(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248112
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】アピキサバン液体製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4545 20060101AFI20171204BHJP
A61P 7/02 20060101ALI20171204BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20171204BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20171204BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20171204BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20171204BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20171204BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20171204BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
A61K31/4545
A61P7/02
A61P9/10
A61P9/10 101
A61K9/08
A61K47/10
A61K47/26
A61K47/34
A61K47/32
A61K47/20
【請求項の数】22
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-534679(P2015-534679)
(86)(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公表番号】特表2015-531377(P2015-531377A)
(43)【公表日】2015年11月2日
(86)【国際出願番号】US2013062051
(87)【国際公開番号】WO2014052678
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2016年9月23日
(31)【優先権主張番号】61/773,032
(32)【優先日】2013年3月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/705,943
(32)【優先日】2012年9月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514040963
【氏名又は名称】ブリストル−マイヤーズ・スクイブ・ホールディングス・アイルランド
【氏名又は名称原語表記】Bristol−Myers Squibb Holdings Ireland
(73)【特許権者】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(72)【発明者】
【氏名】シェリフ・イブラヒム・ファラグ・バダウィ
(72)【発明者】
【氏名】スーザン・ラム
【審査官】
砂原 一公
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−507889(JP,A)
【文献】
特表2009−504746(JP,A)
【文献】
RAGHAVAN Nirmala et al.,Apixaban metabolism and pharmacokinetics after oral administration to humans,Drug Metabolism and Disposition,2009年 1月,Vol.37, No.1,DOI: 10.1124/dmd.108.023143 PMID: 18832478,URL,http://dmd.aspetjournals.org/content/dmd/37/1/74.full.pdf
【文献】
可溶(化)剤,医薬品添加物辞典2007,株式会社 薬事日報社,2007年 7月25日,第1刷,p.376-377
【文献】
Multiple-Dose Study Apixaban in Pediatric Subjects With an Indwelling Central Venous Catheter,View of NCT01195727 on 2012_08_29,2012年 8月29日,ClinicalTrials.gov archive,URL,https://clinicaltrials.gov/archive/NCT01195727/2012_08_29
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/4545
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アピキサバンおよびビヒクルを含む液体製剤であって、該ビヒクルが
ビヒクルの20重量%〜30重量%の、水;
ビヒクル中の非イオン性界面活性剤含量がビヒクルの11重量%〜14重量%である、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤;
ビヒクル中のイオン性界面活性剤含量がビヒクルの0重量%〜1重量%である、少なくとも1種のイオン性界面活性剤(但し、イオン性界面活性剤含量が0重量%である場合、イオン性界面活性剤は含まれない);
ビヒクル中の親水性ポリマー含量がビヒクルの1重量%〜6重量%である、少なくとも1種の親水性ポリマー;
ビヒクル中の多価アルコール含量がビヒクルの31重量%〜37重量%である、少なくとも1種の多価アルコール;
ビヒクル中のポリエチレングリコール含量がビヒクルの4重量%〜6重量%である、少なくとも1種のポリエチレングリコール;および
