特許第6247991号(P6247991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247991
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】遊技場用管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   A63F7/02 328
   A63F7/02 352F
   A63F7/02 354
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-84583(P2014-84583)
(22)【出願日】2014年4月16日
(65)【公開番号】特開2015-202318(P2015-202318A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2017年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金井 崇矩
【審査官】 酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−189441(JP,A)
【文献】 特開2011−015906(JP,A)
【文献】 特開平09−117560(JP,A)
【文献】 特開2010−252931(JP,A)
【文献】 特開2003−251047(JP,A)
【文献】 特開2011−143004(JP,A)
【文献】 特開2003−325919(JP,A)
【文献】 特開2008−093351(JP,A)
【文献】 特開2006−167483(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/092749(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機と、
各遊技機に付設され、遊技者が遊技により獲得した遊技価値の大きさを特定するための遊技価値情報を記録した記録媒体を発行可能な記録媒体発行装置と、
前記記録媒体が記録している遊技価値情報を読取り、当該遊技価値情報により特定される遊技価値を所定の景品に交換するための景品交換処理を実行する景品交換装置と、を備えた遊技場用管理システムにおいて、
前記遊技機において何らかのトラブルが発生したときに、当該トラブルが発生したことを示すトラブル情報を従業員が入力する入力手段と、
前記入力手段により入力されたトラブル情報を、前記遊技機の識別情報と対応付けて記録するトラブル情報記録手段と、
前記記録媒体が発行されるときに、前記トラブル情報記録手段により記録されているトラブル情報を、当該記録媒体の識別情報と対応付けるトラブル情報対応付手段と、を備え、
前記景品交換装置は、前記景品交換処理の実行に際して前記記録媒体の識別情報を読取ったときに、当該識別情報と対応付けられたトラブル情報が存在する場合には、遊技者に謝罪すべき旨のメッセージを従業員に対して表示することを特徴とする遊技場用管理システム。
【請求項2】
前記入力手段は、従業員が携帯可能なリモコン装置で構成され、従業員が当該リモコン装置を操作することにより、前記トラブル情報を入力することを特徴とする請求項1記載の遊技場用管理システム。
【請求項3】
前記トラブル情報入力手段によりトラブル情報が入力された後、前記記録媒体が発行される前に、従業員の操作によって前記トラブル情報記録手段が記録しているトラブル情報を消去する消去手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の遊技場用管理システム。
【請求項4】
前記トラブル情報対応付手段は、前記トラブル情報を前記記録媒体に書込むことによって対応付けることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技場用管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体発行装置から発行された記録媒体に記録された遊技価値情報により特定される遊技価値を景品交換装置で所定の景品に交換可能な遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場においては、遊技機やその周辺機器のトラブル(故障・不具合)により、遊技者に対して迷惑を掛けてしまうことが珍しくない。そのようなトラブルが発生した場合には、例えば特許文献1に記載されているように、トラブルが発生したことを謝罪するメッセージとともに、従業員を呼出す旨のメッセージをその機器で表示するようにしている。