(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ符号を付して説明する。
【0013】
本発明の実施形態1に係る鼻毛処理器100について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る鼻毛処理器100の使用状況を示す、(a)側面図、(b)下面図であり、
図2は、本発明の実施形態1に係る鼻毛処理器100を示す概略図である。
【0014】
図1(a)に示される鼻毛処理器100は、使用者の鼻腔に挿入し、回転(鼻腔に沿って移動)させることで(
図1(b)参照)、鼻毛を処理するものである。鼻毛処理器100は、
図2に示されるように、柄部2と刃部130とを備える。
【0015】
柄部2は、鼻毛処理器100を鼻腔に挿入する際に、使用者の指で(摘み)持たれるものである(
図1(a)参照)。柄部2は、棒状のものであり、プラスチック樹脂で形成されている。この柄部2には、後述する刃部130が、溶着や係合・嵌合により一体化され、軸線CLの一端側に取付けられる。
【0016】
柄部2は、断面視で3mm×5mm程度の矩形であるが、直径3mmから6mm程度の円に内接する多角形であってもよく、同程度の楕円形であってもよい。柄部2の長さは、30mmから50mm程度である。
【0017】
つぎに、刃部130について説明する。
図3は、刃部130を
図2のB−B線で切断した断面図であり、
図4は、刃部130を構成する、(a)第1のホルダ133、(b)第1の刃物131、(c)中間ホルダ136、(d)第1の刃物131、(e)第2のホルダ134、を示す正面図及び側面図である。また、
図5は、第1のホルダ133を示す詳細説明図であり、
図6は、第2のホルダ134を示す詳細説明図である。なお、
図5及び
図6において、4方向からの視点を理解し易くするため、側方に仮想線を描いている。また、
図5(e)は、
図4(a)又は
図5(a)のC−C線で切断した断面図である。
【0018】
図3に示される刃部130は、2つの第1の刃物131を保持する保持部として機能する、第1のホルダ133、第2のホルダ134及び中間ホルダ136を有する。この刃部130は、後述する中間ホルダ136(あるいは、軸線CLを含む平面PL)に関して対称となるように、2つの第1の刃物131がそれぞれ略平行に設けられる。具体的には、2つの第1の刃物131の刃先が、中間ホルダ136に関して対称かつ、刃先がそれぞれ略同方向を向くように設けられる。
【0019】
第1の刃物131は、
図4(b),(d)に示されるように、略矩形状の刃物面を有するものであり、ステンレス鋼又は特殊工具鋼で形成されており、刃先が研磨処理されている。第1の刃物131の厚みは、0.1mmから0.3mm程度である。
【0020】
そして、第1の刃物131は、幅が10mmから40mm程度で、刃元から刃先までの長さが5mmから6mm程度である。また、第1の刃物131には、後述する連結ピン134eが挿通される穴131aが形成されている。
【0021】
つづいて、第1の刃物131を保持する構成について説明する。
刃部130は、第1の刃物131を保持する保持部として機能する、第1のホルダ133及び第2のホルダ134を有する。第1のホルダ133及び第2のホルダ134は、プラスチック樹脂で形成されている。
【0022】
第1のホルダ133は、
図4(a)及び
図5(a)−(e)に示されるように、底板133aと、この底板133aに対向する天板133gと、底板133aと天板133gとを連結する側壁133bとで形成されている。側壁133bは、保護ガイド133cが一方の端部に形成されている。
【0023】
この側壁133bは、内側面に台座133dを有する(
図5(b)参照)。台座133dは、第1のホルダ133の内側面と第1の刃物131とを所定の間隔に設定するものである。さらに、この台座133dには、連結ピン134eが挿通される穴133eが形成されている。
【0024】
また、この側壁133bは、穴133eよりも他方側に支持穴133fを有する。この支持穴133fには、後述する第2のホルダ134の係止爪134fが挿入される。
【0025】
底板133a及び天板133gは、側壁133bに対向する側に、仮受台133hがそれぞれ突設されている。
【0026】
第2のホルダ134は、
図4(e)及び
