特許第6248374号(P6248374)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248374
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/13 20060101AFI20171211BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20171211BHJP
   B60C 5/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   B60C11/13 A
   B60C11/03 300A
   B60C5/00 H
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-39323(P2012-39323)
(22)【出願日】2012年2月24日
(65)【公開番号】特開2013-173448(P2013-173448A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2015年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】宮田 佑紀
【審査官】 田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−537453(JP,A)
【文献】 特開2010−120430(JP,A)
【文献】 特開2004−025990(JP,A)
【文献】 特開平11−151912(JP,A)
【文献】 特開2005−193702(JP,A)
【文献】 特開平04−208606(JP,A)
【文献】 特開昭63−141804(JP,A)
【文献】 米国特許第04703787(US,A)
【文献】 特開2012−081898(JP,A)
【文献】 特開2006−137239(JP,A)
【文献】 特開2012−106707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 11/13
B60C 5/00
B60C 11/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向主溝とラグ溝とに区画されて成るブロックを有する空気入りタイヤであって、
前記ブロックが、前記ブロックの前記周方向主溝側の壁面に配置されると共に前記周方向主溝に沿って延在して前記ブロックの前記ラグ溝側の両端部に開口する少なくとも一つの周方向溝部を有し、
前記周方向溝部の溝断面積Sが、前記周方向溝部の一方の開口端部にて最大値S1となり、他方の開口端部にて最小値S2となり、
前記周方向溝部の溝幅の最小値B2と前記周方向主溝の溝深さDとが、0.05≦B2/D≦0.25の関係を有し、
前記周方向溝部の溝深さの最小値A2と前記周方向主溝の溝幅Wとが、0.05≦A2/W≦0.20の関係を有し、
前記周方向溝部が、前記ブロックの踏面に開口せず、
1つの前記ブロックが、一方の前記周方向主溝側の溝壁に配置された第一の前記周方向溝部と、他方の前記周方向主溝側の溝壁に配置された第二の前記周方向溝部とを有し、
前記第一および第二の周方向溝部の溝断面積Sが、タイヤ周方向の同一方向の前記開口端部にてそれぞれ最小値S2となり、
前記ブロックが、前記ブロックの前記ラグ溝側かつ前記第一および第二の周方向溝部の溝断面積Sが最小値S2となる側の壁面に、前記ラグ溝に沿って延在する他の溝部を有さず、且つ、
前記周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側をタイヤ回転方向として車両に装着すべき指定を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記周方向溝部の溝断面積Sが、前記周方向溝部の一方の開口端部から他方の開口端部に向かって単調増加する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記周方向溝部の溝幅が、前記周方向溝部の一方の開口端部から他方の開口端部に向かって単調増加する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記周方向溝部の溝深さが、前記周方向溝部の一方の開口端部から他方の開口端部に向かって単調増加する請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記ブロックが、前記ブロックの前記ラグ溝側かつ前記第一および第二の周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側の壁面に配置されると共に前記ラグ溝に沿って延在して前記第一および第二の周方向溝部の双方に連通する幅方向