特許第6248586号(P6248586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248586
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20171211BHJP
   H01M 2/12 20060101ALI20171211BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20171211BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   H01M10/04 W
   H01M2/12 101
   H01M2/34 A
   H01M2/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-250758(P2013-250758)
(22)【出願日】2013年12月4日
(65)【公開番号】特開2015-109170(P2015-109170A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】谷山 晃一
【審査官】 小川 知宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−109903(JP,A)
【文献】 特開2013−134899(JP,A)
【文献】 特開平10−199493(JP,A)
【文献】 特開2000−067821(JP,A)
【文献】 特開昭63−244549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 2/02
H01M 2/12
H01M 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻回体および集電端子がケースに収容された電池であって、
前記ケースは、底面壁と、前記底面壁に対向する蓋体と、前記底面壁から起立されて前記底面壁と前記蓋体とを接続する周壁と、を有し、
前記巻回体は、電極板が巻回され巻断面が楕円を呈し、前記楕円の長軸方向を前記周壁の起立方向に一致させるとともに巻回軸の軸方向を前記ケースの長さ方向に一致させて前記ケースに収容され、
前記周壁は、前記ケースの長さ方向に沿って延在する側面壁と、前記巻回体の前記軸方向の両端面に対向して位置するとともに前記側面壁の前記長さ方向の両端にそれぞれ接続される端面壁とから構成され、
前記集電端子は、前記巻回体の前記軸方向の端部から突設され、
前記側面壁は、前記側面壁の前記長さ方向の両側に設けられるとともに前記端面壁に近付くほど前記ケースの外方に位置するよう形成された側面壁部分と、前記両側の前記側面壁部分の間に位置するとともに前記側面壁部分よりも前記ケースの内方に位置し前記長さ方向に沿って形成された第1中間部と、を有し、
前記側面壁部分は、前記集電端子と前記長さ方向で重複する位置に設けられ、前記集電端子との間に隙間を有し、
前記巻回体の膨張時、前記巻回体の膨張に伴う前記ケースの変形量が、前記側面壁部分よりも前記第1中間部の方が大きく、前記側面壁部分と前記集電端子との間に設けられた前記隙間は、前記ケースの変形時にも前記側面壁部分と前記集電端子との間に隙間を確保するための隙間確保部として構成される、
ことを特徴とする電池。
【請求項2】
記集電端子は、前記楕円の長軸方向に延在し、
前記隙間確保部は、前記側面壁の前記起立方向の少なくとも中間である第2中間部に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の電池。
【請求項3】
安全弁が、前記蓋体に設けられ、
前記隙間確保部は、前記第2中間部から前記蓋体にわたって設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載の電池。
【請求項4】
前記端面壁は、前記楕円の短軸方向に沿って設けられ、前記短軸方向の中央が前記ケースの外方に凸状の湾曲面で形成されている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池に関する。
【背景技術】
【0002】
図11(A)に示すような電池50が提供されている(特許文献1参照)。
電池50は、シート状の電極板が巻回され断面が楕円を呈して軸方向に延在する巻回体52と、巻回体52の軸方向の両端から楕円の短軸方向に間隔をおいてそれぞれ複数突設され楕円の長軸方向に延在する集電端子54と、それら巻回体52および集電端子54を収容する直方体状のケース56とを備えている。
この場合、巻回体52および集電端子54は、楕円の短軸方向をケース56の幅方向に一致させかつ楕円の長軸方向をケース56の高さ方向に一致させてケース56に収容された状態で、ケース56の幅方向において複数の集電端子54の両側にケース56の側面壁56A(図11(B))が位置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−249423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電池50は、充放電を繰り返すことで、あるいは、環境温度が高温になることで、巻回体52からガスが発生する。ガスの発生により巻回体52は径方向外側に膨張し、また、ケース56もガスの圧力を受ける。
