特許第6248077号(P6248077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6248077音声通話のデータセッションへの変換をサポートするセルラー電話システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248077
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】音声通話のデータセッションへの変換をサポートするセルラー電話システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/51 20060101AFI20171204BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20171204BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   H04M3/51
   H04M3/42 Z
   H04M11/00 302
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-157451(P2015-157451)
(22)【出願日】2015年8月7日
(62)【分割の表示】特願2012-545995(P2012-545995)の分割
【原出願日】2010年12月7日
(65)【公開番号】特開2016-7031(P2016-7031A)
(43)【公開日】2016年1月14日
【審査請求日】2015年9月7日
(31)【優先権主張番号】12/648,279
(32)【優先日】2009年12月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】カール, ダンカン
(72)【発明者】
【氏名】ファルケンバーグ, ディビッド
(72)【発明者】
【氏名】レイバ, アーロン
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−182836(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0274724(US,A1)
【文献】 特開2005−198099(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0190495(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
3/048−3/0489
H03J 9/00− 9/06
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
99/00
H04Q 9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声リンクを介した音声通話と並列にデータリンクを介して移動体無線デバイスにウェブベースのサービスを提供する方法であって、
1以上のサーバが、
音声ネットワークの前記音声リンクを介して前記移動体無線デバイスとの前記音声通話を確立し、
発呼者識別機能を利用して前記移動体無線デバイスの電話番号を取得し、
ネットワークアドレス登録サービスを維持する第三者サービスと関連づけられたサーバから、前記移動体無線デバイスのインターネット・プロトコル(IP)アドレスと、前記移動体無線デバイスのデータリンク能力を取得するために前記電話番号を利用し、
前記音声通話を受信したことに応じて、前記移動体無線デバイスの前記データリンク能力の評価に基づき、前記移動体無線デバイスとデータネットワークを介して前記データリンクを確立するか否かを決定し、
前記移動体無線デバイスと前記データネットワークを介して前記データリンクを確立するとの決定に応じて、前記移動体無線デバイスの前記IPアドレスを用いて前記データリンクを前記移動体無線デバイスと確立し、前記音声リンクは前記データリンクと並列に維持され、
前記データリンクを介して前記移動体無線デバイスに対話型のウェブベースの表示を送信する
ことを含み、前記1以上のサーバは、前記移動体無線デバイスに対して前記音声ネットワークと前記データネットワークとを介してサービスを提供するために前記移動体無線デバイスと通信することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記移動体無線デバイスの前記データリンク能力には、前記音声リンクを維持しつつウェブページをデータパケットフォーマットにおいて受信すること、ウェブページを表示すること、または、特定のIPアドレス宛のデータパケットを受信すること、のうち1つ以上が含まれることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記移動体無線デバイスの前記データリンク能力のそれぞれには、前記移動体無線デバイスの前記データリンク能力の前記評価において使用される異なる重み係数が割り当てられることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第三者サービスと関連づけられた前記サーバは、前記移動体無線デバイスが前記音声通話の間に前記データリンクを維持できるかどうかを判定するためのデータベースルックアップテーブル内の情報を取得するために、前記移動体無線デバイスと関連づけられた前記電話番号を利用することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
音声応答システムを介した前記移動体無線デバイスからの音声プロンプト・フィードバックの受信に応じて、前記対話型のウェブベースの表示の1以上のオンスクリーン・メニュー・オプションを前記移動体無線デバイスで提供することを更に含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
音声リンクを介した音声通話と並列にデータリンクを介してウェブベースのサービスを移動体無線デバイスへ提供するシステムであって、
前記移動体無線デバイスから音声ネットワークの前記音声リンクを介して前記音声通話を受信し、
発呼者識別機能を利用して前記移動体無線デバイスの電話番号を取得し、
ネットワークアドレス登録サービスを維持する第三者サービスと関連づけられたサーバから、前記移動体無線デバイスのインターネット・プロトコル(IP)アドレスと、前記移動体無線デバイスのデータリンク能力を取得するために前記電話番号を利用し、
前記移動体無線デバイスからの音声通話の受信に応じて、及び、前記移動体無線デバイスの前記データリンク能力の評価に基づいて、前記移動体無線デバイスとデータネットワークを介して前記データリンクを確立するか否かを決定し、
