設されていない場合には、再生専業者へのイオン交換樹脂の再生処理の委託が一般に行われている。
【0005】
このとき、固定式のイオン交換樹脂塔が用いられている場合には、イオン交換樹脂は搬送容器に移されて再生専業者に引き渡され(特許文献2)、再生専業者によって再生されたイオン交換樹脂は再度、イオン交換樹脂塔へ充填される。
【0006】
イオン交換処理ラインでのイオン交換容量の要求量が比較的小さい場合には、可搬式のイオン交換樹脂塔が用いられる。そして、イオン交換樹脂の再生が必要となったときに、イオン交換樹脂塔は、イオン交換処理ラインから外されて再生専業者に引き渡され、再生専業者によりその事業所で再生が行われた後に客先に納品されてイオン交換処理ラインに再度、接続される。
【0007】
このような再生専業者は、客先から回収されたイオン交換樹脂塔の内部のイオン交換樹脂を取り出し、洗浄し、必要に応じて陰イオン樹脂と陽イオン樹脂とを比重などを利用して分離した後、酸性水溶液、あるいは、アルカリ性水溶液を用いて再生し、洗浄後に、再度、前記のイオン交換樹脂塔に充填し、これを搬送して客先に納品する。
【0008】
このような、可搬式のイオン交換樹脂塔を再生するイオン交換樹脂再生システムは、確立された後、長い期間継続されていたが、より手間のかからない再生方法がつねに求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記した従来の問題点を改善する、すなわち、可搬式で、処理ライン等の使用環境から移動でき、再生後に利用箇所に再度設置でき、再利用できる可搬式のイオン交換樹脂塔の再生において、必要な手間を省き、再生コストを低廉なものとすることができるイオン交換樹脂再生装置、及び、このようなイオン交換樹脂再生装置を用いるイオン交換樹脂再生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のイオン交換樹脂再生装置は、前記課題を解決するため、気体及び液体から選ばれる少なくとも1つの流体を送る複数の送気液配管、可搬式で外部から搬入される、イオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂塔に前記送気液配管を着脱可能に接続させる少なくとも2つの接続部、少なくとも1つの前記接続部を通じて前記イオン交換樹脂塔内に水及び攪拌用気体を送る送気液手段、少なくとも1つの前記接続部を通じて前記イオン交換樹脂塔内に前記イオン交換樹脂を再生するための再生薬液を送液する送液手段、前記イオン交換樹脂塔から排出される再生廃液を、当該再生廃液を処理する再生廃液処理部、及び、前記再生廃液処理部へ前記再生廃液を送出する送排液手段、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明においてイオン交換樹脂再生装置は、前記構成に加え、前記再生廃液処理部が、前記再生廃液中の少なくとも一部の金属成分を電析させる電析装置を有するものとすることができる。
【0013】
本発明においてイオン交換樹脂再生装置は、前記構成に加え、前記電析装置により前記金属成分の少なくとも一部が電析されて除去された前記再生廃液を前記再生薬液として前記送液手段へ送出する再利用再生薬液送液手段を有することができる。
【0014】
また、本発明において、前記構成に加え、前記再生廃液処理部が、前記再生廃液中の少なくとも一部の金属成分を不溶化させる金属不溶化手段を有するものとすることができる。
【0015】
また、本発明において、前記構成に加え、前記再生廃液処理部が、前記再生廃液を濃縮する再生廃液濃縮手段を有するものとすることができる。
【0016】
一方、本発明のイオン交換樹脂再生システムは、前記のいずれか1つのイオン交換樹脂再生装置を有し、可搬式で外部から搬入される、イオン交換樹脂が充填された可搬式のイオン交換樹脂塔を再生するイオン交換樹脂再生システムであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のイオン交換樹脂再生システムにおいては、前記構成に加え、前記イオン交換樹脂塔が、金属表面処理ラインの水洗水の浄化に用いられたものとすることができる。
【0018】
