(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
来訪者が居住者を選択して呼び出すための集合玄関機と、前記集合玄関機からの呼び出しに応答するために集合住宅の各住戸に設置された居室親機と、前記集合玄関機と前記居室親機との間の通信を制御する制御機とを有し、前記制御機は前記居室親機から配設された親機幹線に分岐器を介して接続されて成る集合住宅インターホンシステムであって、
前記親機幹線の適宜部位に、伝送信号を変調・復調して復元して送出する中継器が配置されて成り、
当該中継器が、前記制御機から送信された伝送信号の減衰量を測定する中継減衰量測定部と、測定した減衰量データを中継する前記伝送信号のヘッダに書き込むヘッダセット部とを有すると共に、
前記居室親機が、受信した前記伝送信号の減衰量を測定する親機減衰量測定部と、受信した前記伝送信号の返信信号を生成して前記制御機へ返信する返信信号生成部とを有し、
前記返信信号生成部は、受信した前記伝送信号のヘッダに書き込まれている減衰量データに加えて、前記親機減衰量測定部が測定した減衰量データをヘッダに記載して返信信号を生成して返信する一方、
前記制御機には、受信した前記返信信号に書き込まれた減衰量データを基に、線路状態を判定する線路判定手段を備えたことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
前記画像データ生成部は、前記線路異常検出手段が異常と判定した線路上の部位を所定のマークを付けて表示することを特徴とする請求項3記載の集合住宅インターホンシステム。
前記中継器のヘッダセット部は、減衰量データを中継信号のヘッダに書き込む際、既に書き込まれている減衰量データがある場合は、当該データを残して追加書き込みすることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の集合住宅インターホンシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたインターホンシステムは、線路に中継器を持たない構成を前提としており、中継器が設けられている場合は減衰量が補正されてしまうため、適用できなかった。
また、減衰量と伝送誤とで線路異常を判定しているため、幹線が長すぎることで生じている異常なのか、結線の不完全が原因による異常なのか判別することができなかった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、中継器が設けられて線路が延長されたシステムであっても、線路異常を検出することができ、更に異常発生場所まで推定できる集合住宅インターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、来訪者が居住者を選択して呼び出すための集合玄関機と、集合玄関機からの呼び出しに応答するために集合住宅の各住戸に設置された居室親機と、集合玄関機と居室親機との間の通信を制御する制御機とを有し、制御機は居室親機から配設された親機幹線に分岐器を介して接続されて成る集合住宅インターホンシステムであって、親機幹線の適宜部位に、伝送信号を変調・復調して復元して送出する中継器が配置されて成り、当該中継器が、制御機から送信された伝送信号の減衰量を測定する中継減衰量測定部と、測定した減衰量データを中継する伝送信号のヘッダに書き込むヘッダセット部とを有すると共に、居室親機が、受信した伝送信号の減衰量を測定する親機減衰量測定部と、受信した伝送信号の返信信号を生成して制御機へ返信する返信信号生成部とを有し、返信信号生成部は、受信した伝送信号のヘッダに書き込まれている減衰量データに加えて、親機減衰量測定部が測定した減衰量データをヘッダに記載して返信信号を生成して返信する一方、制御機には、受信した返信信号に書き込まれた減衰量データを基に、線路状態を判定する線路判定手段を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、制御機から伝送された信号を中継する際に、測定した減衰量データが中継器において中継する信号に書き込まれて居室親機に伝送され、この減衰量データに加えて居室親機での減衰量データが追加記載された返信信号が制御機に伝送されるため、線路上の全減衰量情報を制御機が集中管理できる。