溝部を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記周方向主溝の溝底から前記周方向溝部までの距離D1と、前記周方向主溝の溝深さDとが、0.10≦D1/D≦0.60の関係を有する請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記周方向溝部の溝幅の最小値B2と、前記周方向主溝の溝深さDとが、0.05≦B2/D≦0.25の関係を有し、且つ、前記周方向溝部の溝深さの最小値A2と、前記周方向主溝の溝幅Wとが、0.05≦A2/W≦0.20の関係を有する請求項1〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
周方向主溝とラグ溝とに区画されて成るブロックを有する空気入りタイヤであって、
前記ブロックが、前記ブロックの前記周方向主溝側の壁面に配置されると共に前記周方向主溝に沿って延在して前記ブロックの両端部に開口する少なくとも一つの周方向溝部を有し、
前記周方向溝部の溝断面積Sが、前記周方向溝部の一方の開口端部にて最大値S1となり、他方の開口端部にて最小値S2となり、
前記ブロックが、前記ブロックの前記ラグ溝側かつ前記周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側の壁面に配置されると共に前記ラグ溝に沿って延在して前記周方向溝部に連通する幅方向溝部を有し、
前記ブロックが、前記ブロックの前後の前記ラグ溝側の壁面に前記幅方向溝部をそれぞれ有し、
前記周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側にある前記幅方向溝部の溝断面積が、他方の前記幅方向溝部の溝断面積よりも大きく、且つ、
前記周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側をタイヤ回転方向として車両に装着すべき指定を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤの耐偏摩耗性能を確保しつつウェット性能を向上できる空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の空気入りタイヤでは、ブロックパターンを有する構成において、周方向主溝の排水性を高めてタイヤのウェット性能を向上させるために、ブロックが周方向主溝側の壁面に溝部を有している。かかる構成を採用する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−137239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、空気入りタイヤでは、耐偏摩耗性能を向上すべき課題がある。
【0005】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤの耐偏摩耗性能を確保しつつウェット性能を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、周方向主溝とラグ溝とに区画されて成るブロックを有する空気入りタイヤであって、前記ブロックが、前記ブロックの前記周方向主溝側の壁面に配置されると共に前記周方向主溝に沿って延在して前記ブロックの前記ラグ溝側の両端部に開口する少なくとも一つの周方向溝部を有し、前記周方向溝部の溝断面積Sが、前記周方向溝部の一方の開口端部にて最大値S1となり、他方の開口端部にて最小値S2となり、前記周方向溝部の溝幅の最小値B2と前記周方向主溝の溝深さDとが、0.05≦B2/D≦0.25の関係を有し、前記周方向溝部の溝深さの最小値A2と前記周方向主溝の溝幅Wとが、0.05≦A2/W≦0.20の関係を有し、前記周方向溝部が、前記ブロックの踏面に開口せず、1つの前記ブロックが、一方の前記周方向主溝側の溝壁に配置された第一の前記周方向溝部と、他方の前記周方向主溝側の溝壁に配置された第二の前記周方向溝部とを有し、前記第一および第二の周方向溝部の溝断面積Sが、タイヤ周方向の同一方向の前記開口端部にてそれぞれ最小値S2となり、前記ブロックが、前記ブロックの前記ラグ溝側かつ前記第一および第二の周方向溝部の溝断面積Sが最小値S2となる側の壁面に、前記ラグ溝に沿って延在する他の溝部を有さず、且つ、前記周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側をタイヤ回転方向として車両に装着すべき指定を有することを特徴とする。