特許第6248059号(P6248059)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6248059インクカートリッジ、インクカートリッジのセット及びICチップ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248059
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】インクカートリッジ、インクカートリッジのセット及びICチップ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20171204BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   B41J2/175 167
   B41J2/175 119
   B41J2/175 175
   B41J2/01 401
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-89739(P2015-89739)
(22)【出願日】2015年4月24日
(62)【分割の表示】特願2012-211871(P2012-211871)の分割
【原出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2015-166185(P2015-166185A)
(43)【公開日】2015年9月24日
【審査請求日】2015年4月24日
【審判番号】不服2016-18128(P2016-18128/J1)
【審判請求日】2016年12月2日
(31)【優先権主張番号】201110459870.1
(32)【優先日】2011年12月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512246042
【氏名又は名称】珠海納思達企業管理有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】耳氷
(72)【発明者】
【氏名】買志争
(72)【発明者】
【氏名】梁月丹
【合議体】
【審判長】 黒瀬 雅一
【審判官】 森次 顕
【審判官】 畑井 順一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−248373(JP,A)
【文献】 特開2011−201298(JP,A)
【文献】 特開2011−194608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J2/01 - 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を感知する受光部と、母線で接続された複数の設備電気接点とを有するインクジェットプリンターに装着されるインクカートリッジにおいて、
前記インクジェットプリンターに装着されるインクカートリッジは複数であり、
前記設備電気接点に電気接続する容器電気接点と、
複数色の内、第1の色を特定する第1色識別情報が格納された情報記憶装置と、
前記受光部に向けて発光する発光部と、
前記インクジェットプリンターから出力された前記第1の色とは異なる他の色を特定する他色識別情報及び前記発光部の発光状態を制御する状態制御情報を含む発光指令を受信した後に、前記他色識別情報を無視して前記状態制御情報に基づき前記発光部を制御して発光させる制御部と
を備えるインクカートリッジ。
【請求項2】
光を感知する受光部と、母線で接続された複数の設備電気接点とを有するインクジェットプリンターに装着されるインクカートリッジのセットにおいて、
該セットは少なくとも、
請求項1に記載の第1の色に係るインクカートリッジと、
第2の色に係るインクカートリッジとを含み、
該第2の色に係るインクカートリッジは、
前記設備電気接点に電気接続する容器電気接点と、
複数色の内、第2の色を特定する第2色識別情報が格納された情報記憶装置と、
前記受光部に向けて発光する発光部と、
前記インクジェットプリンターから出力された前記第2の色とは異なる他の色を特定する他色識別情報及び前記発光部の発光状態を制御する状態制御情報を含む発光指令を受信した後に、前記他色識別情報を無視して前記状態制御情報に基づき前記発光部を制御して発光させる制御部とを備える
インクカートリッジのセット。
【請求項3】
光を感知する受光部と、母線で接続された複数の設備電気接点とを有するインクジェットプリンターに装着されるインクカートリッジのICチップにおいて、
前記インクジェットプリンターに装着されるインクカートリッジは複数であり、
前記設備電気接点に電気接続する容器電気接点と、
複数色の内、第1の色を特定する第1色識別情報が格納された情報記憶装置と、
前記受光部に向けて発光する発光部と、