そして、呼出された従業員がトラブルを解消するとともに、遊技者に対して一言お詫びするという対応が一般的と言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−143004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、接客サービスを重んじる遊技場においては、そのようなその場限りの対応だけでは不十分であり、その遊技者が帰り際にも一言お詫びの言葉を掛けて、次回の来店を促進したいという要望があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、迷惑を掛けてしまった遊技者に対して帰り際に一言お詫びの言葉を掛けられる遊技場用管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の遊技機と、各遊技機に付設され、遊技者が遊技により獲得した遊技価値の大きさを特定するための遊技価値情報を記録した記録媒体を発行可能な記録媒体発行装置と、前記記録媒体が記録している遊技価値情報を読取り、当該遊技価値情報により特定される遊技価値を所定の景品に交換するための景品交換処理を実行する景品交換装置と、を備えた遊技場用管理システムにおいて、
前記遊技機において何らかのトラブルが発生したときに、当該トラブルが発生したことを示すトラブル情報を従業員が入力する入力手段と、前記入力手段により入力されたトラブル情報を、前記遊技機の識別情報と対応付けて記録するトラブル情報記録手段と、前記記録媒体が発行されるときに、前記トラブル情報記録手段により記録されているトラブル情報を、当該記録媒体の識別情報と対応付けるトラブル情報対応付手段と、を備え、前記景品交換装置は、前記景品交換処理の実行に際して前記記録媒体の識別情報を読取ったときに、当該識別情報と対応付けられたトラブル情報が存在する場合には、遊技者に謝罪すべき旨のメッセージを従業員に対して表示するものである(請求項1)。
【0006】
請求項1記載の遊技場用管理システムにおいて、
前記入力手段は、従業員が携帯可能なリモコン装置で構成され、従業員が当該リモコン装置を操作することにより、前記トラブル情報を入力するようにしてもよい(請求項2)。
【0007】
請求項1または2記載の遊技場用管理システムにおいて、
前記トラブル情報入力手段によりトラブル情報が入力された後、前記記録媒体が発行される前に、従業員の操作によって前記トラブル情報記録手段が記録しているトラブル情報を消去する消去手段を備えるようにしてもよい(請求項3)。
【0008】
請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技場用管理システムにおいて、
前記トラブル情報対応付手段は、前記トラブル情報を前記記録媒体に書込むことによって対応付けるようにしてもよい(請求項4)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、景品交換装置が記録媒体の識別情報に対応付けられたトラブル情報を読取ったときに、従業員に対して謝罪すべき旨のメッセージを表示するようにしたので、遊技者が遊技価値を景品に交換して帰る際に、一言お詫びの言葉を掛けるよう従業員に働きかけることができる。
請求項2の発明によれば、トラブル情報入力手段を従業員が携帯可能なリモコン装置としたので、トラブル情報の入力を機動的に行うことができる。
【0010】
請求項3の発明によれば、迷惑を被った遊技者が記録媒体を発行することなく別の遊技機へ移動したり、帰ったりする場合があるため、そのような場合に入力済のトラブル情報を消去できるようにしたので、トラブル情報が異なる記録媒体の識別情報に対応付けられてしまうことを防止できる。
請求項4の発明によれば、記録媒体の識別情報とトラブル情報とを対応付ける方式として、トラブル情報を記録媒体に直接書込むという最も単純な方式であるので、特別な手段を付加することなく容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態における遊技場用管理システムの全体構成を示す概略図
図2】遊技機及び計数貸出ユニットを概略的に示す正面図
図3】計数貸出ユニットの構成を示す機能ブロック図
図4】トラブル情報記録処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には複数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して計数貸出ユニット2(記録媒体発行装置、トラブル情報対応付手段に相当)及び呼出ランプユニット3が設置されている。これら遊技機1、計数貸出ユニット2及び呼出ランプユニット3は、中継装置4、LAN5、中継端末6及びLAN7を介して管理装置8と接続されている。
【0013】
遊技場には景品交換装置(以下、POS)9及び精算装置10も設置されており、LAN7を介して管理装置8と接続されている。POS9は、付属するカードリーダライタ11により読取った一般カード12(記録媒体、トラブル情報記録手段に相当。図3参照)或いは会員カード13(記録媒体、トラブル情報記録手段に相当。図3参照)により特定される遊技価値(持玉数・貯玉数)に基づいて景品交換処理を実行する。精算装置10は、一般カード12又は会員カード13がカード挿入口14に挿入されると、挿入されたカード12,13に記録されている入金残高をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口15から返却する。
