(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248314
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像画像の処理方法、及び撮像システム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/91 20060101AFI20171211BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20171211BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
H04N5/91
H04N5/92 050
H04N5/225
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-75340(P2016-75340)
(22)【出願日】2016年4月4日
(62)【分割の表示】特願2013-263263(P2013-263263)の分割
【原出願日】2007年6月14日
(65)【公開番号】特開2016-123136(P2016-123136A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2016年4月4日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】317015179
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】無津呂 靖雄
(72)【発明者】
【氏名】稲田 圭介
(72)【発明者】
【氏名】溝添 博樹
(72)【発明者】
【氏名】西澤 明仁
【審査官】
松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−308566(JP,A)
【文献】
特開2007−135069(JP,A)
【文献】
特開2003−216927(JP,A)
【文献】
特開2003−304486(JP,A)
【文献】
特開2005−020511(JP,A)
【文献】
特開2004−147044(JP,A)
【文献】
特開2001−008140(JP,A)
【文献】
特開2004−118685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N5/222−5/257
5/76
5/765
5/80−5/91
5/915
5/92
5/922
5/928−5/93
5/937−5/94
5/95−5/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
ユーザが撮影した複数の画像データが入力される入力手段と、
前記複数の画像データの各々が撮影された位置情報と前記複数の画像データとをそれぞれ関連付けて記録し、かつ、前記複数の画像データの各々が撮影された位置に対応する地図の画像データと、前記複数の画像データとを関連付けて一つの動画像として作成された画像データを記録する記録手段と、
を備え、
前記一つの動画像として作成された画像データの最初の画像は、前記地図の画像である、
撮像装置。
【請求項2】
撮像装置であって、
ユーザが撮影した複数の画像データが入力される入力手段と、
前記複数の画像データの各々が撮影された位置情報と前記複数の画像データとをそれぞれ関連付けて記録し、かつ、前記複数の画像データの各々が撮影された位置に対応する地図であって前記複数の画像データの各々と関連付けた位置情報に基づいて前記複数の画像データの各々のサムネイルを前記地図の対応する位置に関連付けて表示した地図の画像データと、前記複数の画像データとを関連付けて一つの動画像として作成された画像データを記録する記録手段と、
を備え、
前記一つの動画像として作成された画像データの最初の画像は、前記地図の画像である、
撮像装置。
【請求項3】
請求項2記載の撮像装置であって、
前記地図の画像データは、前記複数の画像データの各々と関連付けた位置情報に基づいて前記複数の画像データの各々のサムネイルを前記撮像装置の移動経路を示した地図の当該移動経路上の対応する位置に関連付けて表示した地図の画像データである、
撮像装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置であって、
さらに、前記一つの動画像として作成された画像データを、無線でネットワーク上のサーバに転送する無線通信手段を備える、
撮像装置。
【請求項5】
