(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248500
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20171211BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
G02F1/1333
G09F9/00 351
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-196441(P2013-196441)
(22)【出願日】2013年9月24日
(65)【公開番号】特開2015-64400(P2015-64400A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2016年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石附 友樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 貴輝
【審査官】
磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−078624(JP,A)
【文献】
特開2002−304131(JP,A)
【文献】
特開2010−271381(JP,A)
【文献】
特開2000−047175(JP,A)
【文献】
実開昭62−079278(JP,U)
【文献】
特開2006−064916(JP,A)
【文献】
特開平11−305202(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2007−0079428(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルを背後から照明する光源と、
前記液晶表示パネルの背後に配置され、前記光源を含む電子部品が実装される回路基板と、
前記液晶表示パネルと前記回路基板とを電気的に接続する接続部材と、
前記光源と、前記接続部材とを囲うとともに、前記液晶表示パネルを保持する保持部材と、を備えた液晶表示装置において、
前記回路基板は、前記回路基板の端部に切り欠き部を有し、
前記接続部材は、前記切り欠き部の略中央に配置されるコネクタに挿入され、
前記保持部材は、前記回路基板に形成された係合部に係合される係止部を有していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記係合部は、前記回路基板に形成される貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記端部に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記係止部は、前記係合部を支点として回転し、前記回路基板の裏面側に当接することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記保持部材は、前記貫通孔とは異なる他の孔部に位置決めされる位置決め部を有していることを特徴とする請求項2から3または請求項2に従属する請求項4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルを用いた液晶表示装置に関し、組み付け性が向上した液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示素子として例えば液晶表示パネルを用いた液晶表示装置が知られている。液晶表示パネルは、一般的に、液晶の注入口となる部分を周縁部に残して2枚の基板を貼り合わせた後、注入口を介して液晶を封入し、その後、注入口をUV硬化樹脂などからなる封止部によって封止して形成される。
【0003】
また、これらの液晶表示パネルを電気的に接続するために、可撓性のプリント基板を用いたものが知られている。このようなプリント基板を回路基板に実装されたコネクタに接続する場合、回路基板に沿って撓ませる必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−13886号公報
【特許文献2】特開2011−81327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、液晶表示装置の構造上、プリント基板とコネクタを接続してから液晶パネルが回路基板に配置されるため、コネクタとプリント基板との距離が長すぎると破損の恐れがあり、また、コスト面から考慮しても、プリント基板は短いものが求められていることなどから改良の余地があった。
【0006】
そこで、本発明はこの様な点に鑑みなされたもので、コストを削減できると共に、組み付け作業性が向上した液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルを背後から照明する光源と、
前記液晶表示パネルの背後に配置され、前記光源を含む電子部品が実装される回路基板と、
前記液晶表示パネルと前記回路基板とを電気的に接続する接続部材と、
前記光源と、前記接続部材とを囲うとともに、前記液晶表示パネルを保持する保持部材と、を備えた液晶表示装置において、
前記回路基板は、前記回路基板の端部に切り欠き部を有し、
前記接続部材は、前記切り欠き部の略中央に配置されるコネクタに挿入され、
前記保持部材は、前記回路基板に形成された係合部に係合される係止部を有しているものである。
【0008】
前記係合部は、前記回路基板に形成される貫通孔である。
【0009】
前記貫通孔は、
前記端部に形成されているものである。
【0010】
前記係止部は、前記係合部を支点として回転し、前記回路基板の裏面側に当接するものである。
【0011】
前記保持部材は、前記貫通孔とは異なる他の孔部に位置決めされる位置決め部を有しているものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コストを削減できると共に、組み付け作業性が向上した液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態による液晶表示装置の正面図。
【
図4】本発明の第2の実施形態による液晶表示装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の液晶表示装置の第1の実施形態について、液晶表示パネルを用いたパネル表示器Aや指針によって指標を指示する指針式表示器Bを用いた複合計器に本発明の液晶表示装置を適用したものを
実施形態としてあげ、添付図面を用いて以下に説明する。
【0015】
図1、
図2に示すように、液晶表示装置は、パネル表示器Aと指針式表示器Bとからなり、パネル表示器Aは、
図3に示すように、液晶表示パネル1と、保持部材2と、光源3と、回路基板5と、接続部材6と、コネクタ7とから構成され、指針式表示器Bは、指針10と、指針軸11と、駆動源12と、表示板13とから構成される。
