(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取手支持部は、前記第1位置において、前記第1係合部が前記第2係合部を押圧するように付勢するように構成される付勢部を備えることを特徴とする、請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
前記現像カートリッジは、前記接触部分に対して、前記感光体の反対側に配置される第2取手を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
前記感光体は、前記第1位置に位置する前記取手支持部の前記第1部材と前記第2部材との間に配置されていることを特徴とする、請求項5または6に記載のプロセスカートリッジ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、近年、ドラムカートリッジの小型化がますます望まれている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のプロセスカートリッジでは、ドラムカートリッジが押圧部を備えているので、ドラムカートリッジの小型化を図るには限度がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、現像剤担持体と感光体との相対的な位置関係を維持することができながら、感光体カートリッジの小型化を図ることができるプロセスカートリッジ、現像カートリッジおよび画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記した目的を達成するために、本発明のプロセスカートリッジは、感光体を備える感光体カートリッジと、感光体カートリッジに着脱可能であり、感光体に接触する現像剤担持体を備える現像カートリッジとを備えている。現像カートリッジは、取手と、取手を、感光体と現像剤担持体との接触部分に対する現像剤担持体の反対側で支持する取手支持部とを備えている。取手支持部は、第1係合部を備え、感光体カートリッジは、接触部分に対する現像剤担持体の反対側に配置される第2係合部を備えている。取手支持部は、第1係合部が第2係合部に対して、現像剤担持体の反対側から係合する第1位置と、第1係合部と第2係合部との係合が解除される第2位置との間を移動するように構成されている。現像剤担持体と感光体とは、第1位置において、相対的な位置関係が維持される。
【0010】
このような構成では、現像カートリッジが、取手支持部を備え、取手支持部を第1位置に配置すれば、第1係合部が第2係合部に対して、現像剤担持体の反対側から係合する。これによって、現像カートリッジと感光体カートリッジとの相対移動が規制され、現像剤担持体と感光体とは、相対的な位置関係が維持される。そのため、感光体カートリッジが、現像剤担持体を感光体に向けて押圧する構成を備えることなく、現像剤担持体と感光体との相対的な位置関係を維持することができる。その結果、感光体カートリッジの小型化を図ることができる。
【0011】
また、現像カートリッジは、取手を備えており、このような取手は、プロセスカートリッジを持ち運ぶときなどに把持できる。そのため、プロセスカートリッジの円滑な持ち運びを確保することができる。
【0012】
さらに、取手を操作することにより、取手支持部の円滑な移動を確保できる。
【0013】
また、取手支持部を第1位置から第2位置に移動すれば、第1係合部と第2係合部との係合が解除されるので、現像カートリッジを感光体カートリッジから容易に離脱させることができる。
【0014】
従って、現像剤担持体と感光体との相対的な位置関係を維持することができながら、感光体カートリッジの小型化を図ることができ、かつ、取手支持部の円滑な移動、および、プロセスカートリッジの円滑な持ち運びを確保することができる。
(2)取手支持部は、第1位置において、第1係合部が第2係合部を押圧するように付勢するように構成される付勢部を備えていてもよい。
【0015】
このような構成によれば、取手支持部が第1位置に位置する状態において、第1係合部が、付勢部によって第2係合部を押圧する。そのため、第1係合部と第2係合部とを確実に係合させることができ、現像剤担持体と感光体との相対的な位置関係をより確実に維持することができる。
(3)取手支持部は、第1位置と第2位置との間を回動するように構成されていてもよい。第1係合部は、第2位置において、接触部分に対して感光体の反対側に配置されていてもよい。
【0016】
このような構成によれば、取手支持部は、回動するので、取手支持部を第1位置と第2位置とに容易に移動させることができる。
【0017】
また、取手支持部を第1位置から第2位置に移動すれば、第1係合部が接触部分に対して感光体の反対側に配置されるので、第1係合部と第2係合部との係合を確実に解除でき、現像カートリッジに対する円滑な離脱を確保できる。
(4)現像カートリッジは、接触部分に対して、感光体の反対側に配置される第2取手を備えていてもよい。
【0018】
このような構成によれば、現像カートリッジが第2取手を備えているので、現像カートリッジの円滑な持ち運びを確保できる。また、第2取手は、接触部分に対する現像剤担持体の反対側に配置される取手とは、接触部分に対して反対に配置される。そのため、取手および第2取手は、プロセスカートリッジにおいてバランスよく配置されており、取手および第2取手を把持することにより、プロセスカートリッジのより一層円滑な持ち運びを確保することができる。
(5)現像剤担持体は、軸線を中心として回転するように構成され、取手支持部は、現像剤担持体の軸線に沿って延びる軸線方向と直交する第1方向に延びる第1部材と、第1部材と軸線方向において間隔を空けて向かい合い、第1方向に延びる第2部材と、第1部材および第2部材を軸線方向に連結する連結部材とを備えていてもよい。