撮像画像の処理方法であって、
撮像装置によって撮影された複数の画像データの入力を受け付けるステップと、
前記複数の画像データの各々が撮影された位置情報と前記複数の画像データとをそれぞれ関連付けて記録し、かつ、前記複数の画像データの各々が撮影された位置に対応する地図の画像データと、前記複数の画像データとを関連付けて一つの動画像として作成された画像データを記録するステップと、
を備え、
前記一つの動画像として作成された画像データの最初の画像は、前記地図の画像である、
撮像画像の処理方法。
【請求項6】
撮像画像の処理方法であって、
撮像装置によって撮影された複数の画像データの入力を受け付けるステップと、
前記複数の画像データの各々が撮影された位置情報と前記複数の画像データとをそれぞれ関連付けて記録し、かつ、前記複数の画像データの各々が撮影された位置に対応する地図であって前記複数の画像データの各々と関連付けた位置情報に基づいて前記複数の画像データの各々のサムネイルを前記地図の対応する位置に関連付けて表示した地図の画像データと、前記複数の画像データとを関連付けて一つの動画像として作成された画像データを記録するステップと、
を備え、
前記一つの動画像として作成された画像データの最初の画像は、前記地図の画像である、
撮像画像の処理方法。
【請求項7】
請求項6記載の撮像画像の処理方法であって、
前記地図の画像データは、前記複数の画像データの各々と関連付けた位置情報に基づいて前記複数の画像データの各々のサムネイルを前記撮像装置の移動経路を示した地図の当該移動経路上の対応する位置に関連付けて表示した地図の画像データである、
撮像画像の処理方法。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項に記載の撮像画像の処理方法であって、
さらに、前記一つの動画像として作成された画像データを、無線でネットワーク上のサーバに転送するステップを備える、
撮像画像の処理方法。
【請求項9】
撮像システムであって、
取得した地図の情報を出力する出力装置と、
前記出力装置から出力された地図の情報を取得する撮像装置と、を備え、
前記撮像装置は、
ユーザが撮影した複数の画像データが入力される入力手段と、
前記複数の画像データの各々が撮影された位置情報と前記複数の画像データとをそれぞれ関連付けて記録し、かつ、前記複数の画像データの各々が撮影された位置に対応する地図の画像データと、前記複数の画像データとを関連付けて一つの動画像として作成された画像データを記録する記録手段と、
を備え、
前記一つの動画像として作成された画像データの最初の画像は、前記地図の画像である、
撮像システム。
【請求項10】
撮像システムであって、
取得した地図の情報を出力する出力装置と、
前記出力装置から出力された地図の情報を取得する撮像装置と、を備え、
前記撮像装置は、
ユーザが撮影した複数の画像データが入力される入力手段と、
前記複数の画像データの各々が撮影された位置情報と前記複数の画像データとをそれぞれ関連付けて記録し、かつ、前記複数の画像データの各々が撮影された位置に対応する地図であって前記複数の画像データの各々と関連付けた位置情報に基づいて前記複数の画像データの各々のサムネイルを前記地図の対応する位置に関連付けて表示した地図の画像データと、前記複数の画像データとを関連付けて一つの動画像として作成された画像データを記録する記録手段と、
を備え、
前記一つの動画像として作成された画像データの最初の画像は、前記地図の画像である、
撮像システム。
【請求項11】
請求項10記載の撮像システムであって、
前記地図の画像データは、前記複数の画像データの各々と関連付けた位置情報に基づいて前記複数の画像データの各々のサムネイルを前記撮像装置の移動経路を示した地図の当該移動経路上の対応する位置に関連付けて表示した地図の画像データである、
撮像システム。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載の撮像システムであって、
前記撮像装置は、さらに、前記一つの動画像として作成された画像データを、無線でネットワーク上のサーバに転送する無線通信手段を備える、
撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報を示す画像とユーザの撮影画像を1つの動画像として記録・再生するシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スチルカメラやビデオカメラのデジタル化が進み、ユーザが非常に手軽に撮影・記録をすることが可能になり、たくさんの映像情報を記録できるようになった。このため、例えば、長行程の旅行などに出かけた場合、旅行が終わった後で撮影した映像を見たとき、どの映像をどこで撮影したのかが分からなくなった場合などが生じることが考えられる。このとき、ひとつの映像データに地図情報と撮影した映像が一緒になっていると、後から見たり整理したりする場合に非常に便利である。また、複数箇所に設置している監視用途ビデオカメラで撮影したデータでも、ひとつの映像データに位置情報を示す画像と撮影した映像が一緒になっていると、非常に便利である。
【0003】
これに近い技術として、近年タクシーなどに搭載され始めている、ドライビングレコーダの技術がある。ドライビングレコーダは自動的に撮影タイミングを決定して、位置情報を含めた状況データと撮影データを記録するものである。自動的に撮影タイミングを決定するため、場合によっては必要のないデータを多量に記録するため、それを防ぐ技術が発明されている。例えば、特許文献1では、記録データの取捨選択に学習機能を用いており、撮影した際に、ユーザが後から要/不要情報を入力することで撮影の要否を学習する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−11907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、自動的に撮影するため、完全にユーザの要否に合わせられるかというと、合わない可能性もあり、ユーザが好みの映像を地図情報とともに自由に撮影することにはそぐわない。
【0006】
本発明は、上記のような課題を鑑みてなされたものであり、複雑な処理を行うことなく、位置情報を示す画像とユーザの撮影画像を1つの動画像として記録・再生するシステム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ビデオカメラに、通常の撮影画像を入力する手段のほかに、別の映像入力源から画像を入力する手段を設け、さらに、これら2つの入力手段からの映像データを調停して取り込み、メモリに格納する画像入力調停部を設ける。これにより、上記別の映像入力源を、カーナビゲーションの映像出力端子とすることで、カーナビゲーションの画面(地図情報)と、ユーザが撮影した画像を合わせてメモリ内に取り込める。また、監視用途ビデオカメラなどにおいては、地図画像データをあらかじめ保存している媒体、例えばUSBフラッシュメモリやSDカードなどと該媒体から地図画像データを読み出す読み出し手段を別の映像入力源とすることで、同様にメモリ内に取り込める。このメモリ内のデータを動画像として圧縮・符号化処理することで、位置情報を示す画像とユーザの撮影画像を1つの動画像として処理できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複雑な処理を行うことなく、位置情報を示す画像とユーザの撮影画像を1つの動画像として記録・再生できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実施例1の画像記録・再生システムのフロー図
【
図3】実施例1の画像記録・再生システムで生成したストリームデータ模式図
【
図5】実施例2の画像記録・再生システムのフロー図
【
図6】実施例2の画像記録・再生システムで生成したストリームデータ模式図
【
図8】ホットスポットでストリームデータを転送するシステムの概略図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0011】
以下、本発明の画像記録・再生システム及び方法の実施例について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
実施例1を説明する。本実施例において、ユーザが撮影指示を出してから撮影が行われるまでの動作を
図1乃至3を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施例での画像記録・再生システムを図示したものであり、ビデオカメラ1はユーザが撮影指示を始めとする各種指示を直接入力する、例えばボタンやタッチパネルなどのような操作入力部11、撮影に関する各部の制御を行う制御部12、ユーザが撮影を行う対象画像を入力し、デジタル化を行って撮影画像データを出力する撮影画像入力部13、後述のナビゲーションシステム2からの映像を入力する外部映像入力部14、撮影画像入力部13から入力される該撮影画像データおよび外部画像入力部14から入力されるナビゲーション画像データの順番を調停し、出力する画像入力調停部15、画像入力調停部15から出力