特許第6248152号(P6248152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6248152ダウンリンクデータチャネルのための色メタデータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248152
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】ダウンリンクデータチャネルのための色メタデータ
(51)【国際特許分類】
   H04N 9/64 20060101AFI20171204BHJP
   H04N 1/46 20060101ALI20171204BHJP
   H04N 1/60 20060101ALI20171204BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   H04N9/64 Z
   H04N1/46 Z
   H04N1/40 D
   G06T1/00 510
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-151641(P2016-151641)
(22)【出願日】2016年8月2日
(62)【分割の表示】特願2015-86654(P2015-86654)の分割
【原出願日】2007年3月15日
(65)【公開番号】特開2016-220226(P2016-220226A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2016年8月30日
(31)【優先権主張番号】06300281.0
(32)【優先日】2006年3月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ドーザー,インゴ,トビーアス
(72)【発明者】
【氏名】シュタオダー,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ブロンド,ロラン
(72)【発明者】
【氏名】トロ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】バンクロフト,デイヴィッド,ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】エンドレス,ヴォルフガング
【審査官】 西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−282599(JP,A)
【文献】 特開2003−037850(JP,A)
【文献】 特開2003−008912(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0228523(US,A1)
【文献】 米国特許第05704026(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 9/64
G06T 1/00
H04N 1/46
H04N 1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースのコンテンツの色域の色域マッピング情報をシンクデバイスに送信するシステムであって、
ソースのコンテンツの色域境界記述子を表すメタデータにアクセスする手段と、色域マッピングにおいて使用される前記メタデータをデータチャネルを介してシンクデバイスに伝えるためにデジタルバスに結合された通信インタフェースとを含むソースデバイスを有し、
前記メタデータは、前記ソースの前記色域境界記述子を表し、前記色域境界記述子に関連する色空間を表す色空間インジケータと、前記色域境界記述子に関連する色精度を表す色精度インジケータと、前記メタデータにおいて記述される頂点の数を示す頂点数インジケータと、前記頂点数インジケータに従って前記メタデータに含まれる前記頂点を記述する色域頂点の組データと、ファセットデータが前記メタデータに含まれるか否かを示すファセットモードインジケータとを含む一式のデータを有し、
前記ファセットデータが前記メタデータに含まれることを前記ファセットモードインジケータが示す場合、前記メタデータは、前記メタデータにおいて記述されるファセットの数を表すデータと、前記ファセットの数に従って前記メタデータに含まれる前記ファセットを記述する色域ファセットの組データとを更に含み、前記ファセットデータが前記メタデータに含まれないことを前記ファセットモードインジケータが示す場合、前記メタデータは、ファセットの数を表すデータと、色域ファセットの組データとを含まず、
