特許第6248323号(P6248323)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248323
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】谷用雪止金具および折板屋根構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/10 20060101AFI20171211BHJP
【FI】
   E04D13/10 Z
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-92127(P2016-92127)
(22)【出願日】2016年4月28日
(65)【公開番号】特開2017-198046(P2017-198046A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2016年10月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】591188941
【氏名又は名称】株式会社サカタ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】小柳 俊
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 実公平07−035975(JP,Y2)
【文献】 実用新案登録第2583364(JP,Y2)
【文献】 米国特許第5613328(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第3728831(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折板屋根に積もった雪を地上に落下させないために屋根に横架して設けられるL字アングルに取り付けられて、L字アングル設置高さ以下の折板屋根の谷部における積雪の落下を防止する谷用雪止金具であって、
折板屋根の谷部に位置し、積雪の落下を食い止める雪止金具本体と、
雪止金具本体とL字アングルを挟み、雪止金具本体をL字アングルに取り付ける取付具と、
L字アングルを挟んだ雪止金具本体及び取付具を緊締するためのボルト・ナットと、を備え、
雪止金具本体及び取付具はボルトを通すボルト孔をL字アングルと水平方向に平行且つL字アングルの上端側に形成したことを特徴とする谷用雪止金具。
【請求項2】
雪止金具本体と取付具とがそれぞれL字アングルの両端を支持しながらL字アングルを挟むことを特徴とする請求項1記載の谷用雪止金具。
【請求項3】
雪止金具本体と取付具とがL字アングルの一部分を挟むことを特徴とする請求項1記載の谷用雪止金具。
【請求項4】
ボルト・ナットの締結による取付具の共回りを防止するために、雪止金具本体又は取付具に共回り防止手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の谷用雪止金具。
【請求項5】
雪止金具本体の下部は、強度向上のための両端部の縁折りをしていないことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の谷用雪止金具。
【請求項6】
雪止金具本体は、雪と当接する面に穿孔を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の谷用雪止金具。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の谷用雪止金具を取り付けたL字アングル設置の折板屋根構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、折板屋根に積もった雪を地上に落下させないために屋根に横架して設けられるL字アングルに取り付けられて、L字アングル設置高さ以下の折板屋根の谷部における積雪の落下を防止する谷用雪止金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
折板屋根に積もった雪を地上に落下させないために、屋根に横架して設けられるL字アングルがある。しかし、このL字アングルのみでは、L字アングルの設置高さまで積雪されないと雪止め効果は無く、折板屋根の谷部の雪が屋根から落下する危険があった。
【0003】
このため、図16に図示するように、L字アングル80に取り付けて、L字アングル80の設置高さ以下の折板屋根90の谷部91における積雪95の落下を防止する谷用雪止金具1が存在する。