ビヒクル中の炭水化物含量がビヒクルの18重量%〜22重量%である、少なくとも1種の炭水化物を含み、ビヒクルに対するアピキサバンの溶解度が少なくとも0.50mg/mLである、液体製剤。
【請求項2】
ビヒクル中の水含量が、ビヒクルの23重量%〜27重量%であり;
ビヒクル中の非イオン性界面活性剤含量が、ビヒクルの11.5重量%〜13.5重量%であり;
ビヒクル中のイオン性界面活性剤含量が、ビヒクルの0.2重量%〜0.8重量%であり;
ビヒクル中の親水性ポリマー含量が、ビヒクルの2重量%〜5重量%であり;
ビヒクル中の多価アルコール含量が、ビヒクルの32重量%〜36重量%であり;
ビヒクル中のポリエチレングリコール含量が、ビヒクルの4.5重量%〜5.5重量%であり;および
ビヒクル中の炭水化物含量が、ビヒクルの19重量%〜21重量%である、請求項1に記載の液体製剤。
【請求項3】
ビヒクル中の水含量が、ビヒクルの23.5重量%〜26重量%であり;
ビヒクル中の非イオン性界面活性剤含量が、ビヒクルの12重量%〜13重量%であり;
ビヒクル中のイオン性界面活性剤含量が、ビヒクルの0.4重量%〜0.6重量%であり;
ビヒクル中の親水性ポリマー含量が、ビヒクルの2.2重量%〜4.2重量%であり;
ビヒクル中の多価アルコール含量が、ビヒクルの33重量%〜35重量%であり;
ビヒクル中のポリエチレングリコール含量が、ビヒクルの4.8重量%〜5.2重量%であり;および
ビヒクル中の炭水化物含量が、ビヒクルの19.8重量%〜20.2重量%である、請求項1に記載の液体製剤。
【請求項4】
ビヒクルに対するアピキサバンの溶解度が、少なくとも0.60mg/mLである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項5】
ビヒクルに対するアピキサバンの溶解度が、0.70mg/mL〜0.74mg/mLである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項6】
該少なくとも1種の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポロキサマー、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシグリセリド、ビタミンEポリエチレングリコールコハク酸エステルおよびマクロゴール15ヒドロキシステアレートからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項7】
該少なくとも1種のイオン性界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセート・ナトリウムからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項8】
該少なくとも1種の親水性ポリマーが、ポビドンおよびコポビドンからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項9】
該少なくとも1種の多価アルコールが、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールおよびマンニトールからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項10】
該少なくとも1種の炭水化物が、フルクトースおよびスクロースからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項11】
液体製剤中0.034重量%のアピキサバン;
液体製剤中20重量%のグリセリン;
液体製剤中14重量%のプロピレングリコール;
液体製剤中5重量%のポリエチレングリコール400;
液体製剤中12.5重量%のポリソルベート80;
液体製剤中4重量%のポビドンK25;
液体製剤中0.5重量%のラウリル硫酸ナトリウム;および
液体製剤中20重量%のフルクトース
を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項12】
香味剤、甘味剤、保存剤、緩衝剤またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項13】
アピキサバン結晶を実質的に含んでいない、請求項1〜12のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項14】
経口投与に適している、請求項1〜13のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項15】
経鼻胃チューブによる投与に適している、請求項1〜13のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項16】
用量が、30mL未満であり、少なくとも1日1回投与される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項17】
アピキサバンが、0.8mg/mL未満、0.3mg/mL〜0.5mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mLまたは0.5mg/mLの濃度で存在する、請求項16に記載の液体製剤。
【請求項18】
用量が、25mL以下、20mL以下、15mL以下、12.5mL以下、10mL以下、5mL以下、2.5mL以下、1mL以下または0.5mL以下である、請求項16または17に記載の液体製剤。
【請求項19】
用量が、Cmaxが120ng・h/mL〜287ng・h/mLである、アピキサバンのpKプロフィールを有する、請求項16〜18のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項20】
用量が、Cmaxが120ng・h/mL〜287ng・h/mLであり、そして、Tmaxが用量投与後0.5時間〜4時間である、アピキサバンのpKプロフィールを有する、請求項16〜19のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項21】