前記シンクデバイスは、前記ソースデバイスにより送信された前記メタデータを受信するために前記デジタルバスに結合された通信インタフェースと、前記メタデータに基づいて前記シンクデバイスにおける前記コンテンツの表示のために前記色域マッピングを実行する手段とを含むシステム。
【請求項2】
ソースのコンテンツの色域の色域マッピング情報をシンクデバイスに送信するソースデバイスであって、
ソースのコンテンツの色域境界記述子を表すメタデータにアクセスする手段であり、前記メタデータは、前記コンテンツの表示のために色域マッピングを実行するために前記シンクデバイスにより使用されるために構成される手段と、
色域マッピングにおいて使用される前記メタデータをデータチャネルを介してシンクデバイスに伝えるためにデジタルバスに結合された通信インタフェースと
を有し、
前記メタデータは、前記ソースの前記色域境界記述子を表し、前記色域境界記述子に関連する色空間を表す色空間インジケータと、前記色域境界記述子に関連する色精度を表す色精度インジケータと、前記メタデータにおいて記述される頂点の数を示す頂点数インジケータと、前記頂点数インジケータに従って前記メタデータに含まれる前記頂点を記述する色域頂点の組データと、ファセットデータが前記メタデータに含まれるか否かを示すファセットモードインジケータとを含む一式のデータを有し、
前記ファセットデータが前記メタデータに含まれることを前記ファセットモードインジケータが示す場合、前記メタデータは、前記メタデータにおいて記述されるファセットの数を表すデータと、前記ファセットの数に従って前記メタデータに含まれる前記ファセットを記述する色域ファセットの組データとを更に含み、前記ファセットデータが前記メタデータに含まれないことを前記ファセットモードインジケータが示す場合、前記メタデータは、ファセットの数を表すデータと、色域ファセットの組データとを含まないソースデバイス。
【請求項3】
ソースのコンテンツに関連する色域マッピング情報をソースデバイスから受信し、前記コンテンツの表示を提供するシンクデバイスであって、
ソースのコンテンツの色域境界記述子を表すメタデータを前記ソースデバイスから受信するためにデジタルバスに結合された通信インタフェースと、
前記ソースデバイスからの前記受信したメタデータに応じて、前記コンテンツの前記表示の色域マッピングを実行するために前記通信インタフェースに結合された手段と
を有し、
前記メタデータは、前記ソースの前記色域境界記述子を表し、前記色域境界記述子に関連する色空間を表す色空間インジケータと、前記色域境界記述子に関連する色精度を表す色精度インジケータと、前記メタデータにおいて記述される頂点の数を示す頂点数インジケータと、前記頂点数インジケータに従って前記メタデータに含まれる前記頂点を記述する色域頂点の組データと、ファセットデータが前記メタデータに含まれるか否かを示すファセットモードインジケータとを含む一式のデータを有し、
前記ファセットデータが前記メタデータに含まれることを前記ファセットモードインジケータが示す場合、前記メタデータは、前記メタデータにおいて記述されるファセットの数を表すデータと、前記ファセットの数に従って前記メタデータに含まれる前記ファセットを記述する色域ファセットの組データとを更に含み、前記ファセットデータが前記メタデータに含まれないことを前記ファセットモードインジケータが示す場合、前記メタデータは、ファセットの数を表すデータと、色域ファセットの組データとを含まないシンクデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、色管理(カラーマネージメント)に関し、より具体的には、改善された色域マッピング及び色管理を可能にするようダウンリンクデータチャネルのための色メタデータを決定及び提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
