【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バッグインボックスの製造装置では高速製造が要求される。
図1に示される充填ラインが1列のバッグインボックスの製造装置では、1個のバッグインボックスの充填時間によって製造時間が決定されるため、高速でバッグインボックスを製造することは困難であった。
【0006】
図2は
図1とは別のバッグインボックスの製造装置の構成の一例を示す図であって、バッグインボックスの製造速度を速めた装置であって、例えば3列の充填ラインを備えたものである。
【0007】
図2に示すバッグインボックスの製造装置の場合は、充填部3と同数のシューター6と段ボール7の供給ラインとを必要とするため、装置が複雑になり、多大の設備費や設置スペースが必要となる。
【0008】
また、上記のような複数ラインの充填部を備えた装置としては、
図3に示すように、バッグ1a、1bを搬送する2列のコンベア4−1、4−2を備え、1箇所の段ボール供給位置にてバッグ1a、1bを収納出来るようにした装置がある。
【0009】
この装置は連続する複数列の長尺状のバッグ1−1、1−2内に、各列毎に所定の液状内容物を充填するための2個の充填部3−1、3−2と、各充填部より延設された各コンベア4−1、4−2と、該各々コンベアの搬送方向5−1、5−2の先端部の間を、前記コンベア4−1、4−2に対して直交する方向に往復移動する移送手段13(スライドテーブルユニット、ベルトコンベア、ロールコンベアなど)と、コンベア4−1、4−2に対して該移送手段13の反対側に配置されたバッグシューター6と、該バッグシューター6の下側に、前記コンベア4−1及びコンベア4−2に対して直交方向に段ボール7を供給するコンベア9を備えたものがある。
【0010】
この装置の場合は、移送手段13の機構が複雑になり、またその移送往復に要する時間は、2列のコンベア4−1、4−2の間隔を移動するだけの時間を必要とする。
【0011】
更に
図3とは別の高速で充填する装置としては、
図4に示すような充填部が回転式となっているロータリー式充填機がある。
図4に示されるロータリー式充填機は、容器供給部21において容器22を矢印23で示す方向に搬送して充填ユニット24に供給する。充填部25の充填ユニット24(
図4の場合は8個の充填ユニットがある)は矢印26の方向に連続回転しながら、供給された容器に液状内容物を充填する。充填の終わった容器27は容器回収部28において矢印29で示される方向に搬送され回収される。
【0012】
また、上記ロータリー式充填機とは別の
図5に示すような縦型充填機がある。
図5に示される縦型充填機は、容器供給部161において容器162を矢印53で示す方向に搬送して充填部165に供給する。充填部165の充填ユニット164(
図5の場合は3個(3ヘッド)の充填ユニットがある)は、供給された容器に液状内容物を充填する。充填の終わった容器167は容器回収部168において矢印59で示される方向に搬送され回収される。このような縦型充填機では、同時に複数の容器162を容器供給部161で供給し、それと同数の充填ユニットで充填することによって高速充填を可能にしている。
【0013】
一般的に、
図4、
図5に示されるロータリー式充填機や縦型充填機は、
図1〜
図3に示す充填機と比較して高速で充填することが出来るが、充填される容器として缶、ペットボトル、紙容器といった自立可能なある程度の剛性を有する容器を対象とするものであって、
図6に示されるフレキシブルバッグのような柔軟な容器の場合は、上記ロータリー式充填機や縦型充填機は使用されていない。
【0014】
使用されていない理由として、上記ロータリー式充填機や縦型充填機に空のフレキシブルバッグをセットすること、及び充填後に搬出して段ボールに回収することは、特にバッグが大型のフレキシブルバッグの場合には位置合わせ等が難しかったことが問題となっていた。
【0015】
上記フレキシブルバッグは、
図6(a)及び(b)の側面図に示すようなものであって、フレキシブルバッグ31のバッグ本体は、柔軟なプラスチックフィルム製の包材を袋状にしたものであり、シール部31aによって袋状にしたバッグ本体の上部の一部開口部に、液状内容物注入出用のスパウト32を接続し、キャップ32aによって施封されている。
【0016】
そしてバッグを段ボール投入時の状態は、上記
図6(a)のように立方体形状のもの、あるいは
図6(b)のように偏平形状のもの等がある。
【0017】
一般的に、バッグインボックス型の液状包装における段ボール34内に収納される上記バッグ31の姿勢については、前記キャップ32a部分が常に上側を向き、シール部31
aが水平になって段ボール34内に収納されることが必要であるが、上記フレキシブルバッグ31を上記ロータリー式充填機や縦型充填機で充填した場合においては、充填されたフレキシブルバッグの段ボール34内での姿勢は不揃いになりやすい。
【0018】
上記問題を解決するために、
図7に示すように、充填前にフレキシブルバッグ31を段ボール34に予めセットしておき、フレキシブルバッグ31が収納された段ボール34を上記ロータリー式充填機や縦型充填機に供給して充填することも考えられるが、この場合には液状内容物が段ボール34に付着して汚したり、段ボール34の紙粉異物が液状内容物に混入するといった問題があった。
【0019】
