(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
吸気カム(65)及び排気カム(66)が設けられるとともに吸気バルブ(56)のバルブ軸線(V)の延長線上に配置されるカム軸(52)と、前記排気カム(66)に駆動されるとともに排気バルブ(60)を押圧する排気ロッカーアーム(54)とを備え、当該排気ロッカーアーム(54)は、シリンダ軸線(C)方向で、そのピボット軸(55)が前記カム軸(52)のカム軸中心(52a)よりも低い位置に配置されるとともに、当該排気ロッカーアーム(54)と前記排気カム(66)との摺動面が前記カム軸中心(52a)よりも高い位置に配置され、前記排気カム(66)のプロフィールの一部が、前記カム軸(52)の軸線(52a)方向視で、前記吸気カム(65)のプロフィールよりも外方に張り出るエンジンの動弁装置において、
前記吸気カム(65)に駆動されるとともに前記吸気バルブ(56)を押圧する吸気ロッカーアーム(53)が前記カム軸(52)と吸気側のバルブリフタ(58)との間に設けられ、
前記吸気ロッカーアーム(53)の前記吸気カム(65)との摺動面(81a)が前記吸気側のバルブリフタ(58)よりも幅狭に形成され、
前記排気カム(66)は、シリンダ軸線(C)方向視で、その幅方向の一部(90)が前記吸気側のバルブリフタ(58)と重なるように配置され、
前記排気ロッカーアーム(54)の前記ピボット軸(55)と、前記吸気ロッカーアーム(53)のピボット軸(55)とが同軸に設けられることを特徴とするエンジンの動弁装置。
前記吸気バルブ(56)と前記排気バルブ(60)とはそれぞれ2つずつ設けられ、前記吸気バルブ(56)と前記排気バルブ(60)との間に点火プラグ(46)が配置され、
前記吸気ロッカーアーム(53)は、前記カム軸(52)の前記軸線(52a)方向で、前記点火プラグ(46)の両側に1つずつ隣接して配置され、
前記排気ロッカーアーム(54)は、2つの前記吸気ロッカーアーム(53)の外側に1つずつ隣接して配置されることを特徴とする請求項1記載のエンジンの動弁装置。
前記エンジン(11)は、鞍乗り型車両(10)に対し、クランク軸が前後方向に沿い、シリンダ(31)が水平に対向するとともに、前記吸気バルブ(56)が上方、前記排気バルブ(60)が下方となるとなるように配置され、
前記鞍乗り型車両(10)のステップ(23)は、前記シリンダ(31)よりも下方に配置されることを特徴とする請求項1または2記載のエンジンの動弁装置。
前記ピボット軸(55)の周側面に切り欠き(55a)が設けられ、当該切り欠き(55a)は、前記カム軸(52)を軸支するカムホルダ(69)の締め付けボルト(74)に係止されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンジンの動弁装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の動弁装置では、吸気バルブリフタが吸気カムに直接駆動され、且つ、カム軸方向視で排気カムのカムプロフィールが吸気カムのカムプロフィールよりも外方に突出する箇所があるため、排気カムは、吸気バルブリフタに当たらないように、シリンダ軸線方向視で、吸気バルブリフタよりも外側に配置される必要がある。そのため、カム軸の軸線方向における吸気カムと排気カムとの間の隙間が大きくなり、カム軸が長くなるという課題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、吸気カム及び排気カムが設けられたカム軸が吸気バルブのバルブ軸線の延長線上に配置され、カム軸に設けられた排気カムで排気ロッカーアームを介して排気バルブを駆動する動弁装置において、動弁装置のシリンダ軸線方向長さを短く抑えながら、カム軸の長さを短くできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、吸気カム(65)及び排気カム(66)が設けられるとともに吸気バルブ(56)のバルブ軸線(V)の延長線上に配置されるカム軸(52)と、前記排気カム(66)に駆動されるとともに排気バルブ(60)を押圧する排気ロッカーアーム(54)とを備え、当該排気ロッカーアーム(54)は、シリンダ軸線(C)方向で、そのピボット軸(55)が前記カム軸(52)のカム軸中心(52a)よりも低い位置に配置されるとともに、当該排気ロッカーアーム(54)と前記排気カム(66)との摺動面が前記カム軸中心(52a)よりも高い位置に配置され、前記排気カム(66)のプロフィールの一部が、前記カム軸(52)の軸線(52a)方向視で、前記吸気カム(65)のプロフィールよりも外方に張り出るエンジンの動弁装置において、前記吸気カム(65)に駆動されるとともに前記吸気バルブ(56)を押圧する吸気ロッカーアーム(53)が前記カム軸(52)と吸気側のバルブリフタ(58)との間に設けられ、前記吸気ロッカーアーム(53)の前記吸気カム(65)との摺動面(81a)が前記吸気側のバルブリフタ(58)よりも幅狭に形成され、前記排気カム(66)は、シリンダ軸線(C)方向視で、その幅方向の一部(90)が前記吸気側のバルブリフタ(58)と重なるように配置され