前記インクジェットプリンターから出力された前記第1の色とは異なる他の色を特定する他色識別情報及び前記発光部の発光状態を制御する状態制御情報を含む発光指令を受信した後に、前記他色識別情報を無視して前記状態制御情報に基づき前記発光部を制御して発光させる制御部と
を備えるICチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置用のインクジェット技術分野、特にカラーインクジェット記録装置上で簡単に装着・取り外し可能なインクカートリッジ、インクカートリッジのセット及びICチップに関わる。
【背景技術】
【0002】
カラーインクジェットプリンターの場合、その特性から1セットのインクカートリッジが設置されており、異なった色のインクが別々のインクカートリッジの中に貯留され、これらのインクカートリッジは全てプリンターに装着される。インクジェットプリンターの正常な印刷を確保し、インクカートリッジの間違った位置への装着による印刷のズレを防ぐため、インクカートリッジを装着する際は、通常インクカートリッジがインクジェットプリンター内の所定の位置に装着されたかどうかを検知する必要がある。図1は従来の技術におけるインクカートリッジ装着検知原理を示す説明図である。図1に示すように、仮にインクジェットプリンターに4つのインクカートリッジが設置され、各インクカートリッジがそれぞれのインクカートリッジ固定位置に装着されているとし、インクカートリッジaと対応する正しい装着位置は位置A、インクカートリッジbと対応する正しい装着位置は位置B、インクカートリッジcと対応する正しい装着位置は位置C、インクカートリッジdと対応する正しい装着位置は位置Dとする。
【0003】
インクカートリッジのICチップにはLEDランプ等の1つの発光部が設置されており、これに対しインクジェットプリンターの本体ケース上には発光部から発射される光を感知できる1つの受光部が常時固定されている。検出されたインクカートリッジの発光部がオンになると、受光部とインクカートリッジは所定の正しい位置で向かい合う。受光部が当該位置で所定の閾値を満たす光を感知できれば、検知対象のインクカートリッジが正しく装着されたことを意味する。光の量が所定の閾値を満たさなかった場合には、インクカートリッジが正しい位置に装着されていないことを意味し、装着ミスが知らされる。例えば図1に示すように、インクカートリッジbを検知する時は、インクカートリッジbにある発光部がオンになり、受光部とインクカートリッジbは正しい位置Bで向かい合う必要がある。受光部が当該位置で所定の閾値を満たす光を感知できれば、インクカートリッジbが正しい位置に装着されたことを意味する。次に、インクカートリッジa〜dがインクジェットプリンター内部のキャリッジにけん引される形で、図1に示す矢印の方向に沿って移動し、位置Cが受光部と向かい合うと、インクカートリッジcがオンになり、前記検知方法でインクカートリッジcが正しく装着されたかどうかを検知する。これと同じ要領で、全てのインクカートリッジを検知していく。
【0004】
だが実際には、インクカートリッジが正しい位置に装着されているにも関わらず、受光部が十分な光を感知できなかったことにより、正しい位置或いは適切な位置に設置されていないと誤判別してしまうことがある。結局このような問題を引き起こす根本的な原因は、生産時の回避できない製造上の誤差により、1つ1つのLEDランプから出される光の量は多少異なり、検知対象のインクカートリッジのLEDランプから発射される光の量が少ないと、光線は散乱光となるため、受光部に届く光の量が閾値を満たさず、インクカートリッジが正しい位置に装着されているにも関わらず、受光部がインクカートリッジ未装着と誤判別してしまう事態が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、インクカートリッジの構造を変えることなく、上記の受光部に届く光の量が閾値を満たさない問題を解決できるインクカートリッジ、インクカートリッジのセット及びICチップを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明では二つ以上のインクカートリッジから構成されるインクカートリッジセットを提供した。具体的な内訳としては、インクジェットプリンター上で簡単に装着・取り外し可能な複数のインクカートリッジを含むインクカートリッジセット。前記インクジェットプリンターは、その上に設置された複数の設備電気接点を通して前記複数のインクカートリッジとそれぞれ通信する。前記複数の設備電気接点は母線で接続され、しかも前記インクジェットプリンターには光を感知するための受光部が設置されている。前記インクカートリッジセットの各インクカートリッジには前記対応する設備の電気接点と電気接続する容器電気接点、少なくとも当該インクカートリッジに関する情報が格納された情報記憶装置、前記受光部に向けて発光する発光部とインクジェットプリンターからの発光部の発光を制御する発光指令をもって前記発光部の発光を制御する制御部が含まれており、前記インクカートリッジセットの各インクカートリッジの制御部は前記インクジェットプリンターから出された前記インクカートリッジセットの任意の発光部の発光を制御する発光指令を受信すると、各自の発光部をそれぞれ制御して発光させる。
