(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の構造の変形例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の構造の変形例を示す断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の構造の変形例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるドリフト領域形成工程を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるエッチング工程を説明するための図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における堆積膜形成工程を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における犠牲酸化工程を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるウェットエッチング工程を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における多結晶シリコン堆積工程を説明するための図である。
【
図11】
図11は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるP型不純物導入工程を説明するための図である。
【
図12】
図12は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるN型不純物導入工程を説明するための図である。
【
図13】
図13は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における活性化工程を説明するための図である。
【
図14】
図14は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における別の堆積膜形成工程を説明するための図である。
【
図15】
図15は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における別の犠牲酸化工程を説明するための図である。
【
図16】
図16は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の構造の変形例を示す断面図である。
【
図17】
図17は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における別の堆積膜形成工程を説明するための図である。
【
図18】
図18は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における別の犠牲酸化工程を説明するための図である。
【
図19】
図19は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図20】
図20は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるP型不純物導入工程を説明するための図である。
【
図21】
図21は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるP型不純物導入工程を説明するための図である。
【
図22】
図22は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図23】
図23は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるN型不純物導入工程を説明するための図である。
【
図24】
図24は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるN型不純物導入工程を説明するための図である。
【
図25】
図25は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるP型不純物導入工程を説明するための図である。
【
図26】
図26は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図27】
図27は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるエッチング工程を説明するための図である。
【
図28】
図28は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法における活性化工程を説明するための図である。
【
図29】
