(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蒸気圧検出部により検出された蒸気圧力の所定の変化に応じて、前記連続制御部による制御から前記段階値制御部による制御に切り換える、請求項1に記載のボイラ装置。
前記蒸気圧検出部により検出された蒸気圧力の所定の変化に応じて、前記段階値制御部による制御から前記連続制御部による制御に切り換える、請求項1又は請求項2に記載のボイラ装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るボイラ装置1について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るボイラ装置1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、ボイラ装置1は、バーナ及び燃焼空気供給用の送風機(いずれも図示せず)を有したボイラ2を具備し、ボイラ2は、最少燃焼状態、例えば燃焼率20%から100%の連続燃焼を可能とし、燃焼率により複数の燃焼領域に分割することができ、各燃焼領域に対して、連続制御又は段階値制御を適用することを可能としている。
また、ボイラ装置1は、ボイラ2に対して要求される必要蒸気量を算出するために、缶体(図示せず)内の蒸気圧力を検出する蒸気圧検出部3を備える。
また、ボイラ装置1は、蒸気圧検出部3により検出された缶体内の蒸気圧力に応じてボイラ2の燃焼状態を制御する制御部4を備える。
【0016】
図2に示すように、制御部4は、複数の燃焼領域の各燃焼領域を、それぞれ、燃焼量を段階的に変更する段階値制御領域、又は燃焼量を連続的に変更する連続制御領域に設定する設定部41と、段階値制御領域に設定された燃焼領域において、該燃焼領域に対応して予め設定された設定燃焼率でボイラを燃焼させる段階値制御部42と、連続制御領域に設定された燃焼領域において、蒸気圧検出部3において検出される蒸気圧力が該燃焼領域に対応して予め設定された設定目標圧力となるようにボイラを燃焼させる連続制御部43と、を備える。
【0017】
本実施形態のボイラ装置1は、ボイラ2で発生させた蒸気を、蒸気使用設備に供給可能とされている。
ボイラ装置1は、制御対象であるボイラ装置1内の蒸気の圧力Pを蒸気圧検出部3により測定し、測定された圧力に基づいて、段階値制御部42又は連続制御部43によりボイラ2の燃焼量等を制御するようになっている。
【0018】
段階値制御部42は、蒸気圧検出部3により検出された缶体内の蒸気圧力に応じて、段階値制御領域に設定された燃焼領域において予め設定された燃焼位置(燃焼率)でボイラ2を燃焼させるようになっている。
【0019】
連続制御部43は、連続制御領域に設定された燃焼領域において、蒸気圧検出部3により検出された缶体内の蒸気圧力が当該燃焼領域に対応して予め設定された目標圧力となるように、ボイラ2を所定の燃焼率の範囲内、例えば当該燃焼領域内で連続的に燃焼させるようになっている。
【0020】
<連続制御部による制御>
ここで、連続制御部43による制御について概略する。
連続制御部43は、蒸気圧検出部3により検出された缶体内の蒸気圧力が当該燃焼領域に対応して予め設定された目標圧力となるように、ボイラ2を当該燃焼領域内で連続的に燃焼させるように制御する。
【0021】
連続制御部43は、ボイラ2が蒸気を供給する負荷機器による蒸気の消費量に応じて、ボイラ2の燃焼率を変更し、蒸気の生成量を調整する。ここで、負荷機器の需要の増大により要求負荷(蒸気消費量)が増加し、負荷機器に供給される蒸気量、すなわちボイラ2から発生する蒸気量(以下「出力蒸気量」ともいう)が不足すれば、缶体内の蒸気圧力が減少することになる。一方、負荷機器の需要の低下により要求負荷(蒸気消費量)が減少し、缶体内に供給される蒸気量が過剰になれば、缶体内の蒸気圧力が増加することになる。従って、連続制御部43は、蒸気圧検出部3により測定された蒸気圧力の変動に基づいて、要求負荷の変動をモニターすることができる。そして、連続制御部43は、予め設定された目標圧力と缶体内の蒸気圧力とを比較することで、蒸気量の過不足を検知することができる。
【0022】
連続制御部43は、負荷機器に応じて予め設定された目標圧力と缶体内の蒸気圧力との偏差に対して、PIアルゴリズム又はPIDアルゴリズムに基づくフィードバック制御を行うことで、缶体内の蒸気圧力が目標圧力となるために必要な蒸気量(操作量)を算出し、算出した蒸気量分の蒸気がボイラ2から出力されるようにボイラ2の燃焼状態を制御する。
【0023】
連続制御部43は、蒸気圧検出部3で測定された缶体内の蒸気圧力値PVが、予め設定された目標蒸気圧力値SVとなるように、例えば、速度型PIDアルゴリズムにより必要蒸気量を算出する。
【0024】
連続制御部43は、ボイラ2から発生させる今回必要蒸気量MVnを、例えば、下記の速度型演算式(1)に基づいて算出する。
MV
n = MV
n−1 + ΔMV
n ・・・(1)
ここで、Δtを制御周期、nを正の整数値としたとき、
MV
nは制御周期n(起点t0+n*Δt)における複数のボイラ20から発生させる今回必要蒸気量、
MV
n−1は制御周期(n−1)における前回必要蒸気量、