ケース56は、巻回体52の膨張およびケース56内のガスの圧力の上昇により膨張して変形する。
すなわち、ケース56の側面壁56Aのうちケース56の高さ方向の両端寄り部分は、蓋体56Cや底面壁56Dにより剛性が確保されていることから変形量が少ない一方、側面壁56Aの高さ方向の中間部は高さ方向の両端寄り部分に比べて蓋体56Cや底面壁56Dにより剛性が確保されないことから幅方向外方への変形量が大きい。
また、ケース56の側面壁56Aの長さ方向の両端寄り部分は、端面壁56Bにより剛性が確保されていることから変形量が少ない一方、側面壁56Aの長さ方向の中間部は長さ方向の両端寄り部分に比べて側面壁56Aにより剛性が確保されないことから幅方向外方への変形量が大きい。
【0005】
このようなことから、ケース56の側面壁56Aの高さ方向の中間部でかつ長さ方向の中間部の箇所が他の箇所に比べて大きく膨張する。
すなわち、図11(B)に示すように、ケース56を蓋体56Cの上方から見た場合、側面壁56Aの高さ方向の中間部の箇所の断面を見ると、2つの側面壁56Aは、長さ方向の中間部の箇所が、長さ方向の両端の箇所に比べて大きく膨張する。
そのため、側面壁56Aの高さ方向の中間部で長さ方向の両端の箇所は、複数の集電端子54のうちケース56の幅方向の両端に位置する集電端子54に近接する方向に変位する。
このような側面壁56Aの変形により、側面壁56Aが集電端子54に接触すると、集電端子54に応力が加わり、電池50の性能および耐久性が低下することが懸念される。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、ケースの膨張が生じても電池の性能および耐久性を確保する上で有利な電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、巻回体および集電端子がケースに収容された電池であって、前記ケースは、底面壁と、前記底面壁に対向する蓋体と、前記底面壁から起立されて前記底面壁と前記蓋体とを接続する周壁と、を有し、前記巻回体は、電極板が巻回され巻断面が楕円を呈し、前記楕円の長軸方向を前記周壁の起立方向に一致させるとともに巻回軸の軸方向を前記ケースの長さ方向に一致させて前記ケースに収容され、前記周壁は、前記ケースの長さ方向に沿って延在する側面壁と、前記巻回体の前記軸方向の両端面に対向して位置するとともに前記側面壁の前記長さ方向の両端にそれぞれ接続される端面壁とから構成され、前記集電端子は、前記巻回体の前記軸方向の端部から突設され、前記側面壁は、前記側面壁の前記長さ方向の両側に設けられるとともに前記端面壁に近付くほど前記ケースの外方に位置するよう形成された側面壁部分と、前記両側の前記側面壁部分の間に位置するとともに前記側面壁部分よりも前記ケースの内方に位置し前記長さ方向に沿って形成された第1中間部と、を有し、前記側面壁部分は、前記集電端子と前記長さ方向で重複する位置に設けられ、前記集電端子との間に隙間を有し、前記巻回体の膨張時、前記巻回体の膨張に伴う前記ケースの変形量が、前記側面壁部分よりも前記第1中間部の方が大きく、前記側面壁部分と前記集電端子との間に設けられた前記隙間は、前記ケースの変形時にも前記側面壁部分と前記集電端子との間に隙間を確保するための隙間確保部として構成されることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、記集電端子は、前記楕円の長軸方向に延在し、前記隙間確保部は、前記側面壁の前記起立方向の少なくとも中間である第2中間部に形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、安全弁が、前記蓋体に設けられ、前記隙間確保部は、前記第2中間部から前記蓋体にわたって設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記端面壁は、前記楕円の短軸方向に沿って設けられ、前記短軸方向の中央が前記ケースの外方に凸状の湾曲面で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、ケースが予め定められた限界値まで膨張し変形しても、隙間確保部によってケースと集電端子との間に隙間が確保される。したがって、ケースの膨張が生じても、ケースが集電端子に接触して集電端子に応力が加わることを防止でき、電池の性能および耐久性を確保する上で有利となる。
請求項2記載の発明によれば、巻回体および集電端子が巻回体の楕円の短軸方向をケースの幅方向に一致させかつ楕円の長軸方向をケースの高さ方向に一致させてケースに収容された電池の性能および耐久性を確保する上で有利となる。
請求項3記載の発明によれば、巻回体から発生したガスが巻回体の軸方向の両端から流れ出た場合、ガスを隙間確保部により安全弁に向けて円滑に逃がすことができ、ケース内の内圧が上限を超えたときに安全弁により内圧を確実に開放させる上で有利となる。
