(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記係数設定部は、前記冷却ファンが駆動しており、かつ前記車速検出部により検出された前記車速が前記ファン車速を超える場合に、前記車速検出部により検出された前記車速と前記吸気温検出部により検出された前記吸気温とに基づいて前記温度変化係数を設定することを特徴とする請求項2に記載のバッテリ液温推定装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るバッテリ液温推定装置を搭載した車両1は、動力源として少なくともエンジン2を備える。
【0019】
エンジン2は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程からなる一連の4行程を行うとともに、圧縮行程および膨張行程の間に点火を行う4サイクルの内燃機関によって構成されている。
【0020】
また、車両1は、バッテリ3と、コントローラ4と、発電制御部5と、オルタネータ6と、アイドルストップ制御部7と、イグニッションスイッチ8とを含んで構成されている。バッテリ3は、車両1のエンジンルーム内に配置され、例えば鉛蓄電池によって構成されている。なお、バッテリ3としては、鉛蓄電池に限定されるものではなく、例えばリチウムイオン電池等の他の蓄電池を用いることもできる。
【0021】
コントローラ4は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUは、RAMの一時記憶機能を利用するとともにROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。ROMには、各種制御定数や各種マップ等が予め記憶されている。また、コントローラ4は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを備えている。
【0022】
コントローラ4の入力側には、イグニッションスイッチ8、吸気温検出部21、温度検出部31および車速検出部41が接続されている。一方、コントローラ4の出力側には、発電制御部5およびアイドルストップ制御部7が接続されている。
【0023】
イグニッションスイッチ8は、車両1の運転席の近傍に配置され、運転者によってONまたはOFFに操作される。イグニッションスイッチ8は、運転者の操作に応じてONまたはOFFされたことを示す信号をコントローラ4に出力する。
【0024】
吸気温検出部21は、エンジン2の吸入空気の温度である吸気温Tiを検出する。具体的には、吸気温検出部21は、エンジン2の図示しない燃焼室と連通する吸気通路上に配置され、吸気通路を通じてエンジン2に導入される吸入空気の温度を検出する吸気温センサによって構成されている。吸気温検出部21は、検出結果をコントローラ4に出力する。
【0025】
温度検出部31は、バッテリ3の近傍の雰囲気温度を、逐次的に、つまり後述するバッテリ液温推定処理が実行される度に検出する。温度検出部31は、バッテリ3のマイナスコネクタの近傍に配置され、バッテリ3の液温、すなわちバッテリ液温を推定するためのバッテリ温度センサによって構成されている。
【0026】
温度検出部31は、検出したバッテリ3の近傍の雰囲気温度を温度検出値tとしてコントローラ4に出力する。なお、温度検出部31は、バッテリ液温と温度検出値tとが相関関係を持つような位置であれば、マイナスコネクタの近傍に限らず、バッテリ3の他の近傍位置に配置してもよい。
【0027】
車速検出部41は、車両1の速度である車速Vsを検出する。車速検出部41は、図示しない駆動輪に配置された車輪速センサによって構成されている。車速検出部41は、検出結果をコントローラ4に出力する。
【0028】
また、コントローラ4は、車速検出部41により検出された車速Vsと吸気温検出部21により検出された吸気温Tiとに基づいてバッテリ液温を推定するための温度変化係数としてのフィルタ時定数Kdを設定するフィルタ時定数設定部42としての機能を有する。フィルタ時定数設定部42は、係数設定部を構成する。
【0029】
具体的には、フィルタ時定数設定部42は、検出された車速Vsと吸気温Tiとに基づき、
図2に示すフィルタ時定数設定マップを参照することによって、フィルタ時定数Kdを決定する。
【0030】
例えば、
図2に示すように、フィルタ時定数設定部42は、図中、斜線で示された車速Vsと吸気温Tiとが互いに重なる領域のフィルタ時定数を、今回のバッテリ液温を推定するためのフィルタ時定数Kdとして決定する。
【0031】