図6(a)−(d)に示されるように、断面視L字状の側壁134bで形成されている。一方の側壁134bは、保護ガイド134cが端部に形成されている。この一方の側壁134bは、仮受台133hが通過可能な切欠134hが形成されている。
【0027】
この一方の側壁134bは、内側面に台座134dを有する。台座134dは、第2のホルダ134の内側面と第1の刃物131とを所定の間隔に設定するものである。さらに、この台座134dには、連結ピン134eが立設されている。
【0028】
また、他方の側壁134bは、係止爪134fが端部に形成されている。
【0029】
中間ホルダ136は、
図4(c)に示されるように、略板状に形成されている。中間ホルダ136は、保護ガイド136cが端部に形成されている。中間ホルダ136は、両側の主面にそれぞれ台座136dを有する。台座136dは、中間ホルダ136とその両側に設けられる第1の刃物131を所定の間隔に設定するものである。さらに、この台座136dには、連結ピン134eと対向する位置に、連結ピン134eが挿通される穴136eが形成されている。
【0030】
刃部130の組立方法について説明する。
図7は、刃部130の組立工程を示す説明図である。
まず、連結ピン134eと略同形状の仮固定用の連結ピン140を、第1の刃物131の穴131a、中間ホルダ136の穴136a、第1の刃物131の穴131aに、この順で挿通し、仮組立体とする(
図7(a)参照)。
【0031】
つぎに、この仮組立体を、側壁133bと略平行な方向から第1のホルダ133に装填する(
図7(b)参照)。このとき、仮組立体を案内する装填用ガイドを、側壁133bの付近に設けるとよい。ついで、仮固定用の連結ピン140を引き抜く。
【0032】
そして、第2のホルダ134を、側壁133bの内面に対向する側から、第1のホルダ133に装着する(
図7(c)参照)。第2のホルダ134の装着が完了すると、第1のホルダ133の支持穴133fに第2のホルダ134の係止爪134fが嵌入され、また、第1のホルダ133の穴133eから第2のホルダ134の連結ピン134eが突出する状態となる。
【0033】
最後に、連結ピン134eの突出した先端を加熱変形させ、第1のホルダ133と第2のホルダ134とを固着する(
図7(d)参照)。
【0034】
このようにして、刃部130は、第1のホルダ133、第1の刃物131、中間ホルダ136、第1の刃物131、第2のホルダ134の順に組み立てられる(
図4参照)。つまり、刃部130は、2つの第1の刃物131を有し、軸線CLを含む平面PL(あるいは、中間ホルダ136)に関して対称となるように、刃先がそれぞれ同方向を向くように設けられる。なお、刃部130は、左右幅が8.0mm程度であり、高さが8.0mm程度であるから(
図4参照)、成人の鼻腔に挿入可能な大きさとなっている。
【0035】
このとき、平面PL(中間ホルダ136)の左側の第1の刃物131が、鼻毛処理器100の刃部130側から見て反時計回り用となり、平面PL(中間ホルダ136)の右側の第1の刃物131が、時計回り用となる。そして、時計回り用の第1の刃物131と、反時計回り用の第1の刃物131とは、2つの刃先がそれぞれ略同方向を向くように設けられる。
【0036】
ここで、第1の刃物131、第1のホルダ133及び中間ホルダ136の保護ガイド133c,136cの位置関係について説明する。
図8Aは、
図3の刃部130を更に拡大した拡大断面図であり、
図8Bは、第1の刃物131の固定状態を示す拡大断面図である。なお、第2のホルダ134側は、対称であるから省略する。
【0037】
刃部130は、第1の刃物131の刃物面(すくい面)に対して、所定の角度θ1で傾斜した基準線L上に、第1のホルダ133及び中間ホルダ136の保護ガイド133c,136cが位置している。このように、保護ガイド133c,136cと、第1の刃物131の刃先とが、基準線L上に位置することにより、第1の刃物131が、鼻腔内の粘膜に食い込むのを防止している。この角度θ1は、第1の刃物131の厚み、台座133d,136dの高さにもよるが、通常5°から55°の範囲とされる。
【0038】
刃部130は、角度θ1を小さくすることで、全体として厚み方向を薄くすることができ、逆に、角度θ1を大きくすることで、全体として長手方向を小さくすることができる。
【0039】
