(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態におけるシステム構成図である。
本発明の実施の形態における情報処理システムは、電子端末101と、サーバ102が、ネットワーク103を介して、相互に通信可能に接続されている。
【0012】
電子端末101は、ユーザが操作する端末である。本発明の実施の形態では、タッチパネル形式のディスプレイを備える情報処理装置である。例えば、タブレットPCやスマートフォン等が該当する。また、画像を撮影する撮像装置(内蔵型カメラなど)と、音を録音する録音装置(内蔵型マイクなど)とを備えているものとする。また、現在位置を特定するGPS機能も備えているものとする。
【0013】
サーバ102は、電子端末101から送信される電子データ(電子ドキュメント、画像データ、音声データなど)をデータベースに登録する機能を備える装置である。
ネットワーク103は、通信回線であり、例えば、インターネットやイントラネットであったり、有線や無線であったりしてもよい。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態におけるハードウェア構成図である。
図1に示した電子端末101、サーバ102に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0015】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0016】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0017】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。なお、
図2では、CRT210と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0018】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0019】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、
図1に示したLAN400)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0020】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0021】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0022】
次に、本発明の実施の形態における署名入力の画面の遷移を説明する。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態における署名入力の画面の遷移を示す図である。
【0024】
なお、
図3に示す電子ドキュメントは、複合機などのデバイスの修理を行うサービスマンが客先でデバイスの点検を行い、その点検結果を顧客に確認してもらう点検票を例としている。サービスマンが、点検結果を点検票に入力して、顧客に点検票の確認をしてもらった後、顧客に点検票を確認した旨の署名を電子ドキュメントに行ってもらうというユースケースである。
【0025】
まず、サービスマンは、タッチパネル形式のディスプレイを備える電子端末を介して、点検票に点検結果の入力を行った後、顧客にその内容の確認を行ってもらう。そして、顧客により内容に問題がないことの確認を得た後に、(1)点検票の中の署名領域をタップする(タップ操作は、サービスマンでも顧客でもどちらでもよい。)。(2)タップに応じて、署名の記入をし易くするため署名領域が拡大表示される。(3)顧客は、拡大表示された署名領域に、指によるタッチ操作で署名を行う。(4)署名の入力が終了した旨の指示(保存ボタン押下など)がなされると、拡大画面から電子ドキュメントを表示する画面に切り替わり、入力された署名サイズが調整され、署名領域に反映されて表示されることになる。
【0026】
このように顧客が署名を記入する際に、一時的に署名を入力する署名領域を拡大表示することにより、指によるタッチ操作での署名であっても簡単に記入ができるようになる。
以上、本発明の実施の形態における署名入力の画面の遷移を説明した。
【0027】
次に、署名入力の処理の流れを説明する。
【0028】
図4は、本発明の第一の実施の形態における署名入力の流れを示すフローチャートである。
【0029】
