(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る遊技場システム、遊技場用装置及び不審者検出方法の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
[遊技場システム]
まず、本実施形態の遊技場システム及び遊技場用装置の構成について、
図1〜
図11を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の遊技場システム1は、複数の遊技機10、台間機20、呼出ランプ30、台コンピュータ40、島コンピュータ50、ホールコンピュータ60、画像処理装置70、ネットワーク・ビデオ・レコーダー(以下、NVR)80及びモニタ90によって構成されている。そして、これらの装置は、それぞれ通信手段を備え、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
このような構成からなる遊技場システム1は、遊技機10の前方に位置している遊技者を撮像する顔用カメラ33を呼出ランプ30備えており、顔用カメラ33によって撮像された顔画像が、画像処理装置70に登録されていない場合又は顔として認識できない場合には、当該顔画像に対応する遊技者(未登録遊技者又は非認識遊技者)の行為に起因して遊技に関する異常な状況が発生したか否かを判断する。そして、遊技に関する異常な状況が発生した場合には、この未登録遊技者又は非認識遊技者により不正行為が行われる又は行われている可能性があるとみなし、所定の報知を行うことで、不審者を検出する不審者検出システムとして機能する。
以下、遊技場システム1の各装置の構成について詳細に説明する。
【0016】
遊技機10は、パチンコ機,スロットマシン等、遊技球やメダル等の遊技媒体を使用して遊技を行う各種の遊技機である。
台間機20は、遊技機10ごとに設けられ、紙幣等の現金などが投入されることによって、投入金額に応じた所定数の遊技媒体を遊技機10へ貸し出す遊技媒体貸出装置である。
【0017】
図2に示すように、遊技機10及び台間機20からは、種々の遊技信号が出力される。
遊技機10から出力される遊技信号には、遊技機10への遊技媒体の投入数を示すアウト信号、遊技機10から遊技媒体の払出数を示すセーフ信号、遊技機10の大当り状態を示す大当り信号、一ゲームごとに出力されるスタート信号等がある。
また、台間機20から出力される遊技信号には、遊技媒体の貸出数を示す売上信号がある。
これらの信号が、呼出ランプ30に入力され、台コンピュータ40、島コンピュータ50などの中継情報処理装置を介して、ホールコンピュータ60に伝送され、ホールコンピュータ60において、遊技機10ごとに遊技データを集計、管理するようになっている。
【0018】
呼出ランプ30は、遊技機10の上方に設置されており、電球やLEDなどのランプ36を点灯又は点滅させることで報知手段として機能する。
具体的には、呼出ランプ30は、
図3に示すように、各装置と通信処理を行う通信部31、呼出ランプ30が備える各種機能を実行するためのプログラム等を記憶する記憶部32、遊技者の顔を撮像する顔用カメラ33、遊技者の動作を撮像する動作用カメラ34、CPUにより構成され呼出ランプ30が備える各種機能を制御する制御部35等を備えている。そして、制御部35が、これら各部を制御することにより、呼出ランプ30が以下のように動作する。
【0019】
呼出ランプ30は、通信部31を介して、遊技機10から送信された遊技信号や、台間機20から送信された売上信号を受信するとともに、これらの各種信号を台コンピュータ40へ送信する。
顔用カメラ33と動作用カメラ34は、例えば、CCDカメラやデジタルビデオカメラ等の動画像や静止画像を撮像可能な撮像手段であり、遊技機10ごとに特定の領域を撮像範囲として撮像する。
図4に示すように、顔用カメラ33は、遊技機10の前方に位置している遊技者の顔を撮像する顔用撮像手段であり、遊技者の顔画像を得る。動作用カメラ34は、遊技機10の前方に位置している遊技者の動作領域、特に不正行為が行われ易い部分(例えば、遊技者の手元付近)を撮像する動作用撮像手段であり、遊技者の動作画像を得る。
【0020】
呼出ランプ30は、記憶部32に、呼出ランプ30に対応する遊技台番号、顔用カメラ33と動作用カメラ34の現在の撮像モード等を記憶する。
撮像モードは、遊技者の有無に応じて、顔用カメラ33と動作用カメラ34のフレームレートや画素数を設定するためのモードである。
また、呼出ランプ30は、記憶部32に、顔用カメラ33と動作用カメラ34によって撮像された撮像画像(顔画像、動作画像)、撮像画像の種類、撮像時刻、送信連番を記憶する。
「送信連番」は、遊技者が着席してから離席するまでを一の単位として付番されるようになっている。なお、遊技者の着席、離席の判定方法としては、例えば、遊技機10の前方に設けられた遊技椅子に遊技者が着席したことを着席センサ(非図示)が検知したとき、アウト信号を検出したとき、売上信号を検出したとき等を着席と判断し、着席センサが検知しなくなったとき、アウト信号が所定時間検出されないとき、会員カードが排出されたとき等を離席と判断することができる。
【0021】
呼出ランプ30は、通信部31を介して、記憶部32に記憶されている撮像画像とともに、遊技台番号、撮像画像の種類、撮像時刻、送信連番を画像処理装置70とNVR80に送信する。このとき、撮像画像を所定の形式(例えば、JPEG、MPEG4等)に圧縮処理し、圧縮した状態のデータを送信する。
【0022】
