特許第6248430号(P6248430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6248430LED駆動装置及びLED点灯装置並びに誤差増幅回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248430
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】LED駆動装置及びLED点灯装置並びに誤差増幅回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20171211BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20171211BHJP
【FI】
   H02M3/28 H
   H01L33/00 J
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-131370(P2013-131370)
(22)【出願日】2013年6月24日
(65)【公開番号】特開2015-6109(P2015-6109A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2016年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】吉永 充達
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−249031(JP,A)
【文献】 特開2011−041418(JP,A)
【文献】 特開2008−236915(JP,A)
【文献】 特開平03−040719(JP,A)
【文献】 特開2007−185065(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0278521(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流入力電力を所望の直流出力電力に変換してLED負荷に供給するLED駆動装置であって、
オンオフ制御されるスイッチング素子と、
前記LED負荷に直列に接続され、前記LED負荷に流れる電流を検出するLED電流検出部と、
前記LED電流検出部の出力電圧と基準電圧との誤差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力電圧に基づき前記スイッチング素子をオンオフ制御することにより前記直流出力電力を所定値に制御する制御回路とを備え、
前記誤差増幅回路は、誤差増幅器と、
前記誤差増幅器の反転入力端子と出力端子との間に接続され、位相補償コンデンサと位相補償抵抗とからなる直列回路を有する位相補償回路と、
一端が前記直列回路に直列に接続され、他端が前記LED電流検出部に接続された利得調整用抵抗と、
交流電源の交流電圧を整流平滑した整流平滑電圧に基づき、前記誤差増幅器の前記反転入力端子を前記誤差増幅器の前記反転入力端子を起動から前記誤差増幅器の誤差検出の対象となる出力が所定値に達する以前の所定時間、接地して前記誤差増幅器の出力電圧をハイレベルに保持させる短絡回路と、
を備えることを特徴とするLED駆動装置。
【請求項2】
請求項1記載のLED駆動装置を備えることを特徴とするLED点灯装置。
【請求項3】
前記誤差増幅器は、前記基準電圧を可変させることを特徴とする請求項1記載のLED駆動装置。
【請求項4】
誤差増幅器と、
前記誤差増幅器の反転入力端子と出力端子との間に接続され、位相補償コンデンサと位相補償抵抗とからなる直列回路を有する位相補償回路と、
前記直列回路に直列に接続された利得調整用抵抗と、
交流電源の交流電圧を整流平滑した整流平滑電圧に基づき、前記誤差増幅器の前記反転入力端子を起動から前記誤差増幅器の誤差検出の対象となる出力が所定値に達する以前の所定時間、接地して前記誤差増幅器の出力電圧をハイレベルに保持させる短絡回路と、
