特許第6248750号(P6248750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248750
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/14 20060101AFI20171211BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20171211BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   G03G21/14
   G03G15/00 303
   G03G15/08
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-68872(P2014-68872)
(22)【出願日】2014年3月28日
(65)【公開番号】特開2015-191129(P2015-191129A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2017年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浜津 誠
【審査官】 神谷 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−112985(JP,A)
【文献】 特開2013−15733(JP,A)
【文献】 特開2001−5236(JP,A)
【文献】 特開2011−197487(JP,A)
【文献】 特開2005−326537(JP,A)
【文献】 米国特許第4949105(US,A)
【文献】 米国特許第5300983(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0200908(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/14
G03G 15/00
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に転写される画像を保持する像保持体と、
現像ローラを有し、現像バイアス電圧の印加により現像電位となった前記現像ローラの表面から供給されるトナーにより潜像を現像して前記像保持体に画像を形成する形成手段であって、濃度制御用の画像を、前記像保持体において前記媒体に連続的に転写される複数の画像間の領域である画像間領域に形成する形成手段と、
前記像保持体に形成された前記濃度制御用の画像の濃度を測定する測定手段と、
前記測定手段で測定された前記濃度に基づいて、前記現像バイアス電圧を閾値未満の大きさで変更する第1変更手段と、
前記濃度制御用の画像の濃度以外の条件に基づいて前記現像バイアス電圧を前記閾値以上の大きさで変更する第2変更手段であって、前記媒体に転写される画像が当該変更による前記現像電位の変化中には現像されないタイミングで前記現像バイアス電圧を変更する第2変更手段と、
前記変化中には前記濃度制御用の画像を現像させないよう前記形成手段を制御する制御手段と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記変化中に形成されることになっていた前記濃度制御用の画像を、当該変化中に画像が現像された場合に当該画像が形成されることになる前記画像間領域の次の前記画像間領域に形成するよう前記形成手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1変更手段は、前記形成手段により形成される画像の濃度に影響を与えるパラメータであって、前記現像バイアス電圧を含む複数の種類のパラメータを変更し、
前記形成手段は、前記複数の種類のパラメータのそれぞれに対応し且つ順番が決められた複数の濃度制御用の画像を連続する複数の前記画像間領域に順番に形成し、
前記制御手段は、前記変化中に形成されることになっていた前記濃度制御用の画像は形成させず、当該画像の次に、当該画像の次の順番の前記濃度制御用の画像を形成するよう前記形成手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
媒体に転写される画像を保持する像保持体と、
現像ローラを有し、現像バイアス電圧の印加により現像電位となった前記現像ローラの表面から供給されるトナーにより潜像を現像して前記像保持体に画像を形成する形成手段であって、濃度制御用の画像を、前記像保持体において前記媒体に連続的に転写される複数の画像間の領域である画像間領域に形成する形成手段と、
前記像保持体に形成された前記濃度制御用の画像の濃度を測定する測定手段と、
前記測定手段で測定された前記濃度に基づいて、前記現像バイアス電圧を閾値未満の大きさで変更する第1変更手段と、
前記濃度制御用の画像の濃度以外の条件に基づいて前記現像バイアス電圧を前記閾値以上の大きさで変更する第2変更手段であって、前記媒体に転写される画像が当該変更による前記現像電位の変化中には現像されないタイミングで前記現像バイアス電圧を変更する第2変更手段と、
前記変化中に形成された前記濃度制御用の画像の濃度に基づく前記変更を行わないように前記第1変更手段を制御する制御手段と
を備える画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記変化中に形成された前記濃度制御用の画像を、当該画像が形成された前記画像間領域の次の前記画像間領域にも形成するよう前記形成手段を制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1変更手段は、前記形成手段により形成される画像の濃度に影響を与えるパラメータであって、前記現像バイアス電圧を含む複数の種類のパラメータを変更し、
前記形成手段は、前記複数の種類のパラメータのそれぞれに対応し且つ順番が決められた複数の濃度制御用の画像を連続する複数の前記画像間領域に順番に形成し、
前記制御手段は、前記変化中に形成された前記濃度制御用の画像の次に、当該画像の次の順番の前記濃度制御用の画像を形成するよう前記形成手段を制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記媒体には、第1の種類の媒体及び第2の種類の媒体が含まれ、
前記第2変更手段は、前記第1及び第2の種類の媒体が切り替わるときに前記現像バイアス電圧を前記閾値以上の大きさで変更する
ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記画像間領域を用いた変更を前記第1変更手段が行わなかった回数が第2閾値以上になった場合には、媒体に転写される画像の形成を停止させて前記濃度制御用の画像を形成させ、形成された当該濃度制御用の画像を用いた前記現像バイアス電圧の変更が行われたあとに、媒体に転写される画像の形成を再開させるように前記形成手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、連続印字中に形成画像の先端と後端間の非画像域に複数回に分割したパターンを形成して電位及び階調を制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−109219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現像装置に設定される現像バイアス電圧を、画像間領域に形成した濃度制御用の画像の濃度に基づいて変更する際に、1回の変更量に閾値が設けられることがある。一方で、濃度制御用の画像の濃度以外の条件により、画像間領域で現像バイアス電圧を閾値以上に変化させる必要性が生じることがある。