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、周方向主溝とラグ溝とに区画されて成るブロックを有する空気入りタイヤであって、前記ブロックが、前記ブロックの前記周方向主溝側の壁面に配置されると共に前記周方向主溝に沿って延在して前記ブロックの両端部に開口する少なくとも一つの周方向溝部を有し、前記周方向溝部の溝断面積Sが、前記周方向溝部の一方の開口端部にて最大値S1となり、他方の開口端部にて最小値S2となり、前記ブロックが、前記ブロックの前記ラグ溝側かつ前記周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側の壁面に配置されると共に前記ラグ溝に沿って延在して前記周方向溝部に連通する幅方向溝部を有し、前記ブロックが、前記ブロックの前後の前記ラグ溝側の壁面に前記幅方向溝部をそれぞれ有し、前記周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側にある前記幅方向溝部の溝断面積が、他方の前記幅方向溝部の溝断面積よりも大きく、且つ、前記周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側をタイヤ回転方向として車両に装着すべき指定を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明にかかる空気入りタイヤでは、ブロックが周方向主溝側の壁面に周方向溝部を有するので、周方向溝部の溝断面積が増加して周方向主溝の排水性が向上する。これにより、タイヤのウェット性能が向上する利点がある。また、周方向溝部の溝断面積Sが一方の開口端部にて最大値S1となり、他方の開口端部にて最小値S2となるので、溝断面積Sが最大値S1となる側のエッジ部におけるブロックの剛性が、他方のエッジ部におけるブロックの剛性よりも低い。すると、空気入りタイヤが、周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側をタイヤ回転方向として車両に装着されたときに、ブロックの踏み込み側のエッジ部における剛性が低くなり、一方で、ブロックの蹴り出し側のエッジ部における剛性が高くなる。これにより、タイヤの耐偏摩耗性(耐ヒールアンドトゥ摩耗性)が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。
図2図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。
図3図3は、図1に記載した空気入りタイヤのブロックの周方向溝部を示す説明図である。
図4図4は、図1に記載した空気入りタイヤのブロックの周方向溝部を示す説明図である。
図5図5は、図1に記載した空気入りタイヤのブロックの周方向溝部を示す説明図である。
図6図6は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。
図7図7は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。
図8図8は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。
図9図9は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。
図10図10は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。
図11図11は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。
図12図12は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。
図13図13は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。
図14図14は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。
図15図15は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。
図16図16は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。
図17図17は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
図18図18は、比較例1の空気入りタイヤを示す説明図である。
図19図19は、比較例2の空気入りタイヤを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【0010】
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤ1を示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、空気入りタイヤ1の一例として、乗用車用ラジアルタイヤを示している。なお、符号CLは、タイヤ赤道面である。