【0019】
このような構成によれば、簡易な構成でありながら、第1部材、第2部材および連結部材によって、取手支持部を確実に構成することができる。
(6)取手は、連結部材から突出していてもよい。
【0020】
このような構成によれば、取手を容易に把持することができる。
(7)感光体は、第1位置に位置する取手支持部の第1部材と第2部材との間に配置されていてもよい。
【0021】
このような構成によれば、取手支持部が第1位置に位置する状態で、感光体が、第1部材と第2部材との間に配置されるので、取手支持部が第1位置に位置する状態において、第1部材、第2部材および感光体を効率的に配置できる。
(8)感光体は、軸線方向に延びる軸部を備え、第2係合部は、感光体の軸部の軸線方向両端部のそれぞれであり、第1部材および第2部材のそれぞれは、軸部の軸線方向端部を受け入れるように構成される溝部を有してもよい。第1係合部は、溝部の周縁であってもよい。
【0022】
このような構成によれば、取手支持部が第1位置に位置する状態で、感光体の軸部の軸線方向端部が、溝部に挿入され、溝部の周縁と係合する。そのため、軸部の軸線方向端部と溝部の周縁とを、確実に係合させることができる。
【0023】
また、第2係合部は、感光体の軸部の軸線方向両端部のそれぞれであるので、第2係合部を、感光体の軸部とは別途備える必要がない。そのため、部品点数を低減することができる。
(9)感光体カートリッジは、感光体を支持する感光体筐体を備え、感光体は、第1位置に位置する取手支持部の連結部材と現像剤担持体との間に配置されていてもよい。第1係合部は、第1位置において、連結部材から軸線方向および第1方向に対して直交する第2方向に延びる延出部であってもよい。第2係合部は、感光体筐体から、接触部分に対する現像剤担持体の反対側に突起する突起部であってもよい。
【0024】
このような構成によれば、取手支持部が第1位置に位置する状態で、延出部と突起部とが、接触部分に対する現像剤担持体の反対側において、係合する。そのため、延出部と突起部とを確実に係合させることができる。
(10)本発明の画像形成装置は、装置本体と、装置本体に着脱可能である上記したプロセスカートリッジとを備える。装置本体は、プロセスカートリッジの装置本体に対する着脱を案内するように構成される案内部を備える。第1位置に位置する取手支持部は、プロセスカートリッジが装置本体に対して着脱されるときに、案内部に案内される。
【0025】
このような構成によれば、第1位置に位置する取手支持部は、プロセスカートリッジの装置本体に対する着脱時に、案内部に案内される。そのため、プロセスカートリッジを装置本体に対して容易かつ確実に着脱することができる。
【0026】
また、画像形成装置は、現像剤担持体と感光体との相対的な位置関係を維持することができるプロセスカートリッジを備えるので、画像形成動作の信頼性を向上させることができる。
(11)取手支持部は、装置本体内の空気の流れを案内する空気案内路を備えてもよい。
【0027】
このような構成によれば、取手支持部が空気案内路を備えるので、装置本体内の空気の流れを案内することができる。そのため、装置本体内で発生する熱などを、空気の流れに伴って装置本体内から除去することができる。
(12)本発明の現像カートリッジは、感光体を備える感光体カートリッジに着脱可能である現像カートリッジであって、現像カートリッジが感光体カートリッジに装着された状態で、感光体に接触し、感光体に現像剤を供給するように構成される現像剤担持体と、取手と、取手を、感光体と現像剤担持体との接触部分に対する現像剤担持体の反対側で支持する取手支持部とを備えている。取手支持部は、第1係合部を備えている。取手支持部は、現像カートリッジが感光体カートリッジに装着された状態で、第1係合部が感光体カートリッジに対して現像剤担持体の反対側から係合する第1位置と、第1係合部と感光体カートリッジとの係合が解除される第2位置との間を移動するように構成されている。現像剤担持体と感光体とは、第1位置において、相対的な位置関係が維持される。
【0028】
このような構成では、取手支持部を第1位置に配置すれば、第1係合部が感光体カートリッジに対して、現像剤担持体の反対側から係合する。これによって、現像カートリッジと感光体カートリッジとの相対移動が規制され、現像剤担持体と感光体とは、相対的な位置関係が維持される。そのため、感光体カートリッジが、現像剤担持体を感光体に向けて押圧する構成を備えることなく、現像剤担持体と感光体との相対的な位置関係を維持することができる。その結果、感光体カートリッジの小型化を図ることができる。
【0029】
また、取手は、取手支持部が第1位置に位置する状態において、現像カートリッジが装着された感光体カートリッジを持ち運ぶときなどに把持できる。そのため、現像カートリッジが装着された感光体カートリッジの円滑な持ち運びを確保することができる。
【0030】
さらに、取手を操作することにより、取手支持部の円滑な移動を確保できる。そして、そのような取手が、取手支持部に支持されているので、感光体カートリッジが取手を備えている場合と比較して、感光体カートリッジの小型化を図ることができる。
【0031】
また、取手支持部を第1位置から第2位置に移動すれば、第1係合部と感光体カートリッジとの係合が解除されるので、現像カートリッジを感光体カートリッジから容易に離脱させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置および現像カートリッジによれば、現像剤担持体と感光体との相対的な位置関係を維持することができながら、感光体カートリッジの小型化を図ることができ、かつ、取手支持部の円滑な移動、および、プロセスカートリッジの円滑な持ち運びを確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