本発明は、現像バイアス電圧が閾値以上に変更される際に形成される濃度制御用の画像の濃度に基づいた現像バイアス電圧の変更が行われないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、媒体に転写される画像を保持する像保持体と、現像ローラを有し、現像バイアス電圧の印加により現像電位となった前記現像ローラの表面から供給されるトナーにより潜像を現像して前記像保持体に画像を形成する形成手段であって、濃度制御用の画像を、前記像保持体において前記媒体に連続的に転写される複数の画像間の領域である画像間領域に形成する形成手段と、前記像保持体に形成された前記濃度制御用の画像の濃度を測定する測定手段と、前記測定手段で測定された前記濃度に基づいて、前記現像バイアス電圧を閾値未満の大きさで変更する第1変更手段と、前記濃度制御用の画像の濃度以外の条件に基づいて前記現像バイアス電圧を前記閾値以上の大きさで変更する第2変更手段であって、前記媒体に転写される画像が当該変更による前記現像電位の変化中には現像されないタイミングで前記現像バイアス電圧を変更する第2変更手段と、前記変化中には前記濃度制御用の画像を現像させないよう前記形成手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の構成において、前記制御手段は、前記変化中に形成されることになっていた前記濃度制御用の画像を、当該変化中に画像が現像された場合に当該画像が形成されることになる前記画像間領域の次の前記画像間領域に形成するよう前記形成手段を制御することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1に記載の構成において、前記第1変更手段は、前記形成手段により形成される画像の濃度に影響を与えるパラメータであって、前記現像バイアス電圧を含む複数の種類のパラメータを変更し、前記形成手段は、前記複数の種類のパラメータのそれぞれに対応し且つ順番が決められた複数の濃度制御用の画像を連続する複数の前記画像間領域に順番に形成し、前記制御手段は、前記変化中に形成されることになっていた前記濃度制御用の画像は形成させず、当該画像の次に、当該画像の次の順番の前記濃度制御用の画像を形成するよう前記形成手段を制御することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、媒体に転写される画像を保持する像保持体と、現像ローラを有し、現像バイアス電圧の印加により現像電位となった前記現像ローラの表面から供給されるトナーにより潜像を現像して前記像保持体に画像を形成する形成手段であって、濃度制御用の画像を、前記像保持体において前記媒体に連続的に転写される複数の画像間の領域である画像間領域に形成する形成手段と、前記像保持体に形成された前記濃度制御用の画像の濃度を測定する測定手段と、前記測定手段で測定された前記濃度に基づいて、前記現像バイアス電圧を閾値未満の大きさで変更する第1変更手段と、前記濃度制御用の画像の濃度以外の条件に基づいて前記現像バイアス電圧を前記閾値以上の大きさで変更する第2変更手段であって、前記媒体に転写される画像が当該変更による前記現像電位の変化中には現像されないタイミングで前記現像バイアス電圧を変更する第2変更手段と、前記変化中に形成された前記濃度制御用の画像の濃度に基づく前記変更を行わないように前記第1変更手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項4に記載の構成において、前記制御手段は、前記変化中に形成された前記濃度制御用の画像を、当該画像が形成された前記画像間領域の次の前記画像間領域にも形成するよう前記形成手段を制御することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、請求項4に記載の構成において、前記第1変更手段は、前記形成手段により形成される画像の濃度に影響を与えるパラメータであって、前記現像バイアス電圧を含む複数の種類のパラメータを変更し、前記形成手段は、前記複数の種類のパラメータのそれぞれに対応し且つ順番が決められた複数の濃度制御用の画像を連続する複数の前記画像間領域に順番に形成し、前記制御手段は、前記変化中に形成された前記濃度制御用の画像の次に、当該画像の次の順番の前記濃度制御用の画像を形成するよう前記形成手段を制御することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項1から6までのいずれか1項に記載の構成において、前記媒体には、第1の種類の媒体及び第2の種類の媒体が含まれ、前記第2変更手段は、前記第1及び第2の種類の媒体が切り替わるときに前記現像バイアス電圧を前記閾値以上の大きさで変更することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項8に係る画像形成装置は、請求項1から7までのいずれか1項に記載の構成において、前記制御手段は、前記画像間領域を用いた変更を前記第1変更手段が行わなかった回数が第2閾値以上になった場合には、媒体に転写される画像の形成を停止させて前記濃度制御用の画像を形成させ、形成された当該濃度制御用の画像を用いた前記現像バイアス電圧の変更が行われたあとに、媒体に転写される画像の形成を再開させるように前記形成手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、4に係る発明によれば、現像バイアス電圧が閾値以上に変更される際に形成される濃度制御用の画像の濃度に基づいた現像バイアス電圧の変更が行われないようにすることができる。
請求項2、5に係る発明によれば、当該発明に係る濃度制御用の画像の形成を行わない場合に比べて、パラメータの影響を受ける濃度と目標とする濃度との差が一部のパラメータについてだけ大きくなるということを生じにくくすることができる。
請求項3、6に係る発明によれば、当該発明に係る濃度制御用の画像の形成を行わない場合に比べて、大部分のパラメータについては早いタイミングで変更を行うことができる。
請求項7に係る発明によれば、媒体の種類の切り替えという条件を用いない場合に比べて、現像バイアス電圧が閾値以上の大きさで変更されるタイミングが把握されてから実際に変更されるまでの時間が長くなりやすいようにすることができる。
請求項8に係る発明によれば、当該発明に係る形成手段の制御が行われない場合に比べて、形成される画像の濃度と目標とする濃度との差のパラメータ毎の違いを小さく維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態の画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図
図2】画像形成部のハードウェア構成の一例を示す図
図3】画像形成装置の機能構成の一例を示す図
図4】パッチ画像が形成された中間転写ベルトの一例を示す図
図5】パッチ画像の種類の一例を示す図
図6】現像電位Vdeveが変化する様子を示すグラフ
図7】第1実施形態で形成されるパッチ画像の一例を示す図
図8】濃度制御処理における画像形成装置1の動作の一例を示すフロー図