図29は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の構造の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した第1〜第4実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
[第1実施形態]
[半導体装置の構成]
図1は本実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。以下の説明において、記号+、−は導入される不純物密度が高密度か低密度かを意味している。
【0012】
図1に示すように、半導体装置1は、半導体基体であるN+型炭化珪素基体3上にN−型炭化珪素からなるドリフト領域5が形成されている。ドリフト領域5のN+型炭化珪素基体3と反対側の主面には、所定の位置に1ないし複数の溝7が形成され、溝7が存在していないドリフト領域5の主面上には第1領域としてN+型多結晶シリコン9が形成されている。一方、溝7の内部には第2領域としてP+型多結晶シリコン11が充填された状態で形成されている。
【0013】
ここで、N+型多結晶シリコン9とP+型多結晶シリコン11の両方の多結晶シリコンとドリフト領域5は、互いに異なるバンドギャップから形成されており、ヘテロ接合界面を形成している。さらに、第2領域のP+型多結晶シリコン11とドリフト領域5との間の仕事関数の差は、少なくとも第1領域のN+型多結晶シリコン9とドリフト領域5との間の仕事関数の差よりも大きくなるように形成されている。
【0014】
また、P+型多結晶シリコン11及びN+型多結晶シリコン9上には、両方の多結晶シリコンとオーミック接続されたアノード電極13が形成されている。一方、N+型炭化珪素基体3の裏面にはカソード電極15が形成されている。
【0015】
尚、図示していないが、半導体装置1の最外周部にはガードリングや終端構造からなる電解緩和構造を備えていてもよい。また、
図1では、本実施形態に係る半導体装置1を縦型の半導体装置として示したが、カソード電極がアノード電極と同じようにドリフト領域5の主面上に形成される横型の半導体装置であってもよい。
【0016】
さらに、本実施形態では、炭化珪素(SiC)をN+型炭化珪素基体3及びドリフト領域5の材料としているが、炭化珪素に限定されるものではなく、窒化ガリウムやダイヤモンドから形成されていてもよい。また、本実施形態では、第1領域と第2領域を多結晶シリコンで形成しているが、半導体基体と異なるバンドギャップを有する半導体材料であれば、多結晶シリコンに限定されるものではない。例えば、単結晶シリコンやアモルファスシリコン、単結晶シリコンゲルマニウム、多結晶シリコンゲルマニウム、アモルファスシリコンゲルマニウム等で形成されていてもよい。さらには、単結晶ゲルマニウムや多結晶ゲルマニウム、アモルファスゲルマニウム、単結晶ガリウムヒ素、多結晶ガリウムヒ素、アモルファスガリウムヒ素等で形成されていてもよい。
【0017】
次に、溝7の形状について説明する。
図1に示すように、溝7は、ドリフト領域5の主面上の開口部からドリフト領域5の内部へ向けて形成され、開口部の幅よりも幅の広くなる部分がドリフト領域5の内部に少なくとも存在するような形状となっている。
【0018】
特に、
図1では、開口部からドリフト領域5の内部へ向けて連続的に溝7の幅が変化して広がっていき、溝7の幅が最も広くなる部分が溝7の底部に形成されている。そして、溝7の底部では底部の中心位置よりも端部のほうが深い位置に形成されている。
【0019】
ただし、溝7は開口部の幅よりも幅の広くなる部分がドリフト領域5の内部のどこかに存在していればよいので、溝7の幅が最も広くなる部分を溝7の底部に形成する必要はない。しかし、溝7の幅が最も広くなる部分を溝7の深さの半分より下方に形成することが好ましい。
【0020】
また、溝7の幅は開口部から徐々に幅を広げる形状にする必要はなく、
図2に示すように開口部の近傍で急激に幅を広げ、それより下方では溝7の幅を一定にするような形状であってもよい。
【0021】
さらに、第2領域となるP+型多結晶シリコン11は、
図3、
図4に示すように少なくとも溝7の幅が最も広くなる部分に形成されていればよい。溝7の幅が最も広くなる部分にP+型多結晶シリコン11が形成されていれば、隣接する溝7が最も近接する位置で空乏層を形成できるので、逆方向の耐圧を維持することができる。
【0022】
また、
図3、
図4に示すように、N+型多結晶シリコン9をドリフト領域5の主面上だけではなく、溝7の上部にも形成すれば、N+型多結晶シリコン9とドリフト領域5との間の接合面積が増加するので、順方向の電流密度をさらに向上させることができる。
【0023】
[半導体装置の動作]
本実施形態に係る半導体装置1に順方向電圧を印加すると、N+型多結晶シリコン9は、P+型多結晶シリコン11よりも仕事関数が低いので、N+型多結晶シリコン9が先にオンする。これにより立ち上がり電圧の低い低オン抵抗の特性を得ることができる。
【0024】