図2に示すフィルタ時定数設定マップは、車速Vsおよび吸気温Tiをパラメータにフィルタ時定数を予め実験的に求めたもので、コントローラ4のROMに予め記憶されている。
【0032】
また、コントローラ4は、温度検出部31の温度検出値tとフィルタ時定数設定部42により設定されたフィルタ時定数Kdとに基づいてバッテリ液温を、逐次的に、つまり後述するバッテリ液温推定処理が実行される度に推定するバッテリ液温推定部43としての機能を有する。以下においては、バッテリ液温推定部43によって推定されるバッテリ液温を、バッテリ液温推定値Tという。
【0033】
具体的には、バッテリ液温推定部43は、次式(1)によって今回のバッテリ液温推定値T
(n)を算出することで、最新のバッテリ液温を推定する。
T
(n)=T
(n−1)×(1−Kd
(n))+t
(n)×Kd
(n)・・・・(1)
また、上記(1)式は、変形すると、次式(2)のようになる。
T
(n)=T
(n−1)+(t
(n)−T
(n−1))×Kd
(n)・・・・(2)
【0034】
したがって、上記(1)式は、前回算出されたバッテリ液温推定値T
(n−1)に対して今回検出された温度検出値t
(n)がどの程度差があるかを算出し、その算出した差に今回決定されたフィルタ時定数Kd
(n)を掛けた値を、前回算出されたバッテリ液温推定値T
(n−1)に加算することによって、今回のバッテリ液温推定値T
(n)を算出することを示す。
【0035】
また、今回算出した最新のバッテリ液温推定値T
(n)は、演算完了時毎にコントローラ4のRAMや不揮発性メモリなどの記憶部に記憶される。さらに、コントローラ4は、上記(1)式を用いて、今回算出したバッテリ液温推定値T
(n)を発電制御部5およびアイドルストップ制御部7に出力する。
【0036】
発電制御部5は、コントローラ4から入力されたバッテリ液温推定値T
(n)に基づいてオルタネータ6による発電制御を行う。具体的には、発電制御部5は、オルタネータ6で発電された電力を効率よく充電できる電圧の設定を行う。
【0037】
アイドルストップ制御部7は、予め定められたエンジン停止条件が成立するとエンジン2を自動停止させ、予め定められたエンジン再始動条件が成立するとエンジン2を再始動させるアイドルストップ制御を実行するものである。
【0038】
エンジン停止条件としては、例えば車速Vsが所定車速以下であること、アクセル操作量が「0」またはブレーキONであること等が含まれる。また、エンジン再始動条件としては、例えばアクセル操作がなされたこと、ブレーキOFFとなったこと等が含まれる。
【0039】
また、アイドルストップ制御部7は、オルタネータ6によって効率よく充電できないようなバッテリ液温推定値T
(n)がコントローラ4から入力された場合には、アイドルストップ制御の実行を抑制、または禁止する。
【0040】
これにより、車両1では、バッテリ3に負荷を与えるような制御が抑制される。したがって、車両1は、バッテリ3が過度な放電状態に陥ることを防止できるとともに、バッテリ3の寿命を延命させることができる。
【0041】
ここで、上述の発電制御部5およびアイドルストップ制御部7は、コントローラ4または別のコントローラの機能として、コントローラ4または別のコントローラが備える構成であってもよい。
【0042】
次に、
図3を参照して、本実施の形態に係るバッテリ液温推定処理の流れについて説明する。このバッテリ液温推定処理は、所定の時間間隔でコントローラ4によって繰り返し実行される。
【0043】
まず、コントローラ4は、イグニッションスイッチ8がONされると(ステップS1)、初期バッテリ液温推定値T
(0)を算出済であるか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、コントローラ4は、イグニッションスイッチ8のON後にバッテリ液温推定値Tを既に算出しているか否かを判定する。
【0044】
コントローラ4は、初期バッテリ液温推定値T
(0)を算出済でないと判定した場合には、イグニッションスイッチ8のON後に温度検出部31から最初に入力された温度検出値tを初期の温度検出値t
(0)として取得する(ステップS3)。
【0045】
次いで、コントローラ4は、ステップS3で取得した温度検出値t
(0)を初期バッテリ液温推定値T
(0)に設定する(ステップS4)。その後、コントローラ4は、処理をステップS9に移す。
【0046】
一方、コントローラ4は、ステップS2において、初期バッテリ液温推定値T
(0)を算出済であると判定した場合には、現在の車速Vs
(n)と現在の吸気温Ti
(n)を取得する(ステップS5)。
【0047】
次いで、コントローラ4は、ステップS5で取得した車速Vs