ただし、第1の刃物131の刃先は、基準線Lと平行に1.0mm程度基準線Lから突出されてもよい。この状態であれば、鼻毛の深剃りを優先することができる。逆に、第1の刃物131の刃先は、基準線Lと平行に1.0mm程度基準線Lから引き込ませてもよい。この状態であれば、鼻毛の処理具合よりも、粘膜の傷付き防止を優先することができる。
【0040】
そして、第1の刃物131は、第1のホルダ133の台座133dと中間ホルダ136の台座136dとの間で、連結ピン134eによって固定されており、また、台座133dと、台座136dと、第1のホルダ133の段部とによって、第1の刃物131の刃先が位置決めされている。
【0041】
以上のとおり、本発明の実施形態1に係る鼻毛処理器100は、柄部2と刃部130とを備えるものであって、刃部130は、第1の刃物131と、第1の刃物131を保持する保持部としての第1のホルダ133、第2のホルダ134及び中間ホルダ136と、を有し、第1の刃物131は、柄部2の軸線CLを含む平面PLに関して対称となるように、2つ設けられる。
【0042】
これにより、鼻毛処理器100を鼻腔に挿入し、第1の刃物131を鼻毛の生えた粘膜に当てながら、鼻腔に沿わせて移動させるだけで、すなわち、鼻腔内で回転させるだけで、鼻毛を根元から簡単に処理する(剃る)ことができる。また、鼻毛処理器100を鼻腔に挿入し回転させるため、鼻毛の位置を確認する必要がなく、剃り残しもほぼない。
【0043】
さらに、鼻毛処理器100は、2つの第1の刃物131は、刃先がそれぞれ略同方向を向いているため、時計回り又は反時計回りのいずれの方向に回転させても、鼻毛の処理を良好に行うことができる。
【0044】
また、第1の刃物131の両外側に保護ガイド133c又は保護ガイド134cと、保護ガイド136cとが形成されているため、第1の刃物131を粘膜に押し当てても、食い込むことがないから、粘膜を傷つけることがないし、痛みが与えられることもない。また、鼻毛を抜かないため、毛穴に菌が侵入することもない。なお、これらの保護ガイド133c,134c,136cは、回転方向の前方側及び後方側に設けられているが、回転方向の前方側のみで保護ガイドとしての機能を奏する場合、前方側のみであってもよい。
【0045】
さらに、剃られた鼻毛は、第1の刃物131と保持部である、第1のホルダ133又は第2のホルダ134と、中間ホルダ136との間に取り込まれるため、剃られた鼻毛屑が鼻腔内に残ることが少ない。また、鼻毛を挟んで切断しないため、鼻毛の根元付近が残ることがなく、鼻毛屑が残ったとしてもこれらに絡まることもない。そのため、鼻腔内に残された鼻毛屑があったとしても、ティッシュで2,3回鼻をかんだり、ほじったりすることで、取り除くことができる。くわえて、柄部2を備えるため、親指と人差し指(更に中指)などで摘んで指で操作し易くなっている。
【0046】
つづいて、実施形態2の鼻毛処理器200について説明する。
図9は、本発明の実施形態2に係る鼻毛処理器200を示す概略図である。
【0047】
刃部230について説明する。
図10Aは、刃部230を
図9のD−D線で切断した断面図であり、
図10Bは、刃部230と鼻腔の孔とを比較した概略図である。
図11は、刃部230を構成する、(a)第1のホルダ233、(b)第1の刃物231、(e)第2のホルダ234、を示す正面図及び側面図である。なお、
図10Bにおいて、一点鎖線で示されるものは、刃部230を2枚刃にした場合のものである。
【0048】
図10Aに示される刃部230は、第1の刃物231を保持する保持部として機能する、第1のホルダ233及び第2のホルダ234を有する。また、この刃部230は、第1の刃物131を仮想的に2つ有するものである。
【0049】
第1の刃物231は、
図11(b)に示されるように、略矩形状の刃物面を有するものであり、両端が刃先となっている。つまり、第1の刃物231は、片刃の第1の刃物131が2つ、刃元側で接続されて、1つになったものに相当する。第1の刃物231には、後述する連結ピン233eが挿通される穴231aが形成されている。
【0050】
第1のホルダ233は、
図11(a)に示されるように、底板233aと、この底板233aに立設された側壁233bとで形成されている。側壁233bは、保護ガイド233cが両端部に形成されている。
【0051】
側壁233bは、内側面に台座233dを有する。台座233dは、第1のホルダ233の内側面と第1の刃物231とを所定の間隔に設定するものである。さらに、この台座233dには、連結ピン233eが立設されている。