また、溝7の開口部の幅を狭くしたので、N+型多結晶シリコン9の幅を広げることができる。これにより、N+型多結晶シリコン9とドリフト領域5との間の接合面積を増やすことができるので、順方向特性の電流密度を向上させることができる。
【0025】
そして、順方向の印加電圧をさらに上昇させると、P+型多結晶シリコン11もアノード電極13にオーミック接続されているので、電流経路として働いてオンし、順方向電流を増加させる。また、溝7の幅がドリフト領域5の内部で広がっていることにより、P+型多結晶シリコン11の表面積が増え、ドリフト領域5との間の接合面積が大きくなるので、順方向特性の電流密度を向上させることができる。
【0026】
一方、逆方向電圧を印加すると、N+型多結晶シリコン9よりも仕事関数が高いP+型多結晶シリコン11からドリフト領域5の内部に空乏層が広がり、この空乏層によって仕事関数の低いN+型多結晶シリコン9からのリークパスを遮断できる。
【0027】
また、本実施形態に係る半導体装置1では、溝7の形状が開口部で狭く、ドリフト領域5の内部で広くなる形状となっており、溝7の内部に、ドリフト領域5との間のビルトイン電圧が大きく、逆方向の耐圧が高いP+型多結晶シリコン11が形成されている。これにより、隣接する溝7の幅の広い部分同士を近接させて空乏層を広げることができるので、ピンチオフさせやすく、逆方向の耐圧を高くすることができる。
【0028】
さらに、溝7の幅が最も広くなる部分を溝7の深さの半分より下方、特に溝7の底部に形成すれば、隣接する溝7の幅が最も広くなった部分同士がドリフト領域5の深い位置で近接することになり、空乏層をドリフト領域5の深い位置で広げることができる。
【0029】
尚、溝7の幅が最も広くなる部分の曲率半径を大きくすることにより、電界集中を緩和させることができる。
【0030】
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について、
図5〜
図18を参照して説明する。
【0031】
まず、
図5に示すドリフト領域形成工程では、例えばN+型炭化珪素基体3上にN−型炭化珪素からなるドリフト領域5を積層して形成する。
【0032】
図6に示すエッチング工程では、ドリフト領域5上に形成したマスク(図示せず)を用いてドライエッチングによりドリフト領域5の主面上に1ないし複数の溝7を形成する。このとき溝7の表面上にはドライエッチングによるダメージ層(図示せず)が形成されている。そして、溝の形成が完了すると、マスクを除去する。
【0033】
図7に示す堆積膜形成工程では、ドリフト領域5の主面上や溝7の内面に堆積膜51を堆積させる。堆積方法としては常圧化学気相堆積法が適しており、この方法で堆積させることにより、溝7の側壁には開口部から底部にかけて徐々に膜厚が薄くなるように堆積させることができる。また、溝7の底部には中心位置よりも端部の膜厚のほうが薄くなるように堆積させることができる。
【0034】
ただし、堆積膜の形状は
図7に示す形状に限定されるものではなく、開口部の位置における膜厚よりも薄くなる部分がドリフト領域の内部に少なくとも存在するように堆積膜を形成できればよい。また、堆積膜51の形状は溝7の最終的な形状に応じて変化するので、溝7の最終的な形状に合わせて堆積方法や条件を調整する。尚、この工程で堆積させる堆積膜は酸化膜が望ましいが、窒化膜や多結晶シリコンで堆積膜を形成することも可能である。
【0035】
次に、
図8に示す犠牲酸化工程では、エッチング工程で行われたドライエッチングによって溝7の内面に形成されたダメージ層を除去及び回復させるために900℃〜1600℃程度の犠牲酸化を実施して熱酸化膜53を形成する。このとき、堆積膜51の膜厚に応じてドリフト領域5の酸化レートが異なるので、堆積膜51の膜厚が厚い箇所はドリフト領域5の酸化レートが遅くなり、堆積膜51の膜厚が薄い箇所ではドリフト領域5の酸化レートが早くなる。この結果、犠牲酸化によって形成される熱酸化膜53の膜厚は堆積膜51の膜厚に応じて変化する。
【0036】
尚、熱酸化膜の形成方法としては、ドライ酸化やパイロジェニック酸化、N2O酸化等の方法があり、酸化方法・酸化種、時間・流量によって酸化レートや溝7の側壁と底部との酸化比率を変えることができる。これにより、溝7の最終的な形状、すなわち溝7の深さや幅を所望の形状に形成することができる。また、本実施形態では、高温熱処理による犠牲酸化の方法を一例として示したが、熱酸化膜53の部分をケミカルドライッチング法でエッチングしても本実施形態で示す溝7と同様の形状を得ることができる。
【0037】
次に、
図9に示すウェットエッチング工程では、
図8に示した堆積膜51と熱酸化膜53を、フッ酸を含むウェットエッチングで一度に除去する。
【0038】
図10に示す多結晶シリコン堆積工程では、溝7の内部及びドリフト領域5の主面上に多結晶シリコン膜55を堆積する。
【0039】