色管理において、色空間は、デバイス依存(DD)の色空間及びデバイスに依存しない(DI)色空間として分けられる。デバイス依存の色空間は、一般的に、RGB色空間及び(HDMI(登録商標)1.3のために2005年にソニー(登録商標)によって提案された)xvYCC色空間である。デバイス依存の色信号は、ディスプレイ装置に依存する再現色をもたらす。デバイスに依存しない色空間は、通常は、CIE XYZ及びCIE L*a*b*である。デバイスに依存しない色信号は、直接に再現色に対応する。所与のディスプレイ装置のための又は所与の画像コンテンツのためのDD色信号及びDI色信号の間の連関は、プロファイルによって定義される。
【0003】
HDMIソースをHDMIシンクへ接続する場合に、ソース及びシンクはプロファイルによって記述される。プロファイルの一部は色域である。色域は、所与のHDMIシンクディスプレイによって再現可能である又は所与のコンテンツに存在する、全ての色を記述する。色域は、色域境界記述子(GBD;Gamut Boundary Description)によって記述され得る。所与の画像コンテンツがHDMIシンクの色域よりも大きいか又はそれとは異なる色域を有する場合に、目的とする色域の外側にある色は、しかるべく切り取られるか又は動かされる必要がある。この手順は、色域マッピング(GM;Gamut Mapping)と呼ばれている。コンテンツの色域は、HDMIソースの色域により制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有利に、ダウンリンクデータチャネルのための色メタデータを決定し且つ提供する方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に従って、色メタデータは、色域マッピングが送信ソースによって定められるように決定され、これにより、ダウンリンクデータチャネルのためのソースの彩度及びコントラストのレベルを保つ適応マッピンが可能となる。次いで、メタデータは、色管理のためにダウンリンクデータチャネルへ提供される。
【0006】
本発明の一実施例で、ソースのコンテンツの色域を保つようダウンリンクデータチャネルのための色メタデータを決定する方法は、前記ソースの色域により色空間域を定める段階と、このように定められた色空間域により色域マッピングを行う段階とを有する。
【0007】
本発明の代替の実施例で、当該方法は、xvYCC空間において前記色空間域を定める段階を有する。
【0008】
本発明の様々な実施例で、色空間の定義は色域境界記述子を有し、前記色空間域を定めるようインデックス付きファセットセットが実施される。代替的に、規則的なサンプリングスキームが、前記色空間域を定めるよう用いられても良い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例が適用され得る色域マッピングシステムのハイレベルのブロック図を表す。
図2】(a)は、色空間域全体(大きい長方形)がHDMIシンク色域(三角形)の色域上にマッピングされ得る色域マッピングの先行技術に従う例を表す。(b)は、本発明の実施例に従う提案される色域マッピングアプローチを表す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の教示は、添付の図面に関連して以下の詳細な記載を考慮することで、容易に理解され得る。
【0011】
当然に、図面は、本発明の概念を表すためのものであって、必ずしも本発明を表す可能な構成のみを表しているわけではない。理解を容易にするよう、同一の参照番号が、必要に応じて、図面において共通する同一の要素を示すために使用されている。
【0012】
本発明は、有利に、ダウンリンクデータチャネルのための色メタデータを決定し且つ提供する方法及びシステムを提供する。本発明は、主としてHDMI TMDSダウンリンクデータチャネルという脈絡の中で記載されるが、本発明の特定の実施例は、本発明の適用範囲を限定するよう扱われるべきではない。当業者によって明らかであり且つ本発明の教示によって知られるように、本発明の概念は、有利に、より広い色域マッピングを可能にするよう実質的に如何なるダウンリンクデータチャネルにも色メタデータを提供するために適用され得る。
【0013】
更に、本発明は、主として特定の比色分析及び色空間インジケータの脈絡の中で記載されるが、本発明の特定の実施例は、本発明の適用範囲を限定するよう扱われるべきではない。当業者によって明らかであり且つ本発明の教示によって知られるように、本発明の概念は、有利に、既知又は未知のいずれであっても、実質的に如何なる比色分析及び色空間インジケータも用いて適用され得る。
【0014】