図4の処理は、電子端末101において実行される処理である。また、操作を行うユーザ(サービスマン)は、1または複数の電子ドキュメントを内部メモリなどに保持している状態で操作を行うものとする。また、この電子ドキュメントは、どのようなファイル形式であってもよいが、少なくとも、(顧客に)署名を記入させる領域を特定する情報(座標情報、矩形情報など)が含まれている(または定義されている)ものとする。
【0030】
まず、ユーザは、電子端末を操作して、この電子ドキュメントに対して編集操作ができるアプリケーションを起動させて、電子ドキュメントの一覧の中から任意の電子ドキュメントの指定を行う。
【0031】
ステップS401において、電子端末は、ユーザの操作に従って、指定された電子ドキュメントをタッチパネル形式のディスプレイ(表示領域)に表示させる処理を行う。なお、電子ドキュメントは、アプリケーションの表示画面のうち、電子ドキュメントを表示する表示領域に表示される。また、アプリケーションの表示画面には、その他、編集メニューや各種操作ボタンなどが配置されている領域が含まれているものとする。
【0032】
ステップS402において、電子端末は、ユーザの操作に従って、電子ドキュメントに対する編集指示を受け付ける。ここでは、署名領域以外の領域に対する編集であり、例えば、点検票の中のデバイスのイラストに故障個所に印をつけたり、チェック欄にチェックマークをつけたりする編集操作などがある。編集操作が終わったのち、操作を行っているサービスマンは、顧客に対して、点検票の内容の確認をしてもらう。そして、問題がない場合は、署名欄に署名を記入してもらうために署名領域に対してタップ操作を行う。なお、タップ操作とは、タッチパネル形式のディスプレイ上に表示される任意の領域を指でタッチする操作のことをいう。
【0033】
ステップS403において、電子端末は、表示領域に表示されている電子ドキュメント上に設定されている署名領域が、ユーザのタップ操作により選択されたことを検知する。ここでは、電子ドキュメントに含まれる署名領域の情報を用いて、署名領域に対してタップ操作が行われたかの検知を行っている。このタップ操作は、ユーザがこれから署名を入力する旨の指示でもある。
【0034】
ステップS404において、電子端末は、署名領域が選択されたことに応じて、署名領域を拡大してディスプレイ上に表示する。例えば、アプリケーションの全画面を署名領域として表示したり、別画面に署名領域を拡大して表示したりするなど、ユーザが署名を記入しやすいように署名領域をディスプレイ内に大きく表示する。タッチパネル形式のディスプレイ上で、指で署名をする場合、筆記具等を使って署名をする場合に比べて細かな入力が困難であるため、一時的に署名領域を大きく表示させることで、指による入力であっても容易に署名を記入することができるようになるためである。なお、この表示画面には、保存ボタンや、終了ボタンなどが含まれているものとする。
ステップS405において、電子端末は、署名の入力を受け付ける。
【0035】
ステップS406において、電子端末は、署名の入力が終了した旨の指示を受け付ける。例えば、保存ボタンなどが押下されたことにより、署名の入力が終了した旨の指示がなされたと判断することができる。
【0036】
ステップS407において、電子端末は、入力された署名の画像データ(署名画像データ)を生成して保存する処理を行う。ここでは、拡大表示された表示領域に応じた解像度の署名画像データが生成・保存されることになる。例えば、拡大された署名領域が、1024×768ピクセルの領域の場合、1024×768ピクセルの画像データとして署名画像データを生成・保存する。このように高解像の署名画像データとして保存することで、署名画像の精度が向上すると共に、署名としての価値(筆跡の証拠性)も向上することになるからである。なお、署名画像データのフォーマットは、様々な形式を採用することができ、例えば、gif、Jpeg等がある。さらに、署名時を特定するための情報として、電子端末の内蔵時計から、署名時刻を取得したり、GPS機能を使って、署名場所の位置情報を取得したりしてもよい。その場合、日時情報や位置情報は、サーバ側のデータテーブルで管理してもよいし、Exif情報として、画像情報と共に記憶しておいても良い。
【0037】
ステップS408において、電子端末は、署名領域の拡大表示を終了する旨の指示を受け付ける。例えば、終了ボタンなどが押下されたことにより、署名領域の拡大表示を終了する旨の指示がなされたと判断することができる。
【0038】
