特許第6248004号(P6248004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6248004更生タイヤ用クッションゴム及び更生タイヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248004
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】更生タイヤ用クッションゴム及び更生タイヤ
(51)【国際特許分類】
   C08L 7/00 20060101AFI20171204BHJP
   C08L 9/00 20060101ALI20171204BHJP
   C08K 9/04 20060101ALI20171204BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20171204BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20171204BHJP
   B60C 11/02 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   C08L7/00
   C08L9/00
   C08K9/04
   C08K3/04
   B60C1/00 Z
   B60C11/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-137550(P2014-137550)
(22)【出願日】2014年7月3日
(65)【公開番号】特開2016-14113(P2016-14113A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2017年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井原 郁夫
【審査官】 岡▲崎▼ 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−039818(JP,A)
【文献】 特開2005−281521(JP,A)
【文献】 特開2010−111817(JP,A)
【文献】 特開2002−348412(JP,A)
【文献】 特開平09−077915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 7/00−7/02
9/00−9/10
B60C 1/00
11/00−11/24
C08K 3/00−3/40
9/00−9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジエン系ゴムとフィラーとを含み、
前記フィラーは、脂肪酸、ロジン酸及びシランカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種で表面処理された表面処理炭酸カルシウムを含み、
前記表面処理炭酸カルシウムの窒素吸着比表面積(NSA)が20m/g以上200m/g以下であり、
前記表面処理炭酸カルシウムの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜7質量部であることを特徴とする更生タイヤ用クッションゴム。
【請求項2】
前記フィラーはカーボンブラックをさらに含み、
前記カーボンブラックの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30〜45質量部である請求項1に記載の更生タイヤ用クッションゴム。
【請求項3】
前記フィラーの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、50質量部以下である請求項1又は2に記載の更生タイヤ用クッションゴム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の更生タイヤ用クッションゴムを用いて得られたクッションゴム部材を備える更生タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、更生タイヤ用クッションゴム及び更生タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用済みのタイヤを更生する方法として、使用済みのタイヤのトレッドゴムを研磨して台タイヤを成形し、台タイヤ上にクッションゴムを配置し、クッションゴムにプレキュアトレッドを貼り付け、プレキュアトレッド装着済みの台タイヤを加硫缶で加熱する方法が知られている。クッションゴムは、プレキュアトレッドを台タイヤに固定する役割を担う。このため、クッションゴムは、加硫ゴム部材(具体的には、プレキュアトレッド、台タイヤなど)に対する高い粘着性をもつことが望ましい。
【0003】
粘着性を高める方法として、ジエン系ゴムに多量の粘着付与剤を配合する方法がある。
【0004】
また、クッションゴムに関する技術として、特許文献1には、アセチルアセトンコバルト類を配合することにより、スチールコードに対する接着力に優れたゴム組成物を得る技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−120033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ただし、ジエン系ゴムに多量の粘着付与剤を配合する方法は、加硫ゴムの破壊特性、低発熱性を悪化させる。
【0007】
