(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の車両用経路提示装置としての機能を備えたナビゲーション装置100の構成図である。このナビゲーション装置100は、図示しない車両に搭載される。車両はここでは電気自動車であるとする。
【0015】
ナビゲーション装置100は、
図1に示すように、記憶部10、位置検出部20、入力部30、表示部40、制御部50を備える。
【0016】
記憶部10は、不揮発性のメモリであり、道路地図データ、走行履歴などを記憶する。道路地図データは、道路をリンクとノードとにより記述しているデータである。各リンクには、経路計算のためのコストが付与されている。
【0017】
走行履歴には、走行した道路である過去走行道路、訪問した地点である過去訪問地点、走行時の天気、気温、SOC(すなわち充電率)の時間変化、車両内の電気負荷の消費電力が含まれる。なお、電気負荷は、たとえば、エアコン、オーディオなどである。また、過去走行道路については、走行した道路(すなわちリンク)に加え、走行回数、走行日時も含まれ、過去訪問地点については、訪問した地点(すなわちノード)に加え、訪問回数、訪問日時も含まれる。
【0018】
位置検出部20は、現在位置を逐次検出する。たとえば、GPS人工衛星から送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて現在位置を逐次検出する。なお、位置検出部20は現在位置を検出するための信号の取得のみを行い、その信号に基づく現在位置の演算を制御部50が行ってもよい。
【0019】
入力部30は、このナビゲーション装置100を操作するための入力操作をユーザが行うためのものであり、たとえば、表示部40の周辺に設けられたメカニカルスイッチや、表示部40の表示面に重畳されたタッチスイッチなどである。表示部40には、道路地図、経路設定画面、経路案内画面などが表示される。
【0020】
制御部50は、図示しない内部に、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータであり、記憶部10、位置検出部20、入力部30、表示部40から信号を受信し、また、図示していない車内LAN等の配線を介して、車両内の他の機器からも信号を受信する。それらの信号に基づいて、制御部50は、記憶部10、位置検出部20、表示部40の制御を行う。
【0021】
また、CPUが、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに記憶されたプログラムを実行することで、制御部50は、経路設定部51、走行履歴記憶処理部52、コスト補正部53、提示図生成部54、経路案内部55として機能する。
【0022】
経路設定部51は、出発地から目的地までの案内経路を設定する。特に、本実施形態では、記憶部10に記憶されている過去走行道路および過去訪問地点のいずれか少なくとも一方を通る経路を探索する。そして、後述する許容条件を満たす場合に、過去走行道路および過去訪問地点のいずれか少なくとも一方を通る経路を案内経路に設定する。この経路設定部51の処理は、
図2を用いて後に詳述する。
【0023】
走行履歴記憶処理部52は、走行中に逐次、記憶部10に走行履歴を記憶する。走行履歴は、前述したように、過去走行道路、過去訪問地点などである。なお、過去訪問地点には、車両が駐車した地点が含まれる。加えて、停車した地点や、停車もせずに通過した地点を含ませてもよい。
【0024】
コスト補正部53は、道路地図データの各リンクに付与されているコストを、そのリンクが過去走行道路である場合に、初期値から下げる補正を行う。リンクに付与されているコストには公知のように、距離のコスト、時間のコスト等がある。リンクが過去走行道路である場合には、それらすべてのコストを下げる。下げる程度は予め設定される。また、本実施形態では、走行回数が多いほどコストを低くする。以下、コスト補正部53が補正した後のコストを履歴考慮コストという。
【0025】
提示図生成部54は、経路設定部51が設定した案内経路が示された提示用経路図を生成する。そして、その提示用経路図を表示部40に表示する。提示図生成部54が生成する具体的な提示用経路図は後述する。