ステップS409において、電子端末は、署名領域の表示を終了して、電子ドキュメントを表示領域に表示させる。ここで、電子ドキュメント上に設定されている署名領域には、ステップS407で保存した署名画像データのサイズを署名領域内に配置できるサイズに調整し、調整した署名画像データを署名領域内に配置する。なお、署名画像データは、縮小表示されることとなるが、精度の高い署名が縮小表示されることとなる。そのため、小さい署名領域に直接署名をする場合に比べて、より証拠能力を有する署名を得ることができるようになる。
【0039】
ステップS410において、電子端末は、ユーザの操作に従って、電子ドキュメントを登録する旨の指示を受け付ける。例えば、アプリケーションの表示画面内に配置された登録ボタンなどが押下されたことにより、電子ドキュメントを登録する旨の指示がなされたと判断することができる。本発明の実施の形態では、登録する指示とは、ネットワークを介して、電子ドキュメントをサーバ102が管理するデータベースに登録する旨の指示としている。なお、サーバに送信する実施の形態でなく、電子端末の内部メモリに登録する実施の形態であってもよい。
【0040】
ステップS411において、電子端末は、サーバに対して、電子ドキュメントと署名画像データとを送信すると共に、それぞれのデータを対応付けてデータベースに登録する指示を行う。
以上、本発明の第一の実施の形態における署名入力の流れを説明した。
【0041】
図5は、本発明の第二の実施の形態における署名入力の流れを示すフローチャートである。
【0042】
図5の処理は、電子端末101において実行される処理である。また、
図4の処理と同じ処理については、同じステップ番号を付しており、また、その説明を省略する。
【0043】
ステップS501において、電子端末は、表示領域に表示されている電子ドキュメント上に設定されている署名領域が、ユーザのタップ操作により選択されたことを検知した場合に、録音装置を用いて、音声を録音する処理を開始する。本発明の実施の形態では、点検票に顧客に署名をしてもらうものであるため、例えば、顧客が署名することについて口頭で同意した旨の音声を記録するといった利用方法ができるようになる。そのため、単に署名の画像データだけを記録する場合に比べて、より証拠性を高めることができるようになる(なりすましを防ぐことができる。)。
【0044】
また、リスク商品については法律上説明義務が課されている金融の分野に本発明を適用した場合、店員による商品説明をした音声と、顧客による同意した旨の音声を同時録音することができるため、この録音機能は、より有効な機能となる。
ステップS502において、電子端末は、署名画像データが生成された場合、録音処理を終了させて、音データを生成し、一時的に内部メモリに保存する。
【0045】
ステップS503において、電子端末は、署名領域の拡大表示を終了する旨の指示を受け付けた場合、撮像装置を用いて、署名を行っているユーザの写真を撮影する処理を行う。そして、写真の画像データを生成する。本発明の実施の形態では、点検票に顧客に署名をしてもらうものであるため、例えば、本当に顧客によって署名がなされたかを証明するために署名者の写真を記録するといった利用方法ができるようになる。そのため、単に署名の画像データだけを記録する場合に比べて、より証拠性を高めることができるようになる(なりすましを防ぐことができる。)。また、写真撮影のタイミングは、署名者の写真を撮影できればよいので、例えば、署名の入力中であっても、署名終了指示がなされた後であってもよい。
ステップS504において、電子端末は、撮影した写真をプレビュー表示する処理を行う。これは、撮影した写真を確認させるためである。
【0046】
ステップS505において、電子端末は、再撮影する指示がなされたかを判定する。Yesの場合、S506へ進み、Noの場合、S503へ戻る。例えば、再撮影ボタンが押下された場合に、Yesと判定し、保存ボタンが押下された場合に、Noと判定する。
ステップS506において、電子端末は、撮影した写真についての画像データを一時的に内部メモリに保存する。
【0047】
最後に、ステップS411において、電子端末は、サーバに対して、電子ドキュメントと署名画像データと音データと画像データとを送信すると共に、それぞれのデータを対応付けてデータベースに登録する指示を行う。
以上、本発明の第二の実施の形態における署名入力の流れを説明した。
【0048】
図6は、本発明の第三の実施の形態における署名入力の流れを示すフローチャートである。
【0049】
図6の処理は、電子端末101において実行される処理である。また、
図4および
図5の処理と同じ処理については、同じステップ番号を付しており、また、その説明を省略する。