図9】第2実施形態で形成されるパッチ画像の一例を示す図
図10】第3実施形態で形成されるパッチ画像の例を示す図
図11】変形例における画像形成装置1の動作の一例を示すフロー図
図12】変形例の画像間領域の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1]第1実施形態
[1−1]ハードウェア構成
図1は、第1実施形態の画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図1では、制御部2と、記憶部3と、画像形成部4とを備える画像形成装置1が示されている。制御部2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びリアルタイムクロックを備え、CPUが、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって各装置の動作を制御する手段である。リアルタイムクロックは、現在の日時を算出してCPUに通知する。
【0016】
制御部2は、図示せぬネットワークで外部装置と接続されており、その外部装置から画像データが送信されてくると、画像形成部4を制御して、受信した画像データが示す画像を媒体に形成する。このように、画像形成装置1は、CPUによって主に画像を表す情報を処理するコンピュータである。記憶部3は、ハードディスク等を備え、CPUが制御に用いるデータやプログラムなどを記憶する記憶手段である。
【0017】
画像形成部4は、色がそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)である4種類のトナーを媒体に定着させてカラー画像を形成する。画像形成部4の詳細について図2を参照して説明する。
図2は、画像形成部4のハードウェア構成の一例を示す図である。画像形成部4は、画像形成部4は、感光体ドラム11と、帯電部12と、露光部13と、現像部14と、一次転写ロール15と、中間転写ベルト20と、濃度センサ30と、二次転写ロール41と、バックアップロール42と、搬送部43と、定着部44とを備える。
【0018】
感光体ドラム11、帯電部12、露光部13、現像部14及び一次転写ロール15は、Y、M、C、Kの色毎に、矢印A1の方向に順番に中間転写ベルト20に沿って設けられている。図2では、これらの各部の符号の末尾にアルファベット(Y、M、C、K)を付し、各部がアルファベットに対応する色の画像形成に関わる構成であることを示している。これら各構成の各々を特に区別する必要がない場合には、符号の末尾のアルファベットを省略して説明する。
【0019】
感光体ドラム11は、感光層を有し、図中の矢印A1の方向に回転しながら、感光層の表面に潜像(静電潜像ともいう)と潜像が現像されて形成される画像とを保持する。帯電部12は、感光体ドラム11の感光層を、表面が予め定められた電位(以下「帯電電位VH」という)となるように帯電させる。露光部13は、帯電した感光層に対して前述した画像データに応じて強度や照射位置を制御した光(以下「露光光」という)を照射することで、感光層を露光する。これにより、画像データの示す画像を表す潜像が感光層に形成される。露光部13により露光された感光層の表面の電位を以下では「露光電位VL」という。
【0020】
現像部14は、帯電したトナーを吸着させて搬送する現像ロール141を有し、感光体ドラム11と現像ロールとに現像バイアス電圧を印加して現像ロール141から感光体ドラム11にトナーを供給することで潜像を現像する。この現像バイアス電圧が印加されると、現像ロール141の表面の電位が現像バイアス電圧に応じた電位(以下「現像電位Vdeve」という)になる。現像電位Vdeveとなった現像ロール141の表面と、感光体ドラム11の感光層のうち露光されて露光電位VLとなった部分、つまり潜像との間には、これらの電位差による電界が発生し、現像ロール141の表面に吸着されている帯電したトナーが表面から離れて潜像まで移動する。こうして潜像があった部分にはトナーによって可視化された画像が形成される。
【0021】
一次転写ロール15は、感光体ドラム11と対向する位置に中間転写ベルト20を挟んで設けられている。一次転写ロール15と感光体ドラム11とに印加される電圧により、感光体ドラム11と中間転写ベルト20とに電位差が生じ、感光体ドラム11に形成された画像が中間転写ベルト20に転写される(いわゆる一次転写)。これにより、中間転写ベルト20に画像データの示す画像が形成される。
【0022】
中間転写ベルト20は、無端のベルトであり、一次転写された画像を保持する像保持体である。中間転写ベルト20は、複数の支持ロールにより回転可能に支持され、駆動力を与えられて図中のA2という符号を付した矢印の方向に回転する。この方向を以下では「ベルト回転方向A2」という。中間転写ベルト20には、感光体ドラム11Yから順番に色がY、M、C、Kである画像が一次転写される。中間転写ベルト20に一次転写された画像は、後述するように媒体に転写される(いわゆる二次転写)。このように、中間転写ベルト20は、媒体に転写される画像を保持する像保持体の一例である。
【0023】
濃度センサ30は、中間転写ベルト20に形成された画像の濃度を測定するセンサである。濃度センサ30は、例えば、画像に照射した光の光量を、反射光の光量で除した値を、画像の濃度として測定する。濃度センサ30は、測定した濃度を示す濃度データを図1に示す制御部2に供給する。
【0024】
二次転写ロール41とバックアップロール42は、中間転写ベルト20を挟んで互いに対向して設けられ、ニップ部を形成している。搬送部43は、複数のロールを有し、ニップ部を通る搬送路B1に沿って搬送方向A3に媒体を搬送する。搬送部43により搬送された媒体は、ニップ部において中間転写ベルト20と接触する。二次転写ロール41には、バックアップロール42と電位差が生じるように電圧が印加され、この電圧により、中間転写ベルトに保持された画像が媒体に二次転写される。定着部44は、媒体に二次転写された画像をその媒体に定着させる。以上のとおり、画像形成部4は媒体に画像を形成する。
【0025】
[1−2]機能構成
画像形成装置1の記憶部3には、形成される画像の濃度を調整するためのプログラムが記憶されている。制御部2がこのプログラムを実行して各部を制御することで、以下に述べる各機能が実現される。
図3は、画像形成装置1の機能構成の一例を示す図である。画像形成装置1は、形成手段101と、測定手段102と、第1変更手段103と、第2変更手段104と、第3変更手段105と、制御手段106とを備える。
【0026】
[1−2−1]形成手段
形成手段101は、現像バイアス電圧の印加により潜像を現像して像保持体(中間転写ベルト20)に画像を形成する手段である。このような形成手段101は、例えば感光体ドラム11、帯電部12、露光部13、現像部14及び一次転写ロール15を制御部2が制御することで実現される。形成手段101は、媒体に転写される画像(媒体にプリントされる画像であり、以下「プリント画像」という)の他に、濃度制御用の画像(以下「パッチ画像」という)を形成する。濃度制御とは、形成手段101により形成される画像の濃度に影響を与えるパラメータ(以下「濃度パラメータ」という)を、その画像の濃度が目標とする濃度に近付くように制御することをいう。
【0027】