この谷用雪止金具に関しては、下記の特許文献1〜特許文献4に示すものなどが挙げられる。
【0004】
このうち、特許文献1〜特許文献3は、バネ部材の保持力で谷用雪止金具をL字アングルに取り付けるものであり、特許文献4は、固定部材を差し込んで谷用雪止金具をL字アングルに取り付けるものである。この他にも、谷用雪止金具をL字アングルにボルト止めするものが市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−231828号公報
【特許文献2】特開2010−144382号公報
【特許文献3】特開2012−162962号公報
【特許文献4】特開2006−291481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在市場で広く普及しているのは、特許文献1に開示された谷用雪止金具である。当該発明品のワンタッチでL字アングルに取り付けられる施工性の良さが、その理由であると思われる。
【0007】
これに対して、本願発明者は、さらに施工性の良さを追求するとともに、従来品と同じ安定性・安全性を兼ね備えた谷用雪止金具を提供すべく鋭意試験・研究を行い、本願発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明の第1の発明は、折板屋根に積もった雪を地上に落下させないために屋根に横架して設けられるL字アングルに取り付けられて、L字アングル設置高さ以下の折板屋根の谷部における積雪の落下を防止する谷用雪止金具であって、折板屋根の谷部に位置し、積雪の落下を食い止める雪止金具本体と、雪止金具本体とL字アングルを挟み、雪止金具本体をL字アングルに取り付ける取付具と、L字アングルを挟んだ雪止金具本体及び取付具を緊締するためのボルト・ナットと、を備え、雪止金具本体及び取付具はボルトを通すボルト孔をL字アングルと水平方向に平行且つL字アングルの上端側に形成したことを特徴とするものである。
第2の発明は、雪止金具本体と取付具とがそれぞれL字アングルの両端を支持しながらL字アングルを挟むことを特徴とする同谷用雪止金具である。
第3の発明は、雪止金具本体と取付具とがL字アングルの一部分を挟むことを特徴とする同谷用雪止金具である。
第4の発明は、ボルト・ナットの締結による取付具の共回りを防止するために、雪止金具本体又は取付具に共回り防止手段を備えたことを特徴とする同谷用雪止金具である。
第5の発明は、雪止金具本体の下部が、強度向上のための両端部の縁折りをしていないことを特徴とする同谷用雪止金具である。
第6の発明は、雪止金具本体が、雪と当接する面に穿孔を備えたことを特徴とする同谷用雪止金具である。
第7の発明は、上記した第1の発明乃至第6の発明である谷用雪止金具を取り付けたL字アングル設置の折板屋根構造である。
【発明の効果】
【0009】
上記した本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)本願発明は、雪止金具本体及び取付具はボルトを通すボルト孔をL字アングルと水平方向に平行且つL字アングルの上端側に形成したことで、上方からのボルト1本留めのため、簡単に施工(L字アングルへの取り付けが)できる。
(2)詳しくは、特許文献1に開示された谷用雪止金具よりも腰をかがまずに施工できるので、作業負担が極めて小さい。
(3)また、本願発明は、電動工具(インパクトレンチ)でボルト・ナット締めができるので、L字アングルに手で押し付けて取り付けをする前記谷用雪止金具よりも力が要らず、作業負担が小さい。
(4)さらに、L字アングルへの取付構造(固定構造)が前記谷用雪止金具のようなバネ状ではないので、突風による逆荷重に対して耐性が高い(脱落等の危険性が低い)。
(5)本願発明は、ボルト・ナットの締結による取付具の共回りを防止するために、雪止金具本体又は取付具に共回り防止手段を備えたことで、電動工具(インパクトレンチ)を使用して安全・安心にボルト・ナット締め(締結)できる。
(6)本願発明は、雪止金具本体の下部が強度向上のための両端部の縁折りをしていないことで、強度を確保したまま、雪止めの幅が広くなり、雪止めの効率を向上させることができる。
(7)本願発明は、雪止金具本体が雪と当接する面に穿孔を備えたことで、積雪時にこの穿孔から日光や風を雪に当てるようにし、雪解けを促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】谷用雪止金具の第1実施形態を示す説明図(1)。
図2】谷用雪止金具の第1実施形態を示す説明図(2)。
図3】谷用雪止金具の第1実施形態を示す説明図(3)。