ΔMV
nは制御周期毎の必要蒸気量変化分を表す。
速度型演算は、制御周期毎の必要蒸気量変化分ΔMV
nのみを計算し、これに前回必要蒸気量MV
n−1を加算して、今回必要蒸気量MV
nを計算する方法である。
これに対して、制御周期毎に今回必要蒸気量MV
nを直接計算するPID制御アルゴリズムは、位置型演算と言う。
【0025】
制御周期毎の必要蒸気量変化分ΔMV
nは、下記の式(2)〜(6)に基づいて算出する。
ΔMV
n = ΔP
n+ΔI
n+ΔD
n ・・・(2)
ここで、ΔP
nはP制御出力(変化分)を、
ΔI
nはI制御出力(変化分)を、
ΔD
nはD制御出力(変化分)を表す。
ΔP
n = K
P*(e
n−e
n−1) ・・・(3)
ここで、K
Pは、比例ゲインを、
e
nは、式(4)に示すように、今回の目標蒸気圧力値SV
nと、蒸気圧検出部3で測定された蒸気ヘッダ6の内部の今回蒸気圧力値PV
nとの差(今回偏差量)を表す。
e
n = SV
n−PV
n ・・・(4)
ΔI
n =K
P*(Δt/T
I)*e
n ・・・(5)
T
Iは積分時間を表す。
ΔD
n = K
P*(T
D/Δt)*(e
n−2e
n−1+e
n−2)
・・・(6)
ここで、T
Dは微分時間を表す。
【0026】
連続制御部43は、式(3)、(5)、(6)で算出された各出力(変化分)を合計することにより、制御周期毎の必要蒸気量変化分ΔMV
nを算出する。
連続制御部43は、式(1)のように、前回必要蒸気量MV
n−1にΔMV
nを加算して、今回必要蒸気量MV
nを計算する。
なお、連続制御部43は、必要蒸気量を算出するに際して、位置型演算によるPID制御アルゴリズムを適用してもよい。
【0027】
連続制御部43は、今回必要蒸気量に基づいてボイラ2から必要蒸気量分の蒸気が発生するようにボイラ2の燃焼状態(燃焼量)を制御する。
こうすることで、ボイラ2が蒸気を供給する負荷機器による蒸気の消費量が急激に変動しなければ、連続制御部43は蒸気消費量の変動に追従して必要蒸気量に対応した出力蒸気量を出力することができる。
【0028】
以下、ボイラ装置1について、複数に分割された燃焼領域のうち、いくつかの燃焼領域が段階値制御領域に設定されるとともに、他の燃焼領域が連続制御領域に設定されている場合(以下、「段階値/連続制御設定」ということもある)、全ての燃焼領域が段階値制御領域に設定されている場合(以下、「段階値制御設定」ということもある)、及び全ての燃焼領域が連続制御領域に設定されている場合(以下、「連続制御設定」ということもある)のそれぞれについて、説明する。
【0029】
<段階値/連続制御設定>
最初に、複数に分割された燃焼領域のうち、いくつかの燃焼領域が段階値制御領域に設定されるとともに、他の燃焼領域が連続制御領域に設定されている場合(段階値/連続制御設定)について、
図3B及び
図4を参照して説明する。
【0030】
図3Bは、
図3Aのように複数(5個)に分割された燃焼領域のうち、いくつかの燃焼領域が段階値制御領域に設定されるとともに、他の燃焼領域が連続制御領域に設定されているボイラ装置1の一実施例を示す図である。
図3Bに示すように、各燃焼領域は、以下のように設定されている。
なお、燃焼率0%(燃焼停止)については、便宜上、第1燃焼領域A1と名付けている。
(1)第1燃焼領域A1(燃焼率0%) すなわち、燃焼停止。
(2)第2燃焼領域A2(0%<燃焼率≦20%)は、段階値制御領域(燃焼率20%)に設定。
(3)第3燃焼領域A3(20%<燃焼率≦30%)は、段階値制御領域(燃焼率30%)に設定。
(4)第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)は、連続制御領域に設定。
なお、第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)における連続制御は、予め設定された目標蒸気圧SV4に基づいて、例えば燃焼率30%から燃焼率60%までの範囲で燃焼量を連続的に増減可能に制御されるものとする。
(5)第5燃焼領域A5(60%<燃焼率≦ 75%)は、段階値制御領域(燃焼率75%)に設定。
(6)第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%)は、連続制御領域に設定。
なお、第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%)における連続制御は、予め設定された目標蒸気圧SV6に基づいて例えば燃焼率75%から燃焼率100%までの範囲で燃焼量を連続的に増減可能に制御されるものとする。
【0031】
図3Cの実施例のように、第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)を段階値制御領域に設定した場合には、燃焼率30%と燃焼率60%で制御するため、圧力変動幅が大きくなり圧力安定性の点で課題があるが、
