(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内部に形成され第1電子部品を収容する収容空間部、及び、前記収容空間部の鉛直方向下方に区画壁部を介して区画されると共に水平方向一方側が閉塞し水平方向他方側に開口部が形成され前記第1電子部品と比較して質量の大きい重量物である第2電子部品を収容する収容凹部を有する筐体と、
前記第2電子部品が前記収容凹部内に収容された状態で当該収容凹部内に位置し前記第2電子部品と前記筐体とを係止する係止機構とを備え、
前記筐体は、収容部材としてのロアカバー、及び、蓋部材としてのアッパカバーを含んで構成され、前記ロアカバーの鉛直方向上側に前記アッパカバーが組み付けられ前記ロアカバーと前記アッパカバーとが組み合わさって全体として箱状に形成され、前記ロアカバーが前記収容凹部を有し、
前記収容凹部は、前記区画壁部として、前記収容空間部の鉛直方向下方に介在して当該収容空間部と当該収容凹部とを区画する第1区画壁部、前記開口部と水平方向に対向し前記収容空間部の水平方向側方に介在して当該収容空間部と当該収容凹部とを区画する第2区画壁部、及び、前記第1区画壁部及び前記第2区画壁部と直交し前記収容空間部の水平方向側方に介在して当該収容空間部と当該収容凹部とを区画する第3区画壁部によって前記収容空間部と区画され、前記第3区画壁部と水平方向に対向し当該収容凹部の水平方向側方に介在して当該収容凹部と前記筐体の外部空間とを区画する側壁部、及び、前記第1区画壁部と鉛直方向に対向し当該収容凹部の鉛直方向下方に介在して当該収容凹部と前記筐体の外部空間とを区画する底壁部によって前記筐体の外部空間と区画されることを特徴とする、
電気接続箱。
前記係止機構は、前記収容凹部内に前記開口部側から奥側に水平方向に沿って形成される筐体側案内部と前記第2電子部品に形成され前記筐体側案内部と係合し水平方向に沿って案内される電子部品側案内部とを含んで構成される案内部、及び、前記収容凹部内に形成される筐体側係止部と前記第2電子部品に形成され前記筐体側係止部に係止される電子部品側係止部とを含んで構成される係止部を有し、
前記筐体側案内部、及び、前記筐体側係止部は、前記収容凹部の鉛直方向下側の下面を構成する底壁部の鉛直方向上側の面に形成され、
前記電子部品側案内部、及び、前記電子部品側係止部は、前記第2電子部品の鉛直方向下側の面に形成される、
請求項1又は請求項2に記載の電気接続箱。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の電気接続箱は、例えば、電子部品として、比較的に質量が大きい重量物が設けられる場合であっても、筐体に対して当該電子部品が適正に組み付けられることが望まれている。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、筐体に対して電子部品を適正に組み付けることができる電気接続箱、及び、ワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る電気接続箱は、内部に形成され第1電子部品を収容する収容空間部、及び、前記収容空間部の鉛直方向下方に区画壁部を介して区画されると共に水平方向一方側が閉塞し水平方向他方側に開口部が形成され
前記第1電子部品と比較して質量の大きい重量物である第2電子部品を収容する収容凹部を有する筐体と、前記第2電子部品が前記収容凹部内に収容された状態で当該収容凹部内に位置し前記第2電子部品と前記筐体とを係止する係止機構とを備え
、前記筐体は、収容部材としてのロアカバー、及び、蓋部材としてのアッパカバーを含んで構成され、前記ロアカバーの鉛直方向上側に前記アッパカバーが組み付けられ前記ロアカバーと前記アッパカバーとが組み合わさって全体として箱状に形成され、前記ロアカバーが前記収容凹部を有することを特徴とする。
【0007】
また、上記電気接続箱では、前記収容凹部は、当該収容凹部を形成する壁面によって前記第2電子部品の、前記開口部側の面以外の面を囲うものとすることができる。
【0008】
また、上記電気接続箱では、前記係止機構は、前記収容凹部内に前記開口部側から奥側に水平方向に沿って形成される筐体側案内部と前記第2電子部品に形成され前記筐体側案内部と係合し水平方向に沿って案内される電子部品側案内部とを含んで構成される案内部、及び、前記収容凹部内に形成される筐体側係止部と前記第2電子部品に形成され前記筐体側係止部に係止される電子部品側係止部とを含んで構成される係止部を有