、前記排気ロッカーアーム(54)の前記ピボット軸(55)と、前記吸気ロッカーアーム(53)のピボット軸(55)とが同軸に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、吸気カム及び排気カムが設けられるカム軸が吸気バルブのバルブ軸線の延長線上に配置される構造を取りながら、吸気ロッカーアームの吸気カムとの摺動面が吸気側のバルブリフタよりも幅狭な吸気ロッカーアームを介して吸気バルブが駆動される構成とすることで、プロフィールの一部が吸気カムのプロフィールよりも外方に張り出す排気カムを、シリンダ軸線方向視で、その幅方向の一部が吸気側のバルブリフタと重なるように配置しても、排気カムが吸気側のバルブリフタに当たることがない。これにより、吸気カムと排気カムとの間隔を小さくできるため、動弁装置のシリンダ軸線方向長さを短く抑えながら、カム軸の長さを短くできる。
さらに、排気ロッカーアームのピボット軸と、吸気ロッカーアームのピボット軸とが同軸に設けられるため、ピボット軸の部品点数を削減できる。
【0006】
また、本発明は、前記吸気バルブ(56)と前記排気バルブ(60)とはそれぞれ2つずつ設けられ、前記吸気バルブ(56)と前記排気バルブ(60)との間に点火プラグ(46)が配置され、前記吸気ロッカーアーム(53)は、前記カム軸(52)の前記軸線(52a)方向で、前記点火プラグ(46)の両側に1つずつ隣接して配置され、前記排気ロッカーアーム(54)は、2つの前記吸気ロッカーアーム(53)の外側に1つずつ隣接して配置されることを特徴とする。
本発明によれば、動弁装置を4バルブ型として吸気量を確保し易くできるとともに、吸気側のバルブリフタの近くに配置された吸気ロッカーアームを点火プラグに隣接させることで、吸気ロッカーアームを、ピボット軸から吸気側のバルブリフタまで延びる短く略真っ直ぐな形状にすることができ、吸気ロッカーアームの強度及び剛性を容易に確保できる。また、排気ロッカーアームは、ピボット軸から比較的遠くに離れた排気バルブ側へ延び、この距離を利用して小さな曲率で無理なく点火プラグを避けることができるため、排気ロッカーアームの強度及び剛性を容易に確保できる。
【0007】
さらに、本発明は、前記エンジン(11)は、鞍乗り型車両(10)に対し、クランク軸が前後方向に沿い、シリンダ(31)が水平に対向するとともに、前記吸気バルブ(56)が上方、前記排気バルブ(60)が下方となるとなるように配置され、前記鞍乗り型車両(10)のステップ(23)は、前記シリンダ(31)よりも下方に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、カム軸を短くしてエンジンが前後に短くなることで、乗員の足とシリンダとの間隔を大きく確保できる。さらに、吸気ロッカーアームの外側から排気バルブへ延びる排気ロッカーアームの配置により、ステップの上方のシリンダをステップから離すことができ、乗員の足とシリンダとの間隔を大きく確保できる。
【0008】
また、本発明は、前記ピボット軸(55)の周側面に切り欠き(55a)が設けられ、当該切り欠き(55a)は、前記カム軸(52)を軸支するカムホルダ(69)の締め付けボルト(74)に係止されることを特徴とする。
本発明によれば、ピボット軸をカムホルダの締め付けボルトを利用して係止でき、部品点数を削減できる。
また、本発明は、前記吸気ロッカーアーム(53)のアーム部(81)の先端の厚みは、前記排気カム(66)が前記吸気側のバルブリフタ(58)に干渉しない大きさに設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るエンジンの動弁装置では、吸気カムと排気カムとの間隔を小さくできるため、動弁装置のシリンダ軸線方向長さを短く抑えながら、カム軸の長さを短くできる。
また、排気ロッカーアーム及び吸気ロッカーアームのピボット軸の部品点数を削減できる。
また、吸気ロッカーアーム及び排気ロッカーアームの強度及び剛性を容易に確保できる。
さらに、乗員の足とシリンダとの間隔を大きく確保できる。
また、ピボット軸をカムホルダの締め付けボルトを利用して係止でき、部品点数を削減できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号Rは車体右方を示している。
【0012】
図1は、本発明のエンジンの動弁装置を備えた自動二輪車の右側面図である。
