(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の遊技機と、各遊技機に対応して設けられ、入金残高を示す情報が記録された記録媒体を受け付けて当該入金残高の範囲内で遊技に使用する遊技価値を遊技者に付与すると共に、入金残高が無くなったときに当該記録媒体を収納部に回収する複数の記録媒体処理装置と、前記複数の遊技機及び記録媒体処理装置の稼動状況を管理する管理装置と、を備えた遊技場用管理システムにおいて、
遊技者からの盗難登録の申告に基づいて、盗難された記録媒体の識別情報を盗難登録リストに登録する盗難登録手段と、
前記複数の記録媒体処理装置において現在受け付けている記録媒体の識別情報を使用中記録媒体リストに登録する使用中記録媒体登録手段と、
前記盗難登録手段が記録媒体の識別情報を盗難登録リストに登録する際に、当該記録媒体の識別情報と、前記使用中記録媒体リストに登録されている識別情報とを照合する第1照合手段と、
前記記録媒体処理装置が新たに記録媒体を受け付けた際に、当該記録媒体の識別情報と、前記盗難登録リストに登録されている識別情報とを照合する第2照合手段と、
前記第1照合手段により照合された結果、前記盗難登録リストに登録される識別情報と、前記使用中記録媒体リストに登録されている識別情報とが一致したとき、又は前記第2照合手段により照合された結果、前記記録媒体処理装置が新たに受け付けた記録媒体の識別情報と、前記盗難登録リストに登録されている識別情報とが一致したときに、異常が発生した旨の報知を実行する異常報知手段と、
前記第1照合手段により照合された結果、前記盗難登録リストに登録される識別情報と、前記使用中記録媒体リストに登録されている識別情報とが一致しなかったときに、前記盗難登録リストへの登録を取り消すか否かを確認するための報知を実行する取消確認報知手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用管理システム。
前記盗難登録手段、前記使用中記録媒体登録手段、前記第1照合手段、前記第2照合手段、前記異常報知手段及び前記取消確認報知手段は、前記管理装置に備えられていることを特徴とする請求項1に記載した遊技場用管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には複数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して計数貸出ユニット2(記録媒体処理装置に相当)が設置されている。これら遊技機1及び計数貸出ユニット2は、複数台ずつ中継端末3と接続されている。中継端末3は、LAN4を介して管理装置5(盗難登録手段、使用中記録媒体登録手段、第1照合手段、第2照合手段、異常報知手段、消確認報知手段に相当)と接続されている。管理装置5は、遊技機側(遊技機1、計数貸出ユニット2等)から送信される遊技信号を受信することにより遊技機1毎の遊技データや会員登録された会員遊技者毎の個人データ等を管理する。尚、遊技場内には遊技媒体の貸出単価が異なる複数の遊技機島が形成されている。
図1では、玉(遊技媒体)の貸出単価が4円の遊技機島(4円遊技機島)と1円の遊技機島(1円遊技機島)とを例示している。
【0012】
遊技場内にはPOS(景品交換装置)6及び精算装置7も設置されている。これらPOS6及び精算装置7も、LAN4を介して管理装置5と接続されている。POS6は、カードリーダライタ8を接続しており、一般カード9(
図3参照)又は会員カード10(
図3参照)がカードリーダライタ8により受け付けられ、その受け付けられた一般カード9又は会員カード10に記録されている遊技価値(持玉数や貯玉数)がカードリーダライタ8により読み取られると、その読み取られた遊技価値に基づいて景品交換処理を実行する。
【0013】
精算装置7は、一般カード9又は会員カード10がカード挿入口11に挿入されると、その挿入された一般カード9又は会員カード10に記録されている入金残高をカードリーダライタ(図示せず)により読み取り、その読み取った入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口12から返却する返却処理を実行する。尚、POS6及び精算装置7において一般カード9又は会員カード10に記録されている遊技価値を取り扱うときは、管理装置5が一般カード9又は会員カード10に対応して予め記憶している遊技価値と照合し、真であると判定したことを条件として遊技価値の取り扱いを有効とする。