図4】谷用雪止金具の第1実施形態を示す説明図(4)。
図5】谷用雪止金具の第2実施形態を示す説明図(1)。
図6】谷用雪止金具の第2実施形態を示す説明図(2)。
図7】谷用雪止金具の第3実施形態を示す説明図(1)。
図8】谷用雪止金具の第3実施形態を示す説明図(2)。
図9】谷用雪止金具の第4実施形態を示す説明図(1)。
図10】谷用雪止金具の第4実施形態を示す説明図(2)。
図11】谷用雪止金具の第5実施形態を示す説明図(1)。
図12】谷用雪止金具の第5実施形態を示す説明図(2)。
図13】谷用雪止金具の第6実施形態を示す説明図(1)。
図14】谷用雪止金具の第6実施形態を示す説明図(2)。
図15】谷用雪止金具の第7実施形態を示す説明図。
図16】谷用雪止金具を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1図4は、谷用雪止金具の第1実施形態を示す説明図である。
図1は、谷用雪止金具の構造を説明した説明図である。
図1に図示するように、谷用雪止金具10は、雪止金具本体11と取付具15を備えてL字アングル80を挟み、これらをボルト85及びナット86で緊締する。
そして、雪止金具本体11及び取付具15は、ボルト85を通すためのボルト孔12,ボルト孔16をL字アングル80と水平方向に平行且つL字アングル80の上端側に形成している。
【0012】
また、雪止金具本体11は、L字アングル80の一方の端部81を支持する支持部13を備え、取付具15は、L字アングル80の他方の端部82を支持する支持部17を備えることで、谷用雪止金具10はL字アングル80を2点で支持している。
なお、符号14は、ボルト85及びナット86の締結による取付具15の共回りを防止するために、雪止金具本体11に設けられた共回り防止手段(回り止め機構)である。
【0013】
図2は、谷用雪止金具10の取り付け方を説明した説明図である。
図2(A)は、L字アングル80に谷用雪止金具10を仮置きした状態である。
図2(B)で、ボルト85・ナット86を締結するためにナット86締めを行う。これは電動工具87を使用して行うが、ボルト孔12,ボルト孔16がL字アングル80と水平方向に平行且つL字アングル80の上端側に形成しているため、作業者が谷用雪止金具10を仮置きしたままの姿勢で続けてナット86締めの作業が行える。従って、作業者の負担が極めて少ない。
【0014】
図2(C)は、L字アングル80に谷用雪止金具10を取り付けた状態である。谷用雪止金具10は、支持部13と支持部17の2点でL字アングル80を支持しているので、L字アングル80に対して確実に固定される。すなわち、図2(D)に図示するように、積雪荷重だけではなく、これとは逆からの逆荷重(突風など)に対しても耐性が高い(脱落等の危険性が低い)。
【0015】
図3及び図4は、共回り防止手段(回り止め機構)について説明した説明図である。
図3(A)は、共回り防止手段14a,14aを雪止金具本体11に溶接して設けたものである。
図3(B)は、共回り防止手段14b,14bを雪止金具本体11に切り起こして設けたものである。
図4(A)は、共回り防止手段14c,14cを取付具15の支持部17の向かい側に鋭角な折曲部を形成して設けたものである。
図4(B)は、共回り防止手段14d,14dを取付具15の支持部17の向かい側に略垂直な折曲部を形成して設けたものである。なお、この場合、共回り防止手段14d,14dは、ボルト85の長さ分ほど長く垂下する必要がある。
図4(C)は、共回り防止手段14e,14eを雪止金具本体11の上部の一部分(ボルト孔12を備えて取付具15を載置する部分を除いて)を折曲せずに起立させたままにして設けたものである。
【0016】
図5及び図6は、谷用雪止金具の第2実施形態を示す説明図である。
図5は、谷用雪止金具の構造を説明した説明図である。
図5に図示するように、谷用雪止金具20は、雪止金具本体21と取付具25を備えてL字アングル80の一部分を挟み、これらをボルト85及びナット86で緊締する。
そして、雪止金具本体21及び取付具25は、ボルト85を通すためのボルト孔22,ボルト孔26をL字アングル80と水平方向に平行且つL字アングル80の上端側に形成している。なお、ボルト孔22は、L字アングル80のサイズに対応するため、複数形成されている。
【0017】
図6は、谷用雪止金具20の取り付け方を説明した説明図である。
図6(A)は、L字アングル80のサイズが大きいときの取り付け方である。この場合は、ボルト孔22aにボルト85を挿通させることで奥行きが広くなり、大きいサイズのL字アングル80に取り付けることが可能になる。なお、図5(B)の符号23と符号27が共回り防止手段になる。