【0011】
この空気入りタイヤ1は、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
【0012】
一対のビードコア11、11は、環状構造を有し、左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を補強する。
【0013】
カーカス層13は、単層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13は、スチールあるいは有機繊維材(例えば、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で85[deg]以上95[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの繊維方向の傾斜角)を有する。
【0014】
ベルト層14は、一対の交差ベルト141、142を積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。一対の交差ベルト141、142は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で10[deg]以上30[deg]以下のベルト角度を有する。また、一対の交差ベルト141、142は、相互に異符号のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの繊維方向の傾斜角)を有し、ベルトコードの繊維方向を相互に交差させて積層される(クロスプライ構造)。
【0015】
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびビードフィラー12、12のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて、左右のビード部を構成する。
【0016】
図2は、図1に記載した空気入りタイヤ1のトレッド面を示す平面図である。同図は、一般的なブロックパターンを示している。
【0017】
この空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する4本の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝21、22に区画された5列の陸部31〜33と、これらの陸部31〜33をタイヤ幅方向に横断する複数のラグ溝41〜43とをトレッド部に備える(図2参照)。
【0018】
例えば、図2の構成では、4本の周方向主溝21、22がタイヤ赤道面CLを中心として左右対称に配置されている。また、これらの周方向主溝21、22により、センター陸部31と、左右のセカンド陸部32、32と、左右のショルダー陸部33、33とが区画されている。また、すべての陸部31〜33が、タイヤ幅方向に延在する複数のラグ溝41〜43をそれぞれ有している。また、これらのラグ溝41〜43が、陸部31〜33をタイヤ幅方向に横断するオープン構造を有し、また、タイヤ周方向に所定間隔で配列されている。これにより、すべての陸部31〜33が複数のブロック5に分断されたブロック列となっている。
【0019】
なお、周方向主溝とは、3[mm]以上の溝幅を有する周方向溝をいう。また、ラグ溝とは、1[mm]以上の溝幅を有する横溝をいう。
【0020】
[回転方向の指定]
また、この空気入りタイヤ1は、タイヤ回転方向の指定を有する。タイヤ回転方向とは、タイヤ使用時にて使用頻度が高い回転方向をいい、例えば、車両前進時における回転方向をいう。この回転方向の指定は、例えば、タイヤのサイドウォール部に付されたマークや凹凸によって表示される。この実施の形態では、この回転方向の指定を基準として、ブロック5の踏み込み側(指定された回転方向へのタイヤ転動時にて、先に接地する側)および蹴り出し側(踏み込み側に対する逆側)を定義する(図2参照)。
【0021】
[ブロックの溝部]
図3図5は、図1に記載した空気入りタイヤ1のブロック5の周方向溝部51を示す説明図である。これらの図において、図3は、セカンド陸部32のブロック5およびショルダー陸部33のブロック5の斜視図を示している。また、図4および図5は、ブロック5の周方向主溝21側の壁面の平面図(図4)およびX−X視断面図(図5)をそれぞれ模式的に示している。
【0022】
この空気入りタイヤ1では、ブロック5が、周方向溝部51を有する(図2および図3参照)。この周方向溝部51は、ブロック5の周方向主溝21(22)側の壁面に配置され、周方向主溝21(22)に沿って延在してブロック5の両端部に開口する。なお、ブロック5は、少なくとも一方の壁面に少なくとも一つの周方向溝部51を有すれば良い。また、一部のブロック5のみが周方向溝部51を有しても良い。例えば、ヒールアンドトゥ摩耗が生じ易いブロック列の各ブロック5のみが周方向溝部51を有しても良い。