なお、第三の実施の形態においては、電子ドキュメントのサーバへの登録の指示を、顧客によってしてもらうユースケースに適用させるものである。
【0050】
ステップ601において、電子端末は、ユーザの操作に従って、電子ドキュメントを登録する旨の指示を受け付けたことに応じて、撮像装置を用いて、電子端末を操作しているユーザの写真を撮影する処理を行う。そして、写真の画像データを生成する。
【0051】
ステップS602において、電子端末は、ステップS503で撮影した写真の画像データ(署名者画像データ)と、ステップS601で撮影した写真の画像データ(登録者画像データ)との比較を行う。ここで2つの画像データの比較を行うのは、その被写体が同一人物であるかを確認するためである。第三の実施の形態においては、顧客に署名の入力と、登録の指示を行ってもらうユースケースであることから、署名者と登録指示者が同一人物であるかをチェックするためである。このようなチェックを行うことにより、不正の登録を防止することができるようになる。例えば、脅迫によって署名がなされたとしても登録の操作を別人が行えばサーバへの登録を防止することができるようになる。なお、画像データの比較により同一人物であるかを判別する技術については、従来から様々な画像解析技術が存在するため、どのような技術を採用してもよい。
ステップS603において、電子端末は、比較の結果同一人物であったかを判定する。Yesの場合、S411へ進み、Noの場合、処理を終了する。
【0052】
最後に、ステップS411において、電子端末は、サーバに対して、電子ドキュメントと署名画像データと音データと署名者画像データと登録者画像データとを送信すると共に、それぞれのデータを対応付けてデータベースに登録する指示を行う。
以上、本発明の第三の実施の形態における署名入力の流れを説明した。
【0053】
最後にサーバで管理されるデータテーブルの一例を示す。
【0054】
図7は、本発明の実施の形態におけるサーバで管理されるデータテーブルの一例を示す図である。
【0055】
なお、このデータテーブルは、サーバが管理するデータベース内で管理されているものであり、電子端末から送信された電子ドキュメント、署名画像データ、音データ、画像データとを対応付けて管理するものである。
【0056】
データテーブル70には、ユーザマスタ701、ドキュメント情報702、顧客マスタ703、顧客証明情報704、署名情報705、音声情報706、保存時画像707、送信時画像708が管理される。
ユーザマスタ701は、電子端末を操作するユーザの情報であり、ユーザID、パスワード、ユーザ名、部署名、会社名、メールアドレスが管理されている。
【0057】
ドキュメント情報702は、電子ドキュメント(顧客に確認してもらいたい点検票)の情報であり、ドキュメントID、ドキュメント種別、ドキュメント名、ドキュメント情報A、ドキュメント情報B、ドキュメント情報C、ドキュメント情報D、顧客ID、顧客証明情報IDが管理されている。
顧客マスタ703は、顧客の情報であり、顧客ID、顧客名、メールアドレスが管理されている。
【0058】
顧客証明情報704は、電子ドキュメントに紐付いた証明情報を管理する情報であり、顧客証明情報ID、署名情報ID、音声情報ID、保存時画像ID、送信時画像ID、署名日時、送信日時が管理されている。
【0059】
署名情報705は、顧客がドキュメントの内容を確認したということを証明するための情報を保持するテーブルであり、署名情報ID、署名情報(署名画像データ)が管理されている。
音声情報706は、顧客に口頭で伝えたことを証明するための情報を保持するテーブルであり、音声情報ID、音声情報(音データ)が管理されている。
【0060】
保存時画像707は、送信時に送信時画像と付け合わせる情報を保持するテーブルであり、保存時画像ID、保存時画像(署名者画像データ)が管理されている。
送信時画像708は、送信時に保存画像と付け合わせる情報を保持するテーブルであり、送信時画像ID、送信時画像(登録者画像データ)が管理されている。
以上、サーバで管理されるデータテーブルの一例を説明した。
【0061】
上述した通り、本発明によれば、タッチパネル形式のディスプレイ上で署名を記入する記入者に対して、容易に署名を入力可能な仕組みを提供することができる。
【0062】
次に、本発明の第四の実施の形態の説明を行う。
図8は、本発明の第四の実施の形態における署名入力の流れを示すフローチャートである。
なお、第一の実施の形態のフローチャート乃至第三の実施の形態のフローチャートと同じ処理を行うステップについては、同じステップ番号を付しており、詳細な説明は省略する。従って、