呼出ランプ30は、顔用カメラ33と動作用カメラ34の撮像モードを設定することができ、顔用カメラ33と動作用カメラ34は、撮像モードとして、例えば、通常モードとエコモードを有している。
通常モードは、遊技機10において遊技者が存在する場合に選択される撮像モードであり、例えば、フレームレートが30fps程度、画素数が1280×960画素程度で撮像が行われる。
一方、エコモードは遊技機10において、遊技者が存在しない場合に選択される撮像モードであり、例えば、フレームレートが5fps程度、画素数が320×240画素程度で撮像され、通常モードよりも撮像処理能力を落とした状態で撮像が行われる。
例えば、遊技者が離席したときに通常モードからエコモードに切り替わるようになっており、エコモードで撮像することで、通常モードでの撮像に比べて、顔用カメラ33と動作用カメラ34内の記憶容量を抑えることができ、長時間の撮像を可能にすることができる。また、高い撮像処理能力を要しないため、小型の顔用カメラ33と動作用カメラ34を用いることができるので、呼出ランプ30や台コンピュータ40内に設置することができる。
【0023】
なお、本実施形態では、顔用カメラ33と動作用カメラ34を、それぞれ個別に設置することを想定しているが、これに限らず、一台のカメラで顔用カメラ33と動作用カメラ34の両方の機能を備えてもよい。また、本実施形態では、一の呼出ランプ30に顔用カメラ33と動作用カメラ34を一台ずつ設けることとしているが、顔用カメラ33又は動作用カメラ34の一方又は双方を二台以上設けることもできる。
【0024】
台コンピュータ40と島コンピュータ50は、遊技機10ごと又は複数の遊技機10が取り付けられた遊技機島ごとに設けられる情報中継処理装置であり、遊技機10とホールコンピュータ60の間で送受される情報を中継する。
台コンピュータ40は、呼出ランプ30を介して受信した各種信号(遊技信号や売上信号)を島コンピュータ50に送信する。島コンピュータ50は、台コンピュータ40から送信されてきた各種信号を受信し、ホールコンピュータ60へ送信する。
【0025】
ホールコンピュータ60は、島コンピュータ50を介して送信される遊技信号に基づき、遊技機10ごとに遊技データを収集、管理する情報処理装置である。
具体的には、ホールコンピュータ60は、
図5に示すように、各装置と通信処理を行う通信部61、ホールコンピュータ60が備える各種機能を実行するためのプログラムを記憶するとともに、遊技データ等を記憶する記憶部62、CPUにより構成されホールコンピュータ60が備える各種機能を制御する制御部63等を備えており、制御部63が、これら各部を制御することにより、ホールコンピュータ60が以下のように動作する。
【0026】
ホールコンピュータ60は、通信部61を介して、島コンピュータ50から受信した遊技信号に基づき、遊技機10ごとに集計した遊技データを、遊技履歴データベースとして記憶部62に記憶する。また、遊技データを、通信部61を介して、所定の周期で画像処理装置70に送信する。
また、ホールコンピュータ60は、遊技機10において異常な稼動状況が発生した際に、画像処理装置70やNVR80に稼動異常信号とともに、その遊技機10に関する遊技台番号、遊技時刻等を送信する。
【0027】
遊技履歴データベースは、
図6に示すように、遊技機10の遊技台番号に、遊技データ(遊技日時、アウト数(投入数),セーフ数(払出数),スタート回数(遊技数),投入金額、大当り回数(特賞回数))と、顔IDと、顔画像の識別名と、動作画像の識別名等を関連付けて記憶している。
「顔ID」は、顔用カメラ33により撮像された遊技者の顔画像に基づいて遊技者ごとに付与され、遊技者を一意に識別可能な識別情報である。
「顔画像の識別名」と「動作画像の識別名」は、NVR80に記憶されている遊技者の顔画像と遊技者の動作画像に対して一意に付与されている識別名(ファイル名)である。
これらの「顔ID」、「顔画像の識別名」、「動作画像の識別名」は、通信部61を介して、画像処理装置70から受信して取得するようになっている。
【0028】
ホールコンピュータ60は、稼働状況判断手段として動作することで、各遊技機10の稼動状況を監視しており、異常な稼動状況が発生したか否かを判断する。そして、遊技機10において異常な稼動状況が発生したと判断した場合には、通信部61を介して、稼動異常を示す稼働異常信号とともに、その遊技機10の遊技台番号や遊技時刻等を、画像処理装置70やNVR80に送信する。
ここで、異常な稼動状況とは、不正行為が行われた際に発生しうる状況であって、例えば、少ない投入金額内で発生した大当りの回数が所定回数以上の場合、又は、少ないスタート回数内で発生した大当りの回数が所定回数以上のような場合をいう。
【0029】
NVR80は、呼出ランプ30から受信した撮像画像(顔画像、動作画像)を録画するための録画装置である。
具体的には、NVR80は、顔画像記憶手段として動作することで、顔用カメラ33が撮像して得た顔画像を記憶するとともに、動作画像記憶手段として動作することで、動作用カメラ34が撮像して得た遊技者の動作画像を記憶する。
これらの画像を記憶する方法には、コマ撮り録画と連続録画がある。コマ撮り録画は、呼出ランプ30から受信した撮像画像を一定間隔で記憶する方法である。連続録画は、その撮像画像を連続動画として記憶する方法である。NVR80の制御部は、通常状態では、コマ撮り録画で撮像画像を記憶し、画像処理装置70から遊技に関する異常な信号を示す異常信号を受信した場合に、コマ撮り録画から連続録画に切り替える。これにより、異常と判断された遊技機10の遊技者を連続動画で録画することができる。
【0030】
