特許第6248146号(P6248146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248146
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20171204BHJP
   A61H 15/00 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   A61H7/00 323L
   A61H15/00 350C
【請求項の数】1
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2016-121535(P2016-121535)
(22)【出願日】2016年6月20日
(62)【分割の表示】特願2016-114214(P2016-114214)の分割
【原出願日】2012年4月18日
(65)【公開番号】特開2016-165563(P2016-165563A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2016年7月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセルホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 智昭
(72)【発明者】
【氏名】久富 仁
(72)【発明者】
【氏名】真木 亨
(72)【発明者】
【氏名】島田 和明
(72)【発明者】
【氏名】安部田 章
(72)【発明者】
【氏名】桑畑 広幸
【審査官】 村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−344316(JP,A)
【文献】 特開2008−049087(JP,A)
【文献】 特開2010−082060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
A61H 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台部上に支持される座部と背もたれ部とを備えるマッサージ機において、
前記背もたれ部には被施療者側への突出量が調整されるもみ玉が配設され、
前記座部の両側には脚の大腿部を挟持可能なエアセルが配設され、
前記座部と背もたれ部が、前記基台部に対し傾動可能とされ、
前記座部と背もたれ部とのなす角度を小さくするようにこれらを傾動させて、被施療者の腰が正しく位置決めされた後、前記エアセルを膨張させて脚の大腿部を挟持させ、
その後に前記座部と背もたれ部を逆向きに傾動させて被施療者の身体が伸びる状態となるのに合わせて、
前記揉み玉を被施療者の腰部を押し付けるように突出させる、
ストレッチ施療を実行することを特徴とするマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部に着座し背もたれ部にもたれた被施療者に対し施療を行う椅子式のマッサージ機に関し、特に、座部を傾動可能としてその傾斜角度を調整し、被施療者を施療に適した姿勢とするマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
被施療者の身体を支持しつつマッサージ動作を実行する椅子型のマッサージ機は、通常、その背もたれ部に設けられる施療子としての揉み玉で、背もたれ部にもたれた被施療者に対し揉みや叩き等の施療を行う仕組みを有しているが、この他、被施療者の脚部分に対しても所定の施療が行えるよう、施療機構を内蔵した脚支持部(オットマン)を設けたものがある。
【0003】
こうしたマッサージ機は、施療の種類や被施療者の施療状態における姿勢の好みに応じて、背もたれ部や脚支持部の傾斜角度を、アクチュエータを用いて容易に調整できる仕組みとされることが多かった。ただし、こうしたアクチュエータは調整のための利用に限らず、施療に係る各部の動きを生じさせるものとしても用いられている。例えば、脚支持部を用いたマッサージ機として、脚に対し、施療機構による揉み等の他に、施療動作として脚支持部をアクチュエータで脚ごと動かし、脚支持部と脚との位置関係を変化させることで、脚の筋肉のストレッチを行うものが提案されている。
このような脚支持部を動かして施療を行う従来のマッサージ機の一例として、特開2004−41383号公報に開示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−41383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のマッサージ機は、前記特許文献に示される構成とされており、脚を支える脚支持部を下方へ傾動させて脚のストレッチを行う仕組みとなっているが、脚支持部を動かして施療を行う場合、特に、施療で脚を伸す方向に力が加わる場合に、被施療者が座部に着座した状態で脚支持部の施療に係る動きに伴って被施療者が動き、座面上に身体を保持できず、身体が本来あるべき位置からずれて適切な姿勢を取れない状態に陥ることがあった。施療の際、脚の不要な動きを抑えるために脚のふくらはぎ部分や大腿部を側方からエアセル等で狭持する場合もあったが、身体のずれを阻止するのに十分とはいえなかった。
【0006】
こうして身体がずれる場合、被施療者の施療を受ける姿勢が一定とならないことから、被施療者に対し安定した施療が行えず、適切な施療効果を得られなくなるという課題を有していた。
また、マッサージ機において背もたれ部を大きく倒した状態で、背もたれ部の腰用エアセルを大きく膨張させて腰を下から強く押し上げたと仮定すると、下から押された腰が伸び、腰にストレッチの効果を与えられることが期待できる。しかしながら、実際のエアセルによる押圧では圧力が分散して押し上げ量が不足し、また、背もたれ部を大きく倒しているため、被施療者は寝た姿勢に近くなって体圧が分散しており、被施療者は施療で受ける力や被施療者自らの動きに伴って容易にずれやすく、腰部が浮くなど身体をマッサージ機上に保持しにくくなっていた。
【0007】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、腰が適切に施療を受けられる位置となるように、座部と背もたれ部を傾動させ、位置決めの後、被施療者の姿勢を維持しつつ、ストレッチの施療を実行するマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るマッサージ機は、基台部上に支持される座部と背もたれ部とを備えるマッサージ機において、前記背もたれ部には被施療者側への突出量が調整されるもみ玉が配設され、前記座部と背もたれ部が、前記基台部に対し傾動可能とされ、前記座部と背もたれ部とのなす角度を小さくするようにこれらを傾動させて、被施療者の腰が正しく位置決めされた後、前記座部と背もたれ部を逆向きに傾動させて被施療者の身体が伸びる状態となるのに合わせて、前記揉み玉を被施療者の腰部を押し付けるように突出させる、ストレッチ施療を実行する。
【0009】
このように本発明によれば、被施療者の下半身部分を対象とする所定の施療時に無理のない最適な姿勢が得られる。
【0010】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記脚支持部が、脚長手方向に移動可能とされ足裏に面する足支持部を有してなり、前記座部と前記脚支持部と前記背もたれ部の傾動に合わせて前記足支持部を座部に近づく側へ移動させるものである。
【0011】
このように本発明によれば、腰に確実に施療効果を与えることが出来る。
【0012】
このように本発明によれば、傾動させた座部と脚支持部とのなす角度をいったん180°近くとした状態で足首を保持するようにしてから、座部と脚支持部のなす角度を小さくした状態で足首ストレッチを実行することで、足挟持手段での挟持の際には、足を足支持部寄りとすることができ、足首を足挟持手段で挟持しやすく、脚の長さに関わりなく足を確実に足支持部に保持して足首へのストレッチ施療を実行できる。また、足支持部を動かして施療を行う状態では、脚がより曲る状態とすることで、足を足支持部から離れる側に寄せられ、この足位置に対応して足支持部の移動の起点を設定できる分、足支持部の座部から離れる向きのストレッチのストロークを確保でき、ストレッチの効果を高められる。
【0013】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記脚支持部を座部に対し傾動させて、脚支持部の傾斜角度を調整する脚支持部アクチュエータを備え、前記挟持手段による被施療者の足首部分の挟持にあたっての、脚支持部の座部に対する上向きの傾動、及び挟持後における脚支持部の座部に対する下向きの傾動が、少なくとも前記脚支持部アクチュエータを作動させてなされるものである。
【0014】
このように本発明によれば、脚支持部を座部に対し傾動させる足支持部アクチュエータを設け、脚支持部を座部とは独立させて傾動させて、座部と脚支持部とのなす角度を大きくして足首を保持する状態、並びに座部と脚支持部のなす角度を小さくして足首のストレッチを実行する状態に移行することにより、足首の足挟持手段での挟持を、座部の状態によらず脚支持部を適切な傾斜角度として行え、脚の長さの違いによる影響をより小さくして足を適切に足支持部に保持させられる。また、足支持部を移動させてストレッチ施療を行う際も、脚支持部を適宜傾動させることで、脚の向きを施療に適した状態に調節でき、脚への負担を少なくして足首のストレッチを無理なくスムーズに実行できる。
【0015】
また、本発明に係るマッサージ機は必要に応じて、前記脚支持部に前記脚支持部が、前記足支持部を除いた他部分に、被施療者の脚における膝下から足首の上側までの範囲内の所定部分を側方から押圧して挟持可能な脚挟持手段を配設されてなり、前記足支持部を前記脚支持部の他部分に対し離隔させる際に、前記脚挟持手段で脚における足首より上側の所定箇所を挟持し、前記他部分に保持するものである。
【0016】
このように本発明によれば、脚支持部に脚挟持手段を配設し、足支持部を移動させる際、脚挟持手段で脚の膝から下の所定部分を挟持して、足首より上側を動かないように保持できることにより、足支持部を移動させて足を引張る状態で、足首より上側の脚部分の伸びを抑えられ、脚挟持手段で保持された箇所より下となる足首のストレッチのみを集中して実行でき、ストレッチの施療をより効率よく進められる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の参考となる第1の実施形態に係るマッサージ機の斜視図である。
図2】本発明の参考となる第1の実施形態に係るマッサージ機の内部機構の平面図である。
図3】本発明の参考となる第1の実施形態に係るマッサージ機の内部機構の左側面図である。
図4】本発明の参考となる第1の実施形態に係るマッサージ機のブロック図である。
図5】本発明の参考となる第1の実施形態に係るマッサージ機の足首保持時における各部配置説明図である。
図6】本発明の参考となる第1の実施形態に係るマッサージ機の施療状態における各部配置説明図である。
図7】本発明の参考となる第1の実施形態に係るマッサージ機における足首のストレッチ施療状態説明図である。
図8】本発明の参考となる第2の実施形態に係るマッサージ機の施療状態における各部配置説明図である。
図9】本発明の参考となる第2の実施形態に係るマッサージ機で支持される被施療者の姿勢説明図である。
図10】本発明の参考となる第2の実施形態に係るマッサージ機における足支持部の位置調整状態説明図である。
図11】本発明の参考となる第3の実施形態に係るマッサージ機の脚を曲げた姿勢の施療状態における各部配置説明図である。
図12】本発明の参考となる第3の実施形態に係るマッサージ機の脚を伸した姿勢の施療状態における各部配置説明図である。
図13】本発明の参考となる第3の実施形態に係るマッサージ機における足支持部と足裏との位置関係調整状態説明図である。
図14】本発明となる第4の実施形態に係るマッサージ機の腰の位置決め状態における各部配置説明図である。
図15】本発明となる第4の実施形態に係るマッサージ機のストレッチ施療状態における各部配置説明図である。
図16】本発明の参考となる第5の実施形態に係るマッサージ機の前腕部保持状態における各部配置説明図である。
図17】本発明の参考となる第5の実施形態に係るマッサージ機のストレッチ施療状態における各部配置説明図である。
図18】本発明の参考となる第5の実施形態に係るマッサージ機の肘掛部に複数組のエアセルを設けた例における、ストレッチ施療姿勢でのエアセル膨縮状態説明図である。
図19】本発明の参考となる第6の実施形態に係るマッサージ機の施療開始時点における各部配置説明図である。
図20】本発明の参考となる第6の実施形態に係るマッサージ機の施療状態における各部配置説明図である。
図21】本発明の参考となる第6の実施形態に係るマッサージ機における脚受部及び足支持部の移動状態説明図である。
図22】本発明の参考となる第7の実施形態に係るマッサージ機の脚保持状態における各部配置説明図である。
図23】本発明の参考となる第7の実施形態に係るマッサージ機の施療状態における各部配置説明図である。
図24】本発明の参考となる第8の実施形態に係るマッサージ機の施療開始時点における各部配置説明図である。
図25】本発明の参考となる第8の実施形態に係るマッサージ機の施療状態における各部配置説明図である。