濃度パラメータには、現像バイアス電圧が含まれる。現像バイアス電圧に応じた現像電位Vdeveと露光電位VLとの電位差が大きいほど、発生する電界が強くなり、潜像に供給されるトナー量が多くなって濃度が高くなる。反対にこの電位差が小さくなるほど濃度が低くなる。また、濃度パラメータには、LUT(Look Up Table:ルックアップテーブル)において入力階調値に対応付けられた出力階調値が含まれる。入力階調値が同じであれば、出力階調値を大きくするほど濃度が高くなり、出力階調値を小さくするほど濃度が低くなる。これらの濃度パラメータは、記憶部3に記憶されている。
【0028】
形成手段101は、パッチ画像を、2つの方法で形成する。
第1の形成方法では、形成手段101は、像保持体において媒体に連続的に転写される複数の画像間の領域である画像間領域に形成する。パッチ画像及び画像間領域について図4を参照して説明する。
図4は、パッチ画像が形成された中間転写ベルト20の一例を示す図である。この例では、中間転写ベルト20に、プリント画像G1、G2、G3及びG4が順番に形成されている。中間転写ベルト20のうち、プリント画像を形成するための領域を以下では「画像領域」という。
【0029】
図4の例では、プリント画像G1が画像領域C1に形成され、以下、プリント画像G2、G3及びG4がそれぞれ画像領域C2、C3及びC4に形成されている。各画像領域は、プリント画像のベルト回転方向A2の前方にマージンM1を設け、後方にマージンM2を設けた長方形の領域となっている。これらのマージンは、例えばプリント画像が形成される位置がずれる場合に備えて設けられている。なお、このようなマージンは必須ではなく、マージンが設けられていない領域を画像領域としてもよい。
【0030】
また、図4の例では、隣り合う画像領域に挟まれた画像間領域D1、D2、D3、D4及びD5が示され、各画像領域及び各画像間領域の境界が二点鎖線でそれぞれ示されている。各画像間領域も、画像領域と同様に長方形の形をしている。画像間領域D1にはパッチ画像P1が形成され、以下、画像間領域D2、D3、D4及びD5にはパッチ画像P2、P3、P4及びP5がそれぞれ形成されている。これらのパッチ画像は、それぞれ種類が異なっている。
【0031】
図5は、パッチ画像の種類の一例を示す図である。本実施形態では、図5に示すパッチ画像P1からP16までの16種類のパッチ画像が形成される。P1〜P4は、色が「K」、「Y」、「M」、「C」で制御対象を「現像バイアス電圧」とするパッチ画像である。形成手段101は、例えば色が「K」のパッチ画像であれば、図2に示す符号の末尾に「K」が付された構成(感光体ドラム11Kなど)を用いて形成する。また、形成手段101は、制御対象を「現像バイアス電圧」とするパッチ画像であれば、例えばLUTにおいて最も大きい入力階調値E1を用いて形成する。
【0032】
P5〜P8は、各色について制御対象を「低階調の出力階調値」とするパッチ画像である。同様に、P9〜P12は制御対象を「中階調の出力階調値」とするパッチ画像であり、P13〜P16は制御対象を「高階調の出力階調値」とするパッチ画像である。これら「低階調」、「中階調」及び「高階調」には、入力階調値E2、E3及びE4(E2<E3<E4<E1とする)がそれぞれ対応付けられている。形成手段101は、例えば制御対象を「低階調の出力階調値」とするパッチ画像P5であれば、LUTにおいて入力階調値E2に対応付けられた出力階調値を用いてパッチ画像を形成する。
【0033】
第2の形成方法では、形成手段101は、プリント画像が形成されていないときに、必要なパッチ画像を形成するための領域(以下「パッチ画像領域」という)にパッチ画像を形成する。この場合、画像領域を確保する必要がないので、形成手段101は、上述した画像間領域よりもかなり広いパッチ画像領域を定め、制御対象を現像バイアス電圧とするパッチ画像の他に、上記方法よりも多くの数の出力階調値を制御対象とするパッチ画像を形成する。この第2の形成方法は、例えば画像形成装置1の電源を投入して起動したあとや、プリント画像を示す画像データが外部装置から一定の期間送信されてこないときなどに行われる。これに対し、第1の形成方法は、上記のとおりプリント画像が形成されている最中に行われる。
【0034】
[1−2−2]測定手段
測定手段102は、像保持体(中間転写ベルト20)に形成されたパッチ画像の濃度を測定する手段である。測定手段102は、例えば制御部2と濃度センサ30とが協働することで実現される。測定手段102は、例えば、パッチ画像の露光が行われる時刻とプロセス速度とから濃度センサ30が濃度を測定する位置をパッチ画像が通り過ぎる時刻を算出し、その時刻に測定された濃度の値に基づいてパッチ画像の濃度を測定する。なお、濃度の測定には、その他の周知の技術が用いられてもよい。測定手段102は、測定した濃度及びその濃度が測定されたパッチ画像の種類を示す測定結果データを第1変更手段103に供給する。
【0035】
[1−2−3]第1変更手段
第1変更手段103は、測定手段102によって測定されたパッチ画像の濃度に基づいて上述した濃度パラメータを変更する手段である。各濃度制御用の画像は、目標とする濃度にそれぞれ対応付けられている。例えば、制御対象が「現像バイアス電圧」であるパッチ画像の場合、上記のとおり最も大きい入力階調値E1によって表される濃度が目標とする濃度である。また、「低階調」、「中階調」及び「高階調」のパッチ画像の場合、入力階調値E2、E3及びE4によって表される濃度がそれぞれの目標とする濃度である。
【0036】
第1変更手段103は、測定手段102から測定結果データが供給されると、その測定結果データが示す濃度、すなわち測定されたパッチ画像の濃度と、そのパッチ画像が目標とする濃度との差に基づいて、その差が小さくなるような濃度パラメータを算出し、算出した濃度パラメータで上記のとおり記憶部3に記憶されている濃度パラメータの値を上書きする。こうして第1変更手段103は濃度パラメータを変更する。また、第1変更手段103は、例えば、測定された濃度が目標とする濃度に比べて薄ければ、濃度が濃くなるように濃度パラメータを変更し、測定された濃度が目標とする濃度に比べて濃ければ、濃度が薄くなるような濃度パラメータの算出及び上書きを行うことでその濃度パラメータを変更する。
【0037】
以上のとおり、第1変更手段103は、形成手段101が上述した第1の形成方法でパッチ画像を形成しているとき、すなわちプリント画像が形成されているときに濃度パラメータを変更する。第1変更手段103が行うこのような濃度パラメータの変更を以下では「画像形成時パラメータ変更」という。
【0038】
現像バイアス電圧が変更されると、その変更に伴って現像電位Vdeveが変化する。現像電位Vdeveの変化は完了するまでに時間を要するため、変化開始から変化終了までに現像された画像は、同じ濃度の領域でも徐々に濃度が変化することになる。第1変更手段103は、測定された濃度から濃度パラメータが算出され次第、濃度パラメータを上書きして変更するため、K以外の色のパッチ画像が現像されるときに現像部14Kの現像バイアス電圧を変更することもあるし、K色のパッチ画像が現像されるときに現像部14Kの現像バイアス電圧を変更することもある。
【0039】