し、前記筐体側案内部、及び、前記筐体側係止部は、前記収容凹部の鉛直方向下側の下面を構成する底壁部の鉛直方向上側の面に形成され、前記電子部品側案内部、及び、前記電子部品側係止部は、前記第2電子部品の鉛直方向下側の面に形成されるものとすることができる。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、複数の電線と、内部に形成され前記複数の電線のうちの1つが接続される第1電子部品を収容する収容空間部、及び、前記収容空間部の鉛直方向下方に区画壁部を介して区画されると共に水平方向一方側が閉塞し水平方向他方側に開口部が形成され前記複数の電線のうちの他の1つが接続され
前記第1電子部品と比較して質量の大きい重量物である第2電子部品を収容する収容凹部を有する筐体と、前記第2電子部品が前記収容凹部内に収容された状態で当該収容凹部内に位置し前記第2電子部品と前記筐体とを係止する係止機構とを含んで構成される電気接続箱とを備え
、前記筐体は、収容部材としてのロアカバー、及び、蓋部材としてのアッパカバーを含んで構成され、前記ロアカバーの鉛直方向上側に前記アッパカバーが組み付けられ前記ロアカバーと前記アッパカバーとが組み合わさって全体として箱状に形成され、前記ロアカバーが前記収容凹部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る電気接続箱、及び、ワイヤハーネスは、筐体の内部に形成された収容空間部内に第1電子部品を収容し、収容空間部の鉛直方向下方に区画壁部を介して区画される収容凹部内に第2電子部品を収容する。ここで、第2電子部品を収容する収容凹部は、水平方向一方側が閉塞し水平方向他方側に開口部が形成され、水平方向に開口した当該開口部を介して水平方向に沿って第2電子部品が挿入され、係止機構は、当該収容凹部内にて、収容凹部に挿入された第2電子部品と筐体とを係止する。この結果、電気接続箱、ワイヤハーネスは、筐体に対して電子部品を適正に組み付けることができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0013】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る電気接続箱の概略構成を表す斜視図である。
図2は、実施形態に係る電気接続箱の概略構成を表す断面図である。
図3は、実施形態に係る電気接続箱の係止機構を含む部分断面図である。
図4は、実施形態に係る電気接続箱の収容凹部を含む部分斜視図である。
図5、
図6は、実施形態に係る電気接続箱の第2電子部品の概略構成を表す斜視図である。
図7、
図8、
図9は、実施形態に係る電気接続箱の係止機構を含む部分断面斜視図である。なお、
図1は、わかり易くするためにアッパカバー、電線を二点鎖線で図示している。同様に、
図2は、わかり易くするためにブロック、第1電子部品を二点鎖線で図示している。さらに、第2電子部品の断面形状は、一部を簡略化して図示している。
【0014】
図1、
図2に示す電気接続箱1は、自動車等の車両に搭載され、ワイヤハーネスWHに組み込まれ、電線等の接続処理用部品を構成するコネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット等の電装品を集約して内部に収容するものである。電気接続箱1は、例えば、車両のエンジンルームや車体の下方部分に設置され、バッテリ等の電源と、車両内に搭載される各種電子機器との間に接続されている。電気接続箱1は、電源から供給された電力を車両内の各種電子機器に分配する。なお、電気接続箱1は、ジャンクションボックス、ヒューズボックス、リレーボックスなどとも呼ばれる場合があるが、本実施形態ではこれらを総称して電気接続箱と呼ぶ。また、以下の説明で用いる各方向は、特に断りの無い限り、電気接続箱1が車両に搭載された状態での方向として説明し、例えば、以下でいう鉛直方向、鉛直方向下端部、鉛直方向上端部、鉛直方向上側、鉛直方向下側とは、電気接続箱1が車両に搭載された状態における鉛直方向、鉛直方向下端部、鉛直方向上端部、鉛直方向上側、鉛直方向下側をいう。
【0015】