用量が、1日2回投与される、請求項16〜20のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項22】
用量が、1mg、2.5mgまたは5.0mgのアピキサバンを含む、請求項16〜21のいずれか一項に記載の液体製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、合衆国法典第35巻第119条(e)の規定により、2012年9月26日に出願された、米国仮特許出願第61/705,943号、および2013年3月5日に出願された、米国仮特許出願第61/773,032号の優先権の利益を主張する;これらの出願の全内容は、本明細書によって引用される。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、アピキサバン医薬製剤に関する。特に、本発明は、アピキサバン液体製剤に関する。
【背景技術】
【0003】
アピキサバンは、構造:
【化1】
を有する既知の化合物である。
【0004】
アピキサバンの化学名は、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−6−[4−(2−オキソ−1−ピペリジニル)フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−カルボキサミド(CAS名)または1−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−6−[4−(2−オキソ−1−ピペリジニル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−カルボキサミド(IUPAC名)である。
【0005】
アピキサバンは、米国特許第6,967,208号ならびに米国特許出願公開第2012/0087978号および第2013/0045245号に開示されており、それらは全て、その全体が本明細書によって引用される。アピキサバンは、第Xa因子阻害剤として有用であり、例えば、選択的股関節または膝関節手術の患者および心房細動における脳卒中予防において、抗血栓剤の使用を必要とする種々の適応症の経口投与用としてまたは静脈血栓症の治療用として開発されている。
液体製剤は、小児集団および固体剤形を飲み込むことができない成人のアピキサバン投与にとって重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,967,208号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0087978号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0045245号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書には、アピキサバンおよびビヒクルを含む液体製剤が開示されている。該ビヒクルに対するアピキサバンの溶解度は、少なくとも0.50mg/mLでありうる。
【0008】
ビヒクルは、水ならびに非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、親水性ポリマー、エタノール、多価アルコール、ポリエチレングリコールおよび炭水化物からなる群から選択される少なくとも2種の可溶化剤を含みうる。
【0009】
本発明の一つの実施態様において、液体製剤は、経口投与ならびに/あるいは投薬シリンジを用いて経鼻胃チューブおよび/または胃瘻チューブからの投与に適している。
【0010】
本発明の別の実施態様は、血栓塞栓性障害の治療方法であって、それを必要とする患者に治療上有効量のアピキサバンおよびビヒクルを含む液体製剤を投与することを特徴とする、方法である。
【0011】
(図面の簡単な説明)
図1Aおよび1Bは、実施例5の味覚評価方法を示す。
【0012】
図2Aおよび2Bは、実施例5の味覚評価試験の結果を示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】
図3は、(A)アピキサバン錠剤および(B)本発明の一つの実施態様のアピキサバン経口液体製剤の平均アピキサバン血漿濃度−時間プロフィール(エラーバーは、+1標準偏差を示す)である(試験1)。
【
図4】
図4は、(A)経口シリンジによって経口投与された、本発明の一つの実施態様のアピキサバン経口液体製剤、(B)NGTによって投与され、その直後に、NGTによって60mLのD5Wが投与された、本発明の一つの実施態様のアピキサバン経口液体製剤、および(C)NGTによって投与され、その直後に、NGTによって60mLの乳児用調製粉乳が投与された、本発明の一つの実施態様のアピキサバン経口液体製剤の平均アピキサバン血漿濃度−時間プロフィールである(試験2)。
【
図5】
図5は、(A)経口投与された、本発明の一つの実施態様のアピキサバン経口液体製剤、(B)Boost Plus投与後の本発明の一つの実施態様のアピキサバン経口液体製剤、および(C)NGTによって投与された、アピキサバン粉砕錠剤の平均アピキサバン血漿濃度−時間プロフィール(エラーバーは、+1標準偏差を示す)である(試験3)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
アピキサバンの低い水溶解度(0.04mg/mL)は、アピキサバンの液体製剤の開発にとって大きな障害である。低い投与濃度を支持するビヒクルを同定するために、広範な溶解度試験を行った。
【0015】
経口液体製剤中の0.4mg/mLのアピキサンバン濃度は、正確に測定され、そして、標的患者集団において都合よく投与されうる、例えば、0.10mLないし12.5mLの範囲の許容される容量で0.04mgないし5.0mgの所望の投与範囲を十分に支持することが決定された。0.4mg/mL濃度を支持するビヒクルを同定するために、広域な溶解度試験を行った。室温(15−25℃)での少なくとも0.50mg/mLのアピキサバンの最小溶解度は、0.4mg/mLの目的濃度でロバスト性(robust)製剤を提供することができる。本発明に記載のアピキサバン経口液体製剤は大気保存に適しているものが好ましいので、該溶解度は、輸送中や患者による取扱中に製剤が曝されうる温度の範囲内でアピキサバンを溶解状態で保持するのに有用である。
