(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248061
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】ライト制御システムおよびライト制御装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/02 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
B60Q1/02 C
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-96289(P2015-96289)
(22)【出願日】2015年5月11日
(65)【公開番号】特開2016-210309(P2016-210309A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2017年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】角野 英世
(72)【発明者】
【氏名】近澤 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健次
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
特開平9−136569(JP,A)
【文献】
特開平9−136568(JP,A)
【文献】
特開平10−35356(JP,A)
【文献】
特開2005−238940(JP,A)
【文献】
特開2008−114655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲の明るさと基準値に基づいて、当該車両のライトを自動で点灯する車両用ライト制御装置と、
前記ライトの点灯関連機能を有さずそれぞれ異なる機能を有する、少なくとも2値の第1スイッチおよび少なくとも3値の第2スイッチと、前記ライトの点灯関連機能を有する少なくとも2値の第3スイッチと、
を備える車両用ライト制御システムにおいて、
前記車両用ライト制御装置は、
前記ライトを自動で点灯するための基準値を記憶する記憶部と、
前記第1スイッチ乃至前記第3スイッチの状態を判定するスイッチ判定部と、
前記スイッチ判定部の判定に基づき前記基準値を変更する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記スイッチ判定部が前記第1スイッチは第1値であると判定した場合、前記基準値を変更せず、
前記スイッチ判定部が前記第1スイッチは第2値であり、かつ前記第2スイッチは第3値であると判定した場合、前記基準値を変更せず、
前記スイッチ判定部が前記第1スイッチは第2値となり、その後第1の規定時間内に前記第2スイッチは第1値または第2値となったと判定した場合において、前記第3スイッチのオンオフ操作またはオフオン操作が、前記第2スイッチが第1値または第2値となった後第2の規定時間内に行われたと判定した場合、前記基準値を変更する、
ライト制御システム。
【請求項2】
前記第1スイッチは、前記車両の始動/停止の機能を切り替え操作するための始動スイッチであり、
前記第2スイッチは、前記車両の方向指示器の点消灯の機能を切り替え操作するための方向指示器スイッチであり、
前記第3スイッチは、前記車両のライトの点消灯の機能を切り替え操作するためのライトスイッチである、
ことを特徴とする請求項1に記載のライト制御システム。
【請求項3】
前記始動スイッチの第1値は停止状態であり、前記始動スイッチの第2値はアクセサリー電源オン状態であり、
前記方向指示器スイッチの第1値は左折指示状態であり、前記方向指示器スイッチの第2値は右折指示状態であり、前記方向指示器スイッチの第3値は中立状態であり、
前記ライトスイッチの第1値は消灯状態であり、前記ライトスイッチの第2値は自動制御状態である、
ことを特徴とする請求項2に記載のライト制御システム。
【請求項4】
前記スイッチ判定部は、前記始動スイッチの状態がアクセサリー電源オン状態になったことを判定した後、第1の規定時間内に前記方向指示器スイッチが前記左折指示状態または前記右折指示状態になったと判定した場合には、第2の規定時間内に、前記ライトスイッチが前記消灯状態から前記自動制御状態に切り替えた回数を計測し、
前記制御部は、前記方向指示器スイッチの状態と前記回数に基づいて、前記基準値を変更する、
ことを特徴とする請求項3に記載のライト制御システム。
【請求項5】