図11に示すP型不純物導入工程では、溝7の開口部の上部以外にマスク層57を形成し、溝7の内部に堆積した多結晶シリコン膜55に第2導電型となるP型不純物59を導入する。このとき、不純物種としてはボロンを好適に用いることができ、溝7の側面に堆積した多結晶シリコン膜55にP型不純物59を高濃度で導入できるように、斜めからのイオン注入法やガスドーピング等を用いることが好ましい。
【0040】
図12に示すN型不純物導入工程では、溝7の開口部の上部にマスク層61を形成し、ドリフト領域5の主面上に堆積した多結晶シリコン膜55に第1導電型となるN型不純物63を導入する。このとき、不純物種としてはリンを好適に用いることができる。
【0041】
図13に示す活性化工程では、多結晶シリコン膜55に導入された不純物の活性化熱処理を実施する。これにより、溝7の内部に堆積した多結晶シリコン膜55はP型不純物の拡散によって導電型がP型となり、ドリフト領域5の主面上に堆積した多結晶シリコン膜55はN型不純物の拡散によって導電型がN型となる。そして、ドリフト領域5の主面上には第1領域としてN+型多結晶シリコン9が形成され、溝7の内部には第2領域としてP+型多結晶シリコン11が形成される。
【0042】
この後、N+型炭化珪素基体3の裏面にオーミック接続されるカソード電極15を形成し、P+型多結晶シリコン11及びN+型多結晶シリコン9にオーミック接続されるアノード電極13を形成して
図1に示す半導体装置1が完成する。
【0043】
カソード電極15を形成する際には、N+型炭化珪素基体3とカソード電極15がオーミック接触となるように、必要に応じて1000℃程度のRTA(Rapid Thermal Anneal)を実施する。
【0044】
尚、アノード電極13、カソード電極15の電極材料としては、チタンやアルミニウム、ニッケル、銀等を用いることが可能である。ここで、P+型多結晶シリコン11とN+型多結晶シリコン9の両方の多結晶シリコンは、高密度に不純物がドーピングされているので、多結晶シリコンとアノード電極13との間はオーミック接触となる。
【0045】
尚、
図7に示した堆積膜形成工程において、
図14に示すように、溝7の底部に堆積膜51を堆積させないか、または均一に薄く堆積させれば、犠牲酸化工程において、
図15に示すように溝7の底部の熱酸化膜53の厚みをほぼ均等にすることができる。これにより、
図16に示すように最終的に形成された溝7の底部を平坦にすることができる。
【0046】
また、
図17に示すように、溝7の側壁に形成される堆積膜51を開口部から浅く堆積させれば、
図18に示すような熱酸化膜53を形成することができ、
図2に示したように溝7の上部で幅を広くした形状を得ることができる。
【0047】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る半導体装置では、ドリフト領域の主面上の開口部からドリフト領域の内部へ向けて形成された溝を備え、溝の形状を開口部の幅よりも幅の広くなる部分がドリフト領域の内部に少なくとも存在するような形状とする。これにより、ドリフト領域の内部において第2領域の幅を広くできるので、逆方向の耐圧低下を防止することができる。一方、溝の開口部の幅は狭くできるので、第1領域の幅を広くすることができ、順方向電流を増加させることができる。したがって、本発明によれば、逆方向の耐圧を低下させずに順方向電流を増加させることができる。
【0048】
また、本実施形態に係る半導体装置では、第1領域と第2領域を半導体材料によって形成し、ドリフト領域とヘテロ接合を有している。これにより、第1領域と第2領域をドリフト領域に一度で接合することが可能となる。また、第1領域と第2領域への不純物の導入の仕方によって必要に応じて最適な耐圧に調整することができる。
【0049】
さらに、本実施形態に係る半導体装置では、第1領域がN+型多結晶シリコンによって第1導電型を有し、第2領域がP+型多結晶シリコンによって第2導電型を有している。これにより、順方向電圧の印加時にはN+型多結晶シリコンが低電圧でオン動作を行い、逆方向電圧の印加時にはP+型多結晶シリコンから広がる空乏層によって高い耐圧特性を得ることができる。したがって、低い順方向の立ち上り電圧と低い逆方向のリーク電流を両立することができる。
【0050】
また、本実施形態に係る半導体装置では、溝の底部が底部の中心位置よりも端部のほうが深い位置に形成されている。これにより、ドリフト領域の深い位置に空乏層を形成することができるので、逆方向の耐圧特性を向上させることができる。
【0051】
さらに、本実施形態に係る半導体装置では、溝の幅が最も広くなる部分を溝の深さの半分より下方に形成している。これにより、ドリフト領域の深い位置に空乏層を形成することができるので、逆方向の耐圧特性を向上させることができる。
【0052】
また、本実施形態に係る半導体装置によれば、溝の幅を連続的に変化させたので、溝とドリフト領域との間の接合面積を増加させることができ、順方向特性の電流密度を向上させることができる。
【0053】