図3Bの実施例のように、第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)を連続制御領域に設定することで、第3燃焼領域A3(燃焼率= 30%)から第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦ 60%)において、例えば燃焼率30%から燃焼率60%までの範囲で燃焼量を連続的に増減可能に制御できることから圧力安定性の点で優れるという効果を奏することができる。
【0032】
制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力の大きさに応じて、予め定めた設定基準値に基づいて段階値制御部42(第1燃焼領域A1、第2燃焼領域A2、第3燃焼領域A3、第5燃焼領域A5)又は連続制御部43(第4燃焼領域A4、第6燃焼領域A6)によりボイラ2の燃焼量等を制御する。
そうすることで、制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力の大きさに応じて適材適所の燃焼領域で燃焼するように制御することができる。
【0033】
<設定基準値>
設定基準値について、
図4を参照しながら、説明する。
上記判定の為の設定基準値に関して、燃焼装置のハンチング(ON−OFFの繰り返し)を防止するために、蒸気圧力が上昇方向(負荷量が減少方向)の時に段階値制御領域に設定された第3燃焼領域A3(燃焼率30%)から段階値制御領域に設定された第2燃焼領域A2(燃焼率20%)へ移行する基準となる設定基準値P´4と、蒸気圧力が下降方向(負荷量が増加方向)の時に段階値制御領域に設定された第2燃焼領域A2(燃焼率20%)から段階値制御領域に設定された第3燃焼領域A3(燃焼率30%)へ移行する基準となる設定基準値P4との間には、P´4がP4より大きくなるように所定の差(ディファレンシャル)を設けることができる。段階値制御領域に設定された第2燃焼領域A2(燃焼率20%)から段階値制御領域に設定された第1燃焼領域A1(燃焼停止)へ移行する基準となる設定基準値P´5と、蒸気圧力が下降方向(負荷量が増加方向)の時に段階値制御領域に設定された第1燃焼領域A1(燃焼停止)から段階値制御領域に設定された第2燃焼領域A2(燃焼率20%)へ移行する基準となる設定基準値P5についても同様に、P´5がP5より大きくなるように所定の差(ディファレンシャル)を設けることができる。なお、圧力変化を確認する遅延時間を設けることで、圧力帯をよりラップさせることもできる。
【0034】
また、上記判定の為の設定基準値に関して、圧力安定性を確保するために、蒸気圧力が上昇方向(負荷量が減少方向)の時に、段階値制御領域に設定された第5燃焼領域A5(燃焼率75%)から連続制御領域に設定された第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦ 60%)へ移行する基準となる設定基準値P´2を連続制御領域に設定された第4燃焼領域A4における目標圧力値SV4となるように設定することができる。
また、蒸気圧力が上昇方向(負荷量が減少方向)の時は、連続制御領域に設定された第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%)から段階値制御領域に設定された第5燃焼領域A5(燃焼率75%)へ移行する基準となる設定基準値P´1に基づいて、連続制御領域に設定された第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%)から、段階値制御領域に設定された第5燃焼領域A5(燃焼率75%)に移行することができる。また、連続制御領域に設定された第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)から段階値制御領域に設定された第3燃焼領域A3(燃焼率30%)へ移行する基準となる設定基準値P´3に基づいて、連続制御領域に設定された第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)から、段階値制御領域に設定された第3燃焼領域A3(燃焼率30%)に移行することができる。
【0035】
逆に、蒸気圧力が下降方向(負荷量が増大方向)の時には、圧力安定性を確保するために、段階値制御領域に設定された第5燃焼領域A5(燃焼率75%)から連続制御領域に設定された第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%)へ移行する基準となる設定基準値P1を連続制御領域に設定された第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%)における目標圧力値SV6となるように設定することができる。同様に、段階値制御領域に設定された第3燃焼領域A3(燃焼率30%)から連続制御領域に設定された第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)へ移行する基準となる設定基準値P3を連続制御領域に設定された第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)における目標圧力値SV4となるように設定することができる。