前記移動体無線デバイスと前記データネットワークを介して前記データリンクを確立するとの決定に応じて、前記移動体無線デバイスの前記IPアドレスを用いて前記データリンクを前記移動体無線デバイスと確立し、前記音声リンクは前記データリンクと並列に維持され、
前記音声ネットワークの前記音声リンクと並列に確立された前記データネットワークの前記データリンクを介して、前記移動体無線デバイスの前記IPアドレスを利用して対話型のウェブベースの表示を前記移動体無線デバイスに送信する
ように構成された1以上のサーバを備え
前記1以上のサーバは、前記音声ネットワークと前記データネットワークとを並列に利用して前記移動体無線デバイスにサービスを提供するために、前記移動体無線デバイスと通信することを特徴とするシステム。
【請求項7】
前記移動体無線デバイスの前記データリンク能力のそれぞれ、前記移動体無線デバイスの前記データリンク能力の前記評価において使用される異なる重み係数が割り当てられることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記移動体無線デバイスの前記データリンク能力には、前記音声リンクを同時に維持しつつウェブページをデータパケットフォーマットにおいて受信すること、ウェブページを表示すること、前記IPアドレス宛のデータパケットを受信すること、及び、前記データネットワークを介した前記データリンクを維持すること、が含まれることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記1以上のサーバは、前記移動体無線デバイスからの前記音声通話の受信に応じて、前記移動体無線デバイスの前記IPアドレスを前記第三者サービスの前記サーバから自動的に取得するように更に構成されていることを特徴とする請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、特に音声通話サービス及びデータサービスをサポートするセルラー電話システムに関する。
【0002】
本願は、2009年12月28日出願の米国特許出願第12/648279号の優先権主張を伴う出願であって、当該出願の内容は参照により本願明細書に組込まれるものである。
【背景技術】
【0003】
近年セルラー電話は、データサービスをサポートする機能を有するものが多い。例えばこれらのセルラー電話により、ユーザは、ウェブを閲覧し、電子メールを受信できる。
【0004】
これらのデータサービスが利用可能であるが、ユーザは、従来の音声通話を使用して事業者と対話するのがより便利であると感じることが多い。
【0005】
一例として、新たに購入した製品に対するサポートを得る処理を考える。新製品に技術的問題が生じると、ユーザは、不満を持ち、支援を必要とする。複雑な製品を販売する事業者は、一般に、よくある質問、オンライントラブルシューティングガイド、オンラインフォーラム及び製品マニュアルのリストを含むウェブサイトを有する。ある状況において、ユーザは、事業者のウェブサイトを閲覧するためにウェブブラウザを使用することでサポート情報を取得することを選択する。しかし、多くの場合、ウェブサイト上で入手可能な豊富な情報やセルラー電話を介してこの情報にアクセスする際に認識される困難さにより、不満を持ったユーザの取得意欲がそがれる。その結果、ユーザは、単純に電話サポート番号に音声通話をする。
【0006】
電話サポート番号への通話は、最初に事業者において音声自動応答システムにより処理される。音声自動応答システムは、ユーザに対して予め録音されたオプションのリストを再生する。これらのオプションは、音声自動応答システムがユーザの通話を適切な顧客サービス担当者に転送するのに役立つ。音声自動応答システムは、新たに購入した製品に関する問合せ又は以前に購入した製品に関する問合せのどちらかを選択するようにユーザに要求する。これらのシステムは、製品のリストから製品の種類を選択するようにユーザに更に要求する。いくつかのシステムにおいて、ユーザは、ユーザが事業者の正規の顧客であること示すシリアル番号又はユーザの問題を解決するために使用される情報を事業者に提供する他の情報を入力するように要求される。
【0007】
顧客サポート番号に音声通話をする最初の処理は簡単だが、後続の音声自動応答システムとのユーザの対話は煩雑である。多くの場合、ユーザは、ユーザの問題に関連するメニューオプションが提示されるまで長いメニューオプションのリストを聞くことを余儀なくされる。ユーザが音声通話中に番号及び他のデータを与えることも困難である。再確認のためにユーザの入力を再生するのにコンピュータで処理された音声を使用するシステムもあるが、これはユーザ側の十分な注意を要する。
【0008】
これらの問題のため、ユーザは音声による顧客サポートを好まない。事業者は、各着呼に手動で応答する顧客サポート担当者の数を増やすことでサービスを向上しようとすることもできるが、この手法は経済的に実現不可能である。
【0009】
従って、セルラー電話等の無線デバイスのデータリンク機能及び音声リンク機能をより適切に活用できることが望ましい。
【発明の概要】
【0010】
セルラー電話等の無線電子デバイスは、ネットワークを介してコンピューティング機器と通信する。コンピューティング機器は、事業者と関連付けられたサーバ及び登録サービスと関連付けられたサーバを含む。
【0011】
事業者は、製品又はサービスを販売する会社である。事業者は、セルラー電話ユーザにディレクトリ情報サービス又は他の情報サービスを提供したいと思うかもしれないし、事業者からセルラー電話又は他の製品を購入したセルラー電話ユーザに対して顧客サポートを更に提供したいと思うかもしれない。
【0012】
セルラー電話のユーザは、セルラー電話のデータ機能を使用してインターネットを閲覧することもある。他の状況において、ユーザは、事業者に音声通話をすることを好む。
【0013】
事業者は、対話型データ機能を持つ音声自動応答サービスを実行するサーバ又は他のコンピューティング機器を有する。セルラー電話のユーザから音声通話呼を受信すると、サービスは、自動的にデータリンクを介して対話型オンスクリーンオプションデータ等のデータを送信するか、あるいはメディアをセルラー電話にストリーミングすることで応答する。
【0014】