特許文献1に記載の技術は、スチールコードに対する接着力を向上させるものであり、加硫ゴム部材に対する粘着性を向上させるものではない。また、クッションゴムの加硫ゴムは、優れた破壊特性、低発熱性をもつことが望ましいが、特許文献1に記載の技術は、破壊特性、低発熱性の向上を目的とするものではない。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加硫ゴム部材に対する粘着性に優れ、加硫ゴムの破壊特性、低発熱性を高めることが可能な更生タイヤ用クッションゴムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。即ち本発明は、ジエン系ゴムとフィラーとを含む更生タイヤ用クッションゴムに関する。フィラーは、脂肪酸、ロジン酸及びシランカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種で表面処理された表面処理炭酸カルシウムを含む。表面処理炭酸カルシウムの窒素吸着比表面積(NSA)が20m/g以上である。本発明に係る更生タイヤ用クッションゴムは、表面処理炭酸カルシウムの含有量が、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜7質量部である。
【0010】
ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が20m/g以上の表面処理炭酸カルシウムを1〜7質量部配合するため、加硫ゴム部材に対する更生タイヤ用クッションゴムの粘着性を向上できる。小粒径の表面処理炭酸カルシウムにより、更生タイヤ用クッションゴムの流動性が高まり、更生タイヤ用クッションゴムが加硫ゴム部材の表面に接触しやすくなるため、粘着性を向上できると推測される。しかも、表面処理炭酸カルシウムの配合量が少量であるので、加硫ゴムの破壊特性、低発熱性も向上できる。
【0011】
本発明に係る更生タイヤ用クッションゴムは、カーボンブラックをさらに含むことが好ましく、カーボンブラックの含有量が、ジエン系ゴム100質量部に対し、30〜45質量部であることが好ましい。カーボンブラックの含有量が30質量部以上であると、粘着性、破壊特性が良好である。一方、カーボンブラックの含有量が45質量部以下であると、粘着性、低発熱性、破壊特性が良好である。
【0012】
本発明に係る更生タイヤ用クッションゴムは、フィラーの含有量がジエン系ゴム100質量部に対し、50質量部以下であることが好ましい。フィラーの含有量が50質量部以下であると、粘着性、低発熱性、破壊特性が良好である。
【0013】
本発明はまた、更生タイヤ用クッションゴムを用いて得られたクッションゴム部材を備える更生タイヤに関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る更生タイヤ用クッションゴム(以下、単にクッションゴムということがある。)は、ジエン系ゴムと、フィラーとを含む。フィラーは、脂肪酸、ロジン酸及びシランカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種で表面処理された表面処理炭酸カルシウムを含む。
【0015】
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリスチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)などが挙げられる。必要に応じて、末端を変性したもの(例えば、末端変性BR、末端変性SBRなど)、あるいは所望の特性を付与すべく改質したもの(例えば、改質NR)も好適に使用可能である。また、ポリブタジエンゴム(BR)については、コバルト(Co)触媒、ネオジム(Nd)触媒、ニッケル(Ni)触媒、チタン(Ti)触媒、リチウム(Li)触媒を用いて合成したものに加えて、WO2007−129670に記載のメタロセン錯体を含む重合触媒組成物を用いて合成したもの、あるいはシンジオタクティック結晶を含むポリブタジエンゴムも使用可能である。なかでも、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリスチレンブタジエンゴムが好ましい。
【0016】
ジエン系ゴムを100質量部としたとき、天然ゴムの含有量は50質量部以上が好ましく、60質量部以上がより好ましい。
【0017】
ジエン系ゴムを100質量部としたとき、ポリスチレンブタジエンゴムの含有量は50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましい。
【0018】
表面処理炭酸カルシウムの窒素吸着比表面積(NSA)は、20m/g以上、好ましくは30m/g以上である。20m/g以上であるので、少量添加により破壊特性が向上する。一方、表面処理炭酸カルシウムの窒素吸着比表面積(NSA)の上限は特に限定されない。上限は、例えば、200m/gである。
なお、表面処理炭酸カルシウムの窒素吸着比表面積(NSA)は、JIS Z 8830:2013に準拠して測定された値である。
【0019】
窒素吸着比表面積(NSA)が20m/g以上の表面処理炭酸カルシウムの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1質量部以上、好ましくは2質量部以上である。1質量部未満であると、粘着性、破壊特性、低発熱性の向上効果を得ることが難しい。一方、窒素吸着比表面積(NSA)が20m/g以上の表面処理炭酸カルシウムの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、7質量部以下、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。7質量部以下であるので、粘着性、破壊特性、低発熱性を向上できる。
