(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
切断予定線を介して複数の単位紙片が連接されてなり、前記切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍、及び各単位紙片における2本の前記切断予定線と平行にそれぞれミシン目状の切込みが形成され、前記切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍に形成されたミシン目状の切込みと前記紙端との間に、1つの冊子状帳票に対応する単位紙片のうち何枚目の単位紙片に接着剤を塗布するかを示す接着部形成情報が1つの冊子状帳票に対応する単位紙片のうち1つの単位紙片のみに光学読取手段で読取可能に形成された冊子状帳票作製用連続用紙における所定の単位紙片同士が綴じ合わされてなる冊子状帳票を作製する方法であって、
前記冊子状帳票作製用連続用紙上に、当該冊子状帳票作製用連続用紙を単位紙片に切断するための切断マークを印刷する工程と、
冊子状帳票の何れかの紙片に前記接着部形成情報を光学読取手段で読取可能に印字する工程と、
前記1つの単位紙片のみから前記接着部形成情報を読み取る工程と、
前記読み取った接着部形成情報に基づいて、対応する単位紙片に接着部を形成する工程と、
連続用紙から単位紙片の長さに切断する工程と、
単位紙片を重ねて冊子状帳票とする工程と、
を有することを特徴とする冊子状帳票の作製方法。
切断予定線を介して複数の単位紙片が連接されてなり、前記切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍、及び各単位紙片における2本の前記切断予定線と平行にそれぞれミシン目状の切込みが形成され、前記切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍に形成されたミシン目状の切込みと前記紙端との間に、1つの冊子状帳票に対応する単位紙片のうち何枚目の単位紙片に接着剤を塗布するかを示す接着部形成情報が1つの冊子状帳票に対応する単位紙片のうち1つの単位紙片のみに光学読取手段で読取可能に形成された冊子状帳票作製用連続用紙における所定の単位紙片同士が綴じ合わされてなる冊子状帳票を作製する装置であって、
前記冊子状帳票作製用連続用紙上に、当該冊子状帳票作製用連続用紙を単位紙片に切断するための切断マークと、冊子状帳票の何れかの紙片に前記接着部形成情報を光学読取手段で読取可能に印字する印刷部と、
前記1つの単位紙片のみから前記接着部形成情報を光学的に読み取る光学読取手段と、
前記光学読取手段に読み取られた接着部形成情報に基づいて、接着剤塗布部の塗布態様を塗布、不塗布のいずれかに判定する塗布態様判定部と、
前記塗布態様判定部の判定結果に従って、対応する単位紙片に接着剤の塗布を行う接着剤塗布部と、
前記冊子状帳票作製用連続用紙から単位紙片の長さに切断する切断部と、
単位紙片を重ねて冊子状帳票とする排紙部と、
を有することを特徴とする冊子状帳票作製装置。
切断予定線を介して複数の単位紙片が連接されてなり、前記切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍、及び各単位紙片における2本の前記切断予定線と平行にそれぞれミシン目状の切込みが形成され、前記切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍に形成されたミシン目状の切込みと前記紙端との間に、接着剤を塗布するか否かを示す接着部形成情報が所定の単位紙片に光学読取手段で読取可能に形成された冊子状帳票作製用連続用紙における所定の単位紙片同士が綴じ合わされてなる冊子状帳票を作製する装置であって、
前記冊子状帳票作製用連続用紙上に、当該冊子状帳票作製用連続用紙を単位紙片に切断するための切断マークと、冊子状帳票の何れかの紙片に前記接着部形成情報を光学読取手段で読取可能に印字する印刷部と、
前記接着部形成情報を光学的に読み取る光学読取手段と、
前記光学読取手段に読み取られた接着部形成情報に基づいて、接着剤塗布部の塗布態様を塗布、不塗布のいずれかに判定する塗布態様判定部と、
