(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248569
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】指針式計器装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/01 20060101AFI20171211BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/00 A
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-239413(P2013-239413)
(22)【出願日】2013年11月20日
(65)【公開番号】特開2015-99286(P2015-99286A)
(43)【公開日】2015年5月28日
【審査請求日】2016年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】内池 俊一郎
【審査官】
山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−003355(JP,A)
【文献】
特開2011−248317(JP,A)
【文献】
特開2003−262821(JP,A)
【文献】
特開2008−013163(JP,A)
【文献】
特開2007−087792(JP,A)
【文献】
米国特許第4889780(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子と、前記発光素子が発した光を屈折させるプリズム部材と、複数の前記発光素子に各々対応する開口部を有する遮光部材と、を備え、
前記プリズム部材は、稜線が前記発光素子の配列方向に対して所定角度を有するように形成された多数のプリズムレンズと、スリット部とを有し、
前記遮光部材は前記スリット部に挿入される遮光壁を有することを特徴とする車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発光素子を備えた車両用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ヘッドアップディスプレイと称される車両用表示装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。斯かる車両用表示装置は、車両のダッシュボードに配設されており、ウィンドシールドに光を投射して虚像を表示させることによって警告情報を報知するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−184481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、虚像が所望の位置に表示されないという問題を有していた。つまり、車両のダッシュボード内には送風ダクトが配置されているため、車両用表示装置を配置できる個所や、車両用表示装置の取付角度が限定されており、更に、ウィンドシールドが複雑に湾曲した形状になっているため、例えば、同じ高さに表示させたい複数の虚像が違う高さに表示されてしまう虞があった。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、虚像を所望の位置に表示できる車両用表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(削除)
【0006】
本発明は、複数の発光素子11〜15と、前記発光素子11〜15が発した光を屈折させるプリズム部材20と、複数の前記発光素子11〜15に各々対応する開口部31a〜31eを有する遮光部材30と、を備え、前記プリズム部材20は稜線21aが前記発光素子11〜15の配列方向に対して所定角度θを有するように形成された多数のプリズムレンズ21
と、スリット部24を有し、前記遮光部材30は前記スリット部24に挿入される遮光壁32を有するものである。
【0007】
(削除)
【発明の効果】
【0008】
プリズム部材によって発光素子が発した光を屈折させることにより、虚像を所望の位置に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】同上実施形態を示すプリズム部材の上面図及び断面図。
【
図4】同上実施形態を示す車両用ヘッドアップディスプレイの概観図。
【
図5】同上実施形態を示す車両用ヘッドアップディスプレイの概観図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。
【0011】
車両用表示装置1は、車両のダッシュボード2に配設されており、光Lを発する。車両用表示装置1は、ウィンドシールド3に光Lを投射し、虚像V1〜V5を表示するものである。車両用表示装置1は、発光素子11〜15,プリズム部材20,遮光部材30,透光性カバー40,回路基板50,上ケース60,下ケース70を備えている。
【0012】
発光素子11〜15は、表面実装型の発光ダイオードからなるものであり、回路基板50の上面に搭載されている。発光素子11,15は、橙色光を発するものであり、集光レンズ部が一体になっている。発光素子12,14は、赤色光を発するものであり、集光レンズ部が一体になっている。発光素子12,14は、発光素子11と発光素子15との間に配置されている。発光素子13は、緑色光を発するものであり、集光レンズ18が別体になっている。発光素子13の前方には集光レンズ18が配設されており、この集光レンズ18によって発光素子13が発した光を集光させる。発光素子13は、発光素子12と発光素子14との間に配置されている。発光素子11〜15は、回路基板50の長手方向の列状に配列されている。
【0013】
プリズム部材20は、ポリカーボネート等の透明な樹脂からなるものである。プリズム部材20は、多数のプリズムレンズ21を有しており、発光素子11〜15が発した光を屈折させる。プリズム部材20の下面23は平面になっており、発光素子11〜15が発した光はプリズム部材20の下面23から入射する。
【0014】
遮光部材30は、不透明な樹脂からなるものであり、プリズム部材20を保持している。遮光部材30は、底壁部31と、この底壁部31から前方に突出する遮光壁32と、底壁部31の外周に形成された側壁部33とを有している。遮光部材30の底壁部31には、発光ダイオード11〜15に各々対応する開口部31a〜31eが形成されている。底壁部31の開口部31a〜31eは、正面視で円形の貫通孔からなるものである。遮光部材30の側壁部33には突起部33aが形成されており、この突起部33aを回路基板50の貫通孔に挿入することによって遮光部材30を回路基板50に位置決めする。
【0015】
透光性カバー40は、アクリル等の透明な樹脂からなるものであり、略平板形状になっている。透光性カバー40は、上ケース60の開口部61を塞ぐように、プリズム部材20の上側に配置されている。上ケース60は、ポリプロピレン等の不透明な樹脂からなるものであり、上ケース60の上面には開口部61が形成されている。上ケース60には貫通孔63aを有する取付部63が設けられており、この取付部63で車両用表示装置1が車両に固定される。下ケース70は、ポリプロピレン等の不透明な樹脂からなるものであり、図示しない弾性係止片によって上ケース60に固定されている。
【0016】
次に、
図2に基づいて、プリズム部材20について詳述する。プリズム部材20のプリズムレンズ21は各々断面三角形状になっており、プリズムレンズ21の稜線21aは発光素子11〜15の配列方向に対して所定角度θを有するように形成されている。プリズム部材20にはスリット部24が形成されており、このスリット部24に遮光部材30の遮光壁32が挿入される。
【0017】
発光素子11から発せられた橙色光は開口部31aを通り、プリズムレンズ21によって屈折され、ウィンドシールド3に投射され、虚像V1として車両運転者4に視認される。発光素子12から発せられた赤色光は開口部31bを通り、プリズムレンズ21によって屈折され、ウィンドシールド3に投射され、虚像V2として車両運転者4に視認される。発光素子13から発せられた緑色光は開口部31cを通り、プリズムレンズ21によって屈折され、ウィンドシールド3に投射され、虚像V3として車両運転者4に視認される。発光素子14から発せられた赤色光は開口部31dを通り、プリズムレンズ21によって屈折され、ウィンドシールド3に投射され、虚像V4として車両運転者4に視認される。発光素子15から発せられた橙色光は開口部31eを通り、プリズムレンズ21によって屈折され、ウィンドシールド3に投射され、虚像V5として車両運転者4に視認される。
【0018】
車両用表示装置1は車両運転者4の真正面には配置されないが、プリズム部材20のプリズムレンズ21を、稜線21aが発光素子11〜15の配列方向に対して、0°及び90°を除く所定角度θを有するように設けたことにより、車両運転者4から見た場合、虚像V1〜V5が略同じ高さに視認されるように、虚像V1〜V5を表示することが可能になっている。
【符号の説明】
【0019】
11 発光素子
12 発光素子
13 発光素子
14 発光素子
15 発光素子
20 プリズム部材
21 プリズムレンズ
21a 稜線
24 スリット部
30 遮光部材
31a 開口部
31b 開口部
31c 開口部
31d 開口部
31e 開口部
32 遮光壁