そして、制御機から中継器までの減衰量、中継器から居室親機までの減衰量も個別に把握できるため、親機幹線に中継器が介在されていても居室親機に至る正確な減衰量を制御機が把握でき、断線等の線路異常の発生を減衰量の変化から検出することができる。然も、線路途中の減衰量を中継器により把握できることで異常発生場所の特定もし易い。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、制御機は、任意の居室親機に対して伝送信号を生成する信号生成部と、線路異常発生を報知する報知部とを有し、線路判定手段が、伝送信号を受けて居室親機から返信された信号のヘッダから減衰量データを読み取る減衰量読み取り部と、入手した減衰量データから、制御機から中継器までの線路長、及び中継器から居室親機までの線路長を推定する第1線路長推定部と、返信された信号の遅延量を測定する遅延量計測部と、計測した遅延量から、制御機から居室親機までの線路長を推定する第2線路長推定部と、第1線路長推定部
の推定値と第2線路長推定部の推定値とから線路異常を検出する線路異常検出手段と、を具備して成ることを特徴とする。
この構成によれば、制御機が居室親機から返信された信号に書き込まれた減衰量データを基に推定した線路長と、返信された信号の遅延量から推定した線路長とを比較して線路状態を判定するため、誤検出の防止に効果を奏する。そして、線路異常を検出した場合、それを報知することで速やかに線路異常の発生を認識できる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の構成において、制御機は、減衰量
データ及び
計測した遅延量を基に、制御機から中継器までの線路長、及び制御機から居室親機までの線路長を推測し、推測結果に基づいて接続状態を画面表示するための画像データを作成する画像データ生成部を有することを特徴とする。
この構成によれば、画像データ生成部が作成した画像を例えば居室親機のディスプレイに表示させれば、システムの接続状態や機器間の線路長を視覚で把握することができ、施工時やその後のメンテナンスに役立つ。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の構成において、画像データ生成部は、線路異常検出手段が異常と判定した線路上の部位を所定のマークを付けて表示することを特徴とする。
この構成によれば、異常発生場所をシステムの接続図上に表示するため、場所を容易に把握でき、対処し易い。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の構成において、中継器のヘッダセット部は、減衰量データを中継信号のヘッダに書き込む際、既に書き込まれている減衰量データがある場合は、当該データを残して追加書き込みすることを特徴とする。
この構成によれば、親機幹線に中継器が複数設置された場合でも、全ての中継器での減衰量データが伝送信号のヘッダに記録されるため、制御機が線路全体の減衰量を一括して把握でき、減衰量情報が不明確になることがない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、中継する時点での信号の減衰量データが中継器において伝送信号に書き込まれて居室親機に伝送され、この減衰量データに加えて居室親機での減衰量データが追加記載された返信信号が居室親機から制御機に伝送されるため、全減衰量情報を制御機が集中管理できる。そして、制御機から中継器までの減衰量、中継器から居室親機までの減衰量も個別に把握できる。よって、親機幹線に中継器が介在されていても居室親機に至る正確な減衰量を制御機が把握でき、断線等の線路異常の発生を減衰量の変化から検出することが可能であり、然も線路途中の減衰量を中継器により把握できることで異常発生場所の特定も可能となる。
そして、衰量情報から推定した線路長と、返信信号の遅延量から推定した線路長とを比較して線路状態を判定することで、線路異常の発生場所を更に特定することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示す構成図であり、1はエントランスに設置されて来訪者が訪問先の住戸を選択して居住者を呼び出すための集合玄関機、2は集合住宅の各住戸に設置されて集合玄関機1からの呼び出しに応答するための居室親機(第1居室親機2a〜第6居室親機2f)、3は管理室に設置されて来訪者や居住者と通話するための管理室親機、4は機器間の通信や通話路を制御する制御機、5(5a,5b)は幹線を延長するために信号を中継する中継器である。