また、NVR80は、遊技者の着席から離席までの間に撮像された撮像画像を一単位として記憶するようになっている。具体的には、呼出ランプ30から撮像画像とともに受信した「遊技台番号」、「撮像画像の種類」、「送信連番」に基づき、遊技台番号ごとに、撮像画像の種類別で、送信連番ごとに記憶する。そして、この単位ごとに識別名(例えば、「123KA01」、「123DO01」)を付与して、記憶する各画像を一意に特定可能にしてある。
さらに、一単位ごとに記憶された撮像画像に対して、遊技に関する異常な状況が発生したことを示すマーク情報が記録される。例えば、画像処理装置70から遊技に関する異常な状況を示す異常信号を受信したときに、異常と判断された撮像画像に対してマーク情報を記録する。
このようにすると、マーク情報が記録されている遊技機10を、不正行為の標的となっている遊技機10と特定することができる。
【0031】
モニタ90は、液晶ディスプレイなどで構成されており、NVR80に記憶される撮像画像(顔画像、動作画像)や、ホールコンピュータ60で管理される各種情報(各遊技機10の稼働状況、営業管理情報等)の表示を行う。
例えば、ホールコンピュータ60の入力手段(非図示)から遊技場の従業員によって、所定の検索条件(遊技日時、機種名、遊技台番号等)が入力されると、この条件に該当するNVR80に記憶された顔画像や動作画像を表示する。
また、遊技場内に設置された遊技島100と遊技機10の配置レイアウトを表示し、配置レイアウト上に、稼働中の遊技機10、非稼働の遊技機10、大当り中の遊技機10等を表示する。
【0032】
さらに、モニタ90は、遊技に関する異常な状況が発生した遊技機10を表示することで、遊技場の従業員に対して報知を行う報知手段として機能する。
具体的には、後述する画像処理装置70(異常発生判断手段)によって、遊技に関する異常な状況と判断された遊技機10を、配置レイアウト上で異なる色やマーク等で示す。さらに、報知レベル(注意による報知、警告による報知)に応じて異なる表示を行う(
図11参照)。このようにすると、従業員は、報知レベルに応じて遊技者を警戒するとともに、遊技機10に対する不正行為を未然に防ぐことができる。
【0033】
[画像処理装置]
画像処理装置70は、本発明における遊技場用装置の一例として動作し、顔用カメラ33により顔画像が撮像された遊技者が、未登録遊技者又は非認識遊技者であるか否かを判断する機能と、未登録遊技者又は非認識遊技者であると判断した場合に、この未登録遊技者又は非認識遊技者の行為に起因して遊技に関する異常な状況が発生したか否かの判断をする機能と、遊技に関する異常な状況が発生したと判断した場合に、所定の報知処理を実行させる機能等を備える情報処理装置である。
【0034】
このような各機能を実現すべく、画像処理装置70は、
図7に示すように、呼出ランプ30やNVR80との間で遊技データや撮像画像等を送受信する通信部71、画像処理装置70が備える各種機能を実行するためのプログラムを記憶する記憶部72、CPUにより構成され画像処理装置70が備える各種機能を制御する制御部73等を備えており、制御部73が、これら各部を制御することにより、画像処理装置70が以下のように動作する。
【0035】
画像処理装置70は、通信部71を介して、呼出ランプ30との間で所定の情報を送受信する。
具体的には、呼出ランプ30から、撮像画像(顔画像、動作画像)を受信するほか、呼出ランプ30に対し、報知処理を実行させるための報知用制御信号を送信する。
また、画像処理装置70は、通信部71を介して、ホールコンピュータ60との間で所定の情報を送受信する。
具体的には、ホールコンピュータ60から、所定の周期で遊技データを受信するほか、ホールコンピュータ60に対し、報知処理を実行させるための報知用制御信号を送信する。なお、遊技データは、ホールコンピュータ60からだけでなく、島コンピュータ50を介して受信することもできる。
また、画像処理装置70は、遊技機10において異常な稼動状況が発生した際に、ホールコンピュータ60から稼動異常信号とともに、その遊技機10に関する遊技台番号、遊技時刻等を受信する。
【0036】
画像処理装置70は、記憶部72が、顔画像記憶手段として動作することで、呼出ランプ30から受信した顔画像を一時的に記憶する。また、動作画像記憶手段として動作することで、呼出ランプ30から受信した遊技者の動作画像を一時的に記憶する。
記憶部72に記憶されたこれらの画像は、後述する顔認証や動作解析の処理で用いられる。そのため、顔認証や動作解析の処理後に、記憶部72から消去されるようになっている。
【0037】
画像処理装置70は、記憶部72が、遊技者情報記憶手段として動作することで、遊技者に関する情報(遊技データ)を、該遊技者の顔画像に関する情報(顔ID等)とともに、登録遊技者データベースとして記憶する。
具体的には、登録遊技者データベースは、
図8に示すように、顔IDに、出玉に関する遊技データ(遊技日時,機種,遊技台番号,投入金額,出玉数等)と、顔画像の識別名と、動作画像の識別名と、未登録遊技者フラグとを関連付けて記憶している。
「顔ID」は、顔用カメラ33により撮像された遊技者の顔画像に基づいて遊技者ごとに付与される。具体的には、後述する画像処理装置70(顔認証手段)によって顔画像から取得した顔の特徴に関する情報(以下、特徴部分という)が、画像処理装置70の記憶部73(顔特徴点データベース)に登録されている特徴部分と一致又は近似しているか否かによって、新規の顔ID又は既存の顔IDが付与される。