【0014】
管理装置5は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード13、モニタ14、プリンタ(図示せず)等が接続されている。尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置5の管理対象となっている。管理装置5は、遊技場内に設置された遊技機1、計数貸出ユニット2、POS6等の稼動状況を管理すると共に、遊技機1側から受信する各種の信号に基づいて遊技者毎の遊技価値(持玉数や貯玉数)や入金残高等を記憶管理する。持玉とは当日中に計数した玉であり、貯玉とは前日以前に計数した玉である。
【0015】
図2は、遊技機1及び計数貸出ユニット2の構成を概略的に示している。遊技機1は、CRパチンコ機であり、盤面15に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル16、上部受皿17、下部受皿18を有すると共に、盤面15に、液晶表示部19、始動口20、大入賞口21を有する。遊技者が操作ハンドル16を操作すると、玉(遊技媒体)が盤面15に発射され、そのパチンコ玉が始動口20に入賞すると、その入賞に応じた玉数のパチンコ玉を払出したり大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部19において所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口21を開放する。
【0016】
遊技機1は、遊技者による遊技が進行することに応じて、遊技機1に投入された(盤面15に打ち込まれて消費された)遊技媒体の数を示すアウト玉数(消費媒体数)を特定可能なアウト信号、遊技機1から入賞により払い出された遊技媒体の数を示すセーフ玉数(払出媒体数)を特定可能なセーフ信号、遊技機1で発生したスタート(大当たりの抽選の実行)を特定可能なスタート信号、遊技機1で発生した大当たり状態を特定可能な大当たり信号等の各種の遊技信号を送信する。
【0017】
計数貸出ユニット2は、現在の運用状態(正常状態、エラー状態等)を示す状態表示部22、紙幣が投入される紙幣投入口23、遊技者からの操作入力を受け付けると共に、入金残高、持玉数及び貯玉数の情報や、遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部24、1単位分(500円相当)の玉を払い出すための払出ボタン25、払い出された玉が通過する払出ノズル26、従業員が携帯する従業員リモコン40(
図1及び
図3参照)からの光信号を受信するリモコン受光部27、一般カード9又は会員カード10が挿入されるカード挿入口28、遊技機1の下部受皿18の下方に位置する着脱可能な計数受皿29等を有する。又、計数貸出ユニット2は、遊技機1に設けられている貸出ボタン30及び返却ボタン31の操作を検知可能となっている。
【0018】
図3は、計数貸出ユニット2の機能ブロック図を示している。計数貸出ユニット2は、CPU32a、ROM32b、RAM32c、I/O32dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部32、当該制御部32と接続された周辺部を備えて構成されている。周辺部としては、管理装置5及び遊技機1との間で各種の信号や各種の情報を送受信するI/F部33、紙幣投入口23に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部34、液晶表示部24、当該液晶表示部24上に設けられたタッチパネル35、カード挿入口28に挿入された一般カード9又は会員カード10に記録されている各種の情報を読み取ったり書き込んだりするカードリーダライタ36、最大10枚の一般カード9をストック可能なカードストック部37(収納部に相当)、リモコン受光部27、払出ボタン25、当該払出ボタン25が操作されたときに1単位分(例えば500円分)の玉を払出ノズル26から払い出す払出部38、計数受皿29から流入する玉を計数する計数部39等である。
【0019】