前記方向指示器スイッチの前記左折指示状態と前記右折指示状態が、前記基準値を高感度と低感度に設定するスイッチであり、前記ライトスイッチを前記消灯状態から前記自動制御状態にした回数が基準値の変化量を示すことを特徴とする請求項4に記載のライト制御システム。
【請求項6】
前記始動スイッチの第1値は停止状態であり、前記始動スイッチの第2値はアクセサリー電源オン状態であり、
前記方向指示器スイッチの第1値は左折指示状態であり、前記方向指示器スイッチの第2値は右折指示状態であり、前記方向指示器スイッチの第3値は中立状態であり、
前記ライトスイッチの第1値はパッシングオフ状態であり、前記ライトスイッチの第2値はパッシングオンである、
ことを特徴とする請求項2に記載のライト制御システム。
【請求項7】
前記スイッチ判定部は、前記始動スイッチの状態がアクセサリー電源オン状態になったことを判定した後、第1の規定時間内に前記方向指示器スイッチが前記左折指示状態または前記右折指示状態になったと判定した場合には、第2の規定時間内に、前記ライトスイッチが前記パッシングオフ状態から前記パッシングオン状態に切り替えた回数を計測し、
前記制御部は、前記回数に対応する前記基準値に設定する、
ことを特徴とする請求項6に記載のライト制御システム。
【請求項8】
前記制御部が前記基準値を変更した後、または使用者の所定の操作により、使用者に対して視覚的および/または聴覚的な方法により前記基準値を通知することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のライト制御システム。
【請求項9】
車両の周囲の明るさと基準値に基づいて、当該車両のライトを自動で点灯する車両用ライト制御装置であって、
前記ライトを自動で点灯するための基準値を記憶する記憶部と、
前記ライトの点灯関連機能を有さずそれぞれ異なる機能を有する、少なくとも2値の第1スイッチおよび少なくとも3値の第2スイッチと、前記ライトの点灯関連機能を有する少なくとも2値の第3スイッチの状態を判定するスイッチ判定部と、
前記スイッチ判定部の判定に基づき前記基準値を変更する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記スイッチ判定部が前記第1スイッチは第1値であると判定した場合、前記基準値を変更せず、
前記スイッチ判定部が前記第1スイッチは第2値であり、かつ前記第2スイッチは第3値であると判定した場合、前記基準値を変更せず、
前記スイッチ判定部が前記第1スイッチは第2値となり、その後第1の規定時間内に前記第2スイッチは第1値または第2値となったと判定した場合において、前記第3スイッチのオンオフ操作またはオフオン操作が、前記第2スイッチが第1値または第2値となった後第2の規定時間内に行われたと判定した場合、前記基準値を変更する、
車両用ライト制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲の明るさに基づき適切なタイミングで車両のヘッドライトなどを点消灯させるための車両用のライト制御システムおよびライト制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の周囲の明るさを検出し、自動で適切なタイミングで車両のヘッドライトなどを点消灯させるための制御装置が知られている。このような制御装置においては、車両のライトを点灯させる閾値となる基準値の変更は、車両の購入直後のみに行われるなど決して使用頻度は高くないので、通常メータ内にあるマルチインフォメーションディスプレイに表示されるスイッチを操作することにより行われる。しかし、低廉な車両においては、そのようなディスプレイ自体が装備されていないので、基準値を変更するためにディーラーまで車両を持ち込み、調整を行う必要があり利便性に欠けていた。このような問題に対する対策として、以下のライトの制御装置が知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1は、人間がランプを点灯消灯させたいタイミングと、自動制御によってランプを点灯消灯させるタイミングを一致させることを目的としたランプ制御装置を開示する。このランプ制御装置は、照度を検出して照度情報を出力する照度検出手段と、ランプの消灯点灯を切り替えるための基準照度を記憶する記憶部と、照度情報と基準照度とランプの点灯消灯状態とによって、自動的にランプの点灯消灯を切り替える制御部とを備え、制御部によって自動的にランプの点灯消灯の切り替え制御がなされているときであっても、ランプの点灯消灯の切り替え指示に応じて、ランプの点灯消灯を切り替えることを可能にする。
【0004】