「顔画像の識別名」と「動作画像の識別名」は、画像処理装置70が、呼出ランプ30から撮像画像とともに受信した「遊技台番号」、「撮像画像の種類」、「送信連番」に基づき、遊技台番号ごとに、撮像画像の種類別で送信連番ごとに識別名を付与したものであり、上述したNVR80で付与される識別名と同様の識別名が付されるようになっている。
「未登録遊技者フラグ」は、遊技者の顔IDが遊技場に登録されておらず、新規の遊技者であることを識別するための識別情報である。新規の遊技者(未登録遊技者)を登録遊技者データベースに登録する際に、未登録遊技者フラグに所定の情報を記憶する。
【0038】
また、画像処理装置70は、記憶部72に、登録遊技者データベースに登録済の顔IDと、この顔IDに対応する特徴部分を顔特徴点データベースとして記憶する。
特徴部分は、後述する画像処理装置70(顔認証手段)によって顔画像の中から取得されることで、記憶される。
なお、顔特徴点データベースは、登録遊技者データベースに含ませることで、顔特徴点データベースと登録遊技者データベースを一つのデータベースとしてもよい。この場合、顔IDをキーとして関連付けする。
【0039】
このように、画像処理装置70では、顔IDごとに遊技者の遊技データを遊技履歴に応じて管理することができる。すなわち、顔IDを、遊技場に会員登録することで付与される会員IDの代わりとして用いることができる。
通常、不正行為を行う遊技者は、初めて来店する遊技場で会員登録することなく一般遊技者として遊技して、不正行為を行う場合が多く、このような場合には、一般遊技者の遊技データの中に不正行為を行う遊技者の遊技データが含まれてしまい、不審者を特定することが困難であった。
しかし、本実施形態のように遊技場に会員登録をしていなくても、新規に顔IDが付与されて、未登録遊技者として登録遊技者データベースに登録されるので、不審者を特定することができる。
【0040】
画像処理装置70は、記憶部72が、非認識遊技者記憶手段として動作することで、顔用カメラ33が撮像して得た顔画像から、非認識遊技者と特定された遊技者の遊技データなどを非認識遊技者データベースとして記憶する。
具体的には、非認識遊技者データベースは、
図9に示すように、非認識遊技者ごとに付与される非認識番号に、遊技データ(遊技日時,機種,遊技台番号,投入金額,出玉数等)と、当該遊技者を撮像した顔画像の識別名、動作画像の識別名を関連付けて記憶している。
【0041】
画像処理装置70は、記憶部72が、不審動作画像記憶手段として動作することで、遊技者が行う動作のうち、不審な動作を示す不審動作画像を不審動作データベースとして記憶する。
不審動作画像は、いわゆるゴト行為と呼ばれる動作に一致又は類似した画像であり、例えば、スロットマシンのメダル払出口やメダル投入口付近に長時間手を置くような動作、パチンコ機における前面の入賞口付近に長時間手を置くような動作等の画像が記憶されている。
【0042】
画像処理装置70は、制御部73が、顔認証手段として動作することで、顔用カメラ33が撮像して得た顔画像の中に、遊技者の顔の特徴部分が所定数以上あるか否かを判断することで、遊技者の顔認証を行なう。
顔認証の方法については、公知の顔認証技術を用いることができるが、例えば、次のような方法で行なうことができる。
画像処理装置70は、呼出ランプ30から受信した顔画像の中から、遊技者の顔が表わされた顔領域を検出し、この領域内で目、鼻、口等の部位において、目頭、目尻、鼻頭、口角、上唇、下唇等に対応する特徴点を抽出する。さらに、抽出した各特徴点間を結んだ線分の長さや角度等を、遊技者の顔の特徴部分として取得する。
そして、取得した特徴部分が、顔として認識するのに必要な特徴部分の数(所定数)以上あるか否かを判断し、特徴部分が所定数以上あると判断した場合には、顔と認識し、一方、特徴点が所定数以下であると判断した場合には、当該顔画像に対応する遊技者を非認識遊技者として特定する。
【0043】
画像処理装置70は、制御部73が、登録判断手段として動作することで、登録遊技者データベースに、顔用カメラ33が撮像して得た顔画像に関する情報と一致又は近似しているものがあるか否かを判断する。
具体的には、画像処理装置70は、上記の顔認証手段によって取得された特徴部分が、顔特徴点データベースに一致又は近似するものがあるかを検索し、一致又は近似する特徴部分がある場合には、この特徴部分に対応する顔IDを取得する。
そして、画像処理装置70は、この取得した顔IDが、登録遊技者データベースに記憶されているか否かを判断する。取得した顔IDが登録遊技者データベースに記憶されていない場合には、当該顔画像に対応する遊技者を未登録遊技者として特定するとともに、新規に顔IDを付与して、この顔IDに基づき顔特徴点データベースと登録遊技者データベースに記憶する。
【0044】
画像処理装置70は、制御部73が、不審動作判断手段として動作することで、不審動作データベースに、動作用カメラ34が撮像して得た動作画像と一致又は近似しているものがあるか否かを判断する。
具体的には、画像処理装置70は、呼出ランプ30から受信した動作画像から動作解析を行い、解析により得た遊技者の動作が、不審動作データベースの不審動作画像と一致又は近似しているものがあるか否かを判断する。
なお、動作解析及び動作画像の一致判断の方法については、公知の動作解析技術にて用いられる方法を用いることができる。
【0045】
画像処理装置70は、制御部73が、対象遊技機判断手段として動作することで、未登録遊技者又は非認識遊技者を撮像した顔用カメラ33に対応する遊技機10を、対象遊技機として特定する。
また、画像処理装置70は、制御部73が、隣接判断手段として動作することで、上記の対象遊技機判断手段で特定された対象遊技機が、遊技場の遊技機10の配置に基づいて、ほぼ同時刻に、二以上隣接しているか否かを判断する。