を備えることを特徴とする誤差増幅回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED駆動装置及びLED点灯装置並びに誤差増幅回路に関する。
【背景技術】
【0002】
照明機器は電源を投入すると、即点灯することが好まれ、LED素子を使用したLED点灯装置でも即点灯することが望まれる。また、LED点灯装置の起動からLED素子の点灯開始までの所要時間は、遅くても1秒以内であることが望ましい。このため、コンバータ内蔵のLED点灯装置においても、制御ICの起動開始からLED電流制御までの時間を約1秒以内に行うことが要求される。
【0003】
図12は、従来のこの種のLED駆動装置の一例の回路構成を示す図である(特許文献1)。図12に示す従来のLED駆動装置は、交流電源AC、EMIフィルタ1、コンデンサCin、整流回路DBと、トランスTRと、MOSFET(スイッチング素子)Qinと、制御回路部10と、ダイオードD1及びコンデンサC1から構成される整流平滑回路と、コンデンサC3と、誤差増幅器OPを含む誤差増幅回路とを備えている。LED駆動装置とLED負荷3装置(LED1、・・・LEDn)とは、LED点灯装置を構成する。MOSFETQ1と制御回路部10とは制御IC5を構成する。
【0004】
整流回路DBは、周知のダイオードブリッジ回路であり、交流電源ACに接続され、交流入力電力を一方向の脈流に整流し、トランスTRに出力する。トランスTRは、一次巻線W1と二次巻線W2と三次巻線W3とを有する。一次巻線W1の一端は、整流回路DBに接続され、一次巻線W1の他端は、MOSFETQ1のドレイン端子に接続される。二次巻線W2の両端間には、ダイオードD1及びコンデンサC1から構成される整流平滑回路が接続される。三次巻線W3の両端間には、ダイオードD2及びコンデンサC3から構成され且つ起動後に制御回路部10に電源を供給する補助電源が接続される。
【0005】
MOSFETQ1のソース端子は抵抗Rocpを介して接地され、ゲート端子は制御回路部10に接続される。
【0006】
コンデンサC1の両端には、直列接続されたn個のLED素子(LED1、・・・LEDn)から構成されるLED負荷装置3と電流検出抵抗Rdとの直列回路が接続される。誤差増幅器OPの反転入力端子は、利得調整用抵抗Rsを介して電流検出抵抗RdとLED素子LEDnとに接続されている。誤差増幅器OPの反転入力端子と出力点端子との間には、位相補償コンデンサCfと位相補償抵抗Rfとの直列回路が接続されている。位相補償コンデンサCfと位相補償抵抗Rfとは位相補償回路を構成する。
【0007】
コンデンサC1の両端には、抵抗R1とツェナーダイオードZD1との直列回路が接続される。ツェナーダイオードZD1の両端間には抵抗R3と抵抗R4と可変抵抗Rvとの直列回路が接続される。抵抗R3と抵抗R4との接続点は抵抗R5を介して誤差増幅器OPの非反転入力端子に接続される。誤差増幅器OPの非反転入力端子とグランドと間にはコンデンサC2が接続される。
【0008】
誤差増幅器OPの出力端子は、抵抗R6と抵抗R2との直列回路を介して抵抗R1とツェナーダイオードZD1との接続点に接続される。フォトカプラPCのフォトダイオードには並列に抵抗R2が接続される。
【0009】
制御IC5のFB端子には抵抗R7の一端と抵抗R8の一端とコンデンサC6の一端とが接続される。抵抗R7の他端はコンデンサC5を介して接地され、コンデンサC6の他端は接地される。抵抗R8の他端はフォトカプラPCのフォトトランジスタのコレクタに接続され、フォトトランジスタのエミッタは接地される。
【0010】
このように構成されたLED点灯装置によれば、整流回路DBからの整流電圧を、制御回路部10がMOSFET(スイッチング素子)Q1をオンオフさせることに高周波電圧に変換し、高周波電圧がトランスTRの二次巻線W2に発生する。この高周波電圧はダイオードD1とコンデンサC1により整流平滑されて直流電圧がLED群負荷装置3に印加される。
【0011】