しかし、点灯させる基準照度の設定によっては、使用者の感覚と合わないためにその機能が使用されない場合があり、その結果、夜間の無灯火運転なども発生し、危険を招く場合がある。このような問題の対策として車両側でいくつかの閾値を準備し、ユーザが好みの閾値を選択する方法がとられている。
【0005】
たとえば、特許文献2は、車のスモールライト及びヘッドライトを周囲の明るさに応じて自動点灯するオートライト制御装置において、点灯及び消灯の照度の設定をユーザが簡単に調整できるようにすることを目的としたオートライト制御装置を開示する。このオートライト制御装置は、照度センサの検出値を基準値と比較し、その比較結果に基づいてスモールライト等の点滅を制御するオートライト制御装置のコンパレータ回路にメモリ回路を設ける。そして、オートライト制御装置は、そのメモリ回路にスモールライト等の点灯と消灯を操作するライティングスイッチを操作した際、操作に応じて上記基準値に所定の変更を繰り返し加え、その変更した基準値に基づいてスモールライト等の点灯と消灯を制御することにより、点灯及び消灯の照度の設定をユーザが簡単に調整できるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−238940号公報
【特許文献2】特開平9−136569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明では、車両にマルチインフォメーションディスプレイなどの装備がなくても、使用者が誤操作なくかつ容易に基準値の設定を行うことができるライト制御システムおよびライト制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、車両の周囲の明るさと基準値に基づいて、当該車両のライトを自動で点灯する車両用ライト制御装置と、ライトの点灯関連機能を有さずそれぞれ異なる機能を有する、少なくとも2値の第1スイッチおよび少なくとも3値の第2スイッチと、ライトの点灯関連機能を有する少なくとも2値の第3スイッチと、を備える車両用ライト制御システムにおいて、車両用ライト制御装置は、ライトを自動で点灯するための基準値を記憶する記憶部と、第1スイッチ乃至第3スイッチの状態を判定するスイッチ判定部と、スイッチ判定部の判定に基づき基準値を変更する制御部と、を備え、制御部は、スイッチ判定部が第1スイッチは第1値であると判定した場合、基準値を変更せず、スイッチ判定部が第1スイッチは第2値であり、かつ第2スイッチは第3値であると判定した場合、基準値を変更せず、スイッチ判定部が第1スイッチは第2値となり、その後第1の規定時間内に第2スイッチは第1値または第2値となったと判定した場合において、第3スイッチのオンオフ操作またはオフオン操作が、第2スイッチが第1値または第2値となった後第2の規定時間内に行われたと判定した場合、基準値を変更する、ライト制御システムが提供される。
これによれば、マルチインフォメーションディスプレイなどの装備がなくても、ライト点灯関連機能を有さない通常装備されているスイッチの操作とライト点灯関連機能を有する通常装備されているスイッチの操作を、日常の操作においては意味がなく通常行わない一連の操作として組み合すことにより、使用者に誤操作を生じさせることを回避し、また、基準値の変更を行う最後の操作には当該ライト点灯関連機能を有する通常装備されているスイッチ操作を割り当てて使用者にライト関連の操作であることを認識させることにより、使用者が容易に基準値の設定を行うことができるライト制御システムを提供できる。
【0009】
さらに、第1スイッチは、車両の始動/停止の機能を切り替え操作するための始動スイッチであり、第2スイッチは、車両の方向指示器の点消灯の機能を切り替え操作するための方向指示器スイッチであり、第3スイッチは、車両のライトの点消灯の機能を切り替え操作するためのライトスイッチであることを特徴としてもよい。
これによれば、ライト点灯関連機能を有さない通常装備されている始動スイッチおよび方向指示器スイッチと、ライトスイッチの切り替え操作を組み合すことにより、マルチインフォメーションディスプレイなどの装備がなくても、使用者が誤操作なくかつ容易に基準値の設定を行うことができる。
【0010】
さらに、始動スイッチの第1値は停止状態であり、始動スイッチの第2値はアクセサリー電源オン状態であり、方向指示器スイッチの第1値は左折指示状態であり、方向指示器スイッチの第2値は右折指示状態であり、方向指示器スイッチの第3値は中立状態であり、ライトスイッチの第1値は消灯状態であり、ライトスイッチの第2値は自動制御状態であることを特徴としてもよい。
