(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜
図3に示されるように、携帯用切断機としてのエンジンカッタ10は、作業機本体としての本体フレーム11を有し、本体フレーム11の端部からリヤハンドル12が突出して設けられている。リヤハンドル12には、エンジン回転速度を調整するスロットルレバー12aが設けられている。本体フレーム11には脚部11a,11bが設けられており、
図1〜
図3に示すエンジンカッタ10は、脚部11a,11bが接地する状態を示す。
【0014】
本体フレーム11にフロントハンドル13が取り付けられている。フロントハンドル13はアーチ形状に屈曲されており、フロントハンドル13の長さ方向における両端部は、本体フレーム11に固定されている。作業者がエンジンカッタ10により、対象物を加工する際には、一方の手でリヤハンドル12を把持し、他方の手でフロントハンドル13を把持してエンジンカッタ10を持ち上げる。このように、エンジンカッタ10は、作業者が手で掴んで持ち上げたり、移動したりすることができる携帯用切断機である。
【0015】
本体フレーム11にエンジン14が搭載されており、エンジン14の正面側はエンジンカバー14aにより覆われている。このエンジン14は、
図4のように、クランクケース15及びシリンダヘッド16を有する。クランクケース15及びシリンダヘッド16により、エンジン本体17が構成されている。クランクケース15は、クランクシャフト18を軸受19により回転自在に支持している。クランクシャフト18は、軸線X1を中心として回転可能である。シリンダヘッド16にシリンダ20が設けられており、シリンダ20内にピストン21が動作可能に配置されている。また、ピストン21とクランクシャフト18とを連結するコンロッド22が設けられている。
【0016】
エンジン本体17の一方の側面には、アーム23が設けられている。アーム23は、一端がクランクケース15と一体に形成され、非鉄金属、例えば、マグネシウムにより形成されている。アーム23の他端には、
図3、
図5〜
図7のように、円板形状のブレード24が回転自在に取り付けられている。ブレード24は金属製の回転刃である。エンジン本体17にクラッチハウジング25が取り付けられており、クラッチハウジング25の内部に、駆動プーリ26が設けられている。駆動プーリ26は、クランクシャフト18の外周面に軸受27を介して取り付けられており、駆動プーリ26はクランクシャフト18に対して相対回転が可能である。
【0017】
クラッチハウジング25内にクラッチ28が設けられている。クラッチ28は、クランクシャフト18と駆動プーリ26との間に形成される動力伝達経路を、接続または遮断する機構である。クラッチと28は公知の遠心クラッチを含み、クランクシャフト18の回転速度が予め定めた回転速度以下である場合は、クラッチ28は解放されており、動力伝達経路を遮断する。クランクシャフト18の回転速度が予め定めた回転速度を超えると、クラッチ28が係合されて、動力伝達経路が接続される。
【0018】
アーム23の自由端に筒部29が設けられており、筒部29により、軸受30を介してスピンドル31が回転可能に支持されている。ブレード24は、スピンドル31に固定されており、ブレード24は、軸線Y1を回転中心線として回転可能に支持されている。スピンドル31に従動プーリ33が固定されており、駆動プーリ26及び従動プーリ33に、環状のベルト34が巻き掛けられている。
【0019】
エンジン本体17であって、軸線X1に沿った方向でクラッチハウジング25が配置された箇所とは反対側の箇所に、リコイルスタータ35が設けられている。リコイルスタータ35は、クランクシャフト18に固定されたプーリ36を有し、プーリ36にロープ37が巻かれている。ロープ37の端部にレバー38が取り付けられており、作業者がレバー38を持ちロープ37を手動で引くとプーリ36が回転し、プーリ36とクランクシャフト18とが一体回転する。つまり、クランクシャフト18を初期回転させることができる。
【0020】
一方、スピンドル31にブレード24が取り付けられており、取付けボルト39が締め付けられて、ワッシャ40と、スピンドル31の外周面に設けた段部41との間に一対のフランジ83が挟まれている。一対のフランジ83は共に環状であり、一対のフランジ83の間にブレード24が挟まれて、ブレード24がスピンドル31に固定されている。つまり、ブレード24はスピンドル31と一体回転可能であり、ブレード24はスピンドル31に対して軸線Y1に沿った方向に固定されている。
【0021】
従動プーリ33は、取付けボルト42によりスピンドル31に固定されており、軸線Y1に沿った方向で従動プーリ33とブレード24との間に、筒部29が配置されている。また、ブレード24の円周方向の一部を覆うホイルガード43が設けられている。ホイルガード43は、エンジンカッタ10を正面視する
図1及び
図2、エンジンカッタ10を背面視する