このデータをセルラー電話に送信する場合にサービスは、セルラー電話のネットワークアドレスを使用する。ネットワークアドレスはデータベースから取得される。例えば、セルラー電話ユーザがセルラー電話を使用している時、セルラー電話の現在のネットワークアドレスは、定期的にネットワークアドレス登録サービスにアップロードされる。ユーザが事業者に電話をかける場合、事業者は、ユーザのセルラー電話と関連付けられるセルラー電話番号を確認するために電気通信サービスプロバイダにより提供された発呼者IDサービス等の発呼者識別(発呼者ID)サービスを使用する。このセルラー電話番号又は他のセルラー電話識別情報に基づいて、事業者はネットワークアドレス要求を定型化する。ネットワークアドレス要求は、インターネット(一例として)を介してネットワークアドレス登録サービスに送出される。ネットワークアドレス情報は、電気通信サービスプロバイダから更に取得される。
【0015】
要望に応じて、事業者のコンピューティング機器は、セルラー電話のネットワークアドレスを確認しようとする前に事業者に音声通話をした電話がデータ機能を有するかを確認するための措置を講じる。例えばコンピューティング機器は、事前登録された電話のリストを調べる。別の例として、コンピューティング機器は、可聴チャープ、ビープ音又は他の音声符号をセルラー電話とやり取りする。セルラー電話のデータ処理機能がこのような情報のやり取りで確認されると、コンピューティング機器は、次にセルラー電話のIPアドレスを取得する。
【0016】
事業者は、製品又はサービスを販売する会社である。ユーザが事業者に電話をかけると、事業者は、ユーザにオプションの対話型画面を提示する。オプションは、自動的に表示されるか、あるいはユーザが事業者からの音声プロンプト又は他のクエリに肯定的に応答した後に表示される。オンスクリーンオプションは、購入アイテムを選択するオプション、発注するオプション等を含む。
【0017】
事業者は、購入した製品に対する顧客サポートを提供する。ユーザが事業者に電話をかける場合、ユーザのセルラー電話とのデータリンクが確立される。ユーザは、データリンクを処理できない電話を使用する発呼者に対して事業者が提供する音声自動応答システムの可聴メニュープロンプトのうちのいくつか又は全てをユーザが回避できるようにするメニューオプションを提示される。要望に応じて、事業者のサポート要員は、ユーザを支援するためにセルラー電話とのリモートアクセスセッションを実行する。
【0018】
セルラー電話のユーザは、事業者から電話帳情報又は他の情報を取得したいと思うだろう。ユーザは、最初に通常の音声通話を介して情報を受信することを考える。従って、ユーザは事業者に音声通話をする。事業者は、ユーザのセルラー電話がデータを受信及び表示できると判定する場合、セルラー電話とのデータリンクを形成する。データリンクは、ユーザからディレクトリ要求情報を受信し、ユーザに対して要求された情報を表示するために使用される。
【0019】
ユーザは、クレジットカードをアクティブにするかあるいは他の金融口座取引を実行するために事業者と連絡をとる必要がある。ユーザが事業者に音声通話をする場合、事業者は、テキスト入力ボックスを含むデータページをユーザのセルラー電話に送信する。ユーザは、事業者に提出するためにクレジットカード情報又は他の金融情報をテキストボックスに入力する。提出された情報は、クレジットカードをアクティブにするため、あるいは他の金融取引又は商取引を実行するために使用される。
【0020】
本発明の更なる特徴、特性及び種々の利点は、添付の図面及び好適な実施形態の以下の詳細な説明からより明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施形態に従って、ユーザが事業者と対話する場合に音声通信及びデータ通信を使用できるようにするセルラー電話及びサービスを含むシステムを示す回路図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に従って、ユーザがサービスに音声通話をした後に製品の注文を確定するオンラインサービスによりユーザに提示される例示的な表示画面を示す図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に従って、顧客サポートを提供するオンラインサービスによりユーザに提示される例示的な表示画面を示す図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に従って、電話帳情報を提供するオンラインサービスによりユーザに提示される例示的な表示画面を示す図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に従って、ユーザがクレジットカードをアクティブにできるようにするオンラインサービスによりユーザに提示される例示的な表示画面を示す図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に従って、図2図3図4及び図5に示されたようなサービスを提供するために図1に示されたようなシステムを操作することに伴う例示的なステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
現代社会における電話の使用は必要不可欠なものである。人々は、例えば映画館において時間を確認したり、顧客サポートサービスに問い合わせしたり、電話帳情報にアクセスしたり、レストランに注文したり、通信販売で購入したりするために電話を使用する。
【0023】
セルラー電話の出現により、電話の使用は更に普及してきている。例えば、ユーザが固定電話を使用できるユーザの自宅や他の場所から電話をかけていない場合でも、製品を発注するために企業に電話をかけることは珍しいことではない。
【0024】
近年、音声通話に加えてデータサービスをサポートするセルラー電話が使用可能になってきている。これらのデータサービスは、電子メール及びインスタントメッセージング等の通信サービスを含む。セルラー電話上のウェブ閲覧も普及している。ユーザがアプリケーションをダウンロードできるようにするセルラー電話もある。これらのアプリケーションは、データ機能を含むこともある。例えば、あるアプリケーションは、専ら特定の製品又はサービスに関するリアルタイム情報をユーザに提供する。
【0025】
データサービスを配信するためにセルラー電話が広範に使用されるが、制約がある。これはユーザの習慣により左右される。例えば、セルラー電話上でウェブブラウザを起動し、オンラインディレクトリサービスウェブサイトを訪問することで電話帳情報を取得することが理論的に可能な場合でも、長年固定電話を使用してディレクトリサービス情報を取得してきたユーザは、ウェブブラウザを使用するより従来の電話帳サービス番号に音声通話をする方が楽である。同様に、多くのユーザは、お気に入りのレストラン及び通信販売会社の電話番号を暗記しているため、これらの企業に電話をかけて問い合わせるのが容易であると感じる。ウェブベースの情報が入手可能であるが、ユーザは、より精通している音声ベースの通話で十分である場合に電話画面上でウェブブラウザを使用することを避ける。