前記塗布態様判定部の判定結果に従って、接着剤の塗布を行う接着剤塗布部と、
前記冊子状帳票作製用連続用紙から単位紙片の長さに切断する切断部と、
単位紙片を重ねて冊子状帳票とする排紙部と、を有し、
前記接着剤塗布部は、前記塗布態様判定部の判定結果に従って、接着剤の塗布を帯状に行う帯状接着剤塗布部と、前記塗布態様判定部の判定結果に従って、コの字状に接着剤の塗布を行うコの字状接着剤塗布部と、を有し、
前記塗布態様判定部は、前記帯状接着剤塗布部の塗布態様を塗布、不塗布のいずれかに判定するとともに、前記コの字状接着剤塗布部の塗布態様を塗布、不塗布のいずれかに判定するものであることを特徴とする冊子状帳票作製装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、薄い冊子や厚さの異なる冊子を同時に処理することが可能な、冊子状帳票作製用連続用紙、冊子状帳票、冊子状帳票の作製方法、冊子状帳票作製装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の第1の態様は、冊子状帳票を作製するための連続用紙であって、前記連続用紙は、切断予定線を介して複数の単位紙片が連接されてなり、前記切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍、及び各単位紙片における2本の前記切断予定線と平行にそれぞれミシン目状の切込みが形成され、前記切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍に形成されたミシン目状の切込みと前記紙端との間に、
1つの冊子状帳票に対応する単位紙片のうち何枚目の単位紙片に接着剤を塗布する
かを示す接着部形成情報が
1つの冊子状帳票に対応する単位紙片のうち1つの単位紙片
のみに光学読取手段で読取可能に形成されていることを特徴とする冊子状帳票作製用連続用紙である。
【0006】
本発明第1の態様によれば、切断予定線を介して複数の単位紙片が連接された連続用紙において、切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍、及び各単位紙片における2本の前記切断予定線と平行にそれぞれミシン目状の切込みが形成され、切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍に形成されたミシン目状の切込みと紙端との間に、接着剤を塗布するか否かを示す接着部形成情報が所定の単位紙片に光学読取手段で読取可能に形成されているので、冊子状帳票作製用連続用紙から分離した各単位紙片の四辺近傍に接着剤の塗布、不塗布を制御することにより、薄い冊子や厚さの異なる冊子を同時に処理することが可能となる。
【0007】
また、本発明第2の態様は、本発明第1の態様において、前記各単位紙片には前記冊子状帳票作製用連続用紙を単位紙片に切断するための切断マークが、光学読取手段で読取可能に形成されていることを特徴とする冊子状帳票作製用連続用紙である。
【0008】
本発明第2の態様によれば、冊子状帳票作製用連続用紙を単位紙片に切断する際、正確なタイミングで切断を行うことが可能となる。
【0009】
また、本発明第3の態様は、本発明第1の態様または第2の態様の冊子状帳票作製用連続用紙により作製された冊子状帳票であって、所定の単位紙片同士が前記単位紙片の四辺の近傍に形成された接着部によって綴じ合わされてなることを特徴とするものである。
【0010】
本発明第3の態様によれば、所定の単位紙片同士が単位紙片の四辺の近傍に形成された接着部によって綴じ合わされるため、簡易な構造で、開封部を有する冊子状帳票が構成されることになる。
【0011】