自動二輪車10は、車体フレームFにエンジン11が支持され、前輪2を支持するフロントフォーク(不図示)が車体フレームFの前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム12が車体フレームFの後部側に設けられた車両である。自動二輪車10は、運転者(乗員)が跨るようにして着座するシート13が車体フレームFの後部の上部に支持された鞍乗り型の車両である。
【0013】
車体フレームFは、前記フロントフォークを回動自在に軸支する前端のヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14から車幅方向に広がった後、後下がりに後方へ延びる左右一対のメインフレーム15と、メインフレーム15の後端から下方に延びる左右一対のセンターフレーム16とを備える。また、車体フレームFは、メインフレーム15の後端側から車両の後部まで延びる左右一対のシートフレーム17と、センターフレーム16の下部から後上がりに延びてシートフレーム17の後部に連結される左右一対のサブフレーム18とを有する。
【0014】
操向用のハンドル20は、前記フロントフォークの上端に設けられ、運転者側へ後方に延びる。シート13は、センターフレーム16の後方側でシートフレーム17に支持される。
スイングアーム12は、左右のセンターフレーム16の上下の中間部に挿通されるスイングアームピボット軸21に前端を軸支され、スイングアームピボット軸21を中心に揺動自在である。
左右のセンターフレーム16は、下部から前方に延びる前方延出部22を備え、シート13に着座した運転者が足を載せるステップ23は、エンジン11の後方で前方延出部22に支持される。左右のステップ23は、前方延出部22から車幅方向外側に延出する。後輪3のブレーキの操作用のブレーキペダル24は、右側のステップ23の下方に配置され、ステップ23に跨るように前後に延びる。
自動二輪車10は、車体フレームF等を覆う車体カバー25を備える。車体カバー25は、ヘッドパイプ14を前方から覆うフロントカバー25aと、メインフレーム15及びエンジン11の後部を側方から覆う左右一対のサイドカバー25bとを備える。
【0015】
エンジン11は、車幅方向中央部に設けられるクランクケース30と、クランクケース30から車幅方向外側の左右へ略水平に突出する一対のシリンダ部31(シリンダ)とを備えた水平対向型のエンジンである。なお、左側のシリンダ部は不図示である。
クランク軸(不図示)は、クランクケース30内の上部において車幅方向の中央に収納され、自動二輪車10の前後方向に略水平に延びる姿勢で配置される。
図1には、クランク軸の軸線32が図示されている。
【0016】
右側のシリンダ部31は、側面視では上下よりも前後方向に長い略長方形状に形成されており、クランクケース30の前寄りの上部に設けられている。右側のシリンダ部31は、クランクケース30側から順に、シリンダブロック33(
図4)、シリンダブロック33(
図2)に連結されるシリンダヘッド34、及び、シリンダヘッド34に連結されるヘッドカバー35を備える。シリンダブロック33はクランクケース30に一体に形成される。
なお、左側のシリンダ部は、クランク軸の軸線32を基準に右側のシリンダ部31と略対称に構成されているため、ここでは右側のシリンダ部31の構造を説明し、左側のシリンダ部の説明は省略する。
【0017】
クランクケース30は、上記クランク軸の下方に位置する下部に、変速機室36を有し、変速機室36には、クランク軸の出力を減速して後輪3側に出力する変速機(不図示)が収納されている。この変速機の出力は、クランクケース30の後部の上部から後方に延びるドライブシャフト37を介して後輪3に伝達される。
エンジン11は、左右のメインフレーム15の前部から下方に延びる前側エンジンハンガ26と、左右のメインフレーム15の前後の中間部から下方に延びる後側エンジンハンガ27と、左右の前方延出部22とによって、車体フレームFに吊り下げられるように支持される。前側エンジンハンガ26は、クランクケース30の上部の前部に設けられた前連結部30aに連結され、後側エンジンハンガ27は、クランクケース30の上部の後部に設けられた後連結部30bに連結される。
【0018】
図2は、
図1において右側のシリンダ部31を拡大して示す図である。
図2では、ヘッドカバー35を取り外した状態が示されている。
図3は、
図2においてカム軸を2点鎖線で示した図である。
図4は、
図2のVI−VI断面図である。
図5は、
図2のV−V断面図である。
図4に示すように、シリンダ部31のシリンダブロック33は、ピストン40が設けられるシリンダボア33aを有し、シリンダボア33aのシリンダ軸線Cは、車幅方向に略水平に延びる。本実施の形態では、シリンダ部31の高さ方向は、特に記載がない限りシリンダ軸線Cを基準にして説明し、シリンダ軸線Cにおいてクランクケース30側を低い位置とし、シリンダ軸線Cにおいてヘッドカバー35側を高い位置とする。なお、ピストン40は、コンロッド(不図示)を介して上記クランク軸に連結される。