【0026】
図1に示されたようなシステムは、データサービスを処理できるセルラー電話を使用して例えばこれらの音声通話をするユーザを支援する。ユーザは、ネットワーク14を介してオンラインサービスと通信するセルラー電話12を有する。サービスは、サーバ20及びサーバ18等のコンピューティング機器を使用して事業者により提供される。サーバ18及び20は、ネットワーク14を使用してセルラー電話12等のユーザ機器又は他の無線デバイスと通信する。
【0027】
ユーザは、最初に音声通話をすることで事業者と連絡をとる。電話をかけた後、ユーザのセルラー電話における対話型データインタフェース機能及び他のデータ処理機能の存在が自動的に検出される。ユーザのセルラー電話がデータの画面を受信及び表示できるとシステムが判定すると、この機能性はユーザを支援するために活用される。
【0028】
例えば、選択可能なオプション及び他の情報の画面は、セルラー電話上でユーザに対して自動的に表示される。これらのオンスクリーンオプションは、通常音声通話の一部としてユーザに対して再生されるメニューオプション及び他の情報に対応する。ユーザのセルラー電話の視覚機能及び他の高度な機能が使用されるため、音声通話中に事業者と対話することと関連付けられた多くの欠点が回避される。
【0029】
セルラー電話12は、音声リンクサービス及びデータリンクサービス(音声リンクサービス及びデータリンクサービス22として総合的に示された)を含む。これらのサービスは、音声リンク及びデータリンクを維持するために使用される。固定電話及びセルラー電話による音声通話は、サービス22の音声リンクサービスを使用してサポートされる。インターネット又は他のパケットベースのネットワークを使用するパケットベースの通信リンク等のデータリンクは、サービス22のデータリンクサービスを使用してサポートされる。
【0030】
サービス22は回路網24上で実行する。回路網24は、格納及び処理回路網26、並びに入出力回路網28を含む。格納及び処理回路網26は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含む。例えば、格納及び処理回路網26は、ランダムアクセスメモリ回路、不揮発性メモリチップ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ及び取外し可能媒体を含む。セルラー電話12の処理回路網は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、無線周波数プロセッサ、送受信機等に基づく。
【0031】
入出力回路網28は、ユーザ入力を受信し、出力を供給するために使用される。入出力回路網28は、例えばボタン、タッチスクリーン及び他のディスプレイ、キーボード、キーパッド、トラックパッド等のユーザ入力インタフェースデバイスを含む。入出力回路網28は、オーディオポート、デジタルデータポート、電力ポート及び他の入出力ポートを更に含む。入出力回路網28における無線回路網は、無線周波数信号を送受信するために使用される。入出力回路網28の無線回路網は、ベースバンドプロセッサ、無線周波数送受信機回路網、電力増幅器回路網、低雑音増幅器回路網、アンテナ等を含む。
【0032】
図1の例において、機器12はセルラー電話として実現されている。しかし、これは単なる例示である。一般にユーザは、ネットワーク14と通信するあらゆる適切な無線ユーザ機器を有する。例えば、システム10におけるユーザ機器(デバイス12)は、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルド演算装置等に基づく。デバイス12の回路網の少なくとも一部は、一般に、音声通話のために使用されるため、機器12がセルラー電話として実現される例を本明細書において一例として説明する。
【0033】
セルラー電話12は、無線通信経路16を介してネットワーク14と無線通信する。特にセルラー電話12は、ネットワーク14の携帯基地局30と無線リンクされる。セルラー電話基地局30は、経路38を介してネットワーク14の部分32と相互接続される。
【0034】
ネットワーク32は、音声ネットワーク機器及びデータネットワーク機器を含む。一般に、ネットワーク14の音声ネットワーク部分を公衆交換電話網(PSTN)と呼ぶ。PSTNは、電話交換機(例えば、クラス4交換機、クラス5交換機、ハイブリッドクラス4/5交換機等)及び従来の音声通話動作を処理する他のネットワークインフラストラクチャを含む。例えば音声ネットワーク34は、例えばダイヤルされた電話番号を受信及び処理する機能、発信機器と着呼者との間に対応する音声リンクを形成する機能、発呼者識別(発呼者ID)機能を処理する機能、関連付けられた電話料金請求システムに通話情報を供給する機能等の機能を処理する。
【0035】
データネットワーク36は、データリンクを処理するために使用される。ネットワーク36は、インターネット又は他のパケットベースのデータネットワークを含むか、あるいはそれに基づく。パケットベースの交換機(ルータ)は、ネットワーク36においてトラフィックを転送するために使用される。音声電話番号に基づいて音声リンクが形成されるネットワーク34とは異なり、ネットワーク36における通信リンクはネットワークアドレスを使用して形成される。例えばデータパケットは、インターネットプロトコル(IP)アドレスに基づいて転送される。
【0036】
音声ネットワーク34を使用してシステム10における事業者に連絡する。例えばユーザは、セルラー電話12のキーパッドを使用して適切な電話番号をダイヤルすることで企業に音声通話をする。音声ネットワーク34の機器は、音声通話を処理できる事業者の機器に通話を転送する。この機器は、図1の例においてサーバ20として示される。サーバ20は、サービス42(すなわち、対話型データサポートを含む音声自動応答サービス)等のサービスをサポートし、1つ以上のデータベース(例えば、識別子リスト44を含むデータベース)を維持するために使用される。
【0037】