これによれば、始動スイッチのアクセサリー電源オン状態と方向指示器スイッチの左折指示状態および右折指示状態とが組み合された状態において、ライトスイッチを操作するという日常の操作においては意味がなく通常行わない一連の操作として組み合すことにより、使用者は誤って基準値の変更を行ってしまうことを回避することができる。
【0011】
さらに、スイッチ判定部は、始動スイッチの状態がアクセサリー電源オン状態になったことを判定した後、第1の規定時間内に方向指示器スイッチが左折指示状態または右折指示状態になったと判定した場合には、第2の規定時間内に、ライトスイッチが消灯状態から自動制御状態に切り替えた回数を計測し、制御部は、方向指示器スイッチの状態と回数に基づいて、基準値を変更することを特徴としてもよい。
これによれば、所定の時間内にそれぞれの状態になることを判定することにより、使用者は、意図せず基準値の変更を行ってしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0012】
さらに、方向指示器スイッチの左折指示状態と右折指示状態が、基準値を高感度と低感度に設定するスイッチであり、ライトスイッチを消灯状態から自動制御状態にした回数が基準値の変化量を示すことを特徴としてもよい。
これによれば、方向指示器スイッチの左折指示状態(スイッチレバーを上げた状態)が基準値を高感度の方向へ変更すること、右折指示状態(スイッチレバーを下げた状態)が基準値を低感度の方向へ変更すること、ライトスイッチのスイッチ操作回数を基準値の現在値からの変化量を意味することとする操作を組み合わせることで、使用者が分かりやすい容易な操作で基準値の設定を行うことができる。
【0013】
さらに、始動スイッチの第1値は停止状態であり、始動スイッチの第2値はアクセサリー電源オン状態であり、方向指示器スイッチの第1値は左折指示状態であり、方向指示器スイッチの第2値は右折指示状態であり、方向指示器スイッチの第3値は中立状態であり、ライトスイッチの第1値はパッシングオフ状態であり、ライトスイッチの第2値はパッシングオンであることを特徴としてもよい。
これによれば、始動スイッチのアクセサリー電源オン状態と方向指示器スイッチの左折指示状態および右折指示状態とが組み合された状態において、パッシングというライトスイッチを操作するという日常の操作においては意味がなく通常行わない一連の操作として組み合すことにより、使用者は誤って基準値の変更を行ってしまうことを回避することができる。
【0014】
さらに、スイッチ判定部は、始動スイッチの状態がアクセサリー電源オン状態になったことを判定した後、第1の規定時間内に方向指示器スイッチが左折指示状態または右折指示状態になったと判定した場合には、第2の規定時間内に、ライトスイッチがパッシングオフ状態からパッシングオン状態に切り替えた回数を計測し、制御部は、回数に対応する基準値に設定することを特徴としてもよい。
これによれば、所定の時間内にそれぞれの状態になることを判定することにより、使用者は、意図せず基準値の変更を行ってしまうなどの誤操作を回避することができると共に、パッシング操作の回数により基準値自体を設定することで、使用者が分かりやすい容易な操作で基準値の設定を行うことができる。
【0015】
さらに、制御部が基準値を変更した後、または使用者の所定の操作により、使用者に対して視覚的および/または聴覚的な方法により基準値を通知することを特徴としてもよい。
これによれば、使用者は、現在の基準値を知ることができる。
【0016】
上記課題を解決するために、車両の周囲の明るさと基準値に基づいて、当該車両のライトを自動で点灯する車両用ライト制御装置であって、ライトを自動で点灯するための基準値を記憶する記憶部と、ライトの点灯関連機能を有さずそれぞれ異なる機能を有する、少なくとも2値の第1スイッチおよび少なくとも3値の第2スイッチと、ライトの点灯関連機能を有する少なくとも2値の第3スイッチの状態を判定するスイッチ判定部と、スイッチ判定部の判定に基づき基準値を変更する制御部と、を備え、制御部は、スイッチ判定部が第1スイッチは第1値であると判定した場合、基準値を変更せず、スイッチ判定部が第1スイッチは第2値であり、かつ第2スイッチは第3値であると判定した場合、基準値を変更せず、スイッチ判定部が第1スイッチは第2値となり、その後第1の規定時間内に第2スイッチは第1値または第2値となったと判定した場合において、第3スイッチのオンオフ操作またはオフオン操作が、第2スイッチが第1値または第2値となった後第2の規定時間内に行われたと判定した場合、基準値を変更する車両用ライト制御装置が提供される。