【0007】
さらに、上記のインクカートリッジセットにおいて、前記情報記憶装置に格納される情報には前記各インクカートリッジの特性に合ったインクカートリッジ種類識別情報が含まれている。
さらに、上記のインクカートリッジセットにおいて、前記各インクカートリッジの制御部は、情報読み書き制御モジュールと発光制御モジュールから構成される。
前記インクジェットプリンターはさらに前記発光指令とは異なる装着応答指令を発することができる。
【0008】
前記情報読み書き制御モジュールは、前記インクジェットプリンターから出された、前記インクカートリッジ種類識別情報と一致した装着応答指令を受信すると反応する。前記発光制御モジュールは、前記インクジェットプリンターから出された発光指令のいずれかを受信すると、前記発光部を制御して発光させる。
さらに、上記のインクカートリッジセットにおいて、前記複数のインクカートリッジに異なった色のインクが入っており、前記インクカートリッジ種類識別情報は前記インク色にかかわる。
さらに、上記のインクカートリッジセットにおいて、前記発光部は、可視光または不可視光を発光できるLEDである。
さらに、上記のインクカートリッジセットにおいて、前記インクカートリッジは全部で5つあって、このうち少なくとも1つは黒のインクが入ったインクカートリッジで、前記黒のインクカートリッジの容量はほかのインクカートリッジの容量よりも大きい。
【0009】
本発明はさらに上記のインクカートリッジセットをインクジェットプリンターに装着する時のインクカートリッジセットの装着状態を検知する方法を提供した。この方法では、前記インクカートリッジセットはインクジェットプリンター上で簡単に装着・取り外し可能な複数のインクカートリッジを含み、前記インクジェットプリンターは、その上に設置された複数の設備電気接点を通して前記複数のインクカートリッジとそれぞれ通信し、前記複数の電気接点は母線で接続され、しかも前記インクジェットプリンターには光を感知するための受光部が設置されている。前記インクカートリッジセットの各インクカートリッジには前記対応する設備の電気接点と電気接続する容器電気接点、少なくとも当該インクカートリッジに関する情報が格納された情報記憶装置、前記受光部に向けて発光する発光部とインクジェットプリンターからの発光部の発光を制御する発光指令をもって前記発光部の発光を制御する制御部が含まれ、次のステップで作動することを特徴とする。
ステップ1:前記インクジェットプリンターは、前記インクカートリッジセットのいずれか1つのインクカートリッジの発光部の発光を制御する発光指令を発する。
ステップ2:前記インクカートリッジセットにある各インクカートリッジの制御部は、前記発光指令を受信した後、各自の発光部をそれぞれ制御して発光させる。
【0010】
本発明のインクカートリッジセット及び装着検知方法を採用することで、上記インクカートリッジに対する装着検知の安定性を確保できるほか、さらに発光部の製造上の誤差によるインクカートリッジの装着検知ミスの発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来の技術におけるインクカートリッジ装着検知の原理を示す説明図である。
図2a】本発明に係る実施例のインクカートリッジセットの外観を示す説明図である。
図2b】本発明に係る実施例のICチップの構造を示す説明図である。
図3a】本発明に係る実施例のインクジェットプリンター制御回路から出された発光指令を示す説明図である。
図3b】インクカートリッジの発光制御モジュールの理解する発光指令を示す説明図である。
図4a】本発明に係る実施例のインクカートリッジセットの装着検知を示す説明図である。
図4b】本発明に係る実施例のインクカートリッジセットの装着検知を示す説明図である。
図4c】本発明に係る実施例のインクカートリッジセットの装着検知を示す説明図である。
図4d】本発明に係る実施例のインクカートリッジセットの装着検知を示す説明図である。
図5】本発明に係る実施例のインクカートリッジとプリンター制御回路との間の通信を示す説明図である。