図26】本発明の参考となる第8の実施形態に係るマッサージ機におけるストレッチ施療状態説明図である。
図27】本発明の参考となる第9の実施形態に係るマッサージ機の施療開始時点における各部配置説明図である。
図28】本発明の参考となる第9の実施形態に係るマッサージ機における挟持用エアセル膨張状態説明図である。
図29】本発明の参考となる第9の実施形態に係るマッサージ機の施療状態における各部配置説明図である。
図30】本発明の参考となる第9の実施形態に係るマッサージ機の施療状態における脚支持部の傾動状態説明図である。
図31】本発明の参考となる第9の実施形態に係るマッサージ機の施療状態における脚受部及び足支持部の移動状態説明図である。
図32】本発明の参考となる第10の実施形態に係るマッサージ機の施療開始時点における各部配置説明図である。
図33】本発明の参考となる第10の実施形態に係るマッサージ機の施療状態における各部配置説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(本発明の参考となる第1の実施形態)
以下、本発明の参考となる第1の実施形態に係るマッサージ機を前記図1ないし図7に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機1は、着座した被施療者を支える椅子状のものであり、詳細には、床面上に載置されて椅子全体を安定的に支持する基台部11と、この基台部11の上方で被施療者の臀部を支える座部12と、この座部12の後側で被施療者の背中を支える背もたれ部13と、座部12の左右両側で被施療者の肘や前腕部を支える肘掛部14と、座部12の前側で被施療者の脚を支える脚支持部15と、マッサージ動作に係る各種操作入力を受付けるリモコン30と、搭載されている複数の施療機構によるマッサージ動作を操作入力や記録情報等の内容に基づいて制御する制御部40とを備える構成である。
【0019】
前記基台部11は、マッサージ機設置面としての床面に載置され、椅子各部をなす前記座部12、背もたれ部13、肘掛部14、及び脚支持部15を支持するものである。この基台部11は、座部12及び背もたれ部13を傾動可能に取付けられる枠状のベースフレーム11aと、このベースフレーム11aを取囲むように配設される外殻部11bとを組合わせた構成である。
【0020】
前記座部12は、基台部11に対し座面の傾斜角度を調整可能として支持され、座面にて被施療者の臀部や太腿部を支えつつ内蔵の施療機構でマッサージを実行するものであり、この施療機構として、空気の給排で動作する臀部用エアセル71、及び太腿部用エアセル72を備える構成である。これらエアセルを空気の給排で動作させるエアポンプ70が座部12下側のスペースに配設される。
【0021】
この座部12は、座面12aに対する裏側で且つ各エアセルの下側に位置して座部全体を支える座部フレーム12bを有する。この座部フレーム12b後部が基台部11のベースフレーム11a上部に軸支される。一方、この座部フレーム12bの前部は、マッサージ機使用状態で座部アクチュエータ12d等を連結される下側から相対的に加わる力に対し変形しない強度を有して、フレームとしての機能を問題なく果せる構造となっている。また、座部フレーム12b前部と基台部11のベースフレーム11a下部との間に、座部12を傾動させる座部アクチュエータ12dが配設される。この他、座部フレーム12bには、左右の肘掛部14が一体に取付けられ、この肘掛部14を座部12と共に基台部1に対し傾動可能としている。
【0022】
前記座部アクチュエータ12dは、固定部分に対し可動部分を直線移動させることで全体として所定範囲内で伸縮して長さを変化させる機構を有する公知のリニアアクチュエータである。この座部アクチュエータ12dは、座部12の下側で且つ基台部11の内側に生じた空隙部分に位置して、座部12の座部フレーム12b前部に一端部を傾動可能として連結される一方、他端部が基台部11のベースフレーム11a下部の、座部の下方となる所定位置に傾動可能として連結され、伸縮による長さの変化に伴って、座部フレーム12b前部とベースフレーム11a下部との間隔を変え、座部12を基台部11に対し傾動させる構成である。
この座部アクチュエータ12dには、一般的なリニアアクチュエータの場合と同様、固定部分に対する可動部分の移動量、すなわちアクチュエータ全体としての伸縮量を検出する検出手段、例えば、エンコーダ等が併設される。
【0023】
座部12は、この座部アクチュエータ12dの作動に伴う伸縮により、座部フレーム12b後部の軸支部分を中心として傾動し、座面の傾斜角度を変化させる仕組みである。座部12の傾動に係る変位は、座部アクチュエータ12dの伸縮による変位と一対一に対応していることから、座部アクチュエータ12dの伸縮量を検出することで、制御部40で座部12の傾動状態を把握することができる。
【0024】
なお、座部12は、初期状態でその前部が後部よりも若干高い位置にあって、座面が水平面に対し所定角度、例えば約5°傾いた配置とされる構成である。座部12を大きく傾けると、被施療者が着座したり座部12から離れて立上がったりするのが容易ではなくなるために、一般的な椅子と同程度に座部12に対し被施療者が着座したり座部12から離れて立上がる行為がスムーズに行えるように、こうした行為が行われる座部12の初期状態での傾斜角度を設定している。
【0025】
また、座部12の傾動範囲については、座部アクチュエータ12dの作動範囲による制限の他、所定の傾動位置、例えば、傾動の下限としたい位置などで、基台部11のベースフレーム11aの一部をストッパーとして座部フレーム12bに当接させるようにするなど、座部自体の可動範囲に基づいて傾動範囲を設定する構成とすることもできる。この場合、誤って座部12に重量物を載せることなどにより、下がろうとする座部12から座部アクチュエータ12dに過大な力が集中して加わるような、アクチュエータの破損に繋がる事態を避けることもできる。
【0026】
前記背もたれ部13は、人の背中形状に合せた表面形状とされて前記基台部11及び座部12に対し傾斜角度を調整可能として配設され、その内部に、マッサージを実行する施療機構を備える構成である。
背もたれ部13内部には、施療子としての左右一対の揉み玉51とこれを動作させる駆動機構部60が一体となったメカユニット50と、このメカユニット50を背もたれ部13上下方向に移動可能に支持しつつ、背もたれ部の各部を内部から支える枠状の背もたれ部フレーム16と、前記エアポンプ70による空気の給排で動作する背中用エアセル73及び腰用エアセル74とがそれぞれ配設される構成である。このうちメカユニット50、背中用エアセル73、及び腰用エアセル74が、それぞれマッサージを実行する施療機構をなす。
【0027】
なお、この背もたれ部13の左右両側部には、被施療者に面する内面側にエアセル等の施療機構を設けた一対の側壁部を突出配設して、被施療者の上腕部等に対して側方からマッサージを行えるようにすることもできる。
【0028】
前記背もたれ部フレーム16は、メカユニット50を背もたれ部13上下方向に移動可能とし且つ他方向への動きは拘束して支持する左右一対のガイドフレーム20と、ガイドフレーム20と共に枠状をなす上下一対の横フレーム16aと、上下方向の中間位置で左右のガイドフレーム20間に架設される補強フレーム16bとを備える構成である。
【0029】
背もたれ部フレーム16は、左右のガイドフレーム20下部を、それぞれ基台部11のベースフレーム11a上部に軸支されて、背もたれ部フレーム16全体として基台部11に対し傾動可能に支持される。そして、背もたれ部フレーム16における傾動中心より下側に位置する横フレーム16aと、座部フレーム前部との間に、背もたれ部13を傾動させる背もたれ部アクチュエータ13dが配設される。
【0030】
この背もたれ部フレーム16における下部の横フレーム16aは、背もたれ部アクチュエータ13dとの連結に基づいて、マッサージ機使用状態で被施療者から背もたれ部13に加わる荷重を、左右のガイドフレーム20の軸支部分と分担して受け、連結した背もたれ部アクチュエータ13dにこれを押し縮めようとする力を伝えるものとなる。このため、横フレーム16aは、こうした力の伝達に対し変形しない十分な強度を有して、フレームとしての機能を問題なく果せる構造となっている。
【0031】
なお、背もたれ部フレーム16における、基台部11のベースフレーム11aへの軸支位置は、ベースフレーム11aにおける座部フレーム12bの軸支位置と同じ箇所とされており、背もたれ部13は基台部11に対しその傾動中心を座部12の傾動中心と同じとして、傾動可能に支持されることとなる。
【0032】
前記背もたれ部アクチュエータ13dは、前記座部アクチュエータ12dと同様、固定部分に対し可動部分を直線移動させることで全体として所定範囲内で伸縮して長さを変化させる機構を有する公知のリニアアクチュエータである。この背もたれ部アクチュエータ13dは、座部12の下側で且つ基台部11の内側に生じた空隙部分に位置して、背もたれ部フレーム16下部の横フレーム16aに一端部を傾動可能として連結される一方、他端部が座部12の座部フレーム12b前部に傾動可能として連結され、伸縮による長さの変化に伴って、背もたれ部フレーム16下部と座部フレーム12b前部との間隔を変え、背もたれ部13を座部12に対し傾動させることで、結果として背もたれ部13を基台部11に対しても傾動させる構成である。この背もたれ部アクチュエータ13dには、一般的なリニアアクチュエータの場合と同様、固定部分に対する可動部分の移動量、すなわちアクチュエータ全体としての伸縮量を検出するエンコーダ等の検出手段が併設される。
【0033】
背もたれ部13は、この背もたれ部アクチュエータ13dの作動に伴う伸縮により、背もたれ部フレーム16のベースフレーム11aへの軸支部分を中心として傾動し、背もたれ部13全体の傾斜角度、すなわちリクライニング角度、を変化させる仕組みである。背もたれ部13の傾動に際し、背もたれ部アクチュエータ13dの伸縮量を検出することで、制御部40で座部12に対する背もたれ部13の傾動状態を取得し、これと座部アクチュエータ12dの伸縮量から求めた座部12の傾斜角度とを組合わせることで、背もたれ部13の基台部11に対する傾動状態を把握することができる。
【0034】
前記メカユニット50は、揉み、叩き等の刺激を被施療者に与える施療子としての左右一対の揉み玉51と、これら揉み玉51をそれぞれ突出状態で支持する左右一対の揉み玉支持アーム52と、この揉み玉支持アーム52を介して揉み玉51を揉み、叩き等のマッサージ動作に対応させて駆動する駆動機構部60と、背もたれ部上下方向に直交する軸線を中心として駆動機構部60を傾動可能に支持するベース部54とを備える構成である。
【0035】
前記駆動機構部60は、制御部40の制御に基づいて揉み玉51に揉み動作を行わせるための駆動力を発生させる揉みモータ62と、制御部40の制御に基づいて揉み玉51に叩き動作を行わせるための駆動力を発生させる叩きモータ64と、各モータからの運動を揉み玉支持アーム52を介して揉み玉51に伝達する揉み機構及び叩き機構(図示を省略)とを備える、公知のマッサージ機に用いられるものと同様の機構であり、詳細な説明を省略する。
【0036】
前記ベース部54は、駆動機構部60を傾動可能に支持するものであり、この他、制御部40の制御に基づいて、メカユニット昇降用の駆動力を発生させる昇降モータ57と、駆動機構部60を傾動させる駆動力を発生させる進退モータ58とを備える構成である。
【0037】
メカユニット50は、ベース部54の側端部を一対のガイドフレーム20にそれぞれ上下走行可能に支持されることで、ガイドフレーム20に挟まれる配置状態となり、メカユニット50全体としてガイドフレーム20に沿って移動可能とされる構成である。そして、制御部40による制御に基づき、昇降モータ57が作動してベース部54がガイドフレーム20を走行する状態となることで、ベース部54を含むメカユニット50全体が、ガイドフレーム20に沿って背もたれ部13の上下に移動することとなり、背もたれ部13における揉み玉51の位置(揉み玉による施療対象部位)を上下に変えられる仕組みである。
【0038】
そして、メカユニット50は、設定されたマッサージの内容に応じて、制御部40による制御で、上記のように背もたれ部13の上下に移動し、揉み玉51の上下位置を調整されると共に、進退モータ58の作動による揉み玉51と駆動機構部60の傾動で、揉み玉51の被施療者側への突出量を調整されて、揉み玉51をマッサージの対象箇所に位置させる。揉み玉51の移動後、又はこうした揉み玉51の移動と並行して、制御部40が、マッサージの種類に応じて、メカユニット50における駆動機構部60の揉み、叩き用のモータを作動させ、揉み玉51に設定された揉みや叩き等のマッサージに対応した動きを行わせることとなる。
【0039】
前記肘掛部14は、座部12の両側に位置して座部フレーム12bと一体に連結し、座部12の基台部11に対する傾動に伴って座部12と共に傾動して、被施療者の前腕部を安定的に支持するよう形成される構成である。この肘掛部14には、前記エアポンプ70による空気の給排で動作する前腕用のエアセル(図示を省略)が配設され、被施療者の前腕部に対しマッサージを行える構成である。
【0040】