【0052】
第2のホルダ234は、
図11(c)に示されるように、天板234aと、この天板234aに立設された側壁234bとで形成されている。側壁234bは、保護ガイド234cが両端部に形成されている。
【0053】
側壁234bは、内側面に台座234dを有する。台座234dは、第2のホルダ234の内側面と第1の刃物231とを所定の間隔に設定するものである。さらに、この台座234dには、連結ピン233eと対向する側壁234bに、連結ピン233eが挿通される穴234eが形成されている。
【0054】
以上の各構成により、刃部230は、第1のホルダ233、第1の刃物231、第2のホルダ234が、この順に組み立てられる(
図10A参照)。
【0055】
このとき、第1の刃物231の刃先のうち、平面PL(連結ピン233e)の左側が、鼻毛処理器200の刃部230側から見て時計回り用となり、平面PL(連結ピン233e)の右側が、軸線CLの刃部230側から見て反時計回り用となる。そして、時計回り用の刃先と、反時計回り用の刃先とは、それぞれ反対方向に向くように設けられる。
【0056】
つまり、刃部230は、第1の刃物131を、仮想的に2つ有し、2つの刃物が軸線CLを含む平面PL(2つの連結ピン233eの中心を通る平面)に関して対称に設けられ、刃先がそれぞれ反対方向に向くように設けられる。なお、刃部230は、左右幅が8.0mm程度であり、高さが5.0mm程度であるから(
図10A参照)、成人の鼻腔に挿入可能な大きさとなっている(
図10B参照)。
【0057】
なお、2つの刃先を有する態様は、実施形態2のような仮想的なものに限られない。例えば、第1のホルダ233の2つの連結ピン233eを共用したり、第1のホルダ233に四つの連結ピン233eを立設したりして、現実に第1の刃物131を2つ有するような態様でもよい。
【0058】
ここで、実施形態1又は2の変形例の鼻毛処理器100,200について説明する。
図12は、実施形態1又は2の変形例の使用状況を示す側面図であり、
図13は、変形例の穴部340を示す、(a)上面図、(b)E−E線で切断した断面図、である。
【0059】
図12に示される変形例の鼻毛処理器100,200は、刃部130,230の軸線CLの方向の一端側の先端に、穴部340を有する。この穴部340は、鼻腔の奥側から外鼻孔に向かって生える鼻毛を切断するものである。
【0060】
図13(a)に示されるように、穴部340は、第1のホルダ133の天板133g又は第2のホルダ234の天板234aと断面形状が略同一の台形状で、略中央に引込み穴340aが貫通して形成されている。この引込み穴340aは、
図13(b)に示されるように、一端側から他端(天板133g,234a)側に向かって、徐々に狭くなっており、他端では、略C字状になっている。そして、引込み穴340aの他端付近には、第3の刃物340bが設けられている。
【0061】
第3の刃物340bの刃先は、台形の幅広側から幅狭側に向かい、かつ、天板133g,234aに傾斜して設けられている。
【0062】
そして、穴部340は、第1のホルダ133の天板133g又は第2のホルダ234の天板234aに溶着や係合などにより一体化される。ただし、穴部340は、第1のホルダ133又は第2のホルダ234に一体成形されてもよく、この場合、天板133g,234aに引込み穴340aが貫通して形成される。
【0063】
よって、穴部340を有する鼻毛処理器100,200を、鼻腔に挿入すると、鼻腔の奥側から外鼻孔に向かって生える鼻毛は、引込み穴340aに引込まれ、鼻毛処理器100,200の回転(移動)に伴って、第3の刃物340bで、切断される。本変形例によれば、鼻腔内の粘膜に略直立して生える鼻毛だけでなく、奥側から外鼻孔に向かって生える鼻毛も、簡単に処理することができる。
【0064】
なお、上記実施形態1及び2では、柄部2及び刃部130,230は、別部材で形成され一体化されたが、柄部2は、刃部130,230の第1のホルダ133,233などとあらかじめ一体成形されてもよい。
【0065】
実施形態4の鼻毛処理器400について説明する。
図14は、本発明の実施形態4に係る鼻毛処理器400を示す概略図であり、
図15は、刃部430を
図14のF−F線で切断した断面図である。
【0066】
図14に示される鼻毛処理器400は、刃部430が、柄部420に対して枢動可能に取付けられる点で、実施形態1及び2のものと異なっている。