図6】本発明に係る実施例のインクカートリッジセットの装着検知の流れを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る実施例の目的、技術手段およびメリットをよりはっきりさせる為に、次に本発明に係る実施例の説明図を用いて、本発明に係る実施例の技術手段について分かりやすくかつ十分に説明していく。もちろんのことだが、ここで説明される実施例は本発明に係る実施例の一部にすぎず、すべての実施例ではない。革新的な改良がなされた場合を除き、本技術分野の一般技術者が本発明の構想から離脱することなく本発明が例示した実施例に基づき成したその他実施例は、すべて本発明の特許の保護範囲に属する。
【0013】
本発明は、主にインクジェットプリンター上で簡単に装着・取り外し可能な複数のインクカートリッジからなるインクジェットプリンターに装着して使用するインクカートリッジセットに関わる。複数のインクカートリッジとは、2つ或いは2つ以上のインクカートリッジをいう。
上記インクジェットプリンターは、上記インクカートリッジセットのほか、さらに次の部品を含む。キャリッジ:インクジェットプリンター内部で往復移動し、その移動方向は印刷用紙の送り方向の垂直方向で、かつ上記インクカートリッジセットを装着するためのインクカートリッジ固定部を備える。受光部:インクジェットプリンターの片側ケース上に常時設置され、インクカートリッジセットがプリンターに装着された後、上記キャリッジは上記インクカートリッジセット内の各インクカートリッジをけん引して順次受光部と向かい合って装着検知を行う。当該受光部はインクジェットプリンターの制御回路と接続し、感知した光を電気信号に変換した後、制御部に送信して制御回路に判断させる。複数の設備電気接点:一つの電気伝送線7を介して制御回路と電気接続し、上記複数の設備電気接点は母線で接続されており、即ち複数の設備電気接点は一本の通信母線によって結ばれている。
【0014】
インクジェットプリンターの構造に合わせるように、各インクカートリッジには次のものが設置されている。それぞれの設備電気接点と電気接続する容器電気接点。少なくとも当該インクカートリッジに関する情報を格納する情報記憶装置。このうち前記関連情報にはインクカートリッジ識別情報が含まれ、各インクカートリッジの識別情報はどれも異なっている。受光部に向けて発光する発光部と上記発光部の発光を制御する制御部。制御部は情報の読み書き制御モジュールを含み、インクジェットプリンターから出される上記のインクカートリッジセットのいずれかのインクカートリッジの発光部による発光を制御する発光指令を受信すると、発光制御モジュールは当該インクカートリッジ発光部を制御して発光させる。インクジェットプリンターから出されたインクカートリッジ装着応答指令を受信すると、情報読み書き制御モジュールは前記応答指令に含まれるインクカートリッジ識別情報を自らの識別情報と照合し、一致した場合のみ、プリンターに応答信号を返送して応答する。一致しない場合には、返送しない。なお、上記発光部は可視光と不可視光の両方を発することができる。
【0015】
上記インクカートリッジの構造からもわかるように、各インクカートリッジの制御部は、プリンターから出された任意のインクカートリッジ発光部の発光を制御する指令を受信するとその上にある発光部を制御して発光させることができる。即ち、プリンターから任意のインクカートリッジ発光部の発光を制御する指令が送られると、全てのインクカートリッジ上の発光部がオンになる。これにより、例え任意のインクカートリッジ発光部から発射される光の量が少ない場合でも、ほかのインクカートリッジの光線で補ってプリンターに正しく識別させることができる。
【0016】
本発明の技術手段をよりはっきりと説明できるよう、次に本発明に係る実施例のインクカートリッジ及びインクカートリッジセットの構造について説明する。
【0017】
本実施例において、「インクカートリッジセット」とは、同一のインクジェットプリンターに装着される容量や色等の異なるインクカートリッジのセットをいう。図2aは、インクカートリッジセットの外観を示す説明図である。図2aに示すように、インクカートリッジセットはインクカートリッジA1、インクカートリッジB2、インクカートリッジC3、インクカートリッジD4、インクカートリッジE5を含む。上記インクカートリッジAとインクカートリッジB、C、D、Eの違いは貯留するインク種類の違いだけで、内部構造等のその他仕様は全て同じものである。本実施例において、インクカートリッジA〜Eは貯留するインクの量に応じて区分されている。言い換えれば、インクカートリッジAの構造に関する説明は、インクカートリッジB、C、D、Eにも使用することができる。そのため、ここではインクカートリッジAの構造だけ詳しく説明し、インクカートリッジB、C、D、Eに関する詳しい説明は省略する。
【0018】
本実施例では、インクカートリッジセットはインクジェットプリンター上で簡単に装着・取り外すことができる。当該インクジェットプリンターは同じく前記キャリッジ、受光部6、複数の設備電気接点、電気伝送線7等の部品を備え、かつ前記複数の設備電気接点は電気伝送線7を通して制御回路と電気接続し、即ち上記複数の設備電気接点は母線で接続され、電気伝送線7は一つの母線に相当する。