このため、第1変更手段103は、濃度パラメータが現像バイアス電圧である場合には、その現像バイアス電圧を閾値未満の大きさで変更するようにしている。このように変更する現像バイアス電圧の大きさを閾値(例えば3V程度)未満に抑えることで、例えば第1変更手段103による現像バイアス電圧の変更の影響でパッチ画像の一部の濃度が変化していても、パッチ画像の全体としては、測定される濃度が、濃度の変化がない場合とほとんど変わらないように(言い換えると、その差が無視できる程度に小さいように)している。また、第1変更手段103は、濃度パラメータが上述した出力階調値である場合にも、その出力階調値を閾値(現像バイアス電圧の閾値とは別に定められた閾値。全出力階調値で共通する閾値でもよいし、出力階調値毎に定められてもよい)未満の大きさで変更することで、対応する階調の濃度が急激に変化しないようにしている。
【0040】
[1−2−4]第2変更手段
第2変更手段104は、パッチ画像の濃度以外の条件に基づいて、現像バイアス電圧を上記閾値以上の大きさで変更する手段である。現像バイアス電圧は前述したとおり濃度パラメータの1つであり、第2変更手段104は、第1変更手段103と同様に、変更後の濃度パラメータの値を算出して上書きすることでその濃度パラメータを変更する。本実施形態では、媒体に第1の種類の媒体であるコート紙と、第1の種類の媒体である非コート紙とが含まれており、第2変更手段104は、これら第1及び第2の種類の媒体が切り替わるときに現像バイアス電圧を閾値以上の大きさで変更する。
【0041】
コート紙では、非コート紙と同じ現像バイアス電圧を印加すると、トナーが潜像に供給されすぎて濃度が濃くなりすぎたり、トナーの飛び散りなどが発生したりする。そこで、第2変更手段104は、非コート紙からコート紙に切り替わるときには、現像電位Vdeveと露光電位VLとの差が小さくなるように現像バイアス電圧を変更することで、これらの電位差により生じる電界の強度を弱くして潜像に供給されるトナー量を少なくする。また、第2変更手段104は、コート紙から非コート紙に切り替わるときには、現像電位Vdeveと露光電位VLとの差が大きくなるように現像バイアス電圧を変更することで、これらの電位差により生じる電界の強度を強くして潜像に供給されるトナー量を多くする。第2変更手段104は、使用されるコート紙及び非コート紙の性質に応じて、例えば、現像バイアス電圧を20Vから100Vまでの間で変更する。
【0042】
現像バイアス電圧が変更されると、現像ロール141の表面に存在する電荷が増減し、現像電位Vdeveが変化する。このときの電荷の移動には時間を要する。
図6は、現像電位Vdeveが変化する様子を示すグラフである。このグラフの縦軸は現像電位Vdeveを示し、横軸は時刻を示している。この例では、時刻t1に第2変更手段104が現像バイアス電圧を変更している。時刻t1までの現像電位VdeveはV1であり、そこから徐々に変化して時刻t2に現像電位VdeveがV2になると、現像電位Vdeveの変化が収まっている。
【0043】
画像形成装置1においては、時刻t1からt2までの期間、すなわち現像電位Vdeveの変化が収まるまでの応答期間U1が、プリント画像の現像が行われない時間(以下「非現像時間」という)よりも短くなっている。そして、第2変更手段104は、例えば、プリント画像の現像が終了したタイミングで現像バイアス電圧を変更する。これにより、応答期間U1にプリント画像が現像されないようになっている。つまり、第2変更手段104は、現像電位Vdeveの変化中にプリント画像が現像されないタイミングで現像バイアス電圧を変更する。第2変更手段104は、現像バイアス電圧を変更すると、その旨を制御手段105に通知する。
【0044】
[1−2−5]第3変更手段
第3変更手段105は、形成手段101が上述した第2の形成方法でパッチ画像を形成しているとき、すなわちプリント画像の形成が停止されているときに濃度パラメータを変更する手段である。第3変更手段105が行うこのような濃度パラメータの変更を以下では「停止時パラメータ変更」という。画像形成時パラメータ変更においては、第1変更手段103が現像バイアス電圧を閾値未満の大きさで変更するようにしていたが、停止時パラメータ変更においては、第3変更手段105は閾値を設けずに変更を行う。
【0045】
第3変更手段105は、出力階調値についても同様に閾値を設けずに変更を行う。また、第3変更手段105は、第1変更手段103よりも多くの階調の出力階調値を変更する。これにより、停止時パラメータ変更においては、画像形成時パラメータ変更時よりも精度の高い濃度制御が行われる。第3変更手段105は、濃度パラメータの変更を終了すると、その旨を形成手段101に通知する。形成手段101は、第3変更手段105からの通知があったときに形成すべき画像が存在している場合には、その画像の形成を開始する。言い換えると、形成手段101は、形成すべき画像が存在していても、第3変更手段105からの通知があるまでは、その画像の形成を停止し続ける。
【0046】
[1−2−6]制御手段
制御手段106は、第2変更手段104が行った現像バイアス電圧の変更により生じる現像電位Vdeveの変化中にはパッチ画像を現像させないよう形成手段101を制御する手段である。制御手段106は、第2変更手段104から現像バイアス電圧を変更した旨を通知されたときにこの制御を行う。
【0047】
本実施形態では、制御手段106は、現像電位Vdeveの変化中に形成されることになっていた濃度制御用の画像を、その変化中に画像が現像された場合にその画像が形成されることになる画像間領域(以下「変化中画像間領域」という)の次の画像間領域に形成するよう形成手段101を制御する。つまり、制御手段106は、現像バイアス電圧が変更されると、パッチ画像の形成を一時的に停止、すなわち休止して、変化中画像間領域の次の画像間領域に形成される画像を現像するタイミングで、パッチ画像の形成を再開する。こうして形成されるパッチ画像について図7を参照して説明する。
【0048】
図7は、本実施形態で形成されるパッチ画像の一例を示す図である。この例では、図4に示すプリント画像G2からG3にかけてコート紙及び非コート紙が切り替わっており、それによる現像電位Vdeveの変化中に画像が現像された場合にその画像が形成されることになる領域(図中の斜線部分。以下「変化中現像領域F1」という)が画像間領域D3に含まれている。つまり、画像間領域D3は、前述した変化中画像間領域である。この場合、制御手段106が画像間領域D2に形成されたパッチ画像P2の次のパッチ画像P3を変化中画像間領域である画像間領域D3に形成させないため、画像間領域D3にはパッチ画像が形成されていない。
【0049】
また、制御手段106が画像間領域D3の次の画像間領域D4に、画像間領域D3に形成されることになっていたパッチ画像P3を形成している。そのあとは、順番通りにパッチ画像P4以降のパッチ画像が形成されている。このように、制御手段106は、媒体の種類が第1の種類から第2の種類に切り替わると、第1の種類の媒体に形成されるプリント画像と第2の種類の媒体に形成されるプリント画像との境目にある画像間領域(これが変化中画像間領域になる)を飛ばして次の画像間領域にパッチ画像を形成させる。
【0050】
[1−3]動作
画像形成装置1は、以上の構成に基づき、上述した濃度制御処理を行う。
図8は、濃度制御処理における画像形成装置1の動作の一例を示すフロー図である。この例における濃度制御処理は、画像形成装置1に電源が投入されることを契機に開始される。画像形成装置1は、まず、上述した停止時パラメータ変更を行う(ステップS11)。次に、画像形成装置1は、外部装置から画像データが送信されてくることを契機にプリント画像の形成を開始すると(ステップS12)、それとともに、画像形成時パラメータ変更を開始する(ステップS13)。ステップS11は測定手段102及び第3変更手段105が行う動作であり、及びS13は測定手段102及び第1変更手段103が行う動作である。