されるデータを一時保持する画像メモリ部16、画像メモリ部16から画像データを読み出し、MPEG2やH.264などの方式で画像圧縮・符号化を行い、符号化画像データを出力する画像エンコード部17、ユーザが撮影を行う対象の音声を入力し、デジタル化を行って音声データを出力する音声入力部18、音声入力部18が出力する音声データを、AC3やDolbyDigitalなどの方式で音声圧縮を行い、符号化音声データを出力する音声エンコード部19、該符号化画像データ、および該符号化音声データを多重化してストリームデータを出力するデータ生成部1A、該ストリームデータを後述の記録媒体に記録するデータ記録部1B、及びDVDやBlu−ray(登録商標)、ハードディスク、半導体メモリなどの記録媒体1Cを有する。ビデオカメラ1は、AVケーブル3を介してナビゲーション2と接続される。ナビゲーション2は、ナビゲーション本体部21、ナビゲーション表示部22を有し、ナビゲーション本体部21はナビゲーション映像を出力するナビゲーション画像出力部211を有する。ナビゲーション211は、ナビゲーション表示部22に映像信号を常時出力しているのと同様に、外部映像端子(図示せず)などに接続したAVケーブル3へも信号を出力する。
【0013】
図2は実施例1での各部の動作フローを示している。
【0014】
実施例1の画像記録・再生システムにおける撮影手順について説明する。ユーザは、ビデオカメラ1のボタンやスイッチなどにより操作入力部11に撮影指示を出す。操作入力部11は制御部12へ撮影開始指示を出す。制御部12は撮影画像入力部13、音声入力部18、および外部画像入力部14に起動指示を出す。外部画像入力部14は、ナビゲーション2の外部映像端子などから常時出力されている映像信号を、該起動指示によりAVケーブル3を介して取り込み、ナビゲーション画像データを生成して画像入力調停部15へ出力する。撮影画像入力部13はユーザが撮影を行う対象の画像を入力し、デジタル化を行って撮影画像データを生成し、画像入力調停部15へ出力する。音声入力部18はユーザが撮影を行う対象の音声を入力し、デジタル化を行って音声データを生成し、音声エンコード部19へ出力する。画像入力調停部15に入力された該ナビゲーション画像データおよび該撮影画像データは、この順番で符号化されるように定められた、画像メモリ16の領域に一時保持する。つまり、後段の画像エンコード部17が1枚目の画像データを処理する際に読み出す画像メモリ部16のある領域に該ナビゲーション画像データを、2枚目以降の画像データを処理する際に読み出す画像メモリ部16の別の領域に該撮影画像データを一時保持する。画像メモリ部16に一時保持した該ナビゲーション画像データおよび該撮影画像データはこの順番で画像エンコード部17に画像データとして読み出される。画像エンコード部17は該画像データの画像圧縮、符号化を行う。ここで、画像エンコード部17は最初の画像であるナビゲーション画像データを1画面内のデータのみで圧縮・符号化を行う例えばH.264のIピクチャとして圧縮・符号化を行う。該ナビゲーション画像データに続く該撮影画像データを、該撮影画像データの最初の1画面分の画像データを同様にIピクチャとして圧縮・符号化を行い。それ以降の画像は、例えば前方向や後方向の画像から予測して圧縮・符号化を行う例えばPピクチャやBピクチャ、または1画面内のデータのみで圧縮・符号化を行う例えばIピクチャ、またはそれらの混在データとして圧縮・符号化を行い、符号化画像データを生成し、データ生成部1Aに出力する。また、画像エンコード部17は圧縮・符号化処理をリアルタイム動作に近づけるために、例えば符号量を少なくして処理を軽くするために量子化を粗くして処理したり、一時的にクロック周波数を上げるなどして、処理速度を変える。一方、音声エンコード部19に入力された該音声データは、音声エンコード部19により圧縮・符号化を行い、符号化音声データを生成し、データ生成部1Aに出力する。データ生成部1Aは該符号化画像データおよび該符号化音声データを多重化して動画像のストリームデータを生成する。ストリームデータの概略図(一例)を
図3に示す。
図3では、ストリームデータを復号・伸張処理を行った画像の順番で上から順に示している。最初の画像はナビゲーション画面を示しており、Iピクチャとして圧縮・符号化され、音声データがないように多重化しており、2番目、3番目、4番目の画像は撮影画像データを示しており、2番目の画像はIピクチャ、3番目の画像はBピクチャ、4番目の画像はPピクチャとして圧縮・符号化され、音声データは該符号化音声データを使用して多重化している。データ生成部1Aで生成された該ストリームデータはデータ記録部1Bに出力され、データ記録部1Bは該ストリームデータを記録媒体1Cに記録する。