【0019】
図2〜
図5に示すように、シリンダヘッド34は、上方に開口した動弁室41を上部に有し、動弁室41には、エンジン11の吸気及び排気を制御する動弁装置42が収納されている。動弁室41は、シリンダヘッド34の上部の側壁41aによって、側面視で前後に長い略長方形状に区画されている。側壁41aの上端にはガスケット43が設けられ、ガスケット43に密着してヘッドカバー35が取り付けられることで、動弁室41が密閉される。
【0020】
エンジン11は、水平対向型の6気筒エンジンであり、左右のシリンダ部31に、3つの気筒がそれぞれ設けられている。すなわち、シリンダ部31では、3つの気筒は、クランク軸の軸線32(
図1)に沿うように前後方向に並べて配列されており、シリンダボア33aは前後に略等間隔で3つ設けられている。
各気筒は、各気筒の燃焼室44に連通する一つのプラグ固定孔45をシリンダヘッド34の下面にそれぞれ備える。各プラグ固定孔45には、点火プラグ46が固定され、点火プラグ46は、燃焼室44の略中央に臨む。シリンダヘッド34は、プラグ固定孔45に連続して上方に延び動弁室41に連通するキャップ孔部45aを備える。キャップ孔部45aはヘッドカバー35の孔35aに連通しており、点火プラグ46に電力を供給する筒状のプラグキャップ47は、孔35aから挿入されて、点火プラグ46に接続される。なお、
図3では、プラグキャップ47は中央の気筒にのみ図示されている。
【0021】
シリンダ部31は、吸気装置(不図示)が接続される吸気管接続部48(
図4)を、車両の上下方向におけるシリンダヘッド34の上面に備える。また、シリンダ部31は、排気管(不図示)が接続される排気管接続部49を、車両の上下方向におけるシリンダヘッド34の下面に備える。
【0022】
動弁装置42は、シリンダヘッド34の吸気ポート34aを開閉する吸気バルブユニット50と、排気ポート34bを開閉する排気バルブユニット51と、上記クランク軸により駆動されるカム軸52と、吸気バルブユニット50を駆動する吸気ロッカーアーム53と、吸気バルブユニット50を駆動する排気ロッカーアーム54と、吸気ロッカーアーム53及び排気ロッカーアーム54をシリンダヘッド34に軸支する一対のピボット軸55,55とを備える。
シリンダ部31は、クランクケース30まで延びるカムチェーン室38を前部に備え、カム軸52は、カムチェーン室38を通ってカム軸52とクランク軸との間に掛け渡されるカムチェーン39を介して回転駆動される。
【0023】
吸気バルブユニット50は、吸気バルブ56と、吸気バルブ56のバルブステム56aをガイドするバルブガイド57と、バルブステム56aの上端に設けられる円板状の吸気側バルブリフタ58と、吸気側バルブリフタ58を介して吸気バルブ56を閉弁方向に付勢するバルブスプリング59とを備える。
排気バルブユニット51は、排気バルブ60と、排気バルブ60のバルブステム60aをガイドするバルブガイド61と、バルブステム60aの上端に設けられる円板状の排気側バルブリフタ62と、排気側バルブリフタ62を介して排気バルブ60を閉弁方向に付勢するバルブスプリング63とを備える。
吸気バルブユニット50及び排気バルブユニット51は、動弁室41の底面に立設され、吸気バルブ56と排気バルブ60とが所定のバルブ挟み角となるようにV字状に配置されている。
【0024】
各気筒は、2つの吸気バルブユニット50と、2つの吸気バルブユニット50とを備える。すなわち、各気筒は、2つの吸気バルブ56と、2つの排気バルブ60とを備える4バルブ型である。動弁装置42は、各気筒で同様に構成されているため、ここでは、主として、中央の気筒について説明する。
図3に示すように、一つの気筒において、一対の吸気バルブユニット50,50は、プラグ固定孔45に対して吸気管接続部48側(車両の上方側)に配置されるとともに、カム軸52の軸線の方向においては、プラグ固定孔45の一側(前側)及び他側(後側)にそれぞれ配置されている。
【0025】
また、一つの気筒において、一対の排気バルブユニット51,51は、プラグ固定孔45に対して排気管接続部49側(車両の下方側)に配置されるとともに、カム軸52の軸線52a(カム軸の軸線、カム軸中心)の方向においては、プラグ固定孔45の一側(前側)及び他側(後側)にそれぞれ配置されている。すなわち、各気筒では、プラグ固定孔45を中心にして、プラグ固定孔45の周囲に一対の吸気バルブユニット50,50及び一対の排気バルブユニット51,51が配置されている。また、吸気バルブユニット50,50と排気バルブユニット51,51とは、前後方向において略同一の位置に揃えて配置されている。
本実施の形態では、シリンダ部31は前後に並ぶ3つの気筒を有するため、側面視において、吸気バルブユニット50は、吸気管接続部48側で前後に一列で複数(6つ)並び、排気バルブユニット51は、排気管接続部49側で前後に一列で複数(6つ)並ぶ。