サーバ20は、1つ以上のコンピュータ又は他のコンピューティング機器から形成され、1つ以上の異なる場所に配置される。第三者サービスは、事業者に対してサーバ20のコンピュータ機能のうちのいくつか又は全てを実現するために使用される。一例として、第三者サービス又は他のサービスと関連付けられるサーバ18等のサーバは、登録サービス40を実現するために使用される。登録サービス40は、1つ以上のデータベース(例えば、リスト46を含むデータベース)を維持する。リスト46及び44等のリストは、システム10においてセルラー電話12のネットワークアドレスを識別するために使用される。例えばサーバ18は、携帯基地局30等の携帯基地局を使用してデータネットワーク36においてデータリンクを介してデータを受信するシステム10におけるセルラー電話及びシステム10における他の無線デバイスに対して登録されたインターネットプロトコルアドレスを含むデータベースを維持する。
【0038】
ユーザは、セルラー電話12から音声通話をするために、手動で電話番号を入力するか、あるいはセルラー電話12のアドレス帳又は他の番号のリストから電話番号を選択する。電話12におけるサービス22は電話をかける。携帯基地局30及びPSTN343は、通話をサービス42に転送する。サービス42は、データネットワーク36を介して、音声通話呼を受信し、対応するデータに基づくサービスをユーザに提供する。ユーザに対してこれらのデータサービスをサポートする場合、サービス42は、対話型オンスクリーンオプション等のデータ、ウェブページ等のデータの画面、ストリーミングメディア、アプリケーション及び他のデータをダウンロードするオプション等をセルラー電話12に提供する。
【0039】
サービス42は、ネットワーク36を介してデータを送信する場合にセルラー電話12のネットワークアドレスを使用する。サービス42は、ある適切な構成を用いてネットワークアドレス登録サービス40からセルラー電話12のネットワークアドレスを取得する。セルラー電話12は、定期的に現在のIPアドレスをサービス40に報告する。セルラー電話12は、サービス40に対応する識別子(ID)を更に提供する。IDは、シリアル番号、ユーザ名、電話番号又はセルラー電話12を一意的に識別する他の情報に基づく。サービス40は、セルラー電話のID及びセルラー電話のIPアドレスをリスト46に格納する。サービス42は、セルラー電話12とのデータリンクを確立したい場合、ネットワーク36を介してサービス40からユーザの現在のIPアドレスを要求する。
【0040】
このように要求する場合、サービス42は、IPアドレスが要求されるIDを供給する。セルラー電話12のキーパッドを使用してID又はユーザの電話番号等の関連付けられた情報を入力するか、あるいはユーザの声を使用してID又は関連付けられた情報を指定するようにセルラー電話12のユーザに要求することにより、IDを手動で取得する。ユーザ名及びパスワード方式は、要望に応じて、ユーザ及びユーザのセルラー電話を識別するために使用される。
【0041】
ユーザIDを自動的に取得するのが有利である。従って、IDは、要望に応じて、セルラー電話12の電話番号を自動的に確認するためにネットワーク34において発呼者識別(発呼者ID)機能(サービス)を使用して取得される。電話番号は、リスト44においてセルラー電話に対するIDを検索するために使用されるか、あるいはIDとして使用される。リスト44は、サービス42と関連付けられた事業者により作成されるか(例えば、セルラー電話12が最初にユーザに販売される場合)、あるいはユーザ登録処理を通してデータが読み込まれる。IDを取得した後、サービス42は、サービス40からIPアドレスを要求することでセルラー電話12のIPアドレスを取得する。
【0042】
サービス42は、別の適切な構成を用いて、サポーティング無線リンク16と関連付けられる電気通信サービスプロバイダにセルラー電話12の現在のIPアドレスを要求するか、あるいはサービス42とセルラー電話12との間にデータリンクを確立するようにサービスプロバイダに要求する。
【0043】
要望に応じて、サービス42は、セルラー電話12がデータリンク通信を処理できるかを判定する(例えば、データリンクを確立しようとする前に)。この確認処理は、セルラー電話12上でサービス42とサービス22との間に音声符号を送信することを含む。一例として、サービス42は、ネットワーク34から着信通話を着呼する場合、音声符号(例えば、特定のチャープ又は1つ以上の適切な周波数のビープの連続)を生成する。この音声符号は、音声ネットワーク34において音声リンクを介してセルラー電話12に送信される。セルラー電話12におけるサービス22は、サービス42からの音声符号を認識し、同一の音声リンクを介して確認の音声符号をサービス40に送出する。セルラー電話12及びサービス22は、別の構成を用いて音声符号通信処理を開始する。サービス42がリスト44において(例えば、発呼者ID又はユーザが供給した識別情報から)セルラー電話12を識別できる場合、セルラー電話12のデータリンク機能を確認するために音声符号を送信する必要はない。セルラー電話12がデータリンク通信を受信できることをユーザがサービス42に手動で通知する(例えば、「電話がデータサービスを処理できる場合には、はいと言いなさい」等のサービス42からの音声プロンプトに応答することで)場合、データリンク互換性テストも実行する必要はない。
【0044】
セルラー電話12から受信した通話を処理する場合、サービス42は、従来の音声自動応答システムの機能を実行する。例えばサービス42は、可聴メニュー項目、保留音楽等を再生する。ユーザがセルラー電話12のキーパッド上のボタンを押下する時、サービス42は、適応的に応答する(例えば、音声通話を事業者の適切な顧客サービス担当者に転送することで)。しかし、従来の音声自動応答システムとは異なり、サービス42は、データネットワーク36を介してセルラー電話12にデータを更に送出し、データネットワーク36を介してセルラー電話12から対応する送信データを受信する。
【0045】
サービス42とセルラー電話12との間で搬送されるデータは、セルラー電話12のユーザに対して情報を表示するために使用される。例えばサービス42は、ユーザが閲覧するためのウェブページ又は情報の他の表示画面を送出する。表示されるデータは、指示、レストランにおいて提供可能な食料項目のリスト、オンラインサービスプロバイダにおいて利用可能なサービスのリスト、通信販売の店において購入可能な製品のリスト、購入及びダウンロードするアプリケーションのリスト、グラフ、チャート、地図、画像、テキスト、グラフィックス、ビデオ等を含む。
【0046】
表示されたデータは対話型である。例えば、ウェブページ又は他の表示されたデータの集合は、ユーザが選択可能なオンスクリーンオプションを含む。オプションは、メニュー(すなわち、通常音声自動応答サービスにより提供されるようなメニュー)の項目、サービスを購入するオプション、アプリケーションをダウンロードするオプション、音声通話をするオプション、特定のウェブサイトを閲覧するオプション、電子メール又は他のメッセージを受信するオプション、店で選定されるものを発注するオプション、種々のオンスクリーンオプションの集合に進むオプション、ユーザが質問に答えられるようにするオプション、ユーザがデータをアップロードできるようにするオプション等に対応する。