1.プロセスカートリッジの概略
図1および
図2に示すように、プロセスカートリッジ1は、現像カートリッジ3と、感光体カートリッジの一例としてのドラムカートリッジ4とを備えている。
【0035】
以下の説明において、プロセスカートリッジ1および後述するプリンタ5の方向について言及するときには、プロセスカートリッジ1およびプリンタ5を水平に載置した状態を基準とし、具体的には、各図に示す方向矢印を基準とする。
【0036】
また、左右方向が軸線方向の一例であり、左方が軸線方向一方の一例、右方が軸線方向他方一例である。前後方向が、軸線方向と直交する第1方向の一例であり、前方が第1方向一方の一例、後方が第1方向他方の一例である。上下方向が、軸線方向および第1方向の両方向と直交する第2方向の一例であり、上方が第2方向一方の一例、下方が第2方向他方の一例である。
【0037】
現像カートリッジ3は、現像フレーム30と、現像剤担持体の一例としての現像ローラ31とを備えている。
【0038】
現像フレーム30は、後方に向かって開放される略ボックス形状を有している。現像フレーム30は、現像剤の一例としてのトナーを収容するように構成されている。
【0039】
現像ローラ31は、現像フレーム30の後端部に配置されている。現像ローラ31は、ローラ軸32と、ローラ本体33とを備えている。
【0040】
ローラ軸32は、左右方向に延びている。ローラ本体33は、左右方向に延びる略円筒形状を有している。ローラ本体33は、ローラ軸32の両端部が露出するように、ローラ軸32を被覆している。そして、現像ローラ31は、ローラ軸32の両端部が現像フレーム30の側壁に回転可能に支持されていることによって、現像フレーム30に支持されている。そのため、現像ローラ31は、ローラ軸32の軸線Aを中心として回転するように構成されている。また、ローラ軸32の両端部のそれぞれは、現像フレーム30の両側壁のそれぞれから左右方向外方に突出している。ローラ本体33の後方部分は、現像フレーム30から露出している。
【0041】
ドラムカートリッジ4は、現像カートリッジ3を離脱可能に装着している。つまり、現像カートリッジ3は、ドラムカートリッジ4に着脱可能である。ドラムカートリッジ4は、
図2に示すように、感光体筐体の一例としてのドラムフレーム40と、感光体の一例としての感光ドラム41と、スコロトロン型帯電器47と、転写ローラ42とを備えている。
【0042】
ドラムフレーム40は、側面視略L字形状を有している。ドラムフレーム40は、後フレーム46と、前フレーム45とを一体的に備えている。
【0043】
後フレーム46は、ドラムフレーム40の後方部分であって、装着される現像カートリッジ3に対して後方に隣接配置されている。後フレーム46は、前方に向かって開放される略ボックス形状を有する。後フレーム46は、感光ドラム41と、スコロトロン型帯電器47と、転写ローラ42とを収容している。
【0044】
前フレーム45は、ドラムフレーム40の前方部分であって、装着される現像カートリッジ3に対して下方に配置され、現像カートリッジ3を離脱可能に支持している。前フレーム45は、左右方向に延びる平面視略矩形状の板状を有し、後フレーム46の底壁の前端部から前方に向かって延びている。
【0045】
感光ドラム41は、後フレーム46内の前端部に配置されている。感光ドラム41は、ドラム本体44と、軸部の一例としてのドラム軸43とを備えている。
【0046】
ドラム本体44は、左右方向に延びる略円筒形状を有しており、ドラム本体44の左右両端面は閉鎖されている。ドラム軸43は、左右方向に延びており、ドラム本体44と中心軸線を共有するように、ドラム本体44を貫通している。ドラム軸43の両端部のそれぞれは、ドラム本体44の両端面のそれぞれから左右方向外方に突出している。
【0047】
そして、感光ドラム41は、
図5に示すように、ドラム本体44の左右両端部のそれぞれが、後フレーム46の両側壁のそれぞれに回転可能に支持されていることによって、ドラムフレーム40に支持されている。なお、ドラム本体44の左右両端面のそれぞれは、後フレーム46の左右両側壁よりも左右方向外方に位置している。また、ドラム軸43は、
図2に示すように、後述する接触部分48に対して現像ローラ31の反対側に配置されている。ドラム本体44の前方部分は、後フレーム46から露出している。そして、ドラム本体44の前端部は、ローラ本体33の後端部と接触して、接触部分48を構成している。
【0048】
スコロトロン型帯電器47は、感光ドラム41の後上方において、ドラム本体44と間隔を隔てて配置されている。
【0049】
転写ローラ42は、感光ドラム41の下方に配置されている。転写ローラ42は、後フレーム46に回転可能に支持されている。転写ローラ42は、ドラム本体44の下端部と接触している。
2.プロセスカートリッジの使用態様
プロセスカートリッジ1は、
図4に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ5に装着されて使用される。
【0050】
プリンタ5は、電子写真方式のモノクロプリンタである。プリンタ5は、装置本体6と、プロセスカートリッジ1と、図示しないスキャナユニットと、定着ユニット15とを備えている。
【0051】
装置本体6は、略ボックス形状を有している。装置本体6は、開口部7と、フロントカバー8と、給紙トレイ9と、排紙トレイ10と、ダクト13と、案内部の一例としての案内溝14とを備えている。
【0052】
開口部7は、装置本体6の前端部に配置されている。開口部7は、プロセスカートリッジ1の通過を許容するように、装置本体6の内外を前後方向に連通している。