本発明は、主としてHDMI TMDSダウンリンクデータチャネルのための色メタデータという脈絡の中で記載されるが、コンテンツ信号の比色分析が既に、使用される色空間によって定められているので、色管理の原理は、ここでは全く論じられない。
【0015】
本発明の色メタデータに関する動機付けは、現在の色域マッピング方法の使用において、色が、HDMIシンクの色域の外にあって、色域マッピングをされる必要があることである。しかし、ダウンリンクメタデータは、HDMIシンクの自然の特性をカバーすることができない。加えて、本発明の色メタデータは、色域マッピングがHDMIシンクの特性に依存するために、色域マッピング処理をカバーすることができない。代わりに、本発明のダウンリンク色メタデータは、HDMIソースの特性に対処する。
【0016】
図1は、本発明の実施例が適用され得る色域マッピングシステム100のハイレベルのブロック図を表す。より具体的には、図1に表されるように、元のメディアコンテンツ102は、本発明に従って、色メタデータ104とともに下流に伝えられる。メディアコンテンツ102、色メタデータ104及びディスプレイ106の特性は全て、色域マッピングのために使用される。本発明では、色域マッピング及びディスプレイ特性は扱われない。すなわち、色域マッピングは、科学文献(Morovic J.及びLuo M.R.著、「色域マッピングの原理:調査」、Journal of Imaging Science and Technology、45/3、238〜290頁、2001年)によって明らかにされているように、当該技術においてよく知られた話題である。
【0017】
先に述べたように、シンクのプロファイルは、使用される色によって予め知られ、本発明のメタデータに含まれる必要がない。しかし、色空間によって定められる色域は、特に、幅広い色域空間の場合には、非常に大きくなりうる。使用される色空間の色域が画像コンテンツの色域よりもはるかに大きい場合には、色域マッピングはそれほど有効でないことがある。
【0018】
図2(a)は、色空間域全体(大きい長方形)がHDMIシンク色域(三角形)の色域上にマッピングされ得る色域マッピングの先行技術の例を表す。このようなマッピングは、HDMIシンクの色域よりも小さい色域(点線の楕円)を有する画像へと、色空間域よりも小さい色域(楕円)を有する画像コンテンツを圧縮する。しかし、このような色域マッピングを使用する場合に、画像は彩度及びコントラストを失い、シンクの性質は活用されない。
【0019】
図2(b)は、HDMIシンクの色域の記述(「ソース色域」長方形)が色域マッピングを達成するために使用されるところの本発明の実施例に従う提案される色域マッピングアプローチを表す。図2(b)の色域マッピングで、マッピングはそれほど強くなく、メディアコンテンツの色域はより良く保たれる。すなわち、本発明に従う送信されるHDMIソース色域によって定められる色域マッピングは、彩度及びコントラストを保ち且つシンクの性質を十分に活用する適応マッピングを可能にする。
【0020】
本発明の一実施例で、本発明の色メタデータのためのシンク色域境界記述子の必要条件は、(1)高い正確さ、(2)簡潔な表現、並びに(3)高い処理速度及び低い処理の複雑性、を含む。
【0021】
例えば、第1の必要条件は高い正確さである。この必要条件は、どのようにソース色域境界記述子(GBD)が(HDMIの適用範囲外で)計算されるのかと、(HDMIの適用範囲内の)色空間精度とに依存する。ソースGBDの計算のために、2つの場合が以下のように区別され得る。
【0022】
1.ソースGBDは任意にソース色域よりも大きい。→色再現はわずかに悪化しうるが、GBD精度はそれほど重要でない。
【0023】
2.ソースGBDはソース色域に近い。→最良の色再現だが、GBD精度は最大である必要がある。
【0024】
シンクGBDの計算がHDMIの適用範囲にないので、GBD精度は高くなければならない。GBDの正確さは、信号の色空間の精度に関連付けられる必要がある。色域マッピングは信号に適用されるので、GBD精度は常に、色空間精度よりも低いか又は等しくなりうる。GBD精度は、信号色空間から独立した色空間の選択によって変調され得る。
【0025】
