(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248101
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】キャップ・プロテクタ
(51)【国際特許分類】
A42B 1/24 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
A42B1/24 Z
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-516115(P2015-516115)
(86)(22)【出願日】2013年6月4日
(65)【公表番号】特表2015-518928(P2015-518928A)
(43)【公表日】2015年7月6日
(86)【国際出願番号】US2013044067
(87)【国際公開番号】WO2013184655
(87)【国際公開日】20131212
【審査請求日】2016年4月27日
(31)【優先権主張番号】61/655,132
(32)【優先日】2012年6月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514308324
【氏名又は名称】ニュー エラ キャップ カンパニー、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェリン、ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、カール
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィドソン、ダグラス
【審査官】
北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0086727(US,A1)
【文献】
特開2004−011039(JP,A)
【文献】
米国特許第05411144(US,A)
【文献】
米国特許第05481759(US,A)
【文献】
登録実用新案第3117686(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 1/24
A47F 7/06
A47G 25/10
B65D 85/18 L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップ用のプロテクタであって、前記キャップが、大略ドーム形状クラウン、及び、前記クラウンに接続されてその前記クラウンから離れるように延在するひさしを有し、前記クラウンが、大略半ドーム形状前方部分及び大略半ドーム形状後方部分を備え、前記前方部分が、外側前方表面及び内側前方表面を有し、前記後方部分が、外側後方表面及び内側後方表面を有し、前記内側前方表面及び前記内側後方表面が、着用者の頭を受けるための内部キャビティを画定し、前記プロテクタが、
前記キャップの前記クラウンの前記前方部分の外形に従う形状及びサイズを有する大略半ドーム形状前方表面、左側部分、並びに、右側部分を有する大略剛性ボディと、
前記ボディの前記左側部分上の第1の接続部から前記ボディの前記右側部分上の第2の接続部まで延在するように構成及び配置される保持要素であって、当該保持要素は、前記ひさしの上方の前記クラウンの前記前方部分の前記外側前方表面の周りを延在するように構成及び配置される、前記保持要素と、
を備え、
前記ボディ及び前記保持要素が、実質的に横方向に延在する折り目のところで前記後方部分を折り畳んで前記前方部分の中に入れるときに前記ボディの前記前方表面を前記クラウンの前記後方部分の前記外側後方表面に係合させるように、構成及び配置され、
前記クラウンの前記前方部分の前記形状が前記ボディの前記前方表面によって保護されるプロテクタ。
【請求項2】
前記ボディがプラスチックを含む、請求項1に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項3】
前記保持要素が綾織ストラップを含む、請求項1に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項4】
前記保持要素の長さが調整可能である、請求項1に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項5】
前記保持要素が弾性である、請求項1に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項6】
前記第1の接続部が取り外し可能な接続部である、請求項1に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項7】