本発明のイオン交換樹脂再生システムにおいて、前記構成に加え、前記金属表面処理ラインが、金属表面処理槽、少なくとも1つの、前記金属表面処理槽で金属表面処理された金属表面処理品の水洗を行う水洗槽、及び、前記水洗槽の水を金属表面処理槽に移送する回収ラインを有し、かつ、前記回収ラインに前記水洗槽の水を濃縮する濃縮装置を有するものとすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のイオン交換樹脂再生装置によれば、要再生イオン交換樹脂をイオン交換樹脂塔から再生用容器へ移さなくても再生処理することができる。このために、再生に必要な手間が少なくなるとともに短時間で再生処理が終了するので作業効率も向上し、また、再生用の容器が不要となるので装置自体が安価となり、かつ、コンパクトとなって設置面積が小さくて済む場合がある。さらに、イオン交換樹脂が物理的な損傷を受けることが少なくなるのでその寿命を長くすることも可能となり、さらに、互いに異なるプロセスで使われていたイオン交換樹脂同士を取り違える、あるいは、混合してしまうなどの誤作業が未然に防止されやすいなど、数多くの効果が得られる。
【0020】
また、前記構成に加え、前記再生廃液処理部に、前記再生廃液中の金属成分を電析させる電析装置を有することにより、金属として回収できる上に、再生廃液の排水処理を容易にすることが可能となる。
【0021】
また、再生薬液が塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸溶液であり、かつ、前記金属成分が銅であるか銅が主成分である場合、再生廃液はpH調整せずに、すなわち、酸性のままで、その金属成分の電析処理が可能である。このために金属成分の一部ないし全部を電析により除去した再生廃液は酸性であり、再度、再生薬液として利用可能である。
【0022】
このとき、前記電析装置により前記金属成分の少なくとも一部が電析されて除去された前記再生廃液を前記再生薬液として前記送液手段へ送出する再利用再生薬液送液手段を有することにより、再生薬液コストを低減させることができるとともに、中和処理などの排水処理の手間が不要となる。
【0023】
また、前記構成に加え、前記再生廃液処理部に、前記再生廃液中の金属成分を不溶化させる金属不溶化手段を有することにより、金属成分を固形物(スラッジ)として回収できる上に、再生廃液の排水処理を容易とすることが可能となる。
【0024】
また、前記構成に加え、前記再生廃液処理部に、前記再生廃液を濃縮する再生廃液濃縮手段を有することにより、金属成分の回収を容易とすることができる。
【0025】
本発明のイオン交換樹脂再生システムは、前記のいずれか1つのイオン交換樹脂再生装置を有し、外部から搬入される、イオン交換樹脂が充填された可搬式のイオン交換樹脂塔を再生するイオン交換樹脂再生システムであることにより、きわめて効率の高いイオン交換樹脂再生システムとすることが可能となる。
【0026】
前記構成に加え、前記イオン交換樹脂塔が、金属表面処理ラインの水洗水の浄化に用いられたものであると、純度の高い金属成分回収が可能となる。
【0027】
前記構成に加え、前記金属表面処理ラインが、金属表面処理槽、少なくとも1つの、前記金属表面処理槽で金属表面処理された金属表面処理品の水洗を行う水洗槽、及び、前記水洗槽の水を金属表面処理槽に移送する回収ラインを有し、かつ、前記回収ラインに前記水洗槽の水を濃縮する濃縮装置を有する金属表面処理ラインであると、イオン交換樹脂の再生頻度を少なくすることができ、イオン交換樹脂の再生に要するコストの低減が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に、金属表面処理工場1内の金属表面処理ラインで使用されている可搬式のイオン交換樹脂塔2が、金属表面処理ラインから取り外され、搬送され、本発明のイオン交換樹脂再生装置の例5に接続されて再生される、本発明のイオン交換樹脂再生システムの一例のフローを概略図で示す。
【0030】
破線で囲まれている部分(符号1)は、金属表面処理ラインを有する金属表面処理工場を示す。
【0031】
