(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る樹脂発泡シートは、フラットシート、フラットボードなどの平坦形状を有する樹脂発泡成形品に有用なものである。
また、本発明に係る樹脂発泡シートは、フラットシートを熱成形したトレーやフラットボードを使って組立てた箱などの立体形状を有する樹脂発泡成形品の形成に有用なものである。
本発明に係る樹脂発泡シートは、樹脂発泡層が備えられ、樹脂発泡成形品の形成に用いられる樹脂発泡シートであって、前記樹脂発泡層は、ポリアミド系樹脂組成物からなり、温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して30%以上の水分を含んでいる。
即ち、本発明に係る樹脂発泡シートは、少なくとも一つの樹脂発泡層を有するものであり、該樹脂発泡層がポリアミド系樹脂組成物によって形成されたものである。
そして、上記のように本発明に係る樹脂発泡シートは、前記樹脂発泡層の温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率を100%とした際に、30%以上の水分が前記樹脂発泡層に含まれているものである。
以下においては、本発明の効果をより顕著に発揮させ易い点において樹脂発泡シートが熱成形に用いられる場合を例にして樹脂発泡シートや樹脂発泡成形品の製造方法について説明する。
また、以下においては、熱成形用の樹脂発泡シートが単一の樹脂発泡層により構成されている場合を例にして本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態における樹脂発泡シート100は、
図1に示すように長尺帯状に形成されている。
本実施形態における樹脂発泡シート100(以下、単に「発泡シート」ともいう)は、前記樹脂発泡層がポリアミド系樹脂組成物によって形成されている。
本実施形態の前記ポリアミド系樹脂組成物は、ポリアミド系樹脂(A)を主成分とし、さらに、発泡のための成分(B)、及び、各種添加剤(C)を含有している。
【0012】
(A)ポリアミド系樹脂
前記発泡シートの形成に用いるポリアミド系樹脂としては、単独縮重合型のものでも、共縮重合型のものであっても良い。
前記ポリアミド系樹脂は、単独縮重合型のものであれば、例えば、ε−カプロラクタムの開環重合によって得られるポリアミド6、ウンデカンラクタムの開環重合によって得られるポリアミド11、ラウリルラクタムの開環重合によって得られるポリアミド12などとすることができる。
また、前記ポリアミド系樹脂は、共縮重合型のものであれば、テトラメチレンジアミンとアジピン酸との縮重合によって得られるポリアミド4,6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との縮重合によって得られるポリアミド6,6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との縮重合によって得られるポリアミド6,10、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸との縮重合によって得られるポリアミド6T、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸との縮重合によって得られるポリアミド6I、ノナンジアミンとテレフタル酸との縮重合によって得られるポリアミド9T、メチルペンタジアミンとテレフタル酸との縮重合によって得られるポリアミド5MT、カプロラクタムとラウリルラクタムとの縮重合によって得られるポリアミド6,12などとすることができる。
さらに、前記ポリアミド系樹脂は、共縮重合型のものであれば、いわゆる芳香族ポリアミドでも良く、p−フェニレンジアミンとテレフタル酸との縮重合によって得られるポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、m−フェニレンジアミンとイソフタル酸との縮重合によって得られるポリ−m−フェニレンイソフタルアミドなどとすることができる。
【0013】
これらのポリアミド系樹脂は、前記ポリアミド系樹脂組成物に1種単独で含有させても良く、2種以上のものを含有させても良い。
前記ポリアミド系樹脂組成物におけるポリアミド系樹脂の含有量は、通常、50質量%以上である。
前記ポリアミド系樹脂組成物における該ポリアミド系樹脂の含有量は、75質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
【0014】
なお、前記ポリアミド系樹脂組成物には、必要に応じて前記のポリアミド系樹脂以外の樹脂を含有させてよい。
前記ポリアミド系樹脂組成物に含有させることができるポリアミド系樹脂以外の他樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
前記ポリアミド系樹脂組成物の全樹脂成分に占める当該他樹脂の割合は、通常、0質量%を超え50質量%以下である
他樹脂の前記割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0015】
(B)発泡成分
上記のような樹脂を発泡させるための成分としては、発泡剤(B1)ならびに気泡核剤(B2)などが挙げられる。
【0016】
(B1)発泡剤
前記発泡剤としては、一般的な樹脂の押出発泡において用いられている発泡剤と同様のものを採用することができる。