【0015】
このように記録した該ストリームデータをビデオカメラ1で再生するためには、ストリームデータのピクチャタイプを解析する、図示していないピクチャ解析部を設け、Iピクチャが2枚以上連続するストリームデータであれば、最初のIピクチャを図示していないビデオカメラ1の表示部に出力したのち、あらかじめ設定しておいた時間同じ画像を表示し、その後次のIピクチャを該表示部に出力する。続くピクチャがIピクチャでなければ、通常のビデオデータの再生のように、次々に該表示部に出力する。なお、Iピクチャが2枚以上連続するストリームデータであれば、最初のIピクチャを図示していないビデオカメラ1の表示部に出力したのち、あらかじめ設定しておいた時間同じ画像を表示する、としたが、例えばユーザが再生ボタンを押すなどの操作をするまで同じ画像を表示する、といったユーザ操作を起点にして次の画像を表示しても良い。
【0016】
また、例えばDVD−Video規格のStillコマンドのようにストリーム再生を停止するためのデータをストリーム内に埋め込む仕組みがある動画像圧縮・符号化方式では、ナビゲーション画面のピクチャと2画面目以降の撮影画像のピクチャとで例えばVOBU(Video Object Unit)を分けてVOBU Stillコマンドをデータ生成部1Aで挿入することで、ビデオカメラ1以外の機器での再生に対応させても良い。
【0017】
以上のように、ビデオカメラに通常の撮影画像を入力する手段のほかに、別の映像入力源から画像を入力する手段を設け、さらに、これら2つの入力手段からの映像データを調停して取り込み、メモリに格納する画像入力調停部を設け、上記別の映像入力源を、カーナビゲーションの映像出力端子とすることで、カーナビゲーションの画面(地図情報)と、ユーザが撮影した画像を合わせてメモリ内に取り込める。このメモリ内のデータを動画像として圧縮・符号化処理することで、地図情報とユーザの撮影画像を1つの動画像として処理できる効果が得られる。
【0018】
また、本実施例ではビデオカメラ1の外部にナビゲーション2が接続されているとしたが、ビデオカメラ1とナビゲーション2がひとつの機器となっていても同様の効果が得られる。
【0019】
また、記録媒体1Cに記録したストリームデータは、街中に設置されている無線LAN環境(ホットスポット)などを経由して、ネットワーク上のサーバなどに自動的に転送しても良い。
図8はホットスポットの環境下で該ストリームデータをサーバに転送するシステムの概略図を示している。ビデオカメラ1は記録媒体1Cから該ストリームデータを読み出すデータ読み出し部1E、該ストリームデータを無線でネットワーク4に送信する無線通信部1Fを有する。無線通信部1Fから出力された該ストリームデータはネットワーク4に接続されているサーバ5に転送される。
【0020】
また、本実施例ではデータ生成部1Aは単にストリームデータを生成するとしたが、ナビゲーション2からナビゲーション画像データとは別に、現在位置情報を受け取り、該現在位置情報と関連付けてストリームデータを生成し、データ記録部1Bに出力し、記録媒体1Cに記録しても良い。このとき、記録媒体1Cに記録されているストリームデータのサムネール画面を生成するとき、該現在位置情報を手がかりに、
図9のように地図画面と組み合わせてサムネール表示画面を構成してもよい。
図9の例では、該ストリームデータに関連付けられている位置情報に相当する地図上の位置を丸印で示し、該ストリームデータの撮影画像の最初の1枚目の画像を丸印に関連付けて表示している。また、複数の記録媒体をビデオカメラ1が有しているとき、例えばハードディスクとDVDを有しているとき、ビデオカメラ1の通常使用時はハードディスクに記録し、それらのストリームデータをユーザが選択・編集してDVDに記録するときなど、
図9の画面のようなタイトル画面を自動的に作成し、DVDに記録しても良い。
【0021】
また、本実施例ではユーザがビデオカメラ1のボタンやスイッチなどを操作して操作入力部11から撮影指示を出すとしたが、ナビゲーション2とビデオカメラ1にUSBやBlutoothや無線LANなどの通信手段を設け、ユーザがナビゲーション2に対してあらかじめ撮影したい地点を設定しておき、設定した地点に移動したときにナビゲーション2からビデオカメラ1の操作入力部11に対して撮影指示を出力し、操作入力部11が制御部12に撮影開始指示を出力することで撮影の開始を行っても良い。
【0022】