【0053】
フロントカバー8は、装置本体6の前端部に配置されている。フロントカバー8は、略板状を有している。フロントカバー8は、上下方向に延び、その下端部を支点として装置本体6の前壁に揺動可能に支持されている。そして、フロントカバー8は、開口部7を開放または閉鎖するように構成されている。
【0054】
給紙トレイ9は、装置本体6内の底部に配置されている。給紙トレイ9は、用紙Pを収容するように構成されている。
【0055】
排紙トレイ10は、装置本体6の上壁の上面であって、用紙Pが載置されるように構成されている。
【0056】
ダクト13は、装置本体6内の後端部に配置されている。ダクト13は、装置本体6内の空気を装置本体6外へ排出するように構成されている。
【0057】
案内溝14は、装置本体6の両側壁のそれぞれの内面に配置されている。案内溝14は、装置本体6の左右両側壁のそれぞれの内面から、左右方向の外方に向かって凹んでおり、装置本体6の左右両側壁の前端部から後方に向かって延びている。そのため、案内溝14は、前方に向かって開放されている。案内溝14は、詳しくは後述するが、プロセスカートリッジ1の装置本体6に対する着脱を案内するように構成されている。
【0058】
プロセスカートリッジ1は、装置本体6内において、給紙トレイ9の上方、かつ、ダクト13の前方に配置されている。
【0059】
図示しないスキャナユニットは、感光ドラム41のドラム本体44に向けて画像データに基づくレーザービームを出射するように構成されている。
【0060】
定着ユニット15は、装置本体6内の後端部において、プロセスカートリッジ1の後方に配置されている。定着ユニット15は、加熱ローラ16と、加圧ローラ17とを備えている。加熱ローラ16は、左右方向において、ダクト13と重なるように配置されている。加圧ローラ17は、加熱ローラ16の下方に配置され、加熱ローラ16の下端部に接触している。
【0061】
そして、プリンタ5が画像形成動作を開始すると、
図2に示すように、スコロトロン型帯電器47は、感光ドラム41のドラム本体44の表面を一様に帯電する。図示しないスキャナユニットは、ドラム本体44の表面を露光する。これにより、静電潜像が、ドラム本体44の表面に形成される。
【0062】
また、トナーは、現像ローラ31に担持され、次いで、ドラム本体44表面の静電潜像に供給される。これにより、トナー像が、ドラム本体44の表面に担持される。
【0063】
用紙Pは、
図4に示すように、給紙トレイ9から、各種ローラの回転により、所定のタイミングで1枚ずつ、ドラムフレーム40が有する図示しない開口を介して、ドラム本体44と転写ローラ42との間に給紙される。ドラム本体44表面のトナー像は、用紙Pがドラム本体44と転写ローラ42との間を通過するときに、用紙Pに転写される。
【0064】
次いで、用紙Pは、加熱ローラ16と加圧ローラ17との間を通過するときに加熱および加圧される。これにより、用紙P上のトナー像は、用紙Pに熱定着される。その後、用紙Pは、排紙トレイ10に排紙される。
3.現像カートリッジの詳細
現像カートリッジ3は、
図1および
図3に示すように、取手ユニット60と、第2取手の一例としての把持部61とを備えている。
【0065】
取手ユニット60は、取手支持部59と、取手75とを備えている。
【0066】
取手支持部59は、
図1に示すように、支持部本体55と、ローラ軸挿入部64と、付勢部の一例としてのバネ65とを備えている。
【0067】
取手支持部59は、詳しくは後述するが、
図1および
図5に示すように、前後方向に沿う第1位置の一例としての係合位置と、前上方と後下方とを結ぶ方向に沿う離脱許容位置とに、揺動可能に構成されている。そこで、取手支持部59の以下の説明は、
図1、
図2および
図6Cに示すように、取手支持部59が係合位置に位置する状態を基準として説明する。
【0068】
支持部本体55は、
図1に示すように、第1部材62と、第2部材63と、連結部材70とを一体的に有している。
【0069】
第1部材62は、取手支持部59の左端部であって、前後方向に延びる略角柱形状を有している。第1部材62は、現像フレーム30および後フレーム46の左方に配置されている。具体的には、
図6Cに示すように、第1部材62は、左右方向から見て、第1部材62の前方部分が現像フレーム30と重なり、第1部材62の後方部分が後フレーム46と重なり、第1部材62の後端部が後フレーム46よりも後方に突出している。
【0070】
第2部材63は、
図1に示すように、取手支持部59の右端部であって、前後方向に延びる略角柱形状を有している。第2部材63の前後方向の寸法は、第1部材62の前後方向の寸法と略同じである。第2部材63は、現像フレーム30および後フレーム46の右方に配置されている。つまり、第2部材63は、現像フレーム30および後フレーム46を挟むように、第1部材62に対して、右方に間隔を空けて向かい合っている。そのため、感光ドラム41は、係合位置に位置する取手支持部59の第1部材62および第2部材63の間に配置されている。第2部材63は、第1部材62と、プロセスカートリッジ1の左右方向中央を通過し、前後方向に沿う仮想線Iに対して線対称に構成されている。
【0071】
また、第1部材62および第2部材63のそれぞれは、
図6Cに示すように、凹部66と、溝部の一例としての嵌合溝80とを有している。なお、第1部材62および第2部材63のそれぞれは、仮想線Iに対して線対称であるので、第1部材62の凹部66および嵌合溝80を詳細に説明し、第2部材63の凹部66および嵌合溝80の詳細な説明を省略する。
【0072】
凹部66は、第1部材62の前方部分において、左右方向内面に配置されている。凹部66は、前後方向に延びる側面視略矩形状を有しており、第1部材62の左右方向内面から左右方向外方に凹んでいる。そのため、第1部材62の前方部分は、上下方向および左右方向に切断したときの断面形状が、右方に開放される略U字形状を有している。