該発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、ジメチルエーテルなどのエーテル類、メチルクロライド、エチルクロライド等のハロゲン化炭化水素類、二酸化炭素、窒素、空気等の無機ガス類などが挙げられる。
これらの中でも発泡剤は、ノルマルブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素の何れかであることが好ましい。
前記ポリアミド系樹脂組成物における該発泡剤の含有量としては、ポリアミド系樹脂組成物に含まれる全樹脂成分100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
【0017】
(B2)気泡核剤
前記気泡核剤は、広く一般に用いられているものを採用することができる。
前記気泡核剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、炭酸水素ナトリウム、ガラスビーズなどの無機化合物;ポリテトラフルオロエチレン、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物などの有機化合物;窒素などの不活性ガスなどが挙げられる。
本実施形態においては、前記気泡核剤がタルクであることが好ましい。
なお、気泡核剤は、一種単独で用いても、二種以上を混合して併用してもよい。
前記ポリアミド系樹脂組成物における該気泡核剤の添加量としては、ポリアミド系樹脂組成物に含まれる全樹脂成分100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
【0018】
(C)添加剤
前記添加剤としては、従来から熱可塑性樹脂の加工に用いられているものを適宜必要に応じて含有させれば良い。
前記添加剤としては、例えば、耐候剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、染料、難燃剤、結晶核剤、結晶化遅延剤、可塑剤、滑剤、界面活性剤、分散剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤などが挙げられる。
【0019】
本実施形態の発泡シートは、上記のような材料を含むポリアミド系樹脂組成物を押出機などからシート状に押出発泡することによって作製できる。
より詳しくは、例えば、前記発泡剤を除いたすべての材料を所定の比率でドライブレンドした配合物、又は、フルコンパウンド化した配合物を用意し、この配合物をサーキュラーダイやフラットダイなどを装着した押出機に供給し、該押出機内で前記配合物を溶融混練するとともに該押出機の途中において前記発泡剤を圧入し、溶融混練された前記配合物に前記発泡剤を加えてさらに溶融混練を実施して、得られた溶融混練物をサーキュラーダイやフラットダイのダイスリットからシート状に押出発泡させることで前記発泡シートを得ることができる。
【0020】
このような発泡シートは、通常、押出機によって連続的に生産され、長尺帯状のものとして生産される。
そして、ダイスリットから押出発泡された長尺帯状の発泡シートは、ロール状に巻き取られて熱成形用の原反ロールとされる。
【0021】
該原反ロールは、発泡シートの片面、若しくは、両面にフィルムが積層されるか、又は、そのままの状態で熱成形に供されて樹脂発泡成形品の作製に用いられる。
該熱成形は、通常、真空成形、圧空成形、真空・圧空成形、プレス成形、マッチモールド成形などの内の何れかの方法で実施される。
該熱成形後は、トムソン刃型やパンチングプレスを用いた打抜加工が製品形状の形成された発泡シートに対して施され、該発泡シートが製品(樹脂発泡成形品)と抜き桟とに分離される。
即ち、本実施形態に係る発泡シートには、外形加工として熱成形による立体形状の賦与と、打抜加工による輪郭形状の賦与とが実施される。
【0022】
なお、このような熱成形に際しては、発泡シートを軟化させて変形し易くさせるとともに発泡シート内の気泡の圧力を上げて発泡シートの厚みが過度に減少しないように予め発泡シートを加熱する工程が実施される。
該工程では発泡シート内に残存している発泡剤によって気泡膜に新たな発泡が生じ、該発泡は、押出時の発泡と区別する意味で「2次発泡」と呼ばれている。
この発泡シートを加熱する工程では、発泡シートの表面が最も高温となって最も軟化した状態となる。
そして、熱成形に際しては、このような状態の発泡シートが成形型に圧接される。
従って、発泡シートに異物が付着したりしていると、該異物が単に発泡シート上に載っているだけのものであっても熱成形後の発泡シートに対して食い込んだ状態になって取り除くことが不可能になる。
そのようなことから、通常、発泡シートは、前記のようにダイスリットからの押出発泡に連続してロール状に巻き取られた後は、速やかに埃除けのポリ袋が被せられたりしている。
また、一般的にポリアミド系樹脂製の発泡シートは、ポリスチレン樹脂製の発泡シートなどに比べて2次発泡し難い。
そのため発泡剤の散逸を防止して少しでも2次発泡し易くする意味においてポリアミド系樹脂製の発泡シートは、気密性を保った状態で保管されることが好ましい。
ここで、押出発泡の際、ポリアミド系樹脂は熱劣化を防ぐために十分に乾燥して使用し、さらに高温の溶融状態の樹脂をダイスから吐出すると同時に樹脂に含まれる水分が気化逸散するため、押出発泡直後の発泡シートは、通常、水分が殆ど含まれていない。
そして、前記のような理由から気密性を保った状態で保管された発泡シートは、熱成形時においても水分が低い状態に維持されている。