【0016】
共溶媒および界面活性剤は、アピキサバンの上記の目的溶解度が達成されうるか否かを決定するために可溶化剤として評価された。特に、医薬品の使用に許容される可溶化剤が評価された。さらに、製剤中の所定の可溶化剤の濃度は、好ましくは、規制ガイドラインおよび賦形剤の安全性文献によって、賦形剤の1日許容摂取量を超えなかった。
【0017】
共溶媒および界面活性剤の多数の組み合わせを評価したが、所望の溶解度は得られなかった。参考例1〜4は、少なくとも0.50mg/mLのビヒクルに対するアピキサバンの溶解度をもたらさなかった界面活性剤および共溶媒の組み合わせで試験されたビヒクルの一例である。これらの参考例は、表3に要約されている。
【0018】
近年、特定の可溶化剤および/または界面活性剤が、少なくとも0.50mg/mLのビヒクルに対するアピキサバンの溶解度を提供するビヒクルとして好ましいことが決定されている。該好ましいビヒクルは、水ならびに非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、親水性ポリマー、エタノール、多価アルコール、ポリエチレングリコール、および炭水化物からなる群から選択される少なくとも2種の可溶化剤を含む。上記の用語「少なくとも2種の可溶化剤」は、例えば、非イオン性界面活性剤および親水性ポリマーでありうることを意味するが、それは、例えば、2種の異なるイオン性界面活性剤が用語「少なくとも2種の可溶化剤」に適合することも意味する。したがって、少なくとも2種の非イオン性界面活性剤、少なくとも2種のイオン性界面活性剤、少なくとも2種の親水性ポリマー、少なくとも2種の多価アルコール、少なくとも2種のポリエチレングリコール、および/または少なくとも2種の炭水化物は、少なくとも2種の該可溶化剤として用いられうる。好ましくは、ビヒクルには、1種類以上の可溶化剤が含まれる。
【0019】
したがって、液体製剤には、好ましくは、アピキサバンならびに水および非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、親水性ポリマー、エタノール、多価アルコール、ポリエチレングリコールおよび炭水化物からなる群から選択される少なくとも2種の可溶化剤を含む、ビヒクルが含まれ、ビヒクルに対するアピキサバンの溶解度は、少なくとも0.50mg/mLである。より好ましくは、ビヒクルに対するアピキサンバンの溶解度は、室温(15−25℃)で、少なくとも0.51mg/mLであり;さらにより好ましくは、少なくとも0.52mg/mLであり;さらにより好ましくは、0.53mg/mLであり;さらにより好ましくは、少なくとも0.54mg/mLであり;さらにより好ましくは、少なくとも0.55mg/mLであり;さらにより好ましくは、少なくとも0.56mg/mLであり;さらにより好ましくは、少なくとも0.57mg/mLであり;さらにより好ましくは、少なくとも0.58mg/mLであり、さらにより好ましくは、少なくとも0.59mg/mLであり、そして、さらにより好ましくは、少なくとも0.60mg/mLである。
【0020】
ビヒクルに対するアピキサバンの溶解度は、例えば、約0.60mg/mLないし約0.8mg/mL、約0.60mg/mLないし約0.75mg/mL、または約0.70mg/mLないし約0.74mg/mLでありうる。
【0021】
好ましくは、少なくとも90wt%;より好ましくは、少なくとも91wt%;さらにより好ましくは、少なくとも92%;さらにより好ましくは、少なくとも93%;さらにより好ましくは、少なくとも94wt%;さらにより好ましくは、少なくとも95wt%;さらにより好ましくは、少なくとも96wt%;さらにより好ましくは、少なくとも97wt%;さらにより好ましくは、少なくとも98wt%;さらにより好ましくは、少なくとも99wt%;さらにより好ましくは、少なくとも99.5wt%;そして、さらにより好ましくは、100wt%の液体製剤中に存在するアピキサバンが、ビヒクルに溶解されている。
【0022】
アピキサバンの溶解度は、既知の方法によって測定されうる。例えば、溶解度は、ビヒクルの濾過したサンプル中のアピキサバンの濃度が平衡濃度に達し、経時変化をさらに示さなくなるまで十分な時間をかけて過剰量のアピキサバンとビヒクルとを混合することによって測定されうる。該平衡濃度は、本明細書に記載のビヒクル中のアピキサンバンの溶解度を示す。
【0023】
本発明の一つの実施態様において、ビヒクル中の水含量は、ビヒクルの約20重量%ないし約30重量%、より好ましくは約23重量%ないし約27重量%、さらにより好ましくは約23.5重量%ないし約26重量%であり;ビヒクル中の非イオン性界面活性剤含量は、ビヒクルの約11重量%ないし約14重量%、より好ましくは11.5重量%ないし約13.5重量%、さらにより好ましくは約12重量%ないし約13重量%であり;ビヒクル中のイオン性界面活性剤含量は、ビヒクルの0重量%ないし約1重量%、より好ましくは約0.2重量%ないし約0.8重量%、さらにより好ましくは約0.4重量%ないし約0.6重量%であり;ビヒクル中の親水性ポリマー含量は、ビヒクルの約1重量%ないし約6重量%、より好ましくは約2重量%ないし約5重量%、さらにより好ましくは約2.2重量%ないし約4.2重量%であり;ビヒクル中の多価アルコール含量は、ビヒクルの約31重量%ないし約37重量%、より好ましくは約32重量%ないし約36重量%、さらにより好ましくは約33重量%ないし約35重量%であり;ビヒクル中のポリエチレングリコール含量は、ビヒクルの約4重量%ないし約6重量%、より好ましくは約4.5重量%ないし約5.5重量%、さらにより好ましくは約4.8重量%ないし約5.2重量%であり;および、ビヒクル中の炭水化物含量は、ビヒクルの約18重量%ないし約22重量%、より好ましくは約19重量%ないし約21重量%、さらにより好ましくは約19.8重量%ないし約20.2重量%である。