前記脚支持部15は、座部12の前側に位置し、座部12前端付近を中心として傾動可能に配設され、座部下側の脚支持部アクチュエータ15dにより傾斜角度を調整されるものである。詳細には、脚支持部15は、座部12の座部フレーム12b前部に対し傾動可能に取付けられる基礎部15aと、この基礎部15aの表面側部分に脚長手方向へ移動可能として配設され、脚に接する脚受部15bと、被施療者の足に沿うように形成されて前記脚受部15bに対し脚長手方向に移動可能とされる足支持部15cと、前記脚受部15bに内蔵され、前記エアポンプ70による空気の給排で膨縮動作する施療機構としての脚用エアセル75、76、77、78と、前記足支持部15cに内蔵され、前記エアポンプ70による空気の給排で膨縮動作する施療機構としての足側部エアセル79a、79b、79c、79dとを備える構成である。
【0041】
脚支持部15のうち脚受部15bは、被施療者の脚が入る凹状部分を生じさせた略半円筒状に形成され、座部12前端に取付けられた基礎部15aに対し脚長手方向へ移動可能に配設される構成である。脚受部15bの凹状部分を挟んで対向する側面部には、脚用エアセル75、76、77、78が、膨張状態で左右の脚のふくらはぎ部分をそれぞれ押圧してマッサージが行えるように、左右各々で対をなす配置として内蔵される。
この脚支持部15には、脚用エアセル75、76、77、78の他、脚長手方向に移動しつつ脚を押圧するローラ等の他の施療機構を配設するようにしてもかまわない。
【0042】
被施療者は、左右の脚受部15bにそれぞれ左右の脚をふくらはぎ部分を中心として支持させ、また、足支持部15cに足を付けて支持させることとなる。この支持状態で、左右でそれぞれ脚を挟んで対向する脚用エアセル75、76、77、78をいずれも膨張させると、脚のふくらはぎ部分を両側から押圧して挟持できる仕組みである。すなわち、脚用エアセル75、76、77、78は、膨張状態の押圧力を利用して脚を挟持し、脚の想定外の動きを抑える挟持手段としての機能も有する。
【0043】
前記脚支持部アクチュエータ15dは、前記座部アクチュエータ12dと同様、固定部分に対し可動部分を直線移動させることで全体として所定範囲内で伸縮して長さを変化させる機構を有する、公知のリニアアクチュエータである。
【0044】
この脚支持部アクチュエータ15dは、座部12の下側で且つ基台部11の内側に生じた空隙部分に位置して、基礎部15aの傾動中心から所定寸法離れた裏面側の所定箇所に一端部を傾動可能として連結される一方、他端部が背もたれ部フレーム16下部の横フレーム16aに傾動可能として連結される。
【0045】
そして、脚支持部アクチュエータ15dは、伸縮による長さの変化に伴って、基礎部15aと背もたれ部フレーム16下部との間隔を変え、脚支持部15を背もたれ部13に対し傾動させることで、結果として脚支持部15を座部12や基台部11に対しても傾動させる構成である。この脚支持部アクチュエータ15dには、一般的なリニアアクチュエータの場合と同様、固定部分に対する可動部分の移動量、すなわちアクチュエータ全体としての伸縮量を検出するエンコーダ等の検出手段が併設される。
【0046】
脚支持部15は、脚支持部アクチュエータ15dの伸縮動作により、基礎部15aの座部12前端部への軸支部分を中心として傾動し、傾斜角度を変化させる仕組みである。脚支持部15の傾動に際し、脚支持部アクチュエータ15dの伸縮量を検出することで、制御部40で背もたれ部13に対する脚支持部15の傾動状態を取得し、これと背もたれ部アクチュエータ13dの伸縮量から求めた背もたれ部13の傾斜角度、及び、座部アクチュエータ12dの伸縮量から求めた座部12の傾斜角度とを組合わせることで、脚支持部15の座部12や基台部11に対する傾動状態を把握することができる。
【0047】
前記足支持部15cは、脚受部15bの先端部に位置しており、脚受部15bに連結して配設されている。被施療者が着座した場合、足支持部15cが被施療者の足を左右方向、下方向、及び後方向から覆うようにして支持する。足支持部15cには足側部エアセル79a、79b、79c、79dが左右の各足を挟んで対をなすように配設されている。
【0048】
足支持部15cに足を付けた支持状態で、左右でそれぞれ足を挟んで対向する足側部エアセル79a、79b、79c、79dをいずれも膨張させると、被施療者の足首より先の足部分を両側から押圧して挟持できる仕組みである。すなわち、足側部エアセル79a、79b、79c、79dは、膨張状態の押圧力を利用して足を挟持し、足を足支持部15cに保持する足挟持手段としての機能も有する。
【0049】
足側部エアセル79a、79b、79c、79dが被施療者の足を狭持して、足を足支持部15c上に保持固定した状態で、座部アクチュエータ12dを伸長させ、座部12を上向きに傾動させ、且つ脚支持部15における足支持部15cを脚受部15bなど脚支持部15の他部分に対し座部12から遠ざかる方向に移動させると、足首部分に伸びによるストレッチ効果を付与できる。すなわち、脚支持部15を用いて足首へのストレッチ施療を行える仕組みとなっている。
【0050】
この足支持部15cを移動させる際、脚用エアセル75、76、77、78を膨張させて脚の脹脛部分を挟持して足首より上側を動かないようにすれば、足支持部15cを移動させる際に足首より上側部分の伸びを抑えられ、足首のストレッチのみを集中して行え、効率よくストレッチを実行できる点で好ましい。
【0051】
こうして、脚支持部15の足支持部15cを脚支持部15の他部分に対し脚長手方向に移動させる機構としては、足支持部15cの脚受部15bに対する位置変化?を検出するための変位検出手段を備えた足支持部アクチュエータ18を用い、この足支持部アクチュエータ18の作動を制御部40で制御するようにしている。この足支持部アクチュエータ18は、モータや流体圧シリンダなどの公知のアクチュエータに、前記変位検出手段としての公知のエンコーダ等を一体化したものであり、詳細な説明を省略する。
【0052】
前記座部アクチュエータ12d、背もたれ部アクチュエータ13d、及び脚支持部アクチュエータ15dは、それぞれ独立して作動するものであり、例えば、座部12を傾動させながら、背もたれ部13のリクライニング角度を変化させることができる。各アクチュエータを同時に作動させて各部を速やかに所望の傾斜状態に移行させるのが、施療開始までの時間を短縮できる点で好ましい。
【0053】
また、座部アクチュエータ12dで座部12を傾動させる場合、背もたれ部アクチュエータ13dが作動停止状態を維持していると、座部12のみの傾動だけでなく、背もたれ部13も基台部11に対し傾動し、座部12との相対位置関係はそのままで背もたれ部13のリクライニング角度が変化することとなる。同様に、脚支持部アクチュエータ15dが作動停止状態を維持していると、脚支持部15も背もたれ部フレーム16下部との間隔を変えずに、座部12や背もたれ部13と共に傾動して、基台部11に対する傾斜角度を変化させ、脚支持部15の水平面に対する角度が変化することとなる。
【0054】
前記リモコン30は、マッサージ機に対する各種操作入力を受付ける多数のスイッチや表示部を備え、マッサージ機1の側部におけるスタンド31に着脱自在に設置され、マッサージに係る操作入力を制御部40に送信するものである。なお、リモコン30のスイッチや表示部の位置を被施療者にとって最適位置とするために、スタンド31の位置は調整可能となっている。
【0055】
前記制御部40は、あらかじめ被施療者の身体各部位置検出を実行して得られた検出結果に基づいて、施療機構やマッサージ機の他の各可動部分を被施療者に対応した状態に調整すると共に、施療機構や他の各可動部分に対し、リモコン操作やあらかじめ記録設定された施療内容、また前記検出結果の情報に基づいて、適切な施療の実行のための制御を行うものである。
【0056】
この制御部40は、そのハードウェア構成として、CPUやメモリ、入出力インターフェース等を備えるコンピュータとなっており、メモリ等に格納されるプログラムにより、コンピュータを制御部40として動作させる仕組みである。この制御部40をなすコンピュータは、CPUやメモリ、ROM等を一体的に形成されたマイクロコンピュータとしてもかまわない。
【0057】
この制御部40をなすコンピュータのユニットは、座部12直下等のマッサージ機1内部の所定のスペースに配設され、リモコン30と通信可能な状態とされると共に、メカユニット50の各種モータや、座部12や背もたれ部13、脚支持部15を傾動させる各アクチュエータ、エアポンプ70とそれぞれ電気的に接続され、被施療者の身体各部位置検出の際にはあらかじめ設定された位置検出用プログラムに基づく制御信号出力により、また、マッサージ実行の際には設定されたマッサージのデータに基づく制御信号出力により、これらの駆動機構の作動を制御する。
【0058】
加えて、制御部40は、メカユニット50や各アクチュエータの変位量を出力するエンコーダ等の信号出力手段とも電気的に接続されており、メカユニット50の状態や、座部12、背もたれ部13、及び脚支持部15の傾斜等の状態を把握しつつ、モータやアクチュエータ等の駆動手段の作動制御を行うこととなる。
【0059】
この他、制御部40は、公知のマッサージ機と同様に、マッサージに先立つ被施療者の身体各部位置検出として、メカユニット50を制御し、メカユニット50を背もたれ部13における初期位置からガイドレール20に沿って移動させ、揉み玉51を被施療者に沿って動かす過程で、背もたれ部13にもたれた被施療者側からの揉み玉51に対する圧力の変化や揉み玉51の傾き変化等を順次取得し、この情報に基づいて、被施療者の肩位置、背骨のライン、腰位置を検出することもできる。
【0060】
次に、本実施形態に係るマッサージ機での被施療者の足首のストレッチ施療における各部の動作について説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動して、被施療者の体重や体形検出などのマッサージ開始前の準備動作や、背もたれ部13のリクライニング角度調整、脚支持部の角度調整や長さ調整(足支持部のみの長さ調整も含む)等が完了し、さらに、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力されて、種々のマッサージ動作を実行する中で、制御部40が足首に対するストレッチ施療を実行しようとしているものとする。
【0061】
そして、制御部40は、足首のストレッチ施療に係る各部の作動制御開始前に、座部12の水平面に対する傾斜角度が、施療に係る座部の傾斜角度調整範囲の最小角度、すなわち、座部上に安定的に被施療者を保持可能な最小限の傾斜角度である10〜15°の角度、となっていない場合には、座部アクチュエータ12dを作動させ、座部12をその傾斜角度が前記最小角度となるまで傾動させる。
【0062】
制御部40は、足首に対するストレッチ施療を実行するにあたり、まず、脚支持部アクチュエータ15dを作動させる。すなわち、脚支持部アクチュエータ15dを作動させて伸長させ、脚支持部アクチュエータ15d一端部で脚支持部15の基礎部15a裏面側を押して、脚支持部15を上向きに傾動させる。制御部40は、施療に対応してあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、座部12と脚支持部15とのなす角度が135°ないし147°の範囲内となる所定の傾斜角度、あるいは、作動開始時の傾斜角度から脚支持部上昇方向へ所定角度(例えば10°)進んだ傾斜角度、まで脚支持部15が上向きに傾動したら、脚支持部アクチュエータ15dの作動を停止させる(図5参照)。このように、脚支持部15を上向きに傾動させて座部12と脚支持部15とのなす角度を大きくしていることで、脚の膝での曲りが小さくなり、足支持部15cと足裏との位置関係はより近付いた状態となる。
【0063】
足支持部15cと足裏とを近付ける動作としては、上述の動作の他に、脚支持部15の傾動と共に、あるいはこの傾動に代えて、制御部40は脚支持部15の足支持部アクチュエータ18を作動させ、足支持部15cを座部12に近づく側へ少し移動させる制御を行うようにしてもよい。
【0064】
このように、足支持部15cと足裏の位置関係が、使用者によって設定された作動開始時の状態よりも近付いた状態となったら、制御部40は、脚支持部15の足支持部15cで足の両側に位置する各足側部エアセルへの給気を実行して足側部エアセルを膨張させる。この足側部エアセルの膨張に伴い、足がエアセルで両側からより良好に挟持され、足支持部15cと一体に保持されることとなる。
【0065】
なお、座部12と脚支持部15とのなす角度を大きくするほど、足を足支持部15cに近付けられることから、脚支持部アクチュエータ15dの作動による脚支持部15の傾動範囲を大きくして、座部12と脚支持部15とのなす角度を180°あるいはその近傍の角度とすれば、足を最大限足支持部15cに近付けることができ、脚の長さの違いに関わりなく、足側部エアセルによる足の挟持が容易且つ確実に行えることとなる。
【0066】
このような動作は、足首のストレッチ施療の場合により好適なものとなるが、足首のストレッチ施療以外でも、例えば、足裏への施療に関わる動作を行う際に、このような動作を事前に自動的に実行するようにすれば、確実に足裏と足支持部の密着力を向上させた足裏施療が行え、都合がよい。
【0067】
足を保持する際、必要に応じて、制御部40は、脚支持部15で脚の両側に位置する各脚用エアセルへの給気を実行してエアセルを膨張させる。この脚用エアセルの膨張に伴い、脚のふくらはぎ部分がエアセルで両側から挟持され、脚受部15bに拘束されることとなる。