そうすると、熱成形後の樹脂発泡成形品は、常温常湿の環境下に置かれることで平衡吸水率に達するまで吸水してしまい該吸水によって外形変化を起こしてしまうことになる。
【0023】
本実施形態においては、上記のような外形変化が樹脂発泡成形品に生じることを防止すべく、前記押出発泡によるシート作製工程と、前記熱成形による成形工程との間に発泡シートの水分量を調整するための吸水工程を実施する。
そして、本実施形態においては、該吸水工程によって発泡シートを温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して30%以上の水分を含んだ状態にさせる。
即ち、本実施形態においては、発泡シートの温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対する水分含有量が30%未満の発泡シートを作製するシート作製工程と、該シート作製工程で得られた発泡シートに吸水させて前記水分含有量を平衡吸水率の30%以上とする吸水工程とを実施し、該吸水工程後の発泡シートに対して外形加工を実施する。
本実施形態においては、上記のような状態の発泡シートに熱成形が実施されることになるため、熱成形後の樹脂発泡成形品が吸水することを抑制させることができる。
そのため、本実施形態の樹脂発泡成形品の製造方法においては、外形変化を起こし難い樹脂発泡成形品を得ることができる。
なお、このような効果をより顕著に発揮させる上において、外形加工される発泡シートの水分含有量は、前記平衡吸水率に対して40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、75%以上であることが特に好ましい。
【0024】
前記吸水工程は、例えば、単に原反ロールを所定の湿度環境下で一定期間保管するような方法を採用しても良い。
ただし、その場合は発泡シートが所定の水分を含有するまでに長い時間を要する。
そのため、前記吸水工程は、このような方法に代えて、原反ロールを加熱・加湿環境下(例えば、30℃〜50℃、相対湿度50%〜相対湿度95%)に保管し、発泡シートの吸水を促進させるようにして実施してもよい。
なお、原反ロールは、金属や樹脂のような非透湿性でできた巻芯に巻き取られているような場合、当該原反ロールが広幅で大径なものになるほど、巻芯に近い部分と外周部とで吸水の度合いが異なり易い。
また、巻芯が無い場合や、巻芯が透湿性を有する場合などにおいても、原反ロールの内周部と外周部との間の中間部は、内周部や外周部に比べて水分含有量が低いものになり易い。
従って、前記吸水工程は、原反ロールを巻き替える巻替工程や原反ロールを緩めて発泡シート間に隙間を設ける工程を含んでいることが好ましい。
【0025】
発泡シートが実際にどの程度の水分を含んでいるかについては、発泡シートに対し、JIS K0068:2001(化学製品の水分測定方法)に記載のカールフィッシャー滴定法(水分気化法)による評価を行うことで確かめることができる。
具体的には、発泡シートの水分量は、以下のような方法で確認することができる。
(水分量測定方法)
発泡シートから約70mgの試料を採取する。
該試料を(株)三菱化学アナリテック社製カールフィッシャー水分測定装置CA−200及び水分気化装置VA−236Sにセットして水分量を測定する。
測定時の陽極液、陰極液にはそれぞれ(株)エーピーアイ コーポレーション製アクアミクロンAX、アクアミクロンCXUを使用する。
測定温度は230℃とする。
キャリアガスは窒素を用い、その流量は250mL/minとする。
発泡シートからの試料の採取、及び、水分量の測定は3回実施する。
また、試料を入れない容器だけでのブランク試験を2回実施し、得られた水分量の平均値を求める。
試料を測定して得られた水分量の値からブランク試験で得られた水分量の値を差し引いて各試料の水分量を算出する。
発泡シートの吸水率は、以下のような方法で確認することができる。
(吸水率の求め方)
試料の水分量を試料の質量で除して水分割合(質量%)を求める。
該水分割合を3つの試料それぞれについて求め、算術平均値を発泡シートの吸水率(質量%)とする。
発泡シートの温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率は、発泡シートを温度23℃、相対湿度60%下に静置しながら24時間おきに発泡シートの質量を測定し、質量変化が±0.1%以内となった時点で上記と同様に水分量を測定して求めることができる。
なお、ポリアミド系樹脂の温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率は公知であり、例えば、ポリアミド6で3.5質量%、ポリアミド6,6で2.5質量%、ポリアミド6,10で1.5質量%程度である。
【0026】
前記発泡シートの厚みは、通常、0.5mm以上3.0mm以下である。
前記発泡シートの坪量は、通常、100g/m
2以上1000g/m
2以下である。
【0027】
前記発泡シートは、吸水工程を速やかに実施させる上においては、連続気泡率が一定以上であることが好ましい。
一方で、前記発泡シートは、熱成形における作業性や熱成形によって得られる樹脂発泡成形品の強度などを考えると連続気泡率が低い方が好ましい。
前記発泡シートの連続気泡率は、5%以上60%以下であることが好ましく、10%以上40%以下であることがより好ましく、15%以上30%以下であることが特に好ましい。