【0073】
嵌合溝80は、第1部材62の前後方向略中央の下方部分であって、凹部66の後方に配置されている。嵌合溝80は、側面視略L字形状を有し、第1部材62を左右方向に貫通している。嵌合溝80は、第1溝81と、第2溝86とを有している。
【0074】
第1溝81は、
図1および
図6Cに示すように、上下方向に延びるスリット形状を有しており、第1部材62の下面から、第1部材62の上下方向途中まで側面視略直線状に延びている。また、第1溝81の前後方向の内寸は、ドラム軸43の外径と略同じである。第1部材62において、第1溝81の上方周縁は、第1溝上壁82として構成されている。
【0075】
第2溝86は、前後方向に延びる略スリット形状を有しており、第1溝81の上端から連続して後方に向かって延びている。また、第2溝86の上下方向の内寸は、ドラム軸43の外径と略同じである。なお、第1部材62において、第2溝86の後方周縁は、第1係合部の一例としての第2溝後壁87として構成され、第2溝86の下方周縁は、第2溝下壁88として構成されている。第2溝後壁87は、ドラム軸43の周面に沿うように、後方に向かって凹む半円弧形状を有している。第2溝下壁88は、第2溝後壁87の下端部から連続して第1溝81まで前方に向かって延びている。
【0076】
連結部材70は、
図1に示すように、第1部材62および第2部材63の後端部間を左右方向に連結している。連結部材70は、ドラムフレーム40の後フレーム46の後壁に対して後方に配置されている。そのため、感光ドラム41は、
図2に示すように、係合位置に位置する59の連結部材70と、現像ローラ31との間に配置される。連結部材70は、
図1に示すように、左右方向に延びる背面視略矩形の板状を有している。連結部材70は、空気案内路の一例としての貫通孔71を備えている。
【0077】
貫通孔71は、左右方向に互いに間隔を隔てて複数配置されている。複数の貫通孔71のそれぞれは、背面視略矩形状を有し、連結部材70を前後方向に貫通している。
【0078】
ローラ軸挿入部64は、
図6Cに示すように、第1部材62および第2部材63のそれぞれの凹部66内に収容されている。ローラ軸挿入部64は、前後方向に延びる略角柱形状を有する。ローラ軸挿入部64の上下方向の寸法は、凹部66の上下方向の内寸と略同じである。ローラ軸挿入部64の前後方向の寸法は、凹部66の前後方向の内寸よりも小さい。ローラ軸挿入部64は、挿入穴67を有している。
【0079】
挿入穴67は、ローラ軸挿入部64の左右方向内面における後下方部分に配置されている。挿入穴67は、側面視略円形状を有し、ローラ軸挿入部64の左右方向内面から左右方向途中まで凹んでいる。挿入穴67の内径は、ローラ軸32の外径と略同じである。そして、挿入穴67は、ローラ軸32の両端部のそれぞれを回転可能に受け入れている。
【0080】
そして、ローラ軸挿入部64は、凹部66内において、前後方向略中央に配置されている。そのため、ローラ軸挿入部64の後面69と、凹部66の後面68とは、前後方向に間隔を空けて向かい合い、ローラ軸挿入部64の前面72と、凹部66の前面73とは、前後方向に間隔を空けて向かい合っている。
【0081】
バネ65は、第1部材62および第2部材63のそれぞれの凹部66に収容されており、詳しくは、ローラ軸挿入部64の後面69と、凹部66の後面68との間に配置されている。バネ65は、前後方向に収縮可能に構成されており、前後方向に引張力を有する引っ張りバネである。バネ65の前端部は、ローラ軸挿入部64の後面69の下方部分に接続され、バネ65の後端部は、凹部66の後面68の下方部分に接続されている。つまり、バネ65は、ローラ軸挿入部64の後面69と凹部66の後面68とが近づくような引張力を有している。
【0082】
そして、取手支持部59は、
図1および
図5に示すように、ローラ軸挿入部64の挿入穴67が、ローラ軸32の両端部を回転可能に受け入れているので、ローラ軸32の軸線Aを支点として、係合位置と離脱許容位置とに回転可能に構成されている。
【0083】
取手支持部59が係合位置に位置する状態において、感光ドラム41のドラム軸43の両端部のそれぞれは、
図1および
図6Cに示すように、第2溝86の後端に嵌合しており、第2溝後壁87が、ドラム軸43の両端部に対して後方から接触して係合している。つまり、第2溝後壁87は、ドラム軸43の両端部に対して、現像ローラ31の反対側から係合しており、ドラム軸43の左右両端部が第2係合部の一例として機能する。これによって、ドラム軸43の両端部のそれぞれは、バネ65の引張力に基づいて第2溝後壁87によって前方に向かって押圧される。一方、ローラ軸32の両端部のそれぞれは、バネ65の引張力に基づいてローラ軸挿入部64を介して後方に向かって押圧される。つまり、バネ65は、取手支持部59が係合位置にあるとき、第2溝後壁87がローラ軸32を前方に押圧するように付勢するとともに、ローラ軸挿入部64がローラ軸32を後方に押圧するように付勢する。
【0084】
そのため、
図2に示すように、感光ドラム41のドラム本体44の前端部と、現像ローラ31のローラ本体33の後端部とは、圧接されている。換言すれば、ローラ本体33の後端部は、ドラム本体44の前端部に対して相対的に押圧している。これによって、現像ローラ31と感光ドラム41とは、相対的な位置関係が維持されている。
【0085】
取手75は、
図1に示すように、連結部材70の後面における左右方向略中央に配置され、連結部材70から後方に突出している。取手75は、前方に向かって開く平面視略U字形状を有し、1対の前端部のそれぞれが、連結部材70の後面に接合されている。つまり、取手75は、支持部本体55と一体に構成されており、取手支持部59は、
