(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248038
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】セラミドラメラ構造体及びそれを含む皮膚外用剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/68 20060101AFI20171204BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20171204BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20171204BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20171204BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20171204BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20171204BHJP
A61K 31/164 20060101ALI20171204BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20171204BHJP
A61K 31/231 20060101ALI20171204BHJP
A61K 9/133 20060101ALI20171204BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20171204BHJP
A61K 47/06 20060101ALI20171204BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20171204BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
A61K8/68
A61K8/60
A61K8/34
A61K8/02
A61Q19/00
A61Q19/08
A61K31/164
A61P17/00
A61K31/231
A61K9/133
A61K47/10
A61K47/06
A61K47/14
A61K47/12
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-530593(P2014-530593)
(86)(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公表番号】特表2014-530187(P2014-530187A)
(43)【公表日】2014年11月17日
(86)【国際出願番号】KR2012007378
(87)【国際公開番号】WO2013039350
(87)【国際公開日】20130321
【審査請求日】2015年9月1日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0093634
(32)【優先日】2011年9月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】株式会社アモーレパシフィック
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク, スン ハン
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ビョン グン
(72)【発明者】
【氏名】ハン, サン フン
【審査官】
池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2002−0076874(KR,A)
【文献】
特開平09−157149(JP,A)
【文献】
特開2004−230173(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/010985(WO,A1)
【文献】
特開2001−316384(JP,A)
【文献】
特開平04−327563(JP,A)
【文献】
特表平08−511245(JP,A)
【文献】
鈴木敏幸,液晶乳化技術の機能と応用,FRAGRANCE JOURNAL,1993年 4月,pp.23-33
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
A61K 31/00−31/327
A61K 47/00−47/69
A61K 9/00− 9/72
A61P 17/00−17/18
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルコシド界面活性剤を含むセラミドラメラ構造体であって、
前記セラミドラメラ構造体は、平均粒径が2μm〜30μmの範囲であり、
前記グルコシド界面活性剤は、下記(i)及び(ii)からなる群より選ばれた1種以上であり、
前記セラミドは、化学式
2で示され
る擬似セラミドであ
るセラミドラメラ構造体
;
(i) ベヘニルアルコール、アラキジルアルコール及びアラキジルグルコシ
ド、
(ii) C
14-22アルコール及びC
12-20アルキルグルコシド。
【化1】
(化学式2中、nは1又は2であり;
R及びR’は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してC