また、蒸気圧力が下降方向(負荷量が増大方向)の時に、連続制御領域に設定された第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)から段階値制御領域に設定された第5燃焼領域A5(燃焼率75%)へ移行する基準となる設定基準値P2に基づいて、段階値制御領域(燃焼率75%)に設定された第5燃焼領域A5に移行することができる。
【0036】
次に、制御部4の制御について、具体的に、蒸気圧力の下降時(負荷量増大時)と蒸気圧力の上昇時(負荷量減少時)について、
図4を参照しながら、説明する。
【0037】
<蒸気圧力の下降(負荷量増大)時>
最初に、蒸気圧力の下降時(負荷量増大時)における、設定基準値及び制御部4の制御について説明する。
【0038】
蒸気圧力が下降方向(負荷量が増大方向)の時には、
図4の左側に示すように、設定基準値を次のように設定する。
(1)第5燃焼領域A5(燃焼率=75%)から第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%)に移行する基準となる設定基準値をP1、
(2)第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)から第5燃焼領域A5(燃焼率=75%)に移行する基準となる設定基準値をP2、
(3)第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)から第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)に移行する基準となる設定基準値をP3、
(4)第2燃焼領域A2(燃焼率=20%)から第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)に移行する基準となる設定基準値をP4、
(5)第1燃焼領域A1(燃焼停止)から第2燃焼領域A2(燃焼率=20%)に移行する基準となる設定基準値をP5、
とする。
【0039】
制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力に応じて、
図4の左側に示すように、段階値制御部42(第1燃焼領域A1、第2燃焼領域A2、第3燃焼領域A3、第5燃焼領域A5)又は連続制御部43(第4燃焼領域A4、第6燃焼領域A6)によりボイラ2の燃焼量等を制御する。
【0040】
<蒸気圧力が下降時>
蒸気圧力が下降方向(負荷量が増大方向)の時において、
(1)制御部4は、蒸気圧力がP5以上の場合、第1燃焼領域A1(燃焼停止)となるように制御する。
(2)制御部4は、蒸気圧力がP5を越えて降下すると、段階値制御部42による制御(第2燃焼領域A2(燃焼率=20%))に移行し、蒸気圧力がP4以上までの間、段階値制御部42による制御(第2燃焼領域A2(燃焼率=20%))を行う。
(3)制御部4は、蒸気圧力がP4を越えて降下すると段階値制御部42による制御(第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)))に移行し、蒸気圧力がP3以上までの間、段階値制御部42による制御(第3燃焼領域A3(燃焼率=30%))を行う。
(4)制御部4は、蒸気圧力がP3を越えて降下すると連続制御部43による制御(第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%))に移行し、蒸気圧力がP2以上までの間、連続制御部43による制御(第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%))を行う。
ここで、圧力安定性を確保するために、段階値制御領域に設定された第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)から連続制御領域に設定された第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%))へ移行する基準となる設定基準値P3を連続制御領域に設定された第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%))における目標圧力値SV4と等しくなるように設定することが好ましい。
(5)制御部4は、蒸気圧力がP2を越えて降下すると段階値制御部42による制御(第5燃焼領域A5(燃焼率=75%))に移行し、蒸気圧力がP1以上までの間、段階値制御部42による制御(第5燃焼領域A5(燃焼率=75%))を行う。
(6)制御部4は、蒸気圧力がP1を越えて降下すると連続制御部43による制御(第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%))に移行する。
ここで、圧力安定性を確保するために、段階値制御領域に設定された第5燃焼領域A5(燃焼率=75%))から連続制御領域に設定された第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%))へ移行する基準となる設定基準値P1を連続制御領域に設定された第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%))における目標圧力値SV6と等しくなるように設定することが好ましい。
【0041】
<蒸気圧力の上昇(負荷量減少)時>