図3において、軸線Y1を中心とする円周方向で、約180度の範囲でブレード24を覆っている。ホイルガード43は、エンジンカッタ10の背面視で、ブレード24の円周方向で、ボルト42よりもエンジン14に近い側の範囲を覆っている。また、ホイルガード43は、軸線Y1を中心とする半径方向の一定範囲で、ブレード24を覆っている。ホイルガード43は、軸線Y1を中心としてブレード24の円周方向に移動可能である。
【0022】
ホイルガード43は、非鉄金属、例えば、アルミニウムにより一体成形されている。ホイルガード43は、軸線Y1に沿った方向でブレード24の両側に配置される第1側板44及び第2側板45と、第1側板44の外周端と第2側板45の外周端とを連続する連続板46と、を備えている。連続板46は、軸線Y1を中心とする円弧形状である。このように、ブレード24は、軸線Y1に沿った方向で、第1側板44と第2側板45との間に配置されている。
【0023】
第2側板45の内周端に沿ってフレーム47が固定されており、フレーム47とアーム23との間に第1ダンパ48及び第2ダンパ49が配置されている。フレーム47は、金属材料を円弧形状に一体成形したものであり、第1ダンパ48及び第2ダンパ49は、軸線Y1に沿った方向に並べて配置されている。第1ダンパ48及び第2ダンパ49は、共に軸線Y1を中心とする円弧形状を成し、第1ダンパ48及び第2ダンパ49は、ゴム状弾性体によりそれぞれ一体成形されている。また、第1ダンパ48とアーム23の間には円弧形状の第1プレート50が配置され、第2ダンパ49と保持具52の間には円弧形状の第2プレート51が配置されている。
【0024】
アーム23は、筒部29の外周面から半径方向に延ばされており、軸線Y1に沿った方向で、アーム23とブレード24との間に保持具52が配置されている。保持具52には、軸線Y1に沿った方向に、かつ、アーム23に近づく向きで突出した筒部52aが設けられている。第1ダンパ48及び第2ダンパ49は、軸線Y1を中心とする半径方向で、筒部52aの外側に配置されている。アーム23には、軸線Y1に沿った方向の軸孔が設けられており、保持具52にボルトの軸部が固定されている。軸部は軸孔に配置されており、ボルトの頭部とアーム23との間に弾性部材が設けられている。
【0025】
つまり、保持具52は、アーム23により軸線Y1を中心として回転不可能に支持されている。弾性部材は金属製の圧縮バネであり、保持具52は、弾性部材の力により、アーム23に近づく向きで軸線Y1に沿って付勢されている。したがって、フレーム47は、第1プレート50、第2プレート51、第1ダンパ48、第2ダンパ49を介して、アーム23と保持具52との間に挟まれている。このように、ホイルガード43は、第1プレート50と保持具52との接触個所の摩擦力と、第2プレート51とアーム23との接触個所の摩擦力と、を保持力として、軸線Y1を中心とする円周方向に位置決めされている。
【0026】
ホイルガード43に、調整レバー53が取り付けられている。調整レバー53は、
図3のように、ホイルガード43の円周方向で1箇所に設けられており、調整レバー53は、第2側板45から連続板46の外周側に亘って設けられている。調整レバー53は、ボルト54、ナット55により第2側板45に固定されている。脚部11a,11bが接地した状態で、調整レバー53はアーム23よりも上方に位置する。
【0027】
調整レバー53は、
図5のように、軸線Y1に沿った方向で、第2側板45の端面45aから突出量L1分突出している。調整レバー53が、第2側板45の端面45aから軸線Y1に沿って突出している向きは、第1側板44から離れる向きである。また、
図8のように、アーム23における幅方向の両端に縁部23aが設けられており、第2側板45の端面45aと縁部23aとの間に、軸線Y1に沿った方向の隙間量L2が形成されている。隙間量L2は突出量L1未満である。
【0028】
ホイルガード43の第2側板に、
図8及び
図9のようにストッパ56が取り付けられている。ストッパ56は、軸線Y1を中心とするホイルガード43の円周方向で、調整レバー53が設けられている位置とは異なる位置に設けられている。具体的に説明すると、ストッパ56は、軸線Y1を中心とするホイルガード43の円周方向で、調整レバー53から90度以上離れた位置に設けられており、具体的にはホイルガード43の円周方向の中央に対して対称な位置に設けられている。このため、アーム23は、
図3のように、軸線Y1を中心とするホイルガード43の円周方向で、調整レバー53とストッパ56との間に配置されている。脚部11a,11bが接地されていると、ストッパ56は、ブレード24の側方でアーム23よりも下方に位置する。
【0029】
ストッパ56のうち、ホイルガード43に接触する箇所、アーム23に接触する箇所は、ホイルガード43及びアーム23よりも剛性が低い材料、例えば、合成樹脂または合成ゴム等により構成することができる。合成樹脂は、例えば、ナイロンを含む。合成ゴムは、ゴム弾性を備えた高分子材料、例えば、エチレン・プロピレンゴム、ブチルゴム、熱可塑性エラストマ等を含む。
