(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記認証用画像データを前記画面サイズよりも大きいサイズとし、前記認証用画像データ上に前記認証領域を表示して、前記認証領域内から前記認証用画像データの一部の領域を表示させる画面制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、実施例について詳細に説明する。
【0011】
<本実施形態における情報処理装置の機能構成例>
図1は、本実施形態における情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
図1の例において、情報処理装置10は、設定部11と、タッチ位置取得部12と、画面制御部13と、座標変換部14と、認証部15と、出力部16と、記憶部17とを有する。記憶部17は、例えば認証用画像データ21と、認証ウィンドウ定義データ22と、認証データ23と、ドライバ・ソフトウェア24と、オペレーティングシステム25と、アプリケーション26とを有する。
【0012】
設定部11は、認証時に画面上に表示させる認証用画像データ21や、認証用画像データ21上の登録点、画面表示領域をマスキングして認証用画像データ21の一部のみを表示させるための認証ウィンドウ定義データ22等を設定し、設定された各種情報を認証データ23に記憶する。なお、設定内容は、これに限定されるものではない。例えば、設定部11は、本実施形態における認証処理を行うか否か(有効又は無効)を設定し、設定した認証設定情報を認証データ23に記憶してもよい。上述した設定部11による各種設定は、ユーザ等により認証処理の前に行うことが好ましい。
【0013】
タッチ位置取得部12は、ユーザの指やユーザが操作するタッチペン等によるタッチパネル等の画面上のタッチ操作位置を取得する。例えば、タッチ位置取得部12は、タッチ操作するタッチペン等による画面上のタッチ位置(座標)を取得する。
【0014】
また、タッチ位置取得部12は、タップやダブルタップ等の動作だけでなく、フリックやスワイプのようなタッチ位置の移動情報、ピンチインやピンチアウト等のように複数の指等を用いた操作内容を取得することができる。また、タッチ位置取得部12は、所定時間におけるタッチ回数をカウントしてもよい。タッチ位置取得部12が取得した情報は、画面制御部13及び座標変換部14に出力される。
【0015】
画面制御部13は、例えば記憶部17に予め定義されている認証ウィンドウ定義データ22の中から情報処理装置10がランダムに選択した認証データで指定されている認証ウィンドウ(認証領域)を出力部16に表示させる。また、画面制御部13は、記憶部17に登録されている1又は複数の認証用画像データ21の中から情報処理装置10がランダムに選択した認証データ23で指定されている認証用画像データ21を出力部16に表示させる。このとき、画面制御部13は、例えば認証ウィンドウ内のみで認証用画像データ21の画像の一部が表示されるように制御(マスク制御)を行う。また、画面制御部13は、認証時の初期画面において、認証用画像データ21の中からランダムに選択された一部分を認証ウィンドウ内に表示させる。
【0016】
また、画面制御部13は、ユーザのタッチ位置(X,Y)等やタッチ位置の移動等に基づいて、認証用画像データ21を移動させる。このとき、画面制御部13は、認証用画像データ21の移動中についても認証ウィンドウ内のみに一部が表示されるように制御(マスク制御)を行う。また、画面制御部13は、本実施形態における認証処理を行うための各種設定を行う画面や認証結果に対応する画面を生成したり、必要に応じて記憶部17から認証データを読み出したりする。生成された画面等は、出力部16により表示される。
【0017】
座標変換部14は、認証データ23から与えられた認証用画像データ21の登録点を基準とした認証ウィンドウの位置を、タッチ位置取得部12により得られたタッチ座標に応じて変換する。また、座標変換部14は、変換した座標を認証部15に出力する。
【0018】
認証部15は、座標変換部14により座標変換された認証ウィンドウの位置及び認証ウィンドウの大きさと、登録点とを比較し、登録点が認証ウィンドウ内に含まれているか(画面に表示されているか)の判別を行う。例えば、認証部15は、登録点が所定時間の間連続して認証ウィンドウ内に含まれ続けた場合に認証が成功したものとして、認証結果を出力部16に出力する。なお、認証部15における各処理は、アプリケーション26等を用いて行われてもよい。
【0019】
出力部16は、認証用画像データ21や認証ウィンドウ等を表示したり、登録点を設定するための画面を表示したり、認証結果を表示する表示部等である。上述したタッチ位置取得部12と、出力部16とは、例えば一体のタッチパネルとして構成されていてもよい。
【0020】
記憶部17は、本実施形態における認証時に用いられる各種データ等を記憶する。認証用画像データ21は、認証時に用いられる1又は複数の認証用画像データである。認証用画像データ21は、例えば、ユーザが個人的に撮影した画像でもよく、インターネット等を介してダウンロードした画像であってもよい。認証ウィンドウ定義データ22は、画面表示領域を隠して(マスクして)認証用画像データ21の一部分のみを表示させるための認証ウィンドウを定義したデータである。認証データ23は、認証に使用する認証用画像データ21の名称等の識別情報及び認証用画像データ21上に設定された少なくとも1つの登録点の座標データ等により構成される。上述した認証用画像データ21や登録点、認証ウィンドウ定義データ22等の情報は、設定部11により選択され、認証データ23として記憶部17に記憶される。
【0021】
ドライバ・ソフトウェア24は、例えば情報処理装置10が持つ各機能をオペレーティングシステム25等から利用可能にするためのApplication Programming Interface(API)等である。
【0022】