これによれば、マルチインフォメーションディスプレイなどの装備がなくても、ライト点灯関連機能を有さない通常装備されているスイッチの操作とライト点灯関連機能を有する通常装備されているスイッチの操作を、日常の操作においては意味がなく通常行わない一連の操作として組み合すことにより、使用者に誤操作を生じさせることを回避し、また、基準値の変更を行う最後の操作には当該ライト点灯関連機能を有する通常装備されているスイッチ操作を割り当てて使用者にライト関連の操作であることを認識させることにより、使用者が容易に基準値の設定を行うことができるライト制御装置を提供できる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、車両にマルチインフォメーションディスプレイなどの装備がなくても、使用者が誤操作なくかつ容易に基準値の設定を行うことができるライト制御システムおよびライト制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る第一実施例のライト制御システムのブロック図。
【
図2】本発明に係る第一実施例のライト制御システムにおける基準値テーブル部および記憶部の内容を示す説明図。
【
図3】本発明に係る第一実施例のライト制御システムにおける各スイッチの遷移を示す説明図。
【
図4】本発明に係る第一実施例のライト制御システムにおける各スイッチの操作のタイムチャート。
【
図5】本発明に係る第一実施例のライト制御システムにおける基準値の設定方法を示すフローチャート。
【
図6】本発明に係る第一実施例のライト制御システムにおけるライトの点灯制御方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る実施例について説明する。
<第一実施例>
図1を参照し、本実施例におけるライト制御システム100を説明する。ライト制御システム100は、車両1のライト31を自動で点灯するライト制御装置10と、第1乃至第3のスイッチ20とを備える。
【0020】
第1乃至第3のスイッチ20は、ライト31の点灯関連機能を有さない少なくとも2値を有する第1スイッチと、第1スイッチとは異なるスイッチであって、ライト31の点灯関連機能を有さない少なくとも3値を有する第2スイッチと、ライト31の点灯関連機能を有し少なくとも2値を有する第3スイッチとから構成される。すなわち、第1スイッチと第2スイッチは、ライト31の点灯関連機能を有さずそれぞれ互いに異なる機能を有するスイッチである。
【0021】
なお、ライト31は、車両1のヘッドライト、スモールライト、メータ類の照明など、車両1の周囲の明るさ/暗さにより点灯/消灯する照明類を言う。また、ライト31の点灯関連機能とは、ライト31を点灯、消灯、自動点消灯させるため自動制御の機能を言い、第3スイッチはこれらの機能を有するスイッチであり、第1スイッチおよび第2スイッチはこれらの機能を有さないスイッチである。本例では、第3スイッチは、車両1のライト31の点消灯や自動制御の機能を切り替え操作するためのライトスイッチ23である。
【0022】
また、第1スイッチは、車両1の始動/停止の機能を切り替え操作するための始動スイッチ21である。第2スイッチは、中立/左折/右折の3つの値を有し、車両1の方向指示器の点消灯の機能を切り替え操作するための方向指示器スイッチ22である。なお、第1乃至第3スイッチはこれに限定されることはなく、たとえば、第1スイッチは、ライト31の点灯関連機能を有さないエアコンをオン/オフするエアコンスイッチでもよいし、第2スイッチは、ライト31の点灯関連機能を有さず少なくとも3値を有する窓の昇降スイッチであってもよい。
【0023】
ライト制御装置10は、車両1に備えられた明るさセンサ40が検出する車両1の周囲の明るさと明るさの基準値に基づいて、車両1のライト31を自動で点灯する。ライト制御装置10は、明るさのレベル毎の基準値を保持する基準値テーブル部14と、ライト31を自動で点灯するための基準値を記憶する記憶部12と、第1スイッチ乃至前記第3スイッチ、すなわち、始動スイッチ21、方向指示器スイッチ22、ライトスイッチ23の状態を判定するスイッチ判定部13と、スイッチ判定部13の判定に基づき基準値を変更する制御部11と、を備える。なお、明るさセンサとは、光電素子を有して光を感知するセンサであり、たとえば、照度センサや日射センサなどを言う。
【0024】
基準値テーブル部14が保持するレベル毎の基準値は、
図2に示すように、使用者の好みに合った選択ができるように高感度のレベル1(L1)から低感度のレベルN(Ln)までのN個のレベルを有する。なお、明るさの基準値とは、車両1のライト31を自動で点灯または消灯させるための閾値である。また、明るさの判定には、可視光量に赤外光量を加えてもよい。
【0025】