このため、LED群負荷装置3に電流が流れてLED素子LED1〜LEDnが点灯する。このとき、誤差増幅器OPは、反転入力端子の電圧と非反転入力端子の電圧との誤差電圧を増幅する。この誤差電圧の大きさに応じて、フォトカプラPCのフォトダイオードに電流が流れ、流れた電流に応じてフォトダイオードの発光量が変化する。このため、フォトダイオードの発光量に応じて、FB端子に接続されたフォトカプラPCのフォトトランジスタに電流が流れる。即ち、電流検出抵抗Rdで検出された電流に応じた電圧が制御回路部10に帰還され、制御回路部10は、電流検出抵抗Rdで検出された電流に応じた電圧が所定の電圧となるように、MOSFETQ1のオンオフのデューティ比を制御する。また、可変抵抗Rvを可変させることで、調光を行うことができる。
【0012】
また、図12に示すLED点灯装置では、交流電源ACがOFFとなっても、コンデンサC1の電荷量が大きいため、コンデンサC1の電荷をなかなか放電しきれず、誤差増幅器OPの電源が直ぐに落ちない。そこで、この問題を解決したものとして、図13に示すLED点灯装置が用いられている。
【0013】
図13に示すLED点灯装置では、図12に示すLED点灯装置の構成に対して、さらに、ダイオードD3とコンデンサC7とを設け、抵抗R1の一端をダイオードD1とコンデンサC1との接続点から切り離し、抵抗R1の一端をダイオードD3のカソードとコンデンサC7の一端とに接続し、ダイオードD3のアノードをダイオードD1のアノードと二次巻線W2の一端とに接続し、コンデンサC7の他端を接地している。交流電源ACを投入すると、二次巻線W2に発生した電圧をダイオードD3及びコンデンサC7で整流平滑し、直流電圧が誤差増幅器OPに印加される。また、交流電源ACがOFFとなると、コンデンサC7の電荷量は小さいため、コンデンサC7の電荷は直ぐに放電するので、誤差増幅器OPの電源は直ぐに落ちる。このため、パワーオフリセットが常にかかるため、交流電源ACを再投入した時に誤差増幅器OPの動作が不定とならなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2010−282757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述したように、LED点灯装置においても、制御ICの起動開始からLED電流制御までの時間を約1秒以内に行うことが要求される。
【0016】
しかしながら、特許文献1の力率改善機能付きの1コンバータPFC型LED点灯装置では、トランスTRの二次側出力を制御回路部10に帰還するためのフィードバック回路の応答速度を遅くする位相補償回路を設けているため、電源起動特性が悪い。また、明るさを連続的に可変する調光機能が設けられている場合、特に調光を最小にした時には、さらに、点灯開始時間が延びてしまう。
【0017】
本発明は、LEDの点灯開始時間を短縮することができるLED駆動装置及びLED点灯装置並びに誤差増幅回路を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、上記課題を解決するために、LED駆動装置は、交流入力電力を所望の直流出力電力に変換してLED負荷に供給するLED駆動装置であって、オンオフ制御されるスイッチング素子と、前記LED負荷に直列に接続され、前記LED負荷に流れる電流を検出するLED電流検出部と、前記LED電流検出部の出力電圧と基準電圧との誤差電圧を増幅する誤差増幅回路と、前記誤差増幅回路の出力電圧に基づき前記スイッチング素子をオンオフ制御することにより前記直流出力電力を所定値に制御する制御回路とを備え、前記誤差増幅回路は、誤差増幅器と、前記誤差増幅器の反転入力端子と出力端子との間に接続され、位相補償コンデンサと位相補償抵抗とからなる直列回路を有する位相補償回路と、一端が前記直列回路に直列に接続され、他端が前記LED電流検出部に接続された利得調整用抵抗と、交流電源の交流電圧を整流平滑した整流平滑電圧に基づき、前記誤差増幅器の前記反転入力端子を起動から前記誤差増幅器の誤差検出の対象となる出力が所定値に達する以前の所定時間、接地して前記誤差増幅器の出力電圧をハイレベルに保持させる短絡回路とを備