【0023】
例えば、図2および図3の構成では、すべてのブロック5が、周方向溝部51をそれぞれ有している。また、センター陸部31および左右のセカンド陸部32、32が、左右の周方向主溝21、22側の壁面に周方向溝部51をそれぞれ有している。また、左右のショルダー陸部33、33が、周方向主溝22側の壁面にのみ周方向溝部51を有している。したがって、タイヤ接地面の外側領域には、周方向溝部51が形成されていない。
【0024】
また、周方向主溝21(22)の溝底から周方向溝部51までの距離D1と、周方向主溝21(22)の溝深さDとが、0.10≦D1/D≦0.60の関係を有する(図3参照)。周方向主溝21、22の溝深さDは、ブロック5の踏面から周方向主溝21、22の最大溝深さ位置までの距離として測定される。また、周方向溝部51の距離D1は、周方向主溝21(22)の溝底から周方向溝部51の溝中心線までの距離として測定される。
【0025】
また、図4に示すように、周方向溝部51の溝断面積Sが、周方向溝部51の一方(タイヤ回転方向の踏み込み側)の開口端部にて最大値S1をとり、他方(タイヤ回転方向の蹴り出し側)の開口端部にて最小値S2をとる。このとき、周方向溝部51の溝断面積Sが、周方向溝部51の一方の開口端部から他方の開口端部に向かって単調増加することが好ましい。単調増加の概念には、溝断面積Sが一部において一定となる場合も含まれる。なお、溝断面積Sは、タイヤ周方向に垂直な断面視にて測定される。
【0026】
また、周方向溝部51の溝断面積Sの最大値S1および最小値S2は、1.1≦S1/S2≦15の範囲内にあることが好ましく、2.5≦S1/S2≦8.0の範囲内にあることが好ましい。これにより、溝断面積Sの最大値S1と最小値S2との比S1/S2が適正化される。
【0027】
例えば、図4の構成では、周方向溝部51の溝深さAが一定であり、周方向溝部51の溝幅Bがタイヤ回転方向の蹴り出し側の開口端部から踏み込み側の開口端部に向かって単調増加している。また、周方向溝部51の溝幅Bが、蹴り出し側の開口端部にて最小値B2をとり、踏み込み側の開口端部にて最大値B1をとっている。これにより、周方向溝部51の溝断面積Sが、タイヤ回転方向の踏み込み側の開口端部にて最大値S1となり、タイヤ回転方向の蹴り出し側の開口端部にて最小値S2となっている。
【0028】
かかる構成では、ブロック5が周方向主溝21(22)側の壁面に周方向溝部51を有するので(図3参照)、周方向溝部51の溝断面積が増加して周方向主溝21、22の排水性が向上する。これにより、タイヤのウェット性能が向上する。
【0029】
また、周方向溝部51の溝断面積Sが一方の開口端部にて最大値S1となり、他方の開口端部にて最小値S2となるので(図4参照)、溝断面積Sが最大値S1となる側のエッジ部におけるブロック5の剛性が、他方のエッジ部におけるブロック5の剛性よりも低い。すると、空気入りタイヤ1が、周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側をタイヤ回転方向として車両に装着されたときに、ブロック5の踏み込み側のエッジ部における剛性が低くなる。これにより、タイヤの乗心地性および耐騒音性が向上する。一方で、ブロック5の蹴り出し側のエッジ部における剛性が高くなり、タイヤの耐偏摩耗性(耐ヒールアンドトゥ摩耗性)が向上する。
【0030】
また、この空気入りタイヤ1では、周方向溝部51の溝幅の最大値B1および最小値B2と、周方向主溝21(22)の溝深さDとが、0.10≦B1/D≦0.35および0.05≦B2/D≦0.25の関係を有する。また、周方向溝部51の溝深さの最大値A1および最小値A2と、周方向主溝21(22)の溝幅Wとが、0.10≦A1/W≦0.30および0.05≦A2/W≦0.20の関係を有する。
【0031】
また、ブロック5が、幅方向溝部52を有する(図2および図3参照)。幅方向溝部52は、ブロック5のラグ溝41〜43側の壁面に配置され、ラグ溝41〜43に沿って延在して周方向溝部51に連通する。
【0032】
例えば、図2の構成では、センター陸部31の各ブロック5および左右のセカンド陸部32、32の各ブロック5が、左右の周方向主溝21、22側の壁面に周方向溝部51をそれぞれ有している。また、ショルダー陸部33の各ブロック5が、周方向主溝22側の壁面にのみ周方向溝部51を有している。
【0033】
また、図3に示すように、左右の壁面に周方向溝部51を有するブロック5(センター陸部31およびセカンド陸部32のブロック5)が、左右の周方向溝部51、51を接続する幅方向溝部52を有し、また、この幅方向溝部52を踏み込み側の壁面および蹴り出し側の壁面の双方にそれぞれ有している。一方、片側の壁面にのみ周方向溝部51を有するブロック5(ショルダー陸部33のブロック5)が、その周方向溝部51からラグ溝41〜43に沿って延在する1本の幅方向溝部52を有し、また、この幅方向溝部52を踏み込み側の壁面および蹴り出し側の壁面の双方にそれぞれ有している。また、これらの幅方向溝部52が、一定の溝深さおよび溝幅を有することにより、一定の溝断面積を有している。