【0019】
図2bに示すように、より高い印刷品質を確保できるよう、インクカートリッジAにはさらにインクカートリッジに関する情報を格納した、プリンターと相互に通信するICチップ8が設置されている。具体的に説明すると、ICチップ基盤81は、上記所定の設備電気接点と接続する容器電気接点82を含み、インクカートリッジは設備電気接点を介してプリンターと接続する。上記複数の設備電気接点は母線で接続されており、即ち各自の容器電気接点82を介して上記複数の設備電気接点と接続する複数のインクカートリッジも母線で接続されている。さらに本実施例では、インクカートリッジICチップに4つの容器電気接点があり、4つの容器電気接点とそれぞれ対応する信号はGND、Vcc、CLK、Dataとなっている。情報記憶装置、別称記憶素子83はインクカートリッジAの独自の、関連する全て情報を格納したもので、中にはインクカートリッジAのインクカラーも含まれる。発光部は上記受光部に向けて発光することができ、本実施例ではLEDランプが使用される。制御部84:制御部84は読み書き制御モジュール841と発光制御モジュール842を含み、プリンターから送られた指令で上記情報記憶装置或いは発光部を制御することができる。
【0020】
図2aに示すように、本実施例では、インクカートリッジAには黒のインクが、インクカートリッジB、C、D、Eにはブルー、マゼンタ等のカラーインクが貯留されている。このうち黒のインクが最も頻繁に使われる為、インクカートリッジAのサイズもインクカートリッジB、C、D、Eよりもやや大きく、即ちインクカートリッジAとインクカートリッジB、C、D、Eは異なる目的や要求に応じて様々なサイズに設計できるが、構造や外観はほぼ変わらない。なお、本技術分野の一般技術者には次のことを理解されたい。上記インクカートリッジA〜Eは同じサイズに設計しても構わない。
【0021】
複数のインクカートリッジはどれも容器電気接点、設備電気接点、電気伝送線7を介してプリンターの制御回路と接続するため、即ち上記複数のインクカートリッジのICチップはいずれも母線で接続されているため、言い換えれば、上記インクカートリッジセットの複数の制御部は上記電気伝送線7を介して上記制御電気回路と接続し、各インクカートリッジの制御部はどれもプリンターの制御回路から送られる全ての指令情報や、プリンターから送られる任意のインクカートリッジ向けの発光部の発光を制御する指令情報を受信することができる。たとえばプリンターからインクカートリッジBの発光部の発光を制御する発光指令が送られた時は、インクカートリッジA、C、D、Eの制御部もこの発光指令を受信することができる。
【0022】
プリンター側からみると、インクカートリッジの装着検知プロセスは2つの段階に分けられる。(1)装着判断段階:プリンターは、インクカートリッジ装着応答指令を順次発送して所定の応答があるかどうかでインクカートリッジがプリンターに装着されたどうかを判断する。応答がある場合は、次の段階に進む。なければユーザーにインクカートリッジがきちんと装着されていないことを知らせる。(2)装着正確性判断段階:全てのインクカートリッジがきちんと装着されていることを確認した後、各インクカートリッジの発光部の発光を制御する発光指令を順次送信して上記複数の発光部(LEDランプ)を順次制御し、感知した光の量でインクカートリッジが正しい位置に装着されたかどうかを判断する。なお、上記インクカートリッジ装着応答指令は通常、各インクカートリッジの識別情報から構成され、これに対して発光指令は通常、インクカートリッジの識別情報と発光部のステータス制御情報から構成される。この点から見ても、装着応答指令と発光指令はまったく違うものであることがわかる。
【0023】
これに対し、本実施例では、全ての制御部にICチップの読み書きを制御する制御モジュール841と発光部の発光を制御する制御モジュール842が内蔵されている。通常では、各インクカートリッジの情報記憶装置にはインクカートリッジ識別情報が格納される。この場合、インクカートリッジセットをプリンターに装着し、プリンターからインクカートリッジ装着応答指令が送られても、任意のインクカートリッジの識別情報がプリンターから送られた識別コードと一致した場合のみ、当該インクカートリッジの読み書き制御モジュール841が応答信号をプリンターに返送して応答する。このとき、プリンターは当該インクカートリッジが既に装着されたと判断する。逆の場合、プリンターに応答信号を返信しないため、プリンターは当該インクカートリッジがまだ装着されていないと判断してしまう。プリンターからインクカートリッジ発光指令が送られると、上記インクカートリッジの発光制御モジュールはその上にある発光部を制御して発光させる。
【0024】