9-C
21の飽和又は不飽和脂肪族鎖である。)
【請求項2】
前記セラミドラメラ構造体は、ワックス又はオイルをさらに含む請求項1に記載のセラミドラメラ構造体。
【請求項3】
前記ワックスは、アルコールワックス、脂肪酸、植物性ワックス、合成ワックス、オゾケライト、パルミチン酸セチル、ビーズワックス、脂質、及び脂質ペプチドからなる群より選ばれた1種以上である請求項2に記載のセラミドラメラ構造体。
【請求項4】
前記オイルは、エステル油又はハイドロカーボン油である請求項2または3に記載のセラミドラメラ構造体。
【請求項5】
前記セラミドラメラ構造体は、前記セラミドが多層のラメラ層を形成してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミドラメラ構造体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のセラミドラメラ構造体を含む皮膚外用剤組成物。
【請求項7】
前記セラミドは、組成物の総質量を基準として0.01〜20質量%の範囲で含有される請求項6に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項8】
前記組成物は、皮膚保湿用又は皮膚弾力増進用である請求項6または7に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項9】
前記組成物は、化粧料組成物又は薬学組成物である請求項6〜8のいずれか1項に記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項10】
セラミドを含有する油相溶液、水相溶液、及びグルコシド界面活性剤を混合する段階;及び前記混合溶液を45〜60℃で10〜40分間放置する段階;を含むセラミドラメラ構造体の製造方法であって、
前記セラミドラメラ構造体は、平均粒径が2μm〜30μmの範囲であり、
前記グルコシド界面活性剤は、
下記(i)及び(ii)からなる群より選ばれた1種以上であり、
前記セラミドは、化学式
2で示され
る擬似セラミドである、製造方法
;
(i) ベヘニルアルコール、アラキジルアルコール及びアラキジルグルコシ
ド、
(ii) C
14-22アルコール及びC
12-20アルキルグルコシド。
【化2】
(化学式2中、nは1又は2であり;
R及びR’は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してC9-C21の飽和又は不飽和脂肪族鎖である。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミドを含む皮膚外用剤組成物に係り、より具体的に、セラミドが多層のラメラ液晶を形成し、皮膚保湿力に優れたグルコシド界面活性剤を含む多層セラミドラメラ構造体とその製造方法、及び当該多層セラミドラメラ構造体を含む皮膚外用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト皮膚の表面は、基底層から分化して成熟した角質形成細胞が退化してなる角質細胞からなる。これらの角質細胞は、角質層に多量存在するセラミドの二重鎖ラメラ構造によって結合されており、弾力のあるすべすべした皮膚を保たせるようにする。
【0003】
セラミド類は難溶性であって、化粧品剤形に多量に含有させた場合には小粒にして用いているが、この場合、剤形の安定度が低下することでゲル化(Gelation)が生じる。粒径が小さくなると粒子間の表面エネルギーが大きくなって粒子間引力が大きく作用する。すると、セラミド粒子は、互いに結合しがちとなり、油相に完全に分散せずに、水相に放出されるようになる。その放出されるセラミド間の結合によってゲル化が生じる。
【0004】
これを解決するために、セラミド、ステアリン酸、及びコレステロールなどで顆粒を作り、これをエマルジョンの製造時の最後の段階において添加する方式にてセラミドの安定化を誘導する技術が適用されている。すなわち、外部でセラミドを安定化させた顆粒を予め作っておいた後、これをエマルジョンに分散させておく方法を用いることで、固体で硬質のセラミドで流動度を無くす方式にて安定度を実現する方法が用いられていた。大韓民国特許出願第2008-0072355号に固相化シェルを利用した核剤上のセラミド関連技術が開示されている。
【0005】
しかしながら、このような方式でもセラミドのカプセル化過程において用いられる多量のカプセル化剤のため、実際に皮膚外用剤に用いることのできる含量が減るようになる。また皮膚外用剤の必須成分である使用感において糖類系或いは高分子系のカプセル化剤は、固有の皮膚外用剤の使用感を損なうようになるという不具合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2002−0076874号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10−2010−0026143号公報
【特許文献3】米国特許第7169382号明細書
【特許文献4】韓国特許第10−0678790号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Do-Hoon Kim et al., “Formation and Dispersion of Stable Lamellar Structure Containing Ceramide”, J. Soc. Cosmet. Scientists Korea, 2009, Vol.35