すなわち、不正行為を行う可能性の高い遊技者(未登録遊技者又は非認識遊技者)が、連席しているか否かを判断する。
【0046】
画像処理装置70は、制御部73が、異常発生判断手段として動作することで、顔用カメラ33により顔画像が撮像された遊技者が未登録遊技者又は非認識遊技者である場合に、この未登録遊技者又は非認識遊技者の行為に起因して遊技に関する異常な状況が発生したか否かを判断する。
ここで、遊技に関する異常な状況とは、「ほぼ同時刻に連席した場合(連席異常)」、「不審な遊技動作をした場合(遊技動作異常)」、「遊技機が異常な稼働状況である場合(稼働状況異常)」等を示している。
【0047】
また、画像処理装置70は、未登録遊技者又は非認識遊技者の行為に起因して遊技に関する異常な状況が発生したと判断した場合には、モニタ90の画面上や、遊技場の従業員が所持するインカムや、呼出ランプ30(ランプ36)等の報知手段に対して、所定の報知処理の実行を指示する(報知制御手段)。
この報知処理は、「注意」による報知→「警告」による報知のように段階的に行われるようになっている。
次に、画像処理装置70(異常発生判断手段)において、未登録遊技者又は非認識遊技者の行為に起因して遊技に関する異常な状況が発生したと判断する場合の具体例を説明する。
【0048】
図10は、未登録遊技者又は非認識遊技者の行為に起因して遊技に関する異常な状況が発生したと判断する場合の各パターンを示した図表である。
<パターン1:[未登録遊技者又は非認識遊技者+連席異常]>
画像処理装置70は、顔用カメラ33により顔画像が撮像された遊技者が未登録遊技者又は非認識遊技者であると判断し、かつ、この未登録遊技者又は非認識遊技者を撮像した顔用カメラ33に対応する遊技機10(対象遊技機)が、遊技場の遊技機10の配置に基づいて、ほぼ同時刻に、二以上隣接していると判断した場合には、遊技に関する異常な状況が発生したと判断する。
これは、不正行為を行う可能性の高い遊技者(未登録遊技者又は非認識遊技者)が、複数人で、ほぼ同時刻に連席した場合、不正行為が行われる可能性があるとみなすことで、遊技に関する異常な状況が発生したと判断するようになっている。
ここで、「二以上隣接している」状態とは、
図11に示すように、遊技島100に配置された遊技機10のうち、片島100a、100b内において隣り合う遊技機10を対象としている。そして、片島100a、100b内において、未登録遊技者と未登録遊技者が連席する場合、非認識遊技者と非認識遊技者が連席する場合、未登録遊技者と非認識遊技者が連席する場合を監視している。
【0049】
この場合の報知態様としては、「注意」による報知が行われる。
モニタ90で報知を行う場合には、
図11に示すように、遊技場内の配置レイアウト上に、異常が発生した遊技機10が認識可能に表示される。
例えば、異常が発生した遊技機10(131番台〜133番台)の背景色やマークを変えるとともに、報知のメッセージを表示して、従業員に注意を喚起する。さらに、このような画面表示とともに、対応する顔画像や動作画像を表示してもよい。
また、インカムに対しても報知を行うこともできる。画像処理装置70は、インカムと通信可能に接続されており、インカムに対して報知用制御信号を送信することで報知を実行させる。この場合、例えば、「只今、131〜133番台において連席異常が発生しています。確認してください。」といった注意を喚起するメッセージを送る。
このように、モニタ90の画面上やインカムにおいて、異常が発生した遊技機10を認識可能に報知するので、遊技場の従業員は、異常が発生している遊技機10の遊技者(未登録遊技者又は非認識遊技者)を警戒することで、連席して不正行為を行なおうとする不審者を検出することができる。その結果、連席による不正行為を未然に防ぐことができる。
【0050】
<パターン2:[未登録遊技者又は非認識遊技者+遊技動作異常]>
画像処理装置70は、顔用カメラ33により顔画像が撮像された遊技者が未登録遊技者又は非認識遊技者であると判断し、かつ、この未登録遊技者又は非認識遊技者を撮像した動作用カメラ34により撮像された遊技者の動作画像が、不審動作画像と一致又は近似していると判断した場合に、遊技に関する異常な状況が発生したと判断する。
これは、不正行為を行う可能性の高い遊技者(未登録遊技者又は非認識遊技者)が、不審な動作をしている場合には、不正行為を行なおうとしているとみなすことで、遊技に関する異常な状況が発生したと判断するようになっている。
この場合の報知態様としては、パターン1と同様に「注意」による報知が行われる。
これにより、いわゆるゴト行為を行なおうとする不審者を検出することができ、不正行為を未然に防ぐことができる。
【0051】
<パターン3:[未登録遊技者又は非認識遊技者+稼動状況異常]>
画像処理装置70は、顔用カメラ33により撮像された遊技者の顔画像から未登録遊技者又は非認識遊技者と判断し、かつ、この未登録遊技者又は非認識遊技者を撮像した顔用カメラ33に対応する遊技機10(対象遊技機)が、当該撮像された時間に異常な稼働状況であると判断した場合、遊技に関する異常な状況が発生したと判断する。
具体的には、画像処理装置70は、ホールコンピュータ60から遊技機10の稼動異常を示す稼働異常信号とともに、その遊技機10の遊技台番号や遊技時刻を受信することで判断を行う。
これは、不正行為を行う可能性の高い遊技者(未登録遊技者又は非認識遊技者)が遊技する遊技機10において、通常の遊技では発生しないような、遊技者に有利な稼動状況が連続して発生している場合には、不正行為が行なわれたとみなすことで、遊技に関する異常な状況が発生したと判断するようになっている。