一般カード9にはICチップ9aが内蔵されており、そのICチップ9aにはカードを特定可能な一般IDが記憶されている。会員カード10にはICチップ10aが内蔵されており、そのICチップ10aにはカード(カードの会員)を特定可能な会員IDが記憶されている。これら一般カード9又は会員カード10は、計数貸出ユニット2に入金された入金残高を示す残高情報や持玉数を示す持玉情報を記録する(特定する)ための記録媒体である。一般カード9は当日限り有効であり、入金残高及び持玉数を記録可能である。会員カード10は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効であり、入金残高を記録可能である。会員カード10に対応する持玉数や貯玉数は管理装置5のみに記憶される。
【0020】
計数貸出ユニット2は、以下に示す機能を備えている。
(1)紙幣が紙幣投入口23に投入されると、その投入された紙幣の金額(1000円単位)を記憶すると共に、投入金額(入金残高)を液晶表示部24に表示する。
(2)遊技機1の貸出ボタン30が操作されると、その貸出ボタン30の操作に応じて入金残高の範囲内で1度数(500円)に相当する玉数の玉を遊技機1内部の払出機構から貸し出す(遊技媒体の貸出処理を行う)。4円遊技機島に設置されている計数貸出ユニット2であれば、125玉を払い出し、1円遊技機島に設置されている計数貸出ユニット2であれば、500玉を払い出す。このとき、遊技機1から計数貸出ユニット2に1度数分の玉を払い出したことを示す信号が送信されるので、液晶表示部24に表示されている入金残高から1度数(500円)を減額すると共に、貸し出した遊技媒体の数を示す貸出玉数(貸出媒体数)を特定可能な売上信号を送信する。この売上信号は1度数分の玉を払い出す毎に1パルスが送信されるので、1パルスを500円分の売上額として特定する。
【0021】
(3)遊技機1の下部受皿18から落下した玉が計数受皿29で受けられると、その計数受皿29で受けられた玉が計数部39に流入することで玉を計数し、その計数した玉数である計数玉数を液晶表示部24に表示する(遊技媒体の計数処理を行う)。
(4)払出ボタン25が操作されると、その払出ボタン25の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員遊技者の場合)の範囲内で1度数(500円)に相当する玉数の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出す(遊技媒体の払出処理を行う)。
【0022】
(5)遊技機1の返却ボタン31が操作されると、その返却ボタン31の操作に応じて入金残高や持玉数を一般カード9又は会員カード10に記録して発行する(遊技媒体の返却処理を行う)。一般カード9及び会員カード10の何れもカード挿入口28に挿入されていない場合は、カードストック部37にストックしている一般カード9を図示しない記録媒体移動手段によりカードリーダライタ36に繰り出して(セットして)入金残高及び持玉数を記録して発行する。尚、一般カード9はカードストック部37に最大10枚までストック可能である。会員カード10がカード挿入口28に挿入されている場合は、入金残高を会員カード10に記録し、暗証番号の入力を条件として持玉数を管理装置5に送信してから会員カード10を発行する。一般カード9又は会員カード10を発行する場合は、発行情報を管理装置5へ送信し、管理装置5側にも記憶する。尚、このように持玉数を一般カード9又は会員カード10に記録して発行したときには、計数玉数をゼロリセットする(初期化する)。
【0023】
(6)一般カード9がカード挿入口28に挿入されると(一般カード9を受け付けると)、その受け付けた一般カード9に記録されている入金残高及び持玉数をカードリーダライタ36により読出して液晶表示部24に表示する。一般カード9を受け付けたときは、その一般カード9に記録されている入金残高及び持玉数の範囲内で貸出処理及び払出処理を行う。
【0024】
(7)会員カード10がカード挿入口28に挿入されると(会員カード10を受け付けると)、その受け付けた会員カード10に記録されている入金残高をカードリーダライタ36により読出して液晶表示部24に表示し、暗証番号の入力を条件として管理装置5の会員口座に記憶されている貯玉数(当日貯玉数や前日貯玉数)も表示する。当日貯玉数とは当日貯玉された貯玉数であり、前日貯玉数とは前日までの貯玉数である。尚、当日貯玉数は営業終了後に前日貯玉数に合算されて記憶される。会員カード10を受け付けたときは、その会員カード10に記録されている入金残高、その会員カード10に対応して管理装置5が記憶している持玉数及び貯玉数の範囲内で貸出処理及び払出処理を行う。