ここで、ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の電線Wを一度に各装置に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、複数の電線Wと、当該電線Wと電気的に接続される電気接続箱1とを備える。電線Wは、例えば、複数の導電性の金属素線を撚り合わせた導体部(芯線)と、当該導体部の外側を覆う絶縁性の被覆部とを含んで構成される。ワイヤハーネスWHは、複数の電線Wを束ねて集約すると共に、束ねられた電線Wの端部に接続部としてのコネクタ等を介して電気接続箱1が電気的に接続される。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、プロテクタ、固定具等を含んで構成されてもよい。
【0016】
そして、電気接続箱1は、電子部品2と、電子部品2を収容する筐体3と、係止機構4とを備える。電気接続箱1は、筐体3に形成される収容空間部34、及び、収容凹部36に種々の電子部品2が収容される。本実施形態の電気接続箱1は、筐体3に挿通口35を有し、筐体3に収容された電子部品2に電気的に接続される電線Wを、当該挿通口35を介して筐体3の内外に渡って挿通する。以下、各図を参照して、電気接続箱1の各構成について具体的に説明する。
【0017】
電子部品2は、筐体3の内部に収容され、電線Wが電気的に接続されるものである。電子部品2は、複数設けられる。電子部品2は、例えば、コネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット、これらをユニット化した電子部品ユニット等である。ここでは、電子部品2は、収容空間部34に収容される複数の第1電子部品21と、収容凹部36に収容される第2電子部品22とを含んで構成される。複数の第1電子部品21は、例えば、コネクタ、ヒューズ、リレー、分岐部、電子制御ユニット、これらをユニット化した電子部品ユニット等である。第2電子部品22は、典型的には、第1電子部品21より質量が大きい部品であり、例えば、略直方体形状に形成された大容量のコンデンサ等である。各第1電子部品21は、それぞれ複数の電線Wのうちの少なくとも1つが接続され、第2電子部品22は、複数の電線Wのうちの少なくとも他の1つが接続される。
【0018】
筐体3は、内部に形成される収容空間部34、収容凹部36に電子部品2を収容するものである。筐体3は、収容部材としてのロアカバー31、及び、蓋部材としてのアッパカバー32を含んで構成され、ロアカバー31とアッパカバー32とが組み合わさって全体として略直方体箱状に形成される。筐体3は、ロアカバー31、アッパカバー32が分割された2層分割構造となっており、所定の積層方向に沿って積層され相互に組み付けられると共に内部に複数の第1電子部品21を収容する収容空間部34を区画する。ロアカバー31、及び、アッパカバー32は、絶縁性の合成樹脂によって形成される。
【0019】
ロアカバー31は、電子部品2(第1電子部品21、第2電子部品22)が組み付けられる収容空間部34、収容凹部36を形成する主たる部材である。ロアカバー31は、鉛直方向上側に開口を有する皿状(トレイ状)の部材である。ロアカバー31は、多角形筒状(矩形筒状)に形成された壁体である側壁部31aと、側壁部31aの一方の開口(鉛直方向下側の開口)を塞ぐ底部31bとによって中空状に形成される。ロアカバー31は、この電気接続箱1がエンジンルーム等に接続された状態で、鉛直方向上側に開口が位置する。アッパカバー32は、ロアカバー31の鉛直方向上側の開口を塞ぐ蓋状の部材である。アッパカバー32は、多角形筒状(矩形筒状)に形成された壁体である側壁部32aと、側壁部32aの一方の開口(鉛直方向上側の開口)を塞ぐ天井部32bとによって中空状に形成される。筐体3は、ロアカバー31の開口とアッパカバー32の開口とが対向するようにして、ロアカバー31の鉛直方向上側にアッパカバー32が組み付けられる。筐体3は、ロアカバー31とアッパカバー32とが種々の形式のロック機構33を介して係止される。なお、ロアカバー31とアッパカバー32とが積層される積層方向は、典型的には、この電気接続箱1がエンジンルーム等に接続された状態で、鉛直方向に沿っているが、当該電気接続箱1の設置状況によっては当該積層される方向が鉛直方向に対して所定の角度を有して設置される場合もある。
【0020】