【0030】
そして、ストッパ56全体を合成ゴムにより一体成形してもよいし、ストッパ56全体の材質を合成樹脂により一体成形してもよい。あるいは、ストッパ56全体の材質を、合成樹脂及び合成ゴムの両方で構成してもよい。さらに、ストッパ56は、合成樹脂または合成ゴムの塊の内部に、補強材として金属が埋め込まれた構造でもよい。ストッパ56は、3つの要素、つまり、突起部57と接触部58と脚部59とを互いに一体化したものである。突起部57は、第2側板45の端面45aに対して軸線Y1に沿った方向に突出している。第2側板45の端面45aに対する突起部57の突出量L3は、隙間量L2を超えている。接触部58は、軸線Y1と交差する方向に延びるとともに、平面視で四角形である。つまり、接触部58は、ブレード24の回転面に沿った方向に延ばされている。ブレード24の回転面とは、軸線Y1に対して垂直な平面である。
【0031】
また、接触部58は、ホイルガード43の円周方向で、突起部57に連続して設けられている。接触部58は、第2側板45の端面45aに対して傾斜する傾斜面58aを有し、第2側板45の端面45aに対する傾斜面58aの高さL4は、ホイルガード43の円周方向に沿って異なる。第2側板45の端面45aに対する傾斜面58aの高さL4は、突起部57に近づくほど高くなっている。傾斜面58aの高さL4の最大値は、突起部57の高さL3未満であり、かつ、隙間量L2よりも大きい。また、傾斜面58aの高さL4の最小値は、隙間量L2よりも小さい。さらに、接触部58には、軸線Y1を中心とする半径方向に沿って孔58bが2個設けられており、接触部58に3本のリブ58cを形成している。傾斜面58aはリブ58cの上面である。
【0032】
ストッパ56は、複数本のボルト60,61,72、複数個のナット62,63,64により第2側板45に固定されている。具体的に説明すると、接触部58は1本のボルト72及びナット62で固定され、突起部57は2本のボルト60及び2個のナット63により固定され、脚部59は1本のボルト61及び1個のナット64により固定されている。突起部57には、軸孔65及び凹部66が設けられており、軸孔65にボルト60の軸が配置され、凹部66にボルト60の頭部が配置されている。ボルト60の頭部は凹部66から露出しておらず、第2側板45の端面45aから、ボルト60の頭部の上端までの高さL5は、突出量L3未満であり、かつ、高さL4の最大値を超える。さらに、第2側板45の端面45aから、ボルト72の頭部の上端までの高さL6は、隙間量L2未満である。
【0033】
本実施形態のエンジンカッタ10は、作業者がレバー38を操作してリコイルスタータ35によりクランクシャフト18を初期回転させ、燃焼室に混合気が供給されて燃料が燃焼し、エンジン14のクランクシャフト18が自律回転する。作業者は、スロットルレバー12aを操作することにより、クランクシャフト18の回転速度、つまり、エンジン回転速度を調整することができる。クラッチ28は、エンジン回転速度が所定の回転速度以下であれば解放されており、クランクシャフト18の動力、つまり、トルクは駆動プーリ26に伝達されない。クラッチ28は、エンジン回転速度が所定の回転速度を超えると係合され、クランクシャフト18のトルクが駆動プーリ26に伝達される。
【0034】
駆動プーリ26の動力は、ベルト34を介して従動プーリ33に伝達され、従動プーリ33が回転する。このため、スピンドル31及びブレード24は、従動プーリ33と共に回転する。ブレード24は、
図3において時計回りに回転する。作業者は、ブレード24の円周方向で、ホイルガード43により覆われていない箇所を対象物に接触させて、対象物を切断する作業、対象物に溝を形成する作業等を実行する。ブレード24により対象物を加工すると、切断粉が飛散するが、切断粉はホイルガード43に接触するため、切断粉が作業者に向けて飛散することを抑制できる。
【0035】
また、作業者は、調整レバー53を操作してホイルガード43の位置決め力を超える力を、ホイルガード43に対して円周方向に加えて、アーム23に対するホイルガード43の保持位置を変更することができる。つまり、作業者は、対象物の形状、対象物の大きさ等、エンジンカッタ10の使用条件に合わせて、軸線Y1を中心とする円周方向において、アーム23に対するホイルガード43の保持位置を変更することができる。
【0036】
一方、エンジンカッタ10の使用中、つまり、ブレード24が
図3で時計回りに回転中に、ブレード24が変形、破損して、ブレード24の破片がホイルガード43に接触して、ホイルガード43に位置決め力を超える力が加わると、ホイルガード43が軸線Y1を中心として
図3で時計回りに回転する。すると、ストッパ56の突起部57がアーム23に接触し、ホイルガード43が停止する。このため、ホイルガード43が、作業者の意図に反して、所定の角度の範囲を超えて回転することを防止できる。