【0025】
(8)紙幣が紙幣投入口23に投入された(入金が発生した)とき、一般カード9又は会員カード10を受け付けた(カードの受付が発生した)とき、一般カード9又は会員カード10を返却した(カードの返却が発生した)ときに、その処理の対象となったカードのカードID(記録媒体の識別情報)、処理種別(入金、カードの受付、カードの返却)、そのカードに対応付けられている入金残高、持玉数を特定可能なカード処理信号を管理装置5に送信する。
【0026】
(9)液晶表示部24に対する操作入力に応じて対応する遊技機1又は指定された他の遊技機1の遊技データを表示したり、遊技場からのメッセージを表示したり、遊技者が会員遊技者であることが特定された場合は遊技機1の遊技データを表示したりする。
【0027】
管理装置5は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機1の稼動状況を示す遊技データ(アウト玉数、セーフ玉数、遊技機1で発生した大当たりの回数を示す大当たり回数、遊技機1で実行されたゲームの回数を示すスタート回数、遊技機1が稼動している時間を示す稼動時間等)を管理して表示する遊技情報表示サービス、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を一旦貯蓄して当日又は後日遊技に再利用できるようにする貯玉サービス等を行う。尚、管理装置5が管理する遊技データは例示したものに限定されない。
【0028】
又、管理装置5は、遊技場においてカード(一般カード9又は会員カード10)の盗難が発生することを考慮し、遊技者からの盗難登録の申告があると、盗難された可能性が高いカードの登録やカードIDの照合を行い、被害を最小限に抑える対策を行う。管理装置5は、盗難された可能性が高いカードの登録やカードIDの照合として、以下に示す機能を備えている。
【0029】
(1)各計数貸出ユニット2からカード処理信号を受信すると、その受信したカード処理信号により特定されるカードID、処理種別、そのカードに対応付けられている入金残高、持玉数を特定してレコードを作成し、
図4に示すように、遊技機番号毎の(計数貸出ユニット毎の)カード処理履歴データに追加する。この場合、カード処理履歴データに記録する発生時刻は、各計数貸出ユニット2からカード処理信号を受信した時刻であっても良いし、各計数貸出ユニット2が処理の発生時刻を特定可能なカード処理信号を送信可能であれば、そのカード処理信号により特定される発生時刻であっても良い。又、一般カード9と会員カード10とを区分してカード処理履歴データを管理しても良いし、一般カード9と会員カード10とを区分せずに混在してカード処理履歴データを管理しても良い。又、カード処理信号により特定される処理種別がカードの受付であるときは、後述する(6)の処理を行う。
【0030】
(2)盗難の被害に遭った遊技者が盗難登録を申告したことを受け、盗難の被害に遭った遊技者から報告された遊技機番号を従業員が操作入力すると、その遊技機番号に対応するカード処理履歴データをモニタ14上に表示する。この場合、従業員は、モニタ14上に表示されるカード処理履歴データを確認し、盗難の被害に遭った時刻を遊技者から聞き出し、その遊技者から聞き出した時刻の付近で返却されたカードを特定することで、盗難された可能性が高いカードのカードIDを推測して特定する。そして、従業員は、盗難された可能性が高いカードのカードIDを特定すると、その盗難された可能性が高いと特定したカードのカードIDを盗難登録リストに追加する操作を行う。
【0031】
(3)各計数貸出ユニット2で使用中(受け付け中)のカードIDを使用中リスト(使用中記録媒体リスト)に記憶している。
(4)従業員が盗難登録リストにカードIDを追加する操作を行うと、その時点で記憶している(最新の)使用中リストを参照し、その新たに盗難登録リストに追加しようとするカードIDと、使用中リストのカードIDとを照合する。新たに盗難登録リストに追加しようとするカードIDが使用中リストに存在すると、そのカードIDを新たに盗難登録リストに追加し(登録し)、そのカードを使用中の計数貸出ユニット2を使用中リストに基づいて特定し、その特定した計数貸出ユニット2に盗難カード特定信号を送信する。この場合、盗難登録リストに追加した時刻を対応付けて管理しても良い。
【0032】