【0026】
図4に示すように、カム軸52は、吸気バルブ56の上方に配置されて自動二輪車10の前後方向に延びる。詳細には、カム軸52は、その軸線52aが各吸気バルブ56のバルブ軸線Vの延長線上に略一致して配置されるとともに、軸線52aがクランク軸の軸線32(
図1)に対し略平行となるように前後に延びる。
カム軸52は、各気筒において、
図3に示すようにシリンダ軸線Cの方向視で、吸気バルブユニット50,50に上方から重なる位置に、一対の吸気カム65,65を備える。また、カム軸52は、各気筒において、カム軸52の方向で吸気カム65,65の両外側の位置に、一対の排気カム66,66を備える。軸線52aの方向における吸気カム65の幅は排気カム66の幅よりも大きい。
【0027】
カム軸52は、カムチェーン室38に延出した前端に従動スプロケット67を有し、従動スプロケット67にはカムチェーン39が接続される。
カム軸52は、各気筒において、吸気カム65,65の間の位置に、シリンダヘッド34に保持される被保持部68をそれぞれ備える。さらに、カム軸52は、従動スプロケット67に隣接する位置にも被保持部68を備える。
【0028】
シリンダヘッド34は、各気筒における吸気バルブユニット50,50の間の位置に、ヘッドカバー35側へ上方に突出するカムホルダ69をそれぞれ備える。また、シリンダヘッド34は、カムチェーン室38に隣接する位置にもカムホルダ69を備える。
各カムホルダ69は、動弁室41の底面から上方に突出するヘッド側ホルダ部71と、ヘッド側ホルダ部71の上面に固定されるキャップ部72とを備える。ヘッド側ホルダ部71の上端及びキャップ部72の下端に設けられた半円部が合わさることで、カム軸52の被保持部68を保持する丸孔状の保持部73(
図5)が形成される。
【0029】
ヘッド側ホルダ部71は、保持部73を跨るように一対配置されるねじ孔部71a,71aをそれぞれ有する。ねじ孔部71a,71aは、キャップ孔部45aと略平行に設けられる。キャップ部72は、キャップ部72に挿通されてねじ孔部71a,71aに締結されるキャップ固定ボルト74,74(締め付けボルト)によってヘッド側ホルダ部71に固定される。
カム軸52は、カムチェーン室38に隣接する位置のカムホルダ69の両側に位置する一対の鍔部75,75を有し、鍔部75,75がこのカムホルダ69を挟むことで、軸方向の位置を規制される。
キャップ孔部45aは、ヘッド側ホルダ部71における排気バルブユニット51側の端面に沿うようにヘッド側ホルダ部71に一体に形成されている。
【0030】
図6は、
図5のVI−VI断面図である。
図5及び
図6に示すように、各ヘッド側ホルダ部71は、カム軸52の軸線52aと略平行に延びるピボット支持孔76を備える。ピボット支持孔76は、ヘッド側ホルダ部71の上部において、キャップ孔部45a側のねじ孔部71aとキャップ孔部45aとの間に設けられている。
前後方向の中央のヘッド側ホルダ部71と前方及び後方の各ヘッド側ホルダ部71,71との間の中間部には、動弁室41の底面から上方に延びる軸支持部77,77が一対設けられている。軸支持部77,77の上部には、ピボット支持孔76と同軸且つ同径のピボット支持孔78がそれぞれ設けられている。
ピボット軸55,55は、各ピボット支持孔76,78に嵌合することで、ヘッド側ホルダ部71及び軸支持部77に支持される。
ピボット軸55,55は、シリンダ軸線Cとカム軸52との間で、カム軸52の軸線52aよりも下方に配置されている。
【0031】
ピボット軸55,55は中空に形成されており、その周側面に、円弧状の切り欠き55a,55aを備える。各ヘッド側ホルダ部71におけるピボット軸55側のねじ孔部71aは、ピボット支持孔76に一部が連通しており、このねじ孔部71aに締めこまれたキャップ固定ボルト74の外周部の一部は、ピボット支持孔76内に突出し、ピボット軸55の切り欠き55aに嵌まる。
【0032】
シリンダヘッド34は、ピボット軸55,55の延長線上に位置するピボット軸通し孔79,79を側壁41aに備え、ピボット軸55,55は、ピボット軸通し孔79,79を介して外側から挿通され、各ピボット支持孔76,78に嵌合する。車両後部側のピボット軸通し孔79は、ピボット軸55の後端を支持する。
ピボット軸55,55は、先端55b,55bが、前後方向の中央のヘッド側ホルダ部71のキャップ固定ボルト74に突き当てられて軸方向に位置決めされる。その後、中央のヘッド側ホルダ部71の前側及び後側のヘッド側ホルダ部71,71のキャップ固定ボルト74,74がねじ孔部71a,71aに締め込まれることで、キャップ固定ボルト74,74が切り欠き55a,55aに嵌まる。これにより、ピボット軸55,55は、軸方向に位置決めされ、且つ、回り止めされる。このように、キャップ固定ボルト74を利用してピボット軸55,55を固定するため、部品点数を削減できる。
