【0060】
本発明は上述の好ましい実施態様に限定されるものではなく、むしろ多くの変形や修正が可能であり、それらもまた本発明の概念を用いるものであり、およびそれゆえに保護の範疇に入る。さらに、本発明はまた、従属項が言及する請求項の特徴と独立する従属項の主題および特徴に対する保護も主張することにも言及されるべきである。
[付記1]
コーティング剤を用いて部品の部品表面(4)をコーティングする、特に、塗料を用いて車両部品を塗装するコーティング方法であって、
a)コーティング対象の前記部品の前記部品表面(4)に対して、アトマイザー(2)を用いて前記コーティング剤の噴霧ジェット(1)を供給する工程を含み、前記噴霧ジェット(1)が、主軸(5)と、前記主軸(5)に対する非対称性と、を有することで、前記部品表面(4)上の前記噴霧ジェット(1)が、対応する非対称性を伴う噴霧パターン(8)を生み、
b)前記噴霧ジェット(1)の非対称性を少なくとも部分的に補償する工程を含むことによって、前記部品表面(4)上の最終的な噴霧パターン(8)の非対称性が低減される、
ことを特徴とするコーティング方法。
[付記2]
前記噴霧ジェット(1)の非対称性を補償するために、
特に、前記部品表面(4)の面法線(6)に対する前記アトマイザー(2)の傾斜によって、その主軸(5)を伴う前記噴霧ジェット(1)が前記部品表面(4)に対して斜めに当たるように、前記部品表面(4)の前記面法線(6)に対する、その主軸(5)を伴う前記噴霧ジェット(1)を傾ける工程を含む、
ことを特徴とする付記1に記載のコーティング方法。
[付記3]
a)前記部品表面(4)
に塗装方向に沿って細長い塗装経路を適用するために、前記部品表面(4)に沿っ
てある塗装方向に前記アトマイザー(2)が動かされ、
b)前記噴霧ジェット(1)の非対称性を少なくとも部分的に補償するために、特に前記塗装方向に対して直角に、その主軸(5)を伴う前記噴霧ジェット(1)が横方向に傾けられる、
ことを特徴とする付記2に記載のコーティング方法。
[付記4]
a)前記噴霧ジェット(1)が、前記噴霧ジェット(1)の前記主軸(5)に対して横方向の
変形方向に
変形されることで、前記部品表面(4)上の最終的な前記噴霧パターン(8)が、
変形方向に伸ばされ、かつ、前記
変形方向に対して縮められ、
b)前記噴霧ジェット(1)の非対称性を少なくとも部分的に補償するために、前記噴霧ジェット(1)が前記
変形方向に対して傾けられる、
ことを特徴とする付記2または3に記載のコーティング方法。
[付記5]
a)前記アトマイザー(2)が前記部品表面(4)にわたって前記塗装経路に沿ってそれぞれ動かされ、かつ、この工程において前記アトマイザー(2)が前記部品表面(4)に前記噴霧ジェット(1)を供給するように、隣り合って位置し、かつ、横方向に重なり合ういくつかの塗装経路が前記部品表面(4)に適用され、
b)直接隣り合う塗装経路の適用の間に、前記塗装経路に沿って、反対向きの塗装方向に向けて前記アトマイザー(2)が動かされる、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載のコーティング方法。
[付記6]
a)両方の反対向きの塗装方向において、前記部品表面(4)の面法線(6)
に対して前記塗装経路に対して横向きに、その主軸(5)を伴う前記噴霧ジェット(1)が傾斜することで、前記反対向きの塗装方向における前記噴霧パターン(8)の伸びおよび縮みが少なくとも部分的にお互いを補償する、または、
b)一塗装方向においてのみ、前記部品表面(4)の面法線(6)