【0051】
次に、画像形成装置1は、プリント画像の形成が継続しているか否かを判断し(ステップS14)、継続していない(NO)と判断した場合にはステップS11の前に戻って動作を続ける。画像形成装置1は、ステップS14で継続している(YES)と判断した場合には、続いて、プリント画像を形成する媒体の種類が切り替わるか否かを判断し(ステップS15)、切り替わらない(NO)と判断した場合には、ステップS14の動作を再び行う。つまり、画像形成装置1は、プリント画像の形成を媒体の種類を切り替えずに継続しているときには、ステップS14及びS15の動作を繰り返す。
【0052】
画像形成装置1は、ステップS15で切り替わる(YES)と判断した場合には、上記のとおり現像バイアス電圧を閾値以上の大きさで変更する(ステップS16)。ステップS16は第2変更手段104が行う動作である。このとき、画像形成装置1は、画像間領域へのパッチ画像の形成を休止し(ステップS17)、次の画像間領域でパッチ画像の形成を再開する(ステップS18)。ステップS17及びS18は制御手段106が形成手段101を制御することが行われる動作である。
【0053】
現像バイアス電圧を変更することによる現像電位Vdeveの変化中に画像が現像されると、潜像に供給されるトナー量が現像電位Vdeveとともに変化して、例えば画像データが示す画像は濃度が一定であっても、形成された画像の濃度が一定でなくムラが生じることになる。このような現像電位の変化による濃度ムラが生じると、測定される濃度がムラの度合いによって変動し、正確な濃度が測定されなくなるし、その結果、濃度パラメータの変更も適切に行われなくなる。第2変更手段104が行う変更のように、変更される現像バイアス電圧が大きいほど、このような影響も大きくなる。本実施形態では、第2変更手段104が行った現像バイアス電圧の変更により生じる現像電位Vdeveの変化中にはパッチ画像が現像されない。これにより、現像バイアス電圧が閾値以上に変更される際に形成されるパッチ画像の濃度に基づいた現像バイアス電圧の変更が行われないようになっている。
【0054】
また、前述のとおり現像されなかったパッチ画像はすぐ次の画像間領域に形成される。これにより、そのパッチ画像の制御対象となっている濃度パラメータの変更がすぐに行われるので、ほかのパッチ画像の制御対象となっている濃度パラメータと変更される回数がずれないようになっている。測定された濃度に基づいた変更の回数が少ないと、その濃度パラメータの影響を受ける濃度と目標とする濃度との差(以下「目標濃度差」という)が大きくなりやすくなる。本実施形態では、各濃度パラメータの変更回数がずれないので、目標濃度差が一部の濃度パラメータについてだけ大きくなるということが生じにくくなる。
【0055】
また、本実施形態では、パッチ画像の濃度以外の条件として、媒体の種類が切り替わることで現像バイアス電圧が閾値以上の大きさで変更された。つまり、媒体が搬送部43により搬送され始めたときには媒体の種類が切り替わるタイミングが分かることになる。これにより、媒体の種類の切り替えという条件を用いない場合に比べて、現像バイアス電圧が閾値以上の大きさで変更されるタイミングが把握されてから実際に変更されるまでの時間が長くなりやすい。その結果、実際に変更されるまでの時間が短い場合に比べて、誤って変化中画像間領域にパッチ画像を形成してしまうといった誤動作が生じにくくなる。
【0056】
[2]第2実施形態
本発明の第2実施形態について、以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。第1実施形態では、第2変更手段104が行った変更により生じる現像電位Vdeveの変化が収まるまでパッチ画像が形成されなかったが、第2実施形態では、現像電位Vdeveの変化中もパッチ画像が形成される。
【0057】
本実施形態では、制御手段106が、第2変更手段104が行った変更により生じる現像電位Vdeveの変化中に形成されたパッチ画像の濃度に基づく濃度パラメータの変更を一時的に行わないように、すなわち休止するように第1変更手段103を制御する。詳細には、制御手段106は、第2変更手段104から現像バイアス電圧を変更した旨が通知されたときに、例えば、測定手段102から測定結果データが供給されても濃度パラメータの算出を行わないようにさせたり、算出した濃度パラメータを上書きしないようにさせることで、この濃度パラメータの変更の休止の制御を行う。
【0058】
また、本実施形態では、制御手段106は、現像電位Vdeveの変化中に形成されたパッチ画像を、そのパッチ画像が形成された画像間領域(第1実施形態における変化中画像間領域)の次の画像間領域にも形成するよう形成手段101を制御する。
図9は、第2実施形態で形成されるパッチ画像の一例を示す図である。図9の例では、図7の例と同様に現像電位Vdeveが変化しているが、図7の例とは異なり、形成手段101が、その変化中に現像されたパッチ画像P3を画像間領域D3に形成している。そして、制御手段106が、この現像電位Vdeveの変化中に現像されたパッチ画像P3を、画像間領域D3の次の画像間領域D4にも形成させている。そのあとは、順番通りにパッチ画像P4以降のパッチ画像が形成されている。このように、制御手段106は、媒体の種類が第1の種類から第2の種類に切り替わると、第1の種類の媒体に形成されるプリント画像と第2の種類の媒体に形成されるプリント画像との境目にある画像間領域に形成されたパッチ画像を次の画像間領域にも再度形成させる。
【0059】
本実施形態では、第2変更手段104が行った現像バイアス電圧の変更により生じる現像電位Vdeveの変化中にパッチ画像が形成されても、そのパッチ画像を用いた濃度パラメータの変更は行われない。これにより、第1実施形態と同様に、現像バイアス電圧が閾値以上に変更される際に形成されるパッチ画像の濃度に基づいた現像バイアス電圧の変更が行われないようになっている。また、濃度パラメータの変更が行われなかったパッチ画像がすぐ次の画像間領域に形成されることで、第1実施形態と同様に、各濃度パラメータの変更回数がずれなくなり、目標濃度差が一部の濃度パラメータについてだけ大きくなるということが生じにくくなる。
【0060】
[3]第3実施形態
本発明の第3実施形態について、以下、第1及び第2実施形態と異なる点を中心に説明する。第1及び第2実施形態では、変化中画像間領域の次の画像間領域に変化中画像間領域に形成されることになっていたまたは形成されたパッチ画像が形成されたが、第3実施形態では、それとは異なるパッチ画像が形成される。
【0061】
本実施形態の形成手段101は、例えば図5に示すパッチ画像を形成する。これらのパッチ画像は、色及び制御対象の組み合わせで表された複数の種類の濃度パラメータ(例えば「K」色の「現像バイアス電圧」や「Y」色の「低階調の出力階調値」など)のそれぞれに対応している。また、これらのパッチ画像は、P1からP16まで順番が決められており、形成手段101は、図4に示す例のように、連続する複数の画像間領域にこれらのパッチ画像を順番に形成する。
【0062】