【0026】
経路案内部55は、経路設定部51が設定した案内経路を車両が走行するように経路案内を行う。
【0027】
図2は、制御部50の処理のうち、経路を設定して案内経路を表示するまでの処理を示すフローチャートである。
図2に示す処理は、たとえば、ユーザの目的地設定開始操作が行われたことにより開始する。
【0028】
ステップS1では、ユーザの入力部30への目的地入力操作に基づいて、目的地を設定する。目的地の設定は、目的地の名称を直接入力する、ジャンル、エリアにより順次絞り込みを行う等、公知の種々の操作により行う。
【0029】
ステップS2では、出発地から目的地までの経路を探索する経路探索処理を行う。詳しくは、
図3に示す3通りの経路探索処理を行う。
【0030】
経路探索処理1では、過去訪問地点を経由地に自動的に設定する。経由地に設定する過去訪問地点は、目的地から所定距離以内にあるという条件で、記憶部10に記憶されている走行履歴から抽出する。抽出する過去訪問地点の数は予め設定されており、その数は一つでも複数でもよい。複数の過去訪問地点を抽出する場合には、過去訪問地点ごとに経路探索処理1を実行する。また、経路探索処理1では、履歴考慮コストを用いて経路探索を行う。履歴考慮コストを用いることから、過去走行道路を通る経路が探索されやすくなる。
【0031】
経路探索処理2では、過去訪問地点を経由地に設定しない。履歴考慮コストを用いる点は経路探索処理1と同じである。
【0032】
経路探索処理3では、過去訪問地点を経由地に設定しない。また、未補正コスト、すなわち、コスト補正部53による補正が行われていないコストを用いて経路探索をする。つまり、経路探索処理3は、一般的な周知の経路探索処理を行う。
【0033】
これらの処理により探索される経路を、
図4を用いて説明する。
図4において、太線は過去走行道路を示している。経路探索処理1では、経路1や経路2が探索される。経路1、2はいずれも、経由地に設定された過去訪問地点P1を通る。また、経路1は過去走行道路は通らないのに対し、経路2は過去走行道路を通っている。経路探索処理1では、履歴考慮コストを使用するので、経路2が探索されることが多い。しかし、経路2が渋滞している等の理由により、履歴考慮コストを用いても、過去走行道路を通らない経路が探索されることもある。
【0034】
経路探索処理2では、経路2や経路3が探索される。経路探索処理2では、履歴考慮コストを使用することから、経路2、3はいずれも過去走行道路を通っている。ただし、経由地設定はしないので、経路3のように、経路探索処理1で設定される過去訪問地点P1を通らない経路が探索されることもある。
【0035】
経路探索処理3では、経路4が探索される。経路4は、未補正コストを使用しているので、過去走行道路を通らない経路が探索されることが多い。
【0036】
図2に説明を戻す。ステップS3では、ステップS2で探索した経路のコスト比較を行って、ステップS2で探索した経路のうちのいずれかを案内経路に設定する。コスト比較の際には、全ての経路の総コストを未補正コストで再算出する。そして、経路探索処理3で探索した経路の総コストを基準総コストとし、その他の経路の総コストを基準総コストから引くことでコスト差を算出する。
【0037】
このコスト差が許容条件を満たす場合に、経路探索処理1、2で探索した経路を案内経路とする。上記許容条件は、たとえば、コスト差が、正の値である所定値より小さいという条件である。この許容条件は、未補正コストを用いる通常の経路探索で考えると、たとえば時間がかかるなど、最良な経路ではないが、許容して経路に設定することを意味する。過去に走行している道路あるいは過去に訪問している地点を経由することができる安心感が得られるメリットを重視するのである。
【0038】
許容条件を満たす経路が複数ある場合には、その中で最も総コストが低い経路を案内経路に設定する。許容条件を満たす経路がない場合には、経路探索処理3で探索した経路を案内経路に設定する。以上のステップS1〜S3は経路設定部51の処理である。
【0039】
ステップS4では、提示用経路図を生成する。提示用経路図は、ステップS3で設定した案内経路が示された図である。実施形態1では、他に、その案内経路のうち、過去走行道路部分がどこであるか、案内経路を探索したときに用いた過去訪問地点の場所、新規走行部分の距離が示される。ステップS5では、ステップS4で生成した提示用経路図を表示部40に表示する。