【0047】
要望に応じて、サービス42とセルラー電話12との間のデータリンクは、ストリーミングコンテンツ(例えば、音楽、ビデオ、対話型グラフィックス等)を提供するために使用される。ストリーミングコンテンツは、テキスト及び/又はグラフィックスの静的な表示の一部であるか、あるいはセルラー電話12の表示全体を占有する。
【0048】
サービス42が動作している事業者と関連付けられた顧客サービス担当者又は他の要員は、セルラー電話に対するリモートアクセス(「リモートデスクトップ」)セッションを開始するためにサービス42を使用する。顧客サービス担当者のコンピュータ又は他の機器(コンピューティング機器20又は関連付けられたコンピューティング機器)は、セルラー電話12上に現在表示されているコンテンツの複製を表示する。顧客サービス担当者は、セルラー電話12上の設定を変更し、セルラー電話12と対話する(例えば、ユーザが技術的問題を克服するのを支援する)ためにリモートアクセスセッションを使用する。
【0049】
図1のシステム10は、製品の注文をサポートするために使用される。一例として、レストラン又は他の実在店舗に電話をかけるユーザ、あるいはオンラインビジネスに電話をかけるユーザを考える。図2に示されるように、電話を受けると、企業は、ユーザのセルラー電話上に画面48等の画面を表示するためにサービス42を使用する。画面48は、オプション50及び52等のオンスクリーンオプションを含む。ユーザは、オプション50のうちの1つを強調表示するためにカーソルキーの集合、タッチスクリーン又は他のユーザインタフェースを使用することにより、購入したい製品又はサービスを選択する。所望の項目を選択した後、ユーザは、発注オプション52を選択する(例えば、タッチスクリーン環境においてオプション52に触れるか、あるいは他の適切なオプション選択技術を使用することで)。オプション52の選択に応答して、企業52におけるサービス42は注文処理を開始する。
【0050】
例えば、図2に示されたような構成は、忙しいオンライン小売業者における製品の注文を容易にするために使用される。ユーザは、最初に小売業者に電話をかけ、カタログを発注しようとする。ユーザが音声ネットワーク34を介して企業に連絡する場合、サービス42は、「お電話ありがとうございます、待ち時間は10分です。」等のプロンプトをユーザに対して再生する。同時に、サービス42は、画面48等のオプションの画面をユーザのディスプレイ上にプッシュする。ユーザは、データリンクセッションに「オプトイン」する機会を提示されるか、あるいは自動的に画面48を提示される。
【0051】
オンラインスクリーンデータセッションを通して注文する方が迅速であると判断する場合、ユーザは使用可能なオプションの中から選択する。画面48は、ウェブページ又は他の適切な対話型画面要素の集合の形式で提供される。多数の層のオプションは、ユーザに幅広い注文の選択肢を提供するために使用される。このように注文された製品は、ユーザに郵送される。メディア製品及びダウンロード可能なソフトウェアアプリケーションは、要望に応じて、ネットワーク14を介してセルラー電話12又は他の機器にダウンロードされる。購入したサービスは適宜実行される。
【0052】
システム10を使用するための別の例示的な構成を図3に示す。図3に示されるように、ユーザが事業者に音声通話をした後、事業者におけるサービス42は、データ画面54をユーザのセルラー電話に送出する。事業者は、ユーザがセルラー電話12等の製品を購入した会社である。ユーザが音声通話をした電話番号は、事業者の顧客サポート番号である。画面54は対話型オプション56を含む。ユーザは、オプション56のうちの所望の1つのオプションを選択し、特定の製品又はトピックに対するサポートを受ける。ユーザが所望のオプションを選択する場合、選択されたオプションを示すデータは、データネットワーク36を介してサービス42においてユーザのセルラー電話から受信される。その後、サービス42は、セルラー電話12上に画面58等の画面を表示する。
【0053】
図3の例に示されるように、画面58は、よくある質問オプション60及び担当者と話すオプション62を含む。ユーザは、オプション60を選択し、テキスト及び製品に関する他の情報を取得する。ユーザがオプション62を選択する場合、セルラー電話12及びサービス42は、線64で示されるように、ユーザと適切な顧客サービス担当者との間に音声リンク(又はネットワーク36を使用するvoice over IPリンク)を確立する。顧客サービス担当者がこの通話に応答するのを待つ間、ユーザは、保留音楽、宣伝、着呼されるまでの残り時間を示すカウントダウンタイマ又は他の適切な情報(画面66)を提示される。顧客サービス担当者が通話に応答すると、画面68等の画面が提示される。例えば画面68は、顧客サービス担当者がユーザを支援するためにセルラー電話12をリモート制御するリモートアクセスセッションのセルラー電話終了に対応する。要望に応じて、ユーザは、リモートアクセスセッションに進む前にリモートアクセスが許可されることをユーザが確認できるようにするオンスクリーンオプションを提示される。
【0054】
システム10に対する別の例示的な使用例を図4に示す。図4に示されるように、ユーザは、電話帳の番号に電話をかける。セルラー電話にデータ機能を有さない発呼者は、音声でサービスと対話する(例えば、担当者又はコンピュータと話し、且つ/あるいはキーを押下することで)。図1のセルラー電話12のユーザは、図4の画面70等の画面を提示される。画面70は、ユーザが情報を得ようとする人物又は企業の都市及び名前を特定できるようにするテキスト入力ボックス72及び74又は他の対話型オプションを含む。この情報が入力されると(例えば、セルラー電話12のタッチスクリーン上のポップアップ仮想キーボードを使用して)、ユーザは、「番号検索」オプション76を選択する。それに応答して、ユーザは、サービス42から結果を提示される。特にサービス42は、データベースを探索するために画面70を介してユーザが与えたデータを使用し、画面78をユーザに提供する。画面78は、画面70のオプション72及び74において特定されたエンティティに対する電話番号(電話番号80として示された)、並びにこのエンティティの住所(住所82)に関する情報等の探索結果を含む。画面78は、オプション84及び86等の選択可能なオンスクリーンオプションを更に含む。ユーザは、オプション86を選択し、セルラー電話12のアドレス帳に番号80及び住所82を追加する。通話オプション84を選択することにより、番号80に音声通話をするようセルラー電話12に指示する。