(5)従業員が盗難登録リストからカードIDを削除する操作を行うと、その従業員が指定したカードIDを盗難登録リストから削除する(抹消する)。この場合、盗難登録リストから削除した時刻を対応付けて管理しても良い。
(6)各計数貸出ユニット2から受信したカード処理信号により特定される処理種別がカードの受付であるときは、その受信したカード処理信号により特定されるカードIDと、その時点で記憶している(最新の)盗難登録リストのカードIDとを照合する。カード処理信号により特定されるカードIDが盗難登録リストに存在すると、そのカードを使用中の計数貸出ユニット2を使用中リストに基づいて特定し、この場合も、その特定した計数貸出ユニット2に盗難カード特定信号を送信する。
【0033】
計数貸出ユニット2は、このようにして管理装置5から送信される盗難カード特定信号を受信すると、エラー状態を設定し(正常状態からエラー状態に移行し)、例えば「異常発生、従業員をお呼びください。」等の異常報知メッセージを液晶表示部24に表示すると共に、これ以降の全ての操作(貸し出し操作、払い出し操作、返却操作等)を無効化する。この場合、異常報知メッセージを確認した従業員は、その場で事実確認を行い、事実確認を行った結果として盗難の疑いがあると判断すると、遊技機1の返却ボタン31を操作してカードを返却し、そのカードを持参して遊技者と共に管理室に行き、管理室で詳細な事実確認を行う。一方、従業員は、事実確認を行った結果として盗難の疑いがないと判断すると、従業員リモコン40を操作し、エラー状態を解除し(エラー状態から正常状態に復帰し)、そのままカードの継続利用を許可する。遊技場においては、盗難の被害に遭った遊技者から盗難登録の申告があると、以上の処理を行うことで、被害を最小限に抑えるようにしている。
【0034】
さて、上記したように盗難されたことに気付いた遊技者は盗難登録を申告することになるが、盗難されたことに気付くのが遅れると、盗難登録を申告した時点で既にカードに記録されていた入金残高や持玉数が消費されており、何れかの計数貸出ユニット2に収納されてしまっていることがある。そのような場合には、遊技者側の損失を防ぐことができないばかりでなく、そのカードが再度カードリーダライタ36へ繰り出されたときに盗難登録されたカードであると検知されてエラー状態になり、全く無関係の遊技者に対して迷惑を掛けてしまうという問題があった。
【0035】
このような問題に対し、本発明では、管理装置5は、上記した(1)から(6)に加え、以下に示す機能を備えている。
(7)従業員が盗難登録リストにカードIDを追加する操作を行う際に、その新たに盗難登録リストに追加しようとするカードIDが使用中リストに存在しないと、登録確認メッセージをモニタ14上に表示し、そのカードIDを盗難登録リストに追加するか否かを従業員及び遊技者に問い合わせる。即ち、新たに盗難登録リストに追加しようとするカードIDが使用中リストに存在しないということは、そのカードに記録されていた入金残高や持玉数が既に消費されてしまい、何れかの計数貸出ユニット2に収納されてしまっている可能性が高く、そのカードIDを盗難登録リストに追加することがあまり有効でない(追加する利点が少ない)という事情から、盗難登録リストへの追加を続けるか止めるかを従業員及び遊技者に問い合わせる(盗難登録リストへの登録を取り消すか否かを確認するための報知を実行する)。この場合、従業員及び遊技者は、盗難登録リストに追加することが有効であると判断すれば、盗難登録リストへの追加を続けることを選択し、一方、盗難登録リストに追加することが有効でない(諦める)と判断すれば、盗難登録リストへの追加を止める(登録を取り消す)ことを選択することになる。
【0036】
次に、上記した構成の作用について、
図5及び
図6も参照して説明する。管理装置5は、本発明に関連し、盗難登録・照合処理を所定周期で行う。又、計数貸出ユニット2は、本発明に関連し、盗難報知処理を所定周期で行う。以下、それぞれの処理について順次説明する。
【0037】
(ア)管理装置5が行う盗難登録・照合処理
管理装置5は、メイン処理を実行中に盗難登録・照合処理の開始タイミングになったか否かを判定しており、盗難登録・照合処理の開始タイミングになったと判定すると、メイン処理から盗難登録・照合処理に移行し、盗難登録・照合処理を開始する。管理装置5は、盗難登録・照合処理を開始すると、計数貸出ユニット2からカード処理信号を受信したか否か(A1)、従業員が遊技機番号を操作入力したか否か(A2)、従業員が盗難登録リストにカードIDを追加する操作を行ったか否か(A3)、従業員が盗難登録リストからカードIDを削除する操作を行ったか否かを判定する(A4)。