【0040】
図5、6は、ステップS4、S5で生成、表示される提示用経路図の例である。
図5の例は、過去訪問地点P1が案内経路上にある例である。
図5において、Sは出発地(ここでは自宅)、Gは目的地、P1は過去訪問地点である。これら、出発地S、目的地G、過去訪問地点P1の図上の距離比率が実際の距離比率と同じになるように提示用経路図は生成される。また、
図5において、過去走行道路は太線で示されており、また、過去訪問地点P1から目的地Gまでの走行履歴がない経路(以下、新規走行部分)の距離xx(km)も示されている。
【0041】
図6の例は、過去訪問地点P1が案内経路上にない例である。経路探索処理2であれば、このような案内経路が設定されることもある。
図6でも、出発地S、目的地G、過去訪問地点P1、離脱地点L1の図上の距離比率は実際の距離比率と同じである。また、
図6でも、過去走行道路は太線で示される。
【0042】
なお、経路探索処理2では、過去訪問地点を経由地に設定していない。この
図6で表示する過去訪問地点P1は、
図6における過去走行道路を走行したときの訪問地点である。この訪問地点は、記憶部10の走行履歴から抽出する。
【0043】
離脱地点L1は過去走行道路から離脱する点である。
図6には、離脱地点L1から目的地Gまでの経路に沿った距離xx(km)、離脱地点L1から過去訪問地点までの距離aa(km)も示されている。
【0044】
(実施形態1の効果)
以上、説明した実施形態1では、許容条件を満たす場合には、過去走行道路および過去訪問地点の少なくとも一方を通るように案内経路が設定される(S3)。そして、その案内経路を含む提示用経路図(
図5、6)が表示部40に表示される(S5)。
【0045】
この案内経路は、過去走行道路および過去訪問地点の少なくとも一方を通るように設定された経路である。そのため、ユーザは、その過去走行道路を走行したとき、あるいは、その過去訪問地点を訪問するために走行したときの記憶と今回提示された案内経路とを照らし合わせることができる。よって、今回提示された案内経路を走行した場合に、走行用エネルギーである充電量が足りるかどうかをユーザ自身が予想することができる。
【0046】
そして、今の充電量で足りるとユーザ自身が判断できれば、提示された案内経路を走行することで、充電量不足になることなく目的地に到達することができるという安心感を持つことができる。
【0047】
特に、本実施形態では、提示用経路図には、案内経路のうちのどの部分が過去走行道路であるかが示され、また、過去訪問地点も示される。また、案内経路のうちの新規走行部分の距離も示される。
【0048】
これらが示されることで、たとえば、ユーザは、次のように、過去の記憶を参照して具体的に判断することができる。すなわち、過去走行道路を過去に走行したときは、過去訪問地点P1に到達したときに航続可能距離がy(km)であった。今回、過去訪問地点P1あるいは離脱地点からの距離がxx(km)である。よって、充電量不足になることなく目的地に到達することができる。
【0049】
このようにユーザ自身が過去の記憶を参照して具体的に判断することができるので、充電量不足になることなく目的地に到達することができるという安心感を持つことができるのである。
【0050】
(実施形態2)
次に実施形態2を説明する。なお、この実施形態2以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用することができる。
【0051】
実施形態2のナビゲーション装置200は、
図7に示すように、制御部50に、消費電力予測部56、到達可否判断部57が追加されている。また、提示図生成部54Aの処理は実施形態1の提示図生成部54と相違する。
【0052】
消費電力予測部56は、経路設定部51が設定した案内経路の総消費電力量の予測値である予測総消費電力量(予測総消費エネルギー相当)を決定する。予測総消費電力量の決定においては、案内経路を過去走行道路部分と新規走行部分の2種類の区間に分け、各種類の区間別に予測消費電力量を算出する。
【0053】