オペレーティングシステム25は、ドライバ・ソフトウェア24のAPI等を利用してタッチ位置取得部12等からタッチパネル等の座標データを取得しアプリケーション26等に出力したり、アプリケーション26で処理された内容を出力部16に出力する等の処理を行う。オペレーティングシステム25としては、例えばWindows(登録商標)、Android(登録商標)、Unix(登録商標)、MacOS(登録商標)等があるが、これに限定されるものではない。
【0023】
アプリケーション26は、認証アプリケーション等の各種アプリケーションを有する。情報処理装置10は、アプリケーション26等を用いて各種処理を実行することができる。
【0024】
情報処理装置10は、例えばスマートフォンやタブレット端末、ノート型Personal Computer(PC)、タッチパネルが搭載された携帯電話やゲーム機器、音楽再生装置等の電子機器であるが、これに限定されるものではない。
【0025】
<情報処理装置10のハードウェア構成例>
図2は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2の例において、情報処理装置10は、マイクロフォン(以下、マイクという)31と、スピーカ32と、表示部34と、操作部33と、電力部35と、無線部36と、近距離通信部37と、補助記憶装置38と、主記憶装置39と、Central Processing Unit(CPU)40と、ドライブ装置41とを有し、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
【0026】
マイク31は、ユーザが発した音声や、その他の音を入力する。スピーカ32は、通話相手先の音声を出力したり、着信音等の音を出力する。マイク31及びスピーカ32は、例えば、通話機能等により通話相手と会話するとき等に用いられる。また、スピーカ32は、本実施形態における認証開始や認証結果を所定の音(音声)等で出力することでユーザに通知してもよい。したがって、スピーカ32は、例えば上述した出力部16の一例に対応する。
【0027】
操作部33は、操作ボタン、タッチパネル等である。操作ボタンは、例えば電源ボタン、音量調整ボタン、その他の操作ボタンである。また、タッチパネルは、ディスプレイとタッチパネルとが重畳されたタッチパネルディスプレイとして構成される。また、タッチパネルとしては、例えば抵抗膜方式や静電容量方式、光学式、電磁誘導方式等を利用することができ、例えばソフトウェアキーボードへのタッチ入力が行える程度のサンプリングレート及び分解能があれば方式は問わない。操作部33は、例えば上述したタッチ位置取得部12に対応する。
【0028】
表示部34は、例えばLiquid Crystal Display(LCD)や有機Electro Luminescence(EL)等のディスプレイである。また、表示部34は、例えばディスプレイとタッチパネルとを有するタッチパネルディスプレイ等でもよい。表示部34は、例えば上述した出力部16の一例に対応する。
【0029】
電力部35は、情報処理装置10の各構成に対して電力を供給する。電力部35は、例えばバッテリ等の内部電源であるが、これに限定されるものではない。電力部35は、電力量を常時又は所定の時間間隔で検出し、電力量の残量等を監視することもできる。
【0030】
無線部36は、例えばアンテナ等を用いて基地局からの無線信号(通信データ)を受信したり、アンテナを介して無線信号を基地局に送信する通信データの送受信部である。
【0031】
近距離通信部37は、例えば赤外線通信やBluetooth(登録商標)等の通信手法を用いて、他の情報処理装置や外部装置との近距離通信を行う。上述した無線部36及び近距離通信部37は、他の情報処理装置や外部装置等との間でデータの送受信を可能とする通信インターフェースである。
【0032】
補助記憶装置38は、例えばHard Disk Drive(HDD)やSolid State Drive(SSD)等のストレージ手段である。補助記憶装置38は、各種のプログラム等を記憶し、必要に応じてデータの入出力を行う。
【0033】
主記憶装置39は、CPU40からの指示により補助記憶装置38から読み出された実行プログラム等を格納したり、プログラム実行中に得られる各種情報等を記憶する。主記憶装置39は、例えばRead Only Memory(ROM)やRandom Access Memory(RAM)等であるが、これに限定されるものではない。補助記憶装置38及び主記憶装置39は、例えば上述した記憶部17に対応する。
【0034】
CPU40は、オペレーティングシステム25等の制御プログラム、及び主記憶装置39に格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御することで、画面表示における各処理を実現する。なお、プログラム実行中に必要な各種情報等は、補助記憶装置38から取得し、実行結果等を格納してもよい。
【0035】
ドライブ装置41は、例えば記録媒体42等を着脱自在にセットすることができ、セットした記録媒体42に記録された各種情報を読み込んだり、所定の情報を記録媒体42に書き込むことができる。ドライブ装置41は、例えば媒体装填スロット等であるが、これに限定されるものではない。
【0036】
記録媒体42は、上述したように実行プログラム等を格納するコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。記録媒体42は、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリであってもよい。また、記録媒体42は、Universal Serial Bus(USB)メモリ等の可搬型記録媒体であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0037】
本実施形態では、上述したコンピュータ本体のハードウェア構成に実行プログラム(例えば、認証プログラム等)をインストールすることで、ハードウェア資源とソフトウェアとが協働して本実施形態における表示処理等を実現することができる。また、上述した表示処理に対応する認証プログラムは、例えば装置上で常駐している状態であってもよく、起動指示により起動させてもよい。