記憶部12は、基準値テーブル部14に保持される基準値の中から使用者が選択した基準値を記憶している。ライト制御装置10は、記憶部12に記憶された基準値に基づいてライト31を自動で点灯したり消灯したりする。
図2は、記憶部12はレベル3(L3)の基準値を記憶している場合を示す。
【0026】
スイッチ判定部13は、第1スイッチ乃至第3スイッチである、始動スイッチ21、方向指示器スイッチ22、ライトスイッチ23の状態を判定する。第1スイッチ乃至第3スイッチの状態とは、各スイッチの各値を言う。たとえば、第1スイッチの状態とは、第1値または第2値を言い、第2スイッチの状態とは、第1値、第2値、または第3値を言う。
【0027】
第1スイッチである始動スイッチ21は、
図3の(A)に示すように、実際には3値を採りうるが、OFF状態は第1値であり、アクセサリー電源オン状態およびエンジンまたはモータ始動状態は第2値である。なお、エンジンまたはモータ始動状態とは、エンジン車ではイグニッションオン状態をいい、ハイブリッド・電気自動車では走行用バッテリ起動状態のことである。第1スイッチは少なくとも2値を採ればよく、2値以上を有していてもよい。第2スイッチである方向指示器スイッチ22は、
図3の(B)に示すように、左折を示す左折指示状態は第1値であり、右折を示す右折指示状態は第2値であり、直進を示す中立状態は第3値である。第3スイッチであるライトスイッチ23は、
図3の(C)に示すように、消灯状態は第1値であり、点灯状態および自動制御状態は第2値である。第3スイッチは少なくとも2値を採ればよく、2値以上を有していてもよく、点灯状態および自動制御状態のそれぞれにさらにパッシングON/OFFの2値を有しており、合計で5値を有する。スイッチ判定部13は、これらのスイッチがどの状態にあるのかを判定する。
【0028】
図4を参照して、基準値を変更するための各スイッチの一連の操作について説明する。制御部11は、スイッチ判定部13が始動スイッチ21は第1値のOFF状態(停止状態)であると判定した場合、記憶部12内の基準値を変更しない。また、制御部11は、スイッチ判定部13が始動スイッチ21は第2値のアクセサリー電源オン状態またはエンジンまたはモータ始動状態であり、かつ、方向指示器スイッチ22は第1の規定時間内で操作されることなく第3値の中立状態であると判定した場合、記憶部12内の基準値を変更しない。
【0029】
一方、上記以外の場合において、ライトスイッチ23の第1値と第2値の切り替え操作が、方向指示器スイッチ22が第1値の左折指示状態となった後第2の規定時間内に行われたと判定した場合、記憶部12内の基準値を変更する。すなわち、上記以外の場合とは、スイッチ判定部13が始動スイッチ21はアクセサリー電源オン状態等となり、その後第1規定時間内に方向指示器スイッチ22は左折指示状態となったと判定した場合である。なお、ライトスイッチ23の第1値と第2値の切り替え操作とは、ライトスイッチ23がオン状態からオフ状態へまたはオフ状態からオン状態へ操作されることを言う。また、本図では、方向指示器スイッチ22を高感度の方向に変更する第1値の左折指示状態を例に説明したが、低感度の方向に変更する第2値の右折指示状態であってもよい。また、本図では、ライトスイッチ23の第1値の消灯状態から第2値の自動制御状態への切り替え操作が2回行われている例を示す。この場合、制御部11は、方向指示器スイッチ22が高感度の方向に変更する左折指示状態になっているので、2レベル高感度な基準値にする。なお、方向指示器スイッチ22は、基準値の変更後中立状態に戻される。
【0030】
これによれば、マルチインフォメーションディスプレイなどの装備がなくても、ライト点灯関連機能を有さない通常装備されている始動スイッチ21と方向指示器スイッチ22のスイッチ操作と、ライト点灯関連機能を有する通常装備されているライトスイッチ23のスイッチ操作とを、日常の操作においては意味がなく通常行わない一連の操作として組み合すことにより、使用者に誤操作を生じさせることを回避し、また、基準値の変更を行う最後の操作には当該ライト点灯関連機能を有する通常装備されているスイッチ操作を割り当てて使用者にライト関連の操作であることを認識させることにより、使用者が容易に基準値の設定を行うことができるライト制御システムを提供できる。
【0031】