尚、POS9及び精算装置10においてカード12,13に記録されている遊技価値を取扱うときは、管理装置8がカード12,13に対応して予め記憶している遊技価値と照合し、真であると判定したことを条件として遊技価値の取扱いを有効とする。
【0014】
管理装置8は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード16、モニタ17、図示しないプリンタ等が接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置8の管理対象となっている。
【0015】
管理装置8は、遊技場内に設置された遊技機1、計数貸出ユニット2、POS9等の稼動状況を管理すると共に、遊技機(遊技機1、計数貸出ユニット2等)側からの信号に基づいて遊技者毎の遊技価値(持玉数・貯玉数)と、入金残高とを記憶管理する。尚、持玉とは当日中に計数した玉であり、貯玉とは前日以前に計数した玉である。
【0016】
図2は遊技機1及び計数貸出ユニット2を概略的に示す正面図である。遊技機1はCRパチンコ機であり、盤面18に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル19、上部受皿20、下部受皿21を有すると共に、盤面18に、液晶表示部22、始動口23、大入賞口24を有する。遊技者が操作ハンドル19を操作すると、玉(遊技媒体)が盤面18に発射され、その玉が始動口23に入賞すると、その入賞に応じた数の玉を払出したり大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部22において所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口24を開放する。
尚、遊技機1は、遊技者による遊技が進行することに応じて、打込んだ玉の数である投入媒体数を特定可能なアウト信号、払出された玉の数である払出媒体数を特定可能なセーフ信号、大当たり状態を特定可能な大当たり信号等の各種の遊技信号を出力する。
【0017】
計数貸出ユニット2は、現在の運用状態(正常状態、エラー状態など)を示す状態表示部25、紙幣が投入される紙幣投入口26、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部27、1単位分(500円相当)の玉を払出すための払出ボタン28、払出された玉が通過する払出ノズル29、従業員が携帯するリモコン30(入力手段、リモコン装置、消去手段に相当)からの光信号を受信するリモコン受光部31、一般カード12或いは会員カード13が挿入されるカード挿入口32、遊技機1の下部受皿21の下方に位置する着脱可能な計数受皿33等を備えている。
【0018】
一方、遊技機1には貸出ボタン34及び返却ボタン35が設けられており、計数貸出ユニット2は、貸出ボタン34に対する操作に応じて貸出処理を実行し、返却ボタン35に対する操作に応じてカード発行処理を実行する。つまり、計数貸出ユニット2は、入金残高の範囲内で玉(遊技媒体)の貸出処理を行うと共に、遊技機1の下部受皿21から払出される玉(遊技価値)を受入れて計数し、入金残高及び持玉数(遊技価値情報)を一般カード12又は会員カード13に記録して発行する。一般カード12を受付けたときは、入金残高及び持玉数を表示すると共にそれらの範囲内で貸出・返却処理を行う。会員カード13を受付けたときは、入金残高及び持玉数を表示すると共に暗証番号の入力を条件として貯玉数を表示し、それらの範囲内で貸出・返却処理を行う。
【0019】
図3は、計数貸出ユニット2の構成を示す機能ブロック図である。計数貸出ユニット2は、CPU36a、ROM36b、RAM36c、I/O36dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部36、当該制御部36と接続された周辺部を備えて構成されている。周辺部としては、管理装置8及び遊技機1との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部37、紙幣投入口26に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部38、液晶表示部27、当該液晶表示部27上に設けられたタッチパネル39、カード挿入口32に挿入されたカード12,13に記録されている各種情報を読取ったり、書込んだりする所定位置としてのカードリーダライタ40、最大10枚の一般カード12をストック可能なカードストック部41、払出ボタン28、当該払出ボタン28が操作されたときに、1単位分(例えば500円分)の玉を払出ノズル29から払出す払出部42、計数受皿33から流入する玉数を計数する計数部43等である。