【0068】
続いて、制御部40は、座部アクチュエータ12dを作動させて伸長させ、座部アクチュエータ12d一端部で座部12の座部フレーム12b前部を押上げて、座部12を上向きに傾動させる。制御部40は、施療に対応してあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、水平面に対し15°ないし37°の範囲内の所定角度、となるまで座部12が傾動したら、座部アクチュエータ12dの作動を停止させて、座部12の傾動を終了させる(図6参照)。
【0069】
そして、制御部40は、足支持部アクチュエータ18を作動させ、足支持部15cを脚支持部15の他部分に対し座部12から離れる側へ少しずつ移動させていく(図7参照)。
これにより、足支持部15cに保持された足が、足首より上側の脚に対して離され、足首にストレッチ運動のような負荷が加わる状態となり、足首の腱や、脹脛から足首にかけての筋肉の緊張状態が得られる。
【0070】
足支持部15cを移動させて足首を緊張状態とする際、座部12を比較的大きな傾斜角度で前部が上になるように傾斜させていることで、身体のずれが生じにくく、所望の施療箇所に施療を行う状態を確実に維持して、安定した効率のよい施療が行える。
【0071】
制御部40は、足支持部15cを所定距離移動させたら、足支持部アクチュエータ18の作動を停止させて、足首の緊張状態を所定時間維持し、さらに、逆向きにアクチュエータを作動させて、緊張状態を解放する。そして、必要に応じて、これら足首を緊張状態としてから解放するまでの過程を繰返し実行させる。あらかじめ設定された一又は複数回の緊張状態を足首に与えたら、施療終了となる。
【0072】
なお、足を保持する際、制御部40は、必要に応じて、脚支持部15における各脚用エアセルを膨張させ、ふくらはぎ部分を挟持、拘束するようにしているが、これに代えて、腰部分や大腿部を挟持して拘束してもよい。もちろん、このような拘束を行わなくても、座部12を比較的大きな傾斜角度で前部が上になるように傾斜させていることで、足支持部15cを他部分から離すように動かしても、身体のずれは生じにくい。
【0073】
このように、本実施形態に係るマッサージ機は、基台部11上で傾動可能とされる座部12に対し、その前側で傾動可能に配置されて脚を支持する脚支持部15が、被施療者の足部分に対応した足支持部15cを有し、被施療者の足部分を足側部エアセルで挟持して足支持部15cに保持した状態で、制御部40が足支持部アクチュエータ18を作動させ、足支持部15cを他部分から離すように動かして、足部分を引張る状態を生じさせる。これにより、足首が伸され、足首にストレッチ運動のような負荷が加わって、足首の腱や、脹脛から足首にかけての筋肉の緊張状態が得られることとなり、脚支持部15上で効率よく足首のストレッチに係る施療を実行でき、被施療者に対し優れた施療効果をスムーズに付与できる。
【0074】
また、座部アクチュエータ12dの作動で座部12の傾斜角度を調整可能とし、足支持部15cを動かして足部分を引張る状況では、座部12を傾動させて脚が上がる十分な傾斜角度まで傾斜させていることで、着座した被施療者の重心が背もたれ部13寄りに移って、被施療者の背中や腰部が背もたれ部13により強く密着する安定した着座姿勢となり、被施療者の姿勢のずれを招くことなく施療を実行できることとなり、座部12の傾斜角度がより小さい場合のように、被施療者の動きに伴って容易に身体が本来あるべき位置からずれて、適切に施療を受けられる姿勢をとりにくい状態に陥ることが無く、被施療者における所望の施療対象部位、すなわち足首に確実に施療を行える。
【0075】
(本発明の参考となる第2の実施形態)
本発明の参考となる第2の実施形態に係るマッサージ機を前記図8ないし図10に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機は、前記第1の実施形態同様、椅子をなす各部とこれらを傾動させるアクチュエータ、各種の施療機構、及び、これらの作動を制御する制御部等を備える構成とされる一方、異なる点として、制御部40が、座部12と脚支持部15を傾動させて足を高くした状態で、背もたれ部13も倒す向きに傾動させて、被施療者の足を心臓の位置より高くした施療姿勢を得て、被施療者の下半身部分を対象とする所定の施療を実行するものである。
なお、座部の傾動と共に背もたれ部を傾動させて、被施療者をその足が心臓より高くなる所定の施療姿勢とする、各部の傾動調整に係る制御以外の点については、前記第1の実施形態の場合と同じであり、詳細な説明を省略する。
【0076】
マッサージ機の施療で下半身のむくみ改善を目的とする場合、足が心臓より低い位置であると、むくみ改善に係る施療効果、すなわち、体内水分を上半身側へ向わせる効果が不十分となる問題があるため、足の位置を高くする必要がある。しかしながら、単純に足を支持する部位の配置を変えて足の位置を高くしようとすると、被施療者にとって無理のある姿勢となることから、本実施形態では、足が心臓より高くなる状態としつつ、被施療者にとって無理のない最適な姿勢が得られるように、制御部40が各部の傾斜角度を調整した上で、施療を実行する。
【0077】
具体的には、制御部40は座部アクチュエータ12dを作動させ、座部12の傾斜角度を大きくすると共に、脚支持部アクチュエータ15dを作動させ、脚支持部15を座部12より高い位置まで傾動させて(図8参照)、被施療者の脚が高く上がった状態とする。また、制御部40は背もたれ部アクチュエータ13dを作動させ、背もたれ部13を後方に倒して、座部12と背もたれ部13とのなす角度を大きくし、被施療者の上半身位置を相対的に低くすることで、足を心臓より高い位置とする。
【0078】
この場合、脚は座部12の傾斜に伴い背もたれ部側へ落込み気味となり、脚のずれが生じるのに伴い、足の裏が足支持部15cから離れて、足が浮いた不安定な状態となりやすい。このため、座部12や脚支持部15の傾動に合わせて、制御部40は足支持部アクチュエータ18を作動させて足支持部15cの位置を調整し、足裏と足支持部15cとが離れないようにする(図10参照)。
こうして各部の傾動で脚を上げ、足を心臓より高くした後、制御部40は通常のマッサージコースに沿ったマッサージを実行させるなど、施療状態に移行することとなる。
【0079】
次に、本実施形態に係るマッサージ機での施療のための各部の動作について説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動して、被施療者の体重や体形検出などのマッサージ開始前の準備動作や、背もたれ部13のリクライニング角度調整等が完了し、さらに、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力されて、種々のマッサージ動作を実行する中で、制御部40が下半身のむくみ改善を目的とする施療を実行しようとしているものとする。
【0080】
制御部40は、まず、座部アクチュエータ12dを作動させて伸し又は縮め、座部アクチュエータ12d一端部で座部12の座部フレーム12b前部を上下いずれかに移動させて、座部12を施療に対応してあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、水平面に対し33°ないし37°の範囲内の所定角度、となるまで傾動させる。
【0081】
また、背もたれ部13についても、制御部40は背もたれ部アクチュエータ13dを作動させて伸し又は縮め、背もたれ部アクチュエータ13dで座部12前部に対し背もたれ部13の下部を前方又は後方に相対移動させて、背もたれ部13をあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、座部12と背もたれ部13とのなす角度が121°ないし128°の範囲内になる所定の傾斜角度、となるまで傾動させる。なお、基台部11に対する座部12や背もたれ部13の傾斜角度が調整されるとしても、背もたれ部13と座部12とのなす角度が、調整の前後で変化しないことが見込める場合には、制御部40は背もたれ部アクチュエータ13dを作動させず停止状態として、座部アクチュエータ12dのみ作動させれば、停止した背もたれ部アクチュエータ13dを介して、座部12の傾動に背もたれ部13が連動し、背もたれ部13は座部12との相対位置関係を維持したまま傾動して、所望の角度に到達できる。
【0082】
さらに、脚支持部15についても、制御部40は脚支持部アクチュエータ15dを作動させて伸し又は縮め、脚支持部アクチュエータ15dで脚支持部15を背もたれ部13下部に対し前方又は後方に相対移動させて、脚支持部15をあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、座部と脚支持部とのなす角度が143°ないし180°の範囲内になる所定の傾斜角度、となるまで傾動させる。
【0083】
なお、基台部11に対する背もたれ部13や脚支持部15の傾斜角度が調整されるとしても、脚支持部アクチュエータ15dの各端部がそれぞれ連結される背もたれ部フレーム16下部と脚支持部15との間隔が、調整の前後で変化しないことが見込める場合には、制御部40は脚支持部アクチュエータ15dを作動させず停止状態として、背もたれ部アクチュエータ13dのみ作動させれば、停止した脚支持部アクチュエータ15dを介して、背もたれ部13の傾動に脚支持部15が連動し、脚支持部15は背もたれ部フレーム16下部との間隔を維持したまま傾動して、所望の角度に到達できる。
座部12及び脚支持部15と、背もたれ部13の各傾動により、被施療者の足が心臓より高い位置とした状態が得られる(図9参照)。
【0084】
一方、脚が上がった状態となると、脚の下方へのずれに伴い、そのままでは足裏と足支持部15cとの間に隙間が生じて足が浮いた状態となるので、脚支持部アクチュエータ15dの作動と同時又は時間をずらして、制御部40は脚支持部15の足支持部アクチュエータ18を作動させ、足支持部15cを脚支持部15の他部分に対し座部12に近づく側へ移動させ、足支持部15cが被施療者の足裏に接触するようにその位置を調整する(図10参照)。これにより足裏と足支持部15cとの間に隙間が生じず、足が浮いた状態とならず安定した状態で施療が行える。
【0085】
こうして各部の傾斜角度が調整されて被施療者の足が心臓より高い位置となった後、制御部40は、被施療者により選択されたマッサージコースに対応した、各施療機構によるマッサージ動作を脚に対し行わせて、むくみの改善を促す。あるいは、足が心臓より高い位置となった後、制御部40は各アクチュエータの作動を所定時間停止させて、被施療者の足を高くした姿勢を所定時間保持させ、脚から心臓に向う自然な血流を促し、続いて脚用エアセルや足側部エアセルを膨縮させて、血流を心臓側へ向わせるポンプの役割を果させるなどの、むくみ改善に対応して各機構を作動させる特別の施療を実行する。
【0086】
このように、本実施形態に係るマッサージ機は、足位置を高くする際に座部12を傾動させて、その水平面に対する傾斜角度を大きくすることで、足が高い位置となっても脚が支えられて無理な姿勢とならず、効果的にむくみ改善を補助できる。
【0087】
(本発明の参考となる第3の実施形態)
本発明の参考となる第3の実施形態に係るマッサージ機を前記図11ないし図13に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機は、前記第1の実施形態同様、椅子をなす各部とこれらを傾動させるアクチュエータ、各種の施療機構、及び、これらの作動を制御する制御部等を備える構成とされる一方、異なる点として脚支持部15で被施療者の足裏に面する足支持部15cに、被施療者の足裏に対し刺激を与える施療機構としての足裏エアセル79eが配設され、制御部40が、座部12と脚支持部15を傾動させて足を高くした状態で、被施療者の足裏に対し足支持部15cの足裏エアセル79eから刺激を加える施療を実行するものである。
なお、足支持部15cに足裏に対する施療機構を設けると共に、この施療機構を用いた足裏への施療に係る制御を行う点以外については、前記第1の実施形態の場合と同じであり、詳細な説明を省略する。
【0088】
前記足支持部15cは、前記第1の実施形態同様、足側部エアセル79a、79b、79c、79dを備えることに加えて、被施療者の足を支持する状態でその足裏に面する部位に、前記エアポンプ70による空気の給排で膨縮動作する施療機構としての足裏エアセル79eを、左右の足ごとに配設される構成である。これら足裏エアセル79eは、膨張状態で左右の足の足裏部分をそれぞれ押して押圧刺激によるマッサージが行えるように、左右で対をなす配置として内蔵される。
この足支持部15cには、足裏エアセル79eに代えて、あるいは足裏エアセルと共に、回動及び/又は足の長手方向に移動しつつ足裏を押圧するローラ等の他の施療機構を配設するようにしてもかまわない。
【0089】
次に、本実施形態に係るマッサージ機における足裏への刺激を加える施療について説明する。まず、施療機構としての足裏エアセル79eを作動させるのに先立ち、制御部40は、座部12の傾斜角度調整と脚支持部15の傾斜角度調整とで、被施療者の脚を適宜曲げた状態とする。
【0090】
足支持部15cと足裏との位置関係に着目すると、脚をまっすぐ伸すように座部12や脚支持部15の傾斜角度を設定した状態が、最も足裏と足支持部15cが接近し、逆に、脚を曲げる度合を大きくすると、その分足裏が足支持部15cから離れることとなる。