また、本発明第4の態様は、本発明第3の態様の冊子状帳票において、少なくとも冊子状帳票の何れかの紙片に冊子状帳票固有の個別情報が印字されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明第4の態様によれば、第3の態様の冊子状帳票において、何れかの紙片に、冊子状帳票固有の個別情報が印字されているので、各用紙間において接着強度が異なるとともに、異なる情報が印字された冊子が得られる。また、配送のための宛先情報と冊子内紙片上に印字された固有情報が他の情報と混ざり合うことなく一つに綴じ合わすことができる。特に、冊子状帳票の最上紙または最下紙に、個別情報として冊子状帳票の配送先情報を印字すれば、配送のための配送先情報と冊子内紙片上に印字された他の個別情報が他の情報と混ざり合うことなく一つに綴じ合わすことができる。また、冊子状帳票に使用する用紙を厚手の用紙、例えば、104g/m
2程度の紙を使用することによって用紙に強度が発生し、帳票の紙端4箇所を帯状の接着部によって綴じ合わせた、容易に中を覗き見できない冊子状帳票とすることができる。
【0013】
また、本発明第5の態様は、本発明第3または第4の態様の冊子状帳票を作製する方法であって、前記冊子状帳票作製用連続用紙上に、当該冊子状帳票作製用連続用紙を単位紙片に切断するための切断マークを印刷する工程と、冊子状帳票の何れかの紙片に前記接着部形成情報を光学読取手段で読取可能に印字する工程と、前記接着部形成情報を読み取る工程と、前記読み取った接着部形成情報に基づいて単位紙片に接着部を形成する工程と、連続用紙から単位紙片の長さに切断する工程と、単位紙片を重ねて冊子状帳票とする工程と、を有することを特徴と冊子状帳票の作製方法である。
【0014】
本発明第5の態様によれば、冊子状帳票作製用連続用紙上に、冊子状帳票作製用連続用紙を単位紙片に切断するための切断マークを印刷し、冊子状帳票の何れかの紙片に接着部形成情報を光学読取手段で読取可能に印字し、接着部形成情報を読み取り、読み取った接着部形成情報に基づいて単位紙片に接着部を形成し、連続用紙から単位紙片の長さに切断し、単位紙片を重ねて冊子状帳票とするようにしたので、連続用紙の状態から、薄い冊子や厚さの異なる冊子を、複数まとめて作製することが可能となる。
【0015】
また、本発明第6の態様は、本発明第5の態様の冊子状帳票の作製方法において、前記冊子状帳票作製用連続用紙上に、当該冊子状帳票作製用連続用紙を単位紙片に切断するための切断マークを印刷する工程、及び冊子状帳票の何れかの紙片に前記接着部形成情報を光学読取手段で読取可能に印字する工程と、その他の工程は、異なるラインで実施されることを特徴とするものである。
【0016】
本発明第6の態様によれば、冊子状帳票作製用連続用紙上に単位紙片に切断するための切断マークを印刷する工程、及び冊子状帳票の何れかの紙片に前記接着部形成情報を光学読取手段で読取可能に印字する工程と、その他の工程は、異なるライン(装置)で実施されることによって、共通印刷部分はロールで巻き取る印刷装置(以下、ロールトゥロール対応の印刷装置という)で印刷することができる。そして、配送先の宛名情報(配送情報)や冊子内紙片上の固有情報(以下、可変情報ともいう)は前記切断マークを読取って冊子状帳票作製装置で印字することができる。
【0017】
また、本発明第7の態様は、本発明第3または第4の態様の冊子状帳票を作製する装置であって、前記冊子状帳票作製用連続用紙上に、当該冊子状帳票作製用連続用紙を単位紙片に切断するための切断マークと、冊子状帳票の何れかの紙片に前記接着部形成情報を光学読取手段で読取可能に印字する印刷部と、前記接着部形成情報を光学的に読み取る光学読取手段と、前記光学読取手段に読み取られた接着部形成情報に基づいて、接着剤塗布部の塗布態様を塗布、不塗布のいずれかに判定する塗布態様判定部と、前記塗布態様判定部の判定結果に従って、接着剤の塗布を行う接着剤塗布部と、前記冊子状帳票作製用連続用紙から単位紙片の長さに切断する切断部と、単位紙片を重ねて冊子状帳票とする排紙部と、を有することを特徴とする冊子状帳票作製装置である。
【0018】
本発明第7の態様によれば、冊子状帳票作製用連続用紙の状態から、薄い冊子や厚さの異なる冊子を、複数まとめて作製することが可能となる。
【0019】
また、本発明第8の態様は、