また、上記ロータリー式充填機や縦型充填機によって充填が可能で、しかも液状内容物が段ボールに付着したり、段ボールの紙粉異物が液状内容物に混入するといった上記問題を解決するためのリテーナーが提案されている。
【0020】
図8に該リテーナーの一例を示す。
図8に示されるリテーナー52はプラスチック製あるいは金属製のものであって、埃を発生しない材料で作製されたもので、空のフレキシブルバッグを内部にセットすることが出来る。
図8に示されるリテーナー52は、開放された天面52aと、底部52bと、4つの側面52c−1、52c−2、52c−3、52c−4からなっている。4つの側面の内52c−4は、部分開放されており、部分的に壁面52c−4aが形成されている。また、開放された側面52c−4と対向する側面即ち、側面52c−2の上端にはフレキシブルバッグを保持するスパウトホルダー部52dが備えられており、スパウトホルダー部52dにフレキシブルバッグが保持された状態で液状内容物が充填される。
【0021】
しかしながら、上記ロータリー式充填機や縦型充填機によって一斗缶に液状内容物を充填する場合は、充填ノズルと一斗缶の口栓は密着せず、充填液はポンプの微圧で給液しているため落差で充填されている。そのため、上記リテーナーを用いてフレキシブルバッグに液状内容物を充填しようとした際に、フレキシブルバッグにシワのある場合には、シワの部分に充填液が行き渡らず、充填中に口栓から充填液が溢れてしまうため規定量の充填液を充填することが出来ないといった問題がある。
【0022】
また、上記ロータリー式充填機や縦型充填機によって充填された後に行われるキャップ打栓(キャップを取り付けること)の際に、上記の方法ではフレキシブルバッグのスパウト32が垂直に正確に保持されていないために、キャップ打栓が斜めになってしまい正確に行われない。その結果、内容物が洩れてしまうといった問題がある。
【0023】
そこで本発明は、特に大型のフレキシブルバッグに内容物を充填する際に、多大な設備費や設置スペースを必要とせず、高速充填が可能で、しかも液状内容物が外箱に付着したり、外箱の紙粉異物が液状内容物に混入することがなく、規定量の充填が可能なバッグインボックス製造装置及びバッグインボックス製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の請求項1に係る発明は、
一斗缶用充填機を用いて、フレキシブルバッグに液状内容物を充填した後、段ボールに収納してバッグインボックスを製造する装置であって、
リテーナーと、フレキシブルバッグセット手段と、折り手段と、無菌エアー注入手段と、充填機と、段ボール製函手段と、フレキシブルバッグ移し替え手段と、段ボール封緘手段と、空リテーナー回収手段と、を備えており、
リテーナーは、充填前に予め空のフレキシブルバッグをセットするもので、
前記フレキシブルバッグはその左右の巾方向に対して一方側に片寄った位置にスパウトを備えており、前記リテーナーは前記フレキシブルバッグのスパウトを保持するスパウト保持部を備え、
フレキシブルバッグセット手段は、空のフレキシブルバッグを前記リテーナーにセットするもので、
折り手段は前記リテーナーにセットされる前のフレキシブルバッグの
左右の両側をスパウトのある面側に向かい折るもので、
無菌エアー注入手段はリテーナーにセットされたフレキシブルバッグに充填前に無菌エアーを注入するもので、
充填機は、前記無菌エアーが注入されたフレキシブルバッグに液状内容物を充填する充填機であって、
段ボール製函手段は前記液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボールを製函するもので、
フレキシブルバッグ移し替え手段は、液状内容物が充填されたフレキシブルバッグをリテーナーから前記製函された段ボールに移し替えるもので、
段ボール封緘手段は、前記液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを収納した段ボールを封緘するもので、
空リテーナー回収手段は、前記液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが段ボールに移し替えられ空になったリテーナーを回収するものであることを特徴とするバッグインボックス製造装置である。
【0025】
本発明の請求項2に係る発明は、前記リテーナーのフレキシブルバッグを保持する
スパウト保持部はリテーナーの上面の角部に備えられたことを特徴とする請求項1に記載のバッグインボックス製造装置である。
【0026】
本発明の請求項3に係る発明は、前記リテーナーは循環して使用されることを特徴とする請求項1または2に記載のバッグインボックス製造装置である。
【0027】
本発明の請求項4に係る発明は、前記充填機は一斗缶用ロータリー式充填機であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバッグインボックス製造装置である。
【0028】
本発明の請求項5に係る発明は、前記充填機は一斗缶用縦型充填機であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバッグインボックス製造装置である。
【0029】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれかに記載のバッグインボックス製造装置を用いてバッグインボックスを製造することを特徴とするバッグインボックス製造方法である。