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したような問題点を解決するために、本発明は、粒径を予め大きくした状態で安定化させて表面エネルギーを下げ、粒子の合一によるセラミドのゲル化を防止する。このために、本発明は、冷却温度調節にて誘導した多層ラメラ液晶を利用して難溶性のセラミドを安定化させることで、多量の水分及び有用活性物質を保持することができる皮膚角質層と類似の構造を有しつつも相安定度が非常に優れ、皮膚への塗布時に効果的に優れた皮膚の保湿効果及び皮膚のバリア機能回復効果を奏する多層セラミドラメラ構造体、及びこれを含む皮膚外用剤組成物を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述したような目的を解決するために、本発明は、グルコシド界面活性剤を含むセラミドラメラ構造体を提供する。
【0010】
本発明の一実施例において、前記グルコシド界面活性剤は、ベヘニルアルコール、アラキジルアルコール、アラキジルグルコシド、C
14-22アルコール及びC
12-20アルキルグルコシドからなる群より選ばれた1種以上であってよい。
【0011】
本発明の一実施例において、前記セラミドラメラ構造体は、ワックス又はオイルをさらに含んでいてよい。
【0012】
本発明の一実施例において、前記ワックスは、アルコール、脂肪酸、植物性ワックス、合成ワックス、オゾケライト、パルミチン酸セチル、ビーズワックス、脂質及び脂質ペプチドからなる群より選ばれた1種以上であってよい。
【0013】
本発明の一実施例において、前記オイルは、エステル油又はハイドロカーボン油であってよい。
【0014】
本発明の一実施例において、前記セラミドは、天然セラミド及び擬似セラミドのいずれか一つ以上であってよい。
【0015】
本発明の一実施例において、前記擬似セラミドは、下記の化学式1〜5で示される化合物のいずれか一つ以上であってよい。
【0016】
【化1】
【0017】
化学式1中、RはC
9-C
21の飽和又は不飽和脂肪族鎖を表す。
【0018】
【化2】
【0019】
化学式2中、nは1又は2であり;
R及びR’は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してC
9-C
21の飽和又は不飽和脂肪族鎖である。
【0020】
【化3】
【0021】
化学式3中、
m及びnは同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して1〜3のいずれかの整数であり;
k及びlは同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して1又は2であり;
jは0又は1であり;
R及びR’は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してヒドロキシ基を含有するか含有しない、C
1-C
31の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和アルキル基であり;
A
1、A
2、及びA
3は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して水素又は下記構造の置換基のいずれかであり、但し、A
1、A
2、及びA
3が同時に水素である場合は除外される:
【0022】
【化4】
【0023】
上記構造において、
M、M
1、及びM
2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してアルカリ金属、リシン、アルギニン、ヒスチジン、トリエタノールアミン、アンモニア、ポリクォータニウム-4、ポリクォータニウム-6、ポリクォータニウム-7、ポリクォータニウム-10、ポリクォータニウム-11、ポリクォータニウム-16、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、及びステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドからなる群より選ばれ、Lはアルカリ土類金属である。
【0024】
【化5】
【0025】
化学式4中、R及びR’は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してヒドロキシ基を含有するか含有しない、C
10-C
32の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和アルキル基であり;
R
3及びR
4は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して水素またはC
1-C
4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり;
R
5は-A又は-CH
2CH
2OAであり、ここで、Aは下記構造の置換基のいずれかである。
【0026】
【化6】
【0027】
上記構造において、M、M
1、及びM