図8の説明においては、ステップS402において、電子端末が、ユーザからドキュメントを編集する指示を受け付けた後の処理から説明を行う。
【0063】
ステップS801において、電子端末は、ユーザによりドキュメントを編集する領域として、どの領域が選択されたかを判定する。選択された領域が署名領域の場合は、S802へ進み、選択された領域がレポート等を記入する領域の場合は、S807へ進む。なお、本実施形態を実現する前提として、電子ドキュメントには、電子ドキュメント上の任意の領域がレポートを記入する領域として定義されている。また、定義情報は、電子ドキュメント内に持っているものとする。具体例を
図9に示す。
【0064】
図9は、本発明の第四の実施の形態における電子ファイルの入力領域を示す図である。
図9に示す例では、領域901が署名領域として定義されており、領域902がレポート等を記入する領域として定義されていることを示している。
そのため、ユーザが、領域901を選択した場合は、署名入力の流れに進み、レポート等を記入する領域を選択した場合は、直接入力ができるようになる。
【0065】
ステップS802において、電子端末は、署名入力時のモードの設定として、「直接入力」モードの設定がなされているかを判定する。Yesの場合、S805へ進み、Noの場合、S803へ進む。ここで、直接入力モードとは、署名入力用の入力画面として別途表示させるのではなくディスプレイ全体の領域を入力領域としてユーザが直接署名を入力することができるモードのことをいう。また、直接入力モードの設定は、様々な方法を採用することができ、例えば、アプリケーションのメニューからモードの設定をさせたり、電子文書の内部にモードの設定を定義させていたりしてもよい。
【0066】
ステップS803において、電子端末は、署名領域の大きさを決定する処理を行う。署名領域の大きさを決定する処理を行うのは、署名を行うユーザによって、例えば、長い名前であったり、短い名前であったりすることがあるため、適切なサイズの署名欄を表示させるためである。領域の大きさを決定する方法として、例えば、電子文書の属性情報に判断する情報を含めておき、その属性情報に従って調整する方法がある。この場合、属性情報として、署名をすることになるユーザの氏名情報予め入力しておくことで実現可能となる。
ステップS404〜S406については、説明を省略する。
【0067】
ステップS804において、電子端末は、署名画像領域を特定する処理を行う。この処理は、署名入力領域として表示した領域の内、実際に署名が入力された領域を特定する処理である。このような処理を行うのは、署名領域欄に対して、大きく署名するユーザがいれば、小さく署名するユーザもいることから、抽出すべき署名が含まれる領域を特定するためである。従って、ここでは、署名画像が記載されていない領域を除いた領域を特定することになる。
ステップS407〜S408については、説明を省略する。
【0068】
ステップS805において、電子端末は、モードを切り替える処理を行う。ここでは、ディスプレイ全体を入力領域とする処理を行うが、その背景については、どのような表示をしてもよく、例えば、白紙にしたり、直前に表示されていた表示内容を背景として表示したりしてもよい。
ステップS405〜S407、ステップS804については、説明を省略する。
【0069】
ステップS806において、電子端末は、操作を終了する指示を受け付ける。ここでは、操作を終了する指示については、どのような方法を採用してもよい。例えば、タッチパネルディスプレイ上でダブルタップを行われたことを終了指示としてもよいし、終了ボタンを別途表示しておき、終了ボタンが押下されたことを終了指示としてもよい。
ステップS409〜S411については、説明を省略する。
【0070】
一方、ステップS807において、電子端末は、入力を受け付ける。例えば、報告書に記載すべき報告内容の入力を受け付ける。
図9に示す領域902には、複写機のイラストと複数のチェック欄が予め表示されており、操作者が、レポート内容を記入した例となっている。
ステップS808において、電子端末は、保存処理を行う。ここでは、入力された内容を電子ファイルに上書きして保存する処理を行う。
以上、本発明の第四の実施の形態の説明を行った。
【0071】
次に、本発明の第五の実施の形態の説明を行う。
図10は、本発明の第五の実施の形態における署名入力の流れを示すフローチャートである。
【0072】
なお、第一の実施の形態のフローチャート乃至第四の実施の形態のフローチャートと同じ処理を行うステップについては、同じステップ番号を付しており、詳細な説明は省略する。従って、