【0024】
好ましくは、ビヒクルは、以下:非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、親水性ポリマー、エタノール、多価アルコール、ポリエチレングリコール、および炭水化物から選択される2種またはそれ以上の可溶化剤を含有する。
【0025】
本明細書に記載の非イオン性界面活性剤は、液体の表面張力を低下させて、固体を発泡または湿潤させる非イオン性界面活性剤である。アピキサバン液体製剤中に用いられうる非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポロキサマー、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシグリセリド、ビタミンEポリエチレングリコールコハク酸エステル、およびマクロゴール15ヒドロキシステアレートである。ポリソルベートの非限定的な例は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、およびポリソルベート80である。ポロキサマーの非限定的な例は、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、およびポロキサマー407である。ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体の非限定的な例は、ポリオキシル35ヒマシ油およびポリオキシル40硬化ヒマシ油である。ポリオキシグリセリドの非限定的な例は、ポリエチレングリコール−8カプリル/カプリン酸グリセリドである。
【0026】
本明細書に記載のイオン性界面活性剤は、液体の表面張力を低下させて、固体を発泡または湿潤させるイオン性基(複数可)を有する界面活性剤である。アピキサバン液体製剤中に用いられうるイオン性界面活性剤の非限定的な例は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびドキュセート・ナトリウムである。
【0027】
本明細書に記載の親水性ポリマーは、水に対し強い親和性を有する、多数のより小さなユニットを加えることによって得られる高分子量の化合物である。アピキサバン液体製剤中に用いられうる親水性ポリマーの非限定的な例は、ポビドン(例えば、ポビドンK25または29/32)、コポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0028】
本明細書に記載の多価アルコールは、1個以上のヒドロキシル基を有する化合物である。アピキサバン液体製剤中に用いられうる多価アルコールの非限定的な例は、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、およびマンニトールである。
【0029】
本明細書に記載のポリエチレングリコールは、酸化エチレンおよび水の反応によって形成されるエチレングリコールのポリマーである。アピキサバン液体製剤中に用いられうるポリエチレングリコールの非限定的な例は、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、およびポリエチレングリコール400である。
【0030】
本明細書に記載の炭水化物は、ポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトンである有機化合物群である。アピキサバン液体製剤中に用いられうる炭水化物の非限定的な例は、フルクトース、スクロース、およびラクトースである。
【0031】
本発明の別の実施態様において、液体製剤のビヒクルは、ビヒクル中0重量%ないし約30重量%、より好ましくは約15重量%ないし約25重量%の、グリセリン;ビヒクル中0重量%ないし約20重量%、より好ましくは約7重量%ないし約20重量%の、プロピレングリコール;ビヒクル中0重量%ないし約20重量%、より好ましくは約2重量%ないし約7重量%の、ポリエチレングリコール;ビヒクル中0重量%ないし約20重量%、より好ましくは約5重量%ないし約18重量%の、ポリソルベート;ビヒクル中0重量%ないし約7重量%、より好ましくは約2重量%ないし約5重量%の、ポビドン;ビヒクル中0重量%ないし約30重量%、より好ましくは約15重量%ないし約25重量%の、ソルビトール;ビヒクル中0%ないし約2%、より好ましくは約0.25重量%ないし約1重量%の、ラウリル硫酸ナトリウム;ビヒクル中0重量%ないし約7重量%、より好ましくは約2重量%ないし約5重量%の、コポビドン;ビヒクル中0重量%ないし約7重量%、より好ましくは約2重量%ないし約7重量%、ポロキサマー;ビヒクル中0重量%ないし約30重量%、より好ましくは約15重量%ないし約25重量%の、フルクトース、およびビヒクル中0重量%ないし約30重量%、より好ましくは約15重量%ないし約25重量%の、スクロースを含む。
【0032】
本発明の一つの実施態様において、液体製剤のビヒクルには、ビヒクル中約20重量%のグリセリン;ビヒクル中約14重量%のプロピレングリコール;ビヒクル中約5重量%のポリエチレングリコール400;およびビヒクル中約12.5重量%のポリソルベート80が含まれる。
【0033】
好ましい可溶化剤およびそれらの好ましい濃度範囲は、表1に示される。
【表1】
【0034】
これらのより好ましい濃度範囲は、表2に示される。
【表2】
【0035】
本発明の一つの実施態様において、液体製剤は、液体製剤中約0.034重量%のアピキサバン;液体製剤中約20重量%のグリセリン;液体製剤中約14重量%のプロピレングリコール;液体製剤中約5重量%のポリエチレングリコール400;液体製剤中約12.5重量%のポリソルベート80;液体製剤中約4重量%のポビドンK25;液体製剤中約0.5重量%のラウリル硫酸ナトリウム;および液体製剤中約20重量%のフルクトースを含む。
【0036】