ここで、連続気泡率は次のようにして測定することができる。
(連続気泡率測定方法)
発泡シートから、縦25mm×横25mmの試験片を複数枚切り出す。
切り出した試験片を空間があかないよう重ね合わせて厚み約25mmの試験体を5個作製する。
得られた試験体の外寸を、ミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」を用いて、1/100mmまで測定し、見掛けの体積(cm
3)を求める。
次に、空気比較式比重計1000型(東京サイエンス社製)を用いて、1−1/2−1気圧法により試験体の体積(cm
3)を求める。
下記式により連続気泡率(%)を計算し、5つの試験体の連続気泡率の算術平均値を求め、該平均値を発泡シートの連続気泡率とする。
なお、測定は、試験体をJIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で16時間保管した後、JIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で実施する。
また、空気比較式比重計は、標準球(大28.96cc 小8.58cc)にて補正する。
連続気泡率(%)=100×(見かけ体積−空気比較式比重計測定体積)/見かけ体積
【0028】
前記発泡シートは、平均気泡径が大きすぎると、発泡シート内に存在する気泡の数が少なくなる。
気泡の数が少ない発泡シートは、気泡数の多いものに比べて気泡膜が厚くなるため断熱性や緩衝性に劣るものとなる。
一方で、発泡シートの平均気泡径が小さすぎると、発泡シート内に存在する気泡の数が多大なものになる。
発泡シートに含まれている気泡の数が多くなりすぎると、気泡膜の厚みが薄くなりすぎて気泡膜に破れが生じ易くなるため、発泡シートは機械強度に劣るものとなる。
そのようなことから発泡シートの平均気泡径は、100μm以上1000μm以下が好ましく、100μm以上800μm以下がより好ましく、100μm以上600μm以下がさらに好ましい。
【0029】
発泡シートの平均気泡径は、次の試験方法にて測定することができる。
(平均気泡径測定方法)
図5に示すように、発泡シートFSを幅方向中央部において、シート面に垂直で押出方向(MD:Machine Direction)に平行する面(
図5の面α)と、シート面に垂直で押出方向に直交する幅方向(TD:Transverse Direction)に平行する面(
図5の面β)に沿って切断し、断面を走査電子顕微鏡(株)日立製作所製S−3000Nまたは(株)日立ハイテクノロジーズ製S−3400Nにて18〜20倍(場合によっては200倍)に拡大して撮影する。このとき、撮影した写真をA4用紙の1/4の大きさに印刷し、印刷した写真の上に描いた60mmの直線上に存在する気泡の数が10〜20個程度となるように前記の電子顕微鏡での拡大倍率を調整する。
MDに平行する断面の写真をA4用紙上に4画像印刷する。
この印刷した写真上にMDに平行する方向と、該方向対して垂直となるシート厚み方向(VD:Vertical direction)とに沿って任意の直線を引く。
また、TDに平行する断面の写真をA4用紙上に4画像印刷し、この印刷した写真上にTDに平行する方向と、該方向対して垂直となるシート厚み方向(VD)とに沿って任意の直線を引く。
全ての直線の長さは、原則的に60mmとし、これらの直線上に存在する気泡数から下記式(1)を使って各方向(MD、TD、VD)における気泡の平均弦長(t)を算出する。
平均弦長 t(mm)=60/(気泡数×写真の倍率)・・・(1)
ただし、発泡シートの厚みが薄く、VD(シート厚み方向)に60mm長さ分の気泡数が数えられない場合は、30mm又は20mm分の気泡数を数えて60mm分の気泡数に換算する。任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにする。接点でのみ接してしまう気泡がある場合はこの気泡も気泡数に含める。計測は1方向につき2枚の写真を用いて、それぞれ3箇所、計6箇所とする。
写真の倍率は写真上のスケールバーを株式会社ミツトヨ製「デジマチックキャリパ」にて1/100mmまで計測し、下記式(2)により求める。
写真の倍率=スケールバー実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)・・・(2)
そして次式(3)により各方向における気泡径Dを算出する。
D(mm)=t/0.616・・・(3)
さらにそれらの積の3乗根を発泡シートの平均気泡径とする。
平均気泡径(mm)=(DMD×DTD×DVD)
1/3・・・(4)
DMD:MDの気泡径(mm)
DTD:TDの気泡径(mm)
DVD:VDの気泡径(mm)
【0030】
発泡シートに優れた耐熱性を発揮させる上において、発泡シートが含有するポリアミド系樹脂は、結晶性を有する樹脂であることが好ましい。
発泡シートは、含有するポリアミド系樹脂が結晶化していることで、熱変形などを防止することができる。
発泡シートに含まれるポリアミド系樹脂の結晶化度は、10%以上であることが好ましい。
該ポリアミド系樹脂が結晶性を有することは、示差走査熱量計装置(例えば、株式会社 日立ハイテクサイエンス製、商品名「DSC7000X」)を用いて確認することができる。
即ち、ポリアミド系樹脂が融解にともなう吸熱や結晶化にともなう発熱を示すことによって該ポリアミド系樹脂が結晶性を有することを確認することができる。
また、発泡シートにおけるポリアミド系樹脂の結晶化度も示差走査熱量計装置を用いて確認することができる。