【0034】
また、踏み込み側(周方向溝部51の溝断面積Sが最大値S1となる側)の壁面にある幅方向溝部52の溝断面積が、蹴り出し側(周方向溝部51の溝断面積Sが最小値S2となる側)の壁面の幅方向溝部52の溝断面積よりも大きい。
【0035】
例えば、図3の構成では、ブロック5の左右の周方向溝部51、51が、相互に同一形状を有している。そして、これらの周方向溝部51、51の溝断面積Sが、ブロック5の踏み込み側の開口端部にて同一の最大値S1を有し、また、蹴り出し側の開口端部にて同一の最小値S2を有している。これにより、踏み込み側にある幅方向溝部52の溝断面積と、蹴り出し側にある幅方向溝部52の溝断面積とに差が設けられている。
【0036】
図6図8は、図1に記載した空気入りタイヤ1の変形例を示す説明図である。これらの図は、ブロック5の周方向主溝21側の壁面の平面図を示している。
【0037】
図3図5の構成では、上記のように、周方向溝部51の溝深さAが一定であり、周方向溝部51の溝幅Bがタイヤ回転方向の蹴り出し側の開口端部から踏み込み側の開口端部に向かって単調増加している。また、周方向溝部51の溝幅Bが、蹴り出し側の開口端部にて最小値B2であり、踏み込み側の開口端部にて最大値B1である。これにより、周方向溝部51の溝断面積Sが、タイヤ回転方向の蹴り出し側の開口端部にて最大値S1となり、タイヤ回転方向の踏み込み側の開口端部にて最小値S2となっている。
【0038】
しかし、これに限らず、周方向溝部51の溝幅Bが一定であり、周方向溝部51の溝深さAがタイヤ回転方向の蹴り出し側の開口端部から踏み込み側の開口端部に向かって単調増加しても良い(図示省略)。また、周方向溝部51の溝深さAおよび溝幅Bの双方が、タイヤ回転方向の蹴り出し側の開口端部から踏み込み側の開口端部に向かって単調増加しても良い(図示省略)。これらの構成としても、同様な作用が得られる。
【0039】
また、上記に限らず、周方向溝部51の溝断面積S(溝深さA、溝幅B)が、途中で増減しても良い(図示省略)。したがって、少なくとも、周方向溝部51の溝断面積Sが、蹴り出し側の開口端部にて最大値S1となり、タイヤ回転方向の踏み込み側の開口端部にて最小値S2となれば足りる。
【0040】
また、図4の構成では、ブロック5の壁面の平面視にて、周方向溝部51の左右の溝壁がブロック5の高さ方向に傾斜した直線形状を有することにより、周方向溝部51の溝幅Bが蹴り出し側の開口端部から踏み込み側の開口端部に向かって単調増加している。
【0041】
しかし、これに限らず、周方向溝部51の左右の溝壁が、蹴り出し側から踏み込み側に向かう途中で傾斜角を変化させても良い。例えば、図6に示すように、蹴り出し側から踏み込み側に向かう途中で、周方向溝部51の左右の溝壁が平行となり、周方向溝部51の溝幅B(溝断面積S)が一定となっても良い。また、図7に示すように、周方向溝部51の左右の溝壁が放物線状に湾曲しても良い。
【0042】
また、図4の構成では、ブロック5が、1つの周方向溝部51の壁面に1つの周方向溝部51を有している。
【0043】
しかし、これに限らず、ブロック5が、1つの周方向溝部51の壁面に複数の周方向溝部51を有しても良い。例えば、図8に示すように、2本の周方向溝部51が、1つの周方向溝部51の壁面に配置されて、ブロック5の蹴り出し側から踏み込み側に向かって併走しても良い。
【0044】
図9図14は、図1に記載した空気入りタイヤ1の変形例を示す説明図である。これらの図は、周方向溝部51の断面図を示している。
【0045】
図5の構成では、周方向溝部51が、溝底側に向かって溝幅を狭めた略台形の断面形状を有している。
【0046】
しかし、これに限らず、周方向溝部51は、任意の断面形状を有し得る(図9図14参照)。例えば、図9の変形例では、周方向溝部51が矩形の断面形状を有し、図10の変形例では、周方向溝部51が半円状の断面形状を有している。また、図11および図12の変形例では、周方向溝部51が三角形の断面形状を有している。このとき、断面形状の三角形が、溝開口部側を底辺とした二等辺三角形であっても良いし(図11参照)、頂点を周方向主溝21(22)の溝底側に向けた三角形(図12参照)あるいは周方向主溝21(22)の溝開口側に向けた三角形(図示省略)であっても良い。また、図13および図14の変形例のように、周方向溝部51が、溝底に凸部を有する断面形状を有しても良い。このとき、周方向溝部51の溝底がブロック5の壁面から周方向主溝21(22)に突出しない(突起とならない)ことを要件とする。
【0047】