水洗槽11aで金属表面処理前の水洗が行われた被金属表面処理品は金属表面処理槽12で金属表面処理された後、金属表面処理品(金属表面処理済み品)として第1水洗槽(回収槽とも呼ばれることがある)13に搬送されて水洗されるとともに金属表面処理品に付着した金属表面処理液が回収される。金属表面処理品は、さらに第2水洗槽(前記第1水洗槽を回収槽と呼ぶときには第1水洗槽と呼ばれる)14及び第3水洗槽(前記第1水洗槽を回収槽と呼ぶときには第2水洗槽と呼ばれる)15に順次搬送されて水洗された後、仕上げ水洗槽16で最終的に水洗される。
【0032】
このような金属表面処理ラインにおいて、金属表面処理槽12で金属表面処理された金属表面処理品が第1水洗槽13に移される際に金属表面処理液が第1水洗槽13へくみ出され、以下同様に、第1水洗槽13の一部の水洗水は第2水洗槽14へ、第2水洗槽14の一部の水洗水は第3水洗槽15へ、そして、第3水洗槽15の一部の水洗水は仕上げ水洗槽16へくみ出される。このようにして、金属表面処理液の成分が仕上げ水洗槽16の中へ混入する。
【0033】
仕上げ水洗槽16内の水は、オーバフロー部16aでオーバフローして、仕上げ水洗水浄化ライン(配管)16cを通じてポンプ16bによりイオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂)が充填された、可搬式のイオン交換樹脂塔2に供給されて陽イオン交換されて浄化された後、再度、仕上げ水洗槽16に供給される。このような循環により、仕上げ水洗槽16中の金属表面処理液成分が仕上げ水洗槽16中の洗浄水から除去されるとともに、仕上げ水洗槽16による金属表面処理品の水洗効果が高いものとなる。
【0034】
なお、上記のイオン交換樹脂塔2の内部に充填されたイオン交換樹脂の再生は、後述するようにイオン交換樹脂塔2から出さずに再生する。このために、イオン交換樹脂塔の接液部(配管やストレーナー等も含む)はすべて、再生に用いられる再生薬液に対して耐性を有するもの、例えば各種樹脂やステンレス等により構成する。
【0035】
また、
図1では図示を省略しているが、このライン16cに陰イオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂塔も備えられており、仕上げ水洗槽16内の水は、陽イオンのみならず、陰イオンについても浄化されている。以下、主として、イオン交換樹脂塔2の再生について説明する。
【0036】
このように使用されるイオン交換樹脂のイオン交換能の低下は、例えば処理水の電気伝導度などをチェックすることにより検知され、所定の条件となると再生が行われる。
【0037】
充填されたイオン交換樹脂の再生が望まれる状態となったイオン交換樹脂塔2は、仕上げ水洗水浄化ライン16cから外されるとともに、代わりに再生済みまたは新規のイオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂塔2が、仕上げ水洗水浄化ライン16cに接続される。
【0038】
図1に示された例では、金属表面処理槽12の金属表面処理液は、蒸発により金属表面処理液成分の濃度が高くなる。このために水により希釈を行うことが必要となるが、その際、第1水洗槽13の水洗水が回収ラインポンプ17bにより回収ライン17aを通じて回収送液される。このとき、金属表面処理品の移動に伴って金属表面処理槽12から第1水洗槽13へくみ出された上述の金属表面処理液成分は、第1水洗槽13から金属表面処理槽12へ回収される。そして、第1水洗槽13へは第2水洗槽14の水洗水が図示しない送液ラインにより送液されて第1水洗槽13内の水洗水が所定量に保たれ、さらに、第2水洗槽14へは第3水洗槽15の水洗水が図示しない送液ラインにより送液されて第2水洗槽14内の水洗水が所定量に保たれる。さらに第3水洗槽15には新規の水(補給水)が補給されてその水洗水が所定量に保たれる。このようにして、これら水洗槽内の金属表面処理液成分は、金属表面処理品移動方向に対して上流側の槽へそれぞれ回収される。
【0039】
図1に示された例では、回収ライン17aに濃縮装置17が備えられており、第1水洗槽13の水洗水を金属表面処理槽12へ回収送液する際に、濃縮処理を行っている。
【0040】