具体的には、ポリアミド系樹脂の結晶化度は、JIS K7122:2012「プラスチックの転移熱測定方法」に記載されている方法で測定できる。但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下の通りとする。
試料をアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約5mg充てんして、窒素ガス流量20mL/minのもと、30℃から−40℃まで降温した後10分間保持し、−40℃から290℃まで昇温(1st Heating)、10分間保持後290℃から−40℃まで降温(Cooling)、10分間保持後−40℃から290℃まで昇温(2nd Heating)した時のDSC曲線を得る。なお、全ての昇温・降温は速度10℃/minで行い、基準物質はアルミナを用いる。
結晶化熱量から算出される結晶化度とは、Cooling過程にみられる結晶化ピークの面積から求められる結晶化熱量Q(J/g)を該ポリアミド系樹脂の完全結晶の理論融解熱量ΔHf(J/g)で除して求められる割合である。結晶化熱量は装置付属の解析ソフトを用い、高温側のベースラインからDSC曲線が離れる点と、そのDSC曲線が再び低温側のベースラインへ戻る点とを結ぶ直線と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から算出される。
つまり、結晶化度は次式より求められる。
結晶化度(%)=(Q(J/g)/ΔHf(J/g)×100
【0031】
なお、ポリアミド系樹脂の完全結晶の理論融解熱量(ΔHf)は、樹脂の種類によって異なるものの概ねその値は200〜300J/gである(ΔHfの参考値、PA6:230J/g、PA11:244J/g、PA12:245J/g、PA66:226J/g、PA69:257J/g、PA610:254J/g、PA612:258J/g・・・)。
そのようなことから発泡シートは、使用されているポリアミド系樹脂の種類によらず、上記のような測定を行った際に20J/g以上の結晶化熱量を示すことが好ましく、30J/g以上の結晶化熱量を示すことがより好ましい。
【0032】
該発泡シートによって形成される前記樹脂発泡成形品としては、特に限定されず種々のものが考えられる。
なお、樹脂発泡成形品は、大型のものほど寸法変化によって生じる問題が顕在化し易い。
言い換えれば、樹脂発泡成形品が比較的大型のものである方が寸法変化を抑制できるという効果が顕著になる。
また、本実施形態の樹脂発泡成形品は、ポリアミド系樹脂によって優れた耐熱性と機械的強度を有する。
比較的大型で寸法変化に係る効果が顕著に発揮されるとともに軽量性や機械的強度に対する要望が強いことから本実施形態の方法によって作製されることが好ましい樹脂発泡成形品としては、例えば、ダッシュボード、ドアパネル、天井材及び座席シートなどに使用される自動車用内装材などが挙げられる。
また、寸法安定性、軽量性、耐薬品性、耐油性及び、耐熱性などに関する要望が強いことから本実施形態の方法によって作製されることが好ましい樹脂発泡成形品としては、例えば、自動車のエンジンルーム内に装着される自動車用部品などが挙げられる。
なお、樹脂発泡成形品として比較的小型であっても、収容した食品を電子レンジで加熱するための食品収容用容器などの樹脂発泡成形品は、寸法安定性、軽量性、耐油性、ガスバリア性及び、耐熱性に対する要望が強い。
そのため、前記食品収容用容器も本実施形態の方法によって作製されることが好ましい樹脂発泡成形品として挙げられる。
また、寸法安定性、軽量性、及び緩衝性などに関する要望が強いことから本実施形態の方法によって作製されることが好ましい前記樹脂発泡成形品としては、例えば、トレーなどが挙げられる。
前記トレーに収用するものとしては、例えば、モーターやモーター用のローターなどが挙げられる。
前記モーターや前記ローターを収容する容器は、前記モーターや前記ローターを搬送する際に回転軸が衝突するなどして局所的に強い力を受けやすい。
本実施形態の方法によって作製される樹脂発泡成形品は、ポリスチレン樹脂発泡成形品などの汎用の発泡成形品に比べて強度において優ることから上記のような用途に用いられることが好ましい。
上記のような用途で用いられる樹脂発泡成形品の寸法変化率は、常温では1%以下、150℃以下では3%以下が好ましい。
特に食品収容用容器が蓋付容器である場合には、本実施形態の方法によって作製されることがより好ましいものとなる。
この点について以下に説明する。
【0033】
容器本体に蓋体が内嵌合される蓋付容器、容器本体に蓋体が外嵌合される蓋付容器、或いは、容器本体に蓋体が内外嵌合される蓋付容器などといった容器本体に蓋体が嵌着されるタイプの蓋付容器においては、容器本体や蓋体に外形変化が生じると、蓋体が容器本体に嵌着できなくなったり、容器本体に嵌着した蓋体が過度に外れ難くなってしまったり、容器本体に嵌着した蓋体が過度に外れ易くなってしまったりするおそれがある。
そのため、外形変化が生じ難いという本発明の効果を有効に発揮させ易い点において、前記発泡シートによって作製される樹脂発泡成形品は、容器本体と、該容器本体に嵌着される蓋体とを備えた蓋付容器であることが好ましく、該蓋付容器の容器本体であることが特に好ましい。
【0034】
この点について図を参照しつつさらに詳しく説明する。
図2aは、レンジアップ容器などとして用いられる樹脂発泡成形品について示したものである。
図2bは、