【0091】
すなわち、座部12の傾動で座部12の水平面に対する上向きの傾斜角度を大きくして脚を上げる一方、座部12と脚支持部15とのなす角度を小さくして脚の膝での曲りが大きい状態とすると、その分、脚支持部15上で脚の膝から下部分が膝寄りにずれる状態となり、足裏が足支持部15cから離れ、施療強度を緩和できる(図11参照)。また、座部12の傾動で座部の水平面に対する上向きの傾斜角度を小さくして、脚の上がりを小さくする一方、座部12と脚支持部15とのなす角度を大きくして脚の膝での曲りが小さい状態とすると、脚支持部15上で足が足支持部15cに近付き、足裏への施療強度をより強くすることができる(図12参照)。
【0092】
制御部40は、座部12の傾斜角度を適宜調整しつつ傾動させて、足裏エアセル79eを作動させた場合に、足裏への押圧刺激が適切なものとなるよう、使用者の操作に基づいて足支持部15cと足裏との位置関係を調整する。
こうした調整の後、足裏エアセル79eを作動させると、足支持部15c側から足裏に、調整を経て被施療者にとり好ましい適切な強度とされた刺激が加わることとなる。
【0093】
施療中も、必要に応じて、刺激の強度を変化させる場合、使用者の操作に基づいて、制御部40は座部アクチュエータ12dを作動させて伸長させ、座部12を上向きに傾動させて傾斜角度を大きくし、足裏を足支持部15cから離れるようにして刺激を緩和したり、逆に、座部アクチュエータ12dを作動させて縮め、座部12を下向きに傾動させて傾斜角度を小さくし、足裏を足支持部15cに近付けるようにして刺激を強くしたりすることができる(図13参照)。
【0094】
脚支持部15で脚を支持された状態では、脚の長い人ほど、足支持部15cに足裏が近付くこととなるため、そのまま足裏に刺激を加える施療を行おうとすると、脚が長い場合には足裏への刺激が過大となるおそれがあるものの、本実施形態のように、施療の前に座部12の傾斜角度を変えて、足支持部15cと足裏との位置関係を調整できることにより、脚の長さに関わりなく、適切な刺激強度で施療を行うことができる。
【0095】
なお、脚支持部15は、座部12や背もたれ部13とアクチュエータを介して連結されており、各アクチュエータの停止状態で座部12の傾動と連動する。すなわち、座部12を上向きに傾動させると、脚支持部15は基台部11に対しては座部12と共に傾動する一方、座部12に対しては座部12と脚支持部15とのなす角度を小さくするように相対的に傾動して脚の曲りを大きくする。一方、座部12を下向きに傾動させると、脚支持部15は座部12に対して座部12と脚支持部15とのなす角度を大きくするように相対的に傾動して脚の曲りを小さくする。脚の曲りが大きいと足は足支持部15cから離れようとし、逆に脚の曲りが小さいと足は足支持部15cに近付こうとすることから、脚支持部15は、非作動状態のアクチュエータを介した連動のみでも座部12の傾動による足の動きをより促すように傾動することとなる。よって、必ずしも座部12の傾動に合わせて脚支持部アクチュエータ15を作動させなくてもかまわない。
【0096】
(本発明となる第4の実施形態)
本発明となる第4の実施形態に係るマッサージ機を前記図14及び図15に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機は、前記第1の実施形態同様、椅子をなす各部とこれらを傾動させるアクチュエータ、各種の施療機構、及び、これらの作動を制御する制御部等を備える構成とされる一方、異なる点として、制御部40が、座部12と背もたれ部13とのなす角度を小さくするようにこれらを傾動させて、被施療者を適切な姿勢とした後、座部12と背もたれ部13を逆向きに傾動させ、且つメカユニット50を作動させて揉み玉51を突出状態として、被施療者の腰部を伸すストレッチ施療を実行するものである。
なお、この腰部のストレッチを目的とした座部12と背もたれ部13の傾動、及びメカユニット50の作動に係る制御以外の点については、前記第1の実施形態の場合と同じであり、詳細な説明を省略する。
【0097】
マッサージ機において背もたれ部13を大きく倒した状態で、背もたれ部13の腰用エアセル74を大きく膨張させて腰を下から強く押し上げたと仮定すると、下から押された腰が伸び、腰にストレッチの効果を与えられることが期待できる。しかしながら、実際のエアセルによる押圧では圧力が分散して押し上げ量が不足し、また、背もたれ部13を大きく倒しているため、被施療者は寝た姿勢に近くなって体圧が分散しており、被施療者は施療で受ける力や被施療者自らの動きに伴って容易にずれやすく、腰部が浮くなど身体をマッサージ機上に保持しにくくなっていた。本実施形態では、腰が適切に施療を受けられる位置となるように、制御部40が座部12と背もたれ部13を傾動させ、位置決めの後、被施療者の姿勢を維持しつつ、ストレッチの施療を実行する。
【0098】
具体的には、制御部40は座部アクチュエータ12dを作動させ、座部12の傾斜角度を大きくすると共に、背もたれ部アクチュエータ13dを作動させ、背もたれ部13を座部12と背もたれ部のなす角度が小さくなる向きに傾動させて起し、被施療者の腰部が座部12と背もたれ部13との間に生じたくぼみ部分に落ち込む状態とする(図14参照)。
【0099】
次いで、制御部40は座部アクチュエータ12dを作動させ、座部12の傾斜角度を小さくすると共に、背もたれ部アクチュエータ13dを作動させ、背もたれ部13を後方に倒して、座部12と背もたれ部13とのなす角度を大きくする(図15参照)。ただし、座部12は水平面に対し上向きに傾斜して、被施療者の脚のうち膝を腰より高くする状態を維持され、被施療者の姿勢を保持可能とされる。
一方、座部12と背もたれ部13とのなす角度を大きくするのと同時に、メカユニット50を作動させ、揉み玉51を突出状態とすることで、腰部を押し上げ、腰を伸すことが可能となっている。
【0100】
次に、本実施形態に係るマッサージ機での腰のストレッチ施療における各部の動作について説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動して、被施療者の体重や体形検出などのマッサージ開始前の準備動作や、背もたれ部13のリクライニング角度調整等が完了し、さらに、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力されて、種々のマッサージ動作を実行する中で、制御部40が腰に対するストレッチ施療を実行しようとしているものとする。
【0101】
そして、制御部40は、施療に係る各部の作動制御開始前に、座部12の水平面に対する傾斜角度が、施療に係る座部の傾斜角度調整範囲の最小角度、すなわち、座部上に安定的に被施療者を保持可能な最小限の傾斜角度である10〜15°の角度、となっていない場合には、座部アクチュエータ12dを作動させ、座部12をその傾斜角度が前記最小角度となるまで傾動させる。この座部12の傾斜角度が最小角度となっている座部位置が、座部12の施療に係る初期位置である。また、制御部40は、メカユニット50が被施療者の腰部近傍に存在していない場合は、メカユニット50の昇降モータ57を作動させて、メカユニット50を、背もたれ部13にもたれた被施療者の腰部近くへ移動させる。
【0102】
制御部40は、まず、施療での初期位置にある座部12に対し、座部アクチュエータ12dを作動させて伸長させ、座部アクチュエータ12d一端部で座部12の座部フレーム12b前部を押上げて、座部12を上向きに傾動させる。制御部40は、座部12を被施療者の姿勢調整のためにあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、水平面に対し33ないし37°の範囲内の所定角度、となるまで傾動させる。
【0103】
これと同時に、制御部40は、背もたれ部アクチュエータ13dを作動させて伸ばし又は縮め、背もたれ部アクチュエータ13dで座部12前部に対し背もたれ部13の下部を前方又は後方に相対移動させて、背もたれ部13を姿勢調整のためにあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、座部12と背もたれ部13とのなす角度が121ないし128°の範囲内になる所定の傾斜角度、となるまで傾動させる。
【0104】
こうして座部12の傾斜角度を大きくすると共に、座部12と背もたれ部13のなす角度を比較的小さくすることで、被施療者の身体、特に腰部を座部12と背もたれ部13との間に滑り込みやすくなり、被施療者の施療対象部位である腰位置が正しく位置決めされた状態が得られる(図14参照)。
【0105】
腰位置が定った後、制御部40は座部アクチュエータ12dを作動させて縮め、座部アクチュエータ12d一端部と連結する座部12の座部フレーム12b前部を下げて、座部12を下向きに傾動させる。制御部40は、座部12を施療に対応してあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、水平面に対し10ないし15°の範囲内の所定角度、となるまで傾動させる。
【0106】
これと同時に、制御部40は、背もたれ部アクチュエータ13dを作動させて縮め、背もたれ部アクチュエータ13dで座部12前部に対し背もたれ部13の下部を近付けることで、背もたれ部13に後方へ倒す向きの傾動成分を与えて、座部12の傾動と連動して前方へ起きる向きに傾動しようとする背もたれ部の、傾斜角度を維持するか、実際に後方へ倒す向きに所定角度分傾動させる。
【0107】
この時、脚支持部15は各アクチュエータを介して背もたれ部13や座部12の動きと連動し、仮に脚支持部アクチュエータ15dを作動させない場合、座部12や背もたれ部13の動きに伴って脚支持部15は上向きに傾動して、座部12と脚支持部15のなす角度を過度に大きくして腰のストレッチ効果を弱めることとなるため、脚支持部アクチュエータ15dを作動させて脚支持部15に下向きの傾動成分を与えるようにし、座部12と脚支持部15のなす角度があまり変らないようにすることが望ましい。
【0108】
座部12と背もたれ部13とのなす角度を大きくし、被施療者の身体が伸びる状態となるのに合わせて、制御部40は、メカユニット50の進退モータ58を作動させて揉み玉51と駆動機構部60を傾動させ、揉み玉51を、背もたれ部13にもたれた被施療者の腰部に押し付けるように、被施療者側へ突出させ、揉み玉51で腰部を押して持上げるようにして、腰のストレッチを実行する(図15参照)。
【0109】
このように、腰を正しく位置決めした状態で、腰を揉み玉で強く押して腰を押上げて伸し、ストレッチ施療を実行することで、正しい施療対象部位である腰に確実に施療効果を与えることができる。
【0110】
なお、前記実施形態に係るマッサージ機において、ストレッチの施療に係り、制御部40は、座部12を上向きに傾動させる際に、脚支持部15を傾動させる脚支持部アクチュエータ15dについては特に制御を行わない構成としているが、この他、座部12の初期位置からの上向き傾動と同時に、制御部40が、脚支持部アクチュエータ15dを作動させて伸長させ、脚支持部15を上向きに傾動させて、座部12と脚支持部15とのなす角度を大きくして脚の膝での曲りが小さい状態を得る構成とすることもできる。この場合、脚の曲りが小さいことで脚が拘束されない分、被施療者の腰部を座部12と背もたれ部13との間により滑り込みやすくすることができ、被施療者の腰位置をスムーズに位置決め可能となる。
【0111】
また、前記実施形態に係るマッサージ機においては、ストレッチの施療に係り、座部と背もたれ部の傾動とメカユニットの作動以外は、特に他の機構を作動させない構成としているが、脚の大腿部を挟持可能なエアセルを、座部12の両側に配設して、座部12と背もたれ部13を傾動させて座部12と背もたれ部13のなす角度をいったん小さくした後の、座部12と背もたれ部13のなす角度を大きくするより前の段階で、前記エアセルを膨張させて脚の大腿部を挟持させる構成とすることもできる。この場合、座部12の両側のエアセルで大腿部を挟持した状態で、座部を傾動させることで、エアセルで挟持されて座部に押え込まれる状態となった太腿部が、座部12に対し動きにくくなり、位置決めされた腰部が確実にその位置を保持されて、揉み玉で腰部を正確に押圧して腰部を伸せることとなり、腰部のストレッチ効果をより高めることができる。
【0112】
同様に、被施療者の肩部分を押圧するエアセルを、背もたれ部13の両側に配設して、このエアセルを膨張させて肩部分を背もたれ部に押付けて保持する構成とすることもでき、座部の傾動に際し、エアセルで肩を押えられることで上半身が背もたれ部13に対し動きにくくなり、位置決めされた腰部を確実にその位置に保持できることとなる。
【0113】
(本発明の参考となる第5の実施形態)
本発明の参考となる第5の実施形態に係るマッサージ機を前記図16及び図17に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機は、前記第1の実施形態同様、椅子をなす各部とこれらを傾動させるアクチュエータ、各種の施療機構、及び、これらの作動を制御する制御部等を備える構成とされる一方、異なる点として、制御部40が、座部12を上向きに傾動させて、被施療者を適切な姿勢とした状態で、肘掛部14のエアセル14a、14bを膨張させて前腕部を保持し、続いて背もたれ部13を後方に傾動させて倒し、被施療者の身体も後方に倒すことで、被施療者の腕を伸すストレッチ施療を実行するものである。