【0020】
窒素吸着比表面積(NSA)が20m/g以上の表面処理炭酸カルシウム以外に配合可能なフィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイカなどが挙げられる。
【0021】
カーボンブラックは、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなど、通常のゴム工業で使用されるカーボンブラックの他、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。なかでも、適度な補強性と加工性とを得ることができるという理由から、HAF、FEFが好ましい。
【0022】
カーボンブラックの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは30質量部以上、より好ましくは35質量部以上である。30質量部以上であると、破壊特性が良好である。一方、カーボンブラックの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは45質量部以下である。45質量部以下であると、粘着性、低発熱性、破壊特性が良好である。
【0023】
フィラーの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは50質量部以下である。50質量部以下であると、粘着性、低発熱性、破壊特性が良好である。一方、フィラーの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは30質量部以上、より好ましくは35質量部以上である。
【0024】
本発明に係るクッションゴムは、ジエン系ゴム、フィラーに加えて、粘着付与剤、加硫系配合剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、オイル、シランカップリング剤などを配合できる。
【0025】
粘着付与剤は、クッションゴムに粘着性を付与する添加剤であり、タッキファイヤーとも称される。粘着付与剤として、粘着性樹脂などを好適に使用できる。粘着性樹脂としては、例えば、アルキルフェノール系樹脂、石油系炭化水素樹脂などが挙げられる。
【0026】
粘着付与剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは7質量部以下、より好ましくは6質量部以下、さらに好ましくは5.5質量部以下である。粘着付与剤の含有量が多くなるほど、低発熱性、破壊特性が悪化する傾向がある。一方、粘着付与剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。
【0027】
加硫系配合剤としては、硫黄、有機過酸化物などの加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤などが挙げられる。
【0028】
加硫系配合剤としての硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。加硫後のゴム物性や耐久性などを考慮した場合、ジエン系ゴム100質量部に対する硫黄の配合量は、硫黄分換算で0.5〜5.0質量部が好ましい。
【0029】
加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などが挙げられる。ジエン系ゴム100質量部に対する加硫促進剤の配合量は、0.1〜5.0質量部が好ましい。
【0030】
加硫遅延剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは0.01〜1質量部である。
【0031】
老化防止剤としては、ゴム用として通常用いられる、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。老化防止剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して0〜5.0質量部であることがより好ましく、0.5〜3.0質量部であることがさらに好ましい。
【0032】
オイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどを好適に使用できる。
【0033】
オイルの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。オイルの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
【0034】
本発明に係るクッションゴムは、ジエン系ゴム、フィラーに加えて、必要に応じて、粘着付与剤、加硫系配合剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、オイル、シランカップリング剤などを、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練りすることにより得られる。
【0035】
また、各成分の配合方法は特に限定されず、加硫系配合剤以外の配合成分を予め混練してマスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、各成分を任意の順序で添加し混練する方法、全成分を同時に添加して混練する方法などのいずれでもよい。
【0036】
本発明に係るクッションゴムは、更生タイヤに使用される。具体的には、プレキュアトレッドを台タイヤに固定するために使用される。本発明に係るクッションゴムは、重荷重用更生タイヤ、ライトトラック用更生タイヤに好適に使用できる。重荷重用更生タイヤは、例えば、トラック、バス、建設車両などに使用される。