過去走行道路部分は、その過去走行道路を走行したときの消費電力量に基づいて予測消費電力量を決定する。過去走行道路を走行したときの消費電力量は、記憶部10に記憶されている、過去走行道路を走行したときの逐次の消費電力から算出する。
【0054】
過去走行道路部分の予測消費電力量の決定方法としては、たとえば、その過去走行道路を走行したときの消費電力量をそのまま予測消費電力量とする方法がある。あるいは、その過去走行道路を走行したときの消費電力量を、そのときの走行環境と今回の走行環境とに基づいて補正してもよい。走行環境には、天気、気温、乗員数などがある。これらをもとに、予め設定された補正式を用いて過去走行道路を走行したときの消費電力量を補正する。
【0055】
新規走行部分は、その経路を走行していなくても計算可能な消費電力決定方法により、予測消費電力量を決定する。たとえば、過去の全道路の走行実績に基づいて定まる係数を、新規走行部分の距離に乗じることで、新規走行部分を走行する際の予測消費電力量を算出する。そして、これら2つの予測消費電力量を合計することで、予測総消費電力量を算出する。
【0056】
到達可否判断部57は、消費電力予測部56が予測した予測総消費電力量と、現時点の充電量との比較に基づいて、出発地から目的地まで充電なしで到達できるか判断する。
なお、現時点の充電量は、請求項における、現時点で車両に蓄えられている走行用のエネルギーに相当する。到達可否判断部57の処理も、
図8の説明において詳しく説明する。
【0057】
図8は、実施形態2において、実施形態1の
図2に代えて実行する処理を示している。
図8のステップS11〜S13は、
図2のステップS1〜S3と同じである。続くステップS14〜S17は、消費電力予測部56が行う。
【0058】
ステップS14では、仮想出発地Siを決定する。仮想出発地Siは、案内経路上に過去訪問地点がある場合にはその過去訪問地点である。
図6に例示したように、案内経路上に過去訪問地点がない場合には、離脱地点が仮想出発地Siである。つまり、この仮想出発地Siは、案内経路のうち、新規走行部分の出発地を意味する。
【0059】
ステップS15では、出発地から仮想出発地Siまでの区間(すなわち、過去走行道路部分)を走行する際に消費すると予測される予測消費電力量Wh1を算出する。この予測消費電力量Wh1の算出には、走行履歴として記憶されている消費電力を用いるが、出発地から仮想出発地Siの各リンクに対応した消費電力を用いて、出発地から仮想出発地Siの各リンクの予測消費電力量を求める。
【0060】
たとえば、走行履歴として記憶されている消費電力のうち、出発地から仮想出発地Siまでの区間に対応する各リンクについての消費電力を抽出する。1つのリンクに対して、複数回の走行実績があるため、複数回分の消費電力が抽出できる場合には、たとえば、平均消費電力を用いる。また、最新の消費電力を用いてもよい。また、今回と、天候、気温等の走行環境が最も近いときの消費電力を用いてもよい。さらには、今回の走行環境と、抽出した消費電力を消費した走行時の走行環境とに基づいて、抽出した消費電力を補正してもよい。このようにして決定した各リンクの消費電力をもとに、過去走行道路部分を構成する全リンクに対して消費電力量を算出し、これを過去走行道路部分の予測消費電力量Wh1とする。
【0061】
ステップS16では、仮想出発地Siから目的地までの区間、すなわち、新規走行部分を走行する際に消費すると予測される予測消費電力量Wh2を算出する。新規部分の予測消費電力量は、たとえば、過去の走行実績に基づいて定まる係数を新規走行部分の距離に乗じることで算出する。
【0062】
ステップS17では、ステップS15で算出した予測消費電力量Wh1と、ステップS16で算出した予測消費電力量Wh2とを加算して、出発地から目的地まで走行する際に消費すると予測される消費電力量である予測総消費電力量Whtを算出する。
【0063】
ステップS18は到達可否判断部57が行う。このステップS18では、途中で充電しないで目的地へ到達できるか否かを判断する。この判断は、ステップS17で算出した予測総消費電力量Whtと、現時点でバッテリから出力可能な電力量とを比較することで行う。現時点でバッテリから出力可能な電力量は、バッテリの定格容量にSOCを乗じるなど、公知の手法で算出する。比較の結果、現時点でバッテリから出力可能な電力量の方が多い場合には、途中で充電しないで目的地へ到達できると判断する。