ピボット軸55,55の組み付け後、ピボット軸通し孔79,79はプラグ79a,79aで塞がれる。
【0033】
吸気ロッカーアーム53及び排気ロッカーアーム54は、同一のピボット軸55,55によって同軸の位置関係で支持される。このため、部品点数を削減できるとともに、動弁装置42を小型化できる。
図3及び
図4に示すように、吸気ロッカーアーム53は、ピボット軸55に支持される支持孔部80と、支持孔部80から吸気カム65の下面側へ延びて吸気カム65と吸気側バルブリフタ58との間に狭持されるアーム部81とを備える。アーム部81は、吸気カム65に下方から当接する円弧状のカム摺動面81aを上面に有する。カム摺動面81aは、吸気ロッカーアーム53の吸気カム65との摺動面である。
また、アーム部81は、吸気側バルブリフタ58の上面に当接する円弧状のリフタ当接面81bを先端部の下面に有する。詳細には、吸気側バルブリフタ58の上面の中央には、バルブクリアランス調整用のシム58aが嵌め込まれており、リフタ当接面81bはシム58aを介して吸気側バルブリフタ58に当接する。
【0034】
排気ロッカーアーム54は、ピボット軸55に支持される支持孔部83と、支持孔部83から排気バルブユニット51側に延びるアーム部84と、支持孔部83から排気カム66側へ上方に延びるローラー支持部85と、排気カム66に当接するローラー86とを備える。ローラー支持部85は、互いに間隔をあけて排気カム66側へ延びる一対の板部85a,85aを有し、板部85a,85a間に挿通されるローラー軸85bによってローラー86が軸支される。
ローラー軸85bは、カム軸52の軸線52aよりも上方に位置し、ローラー86と排気カム66との摺動位置は、軸線52aよりも上方に位置する。
【0035】
アーム部84の先端には、上方から排気側バルブリフタ62の中央部に当接するピン状の当接部87が設けられている。当接部87は、上下方向に位置を調整可能であり、上部に設けられたナット87aによって所定の位置に固定される。
本実施の形態では、排気ロッカーアーム54は、シリンダ軸線Cの方向で、ピボット軸55がカム軸52の軸線52aよりも低く、ローラー86の排気カム66との摺動面が軸線52aよりも高く配置されている。このため、排気ロッカーアーム54を上下にコンパクトに配置でき、シリンダ部31を小型化できる。
【0036】
図4を参照し、排気ロッカーアーム54は、ローラー86を介して排気カム66のベース円部66aに転がり接触する。排気カム66の回転に伴って排気カム66のカム山部66bがローラー86に転がり接触すると、排気ロッカーアーム54は、カム山部66bに押されてピボット軸55を中心に回動し、当接部87を介して排気側バルブリフタ62を押圧し、排気バルブ60を開く。
また、吸気ロッカーアーム53は、カム摺動面81aを介して吸気カム65のベース円部65aに摺接する。吸気カム65の回転に伴って吸気カム65のカム山部65bがカム摺動面81aに摺接すると、吸気ロッカーアーム53は、カム山部65bに押されてピボット軸55を中心に回動し、リフタ当接面81bを介して吸気側バルブリフタ58を押圧し、吸気バルブ56を開く。
ここで、ベース円部65a及びベース円部66aは同一径である。吸気カム65のカム山部65b及び排気カム66のカム山部66bカム山は、同一の位相で設けられている。また、カムプロフィールについては、カム山部65b及びカム山部66bの山の高さは同一であるが、軸線52aの方向視における排気側のカム山部66bの幅は、吸気側のカム山部65bの幅よりも大きい。すなわち、排気カム66のカムプロフィールの一部は、カム軸52の軸線52aの方向視で、吸気カム65のカムプロフィールよりも外方に張り出る。
【0037】
図3に示すように、吸気ロッカーアーム53及び排気ロッカーアーム54は、ヘッド側ホルダ部71と軸支持部77との間、または、ヘッド側ホルダ部71,71間に挟まれるように一対で設けられ、ピボット軸55の軸方向に位置決めされている。
各気筒において、吸気ロッカーアーム53,53は、
図3のようにシリンダ軸線Cの方向視の前後方向(軸線52aの方向)において、吸気カム65の位置に略一致して設けられており、吸気ロッカーアーム53,53は、吸気カム65側へ直線状に真っ直ぐに延びる棒状に形成されている。このため、吸気カム65の強度及び剛性を確保できる。
【0038】