【0038】
管理装置5は、計数貸出ユニット2からカード処理信号を受信したと判定すると(A1:YES)、その受信したカード処理信号により特定されるカードID、処理種別、そのカードに対応付けられている入金残高、持玉数を特定してレコードを作成し(A5)、その作成したレコードをカード処理履歴データに追加する(A6)。次いで、管理装置5は、カード処理信号により特定される処理種別がカードの受付であるか否かを判定し(A7)、カードの受付であると判定すると(A7:YES)、その受信したカード処理信号により特定されるカードID(受け付けたカードID)と、その時点で記憶している盗難登録リストのカードIDとを照合する(A8)。管理装置5は、カード処理信号により特定されるカードIDが盗難登録リストに存在すると判定すると(A8:YES)、そのカードを使用中の計数貸出ユニット2を使用中リストに基づいて特定し(A9)、その特定した計数貸出ユニット2に盗難カード特定信号を送信し(A10)、盗難登録・照合処理を終了してメイン処理にリターンする。尚、管理装置5は、カード処理信号により特定される処理種別がカードの受付でない(入金又はカードの返却である)と判定すると(A7:NO)、盗難登録・照合処理を終了してメイン処理にリターンする。又、管理装置5は、カード処理信号により特定されるカードIDが盗難登録リストに存在しないと判定すると(A8:NO)、盗難登録・照合処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0039】
管理装置5は、盗難の被害に遭った遊技者からの盗難登録の申告を従業員が受け、盗難の被害に遭った遊技者から報告された遊技機番号を従業員が操作入力したと判定すると(A2:YES)、その遊技機番号に対応するカード処理履歴データをモニタ14上に表示し(A11)、盗難登録・照合処理を終了してメイン処理にリターンする。従業員は、モニタ14上に表示されるカード処理履歴データを確認し、盗難の被害に遭った時刻を遊技者から聞き出し、その遊技者から聞き出した時刻の付近で返却されたカードを特定することで、盗難された可能性が高いカードのカードIDを特定可能となる。
【0040】
管理装置5は、このようにして従業員が盗難された可能性が高いカードのカードIDを特定した後に、その特定したカードIDを盗難登録リストに追加する操作を行ったと判定すると(A3:YES)、その新たに盗難登録リストに追加しようとするカードIDと、使用中リストのカードIDとを照合する(A12)。管理装置5は、その新たに盗難登録リストに追加しようとするカードIDが使用中リストに存在すると判定すると(A12:YES)、その従業員が指定したカードIDを盗難登録リストに追加し(A13)、この場合も、そのカードを使用中の計数貸出ユニット2を使用中リストに基づいて特定し(A14)、その特定した計数貸出ユニット2に盗難カード特定信号を送信し(A15)、盗難登録・照合処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0041】
一方、管理装置5は、その新たに盗難登録リストに追加しようとするカードIDが使用中リストに存在しないと判定すると(A12:NO)、登録確認メッセージをモニタ14上に表示し(A16)、盗難登録リストへの追加を続けるか止めるかの操作を待機する(A17、A18)。従業員及び遊技者は、モニタ14上に表示される登録確認メッセージを確認し、カードIDの盗難登録リストへの追加を続けるか止めるかを選択する。
【0042】
管理装置5は、従業員及び遊技者がカードIDの盗難登録リストへの追加を続けることを選択したことで、盗難登録リストへの追加を続ける操作が行われたと判定すると(A17:YES)、その従業員が指定したカードIDを盗難登録リストに追加し(A19)、盗難登録・照合処理を終了してメイン処理にリターンする。一方、管理装置5は、従業員及び遊技者がカードIDの盗難登録リストへの追加を止めることを選択したことで、盗難登録リストへの追加を止める操作が行われたと判定すると(A18:YES)、その従業員が指定したカードIDを盗難登録リストに追加せず、盗難登録・照合処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0043】