図15および図16は、図1に記載した空気入りタイヤ1の変形例を示す説明図である。これらの図は、セカンド陸部32のブロック5およびショルダー陸部33のブロック5の斜視図を示している。
【0048】
上記のように、図3の構成では、ブロック5が、蹴り出し側の壁面と踏み込み側の壁面とに、それぞれ幅方向溝部52を有している。
【0049】
しかし、これに限らず、図15の変形例のように、ブロック5が踏み込み側の壁面にのみ幅方向溝部52を有しても良いし、図16の変形例のように、幅方向溝部52が省略されても良い。
【0050】
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、周方向主溝21、22とラグ溝41〜43とに区画されて成るブロック5を有する(図2参照)。また、ブロック5が、ブロック5の周方向主溝21(22)側の壁面に配置されると共に周方向主溝21(22)に沿って延在してブロック5の両端部に開口する少なくとも一つの周方向溝部51を有する(図3参照)。また、周方向溝部51の溝断面積Sが、周方向溝部51の一方の開口端部にて最大値S1となり、他方の開口端部にて最小値S2となる(図4参照)。
【0051】
かかる構成では、ブロック5が周方向主溝21(22)側の壁面に周方向溝部51を有するので(図3参照)、周方向溝部51の溝断面積が増加して周方向主溝21、22の排水性が向上する。これにより、タイヤのウェット性能が向上する利点がある。
【0052】
また、周方向溝部51の溝断面積Sが一方の開口端部にて最大値S1となり、他方の開口端部にて最小値S2となるので(図4参照)、溝断面積Sが最大値S1となる側のエッジ部におけるブロック5の剛性が、他方のエッジ部におけるブロック5の剛性よりも低い。すると、空気入りタイヤ1が、周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側をタイヤ回転方向として車両に装着されたときに、ブロック5の踏み込み側のエッジ部における剛性が低くなる。これにより、タイヤの乗心地性および耐騒音性が向上する利点がある。一方で、ブロック5の蹴り出し側のエッジ部における剛性が高くなり、タイヤの耐偏摩耗性(耐ヒールアンドトゥ摩耗性)が向上する利点がある。
【0053】
また、この空気入りタイヤ1では、周方向溝部51の溝断面積Sが、前記周方向溝部の一方の開口端部から他方の開口端部に向かって単調増加する(図3および図4参照)。これにより、周方向溝部51の溝断面積Sが適正化される。
【0054】
また、この空気入りタイヤ1では、周方向溝部51の溝幅Bが、周方向溝部51の一方の開口端部から他方の開口端部に向かって単調増加する(図4参照)。これにより、周方向溝部51の溝幅Bが適正化される。
【0055】
また、この空気入りタイヤ1では、周方向溝部51の溝深さAが、周方向溝部51の一方の開口端部から他方の開口端部に向かって単調増加しても良い(図示省略)。これにより、周方向溝部51の溝深さAが適正化される。
【0056】
また、この空気入りタイヤ1では、ブロック5が、ブロック5のラグ溝41(42、43)側かつ周方向溝部51の溝断面積Sが最大値S1となる側の壁面に配置されると共にラグ溝41(42、43)に沿って延在して周方向溝部51に連通する幅方向溝部52を有する(図3参照)。かかる構成では、幅方向溝部52により、溝断面積Sが最大値S1となる側のエッジ部におけるブロック5の剛性が低くなる。すると、空気入りタイヤ1が、周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側をタイヤ回転方向として車両に装着されたときに、ブロック5の踏み込み側のエッジ部における剛性が低くなる。これにより、タイヤの乗心地性および耐騒音性が向上する利点がある。
【0057】
また、この空気入りタイヤ1では、ブロック5が、ブロック5の前後のラグ溝41、41(42、42;43、43)側の壁面に幅方向溝部52、52をそれぞれ有する(図3参照)。また、周方向溝部51の溝断面積Sが最大値S1となる側にある幅方向溝部52の溝断面積が、他方の幅方向溝部52の溝断面積よりも大きい。かかる構成では、溝断面積Sが最大値S1となる側のエッジ部におけるブロック5の剛性が低くなり、他方のブロック5の剛性が高くなる。これにより、空気入りタイヤ1が、周方向溝部の溝断面積Sが最大値S1となる側をタイヤ回転方向として車両に装着されたときに、ブロック5の前後のエッジ部の剛性が適正化されて、タイヤの乗心地性、耐騒音性および耐偏摩耗性が向上する利点がある。
【0058】
また、この空気入りタイヤ1では、周方向主溝21(22)の溝底から周方向溝部51までの距離D1と、周方向主溝21(22)の溝深さDとが、0.10≦D1/D≦0.60の関係を有する(図3参照)。これにより、周方向溝部51の溝幅と周方向主溝21(22)の溝深さDとの関係が適正化される利点がある。