また、遊技機10の「異常な稼働状況」とは、例えば、少ない投入金額内で発生した大当り回数が所定回数以上であるとき、少ないスタート回数内で発生した大当り回数が所定回数以上であるとき等を示している。
これによって、不正行為が行われたときに検出できるので、損害が拡大する前に不審者を検出することができる。
【0052】
以上のパターン1〜パターン3において、遊技に関する異常な状況が発生したと判断した場合には、悪意のない遊技者による行為も含む場合があるので「注意」による報知としているが、さらに、異常判断の条件を追加することで、異常判断の信頼性を高め、この条件を具備した場合には、「警告」による報知を行なうようになっている。具体的には、次のような各パターンがある。
【0053】
<パターン4:[パターン1+稼動状況異常]>
画像処理装置70は、パターン1の条件に、さらに、遊技機10が稼働状況異常であると判断した場合には、不正行為が行なわれた可能性が高い状態と判断し、報知手段に対して「警告」による報知の実行を指示する。
<パターン5:[パターン1+遊技動作異常]>
画像処理装置70は、パターン1の条件に、さらに、遊技動作異常と判断した場合には、不正行為が行なわれる可能性が高い状態と判断し、報知手段に対して「警告」による報知の実行を指示する。
<パターン6:[パターン2+稼動状況異常]>
画像処理装置70は、パターン2の条件に、さらに、遊技機10が稼働状況異常であると判断した場合には、不正行為が行なわれた可能性が高い状態と判断し、報知手段に対して所定の報知処理の実行を指示する。
【0054】
このような警告による報知においては、例えば、モニタ90で報知を行う場合では、注意による報知と異なる表示態様で表示することで、遊技場の従業員は、報知の程度が容易に識別できる(
図11参照)。
一方、インカムに対して報知を行う場合では、例えば、「只今、231番台に不審者の可能性があります。至急確認してください。」といった警告のメッセージを送る。
また、呼出ランプ30のランプ36による警告点灯や、スピーカから警告音を出力する等によって、報知を行うようにしてもよい。さらには、対応する遊技機10や台間機20等の各装置の動作制限を行うようにしてもよい。
次に、以上のような構成からなる本実施形態の遊技場システムが行う動作のうち不審者検出方法について、
図12及び
図13を参照して説明する。
【0055】
[不審者検出方法]
図12は、本実施形態に係る不審者検出方法の全体の手順を示すフローチャートである。
図13は、本実施形態に係る不審者検出方法の画像識別処理を示すフローチャートである。
なお、以下の説明では、呼出ランプ30の顔用カメラ33と動作用カメラ34は、常に撮像を行なっているものとして説明する。
【0056】
ホールコンピュータ60は、島ホールコンピュータ50から受信した遊技信号に基づき、遊技データを集計しており(S10)、集計した遊技データを遊技履歴データベースに記憶する。
ホールコンピュータ60は、各遊技機10において、異常な稼動状況が発生しているか否かを判断する(S11)。遊技機10において、異常な稼動状況が発生したと判断した場合には(S11:YES)、稼動異常を示す稼働異常信号とともに、その遊技機10の遊技台番号と遊技時刻等を画像処理装置70とNVR80に送信する(S12)。
画像処理装置70とNVR80は、ホールコンピュータ60から送信された稼働異常信号等を受信(S13、S14)し、記憶する。
なお、S12の処理は、後述するS15、S19、S21以降においても、異常な稼動状況が発生した場合には、適宜実行されるようになっている。
【0057】
一方、呼出ランプ30は、遊技機10の前方に遊技者が存在するか否かを判断しており(S15)、例えば、着席センサが遊技者を検知した場合や、アウト信号や売上信号を受信した場合等に、遊技機10の前方に遊技者が存在すると判断する。
呼出ランプ30は、遊技者が存在すると判断した場合には(S15:YES)、顔用カメラ33と動作用カメラ34の撮像モードを、エコモードから通常モードに変更させ(S16)、顔用カメラ33と動作用カメラ34は、この撮像モードに基づいて遊技者の撮像を行なう(S17)。
次いで、呼出ランプ30は、S17において撮像された撮像画像(顔画像、動作画像)を、画像処理装置70及びNVR80に送信する(S18)。具体的には、顔画像は、例えば、遊技者の存在を認識したときに一回又は複数回だけ送信し、動作画像は、一定間隔(例えば、一分に一回)で送信する。なお、これらの送信のタイミングは、適宜変更することができる。
また、このとき、呼出ランプ30は、撮像画像とともに、「遊技台番号」、「画像の種類」、「送信連番」も送信するようになっている。
【0058】
NVR80は、呼出ランプ30から送信された撮像画像等を受信する(S19)。
NVR80は、この受信した撮像画像を、一定の間隔で記憶する(コマ撮り録画)とともに、呼出ランプ30から受信した遊技台番号、送信連番に基づき遊技者の着席から離席までの間に撮像された撮像画像を一の単位として記憶する。また、この単位ごとに識別名を付して記憶する(S20)。
画像処理装置70は、呼出ランプ30から送信された撮像画像等を受信し(S21)、S20のNVR80と同様に、呼出ランプ30から受信した遊技台番号、送信連番に基づき撮像画像の識別名を付与する。そして、受信した撮像画像に基づいて「画像識別処理」を行なう(S22)。
【0059】
次に、
図13を参照して、画像識別処理(S22)について説明する。
まず、画像処理装置70(顔認証手段)は、顔認証を行う(S221)。