【0038】
上述した情報処理装置10は、一態様として、例えば表示装置と一体型のタッチパネルディスプレイを搭載したデバイスと、その上で動作するソフトウェアとを用いて実装される。ソフトウェアの部分は、等価な働きをするハードウェアによって実現されていてもよい。
【0039】
<認証データ23の一例>
次に、上述した認証データの一例について、図を用いて説明する。
図3は、認証データの一例を示す図である。
図3(A)は、認証設定情報の一例を示し、
図3(B)は、詳細設定情報の一例を示している。
【0040】
図3(A)に示す認証設定情報の項目としては、例えば「認証設定」、「値」等があるが、これに限定されるものではない。設定部11は、
図3(A)に示すように、本実施形態における認証処理を行うか否か(有効又は無効)を設定することができる。なお、本実施形態では、
図3(A)に示す認証設定を行わなくてもよく、例えば認証設定を行っていない場合には、ユーザの使用時に常に認証処理が行われる。
【0041】
図3(B)に示す詳細設定情報の項目としては、例えば「認証データ識別」、「データ内容」、「値」等があるが、これに限定されるものではない。
【0042】
「認証データ識別」は、認証データパターンを識別する情報である。「データ内容」は、「認証データ識別」毎に設定されたデータ内容である。「データ内容」は、例えば
図3(B)に示すように、「認証用画像データ識別情報」、「認証ウィンドウ種別」、「認証ウィンドウ領域」、「登録点(X)」、「登録点(Y)」、「認証時の最低拡大率」、「画像の傾き」、及び「画像の並行移動」のうち少なくとも1つであるが、これに限定されるものではない。上述した各データ内容に対する「値」は、ユーザ等により設定部11から
図3(B)に示すように設定される。
【0043】
本実施形態では、
図3(B)に示すような1又は複数の認証データの中から1つの認証データをランダムに選択し、選択した認証データで指定されている内容に基づいて認証処理が実行される。
【0044】
<認証処理の一例>
次に、情報処理装置10における認証処理の一例について、フローチャートを用いて説明する。
図4は、認証処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図4の例に示す認証処理の前に予め設定部11による各種設定がなされているものとする。
【0045】
図4の例において、情報処理装置10は、タッチパネルや操作ボタン等の操作を受け付けると、認証データ23に記憶されている認証設定情報に基づいて認証を行う必要があるか否かを判断する(S01)。認証を行う必要がある場合(S01において、YES)、画面制御部13は、記憶されている1又は複数の認証データ23の中から1つの認証データをランダムに選択し(S02)、選択した認証データで指定されている認証ウィンドウ定義データ22を読み込み(S03)、読み込んだ認証ウィンドウ定義データ22で定義された認証ウィンドウを画面に表示する(S04)。
【0046】
次に、画面制御部13は、選択した認証データで指定されている認証用画像データ21を読み込み(S05)、読み込んだ認証用画像データ21を画面に表示する(S06)。
【0047】
なお、上述した画面制御部13は、S03,S04の処理と、S05,S06の処理とを逆の順序で行ってもよい。S06の処理により、出力部16の画面には、認証ウィンドウ内(認証領域内)のみに認証用画像データ21の一部が表示されている状態となる。
【0048】
次に、画面制御部13は、タッチ位置取得部12により取得されるタッチ位置の移動に基づき認証用画像データ21を移動する(S07)。S07の処理において、画面制御部13は、認証用画像データ21の移動中についても認証ウィンドウ内のみに一部が表示されるように制御(マスク制御)を行う。
【0049】
次に、認証部15は、移動した認証用画像データ21において設定した登録点の座標と、認証ウィンドウとの位置関係に基づいて認証を行う(S08)。S08の処理において、認証部15は、画面制御部13から得られた認証用画像データの移動量に基づいて座標変換部14で変換された認証ウィンドウの座標と、登録点とに基づいて、認証を行う。
【0050】
例えば、認証部15は、登録点が認証ウィンドウ内に含まれているか(内包されているか)否かにより認証が成功したか(認証OK)、失敗したか(認証NG)を判断することができるが、これに限定されるものではない。認証部15は、例えば認証用画像データの移動を開始してから所定時間(例えば、10秒、1分等)が経過するまでに認証ウィンドウに登録点を表示させた場合には認証OKと判断し、登録点を表示できなかった場合には認証NGとして判断してもよい。
【0051】
認証部15は、認証がOKであるか否かを判断し(S09)、認証がOKである場合(S09において、YES)、例えば読み込んだ認証ウィンドウ及び認証用画像データを削除し(S10)、情報処理装置10に対するその後の操作を可能とする。また、認証部15は、認証がOKでない場合(S09において、NO)、認証が失敗した旨のエラー表示を行い(S11)、処理を終了する。なお、S11の処理において、認証部15は、例えば認証操作を再度行うようなメッセージを通知してもよく、情報処理装置10に対するその後操作ができないようにロックするような処理を行ってもよい。
【0052】
また、情報処理装置10は、S01の処理において、認証を行う必要がない場合(S01において、NO)、既に認証済みであるか、認証している時間がない場合(例えば、他人からの電話の発呼に対する応答等)等であるため、そのまま処理を終了する。
【0053】
<設定部11による設定内容の具体例>
次に、上述した設定部11による設定内容の具体例について説明する。
図5は、設定画面の一例を示す図である。
図5の例では、情報処理装置10の設定画面51に各種の設定用ボタン52−1〜52−5が表示されている。