このような濃縮処理により、濃縮処理なしの場合に比べて、より多くの金属表面処理液成分が第1水洗槽13から金属表面処理槽12へ回収される。さらに、こうして水洗水量が多く減った第1水洗槽13には、第2水洗槽14の水洗水とともに、より多くの金属表面処理液成分が回収され、同様に、第2水洗槽14には、第3水洗槽15から、その水洗水とともに、より多くの金属表面処理液成分が回収されるとともに、第3水洗槽15には新規の水(補給水)が給水ライン15aにより補給され、その水洗水が所定量に保たれる。
【0041】
このようにして第3水洗槽15の金属表面処理液成分の濃度が低くなるので、金属表面処理品の洗浄がより良好となると共に、第3水洗槽15から仕上げ水洗槽16へ移動する金属表面処理液成分も少なくなる。その結果、イオン交換樹脂塔2内に充填されたイオン交換樹脂の負担が減少し、その再生必要頻度を低減させることができる。なお、濃縮装置17の例としては、特許文献3及び4に記載の濃縮装置が挙げられる。
【0042】
仕上げ水洗水浄化ライン16cから外された、イオン交換樹脂の再生を行うイオン交換樹脂塔2は金属表面処理工場1から搬出されて、例えばトラック3などによりイオン交換樹脂再生装置5を有する再生センター4に搬入される。
【0043】
図2に、本発明のイオン交換樹脂再生装置の一例5の主要部分のモデル図を示す。
【0044】
イオン交換樹脂再生装置5は、流体として、この例では水、再生薬液、再生廃液、及び、攪拌用気体としてのエア(空気。ただし、窒素などの他の気体を用いてもよい)を送る2つの送気液配管5aL及び5bL、イオン交換樹脂10が充填されたイオン交換樹脂塔2に送気液配管5aL及び5bLのそれぞれの一方の端を着脱可能に接続させる少なくとも2つの接続部5a及び5b、接続部5aを通じてイオン交換樹脂塔2内に水及びエアを攪拌用気体として送る送気液手段、接続部5bを通じてイオン交換樹脂塔2内にイオン交換樹脂10を再生するための再生薬液11を送液する送液手段、及び、接続部5aを通じてイオン交換樹脂塔2から排出される再生廃液を、この再生廃液を処理する再生廃液処理部(後処理部)へ送出する送排液手段を有する。
【0045】
再生センター4に搬入されたイオン交換樹脂塔2は、この例ではユニオン式着脱継手である接続部5a及び5bによって、イオン交換樹脂再生装置5に接続される。ここで、接続部としては例えば、ユニオン式着脱継手(逆止弁付)、ユニオン式着脱継手(逆止弁なし)等、さらに、カップラー方式(逆止弁付)、カップラー方式(逆止弁なし)、フランジ、フレキシブルジョイント、Vバンド方式、へルール方式、フランジ継手方式、ねじ込み継手方式、チューブ接続方式、あるいは、ホース接続方式の接続部も用いることができる。
【0046】
このイオン交換樹脂再生装置5には、外部から、水(工業用水道水)が水供給ライン5eLに、イオン交換処理された脱塩水が脱塩水供給ライン5hLに、そして、図示しないブロアによりエアが送気液配管5aLに、それぞれ供給されている。
【0047】
水供給ライン5eLは、途中にバルブ5fBを有する第1送水ライン5fLにより送気液配管5aLと、途中にバルブ5dBを有する第2送水ライン5dLにより送気液配管5bLと、にそれぞれ接続している。
【0048】
また、脱塩水ライン5hLにはバルブ5hBが設けられ、送気液配管5bLに接続している。
【0049】
さらに、図示しないブロアに接続され、途中にバルブ5gBを有するエア供給ライン5gLは送気液配管5aLに接続されている。
【0050】
送気液配管5aLには第1送水ライン5fL及び送気液配管5aLよりも接続部5aから遠い位置にバルブ5aBが備えられ、送気液配管5aLのその他方の端は図示しない後処理部へ(図面左側へ)向かっている。
【0051】
送気液配管5bLの他方の端には、バルブ5bB、及び、送薬液ポンプ5bPを介して再生薬液(この例では塩酸を用いている。イオン交換樹脂を再生できるものであれば、各種鉱酸、例えば硫酸、硝酸等でもよい。)11を内容する再生薬液槽5bTが接続されているとともに、バルブ5bBよりも接続部5bに近い位置で分岐して、バルブ5cBを有し図示しない後処理部へ(図面下方へ)向かう排気液ライン5cLが備えられている。
【0052】