前記第1の接続部が、フックと、前記フックを受けるための前記ボディ内にある開口部とを備える、請求項6に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項8】
前記第1の接続部が固定される接続部である、請求項1に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項9】
前記第1の接続部がリベットを含む、請求項8に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項10】
前記第1の接続部及び前記第2の接続部がバー・タックを含む、請求項8に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項11】
前記ボディが、前記ボディをバッグ又はパックに取り外し可能に接続するための接続要素を備える、請求項1に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項12】
前記接続要素がスナップ・フックを含む、請求項11に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項13】
前記左側部分及び前記右側部分が、前記キャップ折り目を越えて後方に延在するサイズを有する、請求項1に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項14】
キャップに係合された前記キャップ・プロテクタを受けるように構成及び配置される可撓性ポケットを有するキャリアをさらに備える、請求項1に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項15】
前記キャリアがパックを含み、前記ポケットが前記パックの頂部上に位置し、ジッパ・クロージャを有する、請求項14に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項16】
前記ポケットが第1の接続要素を有し、前記ボディが、前記ボディを前記第1の接続要素に取り外し可能に接続するための第2の接続要素を備える、請求項14に記載のキャップ・プロテクタ。
【請求項17】
前記第1の接続要素がリングを備え、前記第2の接続要素がスナップ・フックを備える、請求項16に記載のキャップ・プロテクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的にはベースボール・タイプ・キャップの分野に関し、より詳細には、改善されたキャップ・プロテクタ及びアタッチメント・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
「PVC Cap Packaging Insert」と題される米国特許第6,523,728号が、ベースボール・キャップの前方部分の内側表面外形に従い、キャップのスウェットバンドの内部に挿入されることにより定位置で保持されるような形状及びサイズを有するキャップ・パッケージング挿入物(cap packaging insert)を対象とする。
【0003】
「Removable Insulated Head Gear Lining」と題される米国特許第7,043,761号が、熱的快適性を向上させるための、キャップ又はハット内に配置されるように特別に構成されるヘッド・ギアのための取り外し可能なライナを対象とする。
【0004】
「Cap Shape Supporting and Form Maintaining Device, AKA ‘Hat Noodle’ and Method of Storage for Cap」と題される米国特許第7,380,691号が、対象のキャップのサイズ及びフォームに対してそのサイズ及びフォームを調整するのを可能にする複数のスロットを有する、キャップのための形状支持デバイス又はフォーム維持デバイスを対象とする。
【0005】
「Safety Headwear System Having Interchangeable Outer Coverings for Providing Customizable Appearance」と題される米国特許出願第2011/0302697号が、頭を保護するように設計される安全性の特徴を有し、さらに、関連するシェル・コネクタに結合されるように構成される複数のカバーリング・コネクタ(covering connector)を有する、互換性のあるカスタマイズされるヘッドウェアのためのシステムを対象とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,523,728号
【特許文献2】米国特許第7,043,761号
【特許文献3】米国特許第7,380,691号
【特許文献4】米国特許出願第2011/0302697号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