なお、この腕部のストレッチを目的とした座部12と背もたれ部13の傾動、及び肘掛部14のエアセル14a、14bの作動に係る制御以外の点については、前記第1の実施形態の場合と同じであり、詳細な説明を省略する。
【0114】
座部12と一体となっている肘掛部14に対し、背もたれ部13を後方に倒す、すなわちリクライニング角度を大きくすると、背もたれ部13にもたれた被施療者の身体も後方に動くこととなり、特に何も行わない場合、肘掛部14上に載せた腕も身体の動きに伴って後方へずれようとする。これに対し、背もたれ部13を後方に倒すのに先立って、肘掛部14に設けたエアセル14a、14bを膨張させて前腕部を押圧し、肘掛部14上に保持するようにすれば、背もたれ部13を傾動させた際、身体と共に後方に動こうとする腕の上腕部に対し、肘掛部14上に保持された前腕部がその位置を維持しようとすることで、腕は相対的に前方へ引張られる状態となり、腕には伸びによるストレッチ効果を付与できる。
【0115】
次に、本実施形態に係るマッサージ機での腕のストレッチ施療における各部の動作について説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせ、腕部を肘掛部14に載せた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動して、被施療者の体重や体形検出などのマッサージ開始前の準備動作や、背もたれ部13のリクライニング角度調整等が完了し、さらに、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力されて、種々のマッサージ動作を実行する中で、制御部40が腕のストレッチ施療を実行しようとしているものとする。
【0116】
制御部40は、まず、座部12について、座部アクチュエータ12dを作動させて伸ばし又は縮め、座部アクチュエータ12d一端部で座部12の座部フレーム12b前部を上下いずれかに移動させて、座部12を施療に対応してあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、水平面に対し15ないし37°の範囲内の所定角度、となるまで傾動させる。
【0117】
また、背もたれ部13についても、制御部40は背もたれ部アクチュエータ13dを作動させて伸ばし又は縮め、背もたれ部アクチュエータ13dで座部12前部に対し背もたれ部13の下部を前方又は後方に相対移動させて、背もたれ部13をあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、座部12と背もたれ部13とのなす角度が115ないし128°の範囲内になる所定の傾斜角度、となるまで傾動させる。
【0118】
座部12の傾動に伴い、前腕部を載せた肘掛部14も傾動して、前腕部は適切な向きで身体の前方に位置することとなる。この前腕部に対し、肘掛部14における前腕部用のエアセル14a、14bを膨張させて前腕部を押圧し、前腕部を肘掛部14に保持する(図16参照)。
【0119】
こうしてエアセル14a、14bで前腕部を肘掛部14に保持したら、制御部40は、背もたれ部アクチュエータ13dを作動させて縮め、背もたれ部アクチュエータ13dで座部12前部に対し背もたれ部13の下部を引寄せることで、背もたれ部13を後方へ傾動させて倒す(図17参照)。なお、背もたれ部13を傾動させるのに先立って、座部12を比較的大きな傾斜角度で前部が上になるように傾斜させていることで、身体のずれが生じにくく、安定した効率のよい施療が行える。
【0120】
この背もたれ部13のさらなる傾動により、被施療者の身体がより後ろ側に倒れることとなり、腕部も身体と共に後方へずれようとするが、前腕部を肘掛部14に保持されていることから、腕は相対的に前方へ引張られる。これにより、腕にはストレッチ運動のような負荷が加わる状態となり、腕の各部は伸され、腕のストレッチ運動を行うのと同等の効果が生じることとなる。
この時の背もたれ部13の傾斜角度は、座部12と背もたれ部13とのなす角度が大きいほどストレッチの施療強度が大きくなるため、与えたいストレッチの施療強度に合わせて適宜調整される。
【0121】
また、座部12と肘掛部14を傾動させて適切な傾斜角度としていることに加え、背もたれ部13を後方に傾動させて被施療者の身体の位置をずらすことで、肘掛部14で保持される前腕部が腕の付け根側に対し上方に位置することとなり、腕自体の重みも負荷となることから、腕をより効率よく伸すことができる。
【0122】
なお、前記実施形態に係るマッサージ機においては、肘掛部14に配設したエアセル14a、14bを膨張させて前腕部を保持しつつ、背もたれ部13を傾動させて倒し、被施療者の腕を伸すストレッチ施療を実行する構成としているが、この他、図18に示すように、肘掛部14の腕長手方向にエアセルを複数配設し、前方側(指先側)のエアセル14c、14dの組と後方側(肘側)のエアセル14e、14fの組の膨縮を制御部40でそれぞれ別に制御するようにして、座部や背もたれ部の傾斜角度の制御と合わせて、腕に対する施療のバリエーションを増やす構成とすることもできる。
【0123】
この場合も、前方側のエアセル14c、14dの組と、後方側のエアセル14e、14fの組とのいずれか一方、又は両方を給気により膨張させ、腕を押圧した状態で、前記同様に背もたれ部13を後方へ傾動させて倒すと、腕のエアセルで押圧された箇所が肘掛部14上に保持されるのに対し、腕のより後方側の部位が、背もたれ部13の傾動による身体の移動に伴って後方に移動しようとすることで、腕は相対的に前方へ引張られる状態となる。こうして、腕の各部が伸され、腕のストレッチ運動を行うのと同等の効果が生じることとなる。
【0124】
さらに、前方側のエアセル14c、14dの組を給気により膨張させ、腕を押圧させると共に、背もたれ部13を後方へ傾動させて倒し、前記同様の腕が相対的に前方へ引張られる状態とする一方で、後方側のエアセル14e、14fの組については、給排気によるエアセルの膨縮を繰返させるようにしてもよい。これにより、腕にストレッチ運動のような負荷を加えつつ、エアセル14e、14fによる押圧刺激が腕に繰返し加わることとなり、こうした腕マッサージの併用でストレッチの施療効果をより一層高めることができる。
【0125】
加えて、肘掛部14の前方側のエアセル14c、14dによる保持で、腕を上向きで支えられる姿勢とした上で、後方側のエアセル14e、14fの給排気による膨縮を繰返させて、腕を断続的に押圧していることで、ポンプのように腕付け根側へ向うリンパの流れを促進して、リンパマッサージとしての効果も高められる。
【0126】
(本発明の参考となる第6の実施形態)
本発明の参考となる第6の実施形態に係るマッサージ機を前記図19ないし図21に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機は、前記第1の実施形態同様、椅子をなす各部とこれらを傾動させるアクチュエータ、各種の施療機構、及び、これらの作動を制御する制御部等を備える構成とされる一方、異なる点として、制御部40が、座部12を上向きに傾動させて、被施療者を適切な姿勢とした状態で、脚支持部15の脚用エアセルを膨張させて脚を挟持し、続いて脚支持部15を上向きに傾動させると共に、脚受部15bを座部12から離れる向きに移動させることで、被施療者の脚裏部を伸すストレッチ施療を実行するものである。
なお、この脚裏部のストレッチを目的とした座部12と脚支持部15の傾動、及び脚受部15bの移動に係る制御以外の点については、前記第1の実施形態の場合と同じであり、詳細な説明を省略する。
【0127】
脚用エアセル75、76、77、78が被施療者の脚を狭持して、脚を脚支持部15上に保持固定した状態で、脚支持部アクチュエータ15dを伸長させ、脚支持部15を上向きに傾動させ、且つ脚支持部15における脚受部15bを基礎部15aに対し座部12から遠ざかる方向に移動させると、脚の裏側部分に伸びによるストレッチ効果を付与できる。すなわち、脚支持部15を用いて脚裏部へのストレッチ施療を行える仕組みとなっている。
【0128】
脚支持部15の傾動においては、脚を脚支持部15上に拘束するだけではなく、脚を挟持している脚受部15bの位置を座部12から離れる向きに適宜移動させて、脚の曲り具合を調整することで、膝に無理な力が加わらないようにして膝の浮上がりを確実に抑え、脚のストレッチ効果をより高めることができる。
【0129】
こうして、脚支持部15の脚受部15bを基礎部15aに対し脚長手方向に移動させる機構としては、脚受部15bの基礎部15aに対する位置変化を検出するための変位検出手段を備えた脚受部アクチュエータ19を用い、この脚受部アクチュエータ19の作動を制御部40で制御するようにしている。この脚受部アクチュエータ19は、前記変位検出手段としての公知のエンコーダ等が一体に組込まれている、モータや流体圧シリンダなどの公知のアクチュエータであり、詳細な説明を省略する。
【0130】
次に、本実施形態に係るマッサージ機での脚裏部のストレッチ施療における各部の動作について説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動して、被施療者の体重や体形検出などのマッサージ開始前の準備動作や、背もたれ部13のリクライニング角度調整等が完了し、さらに、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力されて、種々のマッサージ動作を実行する中で、制御部40が脚裏部に対するストレッチ施療を実行しようとしているものとする。
【0131】
そして、制御部40は、ストレッチ施療に係る各部の作動制御開始前に、脚支持部15がその初期位置としての最も下部に下がった状態にない場合は、脚支持部アクチュエータ15dを作動させて縮め、脚支持部15を初期位置(図19参照)まで傾動させる。合わせて、脚支持部15の脚受部15bが最も座部12に近付いた位置となっていない場合には、脚受部アクチュエータ19を作動させて、脚受部15bを座部12に近付く側へ移動させておく。
【0132】
制御部40は、まず、座部12について、座部アクチュエータ12dを作動させて伸ばし又は縮め、座部アクチュエータ12d一端部で座部12の座部フレーム12b前部を上下いずれかに移動させて、座部12を施療に対応してあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、水平面に対し15ないし37°の範囲内の所定角度、となるまで傾動させる(図19参照)。
【0133】
この後、制御部40は、脚支持部15で脚の両側に位置する各脚用エアセルへの給気を実行してエアセルを膨張させる。この脚用エアセルの膨張に伴い、脚のふくらはぎ部分がエアセルで両側から挟持され、脚受部15bに拘束されることとなる。
【0134】
脚用エアセルが十分に膨張して、ふくらはぎ部分が挟持、拘束された状態で、制御部40は脚支持部15に対し、脚支持部アクチュエータ15dを伸長させ、脚支持部アクチュエータ15d一端部で脚支持部15を押して脚支持部15を上向きに傾動させる。
【0135】
脚支持部アクチュエータ15dによる脚支持部15の傾動を開始させ、脚支持部15の端部が床からある程度離れた後、制御部40は脚支持部15の脚受部アクチュエータ19を作動させ、脚支持部15の脚受部15bを基礎部15aに対し座部12から離れる側となる脚先端側へ少しずつ移動させていく(図21参照)。
こうして、脚受部15bを脚先端側へ移動させることで、脚を座部12や脚支持部15に付けて脚裏の伸張が適切に生じる状態のままで、脚支持部15の上向きの傾動を継続できる状態が得られる。
【0136】
この脚受部15bの脚先端側への移動は、脚受部15bの移動変位を把握しながら実行されており、脚支持部15の傾動状態に対応して、被施療者の足や脚支持部15の端部が床面に当接しない程度に移動量の調整がなされる。
【0137】
脚支持部アクチュエータ15dを伸長させて、脚支持部15を上向きに傾動させ、被施療者の脚における膝より下の部分を持上げていく状態では、座部12の傾動で上向きとなった脚に対し、脚用エアセルで脚のふくらはぎ部分を拘束すると共に、脚受部15bを脚先端側に移動させて、脚が座部と脚支持部上に接した状態を維持していることで、脚が適切な姿勢をとりつつ前方へ引張られる形となって、脚にストレッチ運動のような負荷が加わる状態となり、脚裏、特に大腿部裏側から膝裏にかけての部位が伸される状態となる。
【0138】
この後、脚支持部15の傾動の進行で、脚支持部15と座部12とのなす角度が、あらかじめ設定された被施療者の脚の可動範囲の限界に近い所定角度に達すると、制御部40は、脚支持部アクチュエータ15dと脚用エアセルの給排制御機構に対し作動停止の制御指令を送出する。この後、脚支持部アクチュエータ15dは停止状態となり、脚支持部15の傾動が停止する。
【0139】
こうして、あらかじめ選択、設定されたストレッチの施療強度を超えることなく脚支持部15の傾動が停止され、適切な施療強度でのストレッチが可能となる。なお、脚支持部15を傾動させると共に脚受部15bを移動させて、脚裏部を伸張状態とするのに先立って、座部12を適切な傾斜角度で前部が上になるように傾斜させていることで、身体のずれが生じにくく、脚裏部に対しストレッチの施療を行う状態を確実に維持して、安定した効率のよい施療が行える。