また、ナビゲーション2とAVケーブル3の代わりに、地図画像データをあらかじめ保存している媒体、例えばUSBフラッシュメモリやSDカードなどと該媒体から地図画像データを読み出す読み出し装置に置き換えること、および
図8に示しているようにホットスポット環境下でネットワーク上のサーバにデータを転送すること、および記録媒体に記録された圧縮画像データを読み出し、ユーザによって設定された所定のタイミングで該圧縮画像データをパケット化してネットワークに送出する送出手段を有することで複数箇所に設置している監視用途などのビデオカメラにおいても同様の効果が得られる。このとき、無線通信部1Fは有線LANで通信する機能と置き換えても良い。
【実施例2】
【0023】
実施例2を説明する。
図4は本発明の第2の実施例での画像記録・再生システムを図示したものである。本実施例において、実施例1と構成上異なるのは、ビデオカメラ1が
図1の構成に加え、ナビゲーションシステム2からの音声を入力する外部音声入力部181、音声入力部18から入力される音声データおよび外部音声入力部181から入力されるナビゲーション音声データの順番を調停し、出力する音声入力調停部182、音声入力調停部182から出力されるデータを一時保持する音声メモリ部183、ナビゲーション2へ音声を起動するように音声起動指示を例えば赤外線通信などでナビゲーション2へ送信する音声起動部1Dを有している点、およびナビゲーション2のナビゲーション本体部21が
図1の構成に加え、ビデオカメラ1の音声起動部1Dから音声起動指示を赤外線通信などで受信し、ナビゲーションの音声を出力するように起動指示を出すナビゲーション音声起動部213、および該起動指示によりナビゲーション音声を出力するナビゲーション音声出力部212を有している点である。
【0024】
図5は実施例2での各部の動作フローを示している。
【0025】
実施例2の画像記録・再生システムにおける撮影手順について説明する。ユーザは、ビデオカメラ1の操作入力部11に撮影指示を出す。この撮影指示は、例えばナビゲーションの「現在地」ボタンを押す操作など、ナビゲーション2から位置情報などを示す音声を起動するための操作でも良い。操作入力部11は制御部12へ撮影開始指示を出す。また、操作入力部11は音声起動部1Dに音声起動指示を出す。制御部12は撮影画像入力部13、音声入力部18、外部画像入力部14、および外部音声入力部181に起動指示を出す。外部画像入力部14は、ナビゲーション2から外部映像端子などから常時出力されている映像信号を、該起動指示により取り込み、ナビゲーション画像データを生成して画像入力調停部15へ出力する。この場合のナビゲーション画像データは、あらかじめユーザなどにより設定された一定時間分の、1ピクチャ以上のデータである。撮影画像入力部13はユーザが撮影を行う対象の画像を入力し、デジタル化を行って撮影画像データを生成し、画像入力調停部15へ出力する。一方、操作入力部11によって音声起動部1Dに出された音声起動指示により、音声起動部1Dは、赤外線通信などによりナビゲーション2のナビゲーション音声起動部213に音声起動指示を出す。この音声起動指示は、一般的にナビゲーションの機能として有している、ナビゲーションに付属の図示していないリモコンなどの「現在地」ボタンなどを押したときのリモコンからナビゲーション2に対して出力される信号と同じものを音声起動部から出力しても良い。ナビゲーション音声起動部213は該音声起動指示を受信すると、ナビゲーション音声出力部212に起動指示を出す。ナビゲーション音声出力部は該起動指示により、例えば「現在地は横浜市戸塚区吉田町付近です。」などといった音声を出力し、外部音声端子などから出力する。外部音声入力部181は、ナビゲーション2から外部音声端子などから出力されているナビゲーション音声を、制御部12からの該起動指示により取り込み、ナビゲーション音声データを生成して音声入力調停部15へ出力する。この場合のナビゲーション音声データは、あらかじめユーザなどにより設定された一定時間分のデータである。この設定された時間は、外部画像入力部14が取り込むときの時間と同じでも良い。また音声入力部18はユーザが撮影を行う対象の音声を入力し、デジタル化を行って音声データを生成し、音声エンコード部19へ出力する。画像入力調停部15に入力された該ナビゲーション画像データおよび該撮影画像データは、この順番で符号化されるように定められた、画像メモリ16の領域に一時保持する。つまり、後段の画像エンコード部17が1枚目の画像データを処理する際に読み出す画像メモリ部16のある領域に該ナビゲーション画像データを、2枚目以降の画像データを処理する際に読み出す画像メモリ部16の別の領域に該撮影画像データを一時保持する。