【0064】
ステップS19では、案内経路を走行した場合の航続可能距離を算出する。まず、ステップS18で目的地へ到達可能と判断している場合、現時点でバッテリから出力可能な電力量と予測総消費電力量Whtとの電力量差を算出する。この電力量差と、電力量から航続可能距離を算出する予め設定した式であって、経路を特定しない場合に用いる算出式(以下、航続可能距離算出式)とを用いて、目的地へ到達した時点でまだ走行できる距離を算出する。
【0065】
これに対して、ステップS18で目的地へ到達できないと判断している場合には、ステップS15で算出した予測消費電力量Wh1と、現時点でバッテリから出力可能な電力量とを比較する。比較の結果、現時点でバッテリから出力可能な電力量のほうが多い場合には、充電なしで走行できるのは、仮想出発地Si〜目的地の間のどこかの地点までである。この場合、さらに、現時点でバッテリから出力可能な電力量から予測消費電力量Wh1を引いた電力量差と、上記航続可能距離算出式とを用いて、仮想出発地Siを越えて走行できる距離を算出する。
【0066】
また、ステップS15で算出した予測消費電力量Wh1と現時点でバッテリから出力可能な電力量とを比較した結果、予測消費電力量Wh1の方が多い場合には、充電なしで走行できるのは、出発地〜仮想出発地Siの間のどこかの地点までである。
【0067】
この場合には、走行履歴として記憶されている消費電力のうち、出発地から仮想出発地Siまでの各リンクに対応した消費電力を出発地側から順次用いて、各リンクを走行する際の消費電力量を算出する。そして、各リンクを走行する際の消費電力量を出発地から積算していき、積算値が現時点でバッテリから出力可能な電力量を超えた場合、そのリンクの出発地側のノードを、充電なしで到達できる航続限界地点とする。そして、出発地からこの航続限界地点までの案内経路に沿った距離を航続可能距離とする。
【0068】
続くステップS20、S21は提示図生成部54Aが行う。ステップS20では、提示用経路図を生成する。ここで生成する提示用経路図には、実施形態1と同様、案内経路、その案内経路のうち過去走行道路部分がどこであるか、案内経路を探索したときに用いた過去訪問地点の場所、新規走行部分の距離が示される。実施形態2では、さらに、案内経路の総距離、ステップS18で決定した到達可否判断結果、ステップS19で算出した航続可能距離も、提示用経路図に示される。
【0069】
ステップS21では、ステップS20で生成した提示用経路図を表示部40に表示する。
図9は、ステップS20、S21で生成、表示される提示用経路図の例である。
図9には、航続可能距離z1(km)が示されており、それに隣接して、到達可否判断結果が「充電なしで到達できます。」という表現で示されている。その上に、カッコで示しているのは他の例であり、航続可能距離z2が示され、それに隣接して到達可否判断結果が「途中での充電が必要です。」という表現で示されている。なお、図示していないが、途中での充電が必要である場合、推奨する充電スポットも提示用経路図に含ませてもよい。
【0070】
(実施形態2の効果)
以上、説明した実施形態2では、実施形態1の効果に加えて、途中での充電なし(すなわちエネルギー補充なし)で目的地まで到達できるかどうかを、過去走行道路部分と新規走行部分とに分けて消費電力量を予測して判断する(S15〜S18)。
【0071】
すなわち、新規走行部分については、特定の道路に限定されない消費電力決定方法により予測消費電力量を決定する(S16)。しかし、過去走行道路部分については、その過去走行道路を走行した履歴のみを用いて、過去走行道路部分を走行することで消費すると予測される予測消費電力量を決定する(S15)。そのため、過去走行道路部分の予測消費電力量の予測精度が向上する。その結果、途中での充電なしで目的地まで到達できるか否かの判断精度が向上する。
【0072】
そして、提示用経路図には、途中での充電なしで目的地まで到達できるか否かの判断結果が示され、かつ、航続可能距離も示される。ユーザは、示された航続可能距離と、過去に過去訪問地点を訪問したときの航続可能距離とを比較して、提示用経路図に含まれている、目的地まで到達できるか否かの判断結果の信頼性を判断することができる。