次に、蒸気圧力の上昇時(負荷量減少時)における、設定基準値及び制御部4の制御について説明する。
【0042】
蒸気圧力が上昇方向(負荷量が減少方向)の時には、
図4の右側に示すように、設定基準値を次のように設定する。
(1)第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%)から第5燃焼領域A5(燃焼率=75%)に移行する基準となる設定基準値をP´1、
(2)第5燃焼領域A5(燃焼率=75%)から第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)に移行する基準となる設定基準値をP´2、
(3)第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)から第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)に移行する基準となる設定基準値をP´3、
(4)第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)から第2燃焼領域A2(燃焼率=20%)に移行する基準となる設定基準値をP´4、
(5)第2燃焼領域A2(燃焼率=20%)から第1燃焼領域A1(燃焼停止)に移行する基準となる設定基準値をP´5、
とする。
ここで、前述したように、燃焼装置のハンチング(ON−OFFの繰り返し)を防止するために、
P1<P´1 、P2<P´2 、P3<P´3 、P4<P´4 、P5<P´5
となるように設定することができる。
【0043】
制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力の上昇(負荷量減少)時において、
図4の右側に示すように、段階値制御部42(第1燃焼領域A1、第2燃焼領域A2、第3燃焼領域A3、第5燃焼領域A5)又は連続制御部43(第4燃焼領域A4、第6燃焼領域A6)によりボイラ2の燃焼量等を制御する。
【0044】
蒸気圧力の上昇(負荷量減少)時において、
(1)制御部4は、蒸気圧力がP´1以下の場合、連続制御部43による制御(第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%))を行う。
(2)制御部4は、蒸気圧力がP´1を越えると段階値制御部42による制御(第5燃焼領域A5(燃焼率=75%))に移行し、蒸気圧力がP´2以下までの間、段階値制御部42による制御(第5燃焼領域A5(燃焼率=75%))を行う。
(3)制御部4は、蒸気圧力がP´2を越えると連続制御部43による制御(第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%))に移行し、蒸気圧力がP´3以下までの間、連続制御部43による制御(第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%))を行う。
ここで、圧力安定性を確保するために、段階値制御領域に設定された第5燃焼領域A5(燃焼率=75%))から連続制御領域に設定された第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦ 60%)へ移行する基準となる設定基準値P´2を連続制御領域に設定された第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦ 60%)における目標圧力値SV4と等しくなるように設定することが好ましい。
(4)制御部4は、蒸気圧力がP´3を越えると段階値制御部42による制御(第3燃焼領域A3(燃焼率=30%))に移行し、蒸気圧力がP´4以下までの間、段階値制御部42による制御(第3燃焼領域A3(燃焼率=30%))を行う。
(5)制御部4は、蒸気圧力がP´4を越えると段階値制御部42による制御(第2燃焼領域A2(燃焼率=20%))に移行し、蒸気圧力がP´5以下までの間、段階値制御部42による制御(第2燃焼領域A2(燃焼率=20%))を行う。
(6)制御部4は、蒸気圧力がP´5を越えると第1燃焼領域A1(燃焼停止)となるように制御する。
【0045】
以上のように、制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力の大きさに応じて、段階値制御部42(第1燃焼領域A1、第2燃焼領域A2、第3燃焼領域A3、第5燃焼領域A5)又は連続制御部43(第4燃焼領域A4、第6燃焼領域A6)によりボイラ2の燃焼量等を制御することができる。
【0046】
このように、段階値/連続制御設定の場合、制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力の大きさに応じて適材適所の燃焼領域で燃焼するように制御することができる。
例えば、仮に、第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)を段階値制御領域に設定した場合には、燃焼率30%と燃焼率60%で制御するため、圧力変動幅が大きくなり圧力安定性の点で課題があるが、