図2aに示した蓋付容器1における容器本体10と蓋体20との嵌合状況を示したもので
図2aにおけるI−I線矢視断面の様子を示した図である。
この図には、容器本体10に蓋体20が内嵌合される蓋付容器1(以下「第1蓋付容器1」ともいう)が示されている。
また、
図3aは、容器本体10’に蓋体20’が外嵌合される蓋付容器1’ (以下「第2蓋付容器1’」ともいう)を示したもので、
図3bは、
図3aにおけるII−II線矢視断面を示した図である。
さらに、
図4aは、容器本体10”に蓋体20”が内外嵌合される蓋付容器1” (以下「第3蓋付容器1”」ともいう)を示したもので、
図4bは、
図4aにおけるIII−III線矢視断面を示した図である。
なお、第1蓋付容器1の蓋体20は、通常、容器本体10の開口部にはまり込む部分の大きさが容器本体10の開口部よりも僅かに大きくなるように作製される。
このことにより第1蓋付容器1は、
図2aに符号xで示した容器本体10と蓋体20との当接部に強い圧力を作用させることができる。
また、第3蓋付容器1”についても第1蓋付容器1と同様に容器本体10”と蓋体20”との当接部x”に強い圧力を作用させることができる。
そのため、第1蓋付容器1や第3蓋付容器1”のような蓋体が内嵌合される蓋付容器は、シチューなどの液体を多く含む食品を収容する目的において広く用いられている。
この種の蓋付容器において容器本体が収縮すると該容器本体への蓋体の着脱が困難になるおそれがある。
また、この種の蓋付容器において容器本体が変形すると前記当接部x,x”に作用する圧力が不十分となって液体を収容させた際に該液体が容器外に漏れ出し易くなるおそれがある。
このようなことから、本実施形態の樹脂発泡成形品は、その具体的な態様を、上記に例示した蓋付容器の容器本体とすることで優れた効果を発揮する。
一方、前記第2蓋付容器1’は、第1蓋付容器1などに比べて密閉性が劣るものの容器本体10’に対する蓋体20’の着脱が容易であるという利点を有する。
該第2蓋付容器1’においては、容器本体が変形すると蓋体20’が必要以上に容器本体10’から外れ易くなってしまうおそれを有する。
従って、容器本体が寸法安定性に優れることで発揮される2次的な効果は、樹脂発泡成形品が第2蓋付容器1’である場合においても発揮される。
【0035】
本実施形態においては、連続的な熱成形によって上記のような樹脂発泡成形品を効率良く製造できる点において熱成形用樹脂発泡シートとして押出発泡シートを例示しているが、熱成形に適した厚みを有するシート状のビーズ発泡成形体についても本実施形態の押出発泡シートと同じく熱成形に利用することができる。
また、厚手のビーズ発泡成形体やボード発泡成形体からスライスして切り出されたシート状の発泡体についても本実施形態の押出発泡シートと同じく熱成形に利用することができる。
【0036】
本実施形態においては、熱成形用の樹脂発泡シートが単一の樹脂発泡層により構成されている場合を例にしているが、複数の樹脂発泡層を有するものや、1以上の樹脂発泡層に1以上の樹脂フィルム層とが積層されたタイプのものも本発明の樹脂発泡シートとして意図する範囲のものである。
なお、本実施形態の樹脂発泡シートが、ポリアミド系樹脂組成物からなる樹脂発泡層を2層以上備えているタイプのものである場合、全ての樹脂発泡層が温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して30%以上の水分含有量となっている必要はなく、少なくともこのような水分含有量の層が1以上備えられていればよい。
【0037】
また、本実施形態に係る樹脂発泡シートや樹脂発泡成形品の製造方法については、本発明の効果が著しく損なわれない範囲において、上記例示の態様に対して種々の変更を加え得るものである。
【実施例】
【0039】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリアミド系樹脂として、ポリアミド6(ユニチカ社製、商品名「A1030BRT」; 密度1.13g/cm
3)を用意した。
該ポリアミド6は、予め120℃にて4時間除湿乾燥を行って使用した。
この樹脂(ポリアミド6)100質量部に対し、スチレン・無水マレイン酸共重合体(CRAY VALLEY社製、商品名「SMA1000P」)が0.3質量部、タルク粉末のポリエチレンテレフタレート(PET)によるマスターバッチ(タルク40%、PET 60% ; テラボウ社製、商品名「PET−F40−1」)が2.5質量部となるように配合し、これらの配合物をタンブラーミキサーにて混合した。
直径70mmの円環状スリットで、且つ、スリット幅が0.6mmのサーキュラーダイを単軸押出機(口径65mm、L/D=34)の先端にセットし、さらにこのサーキュラーダイの押出方向前方に円筒状の冷却用マンドレル(直径205mm、長さ400mm)を配置した。
該冷却用マンドレル内に冷却を循環させるとともに前記押出機を所定の温度に設定し、該押出機のホッパーに前記配合物を供給して押出機内で溶融混練した。
また、押出機バレルの途中から発泡剤としてブタンを圧入し前記溶融混練物に加えてさらに溶融混練を実施した。
押出時の樹脂温度を230℃に設定し、前記サーキュラーダイのダイスリットから溶融状態のポリアミド系樹脂組成物を吐出量40kg/hにて押出発泡させ、円筒状の発泡体を形成させた。
この円筒状の発泡体を前記冷却用マンドレルによって拡径し、該冷却用マンドレルよりもさらに下流側に配した引取機によって引き取らせた。