切断予定線を介して複数の単位紙片が連接されてなり、前記切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍、及び各単位紙片における2本の前記切断予定線と平行にそれぞれミシン目状の切込みが形成され、前記切断予定線と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端近傍に形成されたミシン目状の切込みと前記紙端との間に、接着剤を塗布するか否かを示す接着部形成情報が所定の単位紙片に光学読取手段で読取可能に形成された冊子状帳票作製用連続用紙における所定の単位紙片同士が綴じ合わされてなる冊子状帳票を作製する装置であって、前記冊子状帳票作製用連続用紙上に、当該冊子状帳票作製用連続用紙を単位紙片に切断するための切断マークと、冊子状帳票の何れかの紙片に前記接着部形成情報を光学読取手段で読取可能に印字する印刷部と、前記接着部形成情報を光学的に読み取る光学読取手段と、前記光学読取手段に読み取られた接着部形成情報に基づいて、接着剤塗布部の塗布態様を塗布、不塗布のいずれかに判定する塗布態様判定部と、前記塗布態様判定部の判定結果に従って、接着剤の塗布を行う接着剤塗布部と、前記冊子状帳票作製用連続用紙から単位紙片の長さに切断する切断部と、単位紙片を重ねて冊子状帳票とする排紙部と、を有し、前記接着剤塗布部は、前記塗布態様判定部の判定結果に従って、接着剤の塗布を帯状に行う帯状接着剤塗布部と、前記塗布態様判定部の判定結果に従って、コの字状に接着剤の塗布を行うコの字状接着剤塗布部と、を有し、前記塗布態様判定部は、前記帯状接着剤塗布部の塗布態様を塗布、不塗布のいずれかに判定するとともに、前記コの字状接着剤塗布部の塗布態様を塗布、不塗布のいずれかに判定するものであることを特徴とする
冊子状帳票作製装置である。
【0020】
本発明第8の態様によれば、帯状接着剤塗布部により、ミシン目が形成されていない一方の紙端近傍への接着剤の塗布を、他の辺の近傍の接着部の塗布と異ならせ、柔軟な制御を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、薄い冊子や厚さの異なる冊子を複数まとめてすることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る冊子状帳票作製装置について説明する。本実施形態の説明では、冊子状帳票作製装置に供給される連続用紙をロール状で給紙し、冊子状帳票を作製する例について説明する。冊子状帳票作製装置1は、冊子状帳票作製用連続用紙(以下、単に連続用紙という)を給紙する連続用紙給紙部11と、連続用紙に図柄や切断マークを印刷する印刷部及び可変情報を印字する印刷/印字部12、連続用紙の走行方向と平行な方向、直交する方向にそれぞれミシン目状の切り込みを形成するためのミシン目状切り込み加工部13a、13b、光学センサー部14、帯状接着剤塗布部15a、コの字状接着剤塗布部15b、送り孔(以下、スプロケットホールという)部分を切り落とすスリッター部16、連続用紙状態から単位紙片にカットする切断部17、排紙部18、塗布態様判定部19で構成される。図示しないが、連続用紙を駆動するためのスプロケットホール形成部が、連続用紙給紙部11と印刷/印字部12の間、または印刷/印字部12とミシン目状切り込み加工部13aの間に設けられる場合もある。また、ファイル穴加工部が、印刷/印字部12の前後や、光学センサー部14から排紙部18までの間に適宜設けられる場合もある。また、ミシン目状切り込み加工部13a、13bが、コの字状接着剤塗布部15bとスリッター部16の間に設けられる場合もある。ただし、ミシン目状切り込み加工部13a、13bを、帯状接着剤塗布部15a、コの字状接着剤塗布部15bより下流側(図面右方向)に設けると、ミシン刃に接着剤が付着して汚れてしまうため、
図1に示すように、帯状接着剤塗布部15a、コの字状接着剤塗布部15bより上流側(図面左方向)に設けることが好ましい。
【0024】
図1において、印刷/印字部12は、帳票の表裏図柄印刷や連続用紙状態から単位紙片にカットされるための切断マークを印刷するユニットである。このユニットでは、インクジェット装置を組み込んで可変情報を印字するユニットとすることもできる。
【0025】