画像メモリ部16に一時保持した該ナビゲーション画像データおよび該撮影画像データはこの順番で画像エンコード部17に画像データとして読み出される。画像エンコード部17は該画像データの画像圧縮、符号化を行う。ここで、画像エンコード部17は最初の画像であるナビゲーション画像データを1画面内のデータのみで圧縮・符号化を行う例えばH.264のIピクチャとして圧縮・符号化を行う。該ナビゲーション画像データに続く該撮影画像データを、該撮影画像データの最初の1画面分の画像データを同様にIピクチャとして圧縮・符号化を行い。それ以降の画像は、例えば前方向や後方向の画像から予測して圧縮・符号化を行う例えばPピクチャやBピクチャ、または1画面内のデータのみで圧縮・符号化を行う例えばIピクチャ、またはそれらの混在データとして圧縮・符号化を行い、符号化画像データを生成し、データ生成部1Aに出力する。一方、音声入力調停部182に入力された該ナビゲーション音声データおよび該音声データは、この順番で符号化されるように定められた、音声メモリ183の領域に一時保持する。音声メモリ部183に一時保持した該ナビゲーション音声データおよび該音声データはこの順番で音声エンコード部19に混在音声データとして読み出される。音声エンコード部19に入力された該混在音声データは、音声エンコード部19により圧縮・符号化を行い、符号化音声データを生成し、データ生成部1Aに出力する。データ生成部1Aは該符号化画像データおよび該符号化音声データを多重化して動画像のストリームデータを生成する。ストリームデータの概略図(一例)を
図6に示す。
図6では、ストリームデータを復号・伸張処理を行った画像の順番で上から順に示している。上部3枚の画像はナビゲーション画面を示しており、上から順にI、B、Pピクチャとして圧縮・符号化され、音声データは該符号化音声データの外部音声データに相当するデータを多重化している。また下部3枚の画像は撮影画像データを示しており、上から4番目の画像から順にI、B、Pピクチャとして圧縮・符号化され、音声データは該符号化音声データの音声データに相当するデータを使用して多重化している。なお、
図6において上部3枚は同じ画像になっているが、夫々異なるナビゲーション画像であってもよい。データ生成部1Aで生成された該ストリームデータはデータ記録部1Bに出力され、データ記録部1Bは該ストリームデータを記録媒体1Cに記録する。
【0026】
以上の処理により、実施例1と同様の効果が得られる。
【0027】
また、本実施例では該ナビゲーション画像データは、あらかじめユーザなどにより設定された一定時間分のデータとするとしたが、ナビゲーション2とビデオカメラ1にUSBやBlutoothや無線LANなどの通信手段を設け、ナビゲーション音声が終わったらナビゲーション2からビデオカメラ1の外部音声入力部181にナビゲーション音声終了通知を出力し、外部音声入力部181は該終了通知によりデータの終わりを判断するようにしても良い。
【実施例3】
【0028】
実施例3を説明する。実施例1と異なるのは、実施例1ではビデオカメラ1とナビゲーション2がAVケーブル3で接続されていたところが、ビデオカメラ1にはC側無線通信手段32、ナビゲーション2にはN側無線通信手段31が接続している点である。C側無線通信手段32とN側無線通信手段31は赤外線通信や無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの無線の通信プロトコルを用いて互いに通信してデータのやり取りを行う。
【0029】
実施例3の画像記録・再生システムにおける撮影手順は、実施例1でナビゲーション画像出力部211から外部画像入力部14へナビゲーション画像がAVケーブルでやり取りされていたところが、N側無線通信手段31、およびC側無線通信手段32によりナビゲーション画像をやり取りする点が異なること以外は実施例1と同様である。
【0030】
以上の処理により、実施例1と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0031】
1 ビデオカメラ
11 操作入力部
12 制御部
13 撮影画像入力部
14 外部画像入力部
15 画像入力調停部
16 画像メモリ部
18 音声入力部
181 外部音声入力部
182 音声入力調停部
183 音声メモリ部
1D 音声起動部
2 ナビゲーション
21 ナビゲーション本体部
211 ナビゲーション画像出力部
212 ナビゲーション音声出力部
213 ナビゲーション音声起動部
22 ナビゲーション表示部
3 AVケーブル