そして、ロアカバー31、及び、アッパカバー32によって構成される筐体3は、収容空間部34と、挿通口35と、収容凹部36とを有する。
【0021】
収容空間部34は、ロアカバー31、及び、アッパカバー32によって区画され、当該ロアカバー31、及び、アッパカバー32によって囲われた空間である。すなわち、収容空間部34は、鉛直方向と交差する方向がロアカバー31の側壁部31a、アッパカバー32の側壁部32aによって区画され、鉛直方向下側がロアカバー31の底部31bによって区画され、鉛直方向上側がアッパカバー32の天井部32bによって区画される。電気接続箱1は、この収容空間部34内にブロック37が設けられる。ブロック37は、ロアカバー31に対して着脱可能に組み付けられる。ブロック37は、ロアカバー31等と同様に絶縁性の合成樹脂によって形成されると共に多数のキャビティが形成される。電子部品2のうち、各第1電子部品21は、このブロック37のキャビティ内に組み付けられる。ブロック37は、各キャビティに対して鉛直方向上側から第1電子部品21が差し込まれ嵌合されると共に、鉛直方向下側から電線Wの端末を構成する端子等が差し込まれ嵌合されることで、各第1電子部品21と電線Wとが電気的に接続される。
【0022】
挿通口35は、収容空間部34内の電子部品2に接続される電線Wを筐体3の内外、言い換えれば、収容空間部34の内外に渡って挿通させるものであり、ここでは、ロアカバー31の側壁部31aの鉛直方向上端部とアッパカバー32の側壁部32aの鉛直方向下端部との合わせ面に形成される。ここでは、挿通口35は、断面形状が略円形状に形成され、ロアカバー31、アッパカバー32の積層方向と交差する方向、すなわち、水平方向に向けて開口する。収容空間部34内の第1電子部品21に接続される電線Wは、挿通口35を介して筐体3の内外に渡って挿通され、配索される。
【0023】
収容凹部36は、収容空間部34の鉛直方向下方に区画壁部38を介して区画される。収容凹部36は、ロアカバー31において、区画壁部38を隔てて収容空間部34とは別の空間部として形成される。ここでは、収容凹部36は、ロアカバー31において、略直方体形状の空間部として形成され、水平方向一方側が閉塞し水平方向他方側に開口部36aが形成される。収容凹部36の開口部36aは、ロアカバー31において、積層方向と交差する方向の壁体、すなわち、側壁部31aを構成する1つの壁面に形成される。開口部36aは、断面形状が略矩形状に形成される。
【0024】
なお、以下の説明では、開口部36aから水平方向に沿って収容凹部36が延在する方向を「奥行き方向」という場合があり、閉塞した側を「奥側」という場合がある。また、鉛直方向と奥行き方向とに直交する方向を「幅方向」という場合がある。
【0025】
具体的には、収容凹部36は、当該収容凹部36を収容空間部34と区画するための区画壁部38として、第1区画壁部38a、第2区画壁部38b、第3区画壁部38cの合計3つの壁部によって収容空間部34と区画されている。またさらに、収容凹部36は、側壁部39a、底壁部39bの合計2つの壁部によって筐体3の外部空間と区画されている。これら第1区画壁部38a、第2区画壁部38b、第3区画壁部38c、側壁部39a、及び、底壁部39bは、ロアカバー31の一部を構成するものである。
【0026】
第1区画壁部38aは、収容凹部36の鉛直方向上側の上面を区画する壁体である。第1区画壁部38aは、鉛直方向とほぼ直交し、水平方向に沿って延在する。第1区画壁部38aは、収容空間部34の鉛直方向下方に介在して収容空間部34と収容凹部36とを区画する。第2区画壁部38bは、収容凹部36の水平方向閉塞側の面、言い換えれば、開口部36aと水平方向に対向する奥側の閉塞面(収容凹部36の奥側の面)を区画する壁体である。第2区画壁部38bは、鉛直方向に沿って延在する。第2区画壁部38bは、収容空間部34の水平方向側方に介在して収容空間部34と収容凹部36とを区画する。第3区画壁部38cは、収容凹部36において、第1区画壁部38a、及び、第2区画壁部38bとほぼ直交する面、言い換えれば、収容凹部36の奥行き方向に沿った側面を区画する壁体である。第3区画壁部38cは、鉛直方向に沿って延在する。第3区画壁部38cは、収容空間部34の水平方向側方に介在して収容空間部34と収容凹部36とを区画する。