2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してアルカリ金属、リシン、アルギニン、ヒスチジン、トリエタノールアミン、アンモニア、ポリクォータニウム-4、ポリクォータニウム-6、ポリクォータニウム-7、ポリクォータニウム-10、ポリクォータニウム-11、ポリクォータニウム-16、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドからなる群より選ばれ、Lはアルカリ土類金属である。
【0028】
【化7】
【0029】
化学式5中、m及びnは同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して1〜4のいずれかの整数であり;R及びR’は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してヒドロキシ基を含有するか含有しない、C
1-C
31の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和アルキル基であり;
A
1及びA
2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して水素又は下記構造の置換基のいずれかである;
【0030】
【化8】
【0031】
上記構造において、M、M
1、及びM
2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してアルカリ金属、リシン、アルギニン、ヒスチジン、トリエタノールアミン、アンモニア、ポリクォータニウム-4、ポリクォータニウム-6、ポリクォータニウム-7、ポリクォータニウム-10、ポリクォータニウム-11、ポリクォータニウム-16、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドからなる群より選ばれ、Lはアルカリ土類金属である。
【0032】
本発明の一実施例において、前記セラミドラメラ構造体は、前記セラミドが多層のラメら層を形成してなるものであってよい。
【0033】
本発明の一実施例において、前記セラミドラメラ構造体の平均粒径は、2μm〜30μmの範囲であってよい。
【0034】
また、本発明は、前記セラミドラメラ構造体を含む皮膚外用剤組成物を提供する。
【0035】
本発明の一実施例において、前記セラミドは、組成物の総重量を基準として0.01〜20重量%の範囲で含有されていてよい。
【0036】
本発明の一実施例において、前記組成物は、皮膚保湿用又は皮膚弾力増進用であってよい。
【0037】
本発明の一実施例において、前記組成物は、化粧料組成物又は薬学組成物であってよい。
【0038】
また、本発明は、セラミドを含有する油相溶液、水相溶液及びグルコシド界面活性剤を混合する段階;及び前記混合溶液を45〜60℃で放置する段階;を含むセラミドラメラ構造体の製造方法を提供する。
【0039】
本発明の一実施例において、前記セラミドのラメラ構造は、グルコシド界面活性剤によって形成されるものであってよい。
【発明の効果】
【0040】
本発明の皮膚外用剤組成物は、多層ラメラ液晶を利用したセラミドの安定化によって相安定度が非常に優れ、且つより多くのセラミドが安定して形成でき、皮膚への塗布時に優れた皮膚の保湿効果及びバリア機能回復効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の一実施例に係る皮膚外用剤組成物のセラミドを含む液晶の粒径による水分蒸発量を示すグラフである。
【
図2】本発明の一実施例に係る皮膚外用剤組成物の多層ラメラ層を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下では、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の好適な実施例に関して詳しく説明することにする。
【0043】
本発明は、グルコシド界面活性剤を含む多層セラミドラメラ構造体を提供する。
【0044】
本発明は、ラメラ構造体に関し、当該ラメラ構造体は、多層の液晶であり且つセラミド及びグルコシド界面活性剤を含むものである。
【0045】
前記構造体の外部は親水性で内部は疎水性であり、界面活性剤が親水性である外部と疎水性である内部との間に位置する。
【0046】
本発明において、界面活性剤としてグルコシド界面活性剤が用いられる。具体的に、液晶形成のために、レシチン系、グルコシド系、及びソルビタン系の界面活性剤を用いていてよいが、レシチン系及びソルビタン系の界面活性剤は粒径を小さくし、本発明において求める粒径を実現しにくい。巨大液晶を形成し且つ長期的に安定度を確保することができる長所を有する界面活性剤がグルコシド界面活性剤である。
【0047】
本発明において用いられるグルコシド界面活性剤は、ベヘニルアルコール、アラキジルアルコール、アラキジルグルコシド、C
14-22アルコール及びC
12-20アルキルグルコシドからなる群より選ばれた1種以上であってよいが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0048】
また、前記多層セラミドラメラ構造体は、ワックス又はオイルをさらに含んでいてよい。ワックスやオイルは界面膜をより堅固に形成することを手伝い、該ワックスやオイルがさらに含まれる場合、界面活性剤中に位置する。
【0049】