限定せずに単に例示することを目的として、開示される実施例の対応する部品、部分又は表面を説明的に参照すると、本発明はキャップ(50)のための改善されるプロテクタ(15)を提供し、キャップが、大略ドーム形状クラウン(51)及びクラウンに接続されてクラウンから離れるように延在するひさし(52)を有し、クラウンが大略半ドーム形状前方部分(53)及び大略半ドーム形状後方部分(54)を備え、前方部分が外側前方表面(55)及び内側前方表面(56)を有し、後方部分が外側後方表面(58)及び内側後方表面(59)を有し、内側前方表面及び内側後方表面が、着用者の頭を受けるための内部キャビティを画定し、プロテクタが、キャップのクラウンの前方部分の外形に従う形状及びサイズを有する大略半ドーム形状前方表面(18、118、218)、左側部分(19、119、219)並びに右側部分(20、120、220)を有する大略剛性ボディ(16、116、216)と、ひさしの上方のクラウンの前方部分の外側前方表面の周りのボディの左側部分上の第1の接続部(23、123、223)からボディの右側部分上の第2の接続部(24、124、224)まで延在するように構成及び配置される保持要素(25、125、225)と、を備え、ボディ及び保持要素が、実質的に横方向に延在する折り目(60)のところで後方部分を折り畳んで前方部分の中に入れるときにボディの前方表面をクラウンの後方部分の外側後方表面に係合させるように、構成及び配置され、クラウンの前方部分の形状がボディの前方表面によって保護される。
【0008】
ボディはプラスチックを含んでもよい。保持要素は綾織ストラップ(woven twill strap)(26)を含んでもよい。保持要素は長さが調整可能であってもよい。保持要素は弾性であってもよい。第1の接続部及び第2の接続部は取り外し可能な接続部(23)であってもよい。第1の接続部及び第2の接続部は、各々が、フック(28、29)と、フックを受けるためのボディ内にある開口部(21、22)とを備えてもよい。第1の接続部及び第2の接続部は固定される接続部(123、124、223、224)であってもよい。第1の接続部及び第2の接続部はリベット(123)又はバー・タック(223、224)を含んでもよい。ボディはボディをバッグ又はパックに取り外し可能に接続するための接続要素(40)を備えることができ、接続要素がフックを備えることができる。左側部分及び右側部分はキャップ折り目を越えて後方に延在するサイズを有してもよい。
【0009】
キャップ・プロテクタが、キャップに係合されたキャップ・プロテクタを受けるように構成及び配置される可撓性ポケット(401)を有するキャリア(400)をさらに備えることができる。キャリアがパックを含んでよく、ポケットがパックの頂部上に位置してよく、ジッパ・クロージャ(402)を有することができる。ポケットが第1の内部接続要素(403)を有することができ、ボディが、ボディをポケットの第1の接続要素に取り外し可能に接続するための第2の接続要素(40)を備えることができる。第1の接続要素がリングを備えることができ、第2の接続要素がラッチ・フックを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】キャップ・プロテクタのボディの第1の実施例を示す斜視図である。
【
図4】キャップ・プロテクタの保持ストラップの第1の実施例を示す正面図である。
【
図5】従来のベースポール・キャップに係合された
図1及び4に示されるキャップ・プロテクタを示す側面図である。
【
図6】従来のベースポール・キャップに係合された
図5に示されるキャップ・プロテクタを示す底面図である。
【
図7】複数の従来のベースボール・キャップに係合された
図5に示されるキャップ・プロテクタを示す側面図である。
【
図8】キャップ・プロテクタの第2の実施例を示す正面図である。
【
図9】
図8に示されるキャップ・プロテクタを示す左側面図である。
【
図10】
図8に示されるキャップ・プロテクタを示す右側面図である。
【
図11】
図9に示される保持ストラップを示す正面図である。
【
図12】従来のベースボール・キャップに係合された
図9に示されるキャップ・プロテクタを示す側面図である。
【
図13】複数の従来のベースボール・キャップに係合された
図9に示されるキャップ・プロテクタを示す側面図である。
【
図14】キャップ・プロテクタの第3の実施例を示す正面図である。
【
図15】
図14に示されるキャップ・プロテクタを示す左側面図である。
【
図17】
図14に示されるキャップ・プロテクタを示す右側面図である。
【
図18】折り畳まれていない
図5及び12に示されるキャップを示す上面図である。
【
図20】キャップ・ポケットを有するキャリアの一実施例を示す斜視図である。
【
図21】キャップ・ポケットが開いた状態の、
図20に示されるパックを示す斜視図である。