前記のように、インクジェットプリンターにはインクカートリッジが装着されているかどうか、正しい位置に装着されているかどうかを判断する装着状態検知プロセスがあり、即ち、プリンターは各インクカートリッジを順次検知し、各インクカートリッジが所定の応答信号を受信し、かつ受光部が所定の量の光を感知した場合のみ、プリンターはインクカートリッジが既に装着され、しかも正しい位置に装着されたと判断し、初期化処理を終了する。さもなければ、プリンターはエラーを提示する。先ほども説明したように、従来の技術だと、インクカートリッジ発光部の製造上の誤差が原因で、均一性に欠けた光線が発射され、インクカートリッジを正しい位置に装着したにも関わらず、装着エラーと判断されてしまうケースもある。
【0025】
従来の技術的課題を解決し、インクカートリッジの装着検知プロセスを実現するために、本実施例では、複数の発光部が母線で接続され、しかも読み書き制御モジュールと発光制御モジュールが互い独立している状況を踏まえ、各インクカートリッジの制御部はプリンターから送られた任意の発光部の発光を制御する発光指令を受信した後、上記各インクカートリッジにある発光部を点灯させる。即ちプリンターから送られる発光指令がインクカートリッジセットのどのインクカートリッジ向け送られたものであるかを問わず、上記インクカートリッジセットにある各インクカートリッジの発光制御モジュールはその上の発光部の発光を制御し、インクカートリッジセットの複数の発光部を同時に点灯、消灯させる手段を提案した。その具体的な操作方法は次のとおり。異なったインクカートリッジにある各制御部は、プリンターからの発光指令を受信した後、その発光指令に含まれるインクカートリッジ識別情報を無視し、そのまま発光部の点灯或いは消灯を制御する。言い換えれば、どのインクカートリッジを検出しても、上記複数のインクカートリッジの複数の発光部は全て点灯或いは消灯する。正確に説明すると、どのインクカートリッジが検出されても、上記各制御部はプリンターからの発光指令を受信するだけでそれぞれの発光部を点灯することができる。言い換えれば、本実施例では、各インクカートリッジの発光制御モジュールは、発光指令に含まれる発光部ステータス制御情報だけでインクカートリッジの発光部を制御でき、発光指令に含まれるインクカートリッジ識別情報は無視される。即ち本実施例では、発光制御モジュールは読み書き制御モジュールと互い独立して機能する。
【0026】
上記の発光部発光制御方式を導入した場合、発光制御モジュールとプリンターの間は一方的な通信で結ばれ、即ち発光制御モジュールは発光部の発光を制御するにあたり、プリンターからの指令しか受信できず、プリンターに必要な情報を返信することはできないのが明らかである。プリンターに応答信号を返送する機能は、上記読み書き制御モジュールによって実現させる。図5は、本実施例の制御部とプリンターとの通信を示す説明図である。また、読み書き制御モジュールは、プリンターからの読み書き指令を受信して応答し、プリンターによるインクカートリッジICチップの読み書きを許可することもできる。
【0027】
本実施例において、上記インクカートリッジ識別情報は、インクカートリッジに貯留されたインク色別に設定された色IDである。
【0028】
図3aに示すように、プリンター制御回路から発信される発光部を発光させる指令情報の内訳は次のとおり:色ID(或いは種類識別コード)コード+ステータス(ON、OFF、CALL等)コード。たとえば、仮にインクカートリッジA、Bは黒(K)と黄色のインクカートリッジ(Y)で、コードはそれぞれ110、101とし、ON、OFFのコードは000、100、指令として「110000」、「110100」が使用されている場合には、「101000」、「101100」はそれぞれ「インクカートリッジAオン」、「インクカートリッジAオフ」、「インクカートリッジBオン」、「インクカートリッジBオフ」を意味する。前記のように、本実施例では、上記制御部の発光制御モジュールは上記色IDコードを無視する仕組みとなっている。言い換えれば、上記制御部の発光制御モジュールは、受信された指令が「インクカートリッジAオン」、「インクカートリッジBオン」であるかどうかに関係なく、制御回路に応答信号を返送せずに、そのまま発光部(LEDランプ)を発光させる。言い換えれば、本発明では、発光制御モジュールはプリンター制御回路からの情報を理解し、図3bに示すように、最初の3桁の色IDを完全に無視し、後ろ3桁のLEDランプステータスコードを使ったLEDランプ検知だけを行う。もちろん、発光部のオフも類似の方法で実現することができる。そのため、上記の発光制御方法を採用したインクカートリッジなら、その発光制御モジュールは発光指令の発光部ステータス情報だけで発光部をオン/オフさせることができる。だが、もしプリンターに応答信号を返送しなかったら、プリンターの制御回路はインクカートリッジがまだ装着されていないと誤識別してしまい、初期化処理を完了することはできない。このため、本実施例において、読み書き制御モジュールは ICチップの読み書き段階の制御に限らず、さらに装着検知段階でもプリンターのインクカートリッジ装着応答指令を確認してプリンターに応答信号を返送する必要がある。