図10の説明においては、ステップS407において、電子端末が、入力された署名の画像データ(署名画像データ)を生成して保存する処理を行った後の処理から説明を行う。
【0073】
また、本発明の第五の実施の形態の前提条件として、ユーザは署名入力する際に、併せて、予め通知を受けている記号(例えば、「○」、「×」、「△」等)の入力を行うものとする。この記号は、メールやFAX等の通信手段により通知されているものとする。
【0074】
例えば、署名入力をする業務のユースケースとして、売買契約の場面を想定した場合、営業と顧客が共謀すると成りすましが可能となるため、売り手の決済担当者から顧客へ直接鍵となる記号を通知しておくことで成りすましを防止するためである。
【0075】
ステップS1001において、電子端末は、S407において、保存した署名内容を確認する要求をサーバへ行う。確認要求と共に、署名画像も送付するものとする。
図11に具体例を示す。
【0076】
図11は、本発明の第五の実施の形態における署名内容の確認処理の流れを示す図である。
図11では、入力画像1101(署名画像と記号画像のセット)と入力画像1102(署名画像と記号画像のセット)の2つ例を示している。なお、署名と記号を識別できるように、それぞれ入力欄が分けられているものとする。
図11に示す例では、確認画像1103が記号として「○」が登録されていたため、入力画像1101は、正常とされ、入力画像1102は、エラーとされたことを示している。
ステップS1002において、サーバは、署名確認の要求と署名画像を受け付ける。
【0077】
ステップS1003において、サーバは、受け付けた署名画像に含まれる記号画像と、管理している確認画像と照合を行うことで確認を行う。なお、どの確認画像を使うかを特定するために、例えば、署名画像を用いる方法がある。その場合、サーバ側では、証明をする人の氏名情報と確認画像を対応付けて登録しておき、署名画像を分析することで、照合に用いる確認画像を特定することができる。また、別の方法として、電子端末から、確認要求時に、ユーザ情報や電子ファイル情報等を併せて送付してもらうことにより、確認画像を特定することができる。
【0078】
ステップS1004において、サーバは、確認処理の結果、記号の内容が適正か否かを判定する。Yesの場合、S1005へ進み、Noの場合、S1007へ進む。
ステップS1005において、サーバは、正常である旨の通知を行う。
ステップS1006において、電子端末は、正常である旨の通知を受け付け、その後、S408へ進む。
一方、S1007において、サーバは、エラーである旨の通知を行う。
ステップS1008において、電子端末は、エラーである旨の通知を受け付ける。
ステップS1009において、電子端末は、入力された記号が適切でないため、署名の再入力を促す通知を行う。その後、S404へ戻る。
以上、本発明の第五の実施の形態の説明を行った。
【0079】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、
種々の変形・変更が可能である。
【0080】
また、本発明の目的は、以下のようにすることによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(又は記録媒体)を、システム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置の中央演算処理手段(CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0081】
また、システム或いは装置の前記中央演算処理手段が読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、システム或いは装置上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0082】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、前記システム或いは装置に挿入された機能拡張カードや、接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれたとする。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0083】
本発明を前記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。