【
図22】キャップ及びキャップ・プロテクタがキャップ・ポケットに挿入された状態の、
図21に示されるパックを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、複数の図面を通して、同様の参照符号が、同じ構造的要素、部分又は表面を一貫して示すことが意図されており、したがって、要素、部分又は表面が、その詳細な記述と一体である記載される明細書全体によってさらに記述又は説明され得ることを明確に理解されたい。特に明記しない限り、図面は本明細書と共に読まれることを意図され(例えば、クロスハッチング、部品の構成、比率、デブリなど)、本発明の記載される記述全体の一部としてみなされることを意図される。以下の説明で使用される場合、「水平方向」、「垂直方向」、「左側」、「右側」、「上方」及び「下方」という用語さらにはそれらの形容詞的派生語及び副詞的派生語(例えば、「水平方向に」、「右側に」、「上方に」など)は、特定の図面が読者の方を向いているとした場合の例示される構造物の配向を単に指す。同様に、「内側」及び「外側」という用語は、一般に、適宜、長手方向軸又は回転軸を基準とした表面の配向を指す。
【0012】
次に、図面、より具体的には図面の
図5を参照すると、本発明が、改善されるキャップ・プロテクタを提供し、その第1の実施例が概して15で示される。図示されるように、キャップ・プロテクタ15が、概して、大略剛性ボディ16と、ボディ16に接続される保持要素25とを有する。
【0013】
図18及び19に示されるように、キャップ50が、概して、クラウン51と、ヘッドバンド61と、ひさし又はバイザー52とを有する。クラウン51が、個別に51a〜fで示される6つの隣接するパネル又はセグメントから形成される。パネル51a〜fは頂点62から径方向に延在するシームところで一体に縫い付けられ、各シームの内部がシーム・テープで覆われる。各パネル51a〜fが縫い付けられたアイホールを有する。好適な実施例では、前方の2つのパネル51a及び51fがプラスチック織布フィラメント又はポリエステル・バックラムによって支持され、それにより、キャップの前方を支持してその形状を保持することが補助される。しかし、この支持体は潰れるか又は変形する可能性があり、保管中又は移動中にその形状を保持することが問題となる場合がある。
【0014】
ひさし又はバイザー52がクラウン51の前方の2つのパネル51a及び51fの底部に接続されてそれらの2つのパネル51a及び51fを横断して延在し、クラウン51の前方から離れるように角度付きの下方に突出する。バイザー52は予め湾曲していてよく、バイザー・トップ・レイヤ及びアンダー・レイヤを備える従来のバイザー・ボードで形成される。
【0015】
図示されるように、パネル51a及び51f並びに側方パネル51b及び51eの前方部分がクラウン51の前方部分53を形成する。後方パネル51c及び51d並びに側方パネル51b及び51eの後方部分がクラウン51の後方部分54を形成する。クラウン51の前方部分53が外側表面55及び内側表面56を有する。クラウン51の後方部分54が外側後方表面58及び内側後方表面59を有する。ヘッドバンド又はスウェットバンド61がクラウン51の底部内側周囲縁部に取り付けられる。ヘッドバンド61は特定の着用者の頭のサイズに合わせて調整するのを可能にする調整可能ヘッドバンドであってもよいか、又は、調整可能ではない装着されるキャップであってもよい。クラウン51の内側前方表面56及び内側後方表面59が着用者の頭を受けるように構成される。
【0016】
図5、6及び12に示されるように、キャップ50は概して横方向に延在する折り目60に沿ってそれ自体の上に折り畳まれてもよい。このように折り畳まれると、クラウン51の後方部分54の内側後方表面59が、概して、クラウン51の前方部分53の内側前方表面56に接触するように折り畳まれる。したがって、後方部分54がクラウン51の前方部分53にスプーン式に重ねられて(spooned)位置合わせされるか又は入れ子状に重ねられて位置合わせされる。一部のキャップはこのように容易に折り畳まれてもよいような形で提供される。
【0017】
図5、6及び12に示されるように、キャップ・プロテクタ15は折り畳み位置にあるキャップ50と共に使用されように設計される。
図7及び13に示されるように、ベースボール・タイプ・キャップが折り畳まれてその折り畳まれた形状で積み重ねられてもよい。キャップ・プロテクタ15はこのような積み重ねられた構成のキャップと共に使用されるように設計される。
【0018】
具体的には、キャップ・プロテクタ15のキャップ・プロテクタ・ボディ16がキャップ50の前方部分53の好適な外形に合うような形状を有する。この実施例では、ボディ16は、キャップ50の前方部分53のための製造業者の好適な外形又は形状となるように成形される、より具体的には、キャップ50の前方パネル51a及び51fの好適な形状となるように成形される前方表面18を有する特別に構成される剛性プラスチック単一部材である。したがって、ボディ16は、キャップ50を