【0054】
図5の例に示す設定画面51において、設定用ボタン52−1は、認証領域(認証ウィンドウ)の形状、個数等のパターンを選択するための認証ウィンドウボタンである。設定用ボタン52−2は、認証用画像の選択及び選択した画像上の座標を登録するための認証画像ボタンである。設定用ボタン52−3は、認証時に画像を拡大したり、回転する機能を有効にするための詳細設定ボタンである。設定用ボタン52−4は、変更した設定を反映させるための完了ボタンである。完了ボタンが押下された場合、それまでに設定された情報が記憶部17に記憶される。設定用ボタン52−5は、設定又は変更した内容を破棄するためのキャンセルボタンである。なお、設定画面に対するボタンの種類やレイアウト等については、
図5の例に限定されるものではない。
【0055】
<認証ウィンドウパターンの設定例>
図6は、認証ウィンドウパターンの設定例を示す図である。
図6(A)は、予め定義された選択可能な認証ウィンドウパターンの例を示し、
図6(B)は、その中からユーザが選択した認証ウィンドウの例を示している。
【0056】
図6(A)の例は、上述した
図5における認証ウィンドウボタン(設定用ボタン52−1)を選択した場合に表示される画面である。
図5に示す設定画面51には、
図6(A)に示すような各認証ウィンドウの形状及び個数の幾つかのパターンが1又は複数表示される。
図6(A)の例では、12パターンの例が表示されているが、これに限定されるものではない。ユーザは、表示される複数のパターンのうちの1つを選択する。
【0057】
例えば、本実施形態では、認証ウィンドウが単一のパターン(
図6(A)に示すA列)の矩形が選択されると、自動的に元の画面(
図5)に戻り、選択結果が認証ウィンドウボタンの右側に表示されるが、これに限定されるものではない。
【0058】
また、認証ウィンドウが複数のパターン(
図6(A)に示すB列、C列)を選択した場合、選択後に更に
図6(B)に示すように、どのウィンドウ(枠)を認証用のウィンドウに使用するかを選択する画面が表示される。ユーザは、表示された複数のウィンドウのうちの少なくとも1つをタッチして選択する。例えば、本実施形態では、少なくとも1つの認証ウィンドウが選択されると、自動的に設定画面(
図5)に戻り、選択結果が認証ウィンドウボタンの右側に表示されるが、これに限定されるものではない。
【0059】
例えば、
図6(A)では、C列のうち丸型の3つのウィンドウを有するパターンが選択されている。ユーザは、例えば3つのウィンドウ(領域)53−1〜53−3のうち、少なくとも1つのウィンドウを認証ウィンドウ(認証領域)として選択する。
図6(B)の例では、ウィンドウ53−2が認証ウィンドウとして選択されている。したがって、認証処理では、この選択したウィンドウ53−2に認証用画像データ上の設定された登録点が表示されるように認証用画像データ21を移動させて認証を行う。
【0060】
なお、
図6の例において、ウィンドウの形状や大きさ、位置等については、これに限定されるものではない。例えば、形状の異なる複数のウィンドウが存在するパターンであってもよい。複数のウィンドウのそれぞれの大きさが異なってもよい。
【0061】
<認証用画像データの設定例>
次に、認証画像ボタン(設定用ボタン52−2)による認証用画像データの設定例について、図を用いて説明する。
図7は、認証用画像データの設定例を示す図である。
図7の例は、上述した
図5の認証画像ボタン(設定用ボタン52−2)を選択した場合に表示される画面例である。
図5に示す認証画像ボタンを選択すると、情報処理装置10の記憶部17に記憶されていて利用可能な1又は複数の画像データの一覧が表示される。ユーザは、
図7に示すような画像一覧うち、少なくとも1つをタッチ操作等により選択する。
【0062】
ユーザが、
図7に示す画像一覧から一つの画像を選択すると、設定部11は、ユーザに登録点を設定させる。ここで、
図8は、登録点の設定内容を説明するための図である。
【0063】
上述した
図7に示す複数の認証用画像データ21からユーザにより認証用画像データ21が選択されると、その選択された画像データの全体像が縮小されて情報処理装置10の画面に表示される(例えば、
図8(A))。なお、この状態では、画像が小さく見づらいため、ユーザが適切に認証用座標を登録することができない可能性がある。
【0064】
そこで、
図8(A)に示すように、ユーザが画像を拡大するように所定のメッセージを表示する。メッセージの例としては、例えば「認証で使うウィンドウが表示されるまで登録したい部分を拡大してください。」等であるが、これに限定されるものではない。
【0065】
ここで、例えば、拡大後の画像サイズが、後述する詳細設定ボタン(設定用ボタン52−3)等により事前に登録した画像サイズと同じかそれ以上になった場合、認証ウィンドウボタンで選択したものと同等であるがマスク処理を行わない仮想的な認証ウィンドウ61が画面上に表示される(例えば、
図8(B))。
【0066】
ユーザは、画面へのタッチ操作により画像の拡大や移動を繰り返しながら、登録したい画像の一部分を認証ウィンドウ61内に入れるように画像を移動させる(例えば、
図8(B)〜
図8(D))。画面制御部13は、タッチ位置取得部12により得られるユーザのタッチ位置に基づいて認証用画像データ21に対して上述した拡大や移動等を行う。
【0067】
次に、ユーザが、登録したい部分を認証ウィンドウ61内に入れた後、例えばタッチパネルの適当な部分を所定時間(例えば、2秒程度)長押した場合、設定部11は、認証ウィンドウ61内の部分を認証用座標(登録点)として登録する(例えば、
図8(E))。
【0068】
このとき、設定部11は、認証ウィンドウ61に含まれている画像領域の中央の1点の座標を認証データ23として記憶部17に記憶する。
【0069】
また、設定部11は、後述する詳細設定で「画像の拡大」が有効になっている場合には、登録時の画像の拡大率を認証データ23内に記憶してもよい。また、設定部11は、後述する詳細設定で「画像の回転」が有効になっている場合は、登録時の画像の傾きを認証データ23内に記憶してもよい。