【0014】
集合玄関機1は制御機4に伝送線L1により接続されている。一方、居室親機2は、制御機4から親機幹線L2aが延設され、この親基幹線L2a上に分岐器6を配置し、この分岐器6から親機伝送線L2bが引き出されて接続されている。また管理室親機3は伝送線L3を介して制御機4に接続されている。
そして、親機幹線L2aには適宜位置に中継器5が接続されている。具体的に、ここでは制御機4から2番目の第2居室親機2bと3番目の第3居室親機2cの間に第1中継器5aが配置され、4番目の第4居室親機2dと5番目の第5居室親機2eの間に第2中継器5bが配置されている。
【0015】
以下、親機幹線L2aと親機伝送線L2bを合わせて親機線路L2とし、制御機4から親機線路L2を介して居室親機2に送信する信号を下り信号、居室親機2から親機線路L2を介して制御機4に送信する信号を上り信号として説明する。
【0016】
図2は居室親機2の回路ブロック図を示している。
図2に示すように、居室親機2は、通話するためのマイク21及びスピーカ22、マイク21及びスピーカ22を制御する通話制御部23、集合玄関機1に設けられた図示しないカメラの撮像映像を表示するディスプレイ24、この表示映像を生成する映像処理部25、親機線路L2を介して制御機4から受信した下り信号の減衰量を測定する減衰量測定部26、制御機4から伝送された伝送信号を読み取って返信信号を作成すると共に、居室親機2全体を制御する親機CPU27、制御機4と通信する親機IF28等を備えている。
【0017】
図3は制御機4の回路ブロック図を示している。
図3に示すように、制御機4は、居室親機2等の機器から伝送された上り信号から減衰量データを読み取る減衰量読み取り部41、読み取った減衰量情報を基に線路長を推定する第1線路長推定部42、返信された上り信号から遅延時間(遅延量)を計測する遅延量計測部43、計測した遅延量から線路長を推定する第2線路長推定部44、推定した線路長をシステム構成図上に表示するための画像データ生成部45、線路異常発生を通知する報知部46、通話路の制御や伝送信号の生成を制御し、更に制御機4全体を制御する制御機CPU47、居室親機2や管理室親機3と通信するための制御機第1IF48、集合玄関機1と通信するための制御機第2IF49等を備えている。
【0018】
図4は中継器5の要部回路ブロック図を示し、制御機4から伝送された下り信号を中継するブロックのみ示し、上り信号を中継する回路は省略している。
図4に示すように、制御機4から伝送された下り信号を調整する第1AFE(アナログ・フロント・エンド)51、信号を復調する復調器52、フレーム内のデータを取り出すデフレーマ53、フレーム内にデータをセットするフレーマ54、信号を変調する変調器55、送出する信号を調整すると共に、減衰分を補正して設定された出力電圧で下り信号を出力する第2AFE56、中継する下り信号の減衰量を計測する減衰量測定部57、計測した減衰量データを中継する下り信号フレームのヘッダに書き込む制御を行うと共に、中継器5内の各回路を制御する中継器CPU58等を備えている。
【0019】
この中継器5により、制御機4から伝送された下り信号である伝送信号は、変調及び復調が成されて復元されると共に、減衰量測定部57が中継器5までの親機幹線L2aにおける減衰量を測定する。そして、中継器CPU58の制御により、測定された減衰量データをフレーマ54が伝送信号のヘッダに書き込んで送出される。尚、減衰量の計測は、制御機4が送出するフレーム信号の搬送波の設定された振幅(電圧)値を減衰量測定部57が記憶しており、この電圧値に対する減少量が減衰量として計測される。
【0020】
尚、制御機4が生成する伝送信号をはじめ、システム内で伝送される信号はフレーム信号であり、ヘッダの後に呼び出しデータ、通話音声データ、映像データ、制御データ等が組み込まれている。そして、ヘッダには、減衰量データを書き込む領域が予め割り当てられており、この領域に書き込まれる。
【0021】