イオン交換樹脂塔2内には、上部に若干の空間を残してイオン交換樹脂10が充填されているとともに、その底部近くに位置するストレーナ2a1に接続する樹脂塔内配管2aと、前記空間内でかつイオン交換樹脂塔上端近くに位置するストレーナ2b1に接続する樹脂塔内配管2bと、がそれぞれイオン交換樹脂塔2外部でフランジを介して上述の接続部5a及び5bに接続されている。
【0053】
このイオン交換樹脂塔2上端にはバルブ2eBを有するエア抜きライン2eLを有し、イオン交換樹脂塔2内部のエアを排出できるようになっている。また、その底部近くには、運搬時など、必要に応じて液抜きを行うためのドレン口2dを有している。
【0054】
次に、このイオン交換樹脂再生装置5によるイオン交換樹脂塔2内のイオン交換樹脂10の再生方法の一例について
図3〜6を用いて説明する。
【0055】
図3に、その第1工程であるバブリング洗浄工程の模様をモデル的に示した。
図3において当初はすべてのバルブが閉まっている状態である。
【0056】
まず、バルブ5fB、5gB及び5cBが開かれ、
図3中、太線で示したように洗浄水として水、及び、攪拌用気体としてエアが接続部5aを通じて樹脂塔内配管2aによりイオン交換樹脂塔2の底部付近に供給されて、バブリング洗浄が行われる。このときの気液の流れはイオン交換樹脂塔2が金属表面処理工場で用いられていたときとは逆の流れである。
【0057】
このバブリング洗浄により、後述する各工程で供給される洗浄水や再生薬液がイオン交換樹脂10層全体に均一に接するように、イオン交換樹脂層がほぐされる。このとき、イオン交換樹脂塔2内部に存在する、ごみや浮遊物質等はエア及び洗浄水とともに、接続部5bを通じて、排気液ライン5cLにより図示しない後処理部へ排出される。この第1工程及び後述の第2工程の排水は、例えば、排水処理設備へ導入される。
【0058】
次いで、
図4に示すように第2工程として逆洗工程が実施される。すなわち、バルブ5gBが閉められ、エアの送出が止められるが、洗浄水の供給は継続される。そして、ごみや浮遊物質等の排出が認められなくなったときに、この逆洗工程は終了される。
【0059】
第3工程として、再生工程が実施される。バルブ5fB及び5cBが閉められ、バルブ5bB及び5aBが開かれるとともに、送薬液ポンプ5bPが起動される。このとき、
図5に太線で示すように、再生薬液11が接続部5bを通じてイオン交換樹脂塔2に導入され、イオン交換樹脂塔2内部のイオン交換樹脂10層をその上部から下部に向かって、すなわち、イオン交換樹脂塔2がイオン交換に用いられていたのと同じ流れの向きで、イオン交換樹脂10を徐々に再生しながら、通過し、イオン交換樹脂塔2の底部から再生廃液として樹脂塔内配管2a、接続部5a、送気液配管5aLを通じて図示しない後処理部へ送られる。
【0060】
再生工程ではイオン交換樹脂塔2に充填されたイオン交換樹脂10のイオン交換量に応じ、再生が十分に行われる量の再生薬液11を通液した後、送薬液ポンプ5bPが止められ、バルブ5bBが閉められて再生工程は終了される。
【0061】
第4工程としてはイオン交換樹脂塔2内部の再生薬液を排出させ、イオン交換樹脂10を洗浄する順水洗工程が行われる。
図6に示すようにバルブ5hBが開けられて、脱塩水が接続部5bを通じて、イオン交換樹脂塔2内に導入され、その底部から、廃液として接続部5a及び送気液配管5aLを通じて図示しない後処理部へ送られる。なお、この例では、順水洗工程では脱塩水を用いたが、これに代えて水道水、あるいは、工業用水等の清澄な水を使うこともできる。
【0062】
順水洗工程では、イオン交換樹脂塔2内部の再生薬液を十分に排出する量の脱塩水が送液され、その後、すべてのバルブは閉じられて、イオン交換樹脂10の再生は終了する。
【0063】
前記の説明により理解されるように、水供給ライン5eL、開状態のバルブ5fBを有する第1送水ライン5fL、開状態のバルブ5gBを有するエア供給ライン5gL、及び、閉状態のバルブ5aBを有する送気液配管5aLは、接続部5aを通じてイオン交換樹脂塔2内に水及びエアを攪拌用気体として送気液してバブリング洗浄工程を実施する送気液手段を構成しており、この送気液手段はバルブ5gBを閉状態とすることにより、接続部5aを通じてイオン交換樹脂塔2内に水を送液して逆洗工程を実施する逆洗用送液手段を構成している。