本発明の色メタデータのためのシンク色域境界記述子の第2の必要条件は簡潔な表現である。これは、第1の必要条件とは逆相互関係にある。すなわち、簡潔な表現とは、一般に、データ圧縮の問題である。簡潔なGBDは、HDMIの適用範囲外にあるソース色域の形状に依存する。パラメータ表現は、未知数の原色を有し、未知の色調再現を伴い且つ未知の種類(加法、減法)であるソースがサンプルに含まれる場合には使用され得ない。色域は凸状でさえあり得ない。ソース色域の形状が知られていない場合には、ソースに適合した表現は使用され得ない。代わりに、例えば平滑化及び正則化のような一般条件が適用され得る。ソース色域が平坦である場合には、サンプリングスキームは有効である。ソース色域が左右対称(regular)である場合には、規則的なサンプリングでさえ使用され得る。
【0026】
本発明の色メタデータのためのシンク色域境界記述子の第3の必要条件は、HDMIシンクにおけるGBD処理の高速性及び低い複雑性である。ソースGBDに対してサンプリングスキームを使用する場合に、最も簡単な処理は、ある程度まで規則的であるサンプルに関するものである。第2の必要条件が不規則なサンプリングに基づくより簡潔な表現を要求する場合に、サンプリング順序又はサンプル構成は、処理の速度を上げるために、サンプルに加えられ得る。今日のハードウェアが、例えば、線−面交差(line to surface intersections)のような幾何学演算に対応するので、本発明の一実施例に従って、可能な表現はインデックス付きファセットセットである。
【0027】
ここで、本発明者は、より具体的な例が後に続く本発明に従ってダウンリンクデータチャネルにメタデータを提供する概念の一般的な例を表す。
【0028】
すなわち、以下で記載される本発明の様々な実施例で、色ダウンリンクメタデータは、以下の比色分析の1つを使用する:
・ITU−R BT.601;
・ITU−R BT.709;
・CIE XYZ。
更に、本発明の色ダウンリンクメタデータは、色空間インジケータによって示される4つの色空間のうちの1つを用いてHDMIソース色域を記述する:
・ITU−R BT.709;
・IEC61966−2−4−SD;
・IEC61966−2−4−HD;
・DCI規格V5.1。
【0029】
以下の表1は、本発明の色ダウンリンクメタデータの色空間を定めるための構成表の一般的な例を表す:
【0030】
【表1】

従って、色域境界記述子(GBD)は、本発明に従って、デバイス依存(ITU−R BT.709−4、IEC61966−2−4)又はデバイス非依存(DCI)のいずれか一方でありうる。
【0031】
本発明の色符号化(色空間精度)は、選択された色空間に従って定義される。以下で記載される本発明の実施例と同様に、HDMI1.3の他のパートと一致するよう、色精度は:
・3×8ビット
・3×10ビット
・3×12ビット
のように定義され得る。
【0032】
以下の表2は、本発明の色ダウンリンクメタデータの色精度を定めるための構成表の一般的な例を表す:
【0033】
【表2】

本発明の一実施例で、HDMIソース色域は、表3に表されるような選択された色空間にあるインデックス付きファセットを用いて又は用いずに頂点の組によって記述される。表3は以下の通りである:
【0034】
【表3】

GBDメタデータのGAMUT_VERTICESフィールド及びGAMUT_FACETSフィールドのサイズは、以下の式(1):
【0035】
【数1】
に従って特徴付けられ得る。上記の式(1)で、
【0036】
【数2】
は、次に上位の整数に丸める演算を表す。さらに、式(1)で、“ld”は2を底とする対数を表す。メタデータブロックのサイズを制限するために、制約S<SmaxがN及びNの選択に適用され、一方、Smaxは搬送機構に依存する。本発明の典型的な用途では、Smaxのもっともらしい値は40KBである。
【0037】
さらに、本発明の色ダウンリンクメタデータの様々な実施例で、フィールドは、同期のために少なくとも“メタデータパッケージの開始”及び“有効期間(例えば、タイムスタンプ、フレームリファレンス等)”を示すよう含まれる。
【0038】
先に述べたように、本発明者は、三原色のメディアコンテンツのための本発明の実施例に従う色ダウンリンクメタデータの具体例を以下で与える。以下の例で、色域は、8ビット色符号化で(HDMI1.3のために2005年にソニー(登録商標)によって提案された)xvYCC空間において記述される。以下:
【0039】
【表4】

表4で表されるGBDは、黒点、白点並びに赤、緑及び青の原色を含む。メタデータブロックの総体的なサイズは示される通りに144ビットである。
【0040】