前記ワックスは、一般的にクリームに使われるワックスであればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは、アルコール、脂肪酸、植物性ワックス、合成ワックス、オゾケライト、パルミチン酸セチル、ビーズワックス、脂質及び脂質ペプチドからなる群より選ばれた1種以上であってよい。
【0050】
前記オイルは、一般的なオイルであればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは、エステル油またはハイドロカーボン油であってよい。具体的に、エステル油は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セチル、エチルヘキサン酸アルキル(C14−18)、ココカプリレート/カプレート、及びデシル・ココエートであってよく、ジエステル系油は、ブチレングリコールジカプリレート、ジカプレート、リンゴ酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジアルキル(C12-13)、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ステアリン酸トリデシル、ネオペンチルグリコールジカプリレート/ジカプレート、トリデシルトリメリテート、及び炭酸ジカプリリルであってよい。ハイドロカーボン油としては、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデケン、及びスクワランであってよい。
【0051】
本発明においてセラミドとは、天然セラミド及び擬似(Pseudo)セラミドからなる群より選ばれる一つ以上であってよい。
【0052】
前記天然セラミドは、自然に存在するセラミドであって、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド4、セラミド5、セラミド6、セラミド7、セラミド8などが含まれ、前記擬似(Pseudo)セラミドは、セラミド104及びセラミド102などを含む。
【0053】
本発明において擬似セラミドとは、天然セラミドの構造である二重鎖ラメラ(lamellar)構造を有する化合物を通称するものである。
【0054】
本発明において前記ラメラ構造は外殻で擬似セラミドのゲル化を防止し、このようなラメラ構造が2層以上の多層を形成する多層ラメラ(multi−lamellar)層で取り囲まれたマクロエマルジョン(macroemulsion)が形成されるとセラミドの安定化に寄与し、優れた延展性(spreadability及び軽い使用感を実現することができる。
【0055】
セラミドをはじめとしたRodタイプSAAの大半は、曲率(Curvature)が小さくなるほど、また曲率半径が大きくなるほど安定すると知られている。したがって、曲率の大きい小粒のエマルジョンよりは、曲率の小さいマクロエマルジョンのほうが安定している。
【0056】
図2に本発明の一実施例に係る皮膚外用剤組成物の多層ラメラ層を示している。ラメラ層の層数が1層増加した場合、安定度は5倍も上昇すると知られている。
【0057】
前記擬似セラミドは、好ましくは、下記の化学式1〜5で示される化合物のいずれか一つ以上であってよいが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0059】
化学式1中、RはC
9-C
21の飽和又は不飽和脂肪族鎖を表す。
【0061】
化学式2中、nは1又は2であり;
R及びR’は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してC
9-C
21の飽和又は不飽和脂肪族鎖である。
【0063】
化学式3中、
m及びnは同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して1〜3のいずれかの整数であり;
k及びlは同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して1又は2であり;
jは0又は1であり;
R及びR’は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してヒドロキシ基を含有するか含有しない、C
1-C
31の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和アルキル基であり;
A
1、A
2、及びA
3は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して水素又は下記構造の置換基のいずれかであり、但し、A
1、A
2、及びA
3が同時に水素である場合は除外される:
【0065】
上記構造において、M、M
1、及びM
2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してアルカリ金属、リシン、アルギニン、ヒスチジン、トリエタノールアミン、アンモニア、ポリクォータニウム-4、ポリクォータニウム-6、ポリクォータニウム-7、ポリクォータニウム-10、ポリクォータニウム-11、ポリクォータニウム-16、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、及びステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドからなる群より選ばれ、Lはアルカリ土類金属である。
【0067】