そして、冷却用マンドレルの外周面を前記発泡体の内周面に摺接させて発泡体を冷却するとともに冷却用マンドレルの下流側において該円筒状発泡体を押出方向に沿って切断した。
そして、円筒状発泡体を平坦な帯状にして前記引取機によりロール状に巻き取らせた。
得られた発泡シートの密度は0.24g/cm
3、坪量は200g/m
2、連続気泡率は20.0%であった。
【0040】
発泡シートは、製造直後に水分量を測定したところ、該水分量は0.24質量%であった。
得られた発泡シートを330mm×330mmに裁断し、23℃、相対湿度60%の条件下で168時間放置した。
その際、発泡シートの水分量は3.8質量%であった。(温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して100%の水分を含んでいた。)
この発泡シートを再加熱して熱成形を行い樹脂発泡成形品を作製した。
この樹脂発泡成形品を23℃、相対湿度60%下で168時間放置した。
結果、樹脂発泡成形品の成形直後に対する寸法変化率は0.41%であった。
【0041】
ここで、熱成形は以下のように行なった。
すなわち、発泡シートの4端をクランプして、上下のヒーター温度が330℃に設定された予熱用の加熱炉に導入した。
この加熱炉にて7秒間発泡シートを加熱し、次いでこの発泡シートをプレス成形機に導入して成形を実施した。
このとき、成形型はポリテトラフロロエチレン樹脂コートによる表面処理が施されたアルミ製の金型を用いた。
発泡シートを該成形型で成形し、開口部および底面部の大きさが50(縦)×50(横)mm、深さが30mmの角箱状の樹脂発泡成形品を作製した。
【0042】
また、樹脂発泡成形品の寸法変化率は以下のように算出した。
(寸法変化率測定方法)
開口部および底面部の大きさが50(縦)×50(横)mm、深さが30mmの凹状の樹脂発泡成形品における、成形直後の縦(底面部)、横(底面部)、深さの寸法(L1、L2、L3)を測定する。
その後、樹脂発泡成形品を23℃、相対湿度60%下で168時間放置し、放置後の縦(底面部)、横(底面部)、高さの寸法(L3、L4、L5)を測定する。
下記式よりそれぞれの寸法変化率の絶対値(A、B、C)を求め、その平均値を樹脂発泡成形品の寸法変化率とする。
縦(底面部)の変化率の絶対値A(%)=|100×((L3−L1)/L1)|
横(底面部)の変化率の絶対値B(%)=|100×((L4−L2)/L2)|
深さの変化率の絶対値C(%)=|100×((L5−L3)/L3)|
成形品の寸法変化率(%)=(A+B+C)/3
【0043】
(実施例2)
水分含有量が2.5質量%(温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して65.8%)となるように調節した発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様に熱成形を実施して角箱状の樹脂発泡成形品を作製し、寸法変化率を求めた。
なお、発泡シートは、330mm×330mmに切り出した後、23℃、相対湿度60%の環境下に保持する時間を調節してその水分量が2.5質量%となるようにした。
この発泡シートを熱成形して得られた角箱状の樹脂発泡成形品は、成形直後に対する寸法変化率が0.61%であった。
【0044】
(実施例3)
水分含有量が1.7質量%(温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して44.7%)となるように調節した発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様に熱成形を実施して角箱状の樹脂発泡成形品を作製し、寸法変化率を求めた。
なお、発泡シートは、330mm×330mmに切り出した後、23℃、相対湿度60%の環境下に保持する時間を調節してその水分量が1.7質量%となるようにした。
この発泡シートを熱成形して得られた角箱状の樹脂発泡成形品は、成形直後に対する寸法変化率が0.75%であった。
【0045】
(実施例4)
水分含有量が1.2質量%(温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して31.6%)となるように調節した発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様に熱成形を実施して角箱状の樹脂発泡成形品を作製し、寸法変化率を求めた。
なお、発泡シートは、330mm×330mmに切り出した後、23℃、相対湿度60%の環境下に保持する時間を調節してその水分量が1.2質量%となるようにした。
この発泡シートを熱成形して得られた角箱状の樹脂発泡成形品は、成形直後に対する寸法変化率が0.85%であった。
【0046】
(実施例5)
ポリアミド系樹脂として、ポリアミド6,6(ユニチカ社製、商品名「E2046」:密度1.14g/cm
3)を用いたこと、この樹脂(ポリアミド6,6)100質量部に対するスチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA1000P)の使用量を0.3質量部に代えて1.2質量部としたこと、並びに、押出時の樹脂温度を230℃に代えて280℃とした以外は実施例1と同様に発泡シートを作製した。
得られた発泡シートを水分量が3.0質量%(温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して100%)の状態で熱成形を行い樹脂発泡成形品を作製した。