【0020】
一般カード12及び会員カード13にはICチップ12a,13aがそれぞれ内蔵されており、ICチップ12a,13aには一般ID、会員IDがそれぞれ記憶されている。これらのカード12,13は、計数貸出ユニット2に入金された入金金額(残高情報)や持玉数を特定するための持玉情報を特定するための記録媒体である。一般カード12は当日限り有効で、入金残高及び持玉数を記憶可能である。会員カード13は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効であり、入金残高を記憶可能である一方、持玉数・貯玉数は管理装置8のみに記憶する。
【0021】
計数貸出ユニット2は、以下に示す機能を備えている。
(1)紙幣投入口26に投入された紙幣の金額(1000円単位)を記憶すると共に、投入金額(入金残高)を液晶表示部27に表示する。
(2)遊技機1に設けられた貸出ボタン34の操作に応じて入金残高の範囲内で1度数(500円)に相当する数の玉(125玉)を遊技機1内部の払出機構から払出す。このとき、遊技機1から計数貸出ユニット2に1度数分の玉を払出したことを示す信号が出力されるので、液晶表示部27に表示されている入金残高から1度数に相当する金額(500円)を減額すると共に売上信号を出力する。この売上信号は1度数の玉の払出し毎に1パルスが出力されるので、1パルスを500円分の売上額として特定する。
【0022】
(3)遊技機1の下部受皿21から落下して計数受皿33で受けられた玉が計数部43に流入することで玉数を計数して液晶表示部27に表示する。
(4)払出ボタン28の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員遊技者の場合)の範囲内で1度数(125玉)ずつ払出す。
【0023】
(5)遊技機1に設けられた返却ボタン35に対する操作に応じて入金残高及び持玉数をカード挿入口32に挿入されている一般カード12に記録して発行する。会員カード13が挿入されている場合は、入金残高を会員カード13に記録すると共に暗証番号の入力を条件として持玉数を管理装置8に送信してから会員カード13を発行する。カード12,13を発行する場合は、発行情報を管理装置8へ送信し、管理装置8側にも記憶する。尚、カード挿入口32に一般カード12も会員カード13も挿入されていない場合は、カードストック部41にストックしている一般カード12を図示しない記録媒体移動手段によりカードリーダライタ40に繰出(セット)して入金残高及び持玉数を記録して発行する。また、入金残高及び持玉数とも0となった場合は、カードリーダライタ40にセットされた一般カード12を記録媒体移動手段によりカードストック部41に回収する。
【0024】
(6)一般カード12がカード挿入口32に挿入された場合は、一般カード12に記録されている入金残高及び持玉数をカードリーダライタ40により読出して液晶表示部27に表示する。会員カード13が挿入された場合は、会員カード13に記録されている入金残高を読出して液晶表示部27に表示すると共に暗証番号の入力を条件として管理装置8の会員口座に記憶されている貯玉数(当日貯玉数・前日貯玉数)も表示する。当日貯玉数とは当日貯玉された貯玉数であり、前日貯玉数とは前日までの貯玉数である。営業終了後は、当日貯玉数は前日貯玉数に合算して記憶される。遊技者による払出操作に応じて貯玉数の範囲内で1度数分の玉を払出ノズル29から払出す。
【0025】
(7)液晶表示部27に対する操作入力に応じて対応する遊技機1或いは指定された他の遊技機1の遊技データを表示したり、遊技場からのメッセージを表示したり、遊技者が会員遊技者であることが特定された場合は遊技機1の遊技データを表示する。
【0026】
管理装置8は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機1の稼動状況を示す遊技データを表示する遊技情報表示サービス、並びに遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を一旦貯蓄し、当日或いは後日遊技に再利用できるようにする貯玉サービスを実行可能となっている。これらのサービスを実行するために、遊技機1や計数貸出ユニット2等から入出力部に入力される遊技信号に基づいて、遊技機1の稼動状態を特定して遊技機1毎に遊技データを管理するようになっている。
【0027】
遊技機1毎に管理する遊技データは次の通りである。
・アウト
・セーフ
・差玉=セーフ−アウト
・出玉率=セーフ÷アウト
・大当たり確率=大当たり回数÷スタート回数
【0028】
図1に示す呼出ランプユニット3は、データ表示部44、複数の操作スイッチ部45、リモコン受光部46、呼出ボタン47を備える。データ表示部44には、遊技機1から呼出ランプユニット3に入力される信号に基づき集計した遊技情報等、各種の情報が表示される。複数の操作スイッチ部45は、データ表示部44の表示内容を切替えたり、遊技者が遊技場の従業員を呼出すため等に操作される。また、従業員が携帯するリモコン30によって、後述するトラブル情報等の種々の情報が、呼出ランプユニット3のリモコン受光部46に向けて送信される。