たとえば、始動スイッチ21をアクセサリー電源オン状態とした後第1の規定時間内に方向指示器スイッチ22を左折指示状態とし、さらにその後第2の規定時間内にライトスイッチ23をオンオフさせる操作を行うことは、日常の操作においては意味がなく通常行わない一連の操作であると共に、最後の操作にはライト点灯関連機能を有する通常装備されているライトスイッチ23の操作を割り当てることで、使用者にライト関連の操作であることを認識させることができる。このように、ライト点灯関連機能を有さない通常装備されている始動スイッチ21および方向指示器スイッチ22と、ライトスイッチ23の切り替え操作を組み合すことにより、マルチインフォメーションディスプレイなどの装備がなくても、使用者が誤操作なくかつ容易に基準値の設定を行うことができる。
【0032】
なお、本実施例における車両1は、記憶部12に記憶された基準値のレベルを、視覚的に表示するメータ部32と、聴覚的に報知する報知部33を備える。
【0033】
図5を参照し、ライト制御システム100における基準値の設定方法を説明する。なお、フローチャートにおけるSはステップを表す。ライト制御システム100のスイッチ判定部13は、S100において、第1スイッチの始動スイッチ21の状態を検査し、アクセサリー電源オン状態(ACC状態)になるのを待ち続ける。
【0034】
アクセサリー電源オン状態になった場合、制御部11は、S102において、経過時間を監視するタイマーを起動する。制御部11は、S104において、第1の規定時間が経過するか否かを検査し、経過していない場合、S106において、第2スイッチの方向指示器スイッチ22の状態を検査する。方向指示器スイッチ22が左折指示状態や右折指示状態でもない中立状態である場合、すなわち使用者が方向指示器スイッチ22の操作を特に何もしない場合、S104へ戻り、第1の規定時間が経過するか否かを検査する。方向指示器スイッチ22が中立状態のまま第1の規定時間が経過した場合、ライト制御システム100は、基準値の変更を行わずに終了する。なお、第1の規定時間とは、始動スイッチ21をアクセサリー電源オン状態とした後、方向指示器スイッチ22を右折指示状態又は左折指示状態への変化の有無を受け付けるまでの時間である。
【0035】
スイッチ判定部13が第1の規定時間経過前に方向指示器スイッチ22の状態が中立状態から左折指示状態になったと判定した場合、制御部11は、S108において、基準値を高感度側へ変更すること(変更方向)を記憶する。たとえば、
図2の例で言えば、記憶部12は、基準値をL3からL2やL1へ変更することを記憶する。また、スイッチ判定部13が方向指示器スイッチ22の状態が中立状態から右折指示状態になったと判定した場合、記憶部12は、S110において、基準値を低感度側へ変更すること(変更方向)を記憶する。また、明るさの基準値を高感度側へ変更するとは、周囲がわずかに暗くなってもライト31が点灯するように閾値を変更することである。
【0036】
方向指示器スイッチ22が左折指示状態または右折指示状態になった場合、制御部11は、S112において、経過時間を監視するタイマーを起動する。制御部11は、S114において、第2の規定時間が経過するか否かを検査し、経過していない場合、S116において、第3スイッチのライトスイッチ23の状態を検査する。ライトスイッチ23が操作されない場合、S114へ戻り、第2の規定時間が経過するか否かを検査する。ライトスイッチ23が操作されることなく第2の規定時間が経過した場合、ライト制御システム100は、基準値の変更を行わずに終了する。第2の規定時間とは、方向指示器スイッチ22を右折又は左折指示状態にした後、ライトスイッチ23の操作の受け付けが可能な時間である。
【0037】
スイッチ判定部13が第2の規定時間経過前にライトスイッチ23が操作されその状態に変化があったことを判定した場合、制御部11は、S118において、経過時間を監視するタイマーを起動すると共に、S120においてライトスイッチ23の操作回数を測るためのカウンタを初期化する(ゼロにする)。制御部11は、S122において、第3の規定時間が経過するか否かを検査し、経過していない場合、スイッチ判定部13は、S124において、ライトスイッチ23の状態を検査し、消灯状態から自動制御状態への変化があるか否か判定する。
【0038】
ライトスイッチ23の状態に変化があった、すなわち操作された場合、制御部11は、S126において、ライトスイッチ23への操作回数に1を足す。すなわち、制御部11は、S122〜126において、第3の規定時間経過するまでの間にライトスイッチ23が消灯状態から自動制御状態へ変化が生じた回数を計測する。第3の規定時間とは、ライトスイッチ23の操作の受け付けが可能な時間である。
【0039】