具体的には、画像処理装置70は、呼出ランプ30から受信した顔画像の中から特徴点を抽出する。そして、抽出した複数の特徴点から、各特徴点間を結んだ線分の長さや角度等を、遊技者の顔の特徴部分として取得する。なお、取得した特徴部分は、顔特徴点データベースに記憶される。
次いで、この取得した特徴部分が、顔として認識するのに必要な特徴部分の数(所定数)以上あるか否かを判断する(S222)。
判断の結果、特徴部分が所定数以上あると判断した場合は(S222:YES)、当該顔画像において顔であると認識する。一方、特徴点が所定数以下であると判断した場合は(S222:NO)、当該顔画像に対応する遊技者を「非認識遊技者」と特定する(S223)。
【0060】
次いで、画像処理装置70(不審動作判断手段)は、呼出ランプ30から受信した動作画像を用いて動作解析を行なう(S224)。
解析により得た遊技者の動作が、不審動作データベース内の不審動作画像と一致又は近似しているものがあるか否かを判断する(S225)。
判断の結果、不審動作画像と一致又は近似している場合は(S225:YES)、当該動作画像に対応する遊技者において、遊技動作異常が発生していると特定する(S226)。
【0061】
次いで、画像識別処理のS222の処理において、呼出ランプ30から受信した顔画像が顔として認識がされたか否かを判定する(S23)。
当該顔画像が顔として認識がされなかった場合(S23:NO)、すなわち、非認識遊技者と特定された場合には、当該遊技者に関する遊技データ等を非認識遊技者データベースに登録する(S24)。
一方、当該顔画像が顔として認識された場合には(S23:YES)、画像処理装置70(登録判断手段)は、登録遊技者データベースの中に、当該顔画像に関する情報と一致又は近似しているものがあるか否かを判断する(S25)。具体的には、画像識別処理(S221)で抽出した特徴部分に対応する顔IDを顔特徴点データベースから抽出し、この抽出した顔IDが、登録遊技者データベースに既に記憶されているか否かを判断する。
【0062】
判断の結果、画像処理装置70は、登録遊技者データベースに記憶されていないと判断した場合(S25:NO)には、当該顔画像に対応する遊技者を「未登録遊技者」と特定し、新規に顔IDを発行する(S26)。
そして、この新規の顔IDに、遊技データと、顔画像の識別名と、動作画像の識別名とを関連付けて登録遊技者データベースに記憶し、登録遊技者データベースを更新する(S27)。このとき、登録遊技者データベースの未登録遊技者フラグに未登録遊技者を示す所定の情報を記憶する。
【0063】
一方、S25の判断の結果、画像処理装置70は、登録遊技者データベースに記憶されていると判断した場合(S25:YES)には、既存の顔IDに、遊技データと、顔画像の識別名と、動作画像の識別名とを関連付けて登録遊技者データベースに記憶し、登録遊技者データベースを更新する(S27)。
画像処理装置70は、この顔画像に基づく顔IDと、顔画像の識別名と、動作画像の識別名をホールコンピュータ60に送信する(S28)。ホールコンピュータ60は、顔ID等を受信し(S29)、遊技履歴データベースに記憶し、登録遊技者データベースを更新する(S30)。
【0064】
次いで、画像処理装置70(異常発生判断手段)は、未登録遊技者又は非認識遊技者が遊技する遊技機10において、異常な稼動状況が発生したか否かを判断する(S31)。
異常な稼動状況が発生していなければ(S31:NO)、遊技に関する異常な状況が発生していないと判断し、処理を終了する。
一方、異常な稼動状況が発生していれば(S31:YES)、遊技に関する異常な状況が発生したと判断し、遊技に関する異常な状況を示す異常信号とともに、遊技台番号や遊技日時等をNVR80へ送信する(S32)。
NVR80は、画像処理装置70から送信された異常信号を受信すると(S33)、異常な稼動状況と判断された遊技機10の撮像画像に対してマーク情報を記録するとともに、記憶方法をコマ撮り録画から連続録画に切り替えて録画処理を行う(S34)。
また、画像処理装置70は、異常な稼動状況が発生していると判断すると、注意による報知を行うための報知用制御信号をホールコンピュータ60やインカムに対して送信する(S35)。
ホールコンピュータ60は、画像処理装置70から報知用制御信号を受信し、遊技台番号に対応した遊技機10において所定の報知処理を行う(S36)。これにより、モニタ90において、
図11に示すように、注意による報知が実行されることになる。
【0065】
さらに、画像処理装置70は、未登録遊技者又は非認識遊技者が遊技する遊技機10において、連席異常が発生しているか否かを判定する(S37)。具体的には、登録遊技者又は非認識遊技者と特定された遊技者が、ほぼ同時刻に、二以上連接する遊技機10において、着席している場合に連席異常と判定する。
判断の結果、連席異常が発生している場合には(S37:YES)、画像処理装置70は、警告による報知を実行させるための報知用制御信号をホールコンピュータ60やインカムに送信する(S39)。
【0066】
一方、連席異常が発生していない場合には(S37:NO)、画像処理装置70は、未登録遊技者又は非認識遊技者が遊技する遊技機10において、遊技動作異常が発生しているか否かを判断する(S38)。
判断の結果、遊技動作異常が発生していない場合には(S38:NO)、処理を終了する。一方、遊技動作異常が発生している場合は(S38:YES)、警告による報知を実行させるための報知用制御信号をホールコンピュータ60やインカムに対して送信する(S39)。
ホールコンピュータ60は、画像処理装置70から報知用制御信号を受信し、遊技台番号に対応した遊技機10において所定の報知処理を行う(S40)。これにより、モニタ90において、