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の誤差増幅回路は、誤差増幅器と、前記誤差増幅器の反転入力端子と出力端子との間に接続され、位相補償コンデンサと位相補償抵抗とからなる直列回路を有する位相補償回路と、前記直列回路に直列に接続された利得調整用抵抗と、交流電源の交流電圧を整流平滑した整流平滑電圧に基づき、前記誤差増幅器の前記反転入力端子を起動から前記誤差増幅器の誤差検出の対象となる出力が所定値に達する以前の所定時間、接地して前記誤差増幅器の出力電圧をハイレベルに保持させる短絡回路とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、短絡回路が、整流平滑電圧に基づき、誤差増幅器の反転入力端子を起動から誤差増幅器の誤差検出の対象となる出力が所定値に達する以前の所定時間、接地して誤差増幅器の出力電圧をハイレベルに保持させるので、LEDの点灯開始時間を短縮することができるLED駆動装置及びLED点灯装置並びに誤差増幅回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態に係るLED駆動装置の構成を示す回路図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るLED駆動装置内の制御回路部の回路図である。
図3】従来のLED駆動装置において調光が5%時の各部の動作波形を示す図である。
図4】従来のLED駆動装置の起動時に位相補償回路を介して誤差増幅器の反転入力端子に電圧が発生する様子を示す図である。
図5図4に示す誤差増幅器を外部電源で単独に動作させ且つ基準電圧を300mVから15mVに変化させた時の各部の動作波形を示す図である。
図6図5から位相補償回路を削除した誤差増幅器を外部電源で単独に動作させ且つ基準電圧を300mVから15mVに変化させた時の各部の動作波形を示す図である。
図7】誤差増幅器の反転入力端子を短絡するMOSFETQ3が無い従来のLED駆動装置の点灯開始時間を示す図である。
図8】誤差増幅器の反転入力端子を短絡するMOSFETQ3を有する第1の実施形態に係るLED駆動装置の点灯開始時間を示す図である。
図9】誤差増幅器の反転入力端子を短絡するMOSFETQ3と、分圧比を大きくして電圧がゲートに印加されるMOSFETQ2とを有する第1の実施形態に係るLED駆動装置の点灯開始時間を示す図である。
図10】MOSFETQ3をオンした後にMOSFETQ2をオンしたときのMOSFETQ3のオン時間を示す図である。
図11】本発明の第2の実施形態に係るLED駆動装置の構成を示す回路図である。
図12】従来のLED駆動装置の一例の回路構成を示す図である。
図13】従来のLED駆動装置の他の一例の回路構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、図面を参照して本発明の実施形態に係るLED駆動装置及びLED点灯装置並びに誤差増幅回路について説明する。
【0023】
実施形態に係るLED駆動装置及びLED点灯装置は、トランスの二次側出力を一次側の制御回路に帰還するためのフィードバック回路の応答を電源起動時のみ外部制御することにより、LEDの点灯開始時間を短縮することを特徴とする。
【0024】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るLED駆動装置の構成を示す回路図である。図1に示すLED駆動装置は、図13に示すLED駆動装置に対して、さらに、N型のMOSFETQ3、N型のMOSFETQ2、抵抗R10〜抵抗R13を設けたことを特徴とする。MOSFETQ3、MOSFETQ2、抵抗R10〜抵抗R13は、本発明の短絡回路を構成する。この短絡回路は、誤差増幅器OPの反転入力端子を、LED駆動装置の起動から所定時間、接地する。
【0025】
抵抗R9の一端はコンデンサC7の一端とダイオードD3のカソードと抵抗R1の一端とに接続され、抵抗R9の他端はコンデンサC8の一端に接続される。コンデンサC8の他端は誤差増幅器OPの反転入力端子と位相補償抵抗Rfの一端と利得調整用抵抗Rsの一端とMOSFETQ3のドレインとに接続される。