図2に示すように、取手75を接触部分48に対して、現像ローラ31の反対側で支持されている。取手75は、
図1に示すように、仮想線Iが取手75の左右方向中央を通過するように、配置されている。
【0086】
把持部61は、
図1および
図2に示すように、現像フレーム30の前壁に接続されている。つまり、把持部61は、接触部分48に対して、感光ドラム41の反対側に配置されている。把持部61は、平面視略矩形枠形状を有している。把持部61は、仮想線Iが左右方向中央を通過するように配置され、取手75の後壁が、現像フレーム30の前壁の前面に連結されている。つまり、把持部61および取手75は、プロセスカートリッジ1の前後両側のそれぞれに配置されており、前後方向から見て重なるように配置されている。
4.プロセスカートリッジの装置本体に対する着脱動作
(1)プロセスカートリッジの装置本体に対する装着動作
プロセスカートリッジ1を装置本体6に装着するには、まず、
図4に示すように、フロントカバー8を揺動させて、開口部7を開放する。次いで、第1部材62および第2部材63が案内溝14に挿入されるように、プロセスカートリッジ1を、開口部7を介して前方から装置本体6内に挿入する。そして、プロセスカートリッジ1を後方に向かって押し込むと、第1部材62および第2部材63が案内溝14に案内されて、プロセスカートリッジ1が後方に移動する。その後、第1部材62および第2部材63の後端部が、案内溝14の後端縁と接触する。これによって、プロセスカートリッジ1が装置本体6に装着される。このとき、プロセスカートリッジ1の連結部材70が、ダクト13の前方に位置する。その後、フロントカバー8を揺動させて、開口部7を閉鎖する。
【0087】
プリンタ5が上記の画像形成動作を開始すると、例えば、加熱ローラ16が発熱することにより、装置本体6内には、ダクト13に向かう気流が生じる。このような気流は、前方から後方に向かって流動し、連結部材70の貫通孔71に案内されながら、貫通孔71を通過し、ダクト13を介して装置本体6外に排出される。
(2)プロセスカートリッジの装置本体からの離脱動作
プロセスカートリッジ1を装置本体6から離脱させるには、上記のプロセスカートリッジ1の装着動作と逆の手順で操作する。具体的には、まず、フロントカバー8を揺動させて、開口部7を開放し、把持部61を把持して、プロセスカートリッジ1を前方に引き出す。すると、第1部材62および第2部材63が案内溝14に案内されて、プロセスカートリッジ1が前方に移動する。これによって、プロセスカートリッジ1が装置本体6から離脱される。
【0088】
なお、プロセスカートリッジ1を持ち運ぶ場合、ユーザは、把持部61および取手75を両手で把持する。このとき、ドラム軸43の両端部が、
図6Cに示すように、第2溝下壁88に接触しているので、取手支持部59の左側面視時計回りの回転が規制されている。
5.現像カートリッジのドラムカートリッジに対する着脱動作
(1)現像カートリッジのドラムカートリッジからの離脱動作
現像カートリッジ3をドラムカートリッジ4から離脱させるには、まず、
図1および
図6Cに示すように、ユーザが、取手75を把持して、取手75を後方に引っ張る。
【0089】
そうすると、
図6Bに示すように、支持部本体55は、バネ65の引張力に抗して後方に移動する。これにより、第2溝後壁87が、後方に移動して、ドラム軸43の両端部のそれぞれから離間する。つまり、第2溝後壁87とドラム軸43の両端部のそれぞれとの係合が解除される。そして、ドラム軸43の両端部のそれぞれが、第2溝86内から第1溝81の上端に到達する。
【0090】
次いで、取手75を前上方に移動させ、取手支持部59を軸線Aを支点として左側面視時計回りに回転させる。これによって、
図6Aに示すように、ドラム軸43の両端部のそれぞれは、第1溝81を通過して、第1溝81から離脱する。
【0091】
引き続き、
図5に示すように、取手支持部59を回転させると、第1部材62および第2部材63の前端部が、ドラム軸43の両端部のそれぞれに前下方から接触する。これによって、取手支持部59は、それ以上の左側面視時計回りの回転が規制され、離脱許容位置に位置する。
【0092】
つまり、取手支持部59は、
図6Cに示すように、第2溝後壁87がドラム軸43に係合する係合位置と、
図5に示すように、支持部本体55の前端部(開放側端部)がドラム軸43の両端部に接触する離脱許容位置との間を回転移動する。
【0093】
なお、
図6Bに示すように、ドラム軸43と第2溝後壁87との係合が解除された直後から、
図5に示すように、離脱許容位置までの取手支持部59の位置が、第2位置に対応する。
【0094】
また、取手支持部59が離脱許容位置に位置する状態において、第2溝後壁87は、接触部分48に対して前上方、つまり、接触部分48に対して感光ドラム41の反対側に配置される。
【0095】
その後、ユーザは、把持部61を前上方に引き上げることによって、現像カートリッジ3をドラムカートリッジ4から離脱させる。
(2)現像カートリッジのドラムカートリッジに対する装着動作
現像カートリッジ3をドラムカートリッジ4に装着するには、まず、
図3および
図5に示すように、ユーザは、把持部61を把持し、現像カートリッジ3をドラム本体44の前フレーム45に装着する。
【0096】
その後、ユーザは、取手75を把持して、
図6Aに示すように、取手支持部59を、軸線Aを支点として左側面視反時計回りに回転させる。すると、第1部材62および第2部材63のそれぞれの下面における第1溝81よりも後方部分が、ドラム軸43の両端部のそれぞれに前上方から接触する。その後、取手75を後上方に引っ張る。これによって、支持部本体55は、バネ65の引張力に抗して、後上方に移動する。すると、第1溝81が、ドラム軸43の両端部のそれぞれを受け入れる。