図11に示すように、警告による報知が実行されることになる。
【0067】
なお、上記の不審者検出方法の説明においては、
図10に示す、パターン3、パターン4、パターン6の場合について説明したが、これに限らず、例えば、S31において、稼動状況異常の判定に換えて、連席異常の判定を行うことで、パターン1とパターン5の場合について判断を行うことができる。また、S31において、稼動状況異常の判定に換えて、遊技動作異常の判定を行うことでパターン2の場合について判断を行うことができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態の遊技場システム、遊技場用装置及び不審者検出方法によれば、顔画像が撮像された遊技者が未登録遊技者又は非認識遊技者の場合、この未登録遊技者又は非認識遊技者の行為に起因して遊技に関する異常な状況が発生した際には、未登録遊技者又は非認識遊技者により不正行為が行われる又は行われている可能性があるとみなし、所定の報知処理を行なうことで、不審者を検出することができる。
また、未登録者遊技者又は非認識遊技者が、ほぼ同時刻に遊技機に対して複数人で連席する場合には、遊技に関する異常な状況が発生したと判断することができるため、複数人で連席して不正行為を行なう際についても、不審者として検出することができる。
例えば、特許文献1に記載の技術では、監視カメラにより顔画像が撮像された遊技者が、遊技場に顔画像が登録されていない遊技者(以下、未登録遊技者という)、あるいは、マスクやサングラス等を着用して顔として認識できない遊技者(以下、非認識遊技者という)であると判断した場合に、従業員に報知していた。つまり、同技術では、報知の条件が、未登録遊技者又は非認識遊技者に該当するかどうかのみであって、これらの者の行為により不正行為を行ったか否か、あるいは、不正行為を行う可能性があるか否かまで判断していなかった。
そのため、例えば、遊技場に初来店した遊技者が、不正行為を行うことなく、正しく遊技を行っている場合でも、この者を未登録遊技者として判断し、従業員に報知することになる。
遊技場内では、大半の遊技者は、不正行為を行うことなく、正しく遊技を行なっており、不正行為は頻繁に行なわれるものではない。それにもかかわらず、同技術では、不正行為を行なったか否かに関係なく、未登録遊技者や非認識遊技者と判断しただけで報知するため、その報知回数に対して不正検出回数の割合が低くなる。これによって、同技術では、誤報が多くなり、信頼性の低いものとなっていた。
これに対して、特許文献2に記載の技術では、監視カメラにより撮像した遊技者の動作が不正行為とみなされる異常動作であると判断した場合に従業員に報知するので、特許文献1に記載の技術と比較して、信頼性が高い技術となっている。
ところが、同技術では、遊技者の顔画像に基づいて顔認証処理を行なっているが、これは従業員との区別を図るとともに、会員カードの挿入や現金の投入がされた時点の遊技者と同一人物であるかを認証するものであって、上述した未登録遊技者や非認識遊技者を特定するものではなかった。
このため、同技術では、不正行為を行なう可能性が高い未登録遊技者や非認識遊技者を検出することはできなかった。
また、不正行為の態様として、隣接する遊技機に対して複数人で隣り合って着席し(以下、連席という)、一人が不正行為を行い、他の者が見張り役や不正行為を隠す役というように役割を分担して行なわれる場合がある。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、このような複数人で連席することで行われる不正行為については、未然に検出することはできなかった。
これに対して、本発明は、不正行為を行う可能性が高い未登録遊技者又は非認識遊技者を、高い信頼性をもって、不審者として検出することができる。
【0069】
以上、本発明の遊技場システム、遊技場用装置及び不審者検出方法について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る遊技場システム、遊技場用装置及び不審者検出方法は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、本発明における遊技場用装置が、画像処理装置70とした場合で説明したが、これに限らず、遊技場用装置としては、ホールコンピュータ60、台コンピュータ40又は島コンピュータ50とすることもできる。この場合、遊技場用装置が備える各種手段の全部又は一部をこれらの装置が備えることで、動作させるようにしてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、画像処理装置70が顔認識手段と不審動作判断手段を備え、画像処理装置70において顔画像の特徴部分の取得や動作画像の動作解析を行う場合で説明したが、これに限らず、これらの手段を画像処理装置70とは異なる装置に備えてもよい。あるいは、呼出ランプ30に、これらの手段を備え、顔用カメラ33と動作用カメラ34により撮像した撮像画像を、呼出ランプ30で特徴部分の取得と動作解析を行い、この取得した特徴部分と解析した遊技者の動作のみを画像処理装置70に送信し、画像処理装置70で顔認証処理と動作認証処理を行うようにしてもよい。
【0071】
また、上述した実施形態では、顔用カメラ33と動作用カメラ34を呼出ランプ30に備える構成としたが、これに限らず、遊技者の顔と動作を撮像可能な位置であれば、台間機20や台コンピュータ40等に備えてもよい。
また、ホールコンピュータ60が備える機能を、台コンピュータ40や島コンピュータ50が備えることもできる。