また、既に書き込まれた減衰量データが存在する場合、中継器CPU58はそのデータを削除すること無く、割り当てられている空き領域に追加記載する。
そのため、親機幹線L2aに中継器5が複数設置されて信号が復元されても、中継器5で計測された減衰量データは全てヘッダに記録されるため、中継器5の存在にかかわらずまた中継器5の数に関わらず親機幹線L2a全体の減衰量を把握することが可能となる。
【0022】
一方、居室親機2等から制御機4に伝送される上り信号に対しては、信号を変調・復調して復元するのみで減衰量データのセット等は行わない。
【0023】
上記の如く構成された集合住宅インターホンシステムの動作は以下の様である。但し、集合玄関機1からの呼び出し、居室親機2からの応答する動作は従来と同様であるため説明を省略し、ここでは親機線路L2の状態を監視する機能について具体的に説明する。
制御機4から任意の居室親機2に対して伝送信号の送信が開始されると、親機幹線L2aに伝送信号が送出される。例えば、この信号が第4居室親機2dに対して送信されたとすると、親機幹線L2a上で4個の分岐器6、1台の中継器5を介して伝送され、その後親機伝送線L2bを介して第4居室親機2dに伝送される。
【0024】
図5はこの伝送信号の流れを示すシーケンス図であり、この図を参照して説明する。制御機4から送出された伝送信号は、まず2個の分岐器6を介して第1中継器5aに伝送され、第1中継器5aにおいて伝送されたフレーム信号(伝送信号)の復元が行われる。
その際、減衰分が増幅されて出力されると共に、減衰量測定部57において測定された減衰量のデータがフレーマ54においてフレーム信号のヘッダにセットされて送出される。
【0025】
復元された下り信号は、その後2台の分岐器6を介して親機伝送線L2bに伝送され、第4居室親機2dで受信される。この信号を受信した第4居室親機2dでは、親機CPU27の制御により減衰量測定部26が減衰量を測定し、測定された減衰量データが、返信信号として作成した上りのフレーム信号のヘッダに書き込まれる。
このとき、受信した下り信号に書き込まれていた減衰量データもコピーして書き込みが行われる。
【0026】
こうして第4居室親機2dにおいて作成されたフレーム信号は、親機CPU27の制御により、受信した時点から所定のタイミングで制御機4に返信され、上り信号として下り信号とは逆の経路で親機線路L2を介して制御機4へ伝送される。途中、中継器5において信号が復元されて伝送される。
尚、このとき返信される信号は、受信してから例えば100msのタイミングで送信しても良いし、時間を待たず0秒で返信しても良い。或いは制御機4からの要求信号を受けてから返信しても良い。
【0027】
この上り信号である返信信号を受信した制御機4は、次の2通りで線路長を推定する。先ず、受信したフレーム信号のヘッダに記載されている減衰量データから第4居室親機2dまでの線路長を推定する。具体的に、制御機4は、個々の居室親機2までの基本線路情報が予め登録されて制御機CPU47が記憶している。そのため、第4居室親機2dまでの親機線路L2においては、4台の分岐器6、1台の中継器5が存在していることを制御機CPU47は把握している。
【0028】
更に制御機CPU47は、分岐器6の1台あたりの減衰量及び遅延量、中継器5の1台あたりの遅延量、親機幹線L2a及び親機伝送線L2bの単位長さあたりの減衰量及び遅延量の標準値を記憶している。
制御機CPU47は、これらのデータと返信信号から読み取った減衰量データを基に、第1線路長推定部42に線路長を推定させる。第1線路長推定部42では、制御機4から第4居室親機2dに至る親機幹線L2aの線路長と親機伝送線L2bの線路長とを合わせた親機線路L2の線路長を推定する。
【0029】
また制御機CPU47は、遅延量計測部43に返信信号の遅延量を測定させて、第2線路長推定部44に線路長を推定させる。遅延量計測部43は、制御機4が伝送信号の送信を開始した時点から、その返信信号を受信するまでの時間を計測する。
上述したように、制御機CPU47は送信先の居室親機2との間の分岐器6の数、中継器5の数を把握しているのに加えて、各機器の遅延量情報を把握しており、この情報を基に、第2線路長推定部44は、計測した総遅延量(遅延時間)から分岐器6の遅延時間、中継器5の遅延時間、居室親機2の受信してから返信するまでの所定時間の標準値を削除し、残った遅延時間から線路長を推定する。