【0073】
(実施形態3)
実施形態3では、実施形態2の
図8に代えて、
図10を実行する。ステップ31〜S34までは、
図8のステップS11〜S14と同じである。なお、ステップS34からステップS37は消費電力予測部56が行う。
【0074】
続くステップS35では、出発地と仮想出発地Siの間の往路および復路の予測消費電力量Wh11、Wh12をそれぞれ算出する。
【0075】
これらは、それぞれ、出発地から仮想出発地Siの各リンクの往路、復路の予測消費電力量を合計することで求める。各リンクの往路、復路の予測消費電力量は、走行履歴に含まれている消費電力のうち、出発地から仮想出発地Siの各リンクに対応した消費電力であって、かつ、走行方向も今回の往路、復路に対応した消費電力を用いて求める。リンクが坂道である場合には、往路と復路とで消費電力量が異なることになる。各リンクの消費電力量の求め方は、往路と復路とを区別する以外は、
図8のステップS15と同じである。
【0076】
ステップS36では、仮想出発地Siと目的地の間の往路および復路の予測消費電力量Wh21、Wh22をそれぞれ算出する。求め方は、たとえば、各リンクの距離と傾斜とから消費電力量を算出する予め設定した計算式に、仮想出発地Siと目的地の間の各リンクの距離と傾斜を代入して、各リンクの往路と復路の予測消費電力量を算出する。そして、往路および復路、別々に、仮想出発地Siと目的地の間の各リンクの予測消費電力量を合計することで、目的地の間の往路および復路の予測消費電力量Wh21、Wh22をそれぞれ算出する。
【0077】
ステップS37では、ステップS35で算出した予測消費電力量Wh11、Wh12と、ステップS36で算出した予測消費電力量Wh21、Wh22を合計することで、予測総消費電力量Wht1を算出する。
【0078】
ステップS38は到達可否判断部57が行う。このステップS38では、途中で充電しないで、出発地と目的地との間を往復できるか否かを判断する。この判断は、ステップS37で算出した予測総消費電力量Wht1と、現時点でバッテリから出力可能な電力量とを比較することで行う。比較の結果、現時点でバッテリから出力可能な電力量の方が多い場合には、途中で充電しないで往復ができると判断する。
【0079】
ステップS39では、案内経路を走行した場合の航続可能距離を算出する。まず、ステップS38で往復できると判断している場合、現時点でバッテリから出力可能な電力量と予測総消費電力量Wht1との電力量差を算出する。この電力量差と、前述した航続可能距離算出式とを用いて、出発地へ戻ってきた後にまだ走行できる距離を算出する。
【0080】
これに対して、ステップS38で往復できないと判断した場合には、ステップS35、S36で算出した各リンクの予測消費電力量を出発地から順に積算する。そして、積算値が、現時点でバッテリが出力可能な電力量を超えたときのリンクの始点側のノードを航続限界地点とする。そして、出発地からこの航続限界地点までの案内経路に沿った距離を航続可能距離とする。
【0081】
ステップS40では、提示用経路図を生成する。ここで生成する提示用経路図には、実施形態1、2と同様、案内経路、その案内経路のうち過去走行道路部分がどこであるか、案内経路を探索したときに用いた過去訪問地点の場所、新規走行部分の距離が示される。さらに、案内経路の総距離、ステップS38で決定した往復可否判断結果、ステップS39で算出した航続可能距離も、提示用経路図に示される。
【0082】
ステップS41では、ステップS40で生成した提示用経路図を表示部40に表示する。
図11は、ステップS40、S41で生成、表示される提示用経路図の例である。
図11には、航続可能距離z3(km)が示されており、それに隣接して、到達可否判断結果が「充電なしで到達できます。」という表現で示されている。その上に、カッコで示しているのは他の例であり、航続可能距離z4が示され、それに隣接して到達可否判断結果が「途中での充電が必要です。」という表現で示されている。
【0083】
(実施形態3の効果)