側壁部39aは、収容凹部36において、第1区画壁部38a、及び、第2区画壁部38bとほぼ直交する面、言い換えれば、収容凹部36の奥行き方向に沿った側面であって第3区画壁部38cと水平方向(奥行き方向と直交する方向)に対向する側面を区画する壁体である。側壁部39aは、鉛直方向に沿って延在する。側壁部39aは、収容凹部36の水平方向側方に介在して収容凹部36と筐体3の外部空間とを区画する。側壁部39aは、ロアカバー31の側壁部31aの一部を構成する。底壁部39bは、収容凹部36の鉛直方向下側の下面、さらに言えば、第1区画壁部38aと鉛直方向に対向する下面を区画する壁体である。底壁部39bは、鉛直方向とほぼ直交し、水平方向に沿って延在する。底壁部39bは、収容凹部36の鉛直方向下方に介在して収容凹部36と筐体3の外部空間とを区画する。底壁部39bは、ロアカバー31の底部31bの一部を構成する。なおここでは、第1区画壁部38a、第2区画壁部38b、第3区画壁部38c、側壁部39a、及び、底壁部39bは、表面や裏面に補強リブ36bが設けられている。
【0027】
収容凹部36は、これら5つの壁部、すなわち、上面を構成する第1区画壁部38a、閉塞面を構成する第2区画壁部38b、一方の側面を構成する第3区画壁部38c、他方の側面を構成する側壁部39a、及び、下面を構成する底壁部39bによって第2電子部品22を収容可能な大きさの略直方体形状の空間部として形成される。収容凹部36は、これら収容凹部36を形成する壁面、すなわち、第1区画壁部38a、第2区画壁部38b、第3区画壁部38c、側壁部39a、及び、底壁部39bの壁面によって、略直方体形状に形成された第2電子部品22の、開口部36a側の面以外の面を囲う。
【0028】
係止機構4は、第2電子部品22が収容凹部36内に収容された状態で当該収容凹部36内に位置し第2電子部品22と筐体3とを係止するものである。本実施形態の係止機構4は、
図3、
図4、
図5、
図6に示すように、案内部41と、係止部42とを有する。本実施形態の係止機構4は、2つの案内部41を有している。
【0029】
各案内部41は、筐体側案内部としての筐体側レール部41aと、電子部品側案内部としての部品側レール部41bとを含んで構成される。
【0030】
筐体側レール部41aは、筐体3を構成するロアカバー31の収容凹部36内に形成される。本実施形態の筐体側レール部41aは、収容凹部36の鉛直方向下側の下面を構成する底壁部39bの鉛直方向上側の面に奥行き方向に沿って形成される。筐体側レール部41aは、収容凹部36内に開口部36a側から奥側に水平方向に沿って形成される。ここでは、筐体側レール部41aは、底壁部39bの鉛直方向上側の面において、奥行き方向中央部から第2区画壁部38bまで線状に延在している。筐体側レール部41aは、底壁部39bの鉛直方向上側の面から鉛直方向上側に突出すると共に先端部が幅方向に沿ってほぼ垂直に屈曲している。つまり、筐体側レール部41aは、幅方向に沿った断面形状が略L字型に形成される。2つの案内部41のうちの一方の案内部41の筐体側レール部41aと他方の案内部41の筐体側レール部41aとは、幅方向に対して間隔をあけ、かつ、奥行き方向に沿って略平行に形成されると共に、先端部が互いに逆向きに屈曲している。ここでは、各筐体側レール部41aは、ともに先端部が幅方向に沿って収容凹部36の外側に向けて互いに離間する方向に屈曲している。
【0031】
部品側レール部41bは、収容凹部36内に収容される第2電子部品22の表面に形成される。本実施形態の部品側レール部41bは、第2電子部品22の鉛直方向下側の下面に奥行き方向に沿って形成される。すなわち、部品側レール部41bは、第2電子部品22が収容凹部36内に収容された状態で、底壁部39bの鉛直方向上側の面と鉛直方向に対向する第2電子部品22の下面に水平方向に沿って形成される。ここでは、部品側レール部41bは、第2電子部品22の下面において、奥行き方向の一方側の端部近傍から他方側の端部近傍まで線状に延在している。部品側レール部41bは、第2電子部品22の鉛直方向下側の下面から鉛直方向下側に突出すると共に先端部が幅方向に沿ってほぼ垂直に屈曲している。つまり、部品側レール部41bは、幅方向に沿った断面形状が略L字型に形成される。2つの案内部41のうちの一方の案内部41の部品側レール部41bと他方の案内部41の部品側レール部41bとは、幅方向に対して間隔をあけ、かつ、奥行き方向に沿って略平行に形成されると共に、先端部が互いに逆向きに屈曲している。ここでは、各部品側レール部41bは、ともに先端部が幅方向に沿って収容凹部36の内側に向けて互いに接近する方向に屈曲している。各部品側レール部41bは、第2電子部品22が収容凹部36内に収容された状態で、それぞれ筐体側レール部41aの幅方向外側に位置し、屈曲した先端部が筐体側レール部41aの先端部と相互に噛み沿う位置に形成される。