【0030】
制御機CPU47は、こうして減衰量から求めた線路長と、遅延量から求めた線路長を比較する。双方の値が所定の誤差以内で一致していれば、線路異常はないと判断する。
しかし、双方の値に一定量以上の差が発生した場合は線路異常発生と判断し、報知部46を報知動作させる。例えば、減衰量から推定した線路長が遅延量から推定した線路長より長い場合は、異常な減衰が発生していると判断し、断線発生と判断する。この場合、異常発生点の検出は次のように行われる。
【0031】
制御機CPU47は、中継器5で書き込まれた情報と居室親機2で書き込まれた情報に加えて、他の居室親機2との間の線路長情報を加味して判断する。例えば、制御機4から第5居室親機2eまでの親機線路L2に異常が無ければ、異常は4番目の分岐器6から第4居室親機2dまでの親機伝送線L2bにおいて発生したと判断する。
こうして、線路異常を検出した場合は、親機幹線L2a上の異常か、親機伝送線L2b上の異常か判別することが可能であり、これらの情報から場所を推定する。
【0032】
一方、遅延量から推定した線路長の方が長い場合は、親機幹線L2a等が長すぎる等の判断がなされ、施工時のチェックに役立つ。
【0033】
この線路長の推定は、個々の居室親機2までの親機線路L2に対して実施されるし、制御機4と管理室親機3の間の線路長の推定、制御機4と集合玄関機1の間の線路長の推定も同様に実施され、線路状態が監視される。
【0034】
個々の機器に対して線路長の推定が終了したら、推定した線路長情報に加えて、異常が検出された場合はその異常発生推定場所を表示するためのデータが、制御機CPU47の制御により画像データ生成部45で作成される。
図6は、任意の居室親機2において所定の表示操作することでディスプレイ24に接続状態を表示させた画面説明図を示している。制御機4と個々の居室親機2の接続関係は予め入力された構成が表示され、
図6において表示されている機器毎の線路長は、上述した2つの推定部42,44が推定した長さが表示される。また、監視結果、異常を検出した場所情報が×印で表示されている。
【0035】
このように、制御機4から伝送された信号を中継する際に、測定した中継信号の減衰量データが中継器5において信号に書き込まれて居室親機に伝送されるし、更に居室親機2での減衰量データが追加記載された返信信号が制御機4に伝送されるため、線路上の全減衰量情報を制御機4が集中管理できる。そして、制御機4から中継器5までの減衰量、中継器5から居室親機2までの減衰量も個別に把握できるため、親機幹線L2aに中継器5が介在されていても居室親機2に至る正確な減衰量を制御機4が把握でき、断線等の線路異常の発生を減衰量の変化から検出することができる。然も、線路途中の減衰量を中継器5により把握できることで異常発生場所の特定もし易い。
また、制御機4が居室親機2から返信された信号に書き込まれた減衰量データを基に推定した線路長と、返信された信号の遅延量から推定した線路長とを比較して線路状態を判定するため、誤検出の防止に効果を奏する。また、線路異常を検出した場合、それを報知することで速やかに線路異常の発生を認識できる。
更に、画像データ生成部45が作成した画像を居室親機2のディスプレイ24に表示させることで、システムの接続状態や機器間の線路長を視覚で把握することができ、施工時やその後のメンテナンスに役立つし、異常発生場所をシステムの接続図上に表示するため、場所を容易に把握でき対処し易い。
そして、親機幹線L2に中継器5が複数設置されても、個々の中継器5までの減衰量データを制御機4で把握でき、線路の減衰量情報が不明確になることがない。
【0036】
尚、上記実施形態では、信号の減衰量と遅延量との双方から推定した線路長を基に線路異常を検出しているが、遅延量から減衰量を推定し、測定した減衰量と推定した減衰量とを基に線路異常を検出しても良い。
また、中継器5を2台設置したシステムとしているが、中継器5の数は親機幹線L2の長さに応じて増減されるもので、中継器の数に関わらず本発明のシステムは良好に構成できる。
更に、機器の接続状態の表示を居室親機2で行う構成としたが、制御機4にディスプレイを設けても良いし、管理室親機3で表示させても良い。