に対して前記塗装経路に対して横向きに、その主軸(5)を伴う前記噴霧ジェット(1)が傾斜し、かつ、その主軸を伴う前記噴霧ジェット(1)が、前記部品表面(4)の面法線(6)に本質的に平行な前記反対向きの塗装方向に向けられることで、前記反対向きの塗装方向における前記噴霧パターン(8)の前記伸びおよび縮みが同じ方向に向けられる、
ことを特徴とする付記5に記載のコーティング方法。
[付記7]
a)前記部品表面(4)にわたって第一の塗装経路に沿って前記アトマイザー(2)が動かされ、かつ、この工程において前記アトマイザー(2)が前記部品表面(4)上に前記噴霧ジェット(1)を供給するように、前記部品表面(4)上に前記第一の塗装経路が適用され、
b)前記部品表面(4)にわたって第二の塗装経路に沿って前記アトマイザー(2)が動かされ、かつ、この工程において前記アトマイザー(2)が前記部品表面(4)上に前記噴霧ジェット(1)を供給するように、前記部品表面(4)上に前記第二の塗装経路が適用され、前記第二の塗装経路が前記第一の塗装経路の上に適用され、
c)前記第一の塗装経路の適用の間および前記第二の塗装経路の適用の間に前記アトマイザー(2)が反対方向に動かされることで、両方の塗装経路における前記噴霧パターン(8)の非対称性が少なくとも部分的にお互いを補償する、
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1つに記載のコーティング方法。
[付記8]
a)波形の移動経路(12、14)に沿って、両方の塗装経路の適用の間、それぞれにおいて前記アトマイザー(2)が動かされ、両方の塗装経路の前記波形の移動経路(12、14)がお互いに対して鏡面対称であり、かつ、前記アトマイザー(2)によって反対の塗装方向に向けて横切られる、または、
b)波形の移動経路(12)に沿って、両方の塗装経路の適用の間、それぞれにおいて前記アトマイザー(2)が動かされ、両方の塗装経路の前記波形の移動経路(12)が本質的に一致するが、反対の塗装方向に向けて横切られる、
ことを特徴とする付記7に記載のコーティング方法。
[付記9]
前記噴霧ジェット(1)に対して、
a)下向きの重力、
b)静電コーティング剤チャージから発生し、静電的にチャージされたコーティング剤と電気的に接地された部品との間に作用する静電気力、
c)ガイド空気ジェットによって引き起こされる第一の流体力、および/または、
d)前記部品表面(4)に沿って周囲の空気に向けて前記アトマイザー(2)が動かされるという事実によって引き起こされる第二の流体力、および/または、
e)塗装キャビン内で下に向かう空気流によって発生される第三の流体力、
を作用する上記の力のうち少なくとも一つによって前記噴霧ジェット(1)の非対称性が引き起こされる、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1つに記載のコーティング方法。
[付記10]
前記噴霧ジェット(1)の非対称性を補償するために、
a)前記噴霧ジェット(1)の非対称性を引き起こす前記力のうちの少なくとも一つを決定する工程と、
b)決定された前記力に応じて、前記部品表面(4)の面法線(6)に対して前記アトマイザーを傾ける工程と、
を含むことを特徴とする付記9に記載のコーティング方法。
[付記11]
コーティング剤を用いて部品の部品表面(4)をコーティングする、特に、塗料を用いて車両部品を塗装するコーティング機器であって、
a)前記部品表面(4)にコーティング剤の噴霧ジェット(1)を供給するアトマイザー(2)を備え、前記噴霧ジェット(1)が、主軸(5)と、前記主軸(5)に対する非対称性とを有することで、前記部品表面(4)上の前記噴霧ジェット(1)がそれに対応する非対称性を伴う噴霧パターン(8)を生み、
b)前記噴霧ジェット(1)の非対称性を少なくとも部分的に補償する補償機器を備えることによって、前記部品表面(4)上の最終的な噴霧パターン(8)の非対称性が低減される、