図3Bのように、第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)を連続制御領域に設定することで、第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)から第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)において、燃焼率30%から燃焼率60%までの範囲で燃焼量を連続的に増減可能に制御でき、圧力安定性の点で優れるという効果を奏することができる。
【0047】
以上、ボイラ装置1の燃焼領域を第1燃焼領域A1〜第6燃焼領域A6に分割した場合について説明したが、任意の燃焼領域に分割した場合にも、同様に設定基準値及び目標圧力値を設けることで、制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力の大きさに応じて、予め定めた設定基準値に基づいて、圧力帯を連続的にするように、他の燃焼領域への移行制御を行うことができる。
【0048】
<段階値制御設定>
次に、複数に分割された燃焼領域の全ての燃焼領域が段階値制御領域に設定されている場合(段階値制御設定)について、
図3C及び
図5を参照して説明する。
【0049】
図3Cは、複数(5個)に分割された燃焼領域の全ての燃焼領域が段階値制御領域に設定されているボイラ装置1の一実施例を示す図である。
図3Cに示すように、各燃焼領域と各燃焼領域に対応して予め設定された燃焼率は、次のように設定されている。
なお、燃焼率0%(燃焼停止)については、便宜上、第1燃焼領域A1と名付けた。
(1)第1燃焼領域A1(燃焼率0%) すなわち、燃焼停止に設定。
(2)第2燃焼領域A2(0% <燃焼率≦ 20%)には、燃焼率20%に設定。
(3)第3燃焼領域A3(20%<燃焼率≦ 30%)には、燃焼率30%に設定。
(4)第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦ 60%)には、燃焼率60%に設定。
(5)第5燃焼領域A5(60%<燃焼率≦ 75%)には、燃焼率75%に設定。
(6)第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%)には、燃焼率100%に設定。
そして、燃焼率0%(燃焼停止)を含めると、6段階の燃焼状態(燃焼位置、燃焼率)で制御可能とする、いわゆる6位置制御が設定されている。
N位置制御とは、段階値制御ボイラの燃焼量を、燃焼停止状態を含めてN位置に段階的に制御可能なことを表している。
なお、実施形態では、6位置制御としているが、Nを任意の整数として、例えば、5位置制御、4位置制御、3位置制御等とすることができる。
【0050】
ここで、nを「1≦n≦6」を満たす整数として、以下、「第n燃焼領域」に設定された燃焼率をそれぞれ、「第n燃焼位置」といい、「第n燃焼位置」での燃焼状態を「第n燃焼状態」ということもある。
【0051】
このように設定することで、段階値制御部42は、蒸気圧検出部3により検出された蒸気圧力に応じてボイラ2の燃焼状態を燃焼停止状態である第1燃焼状態を含めて、6段階に制御する。
【0052】
制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力の大きさに応じて、予め定めた設定基準値に基づいて段階値制御部42(第1燃焼領域A1〜第6燃焼領域A6)によりボイラ2の燃焼量等を制御する。
【0053】
<設定基準値>
設定基準値について、
図5を参照しながら、説明する。
ここで、nを2≦n≦6を満たす整数とした場合、上記判定の為の設定基準値に関して、燃焼装置のハンチング(ON−OFFの繰り返し)を防止するために、蒸気圧力が上昇方向(負荷量が減少方向)の時に段階値制御領域に設定された第n燃焼領域Anから段階値制御領域に設定された第(n−1)燃焼領域An−1へ移行する基準となる設定基準値P(7−n)2と、蒸気圧力が下降方向(負荷量が増加方向)の時に段階値制御領域に設定された第(n−1)燃焼領域An−1から段階値制御領域に設定された第n燃焼領域Anへ移行する基準となる設定基準値P(7−n)1との間には、前者P(7−n)2が後者P(7−n)1より大きくなるように所定の差(ディファレンシャル)を設けることができる。なお、圧力変化を確認する遅延時間を設けることで、圧力帯をよりラップさせることもできる。
【0054】
次に、具体的に、蒸気圧力の下降時(負荷量増大時)と蒸気圧力の上昇時(負荷量減少時)について、
図5を参照しながら、説明する。
【0055】
<蒸気圧力の下降(負荷量増大)時>
まず、蒸気圧力の下降時(負荷量増大時)における、設定基準値及び制御部4の制御について説明する。
【0056】
蒸気圧力が下降方向(負荷量が増大方向)の時には、
図5の左側に示すように、設定基準値を次のように設定する。
(1)第5燃焼領域A5(燃焼率=75%)から第6燃焼領域A6(燃焼率=100%)に移行する基準となる設定基準値をP11、
(2)第4燃焼領域A4(燃焼率=60%)から第5燃焼領域A5(燃焼率=75%)に移行する基準となる設定基準値をP21、
(3)第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)から第4燃焼領域A4(燃焼率=60%)に移行する基準となる設定基準値をP31、