図5、6、7、12及び13に示される折り畳まれる構成にするときにクラウン51の後方部分54の外側後方表面58の後方でそれに接触するように配置されるように設計される。したがって、ボディ16はクラウン51の折り畳まれた後方部分54及び前方部分53の後方でスプーン式又は入れ子状に重ねられるように設計される。使用時、後方部分54が前方部分53の内側前方表面56とボディ16の前方表面18との間に挟まれる。この実施例では、ボディ16は約0.476cm(3/16インチ)の厚さであり、前方がキャップ50のヘッド・モールドとなるような形状を有するABSプラスチックで形成される。所望される場合、型押しロゴがボディ16のプラスチック内に成形されてもよい。別法として、ボディ16は例えばEVA又は別の熱可塑性物質で形成されてもよい。ボディ16を形成するのに、例えばステンレス鋼又は他の合金などの、概して剛性であり容易に変形しないような他の材料が使用されてもよい。
【0019】
このような入れ子状構成の定位置でボディ16を保持するために、及び、ボディ16の前方表面18からクラウン51の前方部分53に対してある程度の大きさの形状保持圧力を適用するために、保持要素25が設けられる。
図4に示されるように、保持要素25が、概して、一方の端部のとろにあるフック28と、もう一方の端部のところにあるフック29とを有する弾性ストラップ26を備える。この実施例では、弾性ストラップ26の幅が約3.81cm(1.5インチ)であり、長さが約30.5cm(12インチ)である。
【0020】
図4に示されるように、フック28及び29が、ストラップ26のそれぞれのループ状端部又はバー・タック補強される端部に接続される。この実施例では、ボディ16の左側後方部分19及び右側後方部分20が、それぞれ、フック28及び29の受けるようなサイズを有する一連のアイレット又は開口部21a〜c及び22a〜cを装備する。具体的には、3つのアイレット21a〜cがボディ16の下方の左側後方縁部30から種々の距離のところに位置決めされる。アイレット21aが左側後方縁部30に最も接近して位置決めされる。アイレット21bが後方縁部30からさらに前方のところに離間され、アイレット21cが後方縁部30から最も前方の距離のところに離間される。同様に、ボディ16の右側で、アイレット22aが右側後方縁部31に最も接近して位置決めされ、アイレット22bが後方縁部31から前方の中間距離のところに位置決めされ、アイレット22cが前方の右側後方縁部31から最も遠い距離のところに位置決めされる。したがって、アイレット21a〜c及び22a〜cが保持要素25へのそれぞれの接続部23及び24のための交互の位置を提供する。このようにして、
図5及び6に示されるようにキャップ・プロテクタ15が単一の折り畳まれたキャップと共に使用される場合、アイレット21c及び22cがそれぞれフック28及び29と共に使用されてもよく、その結果ボディ16が折り畳まれたクラウン51に接触して堅固に保持される。しかし、
図7に示されるように、キャップ・プロテクタ15が入れ子状に重ねられた複数のキャップと共に使用される場合、アイレット21b及び22bがそれぞれフック28及び29と共に使用されてもよく、それにより、左側接続部23及び右側接続部24が提供され、折り畳まれたクラウン51に接触する前方表面18の所望の力が提供される。したがって、キャップ・プロテクタ15は複数の構成で使用されるように適合される。この実施例ではフック・アイレット接続部が示されるが、代替手段として取り外し可能又は脱着可能な他の接続部が使用されてもよい。例えば、フック28及び29並びにアイレット21a〜c及び22a〜cはスナップ又は他の脱着可能ファスナに置き換えられてもよい。
【0021】
この実施例では、
図5に示されるように、ボディ16は、左側後方側方部分19及び右側後方側方部分20を単一のキャップ50の折り目60を少なくとも部分的に越えるように延在させるようなサイズを有する。加えて、
図7に示されるように、ボディ16は、部分19及び20の少なくとも一部分を、複数の入れ子状に重ねられたキャップの最も後方のキャップの折り目60を超えるように延在させるように、構成されてもよい。加えて、開口部21a〜c及び22a〜cは、単一のキャップの構成及び複数の入れ子状に重ねられたキャップの構成の両方において折り目60の後方で少なくとも1つのアイレットを延在させて露出させるような形で、それぞれ、ボディ16内の側方部分19及び20内に位置決めされる。この構成により、ストラップ25がボディ16をクラウン51の後方部分54の外側後方表面58内へと引っ張り、次にクラウン51の前方部分53の内側前方表面56に接触させる。これにより、所望される形状又は外形となるように、つまり、ボディ16の前方表面18の外形となるように、クラウン51の前方部分53の形状を復元するか又はその形状を保護することが補助される。