第2の例は、視認性の閾値において、GDBに関して以下に提示される。GBDはCIE L*a*b*において構成される。色域境界は、4%のL*a*b*空間における最大傾斜を有して平坦であるとする。さらに、視認性の閾値は、以下の式(2):
【0041】
【数3】
に従って特徴付けられるとする。上記の条件を用いて、境界を表すサンプル間の距離はΔE=25よりも小さい必要があるという結論に達する。GBDは、L*、a*、b*の夫々に関し[0,116]、[−200,200]、[−500,500]の制限を有する直方体(cuboid)に設定される。ΔE=25の距離を有するサンプルによってその直方体の表面を覆うために、N=3080の三角形が必要とされ、N=1540の頂点が必要とされる。10ビットでXYZ空間を選択すると、各頂点は30ビットを要する。各ファセットは更なる36ビットを要する。N=1540を用いて、頂点は、12ビットを用いてインデックスを付され得る。このように、このメタデータパケットの総体的なサイズは、以下の表5:
【0042】
【表5】

に表されるように19.1KBである。
【0043】
メタデータは、別個のストリーム上のダウンリンクデータチャネルへ又は代替的に元のメディアコンテンツの一部として提供され得る。本発明の代替の実施例で、本発明の決定されるメタデータは、元のコンテンツの一部として又は別個のストリーム若しくは信号として、例えば光ディスク(例えば、DVD。)のような記録媒体において、ダウンリンクデータチャネル又はデバイスによる使用のために提供され得る。
【0044】
ダウンリンクデータチャネルのための色メタデータを決定し且つ提供するための方法及びシステムに関する好ましい実施形態を記載してきたが(この実施形態は限定ではなく説明を目的としている。)、変形及び改良が上記の教示を鑑みて当業者によって行われ得ることが知られる。従って、当然、変更は、開示される本発明の具体的な実施例において行われ得る。これは、添付の特許請求の範囲に挙げられている本発明の適用範囲及び精神の範囲内にある。上記は本発明の様々な実施例を対象とするが、本発明の他の及び更なる実施例が、その基本的な適用範囲を逸脱することなく想到され得る。このように、本発明の適切な適用範囲は、特許請求の範囲に従って決定されるべきである。
【0045】
以上の実施例に関し、更に、以下の項目を開示する。
【0046】
(付記1)ソースのコンテンツの色域を保つようダウンリンクデータチャネルのための色メタデータを決定する方法であって、
前記ソースの色域により色空間域を定める段階と、
前記定められた色空間域により色域マッピングを行う段階と
を有することを特徴とする方法。
【0047】
(付記2)前記色空間域は、xvYCC空間において定められる、付記1記載の方法。
【0048】
(付記3)前記コンテンツは三原色を有する、付記1記載の方法。
【0049】
(付記4)前記ソースの色域は平坦であり、前記色空間域を定めるようサンプリングスキームが実施される、付記1記載の方法。
【0050】
(付記5)前記ソースの色域は左右対称であり、前記色空間域を定めるようサンプリングスキームが実施される、付記1記載の方法。
【0051】
(付記6)インデックス付きファセットセットは、前記色空間域を定めるよう実施される、付記1記載の方法。
【0052】
(付記7)前記色空間域の定義は、色域境界記述子を有する、付記1記載の方法。
【0053】
(付記8)前記色空間の正確さは、選択された色空間に従って定められる、付記1記載の方法。
【0054】
(付記9)前記色空間の正確さは、3×8ビット、3×10ビット、及び3×12ビットのうちの少なくとも1つによって定められる、付記1記載の方法。
【0055】
(付記10)前記ソースの色域は、選択された色域におけるインデックス付きファセットを伴う頂点の組によって定められる、付記1記載の方法。
【0056】
(付記11)前記色空間域の定義の色域頂点及び色域ファセットフィールドの大きさは、以下の式:
【0057】
【数4】
に従って特徴付けられ、
【0058】
【数5】
は、次に上位の整数に丸める演算を表し、ldは、2を底とする対数を表す、付記10記載の方法。
【0059】
(付記12)前記色空間域は、CIE L*a*b*空間において定義される、付記1記載の方法。
【0060】
(付記13)前記色空間域の定義は、色域境界記述子を有する、付記1記載の方法。
【0061】
(付記14)前記色域境界記述子は直方体を有する、付記13記載の方法。
図1
図2