【0097】
続いて、
図6Bに示すように、取手支持部59を回転させると、ドラム軸43の両端部のそれぞれが、第1溝81の上端に到達し、第1溝上壁82に接触する。
【0098】
次いで、取手75の引っ張りを解除すると、支持部本体55は、バネ65の引張力により前方に向かって移動する。そうすると、
図6Cに示すように、ドラム軸43の両端部のそれぞれは、第2溝86の後端に到達し、第2溝後壁87が、ドラム軸43の両端部のそれぞれに後方から接触して係合する。
【0099】
これにより、第2溝後壁87が、バネ65の引張力に基づいて、ドラム軸43の両端部のそれぞれを、前方に向かって押圧する。すなわち、ドラム本体44が、ドラム軸43を介してローラ本体33に向かって押圧される。
【0100】
以上により、現像カートリッジ3のドラムカートリッジ4に対する装着が完了する。
6.作用効果
(1)現像カートリッジ3が、
図6Cに示すように、取手支持部59を備え、取手支持部59を係合位置に配置すれば、第2溝後壁87がドラム軸43に対して、現像ローラ31の後方から係合する。これによって、現像カートリッジ3とドラムカートリッジ4との相対移動が規制され、現像ローラ31と感光ドラム41とは、相対的な位置関係が維持される。そのため、ドラムカートリッジ4が、現像ローラ31を感光ドラム41に向けて押圧する構成を備えることなく、現像ローラ31と感光ドラム41との相対的な位置関係を維持することができる。その結果、ドラムカートリッジ4の小型化を図ることができる。
【0101】
また、現像カートリッジ3は、
図1に示すように、取手75を備えており、このような取手75は、プロセスカートリッジ1を持ち運ぶときなどに把持できる。そのため、プロセスカートリッジ1の円滑な持ち運びを確保することができる。
【0102】
さらに、取手75を操作することにより、
図6A〜
図6Cに示すように、取手支持部59の円滑な移動を確保できる。
【0103】
また、
図5に示すように、取手支持部59を係合位置から離脱許容位置に移動すれば、第2溝後壁87とドラム軸43の両端部との係合が解除されるので、現像カートリッジ3をドラムカートリッジ4から容易に離脱させることができる。
(2)
図6Cに示すように、取手支持部59が係合位置に位置する状態において、第2溝後壁87が、バネ65によってドラム軸43の両端部を押圧する。そのため、第2溝後壁87とドラム軸43の両端部とを確実に係合させることができ、現像ローラ31と感光ドラム41との相対的な位置関係をより確実に維持することができる。
(3)取手支持部59は、
図5〜
図6Cに示すように、回動するので、取手支持部59を係合位置と離脱許容位置とに容易に移動させることができる。
【0104】
また、取手支持部59を係合位置から離脱許容位置に移動すれば、
図5に示すように、第2溝後壁87が接触部分48に対して感光ドラム41の反対側に配置されるので、第2溝後壁87とドラム軸43の両端部との係合を確実に解除でき、現像カートリッジ3に対する円滑な離脱を確保できる。
(4)現像カートリッジ3は、
図3に示すように、把持部61を備えているので、現像カートリッジ3の円滑な持ち運びを確保できる。また、把持部61は、プロセスカートリッジ1において、取手75の反対に配置される。そのため、取手75および把持部61は、プロセスカートリッジ1においてバランスよく配置されており、取手75および把持部61を把持することにより、プロセスカートリッジ1のより一層円滑な持ち運びを確保することができる。
(5)支持部本体55は、
図3に示すように、第1部材62、第2部材63および連結部材70によって構成されている。つまり、簡易な構成でありながら、支持部本体55を確実に構成することができる。
(6)取手75は、
図1に示すように、連結部材70から後方に向かって突出している。そのため、取手75を容易に把持することができる。
(7)
図1および
図6Cに示すように、取手支持部59が係合位置に位置する状態で、感光ドラム41が、第1部材62と第2部材63との間に配置されるので、取手支持部59が係合位置に位置する状態において、第1部材62、第2部材63および感光ドラム41を効率的に配置できる。
(8)
図1および
図6Cに示すように、取手支持部59が係合位置に位置する状態で、感光ドラム41のドラム軸43の左右両端部が、嵌合溝80に挿入され、嵌合溝80の第2溝86の第2溝後壁87と係合する。そのため、ドラム軸43の左右両端部と第2溝86の第2溝後壁87とを、確実に係合させることができる。
【0105】
また、第2係合部は、感光ドラム41のドラム軸43の左右両端部のそれぞれであるので、第2係合部を、感光ドラム41のドラム軸43とは別途備える必要がない。そのため、部品点数を低減することができる。
(10)係合位置に位置する取手支持部59の第1部材62および第2部材63は、
図4に示すように、装置本体6に対する着脱時に、案内溝14に案内される。そのため、プロセスカートリッジ1を装置本体6に対して容易かつ確実に着脱することができる。
【0106】
また、プリンタ5は、現像ローラ31と感光ドラム41との相対的な位置関係を維持することができるプロセスカートリッジ1を備えるので、画像形成動作の信頼性を向上させることができる。
(11)取手支持部59が、
図1に示すように、貫通孔71を備えるので、
図4に示すように、装置本体6内の空気の流れを案内することができる。そのため、装置本体6内で発生する熱などを、空気の流れに伴って装置本体6内から除去することができる。
7.第2実施形態
上記の第1実施形態では、
図6Bおよび
図6Cに示すように、第2溝後壁87が第1係合部に対応し、ドラム軸43の両端部が第2係合部に対応している。しかし、これに限定されず、例えば、第2実施形態では、