本発明に記載の液体製剤はまた、香味剤、甘味剤、保存剤、緩衝剤、またはそれらの任意の組み合わせを含みうる。香味剤の非限定的な例は、オレンジフレーバー(Ungerer #FN924として商業的に入手可能)、チェリーフレーバー、ストロベリーフレーバー、グレープフレーバー、およびフルーツポンチフレーバーである。甘味剤の非限定的な例は、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、スクロース、フルクトース、および異性化糖である。保存剤の非限定的な例は、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、およびソルビン酸である。緩衝剤の非限定的な例は、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、およびリン酸緩衝剤である。
【0037】
本発明の一つの実施態様において、液体製剤は、経口投与に適している。別法としてまたはさらに、液体製剤は、投薬シリンジを用いる経鼻胃チューブ(NGT)での投与および/または胃瘻チューブ(G−チューブ)での投与に適している。臨床的状況において、デキストロース5%(D5W)は、水分を制限しない乳児においてNGTをフラッシュするために用いられうるのに対し、乳児用調製粉乳は、水分を制限する乳児において用いられうる。固体剤形を飲み込むことができない成人については、経腸食が投与されうる。
【0038】
好ましくは、アピキサバン液体製剤は、Eliquis(登録商標)(アピキサバン)錠と同様のバイオアベイラビリティおよび薬物動態特性を提供する。例えば、アピキサバン液体製剤は、米国特許出願公開第2013/0045245号(その全体は本明細書によって引用される)に記載の、約89μm以下の、レーザー光散乱によって測定されたD
90(体積の90%)を有する結晶性アピキサバン粒子および医薬的に許容される希釈剤または担体を含むアピキサバン経口錠剤のC
max、AUC
inf、および/またはAUC
(0−T)それぞれの80%〜125%のC
max、AUC
inf、および/またはAUC
(0−T)を有する。かかる希釈剤または担体は、無水ラクトース、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オパドライ(opadry)分散液またはそれらの任意の組み合わせを含みうる。
【0039】
本発明の一つの実施態様において、アピキサバン液体製剤は、アピキサバンおよび経口の医薬的に許容される液体ビヒクルを含み、ここで、該製剤は、アピキサバン結晶を実質的に含んでいない。アピキサバン液体製剤に関して本明細書に用いられる、「アピキサバン結晶を実質的に含んでいない」は、約10重量%未満(10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5重量%未満を含み、0重量%も含む)の製剤に含まれるアピキサンバンが結晶形態で存在することを意味する。
【0040】
本発明のさらに別の実施態様は、血栓塞栓性障害の治療方法であって、それを必要とする患者に治療上有効量のアピキサバンおよび上記のビヒクルを含む液体製剤を投与することを特徴とする、方法である。
【0041】
本発明のさらに別の実施態様は、医薬組成物の投与方法であって、経口として許容される液体製剤中のアピキサバンを含む医薬組成物の用量を投与することを特徴とし、該用量が30mL未満であり、1日少なくとも1回投与される、方法である。例えば、該用量は、1日2回投与されうる。
【0042】
用量は、約25mL以下、約20mL以下、約15mL以下、約10mL以下、約7.5mL以下、約5mL以下、約3mL以下、約2.5mL以下、約2mL以下、約1mL以下、または約0.5mL以下であってもよい。
【0043】
投与される組成物は、約0.50mg〜約5.0mgのアピキサバンを含みうる。該組成物は、例えば、約0.5mgのアピキサバン、約0.75mgのアピキサバン、約1.00mgのアピキサバン、約1.25mgのアピキサバン、約1.50mgのアピキサバン、約1.75mgのアピキサバン、約2.00mgのアピキサバン、約2.25mgのアピキサバン、約2.50mgのアピキサバン、約2.75mgのアピキサバン、約3.00mgのアピキサバン、約3.25mgのアピキサバン、約3.50mgのアピキサバン、約3.75mgのアピキサバン、約4.00mgのアピキサバン、約4.25mgのアピキサバン、約4.50mgのアピキサバン、約4.75mgのアピキサバン、および約5.00mgのアピキサバン、またはこれらの値の間のアピキサバンの任意の量を含みうる。
【0044】
本発明のさらに別の実施態様は、血栓塞栓性障害の治療に用いるためのアピキサンバンおよび上記のビヒクルを含む液体製剤である。
【0045】
本発明のさらに別の実施態様は、血栓塞栓性障害の治療におけるアピキサンバンおよび上記のビヒクルを含む液体製剤の使用である。
【0046】
本発明のさらに別の実施態様は、血栓塞栓性障害の治療に用いるための医薬の製造におけるアピキサンバンおよび上記のビヒクルを含む液体製剤の使用である。
【0047】
上記の血栓塞栓性障害には、米国特許第6,967,208号に記載のものが含まれる。血栓塞栓性障害の非限定的な例は、動脈心血管血栓塞栓性障害、静脈心血管血栓塞栓性障害、および心室における血栓塞栓性障害が含まれる。血栓塞栓性障害にはまた、不安定狭心症、急性冠症候群、初回心筋梗塞、再発性心筋梗塞、虚血性突然死、一過性脳虚血発作、脳卒中、アテローム性動脈硬化症、末梢閉塞性動脈疾患、静脈血栓症、深部静脈血栓症、血栓性静脈炎、動脈塞栓症、冠動脈血栓症、大脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎塞栓症、肺塞栓症および(a)人工弁または他のインプラント、(b)留置カテーテル、(c)ステント、(d)心肺バイパス、(e)血液透析、または(f)血液が血栓症を促進する人工表面に暴露される他の方法から生じる血栓症が含まれうる。
【0048】
本発明の具体的な実施態様は、現在、以下の実施例に関する言及によって立証される。これらの実施例は、本発明を説明するために開示されるものであって、本発明の範囲を限定するために決して利用されるべきものではないと理解される。