【0032】
つまり、係止機構4は、幅方向に対して2つの部品側レール部41bによって2つの筐体側レール部41aを挟み込み、幅方向に対向する筐体側レール部41aと部品側レール部41bとの屈曲した先端部が相互に噛み合って係合する(
図3、
図7等参照)。そして、各案内部41は、各筐体側レール部41aと各部品側レール部41bとがそれぞれ係合した状態で、各部品側レール部41bが各筐体側レール部41aによって奥行き方向(水平方向)に沿って案内されることで、第2電子部品22を収容凹部36に挿入する際に第2電子部品22を奥行き方向に沿って案内し幅方向に位置決めすることができる。
【0033】
なお、各部品側レール部41bは、第2電子部品22が収容凹部36内に収容された状態で開口部36a側に位置する端部に規制部41cが形成されている。各規制部41cは、第2電子部品22が収容凹部36内の所定の位置まで挿入された状態で、各筐体側レール部41aの奥行き方向の開口部36a側の端部と当接することで、第2電子部品22の奥行き方向奥側への移動を規制し位置決めする(
図8等参照)。
【0034】
係止部42は、筐体側係止部42aと、電子部品側係止部としての部品側係止部42bとを含んで構成される。
【0035】
筐体側係止部42aは、筐体3を構成するロアカバー31の収容凹部36内に形成される。本実施形態の筐体側係止部42aは、上述の筐体側レール部41aが形成されている面、すなわち、収容凹部36の鉛直方向下側の下面を構成する底壁部39bの鉛直方向上側の面に幅方向に沿って形成される。筐体側係止部42aは、底壁部39bの鉛直方向上側の面から鉛直方向上側に突出した板状に形成され、幅方向に沿って一方の筐体側レール部41aから他方の筐体側レール部41aまで延在して形成される。また、筐体側係止部42aは、奥行き方向の開口部36a側の面の両端に筐体側傾斜部42cが形成されている。筐体側傾斜部42cは、第2電子部品22を収容凹部36に挿入する際に後述する部品側係止部42bを鉛直方向上側に押し上げて筐体側係止部42aを乗り越えさせるための傾斜面である。筐体側傾斜部42cは、奥行き方向の開口部36a側の端が底壁部39bの鉛直方向上側の面上に位置し、奥行き方向奥側に行くにしたがって徐々に鉛直方向上側に向かい、奥行き方向の奥側の端が筐体側係止部42aの板状部分の上端に位置する傾斜面として形成される。そして、筐体側係止部42aは、奥行き方向の奥側の面が部品側係止部42bと当接する筐体側当接面42dとして形成される。
【0036】
部品側係止部42bは、収容凹部36内に収容される第2電子部品22の表面に形成される。本実施形態の部品側係止部42bは、上述の部品側レール部41bが形成されている面、すなわち、第2電子部品22の鉛直方向下側の下面に幅方向に沿って形成される。すなわち、部品側係止部42bは、第2電子部品22が収容凹部36内に収容された状態で、底壁部39bの鉛直方向上側の面と鉛直方向に対向する第2電子部品22の下面に水平方向に沿って形成される。部品側係止部42bは、第2電子部品22の鉛直方向下側の下面から鉛直方向下側に突出した台形梁状に形成され、幅方向に沿って一方の部品側レール部41bの近傍から他方の部品側レール部41bの近傍まで延在して形成される。ただし、第2電子部品22は、各部品側レール部41bと部品側係止部42bの各端部との間には上述の筐体側レール部41aを挿入可能な程度の隙間が確保されている。また、部品側係止部42bは、奥行き方向の奥側の面に部品側傾斜部42eが形成されている。部品側傾斜部42eは、第2電子部品22を収容凹部36に挿入する際に筐体側傾斜部42cによって鉛直方向上側に押し上げられる傾斜面である。部品側傾斜部42eは、奥行き方向の奥側の端が第2電子部品22の鉛直方向下側の下面上に位置し、奥行き方向の開口部36a側に行くにしたがって徐々に鉛直方向下側に向かい、奥行き方向の開口部36a側の端が部品側係止部42bの梁状部分の下端に位置する傾斜面として形成される。そして、部品側係止部42bは、奥行き方向の開口部36a側の面が筐体側当接面42dと当接する部品側当接面42fとして形成される。