(4)第2燃焼領域A2(燃焼率=20%)から第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)に移行する基準となる設定基準値をP41、
(5)第1燃焼領域A1(燃焼停止)から第2燃焼領域A2(燃焼率=20%)に移行する基準となる設定基準値をP51、
とする。
【0057】
制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力に応じて、
図5の左側に示すように、段階値制御部42(第1燃焼領域A1〜第6燃焼領域A6)によりボイラ2の燃焼量等を制御する。
【0058】
<蒸気圧力が下降時>
蒸気圧力が下降方向(負荷量が増大方向)の時において、
(1)制御部4は、蒸気圧力がP51以上の場合、第1燃焼領域A1(燃焼停止)となるように制御する。
(2)制御部4は、蒸気圧力がP51を越えて降下すると段階値制御部42による制御(第2燃焼領域A2(燃焼率=20%))に移行し、蒸気圧力がP41以上までの間、段階値制御部42による制御(第2燃焼領域A2(燃焼率=30%))を行う。
(3)制御部4は、蒸気圧力がP41を越えて降下すると段階値制御部42による制御(第3燃焼領域A3(燃焼率=30%))に移行し、蒸気圧力がP31以上までの間、段階値制御部42による制御(第3燃焼領域A3(燃焼率=30%))を行う。
(4)制御部4は、蒸気圧力がP31を越えて降下すると段階値制御部42による制御(第4燃焼領域A4(燃焼率=60%))に移行し、蒸気圧力がP21以上までの間、段階値制御部42による制御(第4燃焼領域A4(燃焼率=60%))を行う。
(5)制御部4は、蒸気圧力がP21を越えて降下すると段階値制御部42による制御(第5燃焼領域A5(燃焼率=75%))に移行し、蒸気圧力がP11以上までの間、段階値制御部42による制御(第5燃焼領域A5(燃焼率=75%))を行う。
(6)制御部4は、蒸気圧力がP11を越えて降下すると段階値制御部42による制御(第6燃焼領域A6(燃焼率=100%))を行う。
【0059】
<蒸気圧力の上昇(負荷量減少)時>
次に、蒸気圧力の上昇時(負荷量減少時)における、設定基準値及び制御部4の制御について説明する。
【0060】
蒸気圧力が上昇方向(負荷量が減少方向)の時には、
図5の右側に示すように、設定基準値を次のように設定する。
(1)第6燃焼領域A6(燃焼率=100%)から第5燃焼領域A5(燃焼率=75%)に移行する基準となる設定基準値をP12、
(2)第5燃焼領域A5(燃焼率=75%)から第4燃焼領域A4(燃焼率=60%)に移行する基準となる設定基準値をP22、
(3)第4燃焼領域A4(燃焼率=60%)から第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)に移行する基準となる設定基準値をP32、
(4)第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)から第2燃焼領域A2(燃焼率=20%)に移行する基準となる設定基準値をP42、
(5)第2燃焼領域A2(燃焼率=20%)から第1燃焼領域A1(燃焼停止)に移行する基準となる設定基準値をP52、
とする。
ここで、前述したように、燃焼装置のハンチング(ON−OFFの繰り返し)を防止するために、
P11<P12 、P21<P22 、P31<P32 、
P41<P42 、 P51<P52
となるように設定することができる。
【0061】
制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力が上昇方向(負荷量が減少方向)の時には、
図5の右側に示すように、段階値制御部42(第1燃焼領域A1〜第6燃焼領域A6)によりボイラ2の燃焼量等を制御する。
【0062】
蒸気圧力の上昇(負荷量減少)時において、
(1)制御部4は、蒸気圧力がP12以下の場合、段階値制御部42による制御(第6燃焼領域A6(燃焼率=100%))を行う。
(2)制御部4は、蒸気圧力がP12を越えると段階値制御部42による制御(第5燃焼領域A5(燃焼率=75%))に移行し、蒸気圧力がP22以下までの間、段階値制御部42による制御(第5燃焼領域A5(燃焼率=75%))を行う。
(3)制御部4は、蒸気圧力がP22を越えると段階値制御部42による制御(第4燃焼領域A4(燃焼率=60%))に移行し、蒸気圧力がP32以下までの間、段階値制御部42による制御(第4燃焼領域A4(燃焼率=60%))を行う。
(4)制御部4は、蒸気圧力がP32を越えると段階値制御部42による制御(第3燃焼領域A3(燃焼率=30%))に移行し、蒸気圧力がP42以下までの間、段階値制御部42による制御(第3燃焼領域A3(燃焼率=30%)を行う。
(5)制御部4は、蒸気圧力がP42を越えると段階値制御部42による制御(第2燃焼領域A2(燃焼率=20%))に移行し、蒸気圧力がP52以下までの間、段階値制御部42による制御(第2燃焼領域A2(燃焼率=20%))を行う。
(6)制御部4は、蒸気圧力がP52を越えると第1燃焼領域A1(燃焼停止)となるように制御する。
【0063】