【0055】
図5は、ユーザが郵送で新しいクレジットカードを受け取り、使用前にカードをアクティブにする必要がある例を示す。クレジットカードは、電話をかけるための適切な音声電話番号についてユーザに通知するステッカーを備える。ユーザが印字された番号に音声通話をすると、クレジットカード会社におけるサービス42は、セルラー電話12がデータ機能を有することを検出し、ユーザに対して画面88等の画面を表示する。画面88は、ユーザがクレジットカードのクレジットカード番号を入力できるようにするボックス90等のテキスト入力ボックス又は他のオプションを含む。次にユーザは、オプション92を選択し、アクティベーション処理に進む。サービス42は、ユーザと関連付けられた情報を検証し、クレジットカードをアクティブにするか否かを判定する。例えばサービス42は、セルラー電話12がカード所持者の記録と関連付けられるかを判定するために発呼者IDを使用するか(その場合、カードがアクティブにされる)、あるいは更なる認証情報を提供するようにユーザに要求する。例えば、画面94等の画面は、社会保障番号の情報、ユーザ名及びパスワードの情報又はユーザがクレジットカードをアクティブにする許可を受けていることを検証する他の情報を収集するために使用される。
【0056】
システム10を使用することに伴う例示的なステップを図6に示す。
【0057】
ステップ96において、セルラー電話12のユーザは音声電話番号に音声通話をする。ユーザは、セルラー電話12のキーパッド又はタッチスクリーン、あるいは他の適切なユーザインタフェースを使用して電話番号を入力する。電話をかけると、ネットワーク14(すなわち、音声ネットワーク34)を介してセルラー電話12のサービス22とサーバ20におけるサービス42との間に音声リンクが確立される。
【0058】
ステップ98において、セルラー電話ディスプレイ上にデータを表示でき、データリンク機能を処理できるセルラー電話との音声リンクの存在が検出される。例えば、ステップ98の検出動作は、同時に音声リンクを維持しつつ、セルラー電話がデータネットワーク36においてデータリンクを維持できるか、セルラー電話がウェブページを表示できるディスプレイを有するか、セルラー電話が特定のIPアドレス又は他のネットワークアドレスに対してアドレス指定されるデータパケットを受信できるか、セルラー電話がデータパケットの形式のウェブページ及び他の情報を受信できるか等を検出することを含む。これらの機能及び/又はこのような他の機能は、任意又は必須であると考えられるか、あるいはデータに基づくサービスを提供し始めるかを評価する際に種々の重みを与えられる。
【0059】
ステップ98の動作中、サービス42は、発信電話の電話番号を判定するために発呼者IDを使用する。この発呼者ID情報を使用することにより、サービス42は、ユーザが以前にサービス42にセルラー電話を登録しており、電話がデータリンクをサポートできることを判定する。別の例として、音声符号等の可聴信号は、音声リンクを介してセルラー電話12とサービス42との間に搬送され、電話12の機能を確立する。
【0060】
ステップ100において、サービス42は、セルラー電話12のIPアドレスを判定する。例えばサービス42は、ユーザのサービスプロバイダ(例えば、ユーザが音声サービス及びデータサービスを購入した電話会社、並びに/あるいは携帯基地局30を操作するため、IPアドレスを知っている通信事業者)がこの情報をサービス42に供給することを要求する。要望に応じて、IPアドレスを判定する処理は、IPアドレスのリストにおいてIPアドレスを検索することで実行される。このアドレスのリストは、サービス40等のネットワークアドレス登録サービス(例えば、電話12が定期的に現在のIPアドレス上に情報をアップロードするサービス)により維持される。電話12と関連付けられた電話番号等のユーザ識別子又は他のユーザ識別情報は、サービス40においてIPアドレスを検索するために使用される。発呼者ID機能を使用してサービス42が取得した電話番号がIPアドレス検索処理中に使用される場合、ステップ98及びステップ100の動作は単一のステップに合成される。
【0061】
ステップ102において、サービス42及びセルラー電話12は、ネットワーク14を介したデータリンク(すなわち、データネットワーク36を介したリンク)を確立する。ステップ100の動作中に取得されたセルラー電話12のIPアドレスは、データリンクを確立するために使用される。
【0062】
データリンクが確立されると、サービス42は、データサービスをセルラー電話に提供する(ステップ104)ために使用される。これらのサービスは、データリンクを介してセルラー電話12に情報を配信することを含む。一般に、セルラー電話12がディスプレイを有するため、ステップ104の動作中に配信される情報は、セルラー電話ディスプレイ上に表示されるセルラー電話表示画面データを含む。配信されるデータは、ウェブページの形式、他の視覚情報の形式、選択可能なオンスクリーンオプションデータ等の他の対話型セルラー電話表示画面データの形式、ストリーミングメディアの形式、ダウンロード可能なアプリケーション、リモートアクセスセッション等の情報を更に含む。最初の音声リンクは、要望に応じて、データリンクサービスを提供している間維持される。図2図3図4及び図5に関連して説明したように、サービス42とサービス22との間のデータリンクは、ユーザに対して対話型オンスクリーンオプションの画面を提示するために使用される。これらのオプションが選択される場合、情報を配信する動作、購入取引を完了する動作、新しい音声リンク又はvoice−over−IPリンクを確立する動作等が実行される。
【0063】
一実施形態によれば、セルラー電話と通信するためにコンピューティング機器上で実現されるサービスを使用する方法であって、サービスを用いて、音声ネットワークにおいて音声リンクを介してセルラー電話から音声通話呼を受信し、音声通話の着呼に応答して、サービスを用いてセルラー電話がデータネットワークを介してサービスとのデータリンクを維持できるかを検出し、セルラー電話がデータリンクを維持できることの検出に応答して、セルラー電話と関連付けられたネットワークアドレスを使用してデータリンクを介してサービスからセルラー電話にデータを送信する方法が提供される。
【0064】