制御部11は、S122において第3の規定時間が経過した場合、S128において、S108またはS110で記憶した変更方向およびS126で計測した操作回数により基準値を変更する。すなわち、ここでの操作回数は、現在の基準値から変更するレベル数と等しい。そして、記憶部12は、S130において、制御部11の指示により、変更された基準値を記憶する。そして、メータ部32および/または報知部33は、S132において、記憶部12に記憶した基準値のレベルをメータインジケータや通知音などで使用者に通知する。制御部11が基準値を変更した後、または使用者の所定の操作により、使用者に対して視覚的および/または聴覚的な方法により基準値を通知する。これにより、使用者は、現在の基準値を知ることができる。
【0040】
上述したように、スイッチ判定部13は、始動スイッチ21の状態がアクセサリー電源オン状態になり、第1の規定時間内に方向指示器スイッチ22が左折または右折指示状態になったと判定した場合には、第2の規定時間内に、ライトスイッチ23が消灯状態から自動制御状態に切り替えた回数を計測する。そして、制御部11は、方向指示器スイッチ22の状態とその回数に基づいて、基準値を変更する。これによれば、所定の時間内にそれぞれの状態になることを判定することにより、使用者は、意図せず基準値の変更を行ってしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0041】
また、方向指示器スイッチ22の左折指示状態と右折指示状態が、基準値を高感度と低感度に設定するスイッチであり、ライトスイッチ23を消灯状態から自動制御状態にした回数が基準値の変化量を示している。これによれば、方向指示器スイッチ22の左折指示状態(スイッチレバーを上げた状態)が基準値を高感度の方向へ変更すること、右折指示状態(スイッチレバーを下げた状態)が基準値を低感度の方向へ変更すること、ライトスイッチのスイッチ操作回数を基準値の現在値からの変化量を意味することとする操作を組み合わせることで、使用者が分かりやすい容易な操作で基準値の設定を行うことができる。
【0042】
なお、上記の変形例として、ライトスイッチ23の第1値はパッシングオフ状態であり、ライトスイッチ23の第2値はパッシングオンであってもよい。これによれば、始動スイッチ21のアクセサリー電源オン状態と方向指示器スイッチ22の左折指示状態および右折指示状態とが組み合された状態において、パッシングというライトスイッチ23を操作するという日常の操作においては意味がなく通常行わない一連の操作として組み合すことにより、使用者は誤って基準値の変更を行ってしまうことを回避することができる。
【0043】
スイッチ判定部13は、始動スイッチ21の状態がアクセサリー電源オン状態になり、第1の規定時間内に方向指示器スイッチ22が左折または右折指示状態になったと判定した場合には、第2の規定時間内に、ライトスイッチ23がパッシングオフ状態からパッシングオン状態に切り替えた回数を計測する。そして、制御部11は、その回数に対応する基準値に設定してもよい。スイッチ判定部13が所定の時間内にそれぞれの状態になることを判定することにより、使用者は、意図せず基準値の変更を行ってしまうなどの誤操作を回避することができる。さらに、使用者は、パッシング操作の回数により基準値自体を設定することで、使用者が分かりやすい容易な操作で基準値の設定を行うことができる。
【0044】
上記のようにして記憶部12に記憶された基準値に基づいて、ライト制御装置10は、
図6に示すように、ライト31の点灯を制御する。ライト制御装置10は、S200において、明るさセンサ40が出力した車両1の周囲の明るさを検出する。ライト制御装置10は、S202において、明るさセンサ40が出力した明るさと、記憶部12に記憶されている現在の基準値の明るさを比較して、明るさセンサ40が出力した明るさが暗いか否かを検査する。すなわち、ライト制御装置10は、現在の車両1周囲の明るさが、車両1のライトを点灯させる閾値の基準値の明るさより暗い場合、S204において、ライト31を点灯する。また、逆に、ライト31が点灯している状態において、現在の車両1周囲の明るさが、車両1のライトを点灯させる閾値の基準値の明るさより明るい場合、ライト制御装置10は、ライト31を消灯する。
【0045】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、適用例、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【符号の説明】
【0046】
1 車両
100 ライト制御システム
10 ライト制御装置
11 制御部
12 記憶部
13 スイッチ判定部
14 基準値テーブル部
20 スイッチ
21 第1スイッチ(始動スイッチ)
22 第2スイッチ(方向指示器スイッチ)
23 第3スイッチ(ライトスイッチ)
31 ライト
32 メータ部
33 報知部
40 明るさセンサ