【0070】
また、設定部11は、認証用画像データ21に対して、他の座標も登録点として設定するか否かをユーザに問い合わせる画面を表示し(例えば、
図8(F))、他の座標も登録する場合は、引き続き登録点の設定を行うことができる(例えば、
図8(G)〜
図8(J))。また、設定部11は、他の座標を登録しない場合は、登録処理を完了する(例えば、
図8(K)、
図8(L))。
【0071】
このようにして、1又は複数の認証用画像データを設定することができ、各認証用画像データに対して1又は複数の登録点を設定することができる。認証時には、設定された認証用画像データのうち、ランダムに選択された認証用画像データを画面に表示して認証処理を行うことができる。
【0072】
<詳細設定の設定例>
次に、詳細設定ボタン(設定用ボタン52−3)による詳細設定例について、図を用いて説明する。
図9は、詳細設定内容を説明するための図である。
図9(A)は、詳細設定画面71を示し、
図9(B)は、ユーザの指のタッチ操作の詳細を示している。
【0073】
なお、
図9の例は、
図5に示す詳細設定ボタン(設定用ボタン52−3)を選択した場合に表示される画面例を示している。
【0074】
詳細設定画面71には、「認証時の画像サイズ」の設定領域72−1と、「画像の拡大」の設定領域72−2と、「画像の回転」の設定領域72−3と、「画像の平行回転」の設定領域72−4とを有するが、これに限定されるものではない。
【0075】
「認証時の画像サイズ」には、予め「大・中・小」等の選択肢が設定されており、認証時に表示される認証用画像データ21を、情報処理装置10の画面サイズと比べて何倍程度大きく表示するかを選択する。各倍数は、例えば、大(5倍)、中(3倍)、小(1.5倍)等と設定することができるが、これに限定されるものではない。
【0076】
例えば、本実施形態では、認証用画像データ21を情報処理装置10の画面サイズよりも大きくなるように設定する。画面サイズよりも大きくすることで、ユーザが認証ウィンドウ内に登録点を移動させる操作をより多く行わせることができる。また、認証ウィンドウ内に表示される認証用画像データ21の一部分を他人(第三者)が見ても、その内容を分かり難くすることができる。したがって、他人の覗き見に対する耐性を向上させることができる。なお、本実施形態における認証時の画像サイズについては、これに限定されるものではなく、画面サイズと同サイズでもよく、画面サイズより小さくてもよい。
【0077】
また、
図9(A)の例において、「画像の拡大」の設定領域72−2のチェックエリアをチェックすると、認証操作中に認証用画像を拡大する操作が可能になり、認証用画像データの最低拡大率を認証条件として設定することができる。したがって、例えば認証用画像データを8倍以上に拡大させることを認証条件として設定することができる。これにより、ユーザは、認証条件として設定された最低拡大率以上に画像を拡大させるための操作が更に必要となるため、認証画像の他人の覗き見に対する耐性を向上させることができる。
【0078】
また、
図9(A)の例において、「画像の回転」の設定領域72−3のチェックエリアをチェックすると、認証操作中に認証用画像を回転する操作が可能になり、画像の傾きを認証条件として設定することができる。したがって、例えば認証用画像データを90度左に回転させることを認証条件として設定することができる。これにより、ユーザは、認証条件として設定された画像の回転を行うための操作が更に必要になるため、他人の操作の覗き見に対する耐性を向上させることができる。
【0079】
また、
図9(A)の例において、「画像の平行回転」の設定領域72−4のチェックエリアにチェックを付けると、認証時のタッチ操作の回転成分の検出が有効になる。これにより、例えば
図9(B)に示すように、認証時に画像を移動する際に、ユーザのフリック操作の最後に跳ねがあった場合、その跳ねる方向を曲線的な操作として検知し、画像を上下左右の向きを変えずに曲線的に移動させることができる。
【0080】
これにより、例えば
図9(B)に示すようなユーザの指73等によるフリック操作の僅かな癖(例えば、跳ね操作等)によって、画像の移動方向を変えることができる。そのため、他人からは指73を直線的に動かしているように見えても、画像の平行回転を有効にすることで、認証用画像データ21を曲線的に移動させることができる。これにより、他人の操作の覗き見に対する耐性をより向上させることができる。
【0081】
なお、上述した「画像の拡大」、「画像の回転」、「画像の平行回転」の各設定領域のチェックエリアにチェックがない場合は、チェックがない機能を無効として、認証条件に含まないようにする。
【0082】
上述した各設定情報は、例えば認証データパターン(認証データ識別)毎にそれぞれ設定することができ、設定された情報は例えば上述した
図3(B)に示すように認証データ23として記憶される。記憶部17に記憶された認証データ23は、一部(例えば、認証データパターン毎)又は全部を変更したり、削除することができる。また、本実施形態では、例えば上述した
図3(A)に示すような認証設定を行う画面を表示し、ユーザ等に設定させてもよい。
【0083】
<座標変換部14の処理の一例>
次に、上述した座標変換部14の処理の一例について、図を用いて説明する。また、
図10は、座標変換部の処理の一例を説明するための図である。
図11は、座標変換の具体例を説明するための図である。
図11(A)は、認証時の操作例を示し、
図11(B)は、座標変換の一例を示している。
【0084】
図11(A)に示す認証用画像データ21及び認証用画像データ21上の任意の登録点座標(Xb,Yb)は、予めユーザによって設定され認証データ23として記憶部17に記憶されている認証用画像データ21上の登録点を、表示部34の座標系で表した座標である。なお、登録点座標(Xb,Yb)は、例えばタッチパネル等の所定の角の位置を基準にしてもよいが、これに限定されるものではない。タッチパネル等へのタッチ操作により入力された座標データをタッチ位置取得部12で取得すると、そのタッチ座標は、画面制御部13と座標変換部14に入力される。