【0037】
ここで、回転したホイルガード43が停止する作用を、
図8に基づいて説明する。ストッパ56は、ホイルガード43が回転を開始する前において、
図8(A)のようにアーム23に接触していない。
【0038】
ホイルガード43が
図3において時計回りで回転し始めると、ストッパ56がアーム23に近づき、かつ、
図8(B)のように、接触部58がアーム23の縁部23aと第2側板45との間に進入し、傾斜面58aが縁部23aに接触する。このため、接触部58とアーム23との接触箇所における摩擦力に応じた制動力が、ホイルガード43に与えられ。ホイルガード43の回転速度が低下する。
【0039】
さらに、ホイルガード43の回転が継続すると接触部58が弾性変形し、接触部58とアーム23との接触箇所における摩擦力が増加し、ホイルガード43の回転速度がさらに減速される。その後、
図8(C)のように、ストッパ56の突起部57がアーム23の縁部23aに接触し、ホイルガード43が予め定められた位置で停止する。つまり、縁部23aから突起部57に対して反力F1が生じ、その反力F1によりホイルガード43が停止する。反力F1の向きは、軸線Y1に対して垂直な平面と平行であり、かつ、ホイルガード43の円周方向に沿った方向である。
【0040】
このように、ホイルガード43が停止した瞬間において、ストッパ56の突起部57には、ホイルガード43が回転していた際の慣性力F2が残留している。慣性力F2は、軸線Y1に対して垂直な平面と平行であり、かつ、ホイルガード43の円周方向に沿った方向であり、かつ、反力F1とは逆向きである。このため、ストッパ56には、第2側板45の固定箇所を支点として倒れ込む方向の分力F3が発生し、ストッパ56は、ホイルガード43においてストッパ56が固定された箇所と共に変形しようとする。軸線Y1と平行な側面断面内で、ホイルガード43の第2側板45が変形しようとする分力F3の向きは、反力F1に対して交差する方向である。
【0041】
つまり、第2側板45において回転方向でストッパ56よりアーム23の縁部23aに向かう側の面には、ブレード24から離れる向きで、持ち上がる力が生じ、ストッパ56よりアーム23から離れる側の面には、ブレード24に近づく向きで、落とし込む力が生じる。
【0042】
これに対して、接触部58は、ブレード24と平行に延びる面であり、ストッパ56と縁部23aの接触面に対して交差する方向に延びている。接触部58は、アーム23の縁部23aと接触可能に構成され、このため、ストッパ56及び第2側板45が、反力F1に対して交差する向きで変形しようとすると、アーム23が接触部58に接触することで、アーム23は、ストッパ56及び第2側板45から伝達される分力F3を受ける。
【0043】
したがって、ストッパ56及びホイルガード43の第2側板45が、反力F1に対して交差する向きで変形することを抑制できる。なお、ストッパ56のボルト60に作用する曲げモーメントに対して、少なくとも2個以上のボルト60で固定することで、ボルト60に加わる衝撃荷重を分散させることができる。
【0044】
このように、本実施形態のエンジンカッタ10は、停止しているホイルガード43が回転を開始してから停止するまでの間に、ストッパ56の接触部58がアーム23に接触する。特に、ホイルガード43が回転を開始してから、アーム23がストッパ56に接触するまでの間に、ストッパ56の接触部58が、アーム23に接触することが望ましい。この作用によれば、エンジンカッタ10は、接触部58とアーム23との接触箇所に生じる摩擦力で、ホイルガード43の回転速度を減速できる。
【0045】
つまり、ホイルガード43の運動エネルギを、摩擦熱に変換することで、ホイルガード43に制動力を与えている。このため、ストッパ56の突起部57がアーム23に接触して、ホイルガード43が停止する直前におけるホイルガード43の回転速度をなるべく低速にできる。したがって、ストッパ56がアーム23に接触する際に、アーム23が受ける衝撃荷重を低減でき、エンジンカッタ10の振動を抑制できる。また、フロントハンドル13を介して作業者の手に伝達される振動を抑制できる。
【0046】
さらに、接触部58に傾斜面58aが設けられており、アーム23の縁部23aと傾斜面58aとの接触箇所が、突起部57に近づくように変位し、アーム23の縁部23aが突起部57に接触してホイルガード43が停止する。したがって、ストッパ56が受ける衝撃荷重を分散することができ、応力集中を回避できる。
【0047】
また、ストッパ56において、アーム23及びホイルガード43に接触する箇所が合成ゴムにより成形されていると、ストッパ56はホイルガード43に接触して弾性変形する。このため、アーム23またはホイルガード43が変形することを防止できる。
【0048】