【0064】
さらに、閉状態のバルブ5bBを有する送気液配管5bL、閉状態のバルブ5dBを有する第2送水ライン5dL、及び、開状態のバルブ5cBを有する排気液ライン5cLは、バブリング洗浄工程及び逆洗工程時に、接続部5bを通じてイオン交換樹脂塔2内から排水、または、排水及び排気を再生廃液処理部(後処理部)へ送る、送排液及び送排気手段を構成している。
【0065】
また、再生薬液槽5bT、開状態のバルブ5bB及び送薬液ポンプ5bPを有する送気液配管5bL、閉状態のバルブ5dBを有する第2送水ライン5dL、及び、閉状態のバルブ5cBを有する排気液ライン5cLは、再生工程時に、接続部5bを通じてイオン交換樹脂塔2内にイオン交換樹脂10を再生するための再生薬液11を送液する送液手段を構成している。
【0066】
また、開状態のバルブ5aBを有する送気液配管5aL、閉状態のバルブ5gBを有するエア供給ライン5gL、閉状態のバルブ5fBを有する第1送水ライン5fLは、再生工程時及び順水洗工程時に、再生廃液及び順水洗廃液を再生廃液処理部(後処理部)へ送出する送排液手段を構成している。
【0067】
さらに、脱塩水供給ライン5hL、閉状態のバルブ5bBを有する送気液配管5bL、閉状態のバルブ5dBを有する第2送水ライン5dL、閉状態のバルブ5cBを有する排気液ライン5cL、及び、開状態のバルブ5hBを有する脱塩水供給ライン5hBは、順水洗工程時に、接続部5bを通じてイオン交換樹脂塔2内にイオン交換樹脂10を順水洗するための順水洗用の脱塩水を送液する送順水洗用液手段を構成している。
【0068】
上述のように内部のイオン交換樹脂の再生が終了したイオン交換樹脂塔2は、再度、
図1の金属表面処理工場1へ送られ、その金属表面処理ラインに再度、接続されて利用される。
【0069】
このようにイオン交換樹脂再生装置5によれば、イオン交換樹脂10をイオン交換樹脂塔2から出すことなく、再生に必要なすべての処理を行うことができる。
【0070】
前記の第3工程で生じた再生薬液の廃液(再生廃液)には再利用可能な金属成分が含まれている場合がある。特に金属表面処理工場で用いられているイオン交換樹脂塔の場合、ニッケル、銅、亜鉛、あるいは、クロムなどの有価値な金属成分が、純度が高く、すなわち、他の金属が少ない状態で、かつ、比較的高い濃度で含有されていることが多い。このような金属成分を回収することは資源の有効活用の点で好ましく、一方、金属成分が回収された後には廃液の処理が容易となる点でも好ましい。
【0071】
このような再生廃液中の金属成分の回収方法としては、電析、沈殿(スラッジ形成)などが挙げられ、また、濾過や、濃縮を行うことにより金属成分の回収を容易にすることができる。
【0072】
図7には、イオン交換樹脂再生装置5に備えられた、再生廃液中の金属成分を電析させる電析装置の一例6dを示す。この電析装置6dは特許文献5で開示された技術によるものである。
【0073】
バブリング洗浄工程での廃液、再生工程の廃液、逆洗工程や順水洗工程の廃液は要処理液として、バルブ6Bを有する配管6Lにより送出される。このうち、金属成分の回収を行わない部分はバルブ6aBを有する分岐配管6aLを通じて排水処理設備へ送出されて、pH調整、沈殿成分の除去等が行われる。一方、金属成分を回収する部分の再生廃液は、一旦、廃液受けタンク6Tに貯蔵される。
【0074】
この廃液受けタンク6Tの再生廃液は、ポンプ6bPと配管6bLとによって、電析装置6dの循環槽6dTに供給される。
【0075】
循環槽6dTの上方には電析槽6dSが備えられており、再生廃液は循環槽6dTと電析槽6dSとの間をポンプ6dP、オーバフロー部6dO及び配管によって循環送液される。循環槽6dTには、攪拌装置6dFや不図示のヒータが備えられており、電析処理対象の再生廃液の性状を均一に、かつ、電析処理に適した温度に、保つ。
【0076】
電析槽6dSには図示しないモータにより回転駆動されるドラム状の電析電極6dRと、有孔板状の対電極6dCと、が備えられ、電析電極6dRに摺擦して接する摺擦接点を介して両者の間には直流電圧が印加されている。このようにして、再生廃液中の金属成分は還元されて電析電極6dRの表面に金属として析出して回収される。このような電析により回収される金属としては、ニッケルや銅、亜鉛が挙げられる。