図6(B)は、L字アングル80のサイズが小さいときの取り付け方である。この場合は、ボルト孔22bにボルト85を挿通させることで奥行きが狭くなり、小さいサイズのL字アングル80に取り付けることが可能になる。なお、図5(B)の符号22aと符号27が共回り防止手段になる(符号22aが矩形になっているのは、符号27と確実に係止するためである)。
【0018】
図6(第2実施形態)に図示するように、ボルト85・ナット86を締結するためにナット86締めを行う。これは電動工具87を使用して行うが、ボルト孔22a,22b,ボルト孔26がL字アングル80と水平方向に平行且つL字アングル80の上端側に形成しているため、作業者が谷用雪止金具20を仮置きしたままの姿勢で続けてナット86締めの作業が行える。従って、作業者の負担が極めて少ない。
【0019】
図7及び図8は、谷用雪止金具の第3実施形態を示す説明図である。
図7は、谷用雪止金具の構造を説明した説明図である。
図7に図示するように、谷用雪止金具30は、雪止金具本体31と取付具35を備えてL字アングル80の一部分を挟み、これらをボルト85及びナット86で緊締する。
そして、雪止金具本体31及び取付具35は、ボルト85を通すためのボルト孔32,ボルト孔36をL字アングル80と水平方向に平行且つL字アングル80の上端側に形成している。なお、ボルト孔32は、第2実施形態の雪止金具本体21と異なり1つであるが、L字アングル80のサイズに対応するため、取付具25よりも長尺になっている。
【0020】
図8は、谷用雪止金具30の取り付け方を説明した説明図である。
図8(A)は、L字アングル80のサイズが大きいときの取り付け方である。谷用雪止金具30は元々奥行きが広いので、大きいサイズのL字アングル80を取り付けることが可能である。なお、図7(B)の符号33と符号37が共回り防止手段になる。
図8(B)は、L字アングル80のサイズが小さいときの取り付け方である。谷用雪止金具30は元々奥行きが広いが、取付具35が長尺なので、小さいサイズのL字アングル80を取り付けることも可能である(第2実施形態の取付具25と異なり、雪止金具本体31のボルト孔は1つであるが、大小サイズのL字アングル80に対応できる)。なお、図7(B)の符号33と符号37が共回り防止手段になる。
【0021】
図9及び図10は、谷用雪止金具の第4実施形態を示す説明図である。
図9は、谷用雪止金具の構造を説明した説明図である。
図9に図示するように、谷用雪止金具40は、雪止金具本体41と取付具45を備えてL字アングル80を挟み、これらをボルト85及びナット86で緊締する。
そして、雪止金具本体41及び取付具45は、ボルト85を通すためのボルト孔42,ボルト孔46をL字アングル80と水平方向に平行且つL字アングル80の上端側に形成している。
【0022】
また、雪止金具本体41は、L字アングル80の一方の端部82を支持する支持部43を備え、取付具45は、L字アングル80の他方の端部81を支持する支持部47を備えることで、谷用雪止金具40はL字アングル80を2点で支持している。
なお、符号44は、取付具45の支持部47をL字アングル80側へ出すための穿孔である。
【0023】
図10は、谷用雪止金具40の取り付け方を説明した説明図である。
図10(A)は、L字アングル80に谷用雪止金具10を仮置きした状態である。
図10(B)で、ボルト85・ナット86を締結するためにナット86締めを行う。これは電動工具87を使用して行うが、ボルト孔42,ボルト孔46がL字アングル80と水平方向に平行且つL字アングル80の上端側に形成しているため、作業者が谷用雪止金具40を仮置きしたままの姿勢で続けてナット86締めの作業が行える。従って、作業者の負担が極めて少ない。
図10(C)は、L字アングル80に谷用雪止金具40を取り付けた状態である。谷用雪止金具40は、第1実施形態の谷用雪止金具10と同じように、支持部43と支持部47の2点でL字アングル80を支持しているので、L字アングル80に対して確実に固定される。
【0024】
図11及び図12は、谷用雪止金具の第5実施形態を示す説明図である。第5実施形態は、これまでの第1実施形態〜第4実施形態と異なり、L字アングル80が上下逆向きに設けられている。
図11は、谷用雪止金具の構造を説明した説明図である。
図11に図示するように、谷用雪止金具50は、雪止金具本体51と取付具55を備えてL字アングル80を挟み、これらをボルト85及びナット86で緊締する。