また、各気筒において、排気ロッカーアーム54,54は、軸線52aの方向において、吸気ロッカーアーム53,53の外側に配置されており、排気側バルブリフタ62,62に対しても外側に位置している。排気ロッカーアーム54,54のアーム部84,84は、排気側バルブリフタ62,62側に近づくほど互いの間隔が小さくなるように、支持孔部83,83側から斜めに延びている。各気筒のアーム部84,84の間には、キャップ孔部45aが設けられているが、排気ロッカーアーム54,54が吸気ロッカーアーム53,53の外側から排気側バルブリフタ62,62へ延びるため、アーム部84,84間にスペースを確保でき、キャップ孔部45aはアーム部84,84の配置の邪魔にならない。これにより、アーム部84,84を直線状に延ばすことができるため、排気ロッカーアーム54,54の製造が容易であるとともに、排気ロッカーアーム54,54の強度及び剛性を確保できる。
【0039】
図7は、
図3の一部の拡大図である。
図3及び
図7に示すように、シリンダ軸線Cの方向視において、吸気ロッカーアーム53が吸気カム65に摺動するカム摺動面81aは、吸気側バルブリフタ58の中央に上方から重なるとともに、カム摺動面81aの幅Wは、吸気側バルブリフタ58の直径Dよりも小さい。カム摺動面81aの幅Wは、吸気カム65の幅に略等しく設定されている。また、
図4に示すように、吸気側バルブリフタ58の位置は、吸気ロッカーアーム53のアーム部81の先端の厚みの分だけ下方に位置している。さらに、排気カム66は、シリンダ軸線Cの方向視において、その一部が吸気側バルブリフタ58に上方から重なる重なり部90を有するように設けられている。
【0040】
すなわち、本実施の形態では、カムプロフィールの一部が吸気カム65のカムプロフィールよりも外方に張り出る排気カム66を、シリンダ軸線Cの方向視で、吸気側バルブリフタ58に上方から重なる位置まで吸気カム65に近づけて配置しても、排気カム66が吸気側バルブリフタ58に当接することがない。このため、吸気カム65と排気カム66とを近接配置してカム軸52の長さを短くでき、シリンダ部31を車両の前後方向にコンパクト化できる。ここで、吸気ロッカーアーム53のアーム部81の先端の厚みは、排気カム66が吸気側バルブリフタ58に当たらない大きさに設定されている。
【0041】
図4に示すように、シリンダヘッド34において燃焼室44と動弁室41との間には、エンジン11の冷却水が通るウォータージャケット91が設けられている。
動弁室41の底面には、ウォータージャケット91に連通する中子抜き孔92,92が設けられている。シリンダヘッド34の鋳造の際にウォータージャケット91を形成するために使用された中子は、中子抜き孔92,92を介して除去される。中子抜き孔92は、プラグ92aによって塞がれる。
中子抜き孔92,92は、隣接する気筒間において互いに隣接する排気ロッカーアーム54,54の間で、各軸支持部77に近接して設けられている。
【0042】
図8は、
図5のVIII−VIII断面図である。
図8に示すように、カム軸52は、軸線52aの方向に延びる軸内油路94を有し、軸内油路94は、カム軸52の両端に設けられるプラグ95,95によって両端を塞がれている。カム軸52は、カム軸52を径方向に貫通するオイル導入孔96を、カムチェーン室38側の被保持部68に有する。また、カム軸52は、各吸気カム65を径方向に貫通する給油孔97と、各排気カム66を径方向に貫通する給油孔98と、各被保持部68を径方向に貫通する給油孔99とを備える。
【0043】
図3に示すように、カムチェーン室38側のヘッド側ホルダ部71には、エンジン11のオイルパン側からのオイルが流れる油路100が形成されており、油路100のオイルは、オイル導入孔96から軸内油路94に流入する。軸内油路94のオイルは、給油孔97,98,99から吸気カム65、排気カム66及び被保持部68に直接供給されるとともに、カム軸52の回転により飛沫となって動弁装置42の各部に供給される。
【0044】
図2及び
図3に示すように、カム軸52は、車両前後方向の後端部に、一つのカムホルダ69によって片持ちで支持される片持ち部101を備える。片持ち部101には、吸気カム65と排気カム66とが一つずつ設けられている。本実施の形態では、重なり部90を設けることで、排気カム66を吸気カム65に近接配置したため、片持ち部101の長さが短くなり、片持ち部101に作用する曲げ応力が低減されている。これにより、片持ち部101を設けることができ、カム軸52の後端部側にカムホルダ69を設ける必要がないため、シリンダ部31を車両の前後方向に短くできる。
【0045】
また、
図3に示すように、シリンダ軸線Cの方向視で、車両の上下方向において排気バルブユニット51をピボット軸55の下方に配置するとともに、吸気ロッカーアーム53の外側に配置した排気ロッカーアーム54を、吸気バルブユニット50側に近づくほど互いの間隔が小さくなるように斜めに延ばしたため、最も後部の排気ロッカーアーム54は、その下端側ほど前側に位置するように斜めに傾斜している。このため、車両の前後方向における動弁室41の側壁41aの後壁部102を、最も後部の排気ロッカーアーム54に沿わせて前下がりの形状にすることができる。
【0046】