【0022】
図8〜13が第2のキャップ・プロテクタの実施例115を示す。この実施例では、ボディ116の形状及びサイズは第1の実施例のボディ16と同様である。しかし、保持ストラップ26とボディ16の左側部分19及び右側部分20との間にある取り外し可能なフック・アイレット接続部ではなく、恒久的な固定されるリベット接続部123及びラダー・ロック・バックル接続部124が設けられる。
【0023】
この実施例では、保持要素125のストラップ126は弾性ウェビングであり、長さが約60cm、幅が約2cmである。このストラップ長さはラダー・ロック・バックル135を用いて調整されてもよい。
図10に示されるように、ラダー・ロック・バックル135がウェブ・コネクション(web connection)124によりボディ116の底部右側側部120に接続される。具体的には、ウェビング接続部138がバックル135の左側バー及びその2つのバー・タック補強される端部134の周りをループしてボディ116の右側部分120に達する。別法として、例えば、端部がボディ116に二列鋲接されてもよい。
図9に示されるように、弾性ストラップ126の一方の端部はボディ116の左側底部後方縁部130の周りで折り畳まれ、ボディ116の左側部分119に二列鋲接133a、133bされる。別法として、例えば、この端部はボディ116にタックされるバーであってもよい。
図9〜11に示されるように、ストラップ126はさらにボディ116の表面118の下側前方部分の周りを延在してラダー・ロック・バックル135の右側バーの上をループしてそれ自体の上に折り畳まれ、それにより、バックル135の調整タブの下を延在して保持ループ136の周りに戻るように延在することになる。ラダー・ロック・バックル135は、ボディ116の左側部分119上のリベット接続部123とボディ116の右側部分120上のウェブ・コネクション124との間のストラップ126の長さを調整するのを可能にするために設けられる。弾性ループ136は、ラダー・ロック・バックル135から戻るように延在するストラップ126の部分を保持するのに使用される。
【0024】
図12及び13に示されるように、第1の実施例と同様に、キャップ・プロテクタ115は単一の折り畳まれたキャップ又は複数の折り畳まれて入れ子状に重ねられたキャップのいずれかと共に使用されてもよい。ストラップ126の長さは、折り畳まれて入れ子状に重ねられるキャップの所望される数に対して所望される張力を与えるのを可能にするように調整される。第1の実施例と同様に、ボディ116は、左側後方側方部分119及び右側後方側方部分120を単一のキャップ50の折り目60を少なくとも部分的に越えて延在させるようなサイズを有する。加えて、ボディ116は、部分119及び120の少なくとも一部分と、複数の入れ子状に重ねられたキャップの最も後方のキャップの折り目60を超えるように延在させるように、構成されてもよい。加えて、リベット・ループ接続部123及び124は、単一のキャップの構成及び複数の入れ子状に重ねられたキャップの構成の両方において折り目60の後方にくるような形で、それぞれ、ボディ116内の側方部分119及び120内に位置決めされる。この構成により、ストラップ125がボディ116をクラウン51の後方部分54の外側後方表面58内へと引っ張り、次にクラウン51の前方部分53の内側前方表面56に接触させる。これにより、所望される形状又は外形となるように、つまり、ボディ116の前方表面118の外形となるように、クラウン51の前方部分53の形状を復元するか又はその形状を保護することが補助される。
【0025】
図9に示されるように、従来のキャップ・フック40がボディ116の底部左側角部に接続される。これにより、パック、バッグ又は他の物体にキャップ・プロテクタ116を取り外し可能に取り付けることが可能となる。これにより、キャップ・プロテクタ115が1つ又は複数のキャップに入れ子状に重ねられてもよいようになり、それらの1つ又は複数のキャップを保持するのに使用されてもよいようになり、また、着用されていないときにキャップの所望される形状を保護又は維持するような形でこれらのキャップ(複数可)を別の物体に取り付けるのに使用されてもよいようになる。
【0026】
図14〜17が第3のキャップ・プロテクタの実施例215を示す。この実施例では、ボディ216の形状及びサイズは第2の実施例のボディ116と同様である。しかし、保持ストラップ126とボディ116のそれぞれの左側部分119及び右側部分120との間にあるリベット・ループ接続部123及び124ではなく、恒久的なバー・タック接続部が設けられる。
【0027】