上記構造において、R及びR’は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してヒドロキシ基を含有するか含有しない、C
10-C
32の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和アルキル基であり;
R
3及びR
4は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して水素またはC
1-C
4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり;
R
5は-A又は-CH
2CH
2OAであり、ここで、Aは下記構造の置換基のいずれかである。
【0069】
上記構造において、M、M
1、及びM
2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してアルカリ金属、リシン、アルギニン、ヒスチジン、トリエタノールアミン、アンモニア、ポリクォータニウム-4、ポリクォータニウム-6、ポリクォータニウム-7、ポリクォータニウム-10、ポリクォータニウム-11、ポリクォータニウム-16、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドからなる群より選ばれ、Lはアルカリ土類金属である。
【0071】
化学式5中、m及びnは同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して1〜4のいずれかの整数であり;R及びR’は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してヒドロキシ基を含有するか含有しない、C
1-C
31の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和アルキル基であり;
A
1及びA
2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立して水素又は下記構造の置換基のいずれかである;
【0073】
上記構造において、M、M
1、及びM
2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立してアルカリ金属、リシン、アルギニン、ヒスチジン、トリエタノールアミン、アンモニア、ポリクォータニウム-4、ポリクォータニウム-6、ポリクォータニウム-7、ポリクォータニウム-10、ポリクォータニウム-11、ポリクォータニウム-16、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドからなる群より選ばれ、Lはアルカリ土類金属である。
【0074】
上述した化学式1〜5で示される化合物は、皮膚の保湿及び皮膚のバリア機能回復において優れた効果を奏する擬似セラミドである。
【0075】
本発明における多層セラミドラメラ構造体、即ち、多層ラメラ液晶は、マクロエマルジョン(macroemulsion)を称し、好ましくは、多層セラミドラメラ構造体、即ち、多層ラメラ液晶の平均粒径が2μm〜30μmの範囲のものであってよい。多層セラミドラメラ構造体の平均粒径が2μm以上に形成されてはじめて擬似セラミドの安定化が得られ、水滴が割れるような使用感が得られるという特徴を実現することができ、且つ保湿力も向上するようになる。平均粒径が30μmを超えると安定度が悪くなるため、前記範囲を維持することが好ましい。
【0076】
また、本発明は、前記多層セラミドラメラ構造体を含む皮膚外用剤組成物を提供する。
【0077】
前記皮膚外用剤組成物においてセラミドは、組成物の総重量を基準として0.01〜20重量%の範囲で含有されることが好ましい。より好ましくは、0.05〜10重量%の範囲で含有されていてよい。前記範囲を満たす場合、極めて優れた相安定度を示し、且つ多量の水分を保持することができ、皮膚の保湿及びバリア機能回復において非常に有効である。含量が0.01%未満の場合は所望の水分感や保湿力を導き難く、また20%を超えると安定度を保持し難くなり、前記範囲を維持することが好ましい。
【0078】
本発明の組成物は、二重層状構造であるラメラ構造の特性上、難溶性物質の一定量を組成物中に含有することができ、これは、通常のセラミド3Bなどであってよい。
【0079】
本発明に係る皮膚外用剤組成物は、皮膚保湿用又は皮膚弾力増進用の皮膚外用剤組成物であってよい。上述したように、セラミドが形成する多層ラメラ液晶によって水分含有量が高くなり且つ皮膚バリア効果が改善されることから、皮膚保湿用途や皮膚弾力増進用途として好適に用いることができる。
【0080】
また、本発明に係る皮膚外用剤組成物は、セラミドを含有する油相溶液、水相溶液及びグルコシド界面活性剤を混合する段階;及び前記混合溶液を45〜60℃で放置する段階;を含む多層セラミドラメラ構造体の製造方法によって製造されていてよい。
【0081】
前記多層セラミドのラメラ構造は、グルコシド界面活性剤によって形成されていてよい。本発明においてグルコシド界面活性剤は、ベヘニルアルコール、アラキジルアルコール、アラキジルグルコシド、C
14-22アルコール及びC
12-20アルキルグルコシドからなる群より選ばれた1種以上であってよいが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0082】