【0067】
まず、柄部420について説明する。
柄部420は、本体が棒状のものであり、一端側の側面に軸線CLと直交する枢動軸420aが突設されている。また、柄部420は、後述する係止具440の脱落を防止する抜け止め420bが他端側に膨出されている。
【0068】
つぎに、刃部430について説明する。
図16は、刃部430を構成する、(a)第1のホルダ433、(b)第1の刃物131、(c)第2のホルダ434、を示す正面図及び側面図である。
【0069】
第1の刃物131の構成は、基本的に実施形態1と同様であるため、第1の刃物131についての説明は省略する(
図16(b)参照)。
【0070】
第1のホルダ433は、
図16(a)に示されるように、底板433aと、この底板433aに立設された断面視L字状の側壁433bとで形成されている。一方の側壁433bは、保護ガイド433cが側方の端部に形成されている。他方の側壁433bは、第2のホルダ434の被係合部434fが係合する係合部433fが形成されている。
【0071】
一方の側壁433bは、内側面に台座433dを有する。台座433dは、第1のホルダ433の内側面と第1の刃物131とを所定の間隔に設定するものである。さらに、この台座433dには、連結ピン433eが立設されている。
【0072】
さらに、この一方の側壁433bは、外側面に軸受433gを有する。軸受433gは、柄部420の枢動軸420aを枢動可能に軸支する。なお、本実施形態4では、枢動軸420aは、柄部420に設けられ、軸受433gは、刃部430に設けられるが、軸支の構成であるから、それぞれ入れ替えて反対側に設けてもよい。
【0073】
第2のホルダ434は、
図16(c)に示されるように、天板434aと、この天板434aに立設された断面視L字状の側壁434bとで形成されている。一方の側壁434bには、保護ガイド434cが端部に形成されている。他方の側壁434bには、第1のホルダ433の係合部433fに係合する被係合部434fが端部に形成されている。
【0074】
一方の側壁434bは、内側面に台座434dを有する。台座434dは、第2のホルダ434の内側面と第1の刃物131とを所定の間隔に設定するものである。さらに、この台座434dには、連結ピン433eが挿通される穴434eが形成されている。
【0075】
そして、係止具440は、柄部420に挿通されている。この係止具440は、円筒又は円錐筒状のものであり、弾性又は可撓性を有する材料で形成されている。弾性又は可撓性を有する材料としては、ゴムやシリコーンなどが挙げられる。
【0076】
この係止具440は、刃部430のいずれか一方の端部を、筒状の内側に保持し、枢動軸420aに対して枢動する刃部430を係止するものであるが、鼻腔の内周に沿って微小に枢動(揺動)するように、刃部430を枢動可能な状態のまま用いる場合は、係止具440は、用いられなくてもよい。すなわち、必要に応じて柄部420に取付ければよい。
【0077】
刃部430を係止具440で係止する状態について説明する。
図17は、鼻毛処理器400の、(a)第1の状態、(b)第2の状態、を示す概略図である。
第1の刃物131の刃物面が、軸線CLを含む平面と平行になるように、刃部430が柄部420に対して枢動されると、係止具440により、その位置で係止される。例えば、刃部430を時計回りに枢動して第1の状態に係止すると(
図17(a)参照)、第1の刃物131が左側となるため、反時計回り用とすることができ、反対に刃部430を時計回りに枢動して第2の状態に係止すると(
図17(b)参照)、第1の刃物131が右側となるため、時計回り用とすることができる。なお、鼻毛処理器400は、柄部420及び刃部430を含む総幅が8.0mm程度であり(
図17(a)参照)、枢動軸420aに沿う方向の厚みが10.0mm程度であるから、成人の鼻腔に挿入可能な大きさとなっており、枢動軸420aも鼻腔に挿入することで、奥の方まで鼻毛の処理を行うことができる。
【0078】
実施形態5の鼻毛処理器500について説明する。
図18は、本発明の実施形態5に係る鼻毛処理器500を示す概略図である。
図19は、刃部530の可動範囲を示す説明図である。
【0079】
図18に示される鼻毛処理器500は、枢動軸520aが、柄部520の一端側の端面に位置する点で、実施形態4のものと異なっている。
【0080】