さらに、本実施形態に係る半導体装置によれば、溝の幅が最も広くなる部分には少なくとも第2領域を形成したので、隣接する溝が最も近接する位置には少なくとも空乏層を形成することができ、逆方向の耐圧特性を維持することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、溝の内面に堆積膜を形成する工程において、ドリフト領域の主面の位置における膜厚よりも薄くなる部分がドリフト領域の内部に少なくとも存在するように堆積膜を形成する。そして、犠牲酸化を行って溝の内面からドリフト領域へ熱酸化膜を形成し、堆積膜と熱酸化膜とをエッチングによって除去する。これにより、ドリフト領域に形成された溝の形状を、開口部の幅よりも幅の広くなる部分がドリフト領域の内部に少なくとも存在するような形状にすることができ、上述した本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0055】
さらに、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、堆積膜を酸化膜としたので、犠牲酸化によって形成された熱酸化膜と同質の膜となり、容易にエッチングによって除去することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、犠牲酸化を900℃から1600℃の処理温度で実施するので、ダメージ層を除去して回復させることができる。
【0057】
さらに、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、溝の内面に形成された堆積膜と熱酸化膜を、フッ酸を含む溶液でエッチングして除去する。これにより、堆積膜と熱酸化膜を同時に除去することができるので、製造工程を簡略化することができる。
【0058】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る半導体装置について図面を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0059】
[半導体装置の構成]
図19は、本実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。
図19に示すように、本実施形態に係る半導体装置71は、第1実施形態のN+型多結晶シリコン9の代わりに第1領域としてP−型多結晶シリコン73を形成したことが第1実施形態と相違している。
【0060】
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、
図12に示したN型不純物導入工程において、N型不純物の代わりにP型不純物を導入すればよい。このとき、
図11に示したP型不純物導入工程において導入されたP型不純物よりも量が少なくなるように導入する。
【0061】
これにより第1領域をP−型多結晶シリコン73で形成した半導体装置71を製造することができる。
【0062】
また、別の製造方法としては、
図11に示したP型不純物導入工程において第1領域を覆っていたマスク層57を形成せずに、
図20に示すように第1領域と第2領域の両方にP型不純物59を導入する。
【0063】
その後、
図21に示すように第1領域をマスク層75で覆い、第2領域に第1領域よりもP型不純物が多くなるように、さらにP型不純物59を導入する。これにより、第1領域をP−型多結晶シリコン73とし、第2領域をP+型多結晶シリコン11とすることができる。
【0064】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る半導体装置では、第1領域と第2領域がいずれもP型多結晶シリコンで形成され、同一の導電型を有している。これにより、逆方向電圧の印加時に第1領域からも空乏層が広がるので、よりオフ性を高めることができ、高い逆方向の耐圧特性を得ることができる。また、
図20に示したように、マスク層を省略できるので製造工程を簡略化することができる。
【0065】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る半導体装置について図面を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0066】
[半導体装置の構成]
図22は、本実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。
図22に示すように、本実施形態に係る半導体装置81は、第1実施形態のP+型多結晶シリコン11の代わりに第2領域としてN−型多結晶シリコン83を形成したことが第1実施形態と相違している。
【0067】
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、
図11に示したP型不純物導入工程において、P型不純物の代わりにN型不純物を導入すればよい。このとき、
図12に示したN型不純物導入工程において導入されるN型不純物よりも量が少なくなるように導入する。