又、管理装置5は、従業員が盗難登録リストからカードIDを削除する操作を行ったと判定すると(A4:YES)、その従業員が指定したカードIDを盗難登録リストから削除し(A20)、盗難登録・照合処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0044】
(イ)計数貸出ユニット2が行う盗難報知処理。
計数貸出ユニット2は、メイン処理を実行中に盗難報知処理の開始タイミングになったか否かを判定しており、盗難報知処理の開始タイミングになったと判定すると、メイン処理から盗難報知処理に移行し、盗難報知処理を開始する。計数貸出ユニット2は、盗難報知処理を開始すると、入金、カードの受付、カードの返却の何れかが発生したか否かを判定し(B1)、管理装置5から盗難カード特定信号を受信したか否かを判定し(B2)、回収準備フラグを成立させているか否かを判定する(B3)。
【0045】
計数貸出ユニット2は、入金、カードの受付、カードの返却の何れかが発生したと判定すると(B1:YES)、その処理の対象となったカードのカードID、処理種別、そのカードに対応付けられている入金残高、持玉数を特定可能なカード処理信号を管理装置5に送信し(B4)、盗難報知処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0046】
計数貸出ユニット2は、管理装置5から盗難カード特定信号を受信したと判定すると(B2:YES)、エラー状態を設定し(B5)、例えば「異常発生、従業員をお呼びください。」等の異常報知メッセージを液晶表示部24に表示し(B6)、これ以降の全ての操作を無効化し(B7)、返却ボタン31の操作及び従業員リモコン40からのエラー解除信号の受信を待機する(B8、B9)。この場合、異常報知メッセージを確認した従業員は、上記したように事実確認を行い、盗難の疑いがあると判断すると、返却ボタン31を操作し、一方、盗難の疑いがないと判断すると、従業員リモコン40を操作する。
【0047】
計数貸出ユニット2は、盗難の疑いがあると従業員が判断して返却ボタン31を操作したことで、返却ボタン31が操作されたと判定すると(B8:YES)、カードを返却し(B10)、盗難報知処理を終了してメイン処理にリターンする。このとき、従業員は、自分で回収したカードを持参して遊技者と共に管理室に行き、管理室で詳細な事実確認を行う。一方、計数貸出ユニット2は、盗難の疑いがないと従業員が判断して従業員リモコン40を操作したことで、従業員リモコン40からエラー解除信号を受信したと判定すると(B9:YES)、エラー状態を解除し(B11)、そのままカードの継続利用を許可する。そして、計数貸出ユニット2は、対象のカードが一般カード9及び会員カード10の何れであるかを判定し(B12)、対象のカードが一般カード9であると判定すると(B12:YES)、回収準備フラグを成立させ(B13)、盗難報知処理を終了してメイン処理にリターンし、一方、対象のカードが会員カード10であると判定すると(B12:NO)、回収準備フラグを成立させずに盗難報知処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0048】
計数貸出ユニット2は、回収準備フラグを成立させている、即ち、継続利用を許可したカードが一般カード9であると判定すると(B3:YES)、その一般カード9に記録されている入金残高及び持玉数の両方を監視し、入金残高及び持玉数の両方が無くなったか否かを判定する(B14)。計数貸出ユニット2は、入金残高及び持玉数の両方が無くなったと判定すると(B14:YES)、呼出メッセージを液晶表示部24に表示し(B15)、返却ボタン31の操作を待機する(B16)。この場合、呼出メッセージを確認した従業員は、入金残高及び持玉数の両方が無くなった一般カード9を回収すべく返却ボタン31を操作する。計数貸出ユニット2は、従業員が返却ボタン31を操作したことで、返却ボタン31が操作されたと判定すると(B16:YES)、カードを返却し(B17)、回収準備フラグの成立を解除し(B18)、盗難報知処理を終了してメイン処理にリターンする。遊技場においては、継続利用を許可した後に入金残高及び持玉数の両方が無くなった一般カード9がカードストック部37に回収されてしまうことがなくなり、その一般カード9を従業員が回収することが可能となる。
【0049】