【0029】
図4a〜4dは、本実施例のインクカートリッジセットに対する装着検知を示す説明図である。これに対して図6は本実施例のインクカートリッジセットに対する装着検知のフローチャートである。
1、複数のインクカートリッジからなるインクカートリッジセットをインクジェットプリンター内に装着する。
2、インクジェットプリンターが複数のインクカートリッジに向けてインクカートリッジ装着応答指令を順次に送信し、これに対し上記複数のインクカートリッジの読み書き制御モジュールはプリンターに応答信号を順次に返送して装着完了を知らせる。応答指令を送っても応答信号が来ない場合には、該当するインクカートリッジがまだ装着されていないことを意味し、このとき、プリンターは検知を中止して、ユーザーに対してインクカートリッジを装着するよう提示する。
3、全てのインクカートリッジが装着されたことを確認した後、キャリッジはプリンターのモータの駆動のもとで、その上にあるインクカートリッジをけん引して往復移動を開始し、上記インクカートリッジAと受光部が向かい合う場所に到着した後、移動を停止する。
図4aに示すように、プリンター制御回路からインクカートリッジAを制御する発光指令が出されると、インクカートリッジA〜Eの制御部の発光制御モジュールは電気伝送線を介して上記発光指令を受信し、そしてこの発光指令をもって上記各インクカートリッジにある発光部をそのまま制御して発光させる。図4bに示すように、本実施例では、発光部にLEDランプが使用されている。
5、このとき、受光部は十分な量の光を感知できたかどうかを判断し、受光部の感知した光の量が閾値を上回る場合には、制御回路はインクカートリッジAの装着が完了、かつ正しい位置に装着されたものと判断する。逆に受光部が光を感知できず、或いは光の量が閾値を下回った場合には、制御回路はインクカートリッジがまだ装着されていない、或いは正しい位置に装着されていないと判断し、エラーを提示して検知を中止する。
6、次に図4cに示すように、プリンターはキャリッジを駆動してインクカートリッジBと受光部が向かい合う位置まで移動させる。キャリッジがインクカートリッジBと受光部が互い向かい合う場所まで移動した後、今度は制御回路がインクカートリッジBを制御する発光指令を発し、インクカートリッジA、C、D、Eの制御部の発光制御モジュールは上記発光指令を受信して上記各インクカートリッジのLEDランプを直接制御して発光させる(図4d参照)。受光部が感知した光の量が閾値を超えると、制御回路は、インクカートリッジがきちんと装着され、かつ正しい位置に装着されていると判断する。逆の場合はインクカートリッジ装着が失敗したと判断する。
7、上記ステップを繰り返し、インクカートリッジC、D、Eが全て正しい位置に装着されるのを確認して検知作業を終了する。
【0030】
この実施過程からもわかるように、プリンターからの発光指令がインクカートリッジセットのどのインクカートリッジのLEDランプのオン/オフを制御するものなのかに関係なく、前記インクカートリッジセットの複数のLEDランプはどれもオン或いはオフする仕組みとなっている。言い換えれば、上記インクカートリッジセットの各インクカートリッジの制御部(発光制御モジュール)はプリンターからの任意の発光指令を受信すると、それぞれの発光部の発光を制御し始める。これにより、装着検知の時は、たとえいずれかのLEDランプの発光量が少ない場合でも、隣接のインクカートリッジのLEDランプから発射される散乱光である程度補い、検知に必要な光の量に係る閾値を満たすようにしているため、正しい位置に装着したにも関わらず、LEDランプの発光量が少ないためにプリンターがインクカートリッジが正しい位置に装着されていないと誤判別してしまうという不具合を回避することができる。
上述のとおり、上記の技術手段を採用することで、上記インクカートリッジに対する装着検知の安定性を確保し、LEDランプの製造上の誤差によるインクカートリッジの装着検知ミスの発生を防ぐことができる。
【0031】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0032】
1、インクカートリッジA,2、インクカートリッジB,3、インクカートリッジC,4、インクカートリッジD,5、インクカートリッジE,6、受光部,7、電気伝送線,8、ICチップ、,81、基板,82、容器電気接点,83、記憶素子,84、制御部,841、読み書き制御モジュール,842、発光制御モジュール。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6