この樹脂発泡成形品を23℃、相対湿度60%下で168時間放置した。
結果、樹脂発泡成形品の成形直後に対する寸法変化率は0.26%であった。
【0047】
(実施例6)
実施例5で作製した発泡シートを、水分含有量が2.0質量%(温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して66.7%)となるように調節した。
これを実施例1〜5と同様に熱成形し、角箱状の樹脂発泡成形品を作製した。
この発泡シートを熱成形して得られた角箱状の樹脂発泡成形品は、成形直後に対する寸法変化率が0.33%であった。
【0048】
(実施例7)
実施例5で作製した発泡シートを、水分含有量が1.1質量%(温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して36.7%)となるように調節した。
これを実施例1〜5と同様に熱成形し、角箱状の樹脂発泡成形品を作製した。
この発泡シートを熱成形して得られた角箱状の樹脂発泡成形品は、成形直後に対する寸法変化率が0.68%であった。
【0049】
(実施例8)
ポリアミド系樹脂として、非晶性ポリアミド(ユニチカ社製、商品名「CX−2600」:密度1.11g/cm
3)を用いたこと、この樹脂(非晶性ポリアミド)100質量部に対するスチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA1000P)の使用量を0.3質量部に代えて0.8質量部としたこと、並びに、押出時の樹脂温度を230℃に代えて220℃とした以外は実施例1と同様に発泡シートを作製した。
得られた発泡シートを水分量が2.0質量%(温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して100%)の状態で熱成形を行い樹脂発泡成形品を作製した。
この樹脂発泡成形品を23℃、相対湿度60%下で168時間放置した。
結果、樹脂発泡成形品の成形直後に対する寸法変化率は0.13%であった。
【0050】
(実施例9)
ポリアミド系樹脂として、ポリアミド6(ユニチカ社製、商品名「A1030BRT」と非晶性ポリアミド(ユニチカ社製、商品名「CX−2600」)とを5:5の質量比(「A1030BRT」:「CX−2600」)でブレンドして用いたこと、この樹脂100質量部に対するスチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA1000P)の使用量を0.3質量部に代えて0.8質量部としたこと以外は実施例1と同様に発泡シートを作製した。
得られた発泡シートを水分量が3.2質量%(温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して100%)の状態で熱成形を行い樹脂発泡成形品を作製した。
この樹脂発泡成形品を23℃、相対湿度60%下で168時間放置した。
結果、樹脂発泡成形品の成形直後に対する寸法変化率は0.35%であった。
【0051】
(比較例1)
水分含有量が製造直後の0.24質量%(温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して6.3%)のままの状態を維持させた発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様に熱成形を実施して角箱状の樹脂発泡成形品を作製し、寸法変化率を求めた。
この発泡シートを熱成形して得られた角箱状の樹脂発泡成形品は、成形直後に対する寸法変化率が1.90%であった。
【0052】
(比較例2)
水分含有量が0.48質量%(温度23℃、相対湿度60%における平衡吸水率に対して16.0%)の状態の発泡シートを用いたこと以外は実施例5と同様に熱成形を実施して角箱状の樹脂発泡成形品を作製し、寸法変化率を求めた。
この発泡シートを熱成形して得られた角箱状の樹脂発泡成形品は、成形直後に対する寸法変化率が1.18%であった。
【0053】
(発泡シートの諸特性)
実施例1、5、8−9で作製された発泡シートの諸特性を測定した結果を下記の表に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
(熱成形条件)
実施例1、5、8−9で作製された発泡シートを熱成形して各実施例、比較例の樹脂発泡成形品を作製した際の成形前のシート加熱条件を下記の表に示す。
なお、ヒーター温度は、設定値であり、シート表面温度は、日油技研工業社製「サーモラベル5E−125」(商品名)、及び、「サーモラベル5E−170」(商品名)で測定された値である。
【0056】
【表2】
【0057】
(耐熱性)
各実施例、比較例で得られた樹脂発泡成形品(角箱)を120℃の環境下で22時間保持し、温度23℃、相対湿度60%の場所に1時間放置した後の熱変形の度合いを評価した(耐熱性試験1)。
また、樹脂発泡成形品(角箱)を150℃の環境下で22時間保持し、温度23℃、相対湿度60%の場所に1時間放置した後の熱変形の度合いを評価した(耐熱性試験2)。
評価は、吸水前後の寸法変化率と同様にして変形度合いを測定した。
結果を、これまでの評価結果とともに下記の表に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
以上のようなことからも、本発明によれば、外形加工によって得られる樹脂発泡成形品に外形変化が生じることを抑制させ得ることがわかる。