【0026】
抵抗R9の一端とコンデンサC7の一端とダイオードD3のカソードと抵抗R1の一端とには、抵抗R10の一端と抵抗R12の一端とが接続される。抵抗R10の他端は抵抗R11の一端とMOSFETQ3のゲートとMOSFETQ2のドレインとに接続される。抵抗R12の他端は抵抗R13の一端とMOSFETQ2のゲートとに接続される。抵抗R11の他端は、MOSFETQ3のソースとMOSFETQ2のソースと抵抗R13の他端とに接続される。
【0027】
ここで、本願の実施形態を理解し易くするために抵抗R10の抵抗値と抵抗R11の抵抗値と抵抗R13の抵抗値は等しいと仮定する。また、抵抗R12の抵抗値は、抵抗R10の抵抗値のα倍(α>1)であると仮定する。
【0028】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るLED駆動装置内の制御回路部の回路図である。制御回路部10は、スタート回路101、電源回路(Pre Reg回路)102、電流源103、三角波回路104、PWMコンパレータ105、アンド回路106、過電圧保護コンパレータ(OCPコンパレータ)107、ドライバ108を備えている。
【0029】
スタート回路101は、コンデンサC3からの電圧により制御回路をスタートさせる。電源回路(Pre Reg回路)102は、スタート回路101からのスタート信号により制御回路部10内部の各部に電源を供給する。電流源103は、FB端子を介して抵抗R8とフォトカプラPCのフォトトランジスタに電流を流す。
【0030】
PWMコンパレータ105は、三角波回路104からの三角波信号とFB端子のコンデンサC6の電圧(フィードバック電圧)とを比較することによりパルス信号を生成しアンド回路106に出力する。パルス信号はフィードバック電圧に応じたオン幅信号となる。
【0031】
アンド回路106は、PWMコンパレータ105からのパルス信号をドライバ108を介してMOSFETQ1のゲートに出力する。このため、フィードバック電圧に応じたオン幅信号によりMOSFETQ1がオンオフされて、交流整流後の正弦波電圧に比例したスイッチング電流が流れる。この動作により力率改善動作が行われる。
【0032】
過電流保護コンパレータ(OCPコンパレータ)107は、基準電圧と抵抗Rocpの電圧とを比較し、抵抗Rocpの電圧が基準電圧を超えたときにアンド回路106にLレベルを出力し、MOSFETQ1をオフさせることによりMOSFETQ1を過電圧保護する。
【0033】
なお、制御回路部10の応答周波数は、交流電源ACの周波数よりも低い周波数であることを特徴とする。
【0034】
図3は、従来のLED駆動装置において調光が5%時の各部の動作波形を示す図である。図3では、誤差増幅器OPの出力電圧(オペアンプ出力電圧)とFB端子電圧とLED素子LED1〜LEDnに流れるLED電流、DB出力を示す。ここで、誤差増幅器OPの非反転入力端子の基準電圧が例えば、300mVで調光が100%である場合に、調光を5%とするためには可変抵抗Rvの値を可変させて小さくし、誤差増幅器OPの非反転入力端子の基準電圧を15mVとする。図3からもわかるように、DB出力が投入されてから、かなりの時間が経過した後にLED電流ILEDが流れている。
【0035】
また、LED電流ILEDは1秒間以上も流れていないため、その期間の誤差増幅器OPの反転入力端子は0Vとなり、誤差増幅器OPの出力端子はHレベル状態となるはずである。しかし、実際には、図3に示すように、誤差増幅器OPの出力電圧は徐々に上昇していく。
【0036】
この理由について、図4を用いて説明する。まず、LED電流は1秒間以上も流れていないため、その期間の誤差増幅器OPの反転入力端子は0Vとなり、誤差増幅器OPの出力端子はHレベル状態となる。すると、位相補償コンデンサCf→位相補償抵抗Rf→利得調整用抵抗Rs→電流検出抵抗Rdの経路で電流が流れる。このため、利得調整用抵抗Rsと電流検出抵抗Rdとに電圧が発生し、この電圧が誤差増幅器OPの反転入力端子に電圧が印加される。調光が5%であり、基準電圧が15mVと小さいので、誤差増幅器OPの反転入力端子の電圧が基準電圧15mVに達すると、誤差増幅器OPの出力端子はLレベルとなる。このため、LED電流ILEDが0であるにもかかわらず、見掛け上のフィードバック電圧があるので、LED素子の点灯開始時間が長くなる。