図1に示すように、シリンダ部31は、ステップ23及びステップ23に置かれた運転者の足Hの前方且つ上方に設けられている。本実施の形態では、重なり部90を設けてカム軸52を短くし、シリンダ部31を前後にコンパクトに形成したため、シリンダ部31とステップ23との間に距離を大きく確保でき、運転者の居住性が良い。さらに、シリンダヘッド34の後壁部102が前下がりの形状であるため、後壁部102とステップ23との間に距離を大きく確保でき、運転者の居住性が良い。
【0047】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、エンジン11の動弁装置42は、吸気カム65及び排気カム66が設けられるとともに吸気バルブ56のバルブ軸線Vの延長線上に配置されるカム軸52と、排気カム66に駆動されるとともに排気バルブ60を押圧する排気ロッカーアーム54とを備え、排気ロッカーアーム54は、シリンダ軸線Cの方向で、そのピボット軸55,55がカム軸52のカム軸中心である軸線52aよりも低い位置に配置されるとともに、排気ロッカーアーム54と排気カム66との摺動面であるカム摺動面81aが軸線52aよりも高い位置に配置され、排気カム66のカムプロフィールの一部が、カム軸52の軸線52aの方向視で、吸気カム65のカムプロフィールよりも外方に張り出し、吸気カム65に駆動されるとともに吸気バルブ56を押圧する吸気ロッカーアーム53がカム軸52と吸気側バルブリフタ58との間に設けられ、吸気ロッカーアーム53の吸気カム65との摺動面であるカム摺動面81aが吸気側バルブリフタ58よりも幅狭に形成され、排気カム66は、シリンダ軸線Cの方向視で、その幅方向の一部の重なり部90が吸気側バルブリフタ58と重なるように配置される。
このため、吸気カム65及び排気カム66が設けられるカム軸52がバルブ軸線Vの延長線上に配置される構造を取りながら、カム摺動面81aが吸気側バルブリフタ58よりも幅狭な吸気ロッカーアーム53を介して吸気バルブ56が駆動される構成とすることで、カムプロフィールの一部が吸気カム65のプロフィールよりも外方に張り出す排気カム66を、シリンダ軸線Cの方向視で、その幅方向の一部が吸気側バルブリフタ58と重なるように配置しても、排気カム66が吸気側バルブリフタ58に当たることがない。これにより、吸気カム65と排気カム66との間隔を小さくできるため、動弁装置42のシリンダ軸線Cの方向の長さを短く抑えながら、カム軸52の長さを短くできる。
【0048】
また、排気ロッカーアーム54のピボット軸55,55と、吸気ロッカーアーム53のピボット軸55,55とが同軸に設けられるため、ピボット軸55,55の部品点数を削減できる。
また、吸気バルブ56,56と排気バルブ60,60とは各気筒においてそれぞれ2つずつ設けられ、吸気バルブ56,56と排気バルブ60,60との間に点火プラグ46が配置され、吸気ロッカーアーム53,53は、カム軸52の軸線52aの方向で、点火プラグ46の両側に1つずつ隣接して配置され、排気ロッカーアーム54,54は、2つの吸気ロッカーアーム53,53の外側に1つずつ隣接して配置される。これにより、動弁装置42の各気筒を4バルブ型として吸気量を確保し易くできるとともに、吸気側バルブリフタ58の近くに配置された吸気ロッカーアーム53,53を点火プラグ46に隣接させることで、吸気ロッカーアーム53,53を、ピボット軸55,55から吸気側バルブリフタ58まで延びる短く略真っ直ぐな形状にすることができ、吸気ロッカーアーム53,53の強度及び剛性を容易に確保できる。また、排気ロッカーアーム54,54は、ピボット軸55,55から比較的遠くに離れた排気バルブ60,60側へ延び、この距離を利用して小さな曲率で無理なく点火プラグ46を避けることができるため、排気ロッカーアーム54,54の強度及び剛性を容易に確保できる。
【0049】
さらに、エンジン11は、自動二輪車10に対し、クランク軸の軸線32が前後方向に沿い、シリンダ部31が水平に対向するとともに、吸気バルブ56,56が上方、排気バルブ60,60が下方となるとなるように配置され、自動二輪車10のステップ23は、シリンダ部31よりも下方に配置される。これにより、カム軸52を短くしてエンジン11が前後に短くなることで、運転者の足Hとシリンダ部31との間隔を大きく確保できる。さらに、吸気ロッカーアーム53,53の外側から排気バルブ60,60へ延びる排気ロッカーアーム54,54の配置により、ステップ23の上方のシリンダ部31をステップ23から離すことができ、運転者の足Hとシリンダ部31との間隔を大きく確保できる。
【0050】
また、ピボット軸55,55の周側面に切り欠き55a,55aが設けられ、切り欠き55a,55aは、カム軸52を軸支するカムホルダ69のキャップ固定ボルト74,74に係止される。このため、ピボット軸55,55をキャップ固定ボルト74,74を利用して係止でき、部品点数を削減できる。