制御手段106は、現像電位Vdeveの変化中に形成されることになっていたパッチ画像は形成させず、そのパッチ画像の次に、そのパッチ画像の次の順番のパッチ画像を形成するよう形成手段101を制御する。こうして形成されるパッチ画像について図10を参照して説明する。
【0063】
図10は、第3実施形態で形成されるパッチ画像の例を示す図である。図10(a)では、第1実施形態の図7の例のように変化中画像間領域である画像間領域D3にパッチ画像P3を形成させなかった場合に、制御手段106が、パッチ画像P3の次のパッチ画像P4を画像間領域D3の次の画像間領域D4に形成させた場合が示されている。この場合、制御手段106は、現像電位Vdeveの変化中に形成されることになっていたパッチ画像(この例におけるパッチ画像P3)は形成させず、そのパッチ画像の次に、そのパッチ画像の次の順番のパッチ画像(この例におけるパッチ画像P4)を形成するよう形成手段101を制御する。
【0064】
図10(b)では、第2実施形態の図9の例のように変化中画像間領域である画像間領域D3にパッチ画像P3を形成させた場合に、制御手段106が、画像間領域D3の次の画像間領域D4に、第2実施形態のようにパッチ画像P3ではなく、パッチ画像P3の次のパッチ画像P4を形成させた場合が示されている。この場合、制御手段106は、現像電位Vdeveの変化中に形成されたパッチ画像(この例におけるパッチ画像P3)の次に、そのパッチ画像の次の順番のパッチ画像(この例におけるパッチ画像P4)を形成するよう形成手段101を制御する。
【0065】
本実施形態では、変化中画像間領域の次の画像間領域に変化中画像間領域に形成されることになっていたまたは形成されたパッチ画像(以下「変化中パッチ画像」という)の次に、そのパッチ画像の次の順番のパッチ画像(以下「次順パッチ画像」という)が形成される。そのため、変化中パッチ画像以外のパッチ画像に基づいて変更される濃度パラメータについては、第2変更手段104による現像バイアス電圧の変更が行われなかった場合と同じタイミングで濃度パラメータが変更されることになる。これにより、本実施形態のようなパッチ画像の形成を行わない場合(例えば変化中画像間領域の次の画像間領域に変化中パッチ画像が形成される場合)に比べて、変化中パッチ画像の濃度に基づいて変更されるものを除く大部分の濃度パラメータについては早いタイミングで変更が行われることになる。
【0066】
[4]変形例
上述した各実施形態は、それぞれが本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、上述した各実施形態及び以下に示す各変形例は、必要に応じてそれぞれ組み合わせて実施してもよい。
【0067】
[4−1]濃度パラメータ変更
実施形態では、プリント画像の形成が継続されなくなったときに停止時パラメータ変更が行われたが、これ以外のタイミングで停止時パラメータ変更が行われてもよい。例えば、画像間領域を用いた変更が行われなかった回数が定められた回数以上になった場合に、停止時パラメータ変更が行われる。
【0068】
本変形例の制御手段106は、画像形成時パラメータ変更が行われていて、画像間領域を用いた変更を第1変更手段103が行わなかった回数が第2閾値以上になった場合には、まず、プリント画像の形成を停止させてパッチ画像を形成させるように形成手段101を制御する。このとき、プリント画像の形成が停止されているので、第3変更手段105が、停止時パラメータ変更を行う。そして、制御手段106は、そうして形成されたパッチ画像を用いて第3変更手段105が濃度パラメータの変更を行ったあとに、プリント画像の形成を再開させるように形成手段101を制御する。
【0069】
図11は、本変形例の画像形成装置1の動作の一例を示すフロー図である。図11の例では、第2実施形態のように現像電位Vdeveの変化中にパッチ画像が形成される(ただしそのパッチ画像の濃度に基づく濃度パラメータの変更は行われない)場合について説明する。まず、画像形成装置1は、図8に示すステップS16(現像バイアス電圧の変更)までの動作を行う。次に、画像形成装置1は、現像電位Vdeveの変化中のパッチ画像に基づく濃度パラメータの変更を休止し(ステップS21)、次の画像間領域で濃度パラメータの変更を再開する(ステップS22)。具体的には、画像形成装置1は、次の画像間領域に変化中パッチ画像と同じパッチ画像(第3実施形態であれば次順パッチ画像)を形成し、形成したパッチ画像の濃度に基づく濃度パラメータの変更を行う。ステップS21及びS22は第1変更手段103が行う動作である。
【0070】
そして、画像形成装置1は、濃度パラメータの変更を休止した回数(休止回数)が第2閾値(例えば3回や5回など)未満か否かを判断し(ステップS23)、第2閾値未満である(YES)と判断した場合には、ステップS14に戻って画像形成時パラメータ変更を継続する。画像形成装置1は、ステップS23において第2閾値以上である(NO)と判断した場合には、プリント画像の形成を中断し(ステップS24)、ステップS11に戻って停止時パラメータ変更を行う。この場合、ステップS12でのプリント画像の形成の開始は、中断したプリント画像の形成の再開となる。ステップS23及びS24は制御手段106が行う動作である。
【0071】
画像間領域を用いた変更を第1変更手段103が行わない場合、例えば第3実施形態であれば、変化中パッチ画像を用いた変更が行われず、他のパッチ画像を用いた変更が一通り行われた後に、変化中パッチ画像であったパッチ画像の濃度に基づく濃度パラメータの変更が行われる。そのため、この濃度パラメータについては、他の濃度パラメータに比べて、変更回数が少なくなり、形成される画像の濃度と目標とする濃度との差(目標濃度差)が大きくなりやすくなる。本変形例によれば、上記のような画像間領域を用いた変更を第1変更手段103が行わなかった回数に基づく形成手段101の制御が行われない場合に比べて、濃度パラメータ毎の目標濃度差の違いが小さく維持されることになる。
【0072】
[4−2]濃度パラメータの推定
プリント画像を転写する媒体の種類が第1の種類から第2の種類に切り替わるときに、第1の種類の媒体に形成されたパッチ画像を用いて行われた濃度パラメータの変更結果を、第2の種類の媒体に画像を形成するときの濃度パラメータに反映させてもよい。第1変更手段103は、例えば、測定されたパッチ画像の濃度と、そのパッチ画像が目標とする濃度との差(以下「濃度差」という)を用いてこの反映を行う。
【0073】
具体的には、第1変更手段103は、第1の種類の媒体にプリント画像が転写されているときの実測値に基づく濃度差(以下「実測濃度差」という)に予め求められた第1係数を乗じた値を、第2の種類の媒体にプリント画像が転写される場合に推定される濃度差(以下「推定濃度差」という)として、以下の式1の通りに算出する。
式1:推定濃度差=実測濃度差×第1係数K1
第1係数K1は、媒体の種類を切り替えたときの濃度差を、濃度パラメータを何通りにも変化させながら測定するという実験の結果に基づいて予め決められる係数である。
【0074】
そして、第1変更手段103は、算出した測定濃度差に、予め求められた第2係数を乗じた値を、濃度パラメータの変化量として、以下の式2の通りに算出する。
式2:現像バイアス電圧=推定濃度差×第2係数K2