【0037】
係止部42は、第2電子部品22を収容凹部36に挿入する際に、第2電子部品22の部品側傾斜部42eが筐体側傾斜部42cに当接し案内されながら第2電子部品22全体で鉛直方向上側に押し上げられることで、部品側係止部42bが筐体側係止部42aを乗り越える。そして、係止部42は、部品側係止部42bが筐体側係止部42aを乗り越えて筐体側係止部42aの奥行き方向奥側に位置することで、部品側当接面42fと筐体側当接面42dとが当接し部品側係止部42bが筐体側係止部42aに係止される(
図9参照)。これにより、係止部42は、第2電子部品22を収容凹部36内の所定の位置に係止することができる。
【0038】
上記のように構成される電気接続箱1は、第2電子部品22を収容凹部36に挿入する際に案内部41を構成する各筐体側レール部41aと各部品側レール部41bとがそれぞれ係合した状態で、各部品側レール部41bが各筐体側レール部41aによって奥行き方向に沿って案内される。これにより、電気接続箱1は、第2電子部品22を収容凹部36に挿入する際に第2電子部品22を奥行き方向に沿って案内することができると共に第2電子部品22を幅方向に位置決めすることができる。このとき、電気接続箱1は、係止部42を構成する部品側傾斜部42eが筐体側傾斜部42cによって第2電子部品22全体で鉛直方向上側に押し上げられることで、部品側係止部42bが筐体側係止部42aを乗り越える。そして、電気接続箱1は、係止部42を構成する部品側係止部42bの部品側当接面42fと筐体側係止部42aの筐体側当接面42dとが当接することで、部品側係止部42bが筐体側係止部42aに係止され、これにより、第2電子部品22を収容凹部36内に係止することができる。また、電気接続箱1は、部品側係止部42bが筐体側係止部42aに係止された状態で、各規制部41cと各筐体側レール部41aの奥行き方向の開口部36a側の端部とが当接すると共に、一部の補強リブ36bの端面が第2電子部品22の表面に当接することで、第2電子部品22を収容凹部36内の所定の位置に確実に位置決めすることができる。
【0039】
以上で説明した電気接続箱1によれば、内部に形成され第1電子部品21を収容する収容空間部34、及び、収容空間部34の鉛直方向下方に区画壁部38を介して区画されると共に水平方向一方側が閉塞し水平方向他方側に開口部36aが形成され第2電子部品22を収容する収容凹部36を有する筐体3と、第2電子部品22が収容凹部36内に収容された状態で当該収容凹部36内に位置し第2電子部品22と筐体3とを係止する係止機構4とを備える。以上で説明したワイヤハーネスWHによれば、複数の電線Wと、上記電気接続箱1とを備える。
【0040】
したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、筐体3の内部に形成された収容空間部34内に第1電子部品21を収容し、収容空間部34の鉛直方向下方に区画壁部38を介して区画される収容凹部36内に第2電子部品22を収容する。ここで、第2電子部品22を収容する収容凹部36は、水平方向一方側が閉塞し水平方向他方側に開口部36aが形成され、水平方向に開口した当該開口部36aを介して水平方向に沿って第2電子部品22が挿入され、係止機構4は、当該収容凹部36内にて、収容凹部36に挿入された第2電子部品22と筐体3とを係止する。これにより、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、収容凹部36に対して第2電子部品22を水平方向に沿って収容し鉛直方向に対して確実に保持することできる構成であるので耐振動性能を向上することができ、例えば、車両振動等に伴って第2電子部品22に上下振動が作用しても第2電子部品22を収容凹部36内で確実に保持することができる。そして、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、収容凹部36に対して第2電子部品22を水平方向に沿って挿入し収容凹部36内の係止機構4にて係止することで第2電子部品22を筐体3に組み付けることができるので、組み付け作業性も向上することができる。この結果、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、筐体3に対して第2電子部品22を適正に組み付けることができる。