【0037】
本発明に係る更生タイヤは、クッションゴム部材を備える。本発明に係る更生タイヤは、プレキュア方式により製造できる。例えば、台タイヤにクッションゴムを貼り付け、クッションゴムにプレキュアトレッドを貼り付け、プレキュアトレッド装着済みの台タイヤを加硫缶で加熱することにより本発明に係る更生タイヤを製造できる。
【実施例】
【0038】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例などについて説明する。なお、各未加硫ゴムシート及び各ゴムサンプルを下記の評価条件に基づいて評価した。結果を表1に示す。
【0039】
(1)加硫ゴムシートに対する粘着性
2枚の加硫ゴムシート(長さ15cm、幅2cm、厚み2mm)の間に実施例及び比較例の未加硫ゴムシート(長さ10cm、幅2cm、厚み1mm)を配置することにより、サンプルを作製した。サンプル上に1kgの錘を載せて10分間放置した。次いで、引張試験機(島津製)を用いて、2枚の加硫ゴムシート間の剥離力を測定した。測定はJIS K 6854−3:1999に準じて行い、この時の剥離速度は100mm/minとした。剥離力の評価結果は、比較例1、6を100とした指数で示した。数値が大きいほど粘着力が高いことを意味する。
【0040】
(2)発熱性
実施例及び比較例の未加硫ゴムシートを、120℃で30分間加硫することによりゴムサンプルを得た。東洋精機(株)製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz,静歪10%、動歪1%、温度60℃でゴムサンプルの損失係数tanδを測定した。損失係数tanδの評価結果は、比較例1、6を100とした指数で示した。数値が小さいほど発熱性が優れることを意味する。
【0041】
(3)破壊強度
実施例及び比較例の未加硫ゴムシートを、120℃で30分間加硫することによりゴムサンプルを得た。JIS K6251に準じて、引張試験(ダンベル状3号形)を実施して、ゴムサンプルの引っ張り強さを測定した。引っ張り強さの評価結果は、比較例1、6の値を100とした指数で表示した。数値が大きいほど引っ張り強さが優れていることを意味する。
【0042】
(未加硫ゴムシートの調製)
表1及び表2の配合処方に従い、各配合剤を配合し、通常のバンバリーミキサーを用いて混練し、未加硫ゴムシートを調製した。表1及び表2に記載の配合剤を以下に示す。
a)ジエン系ゴム
天然ゴム(NR) 「RSS#3」
SBR 「NIPOL1502」、日本ゼオン社製
b)カーボンブラック
カーボンブラック1 「ショウブラックN326」、キャボットジャパン社製
カーボンブラック2 「ショウブラックN330T」、キャボットジャパン社製
カーボンブラック3 「ショウブラックN550」、キャボットジャパン社製
c)ステアリン酸 「ステアリン酸」、日本油脂社製
d)酸化亜鉛 「亜鉛華1号」、三井金属工業社製
e)老化防止剤 「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製
f)オイル 「プロセスP200」、ジャパンエナジー社製
g)粘着付与剤 「エスコレッツ1102」(石油系炭化水素樹脂)、EXXON社製
h)硫黄 「粉末硫黄」、鶴見化学社製
i)加硫促進剤
加硫促進剤1 「ノクセラーDM」(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)、大内新興化学工業社製
加硫促進剤2 「ノクセラーM」(2−メルカプトベンゾチアゾール)、大内新興化学工業社製
加硫促進剤3 「サンセラーTBZTD」(テトラベンジルチウラムジスルフィド)、三新化学工業社製
加硫促進剤4 「ノクセラーZTC」(ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛)、大内新興化学工業社製
j)加硫遅延剤 「ブルカレントE/C」、ランクセス社製
k)炭酸カルシウム 「Brilliant−1500」(NSA 12m/g)、白石工業社製
l)表面処理炭酸カルシウム
表面処理炭酸カルシウム1 「白艶華O」(ロジン酸で表面処理された炭酸カルシウム NSA 26m/g)、白石工業社製
表面処理炭酸カルシウム2 「白艶華CC」(脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウム NSA 51m/g)、白石工業社製
表面処理炭酸カルシウム3 「アクチフォート700」(シランカップリング剤で表面処理された炭酸カルシウム NSA 73m/g)、白石工業社製
表面処理炭酸カルシウム4 「Vigot−15」(脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウム NSA 10m/g)、白石工業社製
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
表1の結果から、実施例1〜6の未加硫ゴムシートが加硫ゴムシートに対する粘着性に優れることがわかる。また、実施例1〜6のゴムサンプルが、破壊特性に優れ、良好な低発熱性をもつことがわかる。
【0046】
一方、比較例3の未加硫ゴムシートは、表面処理炭酸カルシウム1を多量に含むため実施例1、2に比べて粘着性、破壊特性、低発熱性が悪化した。
【0047】
なお、比較例4の未加硫ゴムシートは、未処理の炭酸カルシウムを含むため、基準組成である比較例1に比べて、粘着性が若干向上したものの、破壊特性、低発熱性が悪化した。
【0048】
表2の結果からも、実施例7〜8の未加硫ゴムシートが粘着性、破壊特性、低発熱性に優れることがわかる。