【0068】
これにより第2領域をN−型多結晶シリコン83で形成した半導体装置81を製造することができる。
【0069】
また、別の製造方法としては、
図11に示したP型不純物導入工程において第1領域を覆っていたマスク層57を形成せずに、
図23に示すように第1領域と第2領域の両方にN型不純物63を導入する。
【0070】
その後、
図24に示すように第2領域をマスク層85で覆い、第1領域のN型不純物が第2領域よりも多くなるように、さらにN型不純物63を導入する。これにより、第1領域をN+型多結晶シリコン9とし、第2領域をN−型多結晶シリコン83とすることができる。
【0071】
もしくは、
図23に示すように第1領域と第2領域の両方にN型不純物63を導入して2つの領域ともにN+型多結晶シリコンとした後に、
図25に示すように第1領域をマスク層87で覆い、第2領域にN型不純物63よりも少ない量のP型不純物59を導入する。これにより、第2領域をN−型多結晶シリコン83とすることができる。
【0072】
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る半導体装置では、第1領域と第2領域がいずれもN型多結晶シリコンで形成され、同一の導電型を有している。これにより、順方向電圧の印加時に第2領域も低い電圧で立ち上がる低オン抵抗とすることができるので、順方向特性の電流密度を向上させることができる。また、
図23に示すように、マスク層を省略できるので製造工程を簡略化することができる。
【0073】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る半導体装置について図面を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0074】
[半導体装置の構成]
図26は、本実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。
図26に示すように、本実施形態に係る半導体装置91は、第1実施形態のN+型多結晶シリコン9の代わりに第1領域を金属材料で形成して第1メタル電極93としたことが第1実施形態と相違している。そして、この第1メタル電極93とドリフト領域5との間はショットキー接合される。尚、第1メタル電極93を形成するための金属材料としては、Ni(ニッケル)やTi(チタン)を用いることができる。
【0075】
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、
図12に示したN型不純物導入工程においてN型不純物を導入するのではなく、
図27に示すようにマスク層61を利用して第1領域の多結晶シリコン膜55をエッチングにより除去する。
【0076】
この後、マスク層61を除去してから多結晶シリコン膜55に導入された不純物の活性化熱処理を行うと、
図28に示すように第2領域がP+型多結晶シリコン11となる。そして、この上から第1メタル電極93を蒸着もしくはスパッタによって形成すると、
図26に示した本実施形態に係る半導体装置91を製造することができる。
【0077】
尚、本実施形態の変形例として、第1領域だけでなく、第2領域についても金属材料で形成し、第2領域を第2メタル電極とすることも可能である。この場合に、第2メタル電極は第1メタル電極93と異なる金属材料で形成し、この金属材料は第1メタル電極93の金属材料よりも仕事関数が高いものとする。そして、第2メタル電極とドリフト領域5との間はショットキー接合される。
【0078】
ここで、第2メタル電極は第2領域のうち少なくともドリフト領域5に接する部分に形成されていればよいので、
図29に示すように第2メタル電極95を溝7の内面に沿って薄く形成し、溝7の内部には第1メタル電極93を充填した構造としてもよい。
【0079】
図29に示す構造の半導体装置の製造方法としては、溝7を形成した後に溝7の内面に薄く第2メタル電極95を形成してから全体に第1メタル電極93を形成すればよい。
【0080】
[第4実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る半導体装置では、第1領域が金属材料で形成されてドリフト領域とショットキー接合を有し、第2領域が半導体材料で形成されてドリフト領域とヘテロ接合を有している。これにより、順方向電圧の印加時には第1領域を形成する金属材料の仕事関数による順方向特性が得られ、逆方向電圧の印加時には第2領域の半導体材料によって形成される空乏層で高いオフ性を得ることができる。
【0081】
また、本実施形態に係る半導体装置では、第1領域と第2領域が異なる金属材料で形成され、ドリフト領域とショットキー接合を有している。これにより、不純物を導入する工程を省略できるので、製造工程を簡略化することができる。
【0082】
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。