【0016】
液晶表示パネル1は、
図3に示すように、前側ガラス基板1aと後側ガラス基板1bとの間に液晶分子を封入し、各々のガラス基板1a,1bに偏光膜を貼ったものである。そして、各ガラス基板1a,1bに設けた図示しない電極部に外部測定量に応じた信号(電圧)が印加されると、車両の作動状態(例えば車両の走行距離や燃料残量)などが表示されるパネル表示器
Aが黒色で現れるようになっている。液晶表示部以外の背景部は、回路基板5に実装してある光源3の点灯によって透過照明されるようになっている。
【0017】
保持部材2は、本実施形態では、セルケース21やパネル抑え22であり、セルケース
21は例えば白色の合成樹脂からなり、液晶表示パネル1の周縁が載置される載置部21aと、周壁21bなどを有している。
【0018】
また、セルケース
21は、セルケース
21の背面から回路基板5側へ突出した突出部211と、突出部211の先端に形成された係止部212とを備えている。係止部212は、後述する貫通孔を貫通して、回路基板5の裏面側で係合される際に、回路基板5と当接する当接部213を備えている。
【0019】
また、セルケース21の裏面側には、回路基板5に形成された位置決め孔
52に挿入される位置決め部23が複数形成されている。
【0020】
また、パネル抑え22は、金属材料である例えばステンレス銅板からなり、パネル縁部22aとパネル囲い部22bを有している。セルケース21の載置部21aに液晶表示パネル1を配置した後、図示しないが、パネル抑え22のパネル囲い部
22bをセルケース
21の
周壁21bに嵌め込むことによって押えられるとともに、液晶表示パネル1がセルケース
21に組み付けられるようになっている。
【0021】
パネル表示器Aに用いられる光源3は、例えば発光ダイオードを用いている。
【0022】
また、液晶表示パネル1の背面には、光源3からの光を均一に液晶表示パネル1の裏面側に導く拡散板1cが設けられている。この拡散板1cは、例えば無色透明な合成樹脂であるポリカーボネート樹脂からなるシート材の両面あるいは何れか一方の面に微細な凹凸(シボ)を施したもの、或いは透過性を有する乳白色のポリカーボネート樹脂からなるシート材である。
【0023】
回路基板5は、ガラスエポキシ樹脂からなる硬質回路基板を適用でき、
図1に示すように、液晶表示パネル1を照明する光源3の他に、制御回路
4が同一面上に実装され、それらの電子部品に電力供給するための図示しない回路パターンが形成されている。制御回路
4は、本実施形態においては、液晶表示パネル1に表示動作を行わせるCPUやRAM、インターフェイスなどを設けたマイクロコンピュータ、駆動回路、電源回路などから構成される。
【0024】
また、回路基板5には、係止部212が貫通する貫通孔51と、貫通孔51とは異なり、位置決め部23が挿入される位置決め孔52がそれぞれ複数形成されている。
【0025】
回路基板5は、その端部に切り欠き部53を有しており、後述する接続部材6が引き回し配置される際に、接続部材6の撓み部分が収納配置される。
【0026】
接続部材6は、本発明においては、フレキシブルプリント接続部材を用いており、詳細は図示しないが、例えばポリイミド樹脂からなる合成樹脂製のベースフィルムに、液晶表示パネル1に設けられた電極部および回路基板5に設けられた回路と接続される銅箔からなる電極部を例えばエッチング法で形成した後、液晶表示パネル1および回路基板5と接続される箇所の電極部を除いて絶縁保護となる保護フィルムを貼り合わせたものである。このフレキシブルプリント接続部材(接続部材)6の一方の端部は液晶表示パネル1の後側ガラス基板1bに固着され、他方の端部は回路基板5に実装されたコネクタ7に挿入される。
【0027】
コネクタ7は、合成樹脂製のハウジングと、このハウジング内に配置される接続端子とからなり、接続部材6の端子部分を挿入することにより、液晶表示パネル1と接続端子とが接触し、導通接続が達成される。コネクタ7は、その他の電子部品と同一面であって、切り欠き部53を形成する3辺の中央の端部に配置されている。
【0028】
指針式表示器Bを構成する指針10は、合成樹脂から形成され、表示板13に印刷などで設けられた指標部を指示するものである。表示板13の背後に配置される駆動源12から延びる指針軸11は、表示板13に設けられた貫通孔を貫通して、その先端に指針10が装着される。
【0029】
パネル表示器Aの組み付けは次の様にして行う。セルケース
21の載置部2a上に拡散板1cを載置する。次に、液晶表示パネル1の一端を拡散板1c側に差し込み、接続部材6が固着された側を押し込む。接続部材6の一方の端をコネクタ7に挿入する。その後、係止部212を貫通孔51に挿入し、当接部213を支点にして、液晶表示パネル1を回転させることによって、保持部材2が回路基板5に組み付けされるので、液晶表示パネル1からコネクタ7に引き回される接続部材6を短くすることができ、液晶表示パネル1の組み付けが完了する。
【0030】
このように、本実施形態によれば、液晶表示パネル1と、液晶表示パネル1を背後から照明する光源3と、液晶表示パネル1の背後に配置され、光源3を含む電子部品が実装される回路基板5と、液晶表示パネル1と回路基板5とを電気的に接続する接続部材6と、光源3と、接続部材6とを囲うとともに、液晶表示パネル1を保持する保持部材2とを備えた液晶表示装置において、保持部材2は、回路基板
5に形成された貫通孔51に係合される係止部212を有していることによって、回路基板
5の一方の面に実装されたコネクタ7に引き回される接続部材6を短くすることができるので、組み付け作業性が向上した液晶表示装置を提供することができる。
【0031】
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同一部材のものは同一符号とする。
【0032】
第1の実施形態では、保持部材2のセルケース21に係止部212が形成された例を説明したが、保持部材2であるパネル抑え22に係止部222が形成されていてもよい。その場合、接続部材6は、回路基板5上に実装されたコネクタ7に接続され、係止部212は、貫通孔51に挿入されたのち、当接部213を支点にして液晶表示パネル1が回転し、位置決め部23が位置決め孔52に位置決めされることによって、第1の実施形態と同等の効果を得ることができ、ビス締めしなくても、液晶表示パネル1を回路基板5に固定することができるため、組み付け工程を削減することが可能となる。
【符号の説明】
【0033】
1 液晶表示パネル
2
保持部材
3 光源
4 制御回路
5 回路基板
6 接続部材
7 コネクタ
10 指針
11 指針軸
12 駆動源
13 表示板
21 セルケース
22 パネル抑え
51 貫通孔(係合部)
52 位置決め孔
53 切り欠き部
211 突出部
212 係止部
213 当接面
222 係止部
A パネル表示器
B 指針式表示器