【0140】
制御部40は、脚支持部アクチュエータ15dを停止させると共に、脚用エアセルを空気の排出により収縮させて脚を挟持状態から解放し、脚を自由に動かせる状態に戻す。この後、制御部40は脚受部アクチュエータ19も作動停止状態として、脚受部15bの移動を止めることで、一連のストレッチ施療が終了となる。
【0141】
このように、本実施形態に係るマッサージ機は、脚裏部へのストレッチの施療として脚支持部15を上向きに傾動させる際に、あらかじめ脚部エアセルで脚を挟持して脚受部15b上に保持固定した状態とし、さらに傾動の進行に合わせて、脚受部15bを座部12から離れる向きに少しずつ移動させることから、脚を脚支持部15や座部12から浮かせることなく脚支持部15を上向きに傾動させて脚を伸して、膝に負担をかけずに、効率よく脚裏部分の筋肉のストレッチを行う状態が得られることとなり、脚裏部のストレッチに係る施療をスムーズ且つ適切に実行でき、被施療者に対し優れた施療効果を付与できる。
【0142】
なお、前記実施形態に係るマッサージ機においては、はじめに初期位置から座部12を上向きに傾動させた後、座部12の傾斜角度をそのまま維持する構成としているが、これに限られるものではなく、座部12の傾斜角度を維持したまま脚支持部15を傾動させると、脚が上がりすぎて被施療者によっては無理のある姿勢となる場合もあることから、脚支持部15を上向きに傾動させるのと並行して、脚裏部の緊張状態に大きく影響を与えない程度に、座部12の傾斜角度を小さくしていき、脚支持部15を最大限上に上げた状態での脚の高さを抑えるようにすることもでき、被施療者に無理のない姿勢で適切にストレッチ効果を得られる。
【0143】
(本発明の参考となる第7の実施形態)
本発明の参考となる第7の実施形態に係るマッサージ機を前記図22及び図23に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機は、前記第1の実施形態同様、椅子をなす各部とこれらを傾動させるアクチュエータ、各種の施療機構、及び、これらの作動を制御する制御部等を備える構成とされる一方、異なる点として、制御部40が、座部12を上向きに傾動させて、被施療者を適切な姿勢とすると共に、脚支持部15の脚用エアセルを膨張させて脚を挟持し、続いて背もたれ部13を後方に傾動させて倒し、被施療者の上半身を大きく後ろに反らせることで、腹筋運動のように被施療者の腹部の筋肉を緊張させる施療を実行する(制御を行う)ものである。
なお、この腹筋運動のような状態を与えることを目的とした座部12と背もたれ部13の傾動、及び脚用エアセルの作動に係る制御以外の点については、前記第1の実施形態の場合と同じであり、詳細な説明を省略する。
【0144】
施療状態では、まず座部12を上向きに傾動させると共に、脚支持部15の脚用エアセルを膨張させて脚を挟持することで、被施療者の脚部分が動かないように保持される(図22参照)。この後、背もたれ部13のリクライニング角度を大きくすると、座部12上で下半身側がその位置を保持される中、上半身が背もたれ部12の傾動に伴って大きく後ろに反った状態となることで、被施療者の腹筋には、これを伸そうとする力が加わる(図23参照)。引続き、座部や背もたれ部の傾斜角度を所定時間維持して、被施療者の姿勢を維持すれば、腹部にはいわゆる腹筋運動のような負荷が加わる状態となり、腹筋を鍛えることができる。
この場合、背もたれ部13は、後方への傾動の限界又はその近傍まで傾動させて、被施療者の上半身を仰向けの姿勢とするのが、腹筋により大きな緊張力を与えられる点で好ましい。
【0145】
なお、施療状態で、被施療者の下半身側は保持されているものの、上半身側は背もたれ部13上で動かすことができることから、必要に応じて、被施療者が上体を起したり倒したりするいわゆる腹筋運動のような動作を繰返すと、さらに負荷をかけることができ、効果を高められる。座部12についてはこれを傾斜させて、脚を適切な位置関係としていることで、腰に負担をかけず、無理のない姿勢で、腹筋運動の効果を得ることができる。
【0146】
(本発明の参考となる第8の実施形態)
本発明の参考となる第8の実施形態に係るマッサージ機を前記図24ないし図26に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機は、前記第1の実施形態同様、椅子をなす各部とこれらを傾動させるアクチュエータ、各種の施療機構、及び、これらの作動を制御する制御部等を備える構成とされる一方、異なる点として、制御部40が、座部12を上向きに傾動させて、被施療者を適切な姿勢とすると共に、脚支持部15の脚用エアセル75、76、77、78を膨張させて脚を挟持し、続いて脚支持部15を上に上げた状態から下向きに傾動させることで、被施療者の脚を伸すストレッチ施療を実行するものである。
【0147】
なお、この脚のストレッチを目的とした座部12と脚支持部15の傾動、及び脚用エアセルの作動に係る制御以外の点については、前記第1の実施形態の場合と同じであり、詳細な説明を省略する。
【0148】
脚支持部15上で脚の膝下部分は、脚をまっすぐ伸すように座部12や脚支持部15の傾斜角度を設定した状態で、最も足支持部15c寄りに位置し、逆に、脚を曲げる度合を大きくすると、その分、脚の膝下部分は足支持部15cから離れることとなる。
【0149】
すなわち、脚支持部15の傾動で、座部12と脚支持部15とのなす角度を小さくして、脚を伸した状態から膝での曲りが大きい状態とすると、その分、脚支持部15上で脚の膝から下部分が自然に膝寄りにずれる状態となる。この場合に、あらかじめ脚支持部15の脚用エアセル75、76、77、78を膨張させて脚を脚支持部15に保持した状態で、脚支持部15を、座部12と脚支持部15とのなす角度がより小さくなるよう傾動させると、脚の保持された部分は、本来の膝寄りにずれた位置よりも足支持部側寄りに強制的に位置させられることとなり、その分、脚にはこれを伸そうとする力が加わる。
こうして、脚支持部15の傾動に伴って、脚に伸びによるストレッチ効果を付与できる。すなわち、脚支持部15を用いて脚へのストレッチ施療を行える仕組みとなっている。
【0150】
次に、本実施形態に係るマッサージ機での脚のストレッチ施療における各部の動作について説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動して、被施療者の体重や体形検出などのマッサージ開始前の準備動作や、背もたれ部13のリクライニング角度調整等が完了し、さらに、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力されて、種々のマッサージ動作を実行する中で、制御部40が脚に対するストレッチ施療を実行しようとしているものとする。
【0151】
制御部40は、まず、座部12について、座部アクチュエータ12dを作動させて伸ばし又は縮め、座部アクチュエータ12d一端部で座部12の座部フレーム12b前部を上下いずれかに移動させて、座部12を施療に対応してあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、水平面に対し15ないし37°の範囲内の所定角度、となるまで傾動させる。
【0152】
また、制御部40は、脚支持部アクチュエータ15dを伸長させ、脚支持部アクチュエータ15d一端部で脚支持部15を押して脚支持部15を上向きに傾動させる。制御部40は、脚支持部15を、脚が曲らずに十分に伸びた状態となるストレッチ施療の開始位置、好ましくは、脚支持部15と座部12とのなす角度が180°近くとなる位置、まで傾動させる(図24参照)。
【0153】
この後、制御部40は、脚支持部15で脚の両側に位置する各脚用エアセル75、76、77、78への給気を実行してエアセルを膨張させる。この脚用エアセル75、76、77、78の膨張に伴い、脚のふくらはぎ部分がエアセルで両側から挟持され、脚受部15bに拘束されることとなる。
【0154】
脚用エアセル75、76、77、78が十分に膨張して、ふくらはぎ部分が挟持、拘束された状態で、制御部40は脚支持部15に対し、脚支持部アクチュエータ15dを作動させて縮め、脚支持部アクチュエータ15dの下降を許容して、脚支持部15を下向きに傾動させる(図26参照)。
【0155】
こうして、脚支持部15を下向きに傾動させ、脚の曲りを大きくしていくことで、脚支持部15に対し、脚の膝下部分が脚の曲りの進行に伴い、自然に膝のある上側にずれようとし、これを脚支持部15の脚用エアセル75、76、77、78でとどめることで、脚には相対的にこれを引張ろうとする力が加わり、脚は緊張状態となる。すなわち、脚を強く足先側に引張って緊張させた、ストレッチ運動のような負荷が脚に加わる状態となる。
【0156】
この後、脚支持部15の傾動の進行で、脚支持部15と座部12とのなす角度が、あらかじめ設定された施療の限界の所定角度に達すると、制御部40は、脚支持部アクチュエータ15dと脚用エアセルの給排制御機構に対し作動停止の制御指令を送出する。この後、脚支持部アクチュエータ15dは停止状態となり、脚支持部15の傾動が停止する。
【0157】
こうして、あらかじめ選択、設定されたストレッチの施療強度を超えることなく脚支持部15の傾動が停止され、適切な施療強度でのストレッチが可能となる。なお、脚支持部15を傾動させて、脚を伸張状態とするのに先立って、座部12を適切な傾斜角度で前部が上になるように傾斜させていることで、身体のずれが生じにくく、脚に対しストレッチの施療を行う状態を確実に維持して、安定した効率のよい施療が行える。
【0158】
制御部40は、脚支持部アクチュエータ15dを停止させると共に、脚用エアセル75、76、77、78を空気の排出により収縮させて脚を挟持状態から解放し、脚を自由に動かせる状態に戻す。この後、制御部40はストレッチ施療を終了するか、再び脚支持部15をストレッチ施療の開始位置まで傾動させて、前記同様の施療過程を複数回繰返すこととなる。
【0159】
このように、本実施形態に係るマッサージ機は、脚へのストレッチの施療として脚支持部15を下向きに傾動させる際に、あらかじめ脚部エアセル75、76、77、78で脚を挟持して脚受部15b上に保持固定した状態とすることから、脚支持部15を下向きに傾動させて脚を曲げるのに伴う、脚が自然に脚支持部15に対して上方にずれようとする性質を利用して、効率よく脚のストレッチを行う状態が得られることとなり、脚のストレッチに係る施療をスムーズ且つ適切に実行でき、被施療者に対し優れた施療効果を付与できる。
【0160】
なお、前記実施形態に係るマッサージ機においては、脚部エアセル75、76、77、78で脚を挟持しつつ、ストレッチ施療の開始位置から脚支持部15を下向きに傾動させるのみで、脚のストレッチ施療を行う構成としているが、この他、脚支持部15を下向きに傾動させるのと並行して、制御部40が脚支持部15の脚受部アクチュエータ19を作動させ、脚支持部15の脚受部15bを基礎部15aに対し座部12から離れる側へ少しずつ移動させ、脚受部15bに内蔵された脚用エアセルの位置を移動させて、脚の伸張をさらに促す構成とすることもでき、施療のさらなる効率化が図れることとなる。
【0161】
この場合も、下向きに傾動する脚支持部15と座部12とのなす角度が、あらかじめ設定された施療の限界の所定角度に達したら、脚支持部アクチュエータ15dの作動停止及び脚用エアセルの収縮開始と共に、制御部40は脚受部アクチュエータ19の作動を停止させ、ストレッチ施療を停止状態とする。
【0162】
(本発明の参考となる第9の実施形態)
本発明の参考となる第9の実施形態に係るマッサージ機を前記図27ないし図31に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機は、前記第1の実施形態同様、椅子をなす各部とこれらを傾動させるアクチュエータ、各種の施療機構、及び、これらの作動を制御する制御部等を備える構成とされる一方、異なる点として、座部12側方の肘掛部14内側部に、被施療者の大腿部を側方から押圧する挟持用エアセル79が配設され、制御部40が、挟持用エアセル79を膨張させて大腿部を側方から押圧し、両側から挟持した状態で、座部12を上向きに傾動させて、一部を拘束された大腿部に対し臀部を背もたれ部13側へ移動させるようにすることで、被施療者の大腿部にストレッチ等の施療を実行するものである。
【0163】
なお、肘掛部14の内側部に挟持用エアセル79を設けると共に、この大腿部の施療を目的とした座部12他の傾動、及び挟持用エアセル79の作動に係る制御を行う点以外については、前記第1の実施形態の場合と同じであり、詳細な説明を省略する。
【0164】
前記挟持用エアセル79は、座部12に着座した被施療者における大腿部の側面にそれぞれ面する左右の肘掛部14の内側部に、前記エアポンプ70による空気の給排で膨縮可能としてそれぞれ配設される構成である。この挟持用エアセル79は、膨張状態で左右の大腿部をそれぞれ押圧して挟持拘束できるように、左右で対をなす配置とされる。
【0165】
次に、本実施形態に係るマッサージ機での大腿部への施療における各部の動作について説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動して、被施療者の体重や体形検出などのマッサージ開始前の準備動作や、背もたれ部13のリクライニング角度調整等が完了し、さらに、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力されて、種々のマッサージ動作を実行する中で、制御部40が大腿部に対する施療を実行しようとしているものとする。