そして、雪止金具本体51及び取付具55は、ボルト85を通すためのボルト孔52,ボルト孔56をL字アングル80と水平方向に平行且つL字アングル80の上端側に形成している。
【0025】
また、取付具55は、L字アングル80の他方の端部82を支持する支持部57を備えるとともに、雪止金具本体51と緊締されることでL字アングル80の一方の端部81を支持するので、谷用雪止金具50はL字アングル80を2点で支持している。
【0026】
図12は、谷用雪止金具50の取り付け方を説明した説明図である。
図12(A)は、L字アングル80に谷用雪止金具50を仮置きした状態である。
図12(B)で、ボルト85・ナット86を締結するためにナット86締めを行う。これは電動工具87を使用して行うが、ボルト孔52,ボルト孔56がL字アングル80と水平方向に平行且つL字アングル80の上端側に形成しているため、作業者が谷用雪止金具50を仮置きしたままの姿勢で続けてナット86締めの作業が行える。従って、作業者の負担が極めて少ない。
図12(C)は、L字アングル80に谷用雪止金具50を取り付けた状態である。谷用雪止金具50は、第1実施形態の谷用雪止金具10と同じように2点でL字アングル80を支持しているので、L字アングル80に対して確実に固定される。
【0027】
図13及び図14は、谷用雪止金具の第6実施形態を示す説明図である。第6実施形態も、これまでの第1実施形態〜第4実施形態と異なり、L字アングル80が上下逆向きに設けられている。
図13は、谷用雪止金具の構造を説明した説明図である。
図13に図示するように、谷用雪止金具60は、雪止金具本体61と取付具65を備えてL字アングル80の一部分を挟み、これらをボルト85及びナット86で緊締する。
そして、雪止金具本体61及び取付具65は、ボルト85を通すためのボルト孔62,ボルト孔66をL字アングル80と水平方向に平行且つL字アングル80の上端側に形成している。
【0028】
図14は、谷用雪止金具60の取り付け方を説明した説明図である。
図14(A)は、L字アングル80に谷用雪止金具60を仮置きした状態である。
図14(B)で、ボルト85・ナット86を締結するためにナット86締めを行う。これは電動工具87を使用して行うが、ボルト孔62,ボルト孔66がL字アングル80と水平方向に平行且つL字アングル80の上端側に形成しているため、作業者が谷用雪止金具60を仮置きしたままの姿勢で続けてナット86締めの作業が行える。従って、作業者の負担が極めて少ない。
図14(C)は、L字アングル80に谷用雪止金具60を取り付けた状態である。谷用雪止金具60は、第2実施形態の谷用雪止金具20や第3実施形態の谷用雪止金具30と同じように、雪止金具本体61と取付具65でL字アングル80の一部分を挟み、これらを緊締することで、L字アングル80に対して確実に固定される。
【0029】
図15は、谷用雪止金具の第7実施形態を示す説明図である。
図15に図示するように、雪止金具本体71の下部72は、強度向上のための両端部の縁折りをしていないことを特徴としている。雪止金具本体71の強度は、L字アングルと接する支持部や当接部に一番必要であるため、それ以外の部分についてはほとんど必要にならない。従って、雪止金具本体71の下部72を縁折りしない形状にすることは、材料寸法を拡大することなく、強度を確保したまま、雪止めの幅が広くなり、雪止めの効率を向上させることができる。
【0030】
また、図15に図示するように、雪止金具本体71は、雪と当接する面に穿孔74を備えることを特徴としている。穿孔74を備えることで、積雪時にこの穿孔74から日光や風が雪に当たるようになり、雪解けを促進させることができる。
なお、雪止金具本体71の特徴は、第1実施形態〜第6実施形態及びその他の本願発明に係る谷用雪止金具に適用されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本願発明は、屋根に積もった雪を地上に落下させないために屋根に使用される谷用雪止金具に広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0032】
1 谷用雪止金具
10 谷用雪止金具(第1実施形態)
11 雪止金具本体
12 ボルト孔
13 支持部
14 共回り防止手段
15 取付具
16 ボルト孔
17 支持部
80 L字アングル
81 端部
82 端部
85 ボルト
86 ナット
87 電動工具
90 折板屋根
91 谷部
95 積雪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16