【0041】
ここでは、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、第1電子部品21と比較して質量の大きい重量物である第2電子部品22を、収容空間部34の鉛直方向下方に区画された収容凹部36内に収容するので、重心を筐体3の下方側に配置することができる。この結果、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、耐振動性能をさらに向上した上で、筐体3に対して第2電子部品22を適正に組み付けることができる。
【0042】
さらに、以上で説明した電気接続箱1、ワイヤハーネスWHによれば、収容凹部36は、当該収容凹部36を形成する壁面、ここでは、第1区画壁部38a、第2区画壁部38b、第3区画壁部38c、側壁部39a、及び、底壁部39bの壁面によって第2電子部品22の、開口部36a側の面以外の面を囲う。したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、第1区画壁部38a、第2区画壁部38b、第3区画壁部38c、側壁部39a、及び、底壁部39bの壁面によって第2電子部品22を確実に保護することができ、例えば、外部からの衝撃に対して第2電子部品22を確実に保護することができる。
【0043】
さらに、以上で説明した電気接続箱1、ワイヤハーネスWHによれば、係止機構4は、収容凹部36内に開口部36a側から奥側に水平方向に沿って形成される筐体側レール部41aと第2電子部品22に形成され筐体側レール部41aと係合し水平方向に沿って案内される部品側レール部41bとを含んで構成される案内部41、及び、収容凹部36内に形成される筐体側係止部42aと第2電子部品22に形成され筐体側係止部42aに係止される部品側係止部42bとを含んで構成される係止部42を有する。したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、第2電子部品22を収容凹部36に挿入する際に、案内部41の筐体側レール部41a、部品側レール部41bによって第2電子部品22を奥行き方向に沿って案内し位置決めすることで取り付け作業性を向上した上で、係止部42の筐体側係止部42a、部品側係止部42bによって第2電子部品22を収容凹部36内に係止することができる。
【0044】
なお、上述した本発明の実施形態に係る電気接続箱、及び、ワイヤハーネスは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0045】
以上で説明した筐体3は、ロアカバー31、アッパカバー32が分割された2層分割構造となっているものとして説明したがこれに限らず、3層分割構造、あるいは、それ以上の分割構造となっていてもよい。
【0046】
以上の説明では、筐体側レール部41a、筐体側係止部42aは、収容凹部36の鉛直方向下側の下面を構成する底壁部39bの鉛直方向上側の面に形成され、部品側レール部41b、部品側係止部42bは、第2電子部品22の鉛直方向下側の下面に形成されるものとして説明したがこれに限らない。筐体側レール部41a、部品側レール部41bは、収容凹部36内において互いに係合可能な位置に形成されればよく、同様に、筐体側係止部42a、部品側係止部42bは、収容凹部36内において互いに係止可能な位置に形成されればよい。
【0047】
以上で説明した係止機構4は、筐体側レール部41aと部品側レール部41bとを含んで構成される案内部41、及び、筐体側係止部42aと部品側係止部42bとを含んで構成される係止部42を有するものとして説明したがこれに限らず、収容凹部36内に位置し第2電子部品22と筐体3とを係止するものであれば他の形式の構成であってもよい。
【0048】
以上で説明した第2電子部品22は、典型的には、第1電子部品21より質量が大きい部品であり、例えば、略直方体形状に形成された大容量のコンデンサ等であるものとして説明したがこれに限らない。第2電子部品22は、略直方体形状でなくてもよく、この場合、収容凹部36も第2電子部品22の形状に合わせて適宜変更されればよい。