請求項4記載の発明によれば、ケースが膨張する際に、ケースの長さ方向において、両端の端面が集電端子に近づく方向に変形することなく、両端の端面壁が集電端子から離れる方向に変形しやすく集電端子との接触を防止する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態の電池の構成を示す正面断面図である。
図2】(B)は(A)の図1のBB線断面図、(C)は図1のCC線断面図、(D)は図1のDD線断面図である。
図3】(E)は図1のE矢視図、(F)は図1のFF線断面図、(G)は図1のG矢視図である。
図4】(A)は第1の実施の形態の電池においてケース膨張時の状態を示す図3(F)に対応する断面図であり、(B)は(A)のBB線断面図である。
図5】巻回体の一部を展開した説明図である。
図6図5のA矢視図である。
図7】第2の実施の形態の電池の構成を示す端面図である。
図8】(B)は図7のB矢視図、(C)は図7のCC線断面図、(D)は図7のD矢視図である。
図9】第3の実施の形態の電池の構成を示す端面図である。
図10】(B)は図9のB矢視図、(C)は図9のCC線断面図、(D)は図9のD矢視図である。
図11】(A)は従来の電池の構成を示す正面断面図、(B)は従来の電池のケース膨張時の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、本実施の形態では、本発明に係る電池がリチウムイオン二次電池であり、モータを駆動源とする電気自動車やプラグインハイブリッド車などの電動車に搭載され、モータに電力を供給するものである場合について説明する。
また、本発明は、リチウムイオン二次電池に限定されるものではなく、従来公知の様々な一次電池あるいは二次電池に使用可能である。
【0010】
まず、電池10Aの構成について説明する。図1に示すように、電池10Aは、巻回体12と、ケース14と、正極端子16Aおよび負極端子16Bと、安全弁18と、集電端子20とを含んで構成されている。
【0011】
巻回体12は、図5図6に示すように、シート状の電極板22が巻回され断面が楕円を呈して軸方向に延在するものであり、本実施の形態では、図2(C)に示すように、2つの巻回体12が設けられている。なお、巻回体12の数は1つでも3つ以上であってもよい。
電極板22は、シート状の正極24と、シート状の負極26と、それら正極24と負極26との間に挟まれた2枚のセパレータ28、30とから構成されている。
正極24は、金属箔からなる正極集電体24A(正極集電箔)と、正極集電体24Aの上に形成され正極活物質24Bとを備えている。
正極活物質24Bは、電池10Aの充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを吸蔵する。
負極26は、金属箔からなる負極集電体26A(負極集電箔)と、負極集電体26Aの上に形成された負極活物質26Bとを備えている。
負極活物質26Bは、電池10Aの充電時にリチウムイオンを吸蔵し、放電時にリチウムイオンを放出する。
セパレータ28、30は、リチウムイオンが移動する電解液が含浸されている。
図1図3(F)に示すように、巻回体12の軸方向の一方の端部からは、正極集電体24Aの縁部が巻回体12の外側にはみ出しており、巻回体12の軸方向の他方の端部からは、負極集電体26Aの縁部が巻回体12の外側にはみ出している。
【0012】
図1図2(B)から(D)、図3(E)から(G)に示すように、ケース14は直方体状を呈し、その長手方向の両端に隙間確保部34を備えている。
ケース14は、長方形状の底面壁1402と、底面壁1402の一対の長辺から起立された2つの側面壁1404と、底面壁1402の一対の短辺から起立された2つの端面壁1406と、それら側面壁1404と端面壁1406の上縁を接続し上面壁を構成する蓋体1408とを備えている。
したがって、ケース14の長手方向の両端に端面壁1406が位置し、ケース14の幅方向の両端に側面壁1404が位置している。
巻回体12および集電端子20は、楕円の短軸方向をケース14の幅方向に一致させ、楕円の長軸方向をケース14の高さ方向に一致させ、巻回体12の軸方向をケース14の長さ方向に一致させてケース14に収容されている。
ケース14の幅方向において複数の集電端子20の両側にケース14の側面壁1404が位置している。
【0013】
隙間確保部34は、ケース14の長さ方向の両端でケース14の高さ方向の少なくとも中間部の側面壁1404部分に設けられている。隙間確保部34は、ケース14側に位置する集電端子20の基部との間隔よりも、巻回体12の軸方向において基部と反対に位置する集電端子20の先部との間隔が大きくなるように、ケース14の幅方向の寸法が残りの部分の幅方向の寸法よりも大きく、ケース14が予め定められた限界値まで膨張した状態で集電端子20とケース14の側面壁1404との間に隙間が確保されるように形成されている。
ここで、ケース14の限界値とは、ケース14の内圧が安全弁18が開放されるに足る程度の値になった場合に相当するケース14の膨張量に相当している。
【0014】
本実施の形態では、隙間確保部34は、ケース14の高さ方向の全域にわたって設けられている。