柄部520は、本体が棒状のものであり、軸線CLと直交する枢動軸520aを軸支する軸受520gが一端側の端面に設けられている。
【0081】
刃部530は、軸線CLと直交する枢動軸520aを軸支する軸受533gが柄部520側の外面に設けられている。そして、枢動軸520aは、これらの軸受520g及び軸受533gに軸支され、柄部520と刃部530とを枢動可能に連結している。
【0082】
刃部530の枢動する角度θ2は、枢動軸520aから刃部530の底面までの距離を調節することで適宜変更可能であるが、柄部520の軸線CLを中心として左右それぞれに90°から120°の範囲、つまり、180°から240°の範囲で枢動すればよい。
【0083】
このような鼻毛処理器500であれば、枢動軸520aに沿う方向の厚みを鼻毛処理器400よりも薄くすることができるから、鼻腔に挿入可能な大きさにすることができる。
【0084】
実施形態6の鼻毛処理器600について説明する。
図20は、本発明の実施形態6に係る鼻毛処理器600を示す概略図である。
図20に示される鼻毛処理器600は、実施形態5の刃部530を、実施形態2の刃部230に置換したものに相当する。
【0085】
柄部620は、本体が棒状のものであり、軸線CLと直交する枢動軸620aを軸支する軸受620gが一端側の端面に設けられている。軸受620gの更に一端側には、刃部630の枢動を規制するストッパ620hが形成されている。
【0086】
刃部630は、軸線CLと直交する枢動軸620aを軸支する軸受633gが柄部620側の外面に設けられている。そして、枢動軸620aは、これらの軸受620g及び軸受633gに軸支され、柄部620と刃部630とを枢動可能に連結している。
【0087】
刃部630の枢動する角度θ3は、枢動軸620aから刃部630の底面までの距離を調節することで適宜変更可能であるが、ストッパ620hと柄部620の本体で枢動が規制されるため、軸線CLと平行な位置から、±10°程度の範囲で枢動すればよい。
【0088】
このような鼻毛処理器600であれば、第1の刃物231の長さを13mm程度に、刃部630の枢動軸620aに沿う方向の厚みを7mm程度に、刃部630の高さを5mm程度に、刃部630の先端から柄部620の背面までの総幅を9mm程度にすることができるから、鼻腔に挿入可能な大きさにすることができる。
【0089】
実施形態4及び5では、時計回り用又は反時計回り用とで、枢動させる方向が一義的に決まるため、枢動させる方向を間違えるとやり直す必要があったが、実施形態6の鼻毛処理器600であれば、時計回り用又は反時計回り用の回転方向を気にすることなく、どちらかの一方向に枢動させることで、鼻毛を処理することができる。また、刃部630の枢動範囲が狭いため、鼻腔から鼻毛処理器600を引抜く場合でも、引っ掛かるようなことが起こらない。
【0090】
以上のとおり、本発明の実施形態1及び2に係る鼻毛処理器100,200では、刃部130,230は、2つの第1の刃物131又は2つの刃先が形成された第1の刃物231を有する。これにより、鼻毛処理器100,200は、時計回り又は反時計回りのいずれの方向に回転させても、鼻毛の処理を良好に行うことができる。
【0091】
また、本発明の実施形態4から6に係る鼻毛処理器400,500,600では、刃部430,530,630は、軸線CLと直交する枢動軸420a,530a,620aに対して枢動可能に柄部420,520,620に取付けられる。これにより、鼻毛処理器400,500は、時計回り又は反時計回りのいずれの方向に回転させる場合でも、鼻毛の処理を良好に行うことができる。
【0092】
また、特許文献1に記載のものでは、時計回り又は反時計回りの1方向しか対応できないため、鼻毛処理器1を2つ準備する必要があったが、実施形態1から6では、鼻毛処理器100,200,400,500,600を1つ準備するだけでよく、どちらの方向でも使用することができる。
【0093】
さらに、鼻毛処理器400は、係止具440を、更に備え、係止具440は、柄部420に対して枢動する刃部430を所定角度に係止する。これにより、刃部430が柄部420に対してガタつくことがなく、鼻毛処理器400を容易に移動させることができる。
【0094】
また、係止具440は、実施形態4のものに限られない。例えば、磁力により所定の位置に係止(固定)できるものであってもよく、枢動軸420aと軸受433gとの間で、ノッチ及び突起により係止するものであってもよい。