【0085】
画面制御部13は、予め定義された認証ウィンドウ定義データ22で設定された認証ウィンドウ61の位置(Xc,Yc)と大きさ(△Xc,△Yc)とに基づいて、
図11(A)に示すように画面上に認証ウィンドウ61を表示する。なお、認証ウィンドウ61の位置(Xc,Yc)は、例えばタッチパネル等の所定の角の位置を基準にしてもよいが、これに限定されるものではない。
【0086】
また、画面制御部13は、タッチ位置取得部12から継続的に得られるタッチ座標に応じて、
図11(A)に示すように認証用画像データ21を移動させる。座標変換部14は、例えば、タッチ座標(X,Y)を取得すると(S21)、前回(例えば、所定時間前)のタッチ座標からの移動量(△X,△Y)を算出する(S22)。次に、座標変換部14は、
図11(B)に示すように、登録点座標(Xb,Yb)を基準とした認証ウィンドウ61の位置(Xc',Yc')を計算し、登録点座標を基準とした座標系に変換する(S23)。S23の処理において、座標変換部14は、例えば「Xc'=Xc−Xb+△X,Yc'=Yc−Yb+△Y」等の計算を行うが、これに限定されるものではない。次に、座標変換部14は、S23の処理で変換した結果を認証部15に出力する(S24)。
【0087】
認証部15では、例えば上述の処理により座標変換された認証ウィンドウ61の位置(Xc,Yc)及び認証ウィンドウ61の大きさ(△Xc,△Yc)と、登録点座標(Xb,Yb)とを比較し、登録点座標が認証ウィンドウ61内に含まれているか否かを判断する。認証部15は、所定時間(例えば、3秒程度)以上連続して認証ウィンドウ61内に登録点があり続けた場合に、認証が成功した(認証OK)として、認証結果を出力する。
【0088】
なお、認証部15の処理は、これに限定されるものではなく、例えば画像上に認証ボタン等を表示させ、その認証ボタンを押下した時点で登録点座標が認証ウィンドウ61内にあるか否かにより認証を行ってもよい。また、認証部15は、認証が失敗した場合(認証NGの場合)に、再度認証させる旨の処理を行ってもよい。
【0089】
なお、本実施形態では、認証を行うためのタッチ操作は、その回数や方向等、予め決められたものはではなく、ランダムな操作でもよい。また、認証時に使用されるデータは、タッチ操作のパターンから生成されることはなく、認証データとタッチパネルの操作は完全に分離している。したがって、例えばタッチパネルの操作を他人に覗き見されても、
認証情報が把握されることはない。また、本実施形態では、他のパスワードの入力等のセキュリティ技術や覗き見防止の技術(覗き見防止フィルタ等)と組み合わせる必要がなく、他人の覗き見を防止することができる。
【0090】
<認証処理の具体例>
次に、認証処理の具体例について、図を用いて説明する。本実施形態において、事前に登録する認証用画像データ21は、情報処理装置10のユーザがよく知っている画像であり、ユーザの好みに応じて、その画像上の特徴的な点を登録点として設定することができる。認証ウィンドウ(認証領域)は、ユーザには十分視認可能な大きさであるが、離れた他人が視認するには十分小さい大きさになっている。認証ウィンドウには、認証用画像データ21の一部だけが表示されているが、ユーザは認証用画像データがどのような画像であるかを把握しているため、認証ウィンドウに表示される画像の一部を見ても、画像のどの部分かを把握することができる。
【0091】
また、ユーザは、事前に登録点を設定しているため、画面へのタッチ操作(例えば、スワイプ操作やフリック操作等)により認証用画像データ21を移動させて、事前に設定した画像上の登録点を認証ウィンドウ内に入れる。また、登録点を認証ウィンドウ内に入れて所定時間が経過したり、画面上の所定の部分を一定時間以上タッチ(長押し)すると、認証がOKとなり、情報処理装置10のロックが解除される。
【0092】
また、本実施形態では、認証ウィンドウに表示される認証用画像データは、認証の度にランダムに変化させてもよい。また、本実施形態では、複数の認証ウィンドウを有していてもよい。また、本実施形態では、認証用画像データ21を移動するだけでなく、タッチパネルの操作に応じて画像を拡大することで、更に詳細な座標を認証に利用することもできる。また、本実施形態では、画面へのタッチ操作に応じて、認証用画像データ21を回転させたり、曲線的に並行移動させることで、他人にとって更に分かり難い認証操作にすることができ、画面タッチ操作の覗き見等に対する適切なセキュリティ強化を実現することができる。上述した内容を各実施例として以下に説明する。
【0093】
<第1実施例>
図12は、認証処理の第1実施例を示す図である。
図12に示す第1実施例では、上述した「詳細設定」で「画像の拡大」を有効に設定した場合の実施例を示している。第1実施例では、
図12(A)に示す認証用画像データ21の登録点(
図12(A)の(ii))が予め設定部11により設定されている。
【0094】
図12(B)は、情報処理装置10の画面(タッチパネル)に表示される認証画面の初期画面であり、認証画面の起動時に、例えば認証用画像データ21からランダムに選択された画像の一部分(
図12(A)の(i))が認証ウィンドウ81内に表示される。
【0095】
ユーザは、画面(タッチパネル)をタッチ操作し、認証用画像データ21の登録点((ii)の部分)が認証ウィンドウ81内に含まれるように(認証ウィンドウで表示されるように)画像を移動させる(
図12(C))。このとき、ユーザは、例えばピンチアウト操作(例えば、2本の指でタッチしながらそれぞれの指の間隔を広げる操作)によって、事前に登録した時と同程度かそれ以上となるように画像を拡大して移動させてもよい(
図12(D))。画像を拡大させることで、他人に画像の内容を認識させにくくし、他人の覗き見に対する耐性を向上させることができる。また、第1実施例では、登録した箇所を認証ウィンドウ81内に入れるように移動させ、タッチパネルの適当な部分を数秒程度長押しすることで認証を実行する。