【0037】
次に、図4の誤差増幅器OPを外部電源で単独に動作させ且つ基準電圧を300mVから15mVに変化させた時の各部の動作波形を図5を用いて説明する。図5の左側は、基準電圧(図中ch4と表す)が300mV、右側は基準電圧ch4が15mVである。基準電圧ch4はコンデンサC2と可変抵抗Rvとのソフトスタート回路により電圧が徐々に上昇するが、誤差増幅器OPの反転入力端子電圧(図中ch1と表す)も比例して上昇し、その後、両方の電圧は別れる。基準電圧(ch4)と反転入力端子電圧ch1とが一致している期間は、誤差増幅器OPの出力電圧は制御されている。
【0038】
しかし、基準電圧ch4が非常に小さい場合(300mVに対して調光5%で15mVである場合)では、FB信号が強くなり、誤差増幅器OPは勝手に制御を開始してしまう。なお、図6に示すように、誤差増幅回路から位相補償回路を削除した場合には、反転入力端子電圧は上昇せず、誤差増幅器OPの出力電圧は急速に立ち上がる。
【0039】
以上のことから、位相補償抵抗Rfで制限された位相補償コンデンサCfへの流入電流が利得調整用抵抗RsとLED電流検出抵抗のライン間にある抵抗Rdに流れると、反転入力端子電圧は上昇して、非反転入力端子電圧と一致した時点で、誤差増幅器OPは勝手に制御を開始してしまう。このため、点灯開始時間を短縮するために、Cf→Rf→Rs→Rdの電流ループを制御する必要がある。
【0040】
そこで、第1の実施形態のLED駆動装置では、電流ループを制御するために、誤差増幅器OPの反転入力端子を起動から所定時間、接地する短絡回路を設けている。
【0041】
次に、MOSFETQ3、MOSFETQ2、抵抗R10〜抵抗R13から構成される短絡回路の動作を図1及び図10を参照しながら説明する。
【0042】
まず、交流電源ACを投入すると、交流電源ACの交流電圧は整流回路DBで整流され、トランスTRの二次巻線W2に電圧が発生し、この電圧はダイオードD3とコンデンサC7とで直流電圧に変換される。
【0043】
この直流電圧は、抵抗R10と抵抗R11とで分圧されて、分圧電圧がMOSFETQ3のゲートに印加される。また、直流電圧は、抵抗R12と抵抗R13とで分圧されて、分圧電圧がMOSFETQ2のゲートに印加される。
【0044】
ここで、抵抗R10の抵抗値と抵抗R11の抵抗値と抵抗R13の抵抗値とを等しく設定し、抵抗R12の抵抗値を抵抗R10の抵抗値のα倍(α>1)に設定しているので、MOSFETQ3のゲート電圧の方が、MOSFETQ2のゲート電圧よりも大きくなる。このため、MOSFETQ2よりも先にMOSFETQ3がオンする(図10の時刻t1)。
【0045】
これにより、誤差増幅器OPの反転入力端子が短絡されて接地される。即ち、誤差増幅器OPの反転入力端子がゼロボルトとなるので、コンデンサC1の出力電圧はHレベルとなる。
【0046】
さらに、コンデンサC7の電圧が上昇し、この電圧を抵抗R12と抵抗R13とで分圧した分圧電圧がMOSFETQ2のゲート閾値(例えば、2V)を超えると、MOSFETQ2がオンする(図10の時刻t2)。すると、MOSFETQ3のゲートが接地されるため、MOSFETQ3はオフする。これにより、MOSFETQ3は、時刻t1から時刻t2までの時間(本発明の所定時間に相当)、オンする。MOSFETQ3がオンしている期間中、誤差増幅器OPの反転入力端子がゼロボルトとなるので、誤差増幅器OPの出力電圧はHレベル状態を保持する。従って、コンデンサC1の出力電圧は急速に立ち上がるため、点灯開始時間を短縮することができる。
【0047】