【実施例】
【0049】
【表3】
【0050】
実施例1および2は、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、ポリソルベート80、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウム、水、およびソルビトールを含有するビヒクルを示す。
【0051】
実施例3は、実施例1および2と同様の組成物を示すが、ソルビトールの代わりにフルクトースを用いる。実施例3は、さらにもっと溶解度を強化した。
【0052】
実施例4は、実施例3に基づく製剤を示し、香味剤、甘味剤、および保存剤も含有しており、それらは、許容される味覚および製剤の抗菌特性の改善を提供するために用いられる。該製剤では、アピキサバンは溶解されている。
【表4】
【0053】
実施例5:嗜好性
嗜好性は、治療の患者の承諾および治療の遵守に直接影響を及ぼすので、小児薬物にとって重要な側面である。一連の試験を行い、アピキサバン液体製剤の味覚特性を評価し、製剤開発を導いた。
【0054】
味が良いアピキサバン液体製剤の開発中に、続いて、保存後の嗜好性を確保するために製造の1年後および2年後に、3回の味覚評価試験を行った。各試験において、製剤は、味覚特性(例えば、甘味、香り、および酸味)を識別し、定量化するために記述型官能分析のフレーバープロフィール法を用いて4〜5人の専門の官能パネリストによって評価された。フレーバーリーダーシップ基準(Flavor Leadership Criteria)は、フレーバープロフィールを解釈し、味覚最適化を導くために用いられた。別の保存剤、甘味剤、およびフレーバーシステムを評価し、最終製剤で調整した。味覚評価方法は、
図1Aおよび1Bにより詳細に記載されている。試験を通じて安全性を評価した。
【0055】
味覚評価試験の結果は、
図2Aおよび2Bに示される。許容度は、全体の嗜好性の尺度であり、医薬品の対象は、医薬品および消費者製品の病歴データに基づき、1 1/2(一般的に、0−3のスコアの中の1−2)である。実施例4のオレンジ風味のアピキサバン液体製剤の臨床試験群の許容度スコアは、製造時に1〜1 1/2であった。該スコアは、製造の1年後および2年後で1であり、それは許容された。
【0056】
実施例6
0.4mg/mLの実施例4のアピキサバン液体製剤の相対的バイオアベイラビリティ(Frel)は、一連の試験を通じて評価された。アピキサバン液体製剤は、経口投与(PO)された、異なるフラッシュ媒体と共に経鼻胃チューブ(NGT)によって投与された、または経腸食(BOOST Plus(登録商標))と共に投与された。経口液体製剤に対するNGTによって投与された粉砕錠剤のFrelもまた評価した。錠剤は、89μm未満のD
90を有する結晶性アピキサバン粒子、ならびに無水ラクトース、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびオパドライ分散液を含む。液体製剤のバイオアベイラビリティに対する異なるフラッシュ媒体[D5Wおよび乳児用調製粉乳(Similac(登録商標))]および共投与された栄養補給剤(Boost Plus(登録商標))の効果を評価した。
【0057】
オープンラベルランダム化クロスオーバー試験を3回行った。オープンラベルランダム化2−ウェイクロスオーバー試験である最初の試験において、14人の健常対象者に、錠剤(2x5mg)および経口液体製剤(25mLx0.4mg/mL)としてアピキサバン10mgが投与された。オープンラベルランダム化3−ウェイクロスオーバー試験である2回目の試験において、12人の健常対象者に、NGTを介して、経口液体製剤(12.5mLx0.4mg/mL)として、60mL D5WでフラッシュされたNGT投与によって、および60mL 乳児用調製粉乳でフラッシュされたNGT投与によってアピキサバン5mgが投与された。オープンラベルランダム化3−ウェイクロスオーバー試験である3回目の試験において、21人の健常対象者に、経口液体製剤(12.5mLx0.4mg/mL)、240mL BOOST Plus(登録商標)とのNGT投与による液体製剤(12.5mLx0.4mg/mL)、およびNGTによって60mL D5Wに懸濁された粉砕錠剤(5mg)としてアピキサンバン5mgが投与された。一連の薬物動態サンプルを収集した。C
max、AUC
(0−T)およびAUC
infについての幾何平均値の比(GMR)の推定値および90%信頼区間(CI)を得た。Frelは、AUC
infsの比として定義された。
【0058】
これらの試験において、主要な試験対象患者基準には、(i)病歴、身体検査の心電図(ECG)、および臨床検査室測定において正常値から臨床的に有意な逸脱がない、肥満度指数が18−30kg/m
2である、18〜45歳の健常対象者;および(ii)妊娠の可能性がある女性が、治験薬の開始前24時間以内に血清妊娠検査で陰性であったことが含まれていた。主要な除外基準には、(i)異常出血もしくは凝固障害、頭蓋内出血、または異常出血の任意の病歴または兆候;(ii)試験薬物の吸収に影響を及ぼしうる任意の胃腸手術;および(iii)限定されるものではないが、消化不良、胃腸潰瘍、食道静脈瘤もしくは胃静脈瘤、または痔核を含む、現在または最近(3ヶ月以内)の胃腸疾患が含まれていた。
【0059】
薬物動態評価について、投与後最大72時間のアピキサバン濃度のアッセイのための血液サンプルを収集した。アピキサバンの血漿濃度−時間プロフィールから、PKパラメーター(C
max、AUC
inf、AUC
(0−T)、T
max、およびT
1/2)を得た。
【0060】
試験された液体製剤の栄養素含有量は、下表4に示される。
【表5】
【0061】
最初の試験(試験1)では、アピキサバンの平均C
maxおよびAUCは、2つの治療、すなわち、下表に示される、経口液体製剤および経口錠剤について同様であった。2つの治療の中央T
maxは、2時間であった。アピキサバンの平均T
1/2は、