【0095】
最後に、他の変形形態について説明する。
上記実施形態1では、第1の刃物131の刃先は、柄部2の軸線CLと平行に形成されていたが、側面視で軸線CLと交差するように傾斜していてもよい。具体的には、
図21(a)に示すように、柄部2側から刃部130の先端に向かって第1の刃物131の刃先が後退するように傾斜していてもよい。このとき、柄部2側から刃部130の先端に向かって刃部130が小さくなるように傾斜して略三角形状となり、保護ガイド133c、134c、136cも同様に傾斜している。
【0096】
上記実施形態1では、刃部130は、側面視で柄部2の軸線CLと平行な矩形状に形成されていたが、側面視で刃部130の一端側が小さくなる略三角形状に形成してもよい。具体的には、
図21(b)に示すように、柄部2側から刃部130の一端側(先端)に向かって刃部130が小さくなるように傾斜していてもよい。このとき、保護ガイド133c、134c、136cも同様に傾斜している。
【0097】
上記実施形態2では、第1の刃物231の刃先は、柄部2の軸線CLと平行に形成されていたが、正面視で軸線CLと交差するように傾斜していてもよい。具体的には、
図21(c)に示すように、柄部2側から刃部230の先端に向かって第1の刃物231の刃先同士が近づくように傾斜していてもよい。このとき、柄部220側から刃部230の一端側(先端)に向かって刃部230が小さくなるように傾斜して略三角形状となり、保護ガイド233c、234cも同様に傾斜している。
【0098】
上記実施形態4及び5では、第1の刃物131の刃先は、柄部420,520の軸線CLと平行に形成されていたが、直線状でなく屈曲していてもよい。具体的には、
図22(a)に示すように、第1の刃物131の刃先が、「コ」字状に2段階に屈曲してもよいし、あるいは、
図22(b)に示すように、「く」字状に屈曲してもよい。このとき、刃部430,530は、略台形状又はホームベース状となる。
【0099】
上記実施形態4及び5では、刃部430,530は、側面視で柄部420,520の軸線CLと平行な矩形状に形成されていたが、略台形状に形成してもよい。具体的には、
図22(c)に示すように、刃部430,530が台形状に形成されてもよいし、あるいは、
図22(d)に示すように、刃部430,530がホームベース状に形成されてもよい。
【0100】
上記実施形態6では、刃部230は、側面視で略矩形状に形成されていたが、側面視で略三角形状に形成されてもよい。具体的には、
図23(a)に示すように、柄部620側から刃部630の一端側(先端)に向かって刃部630が小さくなるように刃先側が傾斜するか、
図23(b)に示すように、柄部620側から刃部630の一端側(先端)に向かって刃部630が小さくなるように刃元側が傾斜して略三角形状に形成されるとよい。
【0101】
上述した変形例のように刃部130,230,430,530,630の一端側(先端側)の厚み(又は幅あるいは高さ)を、小さくすることにより、鼻腔の奥側の直径の狭い又は曲率半径の小さい領域にも、第1の刃物131,231を届かせることができ、剃り残しをなくすことができる。
【0102】
また、上記実施形態1から6では、刃部130,230,430,530,630は、第1の刃物131,231を有する一枚刃としたが、第2の刃物を有する、いわゆる二枚刃、三枚刃、四枚刃あるいは五枚刃以上であってもよく、その際、刃の枚数に合わせてスペーサを刃物間に挿入すればよい。これにより、鼻毛に対する刃部130,230,430,530,630の切れ味を向上させることができる。このとき、
図8に示される基準線L上に、第2の刃物などの刃先が位置するように構成するとよい。
【0103】
また、上記実施形態1から6に記載した各構成や変形例の各構成は、複数組み合わせてもよい。
【0104】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【解決手段】柄部と刃部130とを備える鼻毛処理器であって、刃部130は、第1の刃物131と、第1の刃物131を保持する保持部133,134と、を有し、第1の刃物131は、柄部の軸線を含む平面PLに関して対称となるように、2つ設けられている。また、柄部と刃部とを備える鼻毛処理器であって、刃部は、第1の刃物と、第1の刃物を保持する保持部と、を有し、第1の刃物は、柄部の軸線を含む平面に関して対称となるように、2つの刃先が形成されている。