(n)と吸気温Ti
(n)とに基づき、
図2に示すフィルタ時定数設定マップを参照することによって、今回のフィルタ時定数Kd
(n)を設定する(ステップS6)。
【0048】
その後、コントローラ4は、現在の温度検出値t
(n)と前回のバッテリ液温推定値T
(n−1)を取得する(ステップS7)。ここで、イグニッションスイッチ8のON後の最初の処理では、前回のバッテリ液温推定値T
(n−1)は未だ算出されていない。この場合、コントローラ4は、ステップS4で設定された初期バッテリ液温推定値T
(0)を、前回のバッテリ液温推定値T
(n−1)として用いる。
【0049】
次いで、コントローラ4は、現在、つまり今回のバッテリ液温推定値T
(n)を算出する(ステップS8)。具体的には、コントローラ4は、ステップS6で設定された今回のフィルタ時定数Kd
(n)、ステップS7で取得された現在の温度検出値t
(n)および前回のバッテリ液温推定値T
(n−1)に基づき、上述した(1)式を用いて、今回のバッテリ液温推定値T
(n)を算出する。
【0050】
その後、コントローラ4は、ステップS8で算出した今回のバッテリ液温推定値T
(n)、またはステップS4で設定した初期バッテリ液温推定値T
(0)をコントローラ4のRAMに記憶する(ステップS9)。
【0051】
ステップS9で記憶されたバッテリ液温推定値T
(n)または初期バッテリ液温推定値T
(0)は、発電制御部5による発電制御やアイドルストップ制御部7によるアイドルストップ制御において利用される。
【0052】
また、ステップS9で記憶されたバッテリ液温推定値T
(n)または初期バッテリ液温推定値T
(0)は、次回の処理において、前回のバッテリ液温推定値T
(n−1)として用いられる。
【0053】
次いで、コントローラ4は、イグニッションスイッチ8から入力される信号に基づき、イグニッションスイッチ8がOFFか否かを判定する(ステップS10)。コントローラ4は、イグニッションスイッチ8がOFFでないと判定した場合には、ステップS5に戻り、ステップS5以降の処理を再度行う。一方、コントローラ4は、イグニッションスイッチ8がOFFであると判定した場合には、バッテリ液温推定処理を終了する。
【0054】
以上のように、本実施の形態に係るバッテリ液温推定装置は、車速Vsと吸気温Tiとに基づいてバッテリ液温Tを推定するためのフィルタ時定数Kdを設定するので、バッテリ周囲の温度環境を考慮してフィルタ時定数Kdを設定することができる。このため、本実施の形態に係るバッテリ液温推定装置は、従来と比較して、バッテリ液温Tの推定精度を向上させることができる。
【0055】
また、本実施の形態に係るバッテリ液温推定装置は、バッテリ液温を直接検出するためのセンサを電解液中やバッテリケース側面に新たに設置する必要がない。したがって、本実施の形態に係るバッテリ液温推定装置は、新たなセンサの設置によるコストアップや、バッテリ3の交換時における整備性が悪化することを抑制できる。
【0056】
(第2の実施の形態)
次に、
図4および
図5を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0057】
本実施の形態は、上述した第1の実施の形態とは、冷却ファンの駆動有無に応じてフィルタ時定数を設定する際のパラメータを変更する点で異なるが、他の構成および処理内容は第1の実施の形態と同様である。したがって、以下においては、第1の実施の形態と同一の構成および処理内容については説明を省略し、第1の実施の形態と異なる箇所のみ説明する。
【0058】
図4に示すように、本実施の形態に係る車両1は、第1の実施の形態の構成に加えて、エンジン2の冷却水を冷却する冷却ファン9をさらに備えている。冷却ファン9は、例えば電動ファンで構成される。冷却ファン9は、エンジン2が配置されるエンジンルーム内の車両前方側に配置され、図示しないラジエータ内を流通する冷却水を冷却するために送風を行う。
【0059】
したがって、本実施の形態に係る車両1は、例えば車両1が停止しており車両1の走行による走行風が得られない状況下においても、冷却ファン9が駆動することで一定風量の風をエンジンルーム内に取り込むことができる。また、車両1の走行時は、冷却ファン9の駆動、非駆動に関わらず、冷却ファン9およびその周辺部を通じて走行風がエンジンルーム内に取り込まれる。
【0060】
また、本実施の形態に係る車両1は、空気量検出部91を備えている。空気量検出部91は、車両1の外部から冷却ファン9に流入する単位時間当たりの空気量を検出する。
【0061】