ことを特徴とするコーティング機器。
[付記12]
a)前記アトマイザー(2)を動かすために操縦機(17)が設けられ、前記操縦機(17)を制御するために制御ユニット(18)が設けられ、
b)前記部品表面(4)の面法線(6)に対して前記アトマイザー(2)が傾斜するように前記制御ユニット(18)が前記操縦機(17)を制御することで、その主軸(5)を伴う前記噴霧ジェット(1)が、前記部品表面(4)に対して斜めに当たる、
ことを特徴とする付記11に記載のコーティング機器。
[付記13]
a)前記部品表面(4)に塗装方向に沿っ
て細長い塗装経路を適用するために、前記アトマイザー(2)が前記部品表面(4)に沿っ
てある塗装方向に向けて動かされるように前記制御ユニット(18)が前記操縦機(17)を制御し、
b)前記噴霧ジェット(1)の非対称性を少なくとも部分的に補償するために、特に前記塗装方向に対して直角に、その主軸(5)を伴う前記噴霧ジェット(1)が横方向に傾斜するように、前記制御ユニット(18)が前記操縦機(17)を制御する、
ことを特徴とする付記12に記載のコーティング機器。
[付記14]
a)前記噴霧ジェット(1)が、前記噴霧ジェット(1)の前記主軸(5)に対して横向きの
変形方向に
変形されることによって、前記部品表面(4)上の最終的な噴霧パターン(8)が
変形方向に伸ばされ、かつ、前記
変形方向に対して縮められ、
b)前記噴霧ジェット(1)の非対称性を少なくとも部分的に補償するために、前記アトマイザー(2)が前記
変形方向に対して傾斜するように前記制御ユニット(18)が前記操縦機(18)を制御する、
ことを特徴とする付記12または13に記載のコーティング機器。
[付記15]
a)前記アトマイザー(2)が、前記部品表面(4)にわたって前記塗装経路に沿ってそれぞれ動かされ、かつ、この工程において、前記アトマイザー(2)が前記部品表面(4)上に前記噴霧ジェット(1)を供給するように、隣り合って位置し、かつ、横方向に重なり合っているいくつかの塗装経路が前記部品表面(4)に適用されるように、前記制御ユニット(18)が前記操縦機(17)を制御し、
b)直接隣り合う塗装経路の適用の間に、前記アトマイザー(2)が、前記塗装経路に沿って反対向きの塗装方向に動かされるように前記制御ユニット(18)が前記操縦機(17)を制御する、
ことを特徴とする付記12乃至14のいずれか1つに記載のコーティング機器。
[付記16]
a)前記アトマイザー(2)が、前記部品表面(4)の面法線(6)
に対して前記塗装経路に対して横向きに、反対向きの塗装方向の両方に
おいて、前記アトマイザー(2)が傾斜するように前記制御ユニット(18)が前記操縦機(17)を制御することによって、前記反対向きの塗装方向における前記噴霧パターン(8)の伸びおよび縮みが少なくとも部分的にお互いを補償する、または、
b)前記アトマイザー(2)が、前記部品表面(4)の面法線(6)
に対して前記塗装経路に対して横向きに、一塗装方向に
おいてのみ傾斜し、かつ、その主軸(5
)が前記部品表面(4)の面法線(6)と本質的に平行な反対向きの塗装方向に向けられるように前記制御ユニット(18)が前記操縦機(17)を制御することによって、前記反対向きの塗装方向における前記噴霧パターン(8)の前記伸びおよび縮みが同じ方向に向かう、
ことを特徴とする付記15に記載のコーティング機器。
[付記17]
a)前記操縦機(17)が多軸塗装ロボット(17)、特に、連続運動学を伴う自由にプログラム可能な塗装ロボット(17)である、または、
b)前記操縦機が塗装マシン、特にルーフトップマシンまたはサイドマシンである、
ことを特徴とする付記12乃至16のいずれか1つに記載のコーティング機器。