より詳細に説明すると、図3(G)に示すように、底面壁1402の長さ方向の両端に、底面壁1402の長さ方向の中央部から離れるにつれて底面壁1402の幅を次第に広くする底面壁部分1402Aが形成されている。また、図3(E)に示すように、蓋体1408の長さ方向の両端に、蓋体1408の長さ方向の中央から離れるにつれて蓋体1408の幅を次第に広くする蓋体部分1408Aが形成されている。また、図3(F)に示すように、側面壁1404の両端は、底面壁部分1402Aと蓋体部分1408Aを接続し、側面壁1404の長さ方向の中央部から離れるにつれて側面壁1404の間隔を次第に広くする側面壁部分1404Aが形成されている。端面壁1406は、それら底面壁部分1402Aの端部、蓋体部分1408Aの端部、側面壁部分1404Aの端部を接続している。
したがって、隙間確保部34は、底面壁部分1402Aの端部、蓋体部分1408Aの端部、側面壁部分1404Aの端部とで構成されている。
【0015】
また、図3(F)に示すように、隙間確保部34のケース14の幅方向の両端を接続する部分、すなわち、端面壁1406は、幅方向の中央がケース14から離れる方向に凸状の湾曲面1406Aで形成されている。このように両端の端面壁1406を湾曲面1406Aで形成すると、ケース14が膨張する際に、ケース14の長さ方向において、両端の端面壁1406が集電端子20に近づく方向に変形することなく、両端の端面壁1406が集電端子20から離れる方向に変形しやすく集電端子20との接触を防止する上で有利となる。
【0016】
正極端子16Aおよび負極端子16Bは、電池10Aから外部機器へ電力を取り出すと共に、充電装置から電池10Aに電力を充電するために用いられるものである。
正極端子16Aおよび負極端子16Bは、蓋体1408の長さ方向の両側寄りの箇所に設けられ、それぞれ集電端子20に電気的に接続されている。
【0017】
安全弁18は、巻回体12から発生したガスによりケース14内の内圧が上昇し、その内圧が上限を超えたときに内圧を開放するものである。
本実施の形態では、安全弁18は、ケース14の高さ方向の一方の端部をなす蓋体1408の長さ方向の中間部に設けられている。
【0018】
集電端子20は、巻回体12から電力を取り出すため、あるいは、巻回体12に電力を充電するためのものであり、アルミニウムなどの容易に変形可能な金属材料で構成されている。
集電端子20は、正極集電体24Aと正極端子16Aとを電気的に接続する正極集電端子20Aと、負極集電体26Aと負極端子16Bとを電気的に接続する負極集電端子20Bとを備えている。
本実施の形態では、各巻回体12に1つの正極集電端子20Aおよび1つの負極集電端子20Bが設けられ、したがって、本実施の形態では、4つの集電端子20が設けられている。
【0019】
図1図2(B)、(C)に示すように、各集電端子20は、巻回体12の軸方向の両端からそれぞれ突設され、各集電端子20は、ケース14の幅方向の両端(楕円の短軸方向の両端)に位置している。
複数の集電端子20は、楕円の長軸方向に延在する長さと、巻回体12の軸方向に突出する幅とを有している。
【0020】
より詳細には、図3(F)に示すように、正極集電端子20Aは、巻回体12の軸方向の一端からはみ出ている正極集電体24Aのうち長軸方向の下部から上部にわたった箇所に溶接されることで正極集電体24Aと電気的に接続されている。
正極集電端子20Aは、それらの上端が、L字状を呈する正極接続板部32Aを介して正極端子16Aと溶接により電気的に接続されている。
また、図2(C)、図3(F)に示すように、負極集電端子20Bは、巻回体12の軸方向の他端からはみ出ている負極集電体26Aの部分のうち長軸方向の下部から上部にわたった箇所に溶接されることで負極集電体26Aと電気的に接続されている。
負極集電端子20Bは、それらの上端が、L字状を呈する負極接続板部32Bを介して負極端子16Bと溶接により電気的に接続されている。
【0021】
次に、本実施の形態の電池10Aの作用効果について説明する。
なお、ケース14は、蓋体1408を上にした状態で設置される設置態様に限らず、一方の側面壁1404を上にした状態で設置される設置態様あるいは一方の端面壁1406を上にした状態で設置される設置態様などケース14が設置される態様は、電池10Aが収容されるスペースの形状に応じて適宜決定される。
図4(A)、(B)に示すように、充放電を繰り返すことで、あるいは、環境温度が高温になることで、巻回体12からガスが発生することにより巻回体12は径方向外側に膨張し、また、ケース14もガスの圧力を受ける。
ここで、巻回体12から発生するガスは、巻回体12の軸方向の両端から流れ出る。これは、図5図6に示すように、巻回体12が正極24と負極26との間にセパレータ28、30が介在された電極板22が複数回巻回された構造であることによる。
そして、ケース14は、巻回体12の膨張およびケース14内のガスの圧力の上昇により膨張して変形する。
すなわち、ケース14の側面壁1404のうちケース14の高さ方向の両端寄り部分は、蓋体1408や底面壁1402により剛性が確保されていることから変形量が少ない一方、側面壁1404の高さ方向の中間部は高さ方向の両端寄り部分に比べて蓋体1408や底面壁1402により剛性が確保されないことから幅方向外方への変形量が大きい。