さらに、本実施の形態に係るコントローラ4は、第1の実施の形態の機能に加えて、ファン車速設定部44としての機能を備えている。ファン車速設定部44は、車両1の走行中であって冷却ファン9の非駆動時に空気量検出部91によって検出された空気量と、車両1の停止時であって冷却ファン9の駆動時に空気量検出部91によって検出された空気量とに基づき、ファン車速Vfを設定する。
【0062】
ここで、ファン車速Vfは、車両1の走行中に非駆動状態の冷却ファン9に流入する空気量が、車両1の停止時に冷却ファン9の駆動のみによって冷却ファン9に流入する空気量と等しくなるときの車速である。
【0063】
なお、本実施の形態では、ファン車速設定部44によってファン車速Vfを設定する構成としたが、これに限らず、例えば空気量検出部91およびファン車速設定部44を設けずに、予め実験的にファン車速Vfを求めておき、これをコントローラ4のROMに記憶しておく構成であってもよい。
【0064】
本実施の形態では、冷却ファン9の駆動、非駆動によってエンジンルーム内に取り込まれる空気量が変化し、これに伴いバッテリ周囲の温度環境も変化することを考慮して、フィルタ時定数Kdを決定するようにした。
【0065】
具体的には、フィルタ時定数設定部42は、冷却ファン9が駆動しており、かつ車速検出部41により検出された車速Vsがファン車速Vf以下である場合に、ファン車速Vfと吸気温検出部21により検出された吸気温Tiとに基づいてフィルタ時定数Kdを設定する。
【0066】
このようにしたのは、実際の車速Vsがファン車速Vf以下である場合は、冷却ファン9の駆動によってエンジンルーム内に取り込まれる空気の流量のほうが、ファン車速Vs以下の車速Vsで走行中に生じる走行風の流量よりも多いからである。
【0067】
一方、フィルタ時定数設定部42は、冷却ファン9が駆動しており、かつ車速検出部41により検出された車速Vsがファン車速Vfを超える場合には、第1の実施の形態と同様、車速検出部41により検出された車速Vsと吸気温検出部21により検出された吸気温Tiとに基づいてフィルタ時定数Kdを設定する。
【0068】
このようにしたのは、実際の車速Vsがファン車速Vfを超える場合は、ファン車速Vfを超える車速Vsで走行中に生じる走行風の流量のほうが、冷却ファン9の駆動によってエンジンルーム内に取り込まれる空気の流量よりも多いからである。
【0069】
次に、
図5を参照して、本実施の形態に係るバッテリ液温推定処理の流れについて説明する。このバッテリ液温推定処理は、所定の時間間隔でコントローラ4によって繰り返し実行される。
【0070】
まず、コントローラ4は、イグニッションスイッチ8がONされると(ステップS11)、初期バッテリ液温推定値T
(0)を算出済であるか否かを判定する(ステップS12)。コントローラ4は、初期バッテリ液温推定値T
(0)を算出済でないと判定した場合には、イグニッションスイッチ8のON後に温度検出部31から最初に入力された温度検出値tを初期の温度検出値t
(0)として取得する(ステップS13)。
【0071】
次いで、コントローラ4は、ステップS13で取得した温度検出値t
(0)を初期バッテリ液温推定値T
(0)に設定する(ステップS14)。その後、コントローラ4は、処理をステップS22に移す。
【0072】
一方、コントローラ4は、ステップS12において、初期バッテリ液温推定値T
(0)を算出済であると判定した場合には、現在の車速Vs
(n)と現在の吸気温Ti
(n)を取得する(ステップS15)。
【0073】
次いで、コントローラ4は、冷却ファン9が駆動しているか否かを判定する(ステップS16)。コントローラ4は、冷却ファン9が駆動していないと判定した場合には、処理をステップS17に移行する。
【0074】
一方、コントローラ4は、冷却ファン9が駆動していると判定した場合には、ステップS15で取得した車速Vs
(n)がファン車速Vf
(n)以下であるか否かを判定する(ステップS18)。コントローラ4は、ステップS15で取得した車速Vs
(n)がファン車速設定部44によって設定されたファン車速Vf
(n)以下でないと判定した場合には、処理をステップS17に移行する。
【0075】
ステップS17において、コントローラ4は、ステップS15で取得した車速Vs
(n)と吸気温Ti
(n)とに基づき、第1の実施の形態と同様、
図2に示すフィルタ時定数設定マップを参照することによって、今回のフィルタ時定数Kd
(n)を設定する。その後、コントローラ4は、処理をステップS20に移行する。
【0076】
一方、コントローラ4は、ステップS18において、ステップS15で取得した車速Vs
(n)がファン車速Vf