図7Aおよび
図7Bに示すように、支持部本体55が、第1係合部の一例としての延出部91を備え、ドラムフレーム40が、第2係合部の一例としての突起部90を備えている。
【0107】
突起部90は、後フレーム46の後壁に配置されている。突起部90は、側面視略矩形状を有し、後フレーム46の後壁の後面から後方に突出している。つまり、突起部90は、後フレーム46の後側から接触部分48に対して現像ローラ31の反対側に突起している。突起部90は、ドラム軸43より下方に位置している。
【0108】
延出部91は、連結部材70の下面に配置されている。延出部91は、側面視略鉤状を有しており、平板部91Aと突部91Bとを一体的に有している。
【0109】
平板部91Aは、連結部材70の下面から下方に向かって延びる略平板形状を有している。平板部91Aは、後フレーム46の後壁に対して、後方に間隔を隔てて配置されている。
【0110】
突部91Bは、平板部91Aの前面の下端部から、前方に向かって突出している。突部91Bは、側面略三角形状を有しており、詳しくは、突部91Bの上端縁は、前後方向に延び、突部91Bの前端縁は、前上方と後下方とを結ぶ方向に延びている。
【0111】
そして、
図7Bに示すように、取手支持部59が係合位置に位置する状態において、延出部91の平板部91Aは、突起部90に後方から接触して係合している。そして、延出部91の平板部91Aは、バネ65の引張力に基づいて突起部90を前方に向かって押圧している。これによって、感光ドラム41と現像ローラ31とは、圧接されている。
【0112】
また、突部91Bは、突起部90に対して下方から係合している。これによって、取手支持部59の左側面視時計回りの回動が規制されている。
【0113】
そして、取手支持部59を係合位置から離脱許容位置に移動させるには、まず、ユーザが、取手75を把持して後方に引っ張る。そうすると、支持部本体55は、バネ65の引張力に抗して後方に移動する。これにより、延出部91が、後方に移動して、突起部90から離間する。つまり、平板部91Aと突起部90との係合が解除されるとともに、突部91Bが、突起部90よりも後方に位置する。次いで、取手75を前上方に移動させ、取手支持部59を軸線Aを支点として左側面視時計回りに回転させると、
図5に示すように、取手支持部59が離脱許容位置に位置する。
【0114】
一方、取手支持部59を離脱許容位置から係合位置に移動させるには、まず、ユーザは、取手75を把持して、
図7Aに示すように、取手支持部59を、軸線Aを支点として左側面視反時計回りに回転させる。すると、突部91Bの前端縁が、突起部90の後上端部に上方から接触する。続いて、取手支持部59を回転させると、突部91Bの前端縁が突起部90の後端部と摺擦した後、突部91Bが突起部90よりも下方に到達する。すると、取手支持部59は、バネ65の引張力により、前方に移動して、平板部91Aが突起部90に後方から接触することによって、延出部91が突起部90と係合する。これによって、取手支持部59が係合位置に移動する。
【0115】
このような第2実施形態によれば、取手支持部59が係合位置に位置する状態で、延出部91と突起部90とが、接触部分48よりも後方において、係合する。そのため、延出部91と突起部90とを確実に係合させることができる。
8. 変形例
上記した第1実施形態および第2実施形態では、現像カートリッジ3は、把持部61を備えているが、現像カートリッジ3は、把持部61を備えていなくてもよい。
【0116】
また、上記した第1実施形態および第2実施形態では、
図6Cおよび
図7Bに示すように、バネ65は、ローラ軸挿入部64の後面69と、凹部66の後面68との間に配置されている。しかし、これに限定されず、バネ65を、前後方向に伸張力を有する押しバネとして構成し、ローラ軸挿入部64の前面72と、凹部66の前面73との間に配置することもできる。
【0117】
また、上記した第1実施形態および第2実施形態では、バネ65が付勢部に対応するが、付勢部は、バネ65に代えて、ゴムなどの弾性部材を適用することもできる。
【0118】
また、上記した第1実施形態および第2実施形態では、取手支持部59は、バネ65を備えているが、取手支持部59は、バネ65を備えることなく、構成することもできる。
【0119】
その場合には、例えば、嵌合溝80は、第1溝81のみを有している。そして、第1溝81の上端の後方周縁は、第1係合部の一例としての第1溝後壁として構成されている。
【0120】
取手支持部59が係合位置に位置する状態において、嵌合溝80は、第1溝後壁が、ドラム軸43の両端部に後方から係合できるように、構成されている。
【0121】
あるいは、連結部材70を第1係合部に対応させ、後フレーム46の後壁を第2係合部に対応させることもできる。その場合には、第1部材62および第2部材63の前後方向の寸法は、取手支持部59が係合位置に位置する状態において、連結部材70の前面が後フレーム46の後面と係合できるように、調節されている。
【0122】
また、
図1の仮想線で示すように、ドラム軸43は、支持部本体55が係合位置に位置する状態において、ドラム軸43の左右両端部が第1部材62および第2部材63よりも左右方向外方に突出するように構成することもできる。
【0123】
その場合には、ドラム軸43の左右両端部が、プロセスカートリッジ1の装置本体6に対する着脱時に、案内溝14に案内される。
【0124】
これらによっても、上記した第1実施形態および第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0125】
また、このような第1実施形態、第2実施形態および変形例は、適宜組み合わせることができる。