この実施例では、ストラップ226は弾性であり、長さが約31センチメートル、幅が約1.5センチメートルである。この実施例では、ストラップ226は長さが調整されるように構成されていない。弾性ストラップ226の一方の端部が折り畳まれるか又はボディ216の左側底部後方縁部230の周りに巻き付けられてバー・タック223によりボディ216の左側部分219に恒久的に接続又は装着される。次いで、ストラップ226のもう一方の端部が折り畳まれるか又はボディ216の右側側方部分220の左側底部縁部231の周りに巻き付けられてバー・タック224により右側側方部分220に恒久的に接続される。
【0028】
最初の2つの実施例と同様に、キャップ・プロテクタ215は単一の折り畳まれたキャップ又は複数の折り畳まれて入れ子状に重ねられたキャップのいずれかと共に使用されてもよい。
図15及び16に示されるように、従来のスナップ・フック40がバー・タック223によりボディ216の底部左側角部に接続される。これによりやはり、キャップ・プロテクタ216をパック、バッグ又は他の物体に取り外し可能に取り付けることが可能となる。
【0029】
図20〜22に示されるように、キャップ・プロテクタ215は、特別に構成されるパック、又は、例えば、ダッフル、キャリーオール、ナップサック、トート、学生鞄又は他のバッグなどの、特別に構成される他のパック又はキャリング・デバイスと共に使用されてもよい。この実施例では、キャップ・プロテクタ215と共に使用されるための小さいバッグ・パック400が提供される。図示されるように、パック400は、特別に構成されて特別なサイズを有するキャップ・ポケット401を有する。この実施例では、ポケット401はパック400の頂部外側部分上に位置しており、ジッパ402を用いて閉じられてもよい。しかし、ポケット401は、例えばパックの前方又は側部などの、他の場所に位置してもよい。
【0030】
ポケット401は、キャップ50及びキャップ・プロテクタ215をポケット401のひさしに最初に挿入するのを可能にするような、さらには、ジッパ402を閉じるときにキャップ50又はキャップ215を変形させることを必要とすることなくキャップ50及びキャップ・プロテクタ215のすべてをポケット401内に収容するような、サイズを有する。ポケット401は柔らかいポケットであることから、パック400が固い表面に接触するポケット401に置かれるような場合にはキャップ50が潰される可能性がある。キャップ50を潰さないようにするために、
図12のキャップ・プロテクタ115に関連して示したように、キャップ・プロテクタ215がキャップ50に係合されるように配置され、キャップ50及びキャップ・プロテクタ216の両方が、特別に設計されたポケット401内に入れ子状に重ねられて係合される形で共に挿入される。
【0031】
図22に示されるように、ポケット401は、ポケット401の開口部の左側に隣接してポケット401の内部に固定されるリング・コネクタ403を有する。リング403は、キャップ・プロテクタ215及びキャップ50をポケット401内に適切に位置決めするときに、キャップ・プロテクタ215のフック40に位置合わせされてその接続距離の範囲内にくるように配置される。それにより、キャップ・プロテクタ215がスナップ・フック40を用いてリング403にクリップ留めされてもよいようになり、その結果、キャップ50及びキャップ・プロテクタ215がポケット401から取り外されてもよく、さらに、キャップ50が、フック40及びキャップ・プロテクタ215をリング403及びパック400から離すことなく、キャップ・プロテクタ215との係合状態から切り離されてもよい。この構成を用いることにより、キャップ・プロテクタ215をパック400に掛着した状態で維持することができることから、キャップ・プロテクタ215を紛失したり置き忘れたりする畏れがなく、キャップ50をポケット401から取り外したり着用したりすることができるようになる。他の取り外し可能なコネクタが使用されてもよい。例えば、リング403の代わりにフック40に類似するフックが使用されてもよく、又は、スナップ・ファスナが使用されてもよい。このように、キャップ・プロテクタ215は、パック400のパック・ポケット401内でキャップを保管するときにキャップの所望される形状を保護又は維持しながら、1つ又は複数のキャップに入れ子状に重ねられてもよく、これらの1つ又は複数のキャップを保持して保護するのに使用されてもよい。
【0032】
本発明は多くの変更及び修正がなされ得ることを企図する。したがって、本発明のキャップ・プロテクタの現在好適な形態を示して説明し、複数の修正形態及び代替的形態を考察してきたが、以下の特許請求の範囲によって定義及び差別化される本発明の趣旨から逸脱することなく、種々の変更及び修正が追加的になされ得ることを当業者であれば容易に理解するであろう。