図7に、MOSFETQ3が無い従来のLED駆動装置の点灯開始時間を示す。図8に、誤差増幅器の反転端子を短絡するMOSFETQ3を有する第1の実施形態に係るLED駆動装置の点灯開始時間を示す。図7図8において、FBはFB端子電圧、オペアンプ出力電圧は誤差増幅器OPの出力電圧、VLEDはLED素子LED1〜LEDnの電圧、ILEDはLED素子LED1〜LEDnに流れる電流を示す。
【0048】
従来回路の図7では、誤差増幅器OPの反転入力端子が基準電圧と一致しながら制御していくため、誤差増幅器OPの出力電圧が徐々に上昇していき、点灯開始時間が1.5秒であることがわかる。第1の実施形態の図8では、誤差増幅器OPの出力電圧が急速に立ち上がり、点灯開始時間が0.8秒であり、1秒以内に短縮することができる。
【0049】
図9に、MOSFETQ3と、分圧比α(α>1)を大きくして電圧がゲートに印加されるMOSFETQ2とを有する第1の実施形態に係るLED駆動装置の点灯開始時間を示す。分圧比αは抵抗R12の抵抗値と抵抗R10の抵抗値との比である。分圧比αを大きくすると、MOSFETQ3のオン時間が長くなるため、図9に示すように、点灯開始時間が0.51秒となり、さらに短縮することができる。
【0050】
なお、MOSFETQ3のオン時間(本発明の所定時間に相当)は、図10に示すように、誤差増幅器OPの誤差検出の対象となる出力(反転入力端子電圧)が所定値(LED素子の定格電圧VLED、例えば30V)に達する以前の時間であれば良い。
【0051】
このように実施例1に係るLED駆動装置およびLED点灯装置によれば、MOSFETQ2とMOSFETQ3と抵抗R10〜R13からなる短絡回路が、誤差増幅器OPの反転入力端子をLED駆動装置の起動から所定時間、接地するので、誤差増幅器OPの誤制御を防止して、LEDの点灯開始時間を大幅に短縮することができる。
【0052】
また、一次側ソフトスタート回路に依存せずに、二次側電圧の立ち上がり傾斜に基づくコンデンサC7の電圧に基づき、MOSFETQ3の動作タイミングを得るため、調光最小時には、最も効果が大きく、負荷電流が大きい場合の弊害もない。
【0053】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態に係るLED駆動装置の構成を示す回路図である。図11に示すLED駆動装置は、図1に示すLED駆動装置に対して、抵抗R12に代えて、ツェナーダイオードZD2とコンデンサC9とを設けたことを特徴とする。
【0054】
ツェナーダイオードZD2のカソードは、コンデンサC7の一端とダイオードD3のカソードと抵抗R9の一端とに接続され、ツェナーダイオードZD2のアノードは、MOSFETQ2のゲートと抵抗R13の一端とコンデンサC9の一端とに接続される。抵抗R13の両端にはコンデンサC9が接続される。
【0055】
このように、MOSFETQ3がオンした後、コンデンサC7の電圧がさらに上昇して、ツェナーダイオードZD2が降伏すると、MOSFETQ2がオンし、MOSFETQ3がオフする。
【0056】
このように第2の実施形態のLED駆動装置においても、第1の実施形態のLED駆動装置の効果と同様な効果が得られる。
【0057】
なお、本発明は、上述した実施例1に係るLED駆動装置及びLED点灯装置に限定されるものではない。実施例1に係るLED駆動装置及びLED点灯装置では、交流電源AC、整流回路DBを用いて直流電圧を生成し、この直流電圧を別の直流電圧に変換するLED駆動装置及びLED点灯装置を説明したが、例えば、本発明は、直流電源の直流入力電圧を所望の直流入力電圧に変換してLED負荷に供給するLED駆動装置及びLED点灯装置に適用しても良い。
【符号の説明】
【0058】
1 EMIフィルタ
3 LED群負荷装置
OP 誤差増幅器
Q1,Q2,Q3 MOSFET
Rd 電流検出抵抗
Rf 位相補償抵抗
Cf 位相補償コンデンサ
ZD1,ZD2 ツェナーダイオード
D1〜D3 ダイオード
R1〜R13 抵抗
Rv 可変抵抗
C1〜C9 コンデンサ
AC 交流電源
DB 整流回路
図1
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