以上に説明した本実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
遊技者からの盗難登録の申告に基づいて、盗難された一般カード9又は会員カード10のカードIDを盗難登録リストに登録する際に、各計数貸出ユニット2で使用中のカードIDを記憶する使用中リストを参照し、そのカードIDが使用中リストに存在しないときに、登録確認メッセージをモニタ14上に表示し、盗難登録リストへの追加を続けるか止めるかを選択させるようにしたので、盗難登録の手続きを行う従業員及び遊技者に対して盗難登録の是非を改めて判断させることができる。例えば盗難に遭った時刻がかなり前であるような場合には、既に入金残高及び持玉数が全て消費されてしまった蓋然性が高いので、遊技者に対して諦めるように促すという運用が可能となる。
【0050】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
計数機能が付設されている計数貸出ユニット2を例示したが、計数機能が付設されていない貸出ユニットであっても良い。
管理装置5が行う情報処理の一部を計数貸出ユニット2にて行っても良い。即ち、盗難登録手段、使用中記録媒体登録手段、第1照合手段、第2照合手段、異常報知手段、取消確認報知手段を管理装置5が備えることで、盗難登録リストへのカードIDの追加、盗難登録リストからのカードIDの削除、カードIDの照合、登録確認メッセージの表示等を管理装置5が行う構成を例示したが、これらの各手段を計数貸出ユニット2が備えることで、盗難登録リストへのカードIDの追加、盗難登録リストからのカードIDの削除、カードIDの照合、登録確認メッセージの表示等を計数貸出ユニット2が行う構成であっても良い。又、これらの各手段を管理装置5及び計数貸出ユニット2の双方が備える構成であっても良い。これらの各手段を計数貸出ユニット2が備える構成では、一の計数貸出ユニット2で管理される情報(盗難登録リストへのカードIDの追加、盗難登録リストからのカードIDの削除等)が他の計数貸出ユニット2に送信されることで、全ての計数貸出ユニット2が情報を常に共有する。又、カードIDの照合を計数貸出ユニット2が行う場合には、盗難登録リストを管理装置5から計数貸出ユニット2に送信する必要があるが、盗難登録リストを送信するタイミングは、盗難登録リストが更新された(カードIDが追加又は削除された)タイミングであっても良いし、所定周期の定期的なタイミングであっても良い。
【0051】
盗難登録リストにカードIDを追加する操作(盗難登録の操作)、盗難登録リストからカードIDを削除する操作(盗難登録解除の操作)を管理装置5にて行う構成を例示したが、盗難登録や盗難登録解除の操作を計数貸出ユニット2にて行い、その操作の情報を計数貸出ユニット2から管理装置5に送信することで、盗難登録リストを管理装置5にて管理する構成であっても良い。又、盗難登録や盗難登録解除の操作を管理装置5及び計数貸出ユニット2の両方にて行うことが可能な構成であっても良い。更に、盗難登録の操作を計数貸出ユニット2に行い、盗難登録解除の操作を管理装置5にて行うことが可能な構成であっても良い。
【0052】
計数貸出ユニット2において、盗難カードの通知を受けたときには全ての操作を無効化する構成を例示したが、返却操作のみを無効化し、貸し出し操作や払い出し操作をそのまま有効としても良い。
入金残高及び持玉数の両方が無くなったときにカードをカードストック部37に回収する構成を例示したが、少なくとも入金残高が無くなったときにカードをカードストック部37に回収しても良い。
【0053】
一般カード9に持玉数を記録するようにしたが、一般カード9に識別情報のみを記録すると共に、管理装置5が持玉数を記憶し、識別情報に基づいて管理装置5が記憶している持玉数を特定するようにしても良い。
会員カード10に持玉数や貯玉数を記録し、管理装置5が記憶している持玉数や貯玉数と照合した上で景品交換するようにしても良い。
記録媒体の形態はカードに限定されず、コイン形状等どのような形態であっても良い。又、パチンコ遊技機に限定されず、例えばスロットマシンであっても良い。又、封入式の遊技機であっても良い。
【0054】
一般カード9は原則として当日限り有効であるが、当日中に入金残高の精算をしなかった場合には例外的に翌日以降でも精算可能としても良い。
遊技媒体の貸し出しや払い出しを、遊技機1内部の払出機構により行うようにしたが、計数貸出ユニット2に設けられた払出機構により行っても良い。