また、ケース14の側面壁1404の長さ方向の両端寄り部分は、端面壁1406により剛性が確保されていることから変形量が少ない一方、側面壁1404の長さ方向の中間部は長さ方向の両端寄り部分に比べて側面壁1404により剛性が確保されないことから幅方向外方への変形量が大きい。
【0022】
このようなことから、ケース14の側面壁1404の高さ方向の中間部でかつ長さ方向の中間部の箇所が残りの箇所に比べて大きく膨張する。
すなわち、図4(A)に示すように、ケース14を蓋体1408の上方から見た場合、側面壁1404の高さ方向の中間部の箇所の断面を見ると、2つの側面壁1404は、長さ方向の中間部の箇所が、長さ方向の両端の箇所に比べて大きく膨張する。
そのため、側面壁1404の高さ方向の中間部で長さ方向の両端の箇所は、複数の集電端子20のうちケース14の幅方向の両端に位置する集電端子20に近接する方向に変位する。
しかしながら、本実施の形態では、ケース14の長さ方向の両端にケース14が予め定められた限界値まで膨張した状態で集電端子20とケース14の側面壁1404との間に隙間が確保される隙間確保部34が形成されている。
そのため、ケース14が予め定められた限界値まで膨張し変形しても、側面壁1404と集電端子20との間に隙間が確保される。
したがって、ケース14の膨張が生じても、側面壁1404が集電端子20に接触して集電端子20に応力が加わることを防止でき、電池10Aの性能および耐久性を確保する上で有利となる。
また、本実施の形態では、隙間確保部34がケース14の高さ方向の全長にわたって延在しているため、巻回体12の軸方向の両端から安全弁18に至るガスの流路を隙間確保部34で確保することができる。
したがって、巻回体12から発生したガスが巻回体12の軸方向の両端から流れ出た場合、ガスを隙間確保部34により安全弁18に向けて円滑に逃がすことができ、ケース14内の内圧が上限を超えたときに安全弁18により内圧を確実に開放させる上で有利となる。
【0023】
(第2の実施の形態)
次に、図7図8(B)から(D)を参照して第2の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様または同一の部分、部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態は、電池10Bの隙間確保部34がケース14の高さ方向の中間部から高さ方向の一方の端部にわたって設けられている点が第1の実施の形態と異なっている。
このような第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、ケース14の膨張が生じても側面壁1404と集電端子20との接触を防止でき、電池10の性能および耐久性を確保する上で有利となる。また、巻回体12の軸方向の両端から安全弁18に至るガスの流路を隙間確保部34で確保することができ、ケース14内の内圧が上限を超えたときに安全弁18により内圧を確実に開放させる上で有利となる。
また、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に比べて隙間確保部34の容積が小さいため、ケース14の重量を軽減できる。したがって、例えば、電動車に電池が数十個、数百個単位で搭載される場合に電池の重量を軽減し電動車の軽量化を図る上で有利となる。
【0024】
(第3の実施の形態)
次に、図9図10(B)から(D)を参照して第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、電池10Cの隙間確保部34がケース14の高さ方向の中間部のみに設けられている点が第1、第2の実施の形態と異なっている。
このような第3の実施の形態では、巻回体12の軸方向の両端から安全弁18に至るガスの流路を隙間確保部34で確保できないため、安全弁18により内圧を確実に開放させる点で第1、第2の実施の形態と比べて不利となるものの、第1の実施の形態と同様に、ケース14の膨張が生じても側面壁1404と集電端子20との接触を防止でき、電池10の性能および耐久性を確保する上で有利となる。
また、第2の実施の形態では、第1、第2の実施の形態に比べて隙間確保部34の容積が小さいため、ケース14の重量をさらに軽減できる。したがって、例えば、電動車に電池が数十個、数百個単位で搭載される場合に電池の重量を軽減し電動車の軽量化を図る上でより一層有利となる。
【0025】
なお、巻回体12の形状あるいは巻回体12のケース14への配置構造や、巻回体12に対する集電端子20の配置構造などは実施の形態に限定されず、種々考えられ、これに対応して隙間確保部34の構成が適宜決定され、したがって、隙間確保部34の構成は実施の形態の構造に限定されない。
【符号の説明】
【0026】
10A、10B、10C 電池
12 巻回体
14 ケース
1404 側面壁
1404A 側面壁部分
1406A 湾曲面
18 安全弁
20 集電端子
22 電極板
34 隙間確保部
図1
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図11