(n)以下であると判定した場合には、ファン車速設定部44によって設定されたファン車速Vf
(n)とステップS15で取得した吸気温Ti
(n)とに基づき、今回のフィルタ時定数Kd
(n)を設定する(ステップS19)。
【0077】
具体的には、コントローラ4は、
図2に示すフィルタ時定数設定マップとは別に設けられたファン車速Vf時のフィルタ時定数設定マップを参照することによって、今回のフィルタ時定数Kd
(n)を設定する。
【0078】
ファン車速Vf時のフィルタ時定数設定マップは、例えばファン車速Vfを固定とした場合には、吸気温Ti
(n)をパラメータにフィルタ時定数Kd
(n)を求める二次元マップによって構成される。こうしたファン車速Vf時のフィルタ時定数設定マップは、予め実験的に求めてコントローラ4のROMに記憶されている。
【0079】
その後、コントローラ4は、現在の温度検出値t
(n)と前回のバッテリ液温推定値T
(n−1)を取得する(ステップS20)。ここで、イグニッションスイッチ8のON後の最初の処理では、前回のバッテリ液温推定値T
(n−1)は未だ算出されていない。この場合、コントローラ4は、ステップS14で設定された初期バッテリ液温推定値T
(0)を、前回のバッテリ液温推定値T
(n−1)として用いる。
【0080】
次いで、コントローラ4は、現在、つまり今回のバッテリ液温推定値T
(n)を算出する(ステップS21)。具体的には、コントローラ4は、ステップS17またはステップS19で設定された今回のフィルタ時定数Kd
(n)、ステップS20で取得された現在の温度検出値t
(n)および前回のバッテリ液温推定値T
(n−1)に基づき、上述した(1)式を用いて、今回のバッテリ液温推定値T
(n)を算出する。
【0081】
その後、コントローラ4は、ステップS21で算出した今回のバッテリ液温推定値T
(n)、またはステップS14で設定した初期バッテリ液温推定値T
(0)をコントローラ4のRAMに記憶する(ステップS22)。
【0082】
ステップS22で記憶されたバッテリ液温推定値T
(n)または初期バッテリ液温推定値T
(0)は、発電制御部5による発電制御やアイドルストップ制御部7によるアイドルストップ制御において利用される。
【0083】
また、ステップS22で記憶されたバッテリ液温推定値T
(n)または初期バッテリ液温推定値T
(0)は、次回の処理において、前回のバッテリ液温推定値T
(n−1)として用いられる。
【0084】
次いで、コントローラ4は、イグニッションスイッチ8から入力される信号に基づき、イグニッションスイッチ8がOFFか否かを判定する(ステップS23)。コントローラ4は、イグニッションスイッチ8がOFFでないと判定した場合には、ステップS15に戻り、ステップS15以降の処理を再度行う。一方、コントローラ4は、イグニッションスイッチ8がOFFであると判定した場合には、バッテリ液温推定処理を終了する。
【0085】
以上のように、本実施の形態に係るバッテリ液温推定装置は、第1の実施の形態における作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。すなわち、本実施の形態に係るバッテリ液温推定装置は、冷却ファン9が駆動しており、かつ車速Vsがファン車速Vf以下である場合に、ファン車速Vfと吸気温Tiとに基づいてフィルタ時定数Kdを設定する。
【0086】
このため、本実施の形態に係るバッテリ液温推定装置は、冷却ファン9が駆動することで実際に流入する空気量に応じたバッテリ周囲の温度環境を考慮してフィルタ時定数Kdを設定することができる。したがって、本実施の形態に係るバッテリ液温推定装置は、冷却ファン9の影響を受ける車速以下の場合であっても、バッテリ液温Tの推定精度を向上させることができる。
【0087】
また、本実施の形態に係るバッテリ液温推定装置は、冷却ファン9が駆動しており、かつ車速Vsがファン車速Vfを超える場合に、車速検出部41により検出された車速Vsと吸気温検出部21により検出された吸気温Tiとに基づいてフィルタ時定数Kdを設定する。
【0088】
このため、本実施の形態に係るバッテリ液温推定装置は、車両1の走行時にエンジンルーム内に流入する空気量に応じたバッテリ周囲の温度環境を考慮してフィルタ時定数Kdを設定することができる。したがって、本実施の形態に係るバッテリ液温推定装置は、冷却ファン9よりもバッテリ周囲の温度環境に変化を与える車速で車両1が走行している場合であっても、バッテリ液温Tの推定精度を向上させることができる。
【0089】
上述の通り、本発明の実施の形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。