前記ユニットでの工程は冊子状帳票作製装置とは別ラインで行なうこともできる。連続用紙の表裏に、例えば、それぞれ4色印刷する必要がある場合、冊子状帳票作製装置に印刷ユニットを組み込むと装置が長くなって効率的ではないため、ロールトゥロール対応の印刷装置で事前に印刷する。印刷が前述のロールトゥロール対応の印刷装置などで事前に行なわれる場合は、印刷装置によってスプロケットホールを連続用紙の両サイドに形成することができる。
【0026】
また、前述の可変情報と接着部形成情報もインクジェット方式、トナー印字などで事前に行なうこともできる。前述のインクジェット装置は大きなスペースを必要としないことが多いために冊子状帳票作製装置内で行なうこともでき、
図1に示すように印字ユニットを印刷/印字部12として冊子状帳票作製装置内に組み込むことができる。切断マーク、可変情報、接着部形成情報を印刷するインクジェット装置を印刷/印字部12として、冊子状帳票作製装置とは別ラインとすることも可能である。
【0027】
ミシン目状切り込み加工部13aは、連続用紙の走行方向に1本の連続するミシン目状切込みを形成するものであり、円形のミシン刃が連続用紙の走行方向に直交する方向に伸びる軸に従って回転する構造となっている。ミシン目状切り込み加工部13bは、単位紙片ごとに連続用紙の走行方向に直交する方向に2本のミシン目状切込みを形成するものであり、連続用紙の走行方向に直交する方向に伸びる直線状のミシン刃が表面に形成されたミシン胴により実現される。
【0028】
帯状接着剤塗布部15aは、塗布態様判定部19からの信号に従って、接着剤を塗布する機構である。帯状接着剤塗布部15aは、接着剤を塗布するためのバルブを開閉したり、タイミングを合わせて円形のリングを駆動させたりして、接着剤を帯状(線分状)に塗布する。帯状接着剤塗布部15aは、接着剤を収容する容器、接着剤を送出するためのノズルからなるユニットを備えており、塗布態様判定部19からの信号に従って、作動させるように構成されている。また、各単位紙片において、帯状接着部3aは一方の紙端寄りに設けられているため、帯状接着剤塗布部15aは、ノズルの塗出口が一方の紙端寄りに設けられている。
【0029】
コの字状接着剤塗布部15bは、塗布態様判定部19からの信号に従って、接着剤を塗布する糊版胴である。連続用紙の各単位紙片に、コの字状に接着剤を塗布するため、糊版胴には、軸方向に平行な2つの糊塗布領域と、その2つの糊塗布領域を結ぶ円周方向に設けられた糊塗布領域が設けられている。糊塗布領域を設けた糊版胴の構造としては公知のものを用いることができる。コの字状接着剤塗布部15bは、塗布態様判定部19からの信号に従って、所定のタイミングで作動させるように構成されている。
【0030】
帯状接着剤塗布部15aが塗布する接着剤、コの字状接着剤塗布部15bが塗布する接着剤としては、用紙を破損せずに分離不能な強度を有するものであれば、公知の接着剤を用いることができる。できれば、接着剤としては、サイデン化学株式会社製FB501Cを用いるのが望ましい。
【0031】
塗布態様判定部19は、その直前にバーコードなどの接着部形成情報を読取った光学センサー部14からの信号に基づき、帯状接着剤塗布部15a、コの字状接着剤塗布部15bそれぞれの塗布の態様を判定する。具体的には、帯状接着剤塗布部15aについては、接着剤を塗布するか、塗布しないかの2つの態様のいずれであるかを判定する。また、コの字状接着剤塗布部15bについても、接着剤を塗布するか、塗布しないかの2つの態様のいずれであるかを判定する。なお、バーコードなどの接着部形成情報は、後述するように、冊子状帳票の最下紙片の表面に形成される。
【0032】
図2に冊子状帳票作製装置の情報処理機構を示す。
図2に示すように、塗布態様判定部19は、CPU19a、RAM19b、ROM19cを有しており、光学センサー部14、帯状接着剤塗布部15a、コの字状接着剤塗布部15bとデータ通信可能に接続されている。CPU19aは、ROM19cに格納されたプログラムを実行し、塗布態様判定部19としての機能を実現する。RAM19bは、CPU19aの作業領域としての役割を果たす。ROM19cは、塗布態様判定部19としての機能を実現するプログラムと、接着部形成情報の記録内容と、塗布態様を対応付けた対応データが記憶されている。
【0033】