さらに、ストッパ56は、突起部57に連続して脚部59を有する。このため、突起部57が補強され、突起部57の曲げ剛性及び強度が高められている。したがって、突起部57がアーム23の縁部23aに接触した場合に、衝撃荷重で突起部57が変形することを抑制できる。
【0049】
さらに、第2側板45の端面45aに対するボルト60の頭部の高さL5は、隙間量L2を超えている。このため、突起部57がアーム23の縁部23aに接触した場合に、衝撃荷重の一部をボルト60で受けることができる。したがって、突起部57が脚部59に近づく向きで弾性変形することを抑制できる。
【0050】
さらに、第2側板45の端面45aに対するボルト72の頭部の高さL6は、隙間量L2未満である。このため、接触部58がアーム23の縁部23aに接触した時点以降に、ボルト72の頭部がアーム23の縁部23aに接触することを防止できる。
【0051】
なお、ストッパ56がアーム23に接触している状態から、作業者が調整レバー53を操作し、ホイルガード43を
図3で反時計回りに回転させると、ストッパ56がアーム23から離れる。
【0052】
このように、ストッパ56及びアーム23の縁部23aは、ホイルガード43をアーム23に対して予め定められた位置に停止させるストッパ機構としての役割と、ホイルガード43が、反力F1に対して交差する向きの分力F3で変形することを抑制する変形抑制機構としての役割とを兼備する。
【0053】
さらに、ホイルガード43が振動するにあたり、振動モードの腹となる位置にストッパ56を配置すれば、ホイルガード43の共振点を調整できる。したがって、ホイルガード43の振動を低減できる。
【0054】
次に、エンジンカッタ10に設けられるストッパ機構の他の例を、
図10〜
図13を参照して説明する。
図10〜
図13に示された構成において、
図1〜
図9に示された構成と同じ構成は、
図1〜
図9と同じ符号を付してある。第1ストッパ67がホイルガードに設けられ、第2ストッパ68がアーム23に設けられている。第1ストッパ67及び第2ストッパ68は、ホイルガード43及びアーム23よりも剛性が低い材料で構成されている。第1ストッパ67及び第2ストッパ68の材質は、ストッパ56の材質と同じにすることができる。
【0055】
第1ストッパ67は、円柱部67aと、円柱部67aの表面から半球形状に突出した接触部67bとを有する。第1ストッパ67は、軸線Y1の交差する平面視で外周形状が円形である。円柱部67aの中心線は、軸線Y1と平行であり、円柱部67aの中心線と垂直な端面は、第2側板45の端面45aに接触している。円柱部67aにおいて、中心線に沿った方向の高さL7は隙間量L2未満である。円柱部67aの高さは、第2側板45の端面45aに対する円柱部67aの突出量である。第2側板45の端面から、接触部67bの先端までの高さL8は、隙間量L2を超えている。高さL8は、第1ストッパ67の中心線に沿った方向の高さである。
【0056】
第1ストッパ67はホイルガード43の第2側板45の端面45aに固定されている。第1ストッパ67は、軸線Y1を中心とするホイルガード43の円周方向で、調整レバー53の配置位置から180度未満、かつ、90度を超える位置に配置されている。第1ストッパ67は、ボルト69及びナット70により固定されている。第1ストッパ67はボルト69の頭部に接着されている。
【0057】
第2ストッパ68は、アーム23において第2側板45の端面45aと対向する箇所に固定されている。第2ストッパ68は、軸線Y1を中心とする半径方向で、第1ストッパ67と同一円周上に配置されている。第2ストッパ68は、軸線Y1と交差する平面視で外周形状が円形である。第2ストッパ68は、ボルト71により固定されている。アーム23に雌ねじが設けられており、ボルト71の雄ねじ部がアーム23の雌ねじにねじこまれて、第2ストッパ68がアーム23に固定されている。
【0058】
第2ストッパ68は、円柱部68aと、円柱部68aの表面から半球形状に突出した接触部68bとを有する。円柱部68aの中心線は、軸線Y1と平行であり、円柱部68aの中心線と垂直な端面は、アーム23に接触している。円柱部68aにおいて、中心線に沿った方向の高さL7は隙間量L2未満である。アーム23の端部から、接触部68bの先端までの高さL8は、隙間量L2を超えている。高さL8は、第2ストッパ68の中心線に沿った方向の高さである。
【0059】
第2ストッパ68の寸法を表す高さL8は、接触部68bが第2側板45の端面45aに接触していない状態での値である。このため、第2ストッパ68がアーム23に固定されていると、接触部68bが第2側板45の端面45aに接触して第2ストッパ68が弾性変形し、接触部68bは、第2側板45の端面45aに押し付けられる。また、第2ストッパ68の寸法を表す高さL7は、接触部68bが第2側板45の端面45aに接触して、第2ストッパ68が弾性変形した状態での値である。
【0060】
上記の第1ストッパ67及び第2ストッパ68を有するエンジンカッタ10において、作業者が調整レバー53に操作力を加え、ホイルガード43を軸線Y1を中心として回転させる作業を行う場合に必要な操作力は、