【0077】
ただし、場合によっては、ニッケルや銅、亜鉛等の金属成分を、沈殿物(スラッジ)として回収してもよい。
【0078】
なお、上述したように電析処理に際して、pH調整を行わずに電析処理が可能な、例えば銅を主体とした金属成分を有する再生廃液では、その金属成分の少なくとも一部が電析されて除去された後には、再度、再生薬液として有効利用できる。そのために、電析装置6dの循環槽6dTには、再利用再生薬液送液手段として、バルブ6dBを有する再利用再生薬液送液送出ライン6dLが接続されている。このライン6dLに接続された図示しないポンプによって、この電析装置6dにより金属成分の少なくとも一部が電析されて除去された、再利用可能な再生廃液が再生薬液槽5bT(
図2参照)へ送液される。
【0079】
図8には、イオン交換樹脂再生装置5に備えられた再生廃液中の金属成分を不溶化させて沈殿物とする金属不溶化手段の一例を、モデル的に示した。
【0080】
この金属不溶化手段は、沈殿槽7T及び沈殿剤供給ライン7bLにより構成されている。
【0081】
廃液受けタンク6Tから、金属成分(この例では亜鉛成分について説明する。)が回収される再生廃液は、配管7aLと図示しないポンプによって沈殿槽7Tに移される。沈殿槽7Tの再生廃液には沈殿剤(例えば亜鉛成分を回収する場合には水酸化ナトリウム水溶液。)を添加するための沈殿剤供給ライン7bLが備えられており、この沈殿剤の添加により、廃水中の亜鉛成分は水酸化亜鉛の沈殿(スラッジ)として回収される。
【0082】
この例では沈殿は、さらに乾燥機7Dにより乾燥され、スラッジ貯槽7Hに蓄えられ、適宜、フレキシブルコンテナバック7Fなどの可搬容器に移され、金属回収業者に渡され、そこで金属として回収される。これら乾燥機7Dやスラッジ貯槽7Hは、必要な機能を有する市販のものをそのまま用いることができる。
【0083】
クロム成分(六価クロム)などは、濾過・濃縮手段によって回収される。
【0084】
ここで、
図9に、前記イオン交換樹脂再生装置5に備えられた、再生廃液を濾過して夾雑物を除去した後、金属成分を濃縮する濾過・濃縮手段の一例を、モデル的に示した。この濾過・濃縮手段は、濾過器8F及び濃縮装置8Cにより構成されている。
【0085】
再生廃液は、廃水受けタンク6Tから、ライン8aLと図示しないポンプとにより、濾過器8Fに送られ、次いで濃縮装置8Cにより濃縮された後、受けタンク8Tに保存され、その後、適宜、バルブ8Bを有する配管8Lにより可搬容器に移され、金属回収業者に渡されて、そこで金属として回収される。このように濾過及び濃縮を行うことで、可搬性を向上させ、かつ、金属成分含有液としての品質を高くすることができる。ここで、濾過器8Fや濃縮装置8Cは必要な機能を有する市販のものをそのまま用いることができる。
【0086】
なお、上述の
図7〜9では、廃液受けタンク6Tとして、すべて共通のものを用いたが、複数の廃液受けタンクを用いることができ、例えば、廃液中に主として含有される金属成分ごとに、異なった廃液受けタンクを用いることもできる。
【0087】
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明のイオン交換樹脂再生装置、および、イオン交換樹脂再生システムは、上記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、その他の金属表面処理に付随する水処理や液処理、廃液処理に用いられたイオン交換樹脂について用いてもよい。
【0088】
当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のイオン交換樹脂再生装置、および、イオン交換樹脂再生システムを適宜改変することができる。このような改変によってもなお本発明のイオン交換樹脂再生装置、および、イオン交換樹脂再生システムを具備する限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。