コの字状接着剤塗布部15bと排紙部18の間は、前述のスプロケットホールで駆動しながら連続用紙を切断部17に導き単位紙片に切断する。切断部17の直前に駆動用として使用したスプロケットホール形成部をスリッター部16で切り落とす。スリッター部16では、回転する押し切り刃とカッターによってスプロケットホール形成部を短冊状に切り落とす。切断部17では、光学センサー部14で切断マークを読み取ってカッター刃を上下させて切断しても、間欠的に回転する押し切り刃によって押し切っても良い。帳票の移動を助けるために、コの字状接着剤塗布部15bから先(矢印方向)は、接着剤が塗布されていない帳票の裏側をサクションロールで吸引しながら駆動しても良い。
【0034】
排紙部18では、単位紙片に切断された帳票を付き揃えながら、切断された帳票を順番に積み重ね、帳票の表面(上面)に塗布された帯状接着部とコの字状接着部で次に切断された帳票紙片を接着する。切断された紙片は紙片の自重で単位冊子状帳票となる。接着剤は、水分や固形化時間を調整することによって、緩やかに固形化させ接着させることができる。
【0035】
図3を参照して、連続用紙の一実施形態について説明する。
連続用紙2は、切断予定線26を介して複数の単位紙片201が連接されている。単位紙片201には、切断予定線26と直交する方向の紙端のうちの一方の紙端(
図3における連続用紙2の上端)近傍に、その紙端と平行(
図3において左右方向)な帯状接着部3aと、帯状接着部3aに直交する(切断予定線26に平行)2つの領域(
図3において上下方向)及び帯状接着部3aに平行な1つの領域で形成されるコの字状接着部3bが形成されている。帯状接着部3aとコの字状接着部3bを合わせて、連続用紙の紙端に平行な2つの領域と、切断予定線26に平行な2つの領域から成るロの字状接着部が形成されることになる。ロの字状接着部は、単位紙片の4つの辺の近傍に平行に設けられた領域により構成される。このように、4辺の近傍に接着部を設け、4辺を他の単位紙片と接着することにより、完成後の冊子状帳票の内側の情報は完全に保護される。さらに、コの字状接着部3bの帯状接着部3aに平行な領域と紙端(
図3における連続用紙2の下端)との間に接着剤の塗布態様を示す接着部形成情報(
図6で説明する)と、単位紙片に切断するための切断マーク25(
図6で説明する)が各単位紙片201に光学読取手段(光学センサー部14)で読取可能に形成されている。
【0036】
連続用紙2は、
図1の冊子状帳票作製装置内で、
図3のaからi(矢印は連続用紙2の走行方向)の順序で形成されてゆく。図の先頭の紙片aには図示しないが、コンピュータ制御によってバーコードなどによる接着部形成情報がインクジェットプリンタなどによってプリントされる。連続用紙2の両脇に連続用紙2を駆動するためのスプロケットホール21を形成する(前述のようにすでに形成されている場合は、この工程は不要となる)。
【0037】
スプロケットホール21の近傍には、冊子状帳票作製装置の切断部17の直前のスリッター部16によりスリットされて除去されるための切り離し予定部22が印刷されている。冊子状帳票の幅が狭い場合は、
図4に示すように連続用紙20の幅を2倍にして中央部の切り離し予定部24で切り離して冊子状帳票を作製することもできる。図示しないが、切断部17が前述の上下カッター装置の場合は、各紙片の所定の場所に印刷された切断マークを読取ってカッターを作動させることもできる。帯状接着剤塗布部15aに到達する直前に光学センサー部14で読取られ、帯状接着剤塗布部15aによって帯状接着部3a、コの字状接着剤塗布部15bによってコの字状接着部3bが形成される。
【0038】
図3と、
図5を参照して、冊子状帳票200の一実施形態について説明する。
図3に示す連続用紙2が、
図1の冊子状帳票作製装置1の切断部17で単位紙片にカットされ、排紙部18に紙片「a」〜「i」の順序に積み重ねられると、
図5(a)の状態になる。
図5(b)は、
図5(a)のA−A断面を示している。
【0039】
図5(b)の最下部の冊子状帳票「abcd」は4パートの冊子状帳票で、中央の冊子状帳票「efg」は3パートの冊子状帳票で、最上部の冊子状帳票「hi」は2パートの冊子状帳票である。
図3、