以上、説明した実施形態3では、実施形態1の効果に加えて、途中での充電なし(すなわちエネルギー補充なし)で、出発地と目的地との間を往復できるかどうかを、過去走行道路部分と新規走行部分とに分けて消費電力量を予測して判断する(S35〜S38)。そのため、過去走行道路部分の予測消費電力量の予測精度が向上するので、途中での充電なしで出発地と目的地とを往復できるか否かの判断精度が向上する。
【0084】
また、提示用経路図には、途中での充電なしで出発地と目的地とを往復できるか否かの判断結果が示され、かつ、航続可能距離も示される。ユーザは、示された航続可能距離と、過去に過去訪問地点を訪問したときの航続可能距離とを比較して、提示用経路図に含まれている、出発地と目的地との間を充電なしで往復できるか否かの判断結果の信頼性を判断することができる。
【0085】
(実施形態4)
実施形態4は、出発地から目的地までの経路のうち、出発地側に、走行履歴がない新規走行部分が存在する例である。出発地(たとえば自宅)から目的地に向かい、その目的地から出発地へ戻る場合には、帰りの経路が行きの経路と同じになる可能性が高く、その場合には、帰りの経路は、経路全体が過去走行道路になる。
【0086】
しかし、たとえば、
図12に示すように、出発地(たとえば自宅60)から最初の目的地P2へ到着した後、次の目的地P3へ行き、そこを出発地Sとして自宅60を目的地Gに設定する場合には、出発地側に、走行履歴がない新規走行部分が存在する可能性がある。
【0087】
実施形態4では、実施形態2の
図8に代えて、
図13を実行する。ステップS51〜S53までは、
図8のステップS11〜S13と同じである。続くステップS54〜S58は、消費電力予測部56が行う。
【0088】
ステップS54では、出発地側に新規走行部分があるか否かを判断する。この判断がNOである場合には、
図8のステップS14あるいは
図10のステップ34へ進む。
【0089】
ステップS54の判断がYESであればステップS55に進む。ステップS55では、仮想目的地Gi(
図12参照)を決定する。仮想目的地Giは、案内経路上における過去走行道路部分の最も出発地側のノードである。この仮想目的地は、案内経路のうち、新規走行部分の最終地点を意味する。
【0090】
ステップS56では、出発地から仮想目的地までの区間を走行する際に消費すると予測される予測消費電力量Wh3を算出する。この区間は、新規走行部分であるので、算出方法は
図8のステップS16と同じである。
【0091】
ステップS57では、仮想目的地から目的地までの区間を走行する際に消費すると予測される予測消費電力量Wh4を算出する。この区間は、過去走行道路部分であるので、算出方法は
図8のステップS15と同じである。
【0092】
ステップS58では、ステップS56で算出した予測消費電力量Wh3と、ステップS57で算出した予測消費電力量Wh4とを加算して予測総消費電力量Whtを算出する。
【0093】
ステップS59は到達可否判断部57が行う。このステップS59では、途中で充電しないで目的地へ到達できるか否かを判断する。この判断は、ステップS58で算出した予測総消費電力量Whtと、現時点でバッテリから出力可能な電力量とを比較することで行う。
【0094】
ステップS60〜S62の処理は、それぞれ、
図8のステップS19〜S21と同じ処理である。すなわち、ステップS60では案内経路を走行した場合の航続可能距離を算出し、ステップS61では提示用経路図を生成し、ステップS62では提示用経路図を表示部40に表示する。
【0095】
(実施形態4の効果)
この実施形態4は、第2実施形態の仮想出発地Siに代えて、仮想目的地Giを用いるのみであることから、実施形態2と同様の効果を奏する。
【0096】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0097】
(変形例1)
たとえば、前述の実施形態では、車両は電気自動車であったが、本発明は、ガソリン車、ディーゼル車、燃料電池自動車、複数の動力源を用いるハイブリッド車など、どのような駆動力源を用いる車両にも本発明は適用できる。
【0098】
(変形例2)
実施形態1では、履歴考慮コストを走行回数が多いほど低くしていたが、走行したことがある場合には、走行回数によらず、同じようにコストを低下させてもよい。