前記多層ラメラ液晶を形成する段階において冷却時の温度を45〜60℃で維持することで、最も優れた皮膚保湿力を奏し得る大きさの粒子を得ることができる。45℃未満で急冷すると、ワックスやオイルが界面に存在することができずに内相に存在することでラメラを形成することができなくなり、また、60℃を超えた温度で冷却時間を与えることは、ワックスやオイルの融点以上の温度であるため冷却が進まなくなる。したがって、適用されるワックスやオイルの融点以下の温度と十分に界面に存在するようになる流動性を持つ温度は45〜60℃の範囲である。即ち、前記温度範囲内での冷却を維持してはじめて平均粒径2μm〜30μmの多層ラメラ液晶を形成することができる。平均粒径2μm〜30μmの多層ラメラ液晶は、擬似セラミドの安定化に寄与することができる。また、前記温度範囲外となると、粒径のバラツキが生じ、その結果、最終組成物の安定度を損なうようになる。
【0083】
好ましくは、前記温度範囲内で5〜60分間、より好ましくは、10〜40分間冷却を維持すれば、粒径のバラツキをより低減させ、組成物の安定度をさらに高めることができるようになる。
【0084】
本発明に係る皮膚外用剤組成物は、例えば、薬学組成物又は化粧料組成物であってよい。
【0085】
前記薬学組成物には、防腐剤、安定化剤、乳化剤又は乳化促進剤、浸透圧調節のための塩及び/又は緩衝剤などの薬剤学的補助剤、並びにその他治療的に有用な物質をさらに含有していてよく、通常的な方法によって、多様な非経口形態に剤形化することができる。非経口投与形態の剤形として経皮投与型剤形が挙げられ、例えばローション、軟膏、ゲル、クリーム、パッチ、又はスプレーなどの剤形であってよく、必ずしもこれらに制限されるものではない。
【0086】
前記有効成分の投与量の決定は当業者の水準内にあり、薬物の1日投与用量は、投与を受ける対象の病理状態の深刻度、発病時期、年齢、健康状態、合併症などの多様な要因によって変わるが、成人を基準とするとき、一般的には前記組成物1μg/kg〜200mg/kg、好ましくは、50μg/kg〜50mg/kgを1日1〜3回分けて投与すればよく前記投与量は、如何なる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。
【0087】
前記化粧料組成物は、その剤形が特に限定されず、目的するところに応じて適宜選択すればよい。例えば、柔軟化粧水(スキンローション及びミルクローション)、栄養化粧水、エッセンス、栄養クリーム、マッサージクリーム、パック、ゲル、アイクリーム、アイエッセンス、クレンジングクリーム、クルレンジングフォーム、クレンジングウォーター、パウダー、ボディーローション、ボディークリーム、ボディーオイル及びボディーエッセンスからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の剤形で製造されていてよいが、必ずしもこれらに制限されるものではない。
【0088】
前記有効成分の含量は特に制限されないが、組成物の総重量を基準として0.01〜10重量%の範囲で含まれていてよい。前記有効成分が前記含量を満たす場合、副作用なしに優れた効能を奏することができる。
【0089】
前記化粧料組成物は、さらに組成物が皮膚に塗布されたときに分布しやすいように、希釈剤、分散剤、又は担体として作用する化粧用として許容可能な賦形剤を含んでいてよい。好ましくは、組成物は、水中油型(oil−in−water、O/W)乳化液であり、乳化液は、好ましくは、水を賦形剤の80重量%以上で含有する。なお、必ずしもこれに限定されるものではなく、公知の化粧用として許容可能な賦形剤であればその種類を問わず使用可能である。
【0090】
また、前記化粧料組成物は、本発明の属する技術分野において通常用いられる化粧補助剤、例えば、脂肪物質、有機溶媒、ケイ素、濃厚剤、軟化剤、補充的な太陽光線遮断剤、発泡抑制剤、保湿剤、香料、保存剤、界面活性剤、充填剤、封鎖剤、カチオン性、アニオン性、非イオン性或いは両イオン性重合体、又はそれらの混合物、推進剤、塩基化作用剤又は酸性化作用剤、染料、顔料或いはナノ顔料(nanopigment)(特に、紫外線照射を物理的に遮断させることで光保護効果を補充的に提供できるように調製されたもの)、又は化粧品において通常用いられる、特に太陽光線遮断組成物の製造に用いられるその他の各種の成分を含んでいてよい。
【0091】
有機溶媒としては、低級アルコール及びポリオール、例えば、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール及びソルビトルなどが挙げられる。
【0092】
脂肪物質は、オイルやワックスまたはそれらの混合物、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、ペトロラタム、パラフィン、ラノリン、水素化ラノリン又はアセチル化ラノリンから選ばれるものであってよい。オイルは、動物性、植物性、鉱物性、又は合成油であって、特に水素化パーム油、水素化ひまし油、液体ペトロラタム、液体パラフィン、ピュアセリン油(purcellin oil)、揮発性又は不揮発性シリコン油、及びイソパラフィンから選ばれるものであってよい。
【0093】