以上のように、制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力の大きさに応じて、段階値制御部42(第1燃焼領域A1〜第6燃焼領域A6)によりボイラ2の燃焼量等を制御することができる。
【0064】
以上、ボイラ装置1の燃焼領域を第1燃焼領域A1〜第6燃焼領域A6に分割した場合について説明したが、任意の燃焼領域に分割した場合にも、同様に設定基準値を設けることで、制御部4は、蒸気圧検出部3により検出される検出蒸気圧力の大きさに応じて、予め定めた設定基準値に基づいて、段階値制御部42による制御を行うことができる。
【0065】
(連続制御設定)
最後に、複数に分割された燃焼領域の全ての燃焼領域が燃焼量を連続的に変更する連続制御領域に設定されている場合(連続制御設定)について、説明する。
図3Dは、複数(5個)に分割された燃焼領域の全ての燃焼領域が連続制御領域に設定されているボイラ装置1の一実施例を示す図である。
したがって、
図3Dに示すように、燃焼停止状態S0と、最小燃焼状態S1(燃焼率20%の燃焼状態)から最大燃焼状態S2(燃焼率100%の燃焼状態)の範囲で、燃焼率を連続的に制御可能になるように設定されている。
【0066】
この場合、連続制御部43は、蒸気圧検出部3により検出された缶体内の蒸気圧力が当該燃焼領域に対応して予め設定された目標圧力となるように、ボイラ2を最小燃焼状態S1(燃焼率20%の燃焼状態)から最大燃焼状態S2(燃焼率20%の燃焼状態)の範囲内で連続的に燃焼させるようになっている。
【0067】
なお、複数に分割された燃焼領域の全ての燃焼領域が燃焼量を連続的に変更する連続制御領域に設定されている場合は、通常の比例制御ボイラの制御と同じであり、説明は省略する。
【0068】
本実施形態のボイラ装置1によれば、例えば、次の効果が奏される。
本実施形態のボイラ装置1は、複数に分割された燃焼領域を有するボイラ1と、ボイラ1における蒸気圧力を検出する蒸気圧検出部3と、蒸気圧検出部3により検出された蒸気圧力に応じてボイラ1の燃焼状態を制御する制御部4と、を備え、制御部4は、複数の燃焼領域を、それぞれ、燃焼量を段階的に変更する段階値制御領域、又は燃焼量を連続的に変更する連続制御領域に設定する設定部41と、段階値制御領域に設定された燃焼領域において、該燃焼領域に対応して予め設定された設定燃焼率でボイラ2を燃焼させる段階値制御部42と、連続制御領域に設定された燃焼領域において、蒸気圧検出部3において検出される蒸気圧力が該燃焼領域に対応して予め設定された設定目標圧力となるようにボイラ2を燃焼させる連続制御部43と、を備える。
【0069】
そのため、本実施形態によれば、例えば、応答性を優先することが望ましい燃焼領域には段階値制御を適用し、圧力安定性を優先することが望ましい他の所定の燃焼領域には連続制御を適用することで、1つのボイラ装置を連続制御の安定性と段階値制御の応答性を適材適所で利用することが可能となる。
【0070】
また、本実施形態によれば、比例制御ボイラ又は段階値制御ボイラに切替可能なボイラとしても提供することができる。そうすることで、複数の段階値制御ボイラから成る台数制御システム又は複数の比例制御ボイラから成る台数制御システムへのボイラ増設に際して、同じボイラを比例制御ボイラ又は段階値制御ボイラに適宜切替を行うことで、段階値制御ボイラ又は比例制御ボイラから成る台数制御システムのいずれにも増設することができ、機種統合が容易となる。
【0071】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、本実施形態において、予め定めた設定基準値を記憶した基準テーブルを記憶部44に備えるようにしてもよい。
【0072】
例えば、本実施形態において、ボイラ2の最少燃焼状態を燃焼率20%として、ボイラ2は、燃焼率20%から100%の連続燃焼を可能として説明したが、これに限定されない。最少燃焼状態の燃焼率を例えば、10%とか0%のように任意に設定してもよい。
【0073】
例えば、本実施形態(段階値/連続制御設定)において、連続制御部43は、第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)において燃焼率30%から60%までの範囲で、また第6燃焼領域A6(75%<燃焼率≦100%)において燃焼率75%から100%の範囲で、それぞれ燃焼量を連続的に増減可能に制御するようにしたが、これに限定されない。例えば、連続制御部43は、第4燃焼領域A4(30%<燃焼率≦60%)において、燃焼率を25%から65%までの範囲のように、第3燃焼領域A3及び第5燃焼領域A5における燃焼率と一部重複してもよい。
同様に、例えば、第6燃焼領域A4(75%<燃焼率≦100%)において、燃焼率を70%から100%までの範囲のように、第5燃焼領域A5における燃焼率と一部重複してもよい。
【0074】
例えば、本実施形態においては、5つの燃焼領域に分割したが、5分割に制限されない。適宜、分割数を設定することができる。
また、分割領域の境界値としての燃焼率について、20%、30%、60%、75%を例示したが、このような燃焼率に制限されない。例えば、20%、60%としてもよい。