図5(b)から判るように、各冊子状帳票の最上紙片「d」、「g」、「i」の紙片には帯状接着部3aおよびコの字状接着部3bが形成されていないために、最上紙片「d」とその上の紙片「e」、最上紙片「g」とその上の紙片「h」、の間で分離される。また、帯状接着部3a、コの字状接着部3bの近傍には、全ての紙片にミシン目状切込み23が形成されており、ミシン目状切込み23を利用して冊子状帳票を開封するようになっている。
【0040】
前述のように、ロール状の連続用紙からコンピュータの指示によって任意のパート数の冊子状帳票を作製する場合は、多くの場合、単位紙片には共通の図柄が印刷されている。前述の最上紙、内包紙、最下紙のデザインを異なったものとする場合、コンピュータ制御の範囲を拡大し、それぞれの単位紙片に印刷の図柄を含めた可変印刷を可能とする印刷装置で印刷を行なう必要がある。本発明の冊子状帳票においては上記いずれの形態でも良い。また、印刷/印字部12により可変印刷を行う場合、各冊子状帳票の最上紙片「d」、「g」、「i」、最下紙片「a」、「e」、「h」の裏側(内面側)に、地紋印刷を可変に行うようにしても良い。これにより、冊子状帳票の状態で中身を透けにくくすることができ、個人情報の保護に繋がる。また、各冊子状帳票の最上紙片「d」、「g」、「i」、最下紙片「a」、「e」、「h」の表側(外面側)、または、両面に地紋印刷を行うようにしても良い。
【0041】
図6は、単位紙片に印刷された接着部形成情報4と切断マーク25を示す図である。
図6と、
図3を参照して、本実施形態で使用される接着部形成情報の一例について説明する。
図3の紙片「a」、紙片「e」、紙片「h」には、
図1で説明した印刷/印字部12により接着部形成情報4がバーコード状に印字される。
図1で説明した光学センサー部14はこのバーコードを読取って、塗布態様判定部19に接着部形成情報を伝える。
【0042】
接着部形成情報4には、その冊子が何枚構成であるかの情報、帯状接着部3aについては、何枚目に接着剤を塗布するかの情報、コの字状接着部3bについては、何枚目に接着剤を塗布するかの情報が記録されている。
図3の連続用紙に対応した接着部形成情報4の記録内容を
図7に示す。
図7に示すように、紙片aに印字された接着部形成情報4には、構成枚数「4(枚)」、帯状接着部3aの接着剤「1,2,3(枚目)」、コの字状接着部3bの接着剤「1,2,3(枚目)」と記録されており、紙片eに印字された接着部形成情報4には、構成枚数「3(枚)」、帯状接着部3aの接着剤「1,2(枚目)」、コの字状接着部3bの接着剤「1,2(枚目)」と記録されており、紙片hに印字された接着部形成情報4には、構成枚数「2(枚)」、帯状接着部3aの接着剤「1(枚目)」、コの字状接着部3bの接着剤「1(枚目)」と記録されている。
【0043】
塗布態様判定部19は、光学センサー部14から接着部形成情報を受け取ると、何枚構成であるか、何枚目の帯状接着部3aに接着剤を塗布するか、何枚目のコの字状接着部3bに接着剤を塗布するかを認識する。最後の用紙には、接着剤を塗布しない設定となっているため、4枚構成である場合は、4枚目には接着剤を塗布しないという判断を行う。そして、各用紙について、接着剤を塗布する、接着剤を塗布しない、のいずれかの信号を帯状接着剤塗布部15aに送信し、接着剤を塗布する、接着剤を塗布しない、のいずれかの信号をコの字状接着剤塗布部15bに送信する。
【0044】
帯状接着剤塗布部15aは、塗布態様判定部19から信号を受信すると、所定の時間経過後に紙片に対し接着剤塗布を開始し、紙片の単位長(連続用紙走行方向の一紙片の長さ)内で塗布を完結する。「接着剤を塗布しない」という信号を受信した場合は、所定の時間、待機する。「接着剤を塗布する」という信号を受信した場合は、
図3の図面上側の帯状接着部3aについては、それぞれに対応したユニットから接着剤を塗布する。
【0045】
例えば、光学センサー部14が、
図3の紙片「a」に印字された接着部形成情報をバーコード情報として受け取ると、帯状接着剤塗布部15aは、