【0096】
認証部15は、例えば長押しを検知すると、登録点(認証データ23)が、認証ウィンドウ81内に入っていることや、現在の画像の拡大率が座標を登録した際に同時に記憶した画像の拡大率よりも大きいこと等を確認し、両方を満たした場合に認証成功と判断する。なお、認証部15は、登録点が認証ウィンドウ81内に入っていれば、認証成功として判断してよい。
【0097】
なお、第1実施例では、例えば
図12に示すように画面上に縮小ボタン82を有していてもよく、縮小ボタン82を押下している間は、
図12(E)に示すように認証ウィンドウ81内の認証用画像データ21が縮小されて表示させてもよい。これにより、認証ウィンドウ81に表示されている部分が、認証用画像データ21のどの位置であるかを容易に把握することができる。また、第1実施例では、
図12(E)に示す縮小ボタンから指を離すことで、元の認証用画像データ21の大きさに戻すことができる。
【0098】
<第2実施例>
図13は、認証処理の第2実施例を示す図である。
図13に示す第2実施例では、上述した「詳細設定」で「画像の回転」を有効に設定した場合の実施例を示している。
【0099】
第2実施例では、
図13(A)に示す認証用画像データ21の登録点(
図13(A)の(ii))が予め設定部11により設定されている。
【0100】
図13(B)は、情報処理装置10の画面(タッチパネル)に表示される認証画面の初期画面であり、認証画面の起動時に、例えば認証用画像データ21からランダムに選択された画像の一部分(
図13(A)の(i))が認証ウィンドウ81内に表示される。
【0101】
ユーザは、画面(タッチパネル)をタッチ操作し、認証用画像データ21の登録点((ii)の部分)が認証ウィンドウ81内に含まれるように画像を移動させる(
図13(C))。その後、ユーザは、例えば2本指で画面タッチしながら左方向に回転させる操作を行い、画像を所望の向きに傾け、タッチパネルの適当な部分を数秒程度長押しして認証を実行する(
図13(D))。
【0102】
第2実施例において、認証部15は、長押しを検知すると、登録点が認証ウィンドウ81内に入っていることと、現在の画像の傾きが、座標を登録した際に同時に設定した画像の傾きと比べて一定の誤差範囲であることを判断する。そして、認証部15は、その両方の条件を満たした場合に認証成功として判断することができる。第2実施例では、認証用画像データ21を左に90度回転させたときに、認証成功として判断しているが、これに限定されるものではない。
【0103】
<第3実施例>
図14は、認証処理の第3実施例を示す図である。
図14に示す第3実施例では、上述した「詳細設定」で「画像の平行回転」を有効に設定した場合の実施例を示している。
【0104】
第3実施例において、
図14(A)に示す認証用画像データ21の登録点(
図14(A)の(ii))が予め設定部11により設定されている。
【0105】
図14(B)は、情報処理装置10の画面(タッチパネル)に表示される認証画面の初期画面であり、認証画面の起動時に、例えば認証用画像データ21からランダムに選択された画像の一部分(
図14(A)の(i))が認証ウィンドウ81内に表示される。
【0106】
ここで、第3実施例において、上述した詳細設定で、「画像の平行回転」が無効に設定されている場合、ユーザが画面を移動させようとしてフリック操作を行うと、画像は直線的に移動する。したがって、認証ウィンドウ81内には、認証用画像データ21の(ii)の部分が表示される(
図14(C))。
【0107】
一方、詳細設定で、「画像の平行回転」を有効に設定している場合(チェックありの場合)、ユーザが画面を移動させようとしてフリック操作を行い、フリック操作の最後に跳ねがあった場合、その跳ねの方向に応じて画像は曲線的に移動する。したがって、認証ウィンドウ81内には、認証用画像データ21の(iii)の部分が表示される(
図14(D))。
【0108】
このように、第3実施例では、画像の平行回転の有無に応じて同一の操作でも異なる画像の移動が可能となる。したがって、設定内容に応じて同一操作で異なる認証を行うことができ、他人に操作内容を真似されても認証できないようにすることができる。
【0109】
<第4実施例>
図15は、認証処理の第4実施例を示す図である。
図15に示す第4実施例では、複数の登録点(認証データ23)を登録した場合の実施例を示している。
【0110】
第4実施例では、
図15(A)に示す認証用画像データ21に複数の登録点(
図15(A)の(ii)〜(iv))が予め設定部11により設定されている。また、設定部11による設定時には、(ii)→(iii)→(iv)の順番で認証するように認証条件が設定されている。第4実施例では、上述したような登録点の設定がなされている場合に、その順番で認証ウィンドウ81内に登録点を表示させる操作を行うことで、他人の覗き見に対する耐性を更に向上させることができる。
【0111】
図15(B)は、情報処理装置10の画面(タッチパネル)に表示される認証画面の初期画面であり、認証画面の起動時に、例えば認証用画像データ21からランダムに選択された画像の一部分(
図15(A)の(i))が認証ウィンドウ81内に表示される。
【0112】
ユーザは、画面(タッチパネル)をタッチ操作し、認証用画像データ21の最初の登録点((ii)の部分)が認証ウィンドウ81内に含まれるように画像を移動させる(
図15(C))、その後、画面の適当な部分を数秒程度長押しして認証を実行する。
【0113】
認証部15の認証アプリケーションは、長押しを検知すると、登録点が認証ウィンドウ81内に含まれている場合に認証成功とし、未認証の登録点が残っていた場合は、次の入力(長押し)を待つ。
【0114】
次に、ユーザは、認証用画像データ21の残りの登録点((iii)、(iv))についても同様に操作を行う。認証部15は、それぞれの登録点による認証処理を行い、全ての認証が成功したら最終的に認証OKとして処理する。