別の実施形態によれば、セルラー電話がデータリンクを維持できるかの検出に、セルラー電話がデータのインターネットプロトコル(IP)パケットを受信できるかの検出を含む方法が提供される。
【0065】
別の実施形態によれば、セルラー電話がデータリンクを維持できるかの検出に、音声符号の生成を含む方法が提供される。
【0066】
別の実施形態によれば、セルラー電話がデータリンクを維持できるかの検出に、音声ネットワークにおいて音声リンクを介してサービスからセルラー電話への音声符号の送信を含む方法が提供される。
【0067】
別の実施形態によれば、セルラー電話がデータリンクを維持できるかの検出に、音声ネットワークにおいて音声リンクを介したセルラー電話からのサービスにおける音声符号の受信を含む方法が提供される。
【0068】
別の実施形態によれば、セルラー電話がデータリンクを維持できるかの検出に、発呼者識別サービスの使用を含む方法が提供される。
【0069】
別の実施形態によれば、発呼者識別サービスの使用には、セルラー電話と関連付けられたセルラー電話番号の確認を含み、セルラー電話がデータリンクを維持できるかの検出には、セルラー電話番号と関連付けられたセルラー電話がデータリンクを維持できるかの判定のためにデータベース検索動作を実行するためのセルラー電話番号の使用を含む方法が提供される。
【0070】
別の実施形態によれば、サービスからセルラー電話へのデータを送信に、セルラー電話表示画面情報の送信を含む方法が提供される。
【0071】
別の実施形態によれば、サービスからセルラー電話へのデータの送信に、ウェブページの送信を含む方法が提供される。
【0072】
別の実施形態によれば、サービスからセルラー電話へのデータの送信に、対話型オンスクリーンオプションの送信を含む方法が提供される。
【0073】
別の実施形態によれば、ユーザが対話型オンスクリーンオプションのうちの1つを選択することに応答して、データリンクを介してサービスからセルラー電話に追加データを更に送信する方法が提供される。
【0074】
別の実施形態によれば、対話型オンスクリーンオプションの送信に、対話型製品注文オンスクリーンオプションの送信を含む方法が提供される。
【0075】
別の実施形態によれば、対話型オンスクリーンオプションの送信に、製品サポートオプションの送信を含む方法が提供される。
【0076】
別の実施形態によれば、対話型オンスクリーンオプションの送信に、電話帳オプションの送信を含む方法が提供される。
【0077】
別の実施形態によれば、対話型オンスクリーンオプションの送信に、クレジットカードアクティベーションオプションの送信を含む方法が提供される。
【0078】
別の実施形態によれば、データリンクを介してサービスからセルラー電話へのデータ送信に、セルラー電話のリモートアクセスセッションと関連付けられたリモートアクセスセッションデータの送信を含む方法が提供される。
【0079】
別の実施形態によれば、ネットワークアドレスはインターネットプロトコルアドレスを含み、ネットワークを介して別のサービスから、サービスのためのセルラー電話のインターネットプロトコルアドレスを更に取得する方法が提供される。
【0080】
一実施形態によれば、事業者におけるコンピューティング機器を用いて、音声ネットワークにおいて音声リンクを介してセルラー電話から音声通話呼を受信し、音声通話呼の受信に応答して、データネットワークにおいてデータリンクを介してサーバからセルラー電話に対話型セルラー電話表示画面データを自動的に送信する方法が提供される。
【0081】
別の実施形態によれば、対話型セルラー電話表示画面データは、セルラー電話上に表示するためのオンスクリーンメニューオプションを含み、更に、セルラー電話のインターネットプロトコルアドレスを識別し、対話型セルラー電話表示画面データを送信する場合にインターネットプロトコルアドレスを使用する方法が提供される。
【0082】
別の実施形態によれば、セルラー電話のインターネットプロトコルアドレスの識別は、ネットワークを介してコンピューティング機器上で実現されたネットワークアドレス登録サービスからのインターネットプロトコルアドレスの取得を含む方法が提供される。
【0083】
別の実施形態によれば、セルラー電話のインターネットプロトコルアドレスの識別は、電気通信サービスプロバイダからのインターネットプロトコルアドレスの取得を含む方法が提供される。
【0084】
別の実施形態によれば、セルラー電話において、更に、セルラー電話のディスプレイ上に製品を注文するための少なくとも1つのオプションを含む対話型セルラー電話表示画面データを表示する方法が提供される。
【0085】
一実施形態によれば、音声ネットワーク及びデータネットワークに結合される装置であって、音声ネットワークにおいて音声リンクを介して、セルラー電話であって、データネットワークにおいてデータリンクを介してデータを受信するための関連インターネットプロトコルアドレスを有するセルラー電話から音声通話呼を受信するように構成された第1のサーバと、セルラー電話のインターネットプロトコルアドレスを含む複数の無線デバイスのインターネットプロトコルアドレスを格納するように構成された第2のサーバとを備え、第1のサーバには、第2のサーバが格納するセルラー電話のインターネットプロトコルアドレスを使用して、データネットワークにおいてデータリンクを介して第1のサーバからセルラー電話へセルラー電話上に表示するための対話型オンスクリーンオプションデータを自動的に送信するように構成された装置が提供される。
【0086】
別の実施形態によれば、第1のサーバには、音声通話呼の受信に応答して第2のサーバからセルラー電話のインターネットプロトコルアドレスを自動的に取得するように構成された装置が提供される。
【0087】
別の実施形態によれば、セルラー電話は関連付けられたセルラー電話番号を有し、第1のサーバには、セルラー電話番号を確認するために発呼者識別サービスを使用するように構成された装置が提供される。
【0088】
別の実施形態によれば、第1のサーバには、第2のサーバからセルラー電話のインターネットプロトコルアドレスを自動的に取得する場合にセルラー電話番号を使用するように構成された装置が提供される。
【0089】
別の実施形態によれば、音声ネットワークは公衆交換電話網を含み、第1のサーバは、公衆交換電話網を介してセルラー電話から音声通話呼を受信するように構成された装置が提供される。
【0090】
上記の記述は本発明の原理の単なる例示であり、本発明の範囲及び趣旨から逸脱せずに種々の変形が当業者により行われてよい。上述の実施形態は、個別に又はあらゆる組合せで実現されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6