前記化粧料組成物が、紫外線からヒトの表皮を保護するための太陽光線遮断組成物である場合、溶媒や脂肪物質の懸濁液又は分散液の形態を取っていてよく、又はこれと異なり、クリームや乳剤などのエマルジョン(特に、水中油(oil−in−water、O/W)又は油中水(water−in−oil)型、なお、好ましくはO/W型)、又はベシクル(vesicle)分散液の形態、或いは軟膏、ゲル、固形ステッキ又はエアゾール泡の形態を取っていてよい。前記エマルジョンは、さらにアニオン性、非イオン性、カチオン性、又は両イオン性界面活性剤を含んでいてよい。
【0094】
また、前記化粧料組成物を毛髪保護用として用いる場合は、シャンプー、ローション、ゲル又はリンス用組成物の形態で、洗髪の前後、染め付け或いはブリーチング(bleaching)の前後、ウエーブパーマ或いはストレートパーマの間や前後に用いられていてよく、スタイリング或いはトリートメント用ローションやゲル、ドライヤー用或いは毛髪セッター用ローションやゲル、ヘアラッカー(hair lacquer)やまたは毛髪のウエーブ或いはストレートパーマ用組成物、毛髪の染め付け或いはブリーチング用組成物の形態を取っていてよい。
【0095】
また、前記化粧料組成物は、まつげ、眉毛、皮膚又は毛髪用のメーキャップ製品、例えば、皮膚治療用クリーム、ファンデーションクリーム、リップスティック、アイシャドー、紅、アイライナー、マスカラ又は着色ゲル(colouring gel)などとして用いる場合は、固形物又はペースト(paste)型及び無水型或いは水性型、例えば、水中油(oil−in−water)又は油中水(water−in−oil)エマルジョン、懸濁液又はゲルであってよい。
【0096】
また、本発明は、前記皮膚外用剤組成物を含む皮膚疾患治療剤に関するものであって、前記皮膚疾患は特に制限されないが、例えば、にきび、乾癬、脱毛又は角質異常などが挙げられる。
【0097】
さらに、本発明は、前記皮膚外用剤組成物を含む皮膚外用剤に関するものであって、前記皮膚外用剤は、皮膚に塗布されるいずれのものを総称するものであり、様々な剤形の化粧品、医薬品がこれに含まれ得る。前記皮膚外用剤は、特に制限されないが、例えば、皮膚老化防止用又は皮膚しわ改善用皮膚外用剤であってよい。
【0098】
以下の実施を通じて本発明をより詳細に説明することとする。なお、実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、これらのみに本発明の範囲が限定されるものではない。
【0101】
<製造方法>
1)前記表1の組成比どおり原料1〜13を混合し、75℃で溶解して、油相溶液を調製した。擬似セラミドとして、ヒドロキシプロピルビスラウラミドMEA(Pc104)及びヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA(Pc102)を含むようにした。
【0102】
2)別途の容器にて前記表1の原料14〜18を混合し、75℃で溶解して、水相溶液を調製した。
【0103】
3)前記段階1)で調製された油相溶液を前記段階2)で調製された水相溶液に添加し、ホモミキサーで撹拌して混合した。
【0104】
4)実施例1は冷却温度を約52℃で約35分間維持した。また、比較例1は急冷して5分内に30℃まで冷却した。
【0105】
5)前記段階4)で得られた混合物から気泡を除去し、実施例1及び比較例1の化粧料を調製した。
【0106】
[試験例1]組成物の安定度測定試験
前記実施例1及び比較例1において、冷却温度に応じて異なって生成される粒径による安定度の差異を確認するために試験を実施した。前記実施例1及び比較例1の安定度を確認するために、冷蔵(4℃)、冷凍(-18℃)、30℃、45℃の恒温槽でそれぞれの組成物の状態を確認し、その結果を下記の表2に表した。
【0108】
前記表2の結果から分かるように、比較例1は急冷によって粒径が小さくなりすぎ、45℃でゲル化が見られ、商品としての価値が劣化することが分かった。
【0109】
これに対し、実施例1は、粒径が2μm以上の多層ラメラ液晶が形成され、45℃で6ヶ月間安定しており、相安定度に非常に優れていることが分かった。これは、擬似セラミドを含有する組成物の冷却温度を調節することによって形成された多層ラメラ液晶が擬似セラミドのゲル化を防止するのに優れた効果を有することを示す。
【0110】
[試験例2]組成物の水分蒸発量測定試験
前記実施例1及び比較例1を持って、擬似セラミドを含む液晶の粒径及び擬似セラミド含有の有無による水分蒸発量の差異に関する実験を実施した。
【0111】
<試験方法>
湿度調節機と電子天秤を利用して時間による水分蒸発量を測定し、データ化する方式にて試験を実施した。より詳しくは、デシケーターを利用して実験環境を湿度29±1%前後に調節し、恒温・恒湿室内で温度変位を24±2℃に調節しながら実験した。このような一定の温度・湿度条件で、広さ25cm
2の35mgの質量を有する人造皮革に290mg塗布された剤形の1時間に亘る質量の変化を分析した。その結果は
図1に示すとおりである。
【0112】
図1に示すように、最終水分残存量が、実施例1の場合にあたる粒径の大きい剤形のほうが最も高いことが分かった。
【0113】
また、曲線区間の傾きは、結合水(bound Water)の蒸発速度を示し、この数値が低いほど水分をより長期間保有していることを意味する。この傾きの値においても実施例1の場合が最も優れており、その次に擬似セラミド含有の小さい液晶大きさを有する比較例1の順となっていることが分かった。本試験から、擬似セラミドを含有した多層ラメラ液晶を形成した場合に分蒸発速度が低下し、最終的に残存する水分の量が多くなるという効果を奏することが分かった。