図3の図面上側の帯状接着部3aに対して、所定の時間経過後に紙片「a」に対し接着剤塗布を開始し、紙片の単位長(連続用紙走行方向の一紙片の長さ)内で塗布を完結する。同様に、紙片「b」の帯状接着部3aに対し接着剤塗布を行い紙片の単位長内で塗布を完結する。さらに、紙片「c」の帯状接着部3aに対し接着剤塗布を行い紙片の単位長内で塗布を完結する。
【0046】
コの字状接着剤塗布部15bは、塗布態様判定部19から信号を受信すると、所定の時間経過後に版胴の軸を版胴の下端が連続用紙と接する位置まで下降させ、版胴を回転させながら、紙片に対し接着剤塗布を行う。「接着剤を塗布しない」という信号を受信した場合は、版胴の軸を版胴の下端が連続用紙と接しない位置まで上昇させる。
【0047】
例えば、
図3のコの字状接着部3bに対しては、所定の時間経過後に版胴を下降させ、紙片「a」に対し接着剤塗布を開始し、紙片の単位長内で塗布を完結する。同様に、紙片「b」、紙片「c」のコの字状接着部3bに対し接着剤塗布を行い紙片の単位長内で塗布を完結する。紙片「a」に印字された接着部形成情報では、紙片「d」に対しては接着剤を塗布しないことになっているために、版胴を上昇させ、紙片「d」をやり過ごす。同様に、紙片「e」、紙片「h」に印字された接着部形成情報に基づいてコの字状接着部3bを形成する。その結果、排紙部18では冊子状帳票「abcd」、冊子状帳票「efg」、冊子状帳票「hi」が作製される。
【0048】
接着部形成情報4は、前述のバーコードに限定されるものではなく、例えば、QRコード(登録商標)などの二次元コードでも良い。また、接着部形成情報4は、冊子状帳票の仕上がり領域内でなくてもよく、例えば、スプロケットホール21の孔と孔の間、切り離し予定部22の近傍などに形成することもできる。
【0049】
図6に示すように、切断マーク25は、各単位紙片201に形成されている。光学センサー部14が切断マーク25を検出すると、切断マーク25を検出したことを示す信号を所定のタイミングで切断部17に送信し、信号を受信した切断部17は、連続用紙2を単位紙片201に切断する。
【0050】
図8を参照して、本発明の冊子状帳票の開封位置の一例について説明する。
冊子状帳票には、表紙又は裏表紙となる紙片の外側になる面に図のように配送先情報41を印字することができる。図示していないが、冊子状帳票の内側の紙片には配送先情報に関連した固有の情報が印字されて綴じ合わされる。また、コの字状接着部3bに対応する部分には「ミシン目で切り取り、内容を確認してください」などの文言が開封表示文言230として印刷される。なお、配送先情報41以外の配送先ごとに可変の個別情報を印刷することも可能であり、その場合は、最上紙(表紙)、最下紙(裏表紙)以外の紙片に印刷しても良い。
【0051】
冊子状帳票を受け取った者は、コの字状接着部3bに平行に設けられたミシン目により各紙片を剥離して開封し、冊子状帳票の内側の情報を確認する。このように、冊子状帳票の内側の情報は完全に保護され、簡易封書として受取人に配送することができる。
【0052】
コの字状接着部3bの各領域に平行な各ミシン目状切込みから切断することにより、コの字状接着部3bに対応する部分を分離しても、帯状接着部3aに対応する部分(
図8の上端部分)は接着されたままの状態となる。この場合、最上紙は、隣接する紙片と帯状接着部3aにより接着剤で接着されているため、紙片を破損せずに、他の用紙から分離することはできない。
【0053】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、スプロケットホールで駆動しながら連続用紙を搬送するようにしたが、ローラーで連続用紙を搬送するようにしても良い。
【0054】
また、上記実施形態では、帯状接着剤塗布部15aにより帯状接着部3aを形成し、コの字状接着剤塗布部15bによりコの字状接着部3bを形成することにより、全体としてロの字状の接着部を形成するようにしたが、異なる態様によりロの字状の接着部を形成するようにしても良い。例えば、コの字状接着剤塗布部15bとして採用したような糊版胴に、軸方向に平行な2つの糊塗布領域と、その2つの糊塗布領域の端部同士を結ぶ円周方向に設けられた2つの糊塗布領域を設けておき、この糊版胴をロの字状接着剤塗布部として用いることにより、一度にまとめて、ロの字状の接着部を形成することができる。