【0059】
また、この空気入りタイヤ1では、周方向溝部51の溝幅Bの最大値B1および最小値B2と、周方向主溝21(22)の溝深さDとが、0.10≦B1/D≦0.35および0.05≦B2/D≦0.25の関係を有する(図3および図4参照)。また、周方向溝部51の溝深さA(図5参照)の最大値A1および最小値A2と、周方向主溝21(22)の溝幅Wとが、0.10≦A1/W≦0.30および0.05≦A2/W≦0.20の関係を有する。これにより、周方向溝部51の溝幅Bおよび溝深さAと、周方向主溝21(22)の溝深さDおよび溝幅Wとの関係が適正化される利点がある。
【0060】
また、この空気入りタイヤ1は、周方向溝部51の溝断面積Sが最大値S1となる側をタイヤ回転方向として車両に装着すべき指定を有する(図3および図4参照)。これにより、ブロック5の前後のエッジ部の剛性が適正化されて、タイヤの乗心地性、耐騒音性および耐偏摩耗性が向上する利点がある。
【実施例】
【0061】
図17は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。図18および図19は、比較例1、2の空気入りタイヤを示す説明図である。
【0062】
この性能試験では、相互に異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)ウェット性能、(2)乗心地性能および耐騒音性能、ならびに、(3)耐偏摩耗性能に関する評価が行われた(図17参照)。この性能試験では、タイヤサイズ215/60R16 95Hの空気入りタイヤがJATMA規定の適用リムに組み付けられ、この空気入りタイヤに220[kPa]の空気圧およびJATMA規定の最大負荷が付与される。また、空気入りタイヤが、試験車両である排気量2500[cc]の乗用車に装着される。
【0063】
(1)ウェット性能に関する評価では、試験車両が水深10±1[mm]かつ旋回半径100[m]のテストコースを走行し、タイヤの最大横加速度が発生した時の試験車両の走行速度を測定する。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましく、105以上であれば優位性ありと認められる。
【0064】
(2)乗心地性能および耐騒音性能に関する評価では、試験車両がドライ路面の評価コースを走行して、専門のテストドライバーが官能評価を行う。この評価は、従来例を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。また、評価が105以上であれば、優位性ありと認められる。
【0065】
(3)耐偏摩耗性能に関する評価では、試験車両が8000[km]を走行した後のブロックのヒールアンドトゥ摩耗量が測定される。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。また、評価が100以上であれば、耐偏摩耗性能が適正に確保されているといえる。
【0066】
実施例1〜6の空気入りタイヤ1は、図1図5の構成を備え、すべてのブロック5が周方向溝部51および幅方向溝部52を有する。また、空気入りタイヤ1が、周方向溝部51の溝断面積Sが最大値S1となる側をタイヤ回転方向として試験車両に装着される。また、周方向主溝21、22の溝深さD(図3参照)が、D=8.0[mm]である。また、周方向溝部51および幅方向溝部52の位置D1が、D1=0.8〜4.8[mm]である。また、実施例7の空気入りタイヤ1では、実施例1の構成において、ブロック5が幅方向溝部52を踏み込み側にのみ有する(図15参照)。また、実施例8の空気入りタイヤ1では、実施例1の構成において、ブロック5が幅方向溝部52を有していない(図16参照)。
【0067】
従来例の空気入りタイヤでは、実施例1の構成において、ブロック5が周方向溝部51および幅方向溝部52のいずれも有していない(図示省略)。比較例1の空気入りタイヤは、従来例の構成において、ブロックが等幅の周方向溝部を有する(図18参照)。比較例2の空気入りタイヤは、従来例の構成において、ブロックが非貫通型の周方向溝部を有する(図19参照)。
【0068】
試験結果に示すように、実施例1〜8の空気入りタイヤ1では、タイヤの耐偏摩耗性能を確保しつつウェット性能を向上できることが分かる。また、乗心地性能および耐騒音性能を向上できることが分かる。
【符号の説明】
【0069】
1 空気入りタイヤ、21、22 周方向主溝、31〜33 陸部、41〜43 ラグ溝、5 ブロック、51 周方向溝部、52 幅方向溝部、11 ビードコア、12 ビードフィラー、13 カーカス層、14 ベルト層、141、142 交差ベルト、15 トレッドゴム、16 サイドウォールゴム、17 リムクッションゴム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19