図1〜
図9で説明したエンジンカッタ10において、作業者が調整レバー53に操作力を加え、ホイルガード43を軸線Y1を中心として回転させる作業を行う場合に必要な操作力よりも大きい。その理由は、
図13(A)のように、第2ストッパ68の接触部68bがホイルガード43の第2側板45に接触して第2ストッパ68が弾性変形し、接触部68bが第2側板45に押し付けられているからである。
【0061】
第1ストッパ67及び第2ストッパ68を有するエンジンカッタ10の使用中、つまり、ブレード24が
図10で時計回りに回転中に、ブレード24が変形、破損して、ブレード24の破片がホイルガード43に接触して、ホイルガード43に位置決め力を超える力が加わると、ホイルガード43が軸線Y1を中心として
図10で時計回りに回転する。すると、第2ストッパ68と第2側板45の端面45aとが擦れ合い、第2ストッパ68と第2側板45の端面45aとの接触箇所における摩擦力で、ホイルガード43の回転速度が低下する。
【0062】
さらに、ホイルガード43が軸線Y1を中心として
図10で時計回りに回転し続けると、第1ストッパ67の円柱部67aと、アーム23の縁部23aとが接触し、第1ストッパ67が弾性変形する。つまり、第1ストッパ67とアーム23との接触箇所における摩擦力に相当する分、ホイルガード43に加わる制動力が増加する。
【0063】
そして、第1ストッパ67はアーム23と第2側板45との間に進入し、
図13(B)のように、円柱部67aの外周面が円柱部68aの外周面に接触して、第2ストッパ68に反力F1が生じ、ホイルガード43が停止する。反力F1は、軸線Y1に対して垂直な平面内で、ホイルガード43の円周方向に生じる。このため、ホイルガード43が、作業者の意図に反して、所定の角度の範囲を超えて回転することを防止できる。
【0064】
さらに、円柱部67aの外周面と、円柱部68aの外周面とが衝突する際に、ホイルガード43の回転力により、第1ストッパ67に慣性力F2が生じる。慣性力F2は反力F1に対して逆向きである。このため、第1ストッパ67には、第2側板45との固定箇所を支点として、第2側板45と共に倒れ込む向きの分力F3が発生する。軸線Y1と平行な側面断面内で、分力F3は反力F1に対して交差する向きで生じる。
【0065】
ここで、円柱部67aが円柱部68aに接触して弾性変形し、接触部67bがアーム23と接触し、かつ、円柱部67aの端面がアーム23にすることで、分力F3がアーム23で受けられる。したがって、第1ストッパ67及び第2側板45が、反力F1に対して交差する向きで変形することを抑制できる。
【0066】
このように、本実施形態のエンジンカッタ10は、停止しているホイルガード43が回転を開始してから停止するまでの間に、円柱部67aと交差する面を有する接触部67bがアーム23と接触することで、円柱部67aと円柱部68aとの接触による回転力を適切に抑え込むことができる。特に、第1ストッパ67の接触部67bとアーム23は、ホイルガード43が回転を開始してから円柱部67aが円柱部68aに接触するまでの間に接触することが望ましい。
【0067】
この作用によれば、第2ストッパ68の円柱部68aと第2側板45との接触箇所に生じる摩擦力に応じた制動力と、第1ストッパ67の円柱部67aとアーム23の縁部23aとの接触箇所に生じる摩擦力に応じた制動力とが、ホイルガード43に与えられ、ホイルガード43の回転速度を減速できる。つまり、ホイルガード43の運動エネルギを、摩擦熱に変換することで、ホイルガード43に制動力を与えている。
【0068】
このため、第1ストッパ67の円柱部67aが第2ストッパ68の円柱部68aに接触して、ホイルガード43が停止する直前におけるホイルガード43の回転速度をなるべく低速にできる。したがって、第1ストッパ67の円柱部67aが第2ストッパ68の円柱部68aに接触する際に、アーム23に加わる衝撃荷重を低減でき、エンジンカッタ10の振動を抑制できる。
【0069】
さらに、接触部67bは半球状であるため、第1ストッパ67が受ける衝撃荷重を分散することができ、応力集中を回避できる。また、第1ストッパ67及び第2ストッパ68において、アーム23及びホイルガード43に接触する箇所が合成ゴムにより成形されていると、アーム23またはホイルガード43が変形することを防止できる。
【0070】
このように、第1ストッパ67は、ホイルガード43を予め定められた位置に停止させるストッパ機構としての役割と、第1ストッパ67が分力F3で変形することを抑制する変形抑制機構としての役割とを兼備する。
【0071】
図11に示す第1ストッパ67の構成では、ホイルガード43の上面とアーム23の底辺部との距離が短く、その底辺部に第2ストッパ68が配置されている。そして、第2ストッパ68が第1ストッパ67が接触することになるため、第1ストッパ67を固定するボルト69は1個で良い。なお、ボルト69とボルト71は必ずしも同一円周状に配置しなくてもよく、第1ストッパ67と固定するボルト69を2つとして、2つのボルト69の中央部に第2ストッパ68が通過する構成としてもよい。この場合は、第1ストッパ67に加わる衝撃荷重を分散できるため耐久性を向上させることができる。