【0115】
<第5実施例>
図16は、認証処理の第5実施例を示す図である。
図16に示す第5実施例では、認証ウィンドウ定義データ22からの認証ウィンドウパターンの設定において、複数の認証ウィンドウを有する場合の実施例を示している。
【0116】
図16の例では、3つの認証ウィンドウ81−1〜81−3が設定されている。第5実施例では、認証ウィンドウパターン選択時に、認証に使用するウィンドウ及び登録点(
図16(A)の(ii))が予め設定部11により設定されている。
【0117】
図16(B)は、情報処理装置10の画面(タッチパネル)に表示される認証画面の初期画面であり、認証画面の起動時に、例えば認証用画像データ21からランダムに選択された画像の一部分(
図16(A)の(i))が認証ウィンドウ81−1〜81−3内に表示される。
【0118】
ユーザは、画面(タッチパネル)をタッチ操作し、認証用画像データ21の(ii)の登録点が、認証ウィンドウ81−2内に含まれるように画像を移動させ(
図16(C))、その後、画面の適当な部分を数秒程度長押しして認証を実行する。
【0119】
認証部15は、長押しを検知すると、複数の認証ウィンドウ81−1〜81−3のうち、認証用として設定された認証ウィンドウ81−2内に登録点が含まれている場合に認証成功と判断する。
【0120】
第5実施例によれば、複数の認証ウィンドウのうち、どの認証ウィンドウを用いるかをユーザのみが把握しているため他人の覗き見に対する耐性を向上させることができる。また、第5実施例では、認証ウィンドウが複数あるため、認証用画像データ21の表示面積が大きくなる。そのため、ユーザは、認証ウィンドウで表示されている部分が認証用画像データ21のどの部分であるかを把握し易くなる。
【0121】
上述した各実施例1〜5は、その一部又は全部を組み合わせてもよい。例えば、複数の認証用画像データや複数の認証データ等を用いて複数回の認証処理を行うことで、認証の成否を判断してもよい。
【0122】
上述した実施形態の一態様によれば、認証時における適切なセキュリティ強化を実現することができる。例えば、認証を行うためのタッチパネル操作は、その回数や方向等、決められたものはなくランダムでよくなる。また、認証の初期画面で表示される部分は、認証用画像からランダムに選択された一部分であるため、登録点への移動の仕方もランダムに異なることとなる。また、画面を覗かれたとしても認証ウィンドウは画面サイズより小さいため、他人(第三者)に見え難い。また、認証時に使用されるデータは、タッチ操作のパターンから生成されることはなく、認証データとタッチパネルの操作は完全に分離しているため、タッチパネルの操作を覗き見されても、認証情報が判明することはない。また、本実施形態は、他のセキュリティ技術や覗き見防止の技術(覗き見防止フィルター等)と組み合わせる必要がなく、単体でタッチパネル操作の覗き見を防止できる。
【0123】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、上記変形例以外にも種々の変形及び変更が可能である。
【0124】
なお、以上の実施例に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
1又は複数の認証用画像データと、該認証用画像データ上の少なくとも1つの登録点と、画面サイズよりも小さい認証領域とを設定する設定部と、
前記設定部により設定された認証用画像データの前記登録点が、前記認証領域内に含まれるように移動させることで認証を行う認証部とを有することを特徴とする情報処理装置。
(付記2)
前記認証用画像データを前記画面サイズよりも大きいサイズとし、前記認証用画像データ上に前記認証領域を表示して、前記認証領域内から前記認証用画像データの一部の領域を表示させる画面制御部を有することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記登録点を基準とした前記認証領域の位置を、ユーザの画面へのタッチ座標に応じて座標変換する座標変換部を有し、
前記認証部は、前記座標変換部により得られた座標と、前記登録点との位置とを比較して認証が成功したか否かを判断することを特徴とする付記1又は2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記設定部は、
前記認証領域が複数ある場合に、複数の前記認証領域のうち、どの認証領域に前記登録点を移動させるにより認証を行うかを設定することを特徴とする付記1乃至3のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記認証部は、
前記設定部により前記認証用画像データにおける登録点を複数設定した場合に、複数の前記登録点を設定した順序で、各登録点を前記認証領域に移動させることで、認証を行うことを特徴とする付記1乃至4のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記設定部は、
前記認証用画像データの認証時の画像サイズ、前記認証用画像データの拡大の有無、前記認証用画像データの回転の有無、及び前記認証用画像データの平行回転の有無のうち、少なくとも1つを設定することを特徴とする付記1乃至5のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
(付記7)
情報処理装置が、
1又は複数の認証用画像データと、該認証用画像データ上の少なくとも1つの登録点と、画面サイズよりも小さい認証領域とを設定し、
設定された前記認証用画像データの前記登録点が、前記認証領域内に含まれるように移動させることで認証を行うことを特徴とする認証方法。
(付記8)
1又は複数の認証用画像データと、該認証用画像データ上の少なくとも1つの登録点と、画面サイズよりも小さい認証領域とを設定し、
設定された前記認証用画像データの前記登録点が、前記認証領域内に含まれるように移動させることで認証を行う、処理をコンピュータに実行させるための認証プログラム。