図3に見られるように、2つの治療について同様であった(12.3時間および13.8時間)。錠剤に対するアピキサンバン液体製剤の相対的バイオアベイラビリティは、105%であった。
【表6】
【表7】
【0062】
2回目の試験(試験2)では、アピキサバンの中央T
maxは、3つの治療、すなわち、下表に示される、経口液体製剤、60mL D5WでフラッシュされたNGT投与による液体製剤、および60mL 乳児用調製粉乳でフラッシュされたNGT投与による液体製剤で0.5〜1時間であった。アピキサバンの平均T
1/2は、
図4に見られるように、3つの治療で同様であった(約10.5時間)。60mLのD5WでフラッシュされたNGTによるアピキサバン液体製剤の投与は、下表に見られる液体製剤の経口投与と同等のバイオアベイラビリティをもたらした(Frelは96.7%であった)。5mgアピキサバン液体製剤が、60mLの乳児用調製粉乳でフラッシュされたNGTによって投与された場合、アピキサバンのC
max、AUC
infおよびAUC
(0−T)の幾何平均は、下表に示される5mgアピキサバン液体製剤の経口投与後に観察されたものに比べて、それぞれ、19%、8%および8%低かった(Frelは92.2%であった)。
【表8】
【表9】
【0063】
3回目の試験(試験3)では、アピキサバンの平均C
maxおよびAUCは、経口投与の液体製剤と粉砕錠剤の間で同様であったが、NGTによるBoost Plus投与は、下表に見られるように32%および19%低いC
maxおよびAUCを有していた。中央T
maxは、経口投与の液体製剤およびNGTによる投与の粉砕錠剤については1時間であったが、Boost Plusの存在下におけるNGTによる投与の液体製剤のT
maxは3時間であった。アピキサバンの平均T
1/2は、
図5に見られるように3つの治療の間で同様であった(9.6−11.2時間)。5mg(12.5mL)のアピキサバン経口液体製剤が、流動食チャレンジ、Boost Plus(登録商標)の存在下においてNGTによって投与される場合、アピキサバンのC
max、AUC
infおよびAUC
(0−T)は、経口シリンジでアピキサバン経口液体製剤の投与後に観察されたものに比べて、それぞれ、32%、19%、および19%低かった。5mgアピキサバン粉砕錠剤が、60mL D5Wに懸濁されたNGTによって投与される場合、C
max、AUC
inf、およびAUC
(0−T)についての推定幾何平均比の90%CIは、所定の生物学的同等性区間に完全に含まれていた(0.80−1.25)。
【表10】
【表11】
【0064】
錠剤に対する液体製剤のFrelは105%であった。経口液体製剤に対するD5Wフラッシュを伴う液体製剤、乳児用調製粉乳フラッシュを伴う液体製剤、BOOST Plus(登録商標)を伴う液体製剤、および粉砕錠剤のFrelは、それぞれ、97%、92%、81%、および95%であった。GMRおよび90%CIは、BOOST Plus(登録商標)(0.813[0.766,0.863])を除き、全てのAUCについて生物学的同等性(BE)基準を満たした。各C
maxのGMRおよび90%CIは、錠剤に対する液体製剤(0.977[0.756,1.261]);または経口液体製剤に対する、乳児用調製粉乳フラッシュを伴うNGT投与による液体製剤(0.805[0.749,0.865])、およびBOOST Plus(登録商標)を伴うNGT投与による液体製剤(0.682[0.621,0.748])を除き、BE基準を満たした。各T
maxは、BOOST Plus(登録商標)(T
max=3時間)を除き、全ての治療について同等であった(中央値0.5−2時間)。したがって、同等のFrelが、経口アピキサバン液体製剤と錠剤の間、および経口液体製剤とD5Wおよび乳児用調製粉乳でフラッシュされた液体製剤のNGT投与または粉砕錠剤の間で観察された。BOOST Plus(登録商標)を伴うNGTによる液体製剤の投与は、絶食経口アピキサバン液体製剤の投与後に得られたものより19%曝露を低下させた。
【0065】
有害事象報告ならびにバイタルサイン計測、ECG、理学的検査、および臨床検査の結果に基づいて、安全性評価を行った。アピキサバンが、試験において、安全かつ対象に良好な耐容性を示すことが見出された。
【0066】
実施例7
0.21mg/m
2量のアピキサバン溶液を、27日齢までの新生児に対し1日目の朝に投薬シリンジを用いて経口投与するかまたは経鼻胃チューブ(NG)もしくは胃瘻チューブ(G−チューブ)で投与する。
【0067】
実施例8
1.08mg/m
2量のアピキサンバン溶液を、≧28日ないし<2年の年齢群の対象に対し1日目の朝に投薬シリンジを用いて経口投与するかまたは経鼻胃チューブ(NG)もしくは胃瘻チューブ(G−チューブ)で投与する。
【0068】
実施例9
1.17mg/m
2量のアピキサバン溶液を、2年ないし<6年の年齢群の対象に対して1日目の朝に投薬シリンジを用いて経口投与するかまたは経鼻胃チューブ(NG)もしくは胃瘻チューブ(G−チューブ)で投与する。
【0069】
実施例10
1.80mg/m
2量のアピキサバン溶液を、6年ないし<12年の年齢群の対象に対し1日目の朝に投薬シリンジを用いて経口投与するかまたは経鼻胃チューブ(NG)もしくは胃瘻チューブ(G−チューブ)で投与する。
【0070】
実施例11
2.19mg/m
2量のアピキサバン溶液を、12年ないし<18年の年齢群の対象に対し1日目の朝に投薬シリンジを用いて経口投与するかまたは経鼻胃チューブ(NG)もしくは胃瘻チューブ(G−チューブ)で投与する。
【0071】
本発明は、その具体的な実施態様に準拠して上記されているが、本明細書に記載の発明概念から逸脱することなく多くの変更、修飾、およびバリエーションが行われうることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および広範囲の特許請求の範囲の範囲内にある全てのそのような変更、修飾、およびバリエーションを包含することを意図とする。
【0072】
【表12】
【0073】
【表13】
【0074】
【表14】
【0075】
【表15】