【0029】
次に、上記構成の作用について説明する。
遊技者が計数貸出ユニット2に紙幣を投入すると、計数貸出ユニット2は、投入された紙幣の金額を記憶すると共に、貸出可能な度数(1度数=125玉)を液晶表示部27に表示する。遊技者が遊技機1の貸出ボタン34を押下げると、貸出ボタン34に対する操作に応じて1度数ずつ遊技機内部の払出機構から玉を払出す貸出処理を実行する。一方、会員遊技者が貯玉を有している場合は、払出ボタン28に対する操作により1単位分の玉を払出ノズル29から払出す払出処理を実行する。
【0030】
遊技者が遊技機1で獲得した玉を計数する場合は、遊技機1の下部受皿21から玉を落下させる。落下した玉は計数貸出ユニット2の計数受皿33で受けられて計数貸出ユニット2内に流入し、計数部43にて計数される。計数貸出ユニット2は、計数部43で玉を計数すると、計数玉数を持玉数として液晶表示部27に表示する。払出ボタン28により持玉の払出操作が行われると、持玉数の範囲内で1度数(125玉)の玉が払出ノズル29から遊技機1に払出されると共に、液晶表示部27に表示されている持玉数が更新される。尚、持玉数が1度数未満の場合には全ての持玉数が払出される。遊技者が遊技機1の返却ボタン35を操作すると、その時点の入金残高・持玉数が記録された一般カード12を発行する(会員カード13がカード挿入口32に挿入されている場合は、その会員カード13に入金残高だけ記録して発行し、持玉数は管理装置8の会員口座の当日貯玉に合算して記憶される)。そして、発行された一般カード12(会員カード13)を移動先の計数貸出ユニット2に挿入することにより当該一般カード12に記録(会員カード13の場合は当該会員カード13に対応して管理装置8に記憶)されている入金残高・持玉数(貯玉数)が表示されるので、その範囲内で玉の貸出、或いは返却を受けて遊技することができる。遊技が終了したときは、遊技機1に設けられている返却ボタン35を操作することにより一般カード12或いは会員カード13に情報を記憶して返却(発行)することができる。
【0031】
さて、遊技者は、遊技機1での玉詰まり、補給装置の玉詰まり、計数貸出ユニット2の故障などが発生した場合は、呼出ランプユニット3の呼出ボタン47を操作して従業員を呼出す。
従業員は呼出した遊技者のところへ出向き、リモコン30を操作してトラブル情報を計数貸出ユニット2へ送信してから、トラブルの解消作業を行う。トラブル情報は、トラブル発生機器とトラブルの内容を含んでいる。例えば、遊技機1で玉詰まりが発生した場合は、当該遊技機1の台番号と玉詰まりを示す識別番号がトラブル情報となる。
計数貸出ユニット2は、図4に示すトラブル情報記録処理を実行しており、リモコン30からトラブル情報を受信したときは(S1:YES)、受信したトラブル情報をRAM36cに記憶する(S2)。
【0032】
遊技者は、トラブルが解消されたことで遊技を継続し、遊技を終了したり、台移動したりする場合は、遊技機1の返却ボタン35を操作する。
計数貸出ユニット2は、返却ボタン35が操作された場合は(S5:YES)、トラブル情報がRAM36cに記憶されているかを確認する(S6)。この場合、トラブル情報が記憶されているので(S6:YES)、そのトラブル情報をカード12,13に記録する(S7)。つまり、会員カード13が挿入されているときは会員カード13に、会員カード13が挿入されていないときはカードリーダライタ40に一般カード12を繰出してトラブル情報を記録する。一般カード12に記録される情報は、台番(「遊技機の識別情報」に相当)、入金残高、計数玉数、トラブル情報である。会員カード13に記録される情報は、台番(「遊技機の識別情報」に相当)、入金残高、トラブル情報である。
【0033】
計数貸出ユニット2は、以上のようにしてトラブル情報をカード12,13に記録すると、当該カード12,13を発行してから、RAM36cに記憶されているトラブル情報を消去する。
尚、会員カード13の場合は、入金残高・計数玉数の何れも無い状態で遊技者が遊技機1を移動するために会員カード13が発行されることから、その時点でトラブル情報を消去する。
【0034】
ところで、入金残高・計数玉数の何れも無い状態で一般の遊技者が遊技機1を移動するときは一般カード12が発行されないため、その場面を従業員が目視確認した場合は、リモコン30に対してトラブル情報消去操作を行う。これにより、リモコン30からトラブル情報消去指令が計数貸出ユニット2に対して送信される。
【0035】
計数貸出ユニット2は、リモコン30からトラブル情報の消去指令を受信した場合は(S3:YES)、RAM36cに記憶されているトラブル情報を消去する(S4)。