第2係数K2は、媒体の種類毎に、現像バイアス電圧を変化させたときの濃度差を測定するという実験の結果に基づいて予め決められる係数である。なお、第2係数K2は、停止時パラメータ変更が行われたときの現像バイアス電圧と測定されたパッチ画像の濃度との関係から求められてもよい。本変形例によれば、媒体の種類が切り替わったときに、切り替わる前の濃度パラメータの変更分が反映されるので、その変更分を反映しない場合に比べて、形成される画像の濃度と目標とする濃度との差(目標濃度差)を小さくなりやすい。
【0075】
[4−3]パッチ画像
パッチ画像は、図4等で示したものに限らず、形や大きさが異なっていてもよいし、画像間領域内であれば、形成される位置が異なっていてもよい。また、実施形態では、1つの画像間領域には1つのパッチ画像が形成されたが、例えば中間転写ベルト20の幅方向に並んだ複数のパッチ画像が形成されてもよい。
【0076】
この場合、画像間領域を用いた変更を第1変更手段103が行わなかったときに他の濃度パラメータに比べて目標濃度差が大きくなりやすい濃度パラメータの数が増えることになる。そのため、例えば上記変形例のように制御手段106が画像間領域を用いた変更を第1変更手段103が行わなかった回数に基づく制御を行う場合には、その制御に用いる第2閾値をより小さくすることで、濃度パラメータ毎の目標濃度差の違いが小さく維持されるようにしてもよい。
【0077】
また、中間転写ベルト20のベルト回転方向A1に並んだ複数のパッチ画像が形成されてもよい。この場合、形成手段101は、例えば第1実施形態において、図7等に示す変化中現像領域F1を含む画像間領域D3であっても、変化中現像領域F1を除いた部分にパッチ画像を形成してもよい。これにより、実施形態と同様に、現像バイアス電圧が閾値以上に変更される際に形成されるパッチ画像の濃度に基づいた現像バイアス電圧の変更が行われないことになる。
【0078】
[4−4]第1変更手段
第1変更手段103は、実施形態では、測定された濃度から濃度パラメータが算出され次第、濃度パラメータを上書きして変更したが、これに限らず、例えば、現像中のパッチ画像の色とは異なる色のトナーで潜像を現像する現像部の現像バイアス電圧を変更してもよい。これにより、第1変更手段103が変更する現像バイアス電圧による濃度ムラがパッチ画像に生じなくなる。
【0079】
[4−5]画像間領域
画像間領域は、図4等に示す例では、ベルト回転方向A2のサイズ(以下「回転方向サイズ」という)が共通していたが、これに限らない。例えば、形成手段101は、図7に示す変化中現像領域F1が含まれる画像間領域の回転方向サイズは、この変化中現像領域F1の回転方向サイズ分だけ大きくするように、プリント画像及びパッチ画像を形成してもよい。
図12は、本変形例の画像間領域の一例を示す図である。図12の例では、変化中現像領域F1を含まない画像間領域D2の回転方向サイズがL1であり、変化中現像領域F2の回転方向サイズがL2となっている。この変化中現像領域F2は、画像間領域D3とベルト回転方向A2側の端が重なっている。
【0080】
つまり、第2変更手段104は、図7の例では、プリント画像G2の現像が終了したタイミングで現像バイアス電圧を変更したが、図12の例では、プリント画像G2の現像が終了して図4に示すマージンM2だけ中間転写ベルト20が回転する時間が経過したタイミングで現像バイアス電圧を変更している。図12に示す画像間領域D3の回転方向サイズは、L1+L2=L3となっている。このため、画像間領域D3のうち、変化中現像領域F2を除く部分でも、他の画像間領域と同様に回転方向サイズがL1となっているので、他の画像間領域と同様にパッチ画像が形成されても、変化中現像領域F2と重ならず、濃度ムラも生じないようになっている。
【0081】
[4−6]第2変更手段
第2変更手段104は、実施形態では、コート紙及び非コート紙が切り替わるときに現像バイアス電圧を閾値以上の大きさで変更したが、これに限らない。第2変更手段104は、媒体の種類がコート紙であるか否かにかかわらず、媒体の種類を切り替えることで、現像バイアス電圧が同じでも一方の濃度が濃くなったり、トナーの飛び散りが発生したりする場合に、現像バイアス電圧を変更する。他にも、第2変更手段104は、例えば、画像形成の指示の中に濃度を通常よりも大幅に薄くしまたは濃くするという指示が含まれている場合に、現像バイアス電圧を変更してもよい。また、第2変更手段104は、3以上の種類の媒体が切り替わるときに現像バイアス電圧を閾値以上の大きさで変更してもよい。
【0082】
さらに、第2変更手段104は、プリント画像全体の面積のうちトナーで覆われている部分の面積の割合(画像の密度を表す指標であり、以下「像密度」という)に基づいて現像バイアス電圧を閾値以上の大きさで変更するか否かを判断してもよい。この場合、第2変更手段104は、形成されるプリント画像の画像データから像密度を算出し、例えばこれまでに形成された、決められた枚数(10枚や30枚など)のプリント画像(以下「前画像」という)の像密度の平均値と、これから形成される、決められた枚数(同じ枚数でもよいし、異なる枚数でもよい)のプリント画像(以下「後画像」という)の像密度の平均値とを比較し、それらの比率が第3閾値以上である場合に、現像バイアス電圧を閾値以上の大きさで変更する。
【0083】
像密度が低い画像から像密度が高い画像に切り替わると、濃度パラメータの変更量が大きくなりやすいため、第2変更手段104がこのように像密度に基づいて現像バイアス電圧を変更することで、像密度に基づく変更を行わない場合に比べて、プリント画像の濃度の変動が抑えられる。
以上のとおり、第2変更手段104は、プリント画像を形成している最中に、プリント画像の濃度の変動を抑えるなどの何らかの事情で現像バイアス電圧を閾値以上の大きさで変更することが求められている場合に、そのとおりに現像バイアス電圧を変更するものであればよい。
【0084】
[4−7]画像形成装置
画像形成装置は、上述した実施形態では、中間転写ベルトに沿って並んだ複数の感光体ドラム及び複数の現像部によりカラー画像を形成するものであったが、これに限らず、例えば、現像部が回転体の周方向に沿って設けられたいわゆるロータリー式の現像部を備えたものであってもよいし、感光体ドラムから媒体に直接画像を転写するいわゆる直接転写方式のものであってもよい。
【0085】
[4−8]発明のカテゴリ
また、本発明は、画像形成装置が実施する濃度調整処理を実現するための処理方法としても捉えられるものである。また、本発明は、画像形成装置のようなコンピュータを、上述した各手段として機能させるためのプログラムとしても捉えられるものである。このプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の媒体の形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、それをインストールして利用可能にするなどの形態でも提供されたりするものであってもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…画像形成装置、2…制御部、3…記憶部、4…画像形成部、11…感光体ドラム、12…帯電部、13…露光部、14…現像部、141…現像ロール、15…一次転写ロール、20…中間転写ベルト、30…濃度センサ、41…二次転写ロール、42…バックアップロール、43…搬送部、44…定着部、101…形成手段、102…測定手段、103…第1変更手段、104…第2変更手段、105…第3変更手段、106…制御手段。
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