【0072】
次に、
図10〜
図13に示されたストッパ機構の変形例について、
図14及び
図15を参照して説明する。第2側板45に第1ストッパ77が取り付けられ、アーム23に第2ストッパ78が取り付けられている。第1ストッパ77が第2側板45に取り付けられている箇所は、第1ストッパ67が第2側板45に取り付けられている箇所と同じである。第2ストッパ78がアーム23に取り付けられている箇所は、第2ストッパ68がアーム23に取り付けられている箇所と同じである。
【0073】
第1ストッパ77及び第2ストッパ78は、ホイルガード43及びアーム23よりも剛性が低い材料で構成されている。第1ストッパ77及び第2ストッパ78の材質は、ストッパ56の材質と同じにすることができる。第1ストッパ77は環状であり、第1ストッパ77は、軸線Y1の交差する平面視で外周形状が円形である。第1ストッパ77の中心線は軸線Y1と平行であり、第1ストッパ77の中心線と垂直な端面は、第2側板45の端面45aに接触している。
図14(A)のように、第1ストッパ77と第2ストッパ78とが離れている場合、第1ストッパ77において、中心線に沿った方向の高さL7は隙間量L2未満である。第1ストッパ77の高さは、第2側板45の端面45aに対する第1ストッパ77の突出量である。
【0074】
第1ストッパ77はホイルガード43の第2側板45の端面45aに固定されている。第1ストッパ77は、軸線Y1を中心とするホイルガード43の円周方向で、調整レバー53の配置位置から180度未満、かつ、90度を超える位置に配置されている。第1ストッパ77は、ボルト79及びナット80により固定されている。第1ストッパ77はボルト79の頭部に接着されている。
【0075】
第2ストッパ78は、アーム23において第2側板45の端面45aと対向する箇所に固定されている。第2ストッパ78は、軸線Y1を中心とする半径方向で、第1ストッパ77と同一円周上に配置されている。第2ストッパ78は環状であり、かつ、軸線Y1と交差する平面視で外周形状が円形である。第2ストッパ78はナット81に固定されている。また、ナット81にねじ込まれるボルト82が設けられており、ボルト82が締め付けられて、ナット81がアーム23に固定されている。つまり、第2ストッパ78は、ナットを介してアーム23に固定されている。
【0076】
第2ストッパ78の中心線は軸線Y1と平行であり、第2ストッパ78の中心線と垂直な端面は、アーム23に接触している。
図14(A)のように、第1ストッパ77と第2ストッパ78とが離れている場合、第2ストッパ78において、中心線に沿った方向の高さL7は隙間量L2未満である。高さL7は、アーム23の端部に対する第2ストッパ78の突出量である。
【0077】
一方、ホイルガード43に外力が加わり、ホイルガード43が軸線Y1を中心として回転すると、第1ストッパ77が第2側板45とアーム23との間に進入する。そして、
図14(B)及び
図15(A)に示すように、第1ストッパ77の外周面77aと、第2ストッパ78の外周面78aとが衝突し、第2ストッパ78は反力F1を生じる。反力F1は、軸線Y1に対して垂直な平面内で、ホイルガード43の円周方向に向いている。このようにして、ホイルガード43がアーム23に対して予め定められた位置で停止する。
【0078】
第1ストッパ77が第2ストッパ78に衝突すると、ホイルガード43の慣性力F2が第1ストッパ77に作用する。慣性力F2の向きは。反力F1の向きとは逆である。このため、第1ストッパ67には、第1ストッパ67を第2側板45に固定した個所を支点として、反力F1に対して交差する向きの分力F3が生じる。このため、第1ストッパ77及び第2側板45の一部が、第1ストッパ67を第2側板45に固定した個所を支点として倒れ込もうとする。
【0079】
これに対して、本実施形態では、第1ストッパ77が第2ストッパ78に衝突すると、第1ストッパ77及び第2ストッパ78が弾性変形または潰れ、
図15(B)のように、第1ストッパ77の端部77cはアーム23に接触し、第2ストッパ78は第2側板45に接触する。つまり、第1ストッパ77は片持ち梁の状態から、アーム23により自由端側を支持された両持ち梁の状態に変動することになる。端部77cは、軸線Y1に沿った方向で、第1ストッパ77のうち、第2側板45に接触している箇所とは反対側に位置する。つまり、第1ストッパ77と第2ストッパ78とが衝突すると、第1ストッパ77の高さL7、及び第2ストッパ78の高さL7は、隙間量L2よりも大きくなろうとする。
【0080】