【0166】
そして、制御部40は、施療に係る各部の作動制御開始前に、座部12の水平面に対する傾斜角度が、施療に係る座部の傾斜角度調整範囲の最小角度、すなわち、座部上に安定的に被施療者を保持可能な最小限の傾斜角度である10〜15°の角度、となっていない場合には、座部アクチュエータ13dを作動させ、座部12をその傾斜角度が前記最小角度となるまで傾動させる。この座部12の傾斜角度が最小角度となっている座部位置(図27参照)が、座部12の施療に係る初期位置である。
【0167】
制御部40は、まず、大腿部の両側に位置する挟持用エアセル79への給気を実行してエアセルを膨張させる(図28参照)。この挟持用エアセル79の膨張に伴い、両脚の大腿部がエアセルで両側から挟持されることとなる。
【0168】
挟持用エアセル79が十分に膨張して、大腿部が挟持された状態で、制御部40は、施療での初期位置にある座部12に対し、座部アクチュエータ12dを作動させて伸長させ、座部アクチュエータ12d一端部で座部12の座部フレーム12b前部を押上げて、座部12を上向きに傾動させる。制御部40は、座部12を大腿部の施療のためにあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、水平面に対し33ないし37°の範囲内の所定角度、となるまで傾動させる(図29参照)。
【0169】
この座部12の傾動により、座部12に着座している被施療者の重心が背もたれ部13寄りに移り、この重心位置の変化に伴って、被施療者の背中が背もたれ部13により強く密着する。これと同時に、被施療者の臀部が、座部12上で背もたれ部13寄りにずれることとなり、この臀部の背もたれ部13側へのずれに伴って、大腿部も背もたれ部13側へ引張られる状態となる。
【0170】
挟持用エアセル79の挟持する圧力が強い場合は、大腿部はそのまま拘束され、こうして大腿部の挟持された部分が動かないことで、引張られる大腿部は相対的に伸される状態となり、大腿部にストレッチ効果を与えることができる。一方、挟持用エアセル79の挟持する圧力が弱い場合は、エアセルの圧力による抵抗を受けつつ大腿部は臀部のずれに伴って移動することとなり、その際、挟持用エアセル79の圧力を抵抗として受ける大腿部には、さすりと同様の刺激が加わることとなる。
【0171】
このように、大腿部への施療として、あらかじめ挟持用エアセル79で大腿部を挟持した状態としてから、座部12を上向きに傾動させ、臀部が自然に下方、すなわち背もたれ部13寄りにずれようとする性質を利用して、効率よく大腿部のストレッチ等の施療を行う状態が得られることとなり、大腿部の施療をスムーズ且つ適切に実行でき、被施療者に対し優れた施療効果を付与できる。
【0172】
なお、臀部のずれで大腿部が引張られる状態となる際には、臀部より上側の上半身部分が臀部のずれを吸収して大腿部への施療効果を弱める向きに動かないよう、制御部40は、背もたれ部アクチュエータ13dを作動させ、座部12前部に対し背もたれ部13の下部を前方に相対移動させて、背もたれ部13を、リクライニング角度を大きくする、すなわち倒す側に傾動させ、臀部をより背もたれ部側へずれやすくすると共に、上半身部分を動きにくい状態とするのが望ましい。
【0173】
この他、被施療者の腰部分を押圧挟持する腰挟持用エアセル74aを、背もたれ部13の両側に別途配設し(図27参照)、この腰挟持用エアセル74aを膨張させ、腰上側部分を左右から押圧挟持して背もたれ部13上で保持する構成とすることもでき、座部12の傾動に際し、腰挟持用エアセル74aで腰上側を押えられることで上半身が背もたれ部13に対し動きにくくなり、大腿部を伸す効果をより一層強化できる。
【0174】
この場合、さらに、脚支持部15においては、内蔵された脚部エアセルで脚を挟持した上で、脚支持部アクチュエータ15dを作動させて脚支持部15を下向きに傾動させ、大腿部をより伸すように脚を動かしたり(図30参照)、脚支持部15の脚受部アクチュエータ19を作動させ、脚支持部15の脚受部15bを基礎部15aに対し座部12から離れる側へ少しずつ移動させ、脚用エアセルで挟持された脚の膝下部分も移動させるようにして(図31参照)、大腿部の伸張をさらに促す構成とすることもでき、大腿部の施療のさらなる効率化が図れることとなる。
【0175】
(本発明の参考となる第10の実施形態)
本発明の参考となる第10の実施形態に係るマッサージ機を前記図32及び図33に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機は、前記第9の実施形態同様、椅子をなす各部とこれらを傾動させるアクチュエータ、各種の施療機構、及び、これらの作動を制御する制御部等を備えて、被施療者の大腿部にストレッチ等の施療を実行する構成とされる一方、異なる点として、座部12の前方を上げて座部12の水平面に対する傾斜角度を大きくした状態から、座部を下向きに傾動させた際に、座部両側の挟持用エアセル79が被施療者の大腿部に対し相対的に前方へずれる状態を利用し、座部12を上げた状態で挟持用エアセル79を膨張させて大腿部を側方から押圧し、両側から挟持した状態で、座部12を下向きに傾動させて、エアセルが大腿部を前方へ移動させる状態を得て、大腿部にストレッチ等の施療を実行するものである。
【0176】
なお、この大腿部の施療を目的とした座部12の傾動、及び挟持用エアセル79の作動に係る制御以外の点については、前記第9の実施形態の場合と同じであり、詳細な説明を省略する。
【0177】
前記挟持用エアセル79は、前記第9の実施形態同様、着座した被施療者における大腿部の側面にそれぞれ面する左右の肘掛部14の内側部に、前記エアポンプ70による空気の給排で膨縮可能としてそれぞれ配設される構成であり、詳細な説明については省略する。
【0178】
次に、本実施形態に係るマッサージ機での大腿部への施療における各部の動作について説明する。前提として、マッサージ機1に被施療者が着座して背中を背もたれ部13にもたれさせた状態で、マッサージ機1の主電源が入とされ、マッサージ機1が起動して、被施療者の体重や体形検出などのマッサージ開始前の準備動作や、背もたれ部13のリクライニング角度調整等が完了し、さらに、被施療者によりマッサージコース等の動作状態指示が入力されて、種々のマッサージ動作を実行する中で、制御部40が大腿部に対する施療を実行しようとしているものとする。
【0179】
制御部40は、まず座部アクチュエータ12dを作動させて伸長させ、座部アクチュエータ12d一端部で座部12の座部フレーム12b前部を押上げて、座部12を上向きに傾動させる。制御部40は、座部12をあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、水平面に対し33ないし37°の範囲内の所定角度、となるまで傾動させる(図32参照)。
【0180】
こうして座部12の傾斜角度を大きくすることにより、座部12に着座している被施療者の重心が背もたれ部13寄りに移り、この重心位置の変化に伴って、被施療者の背中が背もたれ部13により強く密着し、被施療者の腰部より上側の上半身部分が位置決めされて動きにくくなった状態が得られる。
【0181】
制御部40は、続いて、大腿部の両側に位置する挟持用エアセル79への給気を実行してエアセルを膨張させる。この挟持用エアセル79の膨張に伴い、両脚の大腿部がエアセルで両側から挟持されることとなる。
【0182】
挟持用エアセル79が十分に膨張して、大腿部が挟持された状態で、制御部40は、座部アクチュエータ12dを作動させて縮め、座部アクチュエータ12d一端部と連結する座部12の座部フレーム12b前部を下げて、座部12を下向きに傾動させる。制御部40は、座部12を施療に対応してあらかじめ設定された傾斜角度、例えば、水平面に対し10ないし15°の範囲内の所定角度、となるまで傾動させる(図33参照)。
【0183】
これと同時に、制御部40は、背もたれ部アクチュエータ13dを作動させて縮め、背もたれ部アクチュエータ13dで座部12前部に対し背もたれ部13の下部を近付けることで、背もたれ部13に後方へ倒す向きの傾動成分を与えて、座部12の傾動と連動して前方へ起きる向きに傾動しようとする背もたれ部13の、傾斜角度を維持するか、実際に後方へ倒す向きに所定角度分傾動させる。
【0184】
座部12の傾動に際し、上半身部分を保持された被施療者の大腿部は、座部12上に位置するも、背もたれ部13寄りの位置を維持しようとする。すなわち、大腿部の傾動は腰を中心として生じることで、傾動中心位置の異なる座部の傾動に正確に追随するわけではなく、ずれが発生しやすいことに加え、柔軟性に富み、且つ関節部分での若干の伸縮やずれを許容できる被施療者の身体は、座部の傾動に伴う支持状態の変化を身体各部で吸収して、身体の実際に表面に現れる動きを必要最小限とするように対応できる結果、座部の傾動を経ても、大腿部は、前後方向については、座部傾動前の位置をほぼ維持することとなる。
【0185】
これに対して、座部12と共に下向きに傾動する肘掛部14内側部分に位置する挟持用エアセル79は、マッサージ機の一機構として伸縮やずれを伴わずに座部の軸支位置を中心に正確に傾動する分、仮に大腿部と接触していないとすると、大腿部に対し前方へ相対的にずれる状態となる。実際は挟持用エアセル79で大腿部を挟持していることから、挟持用エアセル79の前方への相対的なずれに伴って、大腿部は前方へ引張られる状態となる。
【0186】
挟持用エアセル79の挟持する圧力が強い場合は、大腿部はそのまま拘束され、こうして大腿部の挟持された部分がエアセルと共に相対移動することで、引張られる大腿部は伸される状態となり、大腿部にストレッチ効果を与えることができる。一方、挟持用エアセル79の挟持する圧力が弱い場合は、エアセルの圧力を受けつつ大腿部は元の位置にとどまろうとし、その際、相対移動する挟持用エアセル79の圧力を連続して受ける大腿部には、さすりと同様の刺激が加わることとなる。
【0187】
このように、大腿部への施療として、あらかじめ挟持用エアセル79で大腿部を挟持した状態としてから、座部12を下向きに傾動させ、身体と機構部分との間で、座部傾動に伴う位置変化に差異が生じる性質を利用して、効率よく大腿部のストレッチ等の施療を行う状態が得られることとなり、大腿部の施療をスムーズ且つ適切に実行でき、被施療者に対し優れた施療効果を付与できる。
【0188】
なお、挟持用エアセル79で大腿部が引張られる状態となる際には、腰部より上側の上半身部分が前方にずれて大腿部への施療効果を弱めないよう、制御部40は、背もたれ部アクチュエータ13dを作動させ、座部12前部に対し背もたれ部13の下部を前方に相対移動させて、背もたれ部13を、リクライニング角度を大きくする、すなわち倒す側に傾動させ、上半身部分を動きにくい状態とするのが望ましい。
【0189】
この他、前記第9の実施形態同様、被施療者の腰部分を押圧挟持する腰挟持用エアセル74aを、背もたれ部13の両側に別途配設し(図27参照)、この腰挟持用エアセル74aを膨張させ、腰上側部分を左右から押圧挟持して背もたれ部13上で保持する構成とすることもでき、座部12の下向きの傾動に際し、腰挟持用エアセル74aで腰上側を押えられることで、上半身が大腿部と共に動くのを抑えられ、大腿部を伸す効果をより一層強化できる。
【0190】
この大腿部のストレッチ等の施療と共に、脚支持部15において、前記第9の実施形態同様、内蔵された脚部エアセルで脚を挟持した上で、脚支持部アクチュエータ15dを作動させて脚支持部15を下向きに傾動させ、大腿部をより伸すように脚を引張ったり、脚支持部15の脚受部アクチュエータ19を作動させ、脚支持部15の脚受部15bを基礎部15aに対し座部12から離れる側へ少しずつ移動させ、脚用エアセルで挟持された脚の膝下部分も引張るように移動させて、大腿部の伸張をさらに促す構成とすることもでき、大腿部の施療のさらなる効率化が図れることとなる。
【符号の説明】
【0191】
1 マッサージ機
11 基台部
11a ベースフレーム
11b 外殻部
12 座部
12a 座面
12b 座部フレーム
12d 座部アクチュエータ
13 背もたれ部
13d 背もたれ部アクチュエータ
14 肘掛部
14a、14b エアセル
14c、14d エアセル
14e、14f エアセル
15 脚支持部
15a 基礎部
15b 脚受部
15c 足支持部
15d 脚支持部アクチュエータ
16 背もたれ部フレーム
16a 横フレーム
16b 補強フレーム
18 足支持部アクチュエータ
19 脚受部アクチュエータ
20 ガイドフレーム
30 リモコン
31 スタンド
40 制御部
50 メカユニット
51 揉み玉
52 揉み玉支持アーム
54 ベース部
57 昇降モータ
58 進退モータ
60 駆動機構部
62 揉みモータ
64 叩きモータ
70 エアポンプ
71 臀部用エアセル
72 太腿用エアセル
73 背中用エアセル
74 腰用エアセル
74a 腰挟持用エアセル
75、76 脚用エアセル
77、78 脚用エアセル
79 挟持用エアセル
79a、79b 足側部エアセル
79c、79d 足側部エアセル
79e 足裏エアセル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図28
図29
図30
図31
図32
図33