尚、一般の遊技者の移動を目視確認することができなかった場合は、RAM36cに記憶されているトラブル情報を消去できないことから、無関係の遊技者がトラブル情報を記録した一般カード12を発行して所持することになるが、無関係の遊技者がトラブル情報を記録した一般カード12を所持するにしても、それによって迷惑を被ることはないので、そのような場面は許容することにした。
【0036】
そして、遊技者が遊技を終了するためにカード12,13に記録された計数玉数を景品に交換する場合は、カード12,13を景品交換カウンタに提出する。従業員は、POS9のカードリーダライタ11でカード12,13の情報を読取り、計数玉数・貯玉数を利用して景品交換処理を実行する。
【0037】
ここで、カード12,13にトラブル情報が記録されている場合には当該トラブル情報を読出し、POS9の画面に表示する。このとき、トラブル情報と一緒に遊技者に対してお詫びすべき旨のメッセージも表示する。例えばトラブル情報として補給トラブルが記憶されている場合は、「○○○番台にて補給トラブル発生。お客様にお詫び申し上げてください。」と表示する。
このメッセージを見た従業員は、景品を手渡すときにトラブルの状況に合わせて一言お詫びの声を遊技者に掛ける。遊技者は、遊技の終了時に従業員からお詫びの声を掛けられることで、遊技でトラブルが発生したことを忘れて次回も来店しようと思うようになる。
【0038】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
遊技機1で何らかのトラブルが発生して遊技者に迷惑を掛けたときは、計数貸出ユニット2のカード発行時に発行情報にトラブル情報を一緒に記録しておき、POS9でそのカード12,13に記録された遊技価値を景品交換する際にトラブル情報を読取って、従業員に対しお詫びの声掛けを促すメッセージを表示するようにしたので、遊技者が遊技価値を景品に交換して帰る際に、一言お詫びの言葉を掛けるよう従業員に働きかけることができ、遊技者は気持ちよく帰ることができる。
【0039】
従業員が携帯可能なリモコン30から計数貸出ユニット2にトラブル情報を送信するようにしたので、計数貸出ユニット2に対するトラブル情報の入力を機動的に行うことができる。
リモコン30から計数貸出ユニット2に対してトラブル情報消去指令を送信するようにしたので、トラブル情報が無関係の遊技者が発行した一般カード12に誤って記録されてしまうことを防止できる。
トラブル情報をカードに直接書込むという最も単純な方式を採用したので、特別な手段を付加することなく容易に実施することができる。
【0040】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組合せたり、各変形例を組合せるようにしてもよい。
トラブル情報は、トラブル発生機器とトラブルの内容を含むようにしたが、トラブルが発生したことのみを示す情報としてもよい。
トラブル情報がカード12,13に記録されることなく遊技者が他の遊技機1へ移動したときには、リモコン30を操作することによってトラブル情報も同様に移動先の計数貸出ユニット2へ移動するようにしてもよい。
【0041】
従業員がリモコン30を操作してトラブル情報を記録するようにしたが、トラブル情報の入力手段はこれに限定されない。例えば、遊技機島の端部に有線方式の入力手段を固定的に設けるようにしてもよい。
カード自体にトラブル情報を記録するようにしたが、カード12,13の識別情報と対応付けて管理装置8に記録し、POS9が管理装置8からトラブル情報を読出すようにしてもよい。
【0042】
一般カード12と会員カード13の両方に対してトラブル情報を記録するようにしたが、会員カード13のみを対象としてもよい。つまり、一般カード12は入金残高・計数玉数が無ければ発行されないため、同一の遊技者に対してトラブル情報を確実に対応付けることが難しいからである。
【0043】
一般カード12には計数玉数を記録するようにしたが、識別情報のみを記録し、その識別情報に基づいて管理装置8が記憶している計数玉数を特定するようにしてもよい。
会員カード13には識別情報のみを記録し、計数玉数・貯玉数を記録しないようにしたが、計数玉数・貯玉数を会員カード13にも記録し、管理装置8が記録している計数玉数・貯玉数と照合した上で景品交換するようにしてもよい。
【0044】
記録媒体の形態はカードに限定されず、コイン形状等どのような形態であってもよい。
遊技機1は、遊技媒体を払い出さず、電子データとして加算記憶する封入式遊技機であってもよい。
また、パチンコ遊技機に限定されず、例えばスロットマシンであってもよい。
一般カード12は原則として当日限り有効であるが、当日中に入金残高の精算をしなかった場合には例外的に翌日以降も精算できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
図面中、1は遊技機、2は計数貸出ユニット(記録媒体発行装置、トラブル情報対応付手段)、9は景品交換装置、12は一般カード(記録媒体、トラブル情報記録手段)、13は会員カード(記録媒体、トラブル情報記録手段)、30はリモコン(入力手段、リモコン装置、消去手段)である。
図1
図2
図3
図4