したがって、第1ストッパ77と第2ストッパ78とが衝突した際に、第1ストッパ77が第2ストッパ78に近づく向きで倒れ込もうとする分力F3を、アーム23が受けるため、第1ストッパ77の倒れ込み及び第2側板45の変形を、効果的に抑制することができる。このように、第1ストッパ77及び第2ストッパ78を設けると、第1ストッパ77及びホイルガード43の変形を抑制する効果を得ることができる。
【0081】
また、第1ストッパ77及び第2ストッパ78と、アーム23との衝突面は、共に凹凸が形成されていてもよい。また、第1ストッパ77と第2ストッパ78との衝突面は、軸線Y1に沿った方向で第1ストッパ77の自由端側が第2ストッパ78に近づくよう傾斜して構成されているため、衝突により第1ストッパ77が第2ストッパ78を乗り上げようとする力を抑制することができる。なお、上記衝突面は、軸線Y1に沿って第1ストッパ77の自由端側が第2ストッパ78から離れるよう傾斜してもよい。この構成によれば、衝突時の第1ストッパ77と第2ストッパ78の引っ掛かりが生じ難くなり、衝突後に元の位置に復帰させることが容易となる。
【0082】
また、
図14及び
図15の実施形態は、
図1〜
図13を参照して説明した実施形態とは異なり、第1ストッパ77と第2ストッパ78とが接触する前に、第1ストッパ77とアーム23とが接触することはなく摩擦力は生じない。さらに、第1ストッパ77と第2ストッパ78とが接触する前に、第2ストッパ78とホイルガード43とが接触することはなく摩擦力は生じない。したがって、作業者が調整レバー53を操作してホイルガード43の回動位置を調整する際に、ホイルガード43を回動させる作業が阻害されず、作業者の負担を軽減することができる。
【0083】
このように、第1ストッパ77及びアーム23は、ホイルガード43を予め定められた位置に停止させるストッパ機構としての役割と、第1ストッパ77及び第2側板45が分力F3の向きで変形することを抑制する変形抑制機構としての役割とを兼備する。
【0084】
本実施形態で説明した構成と、本発明の構成との対応関係を説明すると、エンジンカッタ10が、本発明の作業機に相当し、エンジン14が、本発明の動力源に相当し、ブレード24が、本発明の回転工具に相当し、アーム23が、本発明の支持部材に相当し、ホイルガード43が、本発明のガード部材に相当する。
【0085】
さらに、縁部23aを備えたアーム23、ストッパ56、突起部57、第1ストッパ67,77、第2ストッパ68,78が、本発明のストッパ機構に相当し、接触部58を備えたストッパ56、第1ストッパ67,77が、本発明の変形抑制機構に相当し、接触部58が、本発明の接触部に相当し、接触部58、接触部67bを備えた第1ストッパ67が、本発明の抵抗機構に相当し、傾斜面58aが、本発明の傾斜面に相当し、接触部67bが、本発明の第1接触部に相当し、接触部68bが、本発明の第2接触部に相当する。また、
図5及び
図6を参照して説明した保持具52、アーム23、第1ダンパ48、第2ダンパ49、圧縮バネ等が、本発明の保持機構に相当する。さらに、軸線Y1が、本発明の回転中心線に相当し、ストッパとガード部材との接触箇所、ストッパとアームとの接触箇所で生じる摩擦力が、本発明の抵抗力に相当する。本発明の抵抗機構は、ガード部材の移動速度を減速させる制動機構ということもできる。さらに、本体フレーム11が、本発明の作業機本体に相当し、クランクシャフト18が、本発明の出力軸に相当し、駆動プーリ26が、本発明の駆動プーリに相当し、スピンドル31が、本発明のスピンドルに相当し、従動プーリ33が、本発明の従動プーリに相当し、ベルト34が、本発明のベルトに相当する。
【0086】
また、
図3、
図8の例では、本発明の抵抗機構及びストッパ機構が、共にガード部材に設けられており、本発明の抵抗機構は、傾斜面を備えている。一方、
図10、
図13〜
図15の例では、本発明の抵抗機構が、ガード部材及び支持部材の両方に設けられている。また、
図10、
図13〜
図15の例では、本発明のストッパ機構が、ガード部材及び支持部材の両方に設けられている。
【0087】
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。また、本発明において、回転工具に動力を伝達する動力源としてのエンジンは、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、液化天然ガスエンジン等を含む。また、動力源としてのエンジンは、2ストローク1サイクルエンジン、4ストローク1サイクルエンジンのいずれでもよい。
【0088】
本発明において、回転工具に動力を伝達する動力源は、燃料を燃焼させて熱エネルギを運動エネルギに変換して動力を発生するエンジンの他、電気エネルギを運動エネルギに変換する電動モータを含む。また、ストッパを固定するボルト、ナット等の固定要素の数は任意に変更可能である。さらに、ストッパの形状、大きさ等は任意に変更可能である。さらにまた、回転工具により加工される対象物は、木材、ステンレス鋼、軟鋼材、薄板鉄板等を含む。